JP3985422B2 - スライド型携帯電話 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やPHS等の無線通信装置に関し、特に装置本体部に対してそのカバー部がスライド移動可能な機構を有する無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話やPHS等の無線通信装置においては、その多くは電話機能が一つの筐体に搭載されて、筐体の前面にスピーカ、表示手段、ダイヤルキーなどの操作キー、マイクなどが配置されており、小型化を図り、携帯性、操作性を容易にしている。しかし、ダイヤルキーなどの操作キーが露出しており、電源が入った状態で携帯している時に不用意に触れて誤動作させてしまうという問題があつた。
【0003】
また、電話機能の他に非電話サービス機能などの多様化を行おうとすると、表示手段における表示文字数を多くしなければならなかった。
【0004】
そこで、携帯型電話機では折り畳みが可能なものも提供されている。この折り畳み可能な携帯型電話機では、例えば、スピーカと表示手段とを備えた第1の部分と、キー操作部とマイクとを備えた第2の部分からなり、電話をかけない時(携帯時)には第1の部分のスピーカと表示手段とが配置された面が、第2の部分のキー操作部とマイクとが配置された面とが対向するように畳み込まれている。
【0005】
このように、折り畳み型携帯電話機では、折り畳まれた状態でキー操作部も内側に保護されるので不用意な接触による誤動作も防止できる。また、表示手段もキー操作部とは別の面に配備されたことにより、表示面積も広く確保でき、電話機能以外の機能の多様化、例えば、電子メールのような非音声サービスにも対応できる。
【0006】
しかし、折り畳み型携帯型電話機では、コールIDサービスにより発信元電話番号が通知された場合や、メッセージ・データを受信した時、折り畳まれた状態から開いた状態にしなければならないので、ディスプレイ部の表示をすぐ見ることができない。
【0007】
また、小型化を図り、携帯性、操作性を容易にすると同時に、常に、電話機能以外に表示画面によって行うメッセージ通信などの状況をモニターするには、折り畳み型以外の機構として、スピーカと表示手段とを備えた第1の部分と、キー操作部とマイクとを備えた第2の部分を相互にスライド移動するようにし、電話をかけない時(携帯時)には第1の部分と第2の部分とが重なるようにする携帯型無線通信装置も提供されている。例えば、特開平9−247252号公報に提案されている無線電話においては、スピーカと表示手段とキー操作部とが電話機本体部に配備され、マイクを配備したカバー部が前記電話機本体部の上をスライド移動して覆う機構を有している。電話をかけない時(携帯時)には、前記カバー部はキー操作部を全て覆うようにスライド移動でき、また、キー操作部が全て露出することも部分的に覆うように中間位置でロックすることも可能である。スピーカと表示手段は、前記カバー部がキー操作部を全て覆う状態においても露出している。
【0008】
同じく、スライド移動機構を有する例として、特開平10−271192号公報を挙げることができる。この場合には、マイク、ダイヤル操作キー群を有する操作パネル部が、スピーカ、ディスプレイ部を有する本体部に対してスライド移動するようにしたことにより、前記操作パネル部を前記本体部の下へ収納したり、引出したりすることができるようになっている。前記操作パネル部を前記本体部の下へ収納した時には、前記操作パネル部は操作できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平9−247252号公報に記載されたものなどにおいては、電話機本体部の上面がスピーカと表示手段とを備えた第1の部分とキー操作部とマイクとを備えた第2の部分に分割されてしまうので、表示手段の面積が限られてしまうという問題があった。
【0010】
一方、前記特開平10−271192号公報に記載されたものなどにおいては、使用者は本体部と引出した操作パネルを同時に支えながら行わないと操作性の安定が保持できないという問題がある。また、前記操作パネル部を前記本体部に収納してしまうと、マイクが隠れてしまい、前記操作パネル部を前記本体部に収納した状態で発着信して通話状態になった時、音声が入力し難いという問題も生じる。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、カバー部をスライド移動しダイヤルキー操作部を覆っても、電話の発着信操作は無論のこと、それ以外の非電話サービス機能モードでもディスプレイ部の画面を最大限に使うことを可能にし、かつダイヤルキーの入力操作も安定して行える小型携帯型無線通信装置を提供することを目的とする。