JP3985329B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関し、特に基板上に複数個のインクジェットヘッドを形成した後、基板を切断して個々のインクジェットヘッドに分離するインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドには、インク滴を外部に吐出する複数のインクノズルと、これらのインクノズルに連通したインク供給路とが半導体基板上に作り込まれたものが提案されている。近年、インクジェットヘッドに対しては、高精細文字を印字可能にするために、より精密でより微細な加工が要求されている。このために、様々なインクジェットヘッドの製造方法が開発されている。
【0003】
例えば、本願人による特開平5−50601号公報には、リザーバ、キャビティ等のインク供給路、振動板が形成されたシリコン単結晶製の流路基板と、インク供給路を覆う蓋基板と、振動板を静電気力によって撓めるための電極が形成されたガラス製の電極基板を個々に形成し、これら3枚の基板を接合、積層して静電駆動方式のインクジェットヘッドを製造する方法が開示されている。
【0004】
このような構造を採用することにより、個々のインクジェットヘッドのパターン(ノズル、インク供給路、電極)をそれぞれの基板に形成した後、基板を接合し、接合した基板を切断し個々のインクジェットヘッドに分離するという製造方法(いわゆる多数個取り)が採用でき、インクジェットヘッドを安価に製造できる。なお、多数個取りの例は、本願人による特開平9−300630号に開示されている。即ち、下方の基板に形成された信号もしくは電力をヘッドに供給するための端子が露出するように、複数の蓋基板を列状に流路基板に接合する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インク供給路を覆う蓋基板にノズルを形成し、蓋基板自体をノズルプレートとして用いる場合、特開平9−300630号に開示された方法よりも1枚のノズルプレートを流路基板に接合した後、個々のインクジェットヘッドに分離する方が精度上望ましい。
【0006】
このようなノズルプレートを備えたインクジェットヘッドを製造するにあたり、以下の点に解決すべき課題があった。
【0007】
インクジェットヘッドをプリンタに固定したときにノズル列のアライメントの精度が重要である。例えばシリアルプリンタの場合、インクジェットヘッドを紙送り方向と垂直な方向に走査するが、ノズル列がヘッドの走査方向に対し垂直となるようにプリンタに取り付けられないと、印刷された画像に乱れが生じる。プリンタにインクジェットヘッドを取り付ける際に、切断された面が、基準面の一つとなるが、ガラス、シリコン等の基板は切断時にチッピングが生じやすく精度良く基準面を形成することが容易ではなかった。
【0008】
また、ウエハ等の基板をフルカットスクライブするために、UVテープ、粘着シート等を裏面(切断ブレードにより切断され側の面と反対側の面)に貼り、表面からシートをその厚みの半ばまで切り込み、基板を切断することが一般的技術として知られている(例えば特開平4−330766号公報)。この粘着シートは厚くなると、基板が切断時に振動し、チッピングが多くなる傾向を生じるためあまり厚いものは用いられない。
【0009】
一方、使用する切断ブレードの刃先の形は、切断処理数を増すごとに摩耗し形状変化をする。そのため、その摩耗分を見込み、切込み量(を設定する必要を生じる。基板裏面に貼る粘着シート1は刃先の形状変化を吸収できる程度の厚さを持つことが好ましいが、刃の厚み、シートの厚み共に薄いために刃先の形状変化を吸収するように切込み量を設定することは困難である。このため、基板の切断面の精度の確保をするために、刃先のメンテナンス(ツルーイング)を頻繁に行わなければならなかった。また、切込み量を大きくして、基板を粘着シートごと切断する方法もあるが、基板を固定するための専用の治具が必要となるため好ましくない。
【0010】
また、切断後の後工程の取扱の容易さを考慮すると、基板の切断後、シートに個々のヘッドが保持された状態で後工程に移されることが望ましく、基板を切断するときにシートまで切断してしまうと、切断後の工程での取扱が面倒になる。
【0011】
更に、基板の切断時に発生する切り屑、切断ブレードの摩耗屑等が基板表面に付着するという不具合もあり、この問題を解決するために表面洗浄による除去や、表面へ、レジストなどのコーティング剤を塗布し、付着防止する手段が取られていたが、いずれも切断後、剥離・洗浄・乾燥工程等の工程が必要となり、製造工程が煩雑となる。
【0012】
