JP3984554B2 - 光学式移動量測定装置、それを用いた電子機器およびプリンタ - Google Patents

光学式移動量測定装置、それを用いた電子機器およびプリンタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、用紙等の表面が鏡面ではない物体の移動量を被接触で測定する光学式移動量測定装置、それを用いた電子機器およびプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検出物である用紙を搬送しながら処理を行うプリンタ等の電子機器においては、用紙の移動量を測定する装置としてローラ式の移動量測定装置が用いられている。この移動量測定装置は、挟み込みローラの回転によって被検出物を搬送するに際して、ローラの回転量と上記ローラの直径によって移動量を算出するものである。
【0003】
上記ローラ式の移動量測定装置では、ローラと被検出物との間に滑りは全く無いことを前提にしている。そのために、搬送中にローラと被検出物との間で滑りが生じた場合には被検出物の搬送量に誤差が生じ、上記被検出物における所定位置に対して処理を行うことができない。プリンタを例に取ると、用紙の所定の位置に印刷されずに違った位置に印刷されてしまうことなる。
【0004】
取り分け、写真等の画像を高解像度で印刷を行うプリンタにおいては、所定の位置に印刷するために、搬送される用紙の移動量を用紙の搬送を妨げずに測定して印刷処理を制御することが必要になる。そこで、被検出物の搬送手段とは独立して被検出物の移動量を測定する移動量測定装置がある。
【0005】
そのような移動量測定装置として、スペックルパターンを利用して光学的に非接触で移動量を測定するペーパー状物体の移動量測定装置がある(特許文献1参照)。このペーパー状物体の移動量測定装置では、レーザのようなコヒーレント光を物体に照射するとその物体の表面の粗さによって反射光が散乱することで干渉を起こし、図7に示すようなスペックルパターンという斑点状の模様が生じることを利用する。
【0006】
図8は、上記ペーパー状物体の移動量測定装置の構成を示す図である。少なくとも一方面が粗面で且つ無透明なペーパー状物体としての紙幣2の粗面に、レーザダイオード等で成る光照射手段3によって、コヒーレント光4を照射する。そして、紙幣2の粗面からの反射光5を撮像デバイス6で受光して電気的な画像信号に変換する。そして、第1の時点における撮像デバイス6の出力を第1のメモリ7に記憶し、第1の時点から所定時間経過後の第2の時点における撮像デバイス6の出力を第2のメモリ8に記憶する。そして、画像処理部9の抽出部9aによって、第1のメモリ7の記憶画像と第2のメモリ8の記憶画像との合成画像から周波数スペクトルを抽出し、検出部9bによって、上記抽出された周波数スペクトルの周波数ピークを検出し、演算部9cによって、上記検出された周波数ピークの間隔Δdxを演算して紙幣2の移動量とする。
【0007】
終端検出部10は、上記第2のメモリ8の記憶画像をモニタし、紙幣2の終端を検出した場合に終端検出信号Sendを制御部11に出力する。そして、制御部11によって、演算部9cからの移動量Δdxおよび終端検出部10からの終端検出信号Sendに基づいて、紙幣2等に対する処理が行われる。尚、1は紙幣2の束である。
【0008】
この他に、移動量を測定する方法としては、移動物体にLED(発光ダイオード)等の光源からの光を照射し、上記移動物体からの反射光から特定の空間周波数成分の信号を抽出する空間フィルタの出力信号に基づいて、上記移動物体の相対移動量を求める空間フィルタ法や、光マウスに利用されているイメージセンサ画像に基づくフレーム処理によって物体の移動量を測定する方法もある。
【0009】
【特許文献1】
特開平9‐318320号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来のペーパー状物体の移動量測定装置においては、以下のような問題がある。すなわち、上記スペックルパターンの画像を撮像デバイス6としてのイメージセンサで取り込み、画像処理部9によって種々の演算を行うので、情報量が膨大になると共に、演算は複雑になり、装置が大型で且つ高価なものになってしまう。
【0011】
さらに、上記ペーパー状物体として、表面が比較的滑らかなOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)シート等の正反射が強い物体を用いた場合には、物体の検出が非常に困難であるという問題がある。
【0012】
また、上記空間フィルタ法の場合には、空間周波数成分の演算等が複雑であるため、装置が高価なものになってしまう。それと同時に、表面が滑らかな物体の場合には出力が小さくなるために、画像信号の処理が難しくなってしまうという問題もある。また、上記光マウスの場合には、フレーム単位で画像信号の処理を行うために、信号の処理が複雑であると同時に、表面が滑らかな物体の場合には出力信号が小さいために移動量の検出が難しいという問題がある。
【0013】
そこで、この発明の目的は、表面が滑らかな被検出物であっても移動量を精度よく測定できる小型で安価な光学式移動量測定装置、それを用いた電子機器およびプリンタを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の光学式移動量測定装置は、
発光素子からの光を、停止状態の被測定物に照射して上記被測定物上に所定のスポット径を有する光スポットを形成する第1の光学系と、
上記被測定物上における光スポットからの反射光を受光素子に導く第2の光学系と、
上記第1の光学系に含まれると共に、上記発光素子からの光を上記被測定物に向けて反射させ、移動することによって上記光スポットを被測定物上で走査させる可動ミラーと、
上記被測定物の第1の停止状態における上記受光素子からの第1出力信号と、上記被測定物が上記第1停止状態から上記光スポットの走査方向と同じ方向に移動した後の第2の停止状態における上記受光素子からの第2出力信号とを、区別して格納するメモリ部と、
上記第1出力信号の波形と第2出力信号の波形とのズレ量を検出し、このズレ量に基づいて上記被測定物における上記第1の停止状態から第2の停止状態までの移動量を求める信号処理部
を備えた光学式移動量測定装置において、
上記光スポットのスポット径は50μ m 以下である。
【0015】