また、カバー部をスライド移動しキー操作部を覆っても覆っていなくても、スピーカとマイクは外部に露出することで電話通話が可能である携帯型無線通信装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のスライド型携帯電話は、第1の操作部と送話部とを上面に有する下筐体と、表示部と第2の操作部と受話部とを上面に有する上筐体と、を備え、前記上筐体は、前記下筐体に対してスライド移動することにより前記第1の操作部を開閉し、前記表示部は、前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記第2の操作部の操作によりモード選択画面を表示し、前記モード選択画面から電話番号帖の表示、着信した電子メールの表示、及びインターネット接続が可能であり、前記送話部は、前記下筐体のスライド方向と反対側の端部に設けられ、前記第1の操作部が閉じられた状態においても外部に露出しており、前記下筐体は、前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記上筐体の側面の一部を覆っており、前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記下筐体の下面と前記上筐体の上面は外部に露出していることを特徴とする。
【0013】
この構成により、カバー部をスライド移動しダイヤルキー操作部を覆っても、電話の発着信操作は無論のこと、それ以外の非電話サービス機能モードでもディスプレイ部の画面を最大限に使うことを可能にする。
【0015】
この構成により、カバー部をスライド移動してダイヤルキー操作部を覆っても、覆っていなくても、常時スピーカとマイクは外部に露出しているので電話通話が可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の基本構成図であり、(a)は本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の縮小時(携帯時)における平面図であり、(b)は本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の縮小時(携帯時)における側面図であり、(c)は本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の伸長時における平面図であり、(d)は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の伸長時における側面図である。
【0020】
図1において、本体ベース部1の表面には数字ダイヤルキーなどからなるキー操作部2と、その下の位置にマイク3が配備されている。本体ベース部1の上には、本体ベース部1に設けたスライダー(特に、図示せず)に沿って本体ベース部1の上を上下にスライド移動するスライド扉部4がある。スライド扉部4の上面には、最上位にスピーカ5、その下に液晶表示部6が配備されている。図1(a)、および図1(c)に示されるように、スライド扉部4の面積の大部分を液晶表示部6が占めている。
【0021】
液晶表示部6の下部には主操作部7が配置され、スクロールキー7a、フォワードキー7b,およびバックキー7cから構成されている。主操作部7は縮小時(携帯時)においても露出しているので、不用意にクリックすると動作してしまう恐れがある。そこで、スクロールキー7aには、その周りにリング状回転スイッチ7dを設け、このリング状回転スイッチ7dを回転させ、その小突起部7eを主操作部面上の三角印7fに合わせた状態にしておかなければ、スクロールキー7aのクリック動作は有効にはならないようにしている。
【0022】
図1(b)、および(d)に示されるように、本体ベース部1の側面にスライドオープンスイッチ8があり、これを押下していると、スライド扉部4が本体ベース部1の上を自由にスライド移動できるようになり、図1(a)の縮小状態から図1(c)の伸長状態に移行することができる。後述する縮小状態と伸長状態の中間の位置にするには、スライド扉部4が所定の位置に来た時、スライドオープンスイッチ8を押下するのを止めると、その位置で固定される。なお、縮小(収納)状態にするには、スライドオープンスイッチ8を押下した状態で、スライド扉部4を手動で下方向に押し下げることで行う。縮小(収納)状態において、スライド扉部4は、本体ベース部1のマイク3を覆うことはない。このようにして、スライド扉部4を上下させて、一実施の形態の携帯型無線通信装置の全体長を伸縮させても、マイク3とスピーカ5とは常に露出された状態にある。
【0023】
図2は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置のブロック図である。
【0024】
図2のブロック図に示すように、本発明の一実施の形態の携帯型無線通信装置の本体ベース部1は、アンテナ9、RF回路10、変復調回路11、ベースバンド処理回路12、コーディック回路13、通信制御回路14、中央処理部15、マイク3、メモリ部16、およびキー操作部2を備える。本体ベース部1のRF回路10は、アンテナ共用器10a、受信回路10b、送信回路10c、周波数シンセサイザ10dを有する。本体ベース部1のキー操作部2には、図1に示したように開始キー、終了キー、および0,1,2,・・、9の数字キー、@キー、#キーからなるダイヤル操作キー群を備える。なお、各数字キーには、平仮名50音の各行の先頭文字、およびアルファベット英文字を複数個ずつ順に割り当てている。