上記課題に鑑み、本発明は、インクジェットヘッドをプリンタに固定したときにノズル列のアライメントの精度を向上させるために、インクジェットヘッドを構成するガラス、シリコン等の複合基板を切断する時に発生するチッピングを減少させ、インクジェットヘッドをプリンタに装着する際の基準面を精度良く形成できるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、基板の切断面の精度の確保をするために、頻繁に行わなけれていた刃先のメンテナンス(ツルーイング)の頻度を減少させ、ひいては生産効率を高めたインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
更に、製造工程を煩雑化させることなく、基板の切断時に発生する切り屑、切断ブレードの摩耗屑等を除去できるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、複数のノズルが形成された第1の基板の下方に、前記ノズルよりインク滴を吐出させるための圧力発生手段が形成された第2の基板を接合した後、接合された基板を切断し個々のインクジェットヘッドに分離するインクジェットヘッドの製造方法において、第1の基板に設けられたマークを基準として、第2の基板の側から切断ブレードで切断することを特徴とする。
【0016】
ノズルが形成された第1の基板に圧力発生手段が形成された第2の基板が接合された複合基板を切断する際に基準となるマークは、ノズル列と同一の基板に設けられているため、これを基準として複合基板を切断することにより、例え夫々の基板が多少ずれて接合されいても、インクジェットヘッドをプリンタに装着する際の基準面をノズル列に対して精度良く形成することができる。
【0017】
この基準面は、ヘッドがプリンタに取り付けられる側の第2の基板側の精度良く形成される必要があるが、第2の基板側から切断ブレードで複合基板を切断しているため、基準面の第2の基板側にはチッピングが生じにくい。即ち、インクジェットヘッドをプリンタに固定したときにノズル列のアライメントの精度を向上させることができる。
【0018】
一方、第2の基板側の裏面の第1の基板側では、第2の基板側に比べチッピングが生じやすいが、切断面のうち、ヘッドの取付側にあたる第2の基板側で精度良く基準面が形成されるため、第1の基板側のチッピングは、ヘッドをプリンタに取り付ける上で大きな問題とはなり得ない。切断ブレードの刃先は、切断処理数を増すごとに摩耗し、第1の基板側のチッピングは大きくなっていくが、この部分のチッピングは上述したとおり許容できるので、刃先のメンテナンス(ツルーイング)を頻度を減らし生産効率を高めることができる。
【0019】
典型的な本発明の実施の形態では、前記第2の基板にはガラス製の基板が用いられ、前記第1の基板にはシリコン製の基板が用いられる。勿論、双方の基板にガラス基板もしくはシリコン基板を用いても良いし、他の半導体材料、金属材料を材質する基板を用いても良い。
【0020】
また、圧力発生手段として、静電気力を用いて振動板を振動させインク滴をノズルより吐出させる圧力を得るものを用いても良い。この場合、前記第1の基板と接合した際に前記ノズルと連通するインク室と、該インク室の底壁に形成された振動板を備えた第3の基板を形成し、当該第3の基板の下側に、前記振動板を静電気力を与えて変形させるための電極が設けられた第2の基板を接合することにより、圧力発生手段が形成される。そして、第3の基板の上側にノズルが形成された第1の基板を接合して、即ち3枚の基板を積層してインクジェットヘッドを構成するようにすればよい。勿論、接合される基板の枚数もこれに限定されるものでなく、圧力発生手段の方式、仕様に応じて適宜増減できるものである。
【0021】
また、接合された基板の両面にシートを貼着し、前記シートが貼着された基板を切断ブレードで切断することが好ましい。これによりチッピングを減少させると共に、製造工程を煩雑化させることなく、基板の切断時に発生する切り屑、切断ブレードの摩耗屑が基板表面に付着することを防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(本発明に適用されるインクジェットヘッドの一例)
図3は本発明を適用したインクジェットヘッドの分解斜視図である。また、図4は組み立てられたインクジェットヘッドの断面構成図である。
【0023】
これらの図に示すように、インクジェットヘッド100は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであり、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッド100は、キャビティープレート12(第3の基板)を挟み、上側にノズルプレート13(第1の基板)、下側に電極基板11(第2の基板)がそれぞれ積層された3層構造となっている。
【0024】