【0025】
一方、スライド扉部4はスピーカ5、液晶表示部6、およびスクロールキー7a、フォワードキー7b、バックワードキー7c、リング状回転スイッチ7dなどからなる主操作部7を備える。
次に、本発明の一実施の形態の携帯型無線通信装置について、各種の動作モードと操作方法について図面によって詳細に説明する。
【0026】
まず通常の電話の送受信の場合である。
【0027】
図3は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置を縮小状態にした時の画面表示例を示す図であり、(a)は動作モード選択画面の表示例を示す図であり、(b)は、電話送受信の場合、内蔵する電話番号帖から読み出した所要の相手先氏名と電話番号の画面表示例を示す図である。
【0028】
図4は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置を伸長状態にした時、電話送受信の場合に電話番号をキー入力操作部から入力した状況の表示例を示す図である。
【0029】
本発明による携帯型無線通信装置では、図1(a)の縮小状態、および図1(c)の伸長状態のいずれの状態からでも電話発着信が可能である。
【0030】
縮小状態からの発着信動作は、以下のようにして行われる。
【0031】
縮小状態において電源投入すると、スライド扉部4の液晶表示部6には図3(a)に示すようにモード選択画面100が表示される。ここで、リング状回転スイッチ7dを回転させ、その小突起部7eを主操作部面上の三角印7fに合わせた状態にして、スクロールキー7aのクリック動作を有効にする。次に、白黒反転部分を主操作部7のスクロールキー7aによって選択する動作モードである電話発着信の位置にもって来てクリックすると、すでに本体ベース部1のメモリ部16に記憶保持されている電話番号帳を中央処理部15が呼出し、図3(b)に示すように、液晶表示部6に氏名とその電話番号、メールアドレスのリスト200が表示される。スクロールキー7aによって、白黒反転表示部分を所要の相手先氏名とその電話番号を画面表示させて、開始マーク201にカーソルを合わせてクリックすると、発信動作が行われ、相手先が応答すると通話状態に入る。
【0032】
一方、着信時はスピーカ5から呼出し音が発せられるので、開始マーク201にカーソルを合わせてをクリックすると通話状態に入る。
【0033】
次に、伸長状態からの発着信動作は、以下のようにして行われる。キー操作部2の数字ダイヤルキーによって相手先電話番号を入力すると、液晶表示部6に表示され、次にキー操作部2の最下段に配置された開始キーを押下すると、図4の発信動作画面300に示されるように、発信動作が開始する。一方、着信時はスピーカ5から呼出し音が発せられるので、キー操作部2の開始キーを押下すると通話状態に入る。
【0034】
なお、通話状態の終了は、縮小状態の場合、フォーワードキー7bによってカーソル位置を液晶表示部6の画面上の終了マーク203へ移動してスクロールキー7aをクリックする。また、伸長状態の場合は、キー操作部2の終了キーの押下して行う。
【0035】
また、スライド扉部4が縮小状態と伸長状態の中間の位置にあって、少なくともキー操作部2の最下段に配置された開始キー、および終了キーを覆っていなければ、発着信動作が、液晶表示部6の画面、あるいはキー操作部のいずれからでも可能になる。
【0036】
次に各種の非音声サービス機能モードの場合である。
【0037】
図5は、本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の電子メール動作時の表示例を示す図であり、(a)は電子メール発信時の入力操作画面400の表示例を示す図であり、(b)は電子メール受信時の受信状況画面500の表示例を示す図である。
【0038】
非音声サービス機能としては、電話番号帖への登録と検索、インターネット接続によるWEBサイトの検索と閲覧、電子メールの発着信、メールボックス作成などがある。ここでは、電子メールを例にして動作を説明する。
【0039】
縮小状態においては、液晶表示部6に図3(a)に示すモード選択画面100を表示し、前記各種の非音声サービス機能の中から所望のもの指定すると、その動作モードの入力操作画面が表示されるので、主操作部7のスクロール7a,7b,7cキーによって表示画面のスクロール、所定機能項目の選択して行う。なお、縮小状態の場合、氏名、および電話番号の入力とメールアドレスの設定は、メモリ部16に登録した電話番号帖から呼び出して行い、および電子メール文の設定は、予めメモリ部16に設けたメールボックス(特に、図示せず)から読み出して設定する。