キャビティープレート12は、例えば、厚さ360μm程度のシリコン基板であり、プレートの表面には底壁が振動板105として機能するインク室106を構成することになる凹部107と、凹部107の後部に設けられたインク供給口108を形成することになる細溝109と、各々のインク室106にインクを供給するためのインクリザーバ110を構成することになる凹部111とがエッチングによって形成されている。このキャビティープレート12の下面は鏡面研磨によって平滑化されている。
【0025】
このキャビティープレート12の上側に接合されるノズルプレート13は、例えば、厚さ360μm程度のシリコン製の基板である。ノズルプレート13において、インク室106の上面を規定している部分には各インク室106に連通する複数のインクノズル121が形成されている。
【0026】
このノズルプレート13をキャビティープレート12に接合することにより、上記の凹部107、111、および細溝109が塞がれて、インク室106、インク供給口108、インクリザーバ110のそれぞれが区画形成される。
【0027】
なお、インクリザーバ110の底面を規定する部分にはインクリザーバ110にインクを供給するための孔112aが設けられており、基板接合後、後述する電極基板11に設けられた孔112bと共にインク供給孔112を形成する。インク供給孔112には、不図示の接続チューブを介して不図示のインクタンクに接続される。インク供給孔112から供給されたインクは、各インク供給口108を経由して独立した各インク室106に供給される。
【0028】
キャビティープレート12の下側に接合される電極基板11は、シリコンと熱膨張率が近い、厚さ1mm程度のホウ珪酸ガラス基板である。この電極基板11において、各々の振動板105に対向する部分には振動室(隙間)115を構成することになる凹部116が形成されている。この凹部116の底面には、振動板105に対向する個別電極117が形成されている。個別電極117は、ITOからなるセグメント電極部118と端子部119を有している。
【0029】
この電極基板11をキャビティープレート12に接合することにより、各インク室106の底面を規定している振動板105と個別電極117のセグメント電極部118は、非常に狭い隙間を隔てて対向する。この隙間115はキャビティープレート12と電極基板11の間に配置した封止材120によって封止される。
【0030】
振動板105は薄肉とされており、面外方向、すなわち、図4において上下方向に弾性変形可能となっている。この振動板105は、各インク室側の共通電極として機能する。この共通電極としての振動板105の底面151にはヘキサメチルジシラザン(HMDS)からなる疎水膜が形成されている。この振動板105に対向する個別電極117のセグメント電極部118の表面にも、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)からなる疎水膜が形成されている。隙間115を挟み、振動板105と、対応する各セグメント電極部118とによって対向電極が形成されている。
【0031】
振動板105と個別電極117との間には電圧印加装置125が接続されている。電圧印加装置125の一方の出力は各個別電極117の端子部119に接続され、他方の出力はキャビティープレート12に形成された共通電極端子126に接続されている。キャビティープレート12自体は導電性をもつため、この共通電極端子126から振動板(共通電極)105に電圧を供給することができる。また、より低い電気抵抗で振動板105に電圧を供給する必要がある場合には、例えば、キャビティープレート12の一方の面に金等の導電性材料の薄膜を蒸着やスパッタリングで形成すれば良い。本例では、キャビティープレート12と電極基板11との接続に陽極接合を用いるために、キャビティープレート12の流路形成面側に導電膜を形成してある。
【0032】
このように構成したインクジェットヘッド1においては、電圧印加装置25からの駆動電圧が対向電極間に印加されると、対向電極間に充電された電荷によるクーロン力が発生し、振動板105はセグメント電極部118の側へ撓み、インク室105の容積が拡大する。次に、電圧印加装置125からの駆動電圧を解除して対向電極間の電荷を放電すると、振動板105はその弾性復帰力によって復帰し、インク室106の容積が急激に収縮する。この時発生する内圧変動により、インク室106に貯留されたインクの一部が、インク室106に連通しているインクノズル121から記録紙に向かって吐出する。
【0033】
後述するように、一つのインクジェットヘッド100を形成するための前述した各要素は、各基板11、12、13に複数セット形成されており、接合した基板を切断することにより、2枚のシリコンウエハと1枚のガラス基板から多数のインクジェットヘッドを得ることができる。個々のインクジェットヘッドに分離した際形成される切断面20は、インクジェットヘッド100をプリンタに取り付けるための基準面としても用いられる。
【0034】
なお、インクジェットヘッド100で使用されるインクとしては、水、アルコール、トルエン等の主溶媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または顔料とを溶解または分散させることにより調製される。さらに、インクジェットヘッド1にヒータを設けておけば、ホットメルトインクも使用できる。
【0035】
上述したインクジェットヘッドは、個々のインクジェットヘッドを構成するインクノズル121、インク室106、電極119等の各要素は、各基板11、12、13に複数セット形成される。各要素が形成された基板を接合した後、接合された基板を切断することにより、同時に複数個のインクジェットヘッドを得ることができる。
【0036】
図5は、各要素が形成され、互いに接合される3枚の基板を示す斜視図である。本実施の形態では、両端の列に夫々3個の、中央の5列には、1列当たり5個のインクジェットヘッドを形成するための各要素が各基板に形成されており、接合した基板を切断することにより、2枚のシリコンウエハと1枚のガラス基板から計31個のインクジェットヘッドを得ることができる。尚、符号24、25は貫通孔であり、3枚の基板が接合されたときに、電極端子119、126が接合基板の表面に露出させるための孔である。また、符号72a、72bは基板13と基板12を接合する際に位置決めに用いられる基板接合用の基準マークであり、基板13に設けられた基板切断用の基準マーク73は、接合された複合基板4を切断するときに、当該基板に対して切断ブレードの位置を合わせるための基準となるマークである。なお、本実施形態では、基板13の裏側(基板12と接合される面側)からエッチングを施すことにより設けられている。
【0037】
(本発明の切断方法)
本発明の切断方法について図1、図2を参照し説明する。図1は、本発明の切断方法を示す説明図である。
【0038】
上述した基板11、12、13を接合して得られた複合基板4の両面に粘着シート1a、1bが貼着される。粘着シート1a、1bは、紫外線硬化型シートあるいは、熱硬化型シートであってもよく、厚さ100はμm程度である。本実施形態では、上述したガラス基板、シリコン基板からなる複合基板を例にとるが、これに限らず、複合基板4を構成する各基板の材質としては、ガラス、シリコンあるいは、シリコン系酸化物の他に、金属酸化物あるいは、金属あるいは、半導体あるいは、無機化合物あるいは、有機化合物であってもよい。
【0039】
以上から構成される複合基板4を、円盤状の回転刃を備えた切断ブレード5を用いて、前述した基板13に設けた切断用のマーク73を基準にして、ガラス製の基板11側より切断するようにする。本実施形態では、刃先部分にダイヤモンド、CBN等の砥粒が固着された厚さ0.3mm程度の切断ブレードが用いられる。
【0040】
複合基板4を切断する際に基準となるマーク73は、ノズル121列と同一の基板に設けられているため、これを基準として複合基板4を切断することにより、例え基板11、13が多少ずれて接合されても、インクジェットヘッドをプリンタに装着する際の基準面20をノズル121の列に対して精度良く形成することができる。また、この基準面20は、ヘッド100がプリンタに取り付けられる基板11側が精度良く形成される必要があるが、基板11側から切断ブレード5で複合基板4を切断しているため、基準面20の基板11側にはチッピングが生じにくい。即ち、インクジェットヘッド100をプリンタに固定したときにノズル列のアライメントの精度を向上させることができる。
【0041】
更に、ガラス製の基板11の表面の上に粘着シート1aが形成されているため、切断時に基板11の表面のエッヂ部8に発生するチッピング10の大きさ、発生する頻度を共に減少させることができる。これは、粘着シート1aがなければガラス基板2表面は切断ブレード5の衝撃を直接受け、チッピングが発生しやすくなるが、粘着シートを用いたものはこの衝撃が緩和されるためである。また、このように、複合基板4の表面を粘着シート1aで覆うことにより、複合基板4の表面に切り屑等の汚れが付着することを防止できる。
【0042】
図2は、切断ブレード5の刃先6を拡大した断面図である。
新しい刃先は図に波線で示す通りの断面を有するが、切断を繰り返すうちに刃先が、図に実線で示すように摩耗する。
【0043】
符号dは、粘着テープ1bに対する切断ブレード5の切込み量を示し、この切込み量dは、複合基板4を切断する際に、粘着シート1bを分断しないように設定されている。シート1bまで切断してしまうと、切断後の工程での取扱が面倒になるため、このように切断ブレード5の刃先6をシート1bの半ばまで切断するように切込み量が設定される。