【0040】
また、伸長状態においても、液晶表示部6には図3(a)に示したのと同じメニュー選択画面が表示されるので、前記各種の非電話サービス機能の中から所望のもの指定すると(この場合、電子メールを選択)、その動作モードの入力操作画面が表示されるので、主操作部7の各種キーによって表示画面をスクロールさせて所定機能項目の設定を行う。図5(a)は電子メール発信時の入力操作画面400の表示例である。ここで、主操作部7の各種キーによって液晶表示部6の電子メール発信時の入力操作画面400における発信のマークをクリックするか、あるいは、キー操作部2の開始キーを押下することにより送信が行われる。電子メール着信時は電子メールの表示画面において、着信マークへカーソルを移動してクリックすると、プロバイダーへの接続処理が行われ、図5(b)に示すように、電子メール着信画面500が現れて、相手先から着信しているメッセージが画面に表示される。
【0041】
伸長状態においては、電話番号帖への登録、電子メール文の作成などは、平仮名文字や英文字の表示には、例えば、キー操作部2の各ダイヤルキーに五十音の各行の先頭文字、および英文字を割り当て、その押下回数により各行の文字、および英文字を選択し表示させる方法が採られる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による携帯型無線通信装置において、表示手段と前記表示手段の表示画面制御を行う主操作部とスピーカとを備えたカバー部は、キー操作手段とマイクとを備えた本体ベース部に対してスライド移動することが可能であり、カバー部のスライド移動により本体ベース部のキー操作手段の全体、またはその一部分を覆ったり、全く覆わないことも自由に設定することが可能である。従って、カバー部が本体ベース部の全体を覆う場合は、誤って操作キーを押下して携帯型無線通信装置を誤動作させることを確実に防止できる。また、液晶表示部をキー操作部とマイクのある本体ベース部とは異なるカバー部に設けられるため、キー操作部とマイクの配置スペースに関係なく液晶画面の表示領域を最大限に使うことを可能にする。手によって保持する本体ベース部上にダイヤルキーの入力操作部があるので、ダイヤルキーの入力操作も安定して行える。さらに、カバー部をスライド移動しダイヤルキー操作部を覆っても、覆っていなくても、常時スピーカとマイクは外部に露出しているので電話通話が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における携帯型無線通信装置の基本構成図
【図2】本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置のブロック図
【図3】本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の縮小状態にした時の画面表示例を示す図
【図4】本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置を伸長状態にした時、電話送受信の場合に電話番号をキー入力操作部から入力した状況の表示例を示す図
【図5】本発明の一実施の形態における携帯型無線通信装置の電子メール動作時の表示例を示す図
【符号の説明】
1 本体ベース部
2 キー操作部
3 マイク
4 スライド扉部
5 スピーカ
6 液晶表示部
7 主操作部
8 スライドオープンスイッチ
9 アンテナ
10 RF回路
11 変復調回路
12 ベースバンド処理回路
13 コーディック回路
14 通信制御回路
15 中央処理部
16 メモリ部
Claims (2)
- 第1の操作部と送話部とを上面に有する下筐体と、
表示部と第2の操作部と受話部とを上面に有する上筐体と、を備え、
前記上筐体は、前記下筐体に対してスライド移動することにより前記第1の操作部を開閉し、
前記表示部は、前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記第2の操作部の操作によりモード選択画面を表示し、前記モード選択画面から電話番号帖の表示、着信した電子メールの表示、及びインターネット接続が可能であり、
前記送話部は、前記下筐体のスライド方向と反対側の端部に設けられ、前記第1の操作部が閉じられた状態においても外部に露出しており、
前記下筐体は、前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記上筐体の側面の一部を覆っており、
前記第1の操作部が閉じられた状態において、前記下筐体の下面と前記上筐体の上面は外部に露出している、
ことを特徴とするスライド型携帯電話。 - 前記下筐体の側面にスライドオープンスイッチを設け、前記スライドオープンスイッチの操作により、前記上筐体が前記下筐体に対してスライド移動することを特徴とする請求項1記載のスライド型携帯電話。
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