【0044】
この切込み量dは非常に小さく、シート1bの厚みの半分くらいの量であり、例えば、本実施形態では約50μmである。このため、切断処理数が増すと、刃先6が図に実線で示すように摩耗しやすく、このように摩耗すると、基準面20の基板13側では、基板11側に比べ大きなチッピング10bが発生しやすくなる。
【0045】
しかしながら、切断面のうち、ヘッド100の取付側にあたる基板11側で精度良く基準面20が形成されるため、基板13側のチッピングは、ヘッド100をプリンタに取り付ける上で大きな問題とはなり得ない。即ち、切断ブレードの刃先は、切断処理数を増すごとに摩耗し、第1の基板側のチッピングは大きくなっていくが、基板13側で発生するチッピングは、基板11側で発生するチッピングに比べ許容できる範囲が大きいので、刃先のメンテナンス(ツルーイング)を頻度を減らし生産効率を高めることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上本発明によれば、インクジェットヘッドをプリンタに固定したときにノズル列のアライメントの精度を向上させるために、インクジェットヘッドを構成するガラス、シリコン等の複合基板を切断する時に発生するチッピングを減少させ、インクジェットヘッドをプリンタに装着する際の基準面を精度良く形成できるインクジェットヘッドの製造方法を提供できるという効果を奏する。
【0047】
また、基板の切断面の精度の確保をするために、頻繁に行わなけれていた刃先のメンテナンス(ツルーイング)の頻度を減少させ、ひいては生産効率を高めたインクジェットヘッドの製造方法を提供できるという効果を奏する。
【0048】
更に、製造工程を煩雑化させることなく、基板の切断時に発生する切り屑、切断ブレードの摩耗屑等を除去できるインクジェットヘッドの製造方法を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットの製造方法を示す説明図であり、インクジェットヘッドを構成する各基板が接合された複合基板の切断方法を説明するものである。
【図2】図1において、複合基板の切断時の切断ブレードの刃先部分の断面図である。
【図3】本発明が適用されるインクジェットヘッドの一例を示す分解斜視図である。
【図4】図3のインクジェットヘッドの組み立てられた状態を示す断面構成図である。
【図5】図3に示すインクジェットヘッドを構成する要素が多数形成され、互いに接合された後個々のインクジェットヘッドに切断分離される3枚の基板を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b 粘着シート
4 複合基板
5 切断ブレード
6 刃先(点線は摩耗前、実線は摩耗後)
10a、10b チッピング
11 第2の基板(電極基板)
12 第3の基板(キャビティプレート)
13 第1の基板(ノズルプレート)
20 基準面(切断面)
72a、72b 基板接合用の基準マーク
73 基板切断用の基準マーク
105 振動板
106 インク室
117 個別電極
121 インクノズル
Claims (4)
- 複数のノズルが形成された第1の基板の下方に、前記ノズルよりインク滴を吐出させるための圧力発生手段が形成された第2の基板を接合した後、接合された基板を切断し個々のインクジェットヘッドに分離するインクジェットヘッドの製造方法において、
第1の基板に設けられたマークを基準として、第2の基板の側から切断ブレードで切断することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 請求項1において、前記第1の基板と接合した際に前記ノズルと連通するインク室と、該インク室の底壁に形成された振動板を備えた第3の基板を、前記第1の基板の下側に接合し、前記第3の基板の下側には、前記振動板を静電気力を与えて変形させるための電極が設けられた第2の基板が接合されることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
- 請求項1もしくは請求項2において、前記第2の基板はガラス製の基板であり、前記第1の基板はシリコン製の基板であることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかの項において、前記接合された基板の両面にシートを貼着し、前記シートが貼着された基板を切断ブレードで切断することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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