上記構成によれば、上記被測定物の表面状態(凸凹の状態)を表す上記受光素子からの出力信号に基づいて上記被測定物の移動量が測定される。したがって、上記被測定物の表面が鏡面でない限り、比較的滑らかな表面を有する被測定物であってもその移動量が精度良く測定される。さらに、上記信号処理部による信号の処理が簡単であり、部品点数も少ない。したがって、形状が小型で製造コストが低い光学式移動量測定装置が得られる
【0016】
さらに、上記スポット径が50μm以下であるため、上記光スポットからの反射光によって上記被測定物の表面状態(つまり表面の凸凹)が的確に検出されて、上記受光素子からはS/N比の良い信号が出力される。
【0017】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記発光素子を半導体レーザ素子で構成している。
【0018】
この実施例によれば、半導体レーザ素子からのレーザ光が上記第1の光学系や第2の光学系を構成するレンズによって効率よく集光され、上記受光素子によって光電変換するのに必要な光量が上記被測定物上からの反射光によって十分に得られる。
【0019】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記第1の光学系を対物レンズを含んで成すと共に、上記可動ミラーを、入射光の光軸に対して所定の角度で傾斜させて、上記対物レンズと共に上記光軸上を平行移動するようにしている。
【0020】
この実施例によれば、上記光スポットによる被測定物上の走査範囲が大きくなる。したがって、上記被測定物の移動量が広範囲に且つ精度よく求められる。
【0021】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記可動ミラーの傾斜角を45度にしている。
【0022】
この実施例によれば、上記被測定物に対して垂直に光ビームが照射されることによって、上記被測定物からの反射光は正反射となって比較的強い強度の光が上記受光素子に入射される。その結果、比較的S/N比の良い出力信号が得られることになる。
【0023】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記可動ミラーを、入射光の光軸に対して45度傾斜した位置を中心として、上記入射光の光軸と上記被測定物を照射する光ビームの光軸とに垂直な軸の周りに揺動するようにしている。
【0024】
この実施例によれば、上記可動ミラーは回動軸の周りで揺動するので上記光スポットの走査速度が高速になる。したがって、上記被測定物の移動量測定が高速に行われる。
【0025】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記第1の光学系に含まれると共に、上記可動ミラーと被測定物との間に配置されて、上記可動ミラーからの反射光を集光して上記被測定物の面に対して垂直な光軸を有する光ビームを形成するテレセントリックレンズを備えている。
【0026】
この実施例によれば、上記可動ミラーの位置に因らずに上記被測定物に対する光ビームの入射角が90度になり、一定の反射光量が得られる。したがって、上記被測定物の移動量が広範囲に且つ精度よく求められる。
【0027】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記第2の光学系を少なくとも受光レンズを含んで成し、上記受光レンズと可動ミラーとを,当該可動ミラーの回転中心から上記被測定物に下ろした垂線と当該受光レンズの光軸とを含む平面に対する法線の方向が,上記被測定物の移動方向と平行になるように配置すると共に、上記受光素子を上記受光レンズの光軸上に配値している。
【0028】
この実施例によれば、上記被測定物からの反射光のうちの上記受光レンズに直接入射した光が上記受光素子に導かれる。したがって、上記第2の光学系にビームスプリッタを含める必要が無く、上記ビームスプリッタによる光量ロスを無くして上記受光素子による効率の良い光検出が行われる。
【0029】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記信号処理部を、上記第1出力信号の波形における所定時間長の部分区間と上記第2出力信号の波形における上記所定時間長の部分区間との相関係数を、上記第2出力信号側の部分区間を順次時間軸方向に移動させながら算出し、最大相関係数を呈する上記第2出力信号側の部分区間における上記第1出力信号側の部分区間に対するズレ量を求めることによって、上記第1出力信号の波形と第2出力信号の波形とのズレ量を得るようにしている。
【0030】
この実施例によれば、上記第1出力信号と第2出力信号との相関係数に基づいて上記第1,第2出力信号のズレ量が得られるので、検出誤差のために上記第1,第2出力信号の波形が全く同一でない場合でも、精度よく上記ズレ量が検出される。
【0031】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記光スポットによる上記被測定物上の走査範囲を,上記被測定物における予測最大移動量と上記部分区間の距離換算値との和よりも大きくし、上記メモリ部を,上記光スポットが上記走査範囲を走査する間に上記受光素子から出力される信号を格納するようにしている。
【0032】
この実施例によれば、上記被測定物の移動量(予測最大移動量)と検出精度(相関係数算出用のサンプリングデータ数)とから、最小限の走査範囲が簡単に設定される。
【0033】
また、1実施例の光学式移動量測定装置では、上記可動ミラーを,パルス信号によって駆動されると共に,パルス数によって移動量が制御されるようにしており、上記信号処理部を,上記パルス信号のパルス数に基づいて上記ズレ量を求めるようにしている。
【0034】
この実施例によれば、上記信号処理部によって、上記パルス信号のパルスに同期して上記受光素子からの出力信号のサンプリングを行うことによって、上記パルスの周期によって上記移動量の測定分解能が決定される。
【0035】
また、この発明の電子機器は、上記発明の光学式移動量測定装置を搭載している。
【0036】
上記構成によれば、上記光学式移動量測定装置によって、本電子機器内外の物体の移動量が測定可能になる。
【0037】
また、この発明のプリンタは、上記発明の光学式移動量測定装置を用いて用紙の位置を測定し、上記用紙の位置を,用紙を間欠的に搬送する搬送部にフィードバックし、上記搬送部によって,上記用紙の位置に基づいて用紙の位置ズレを補正し、上記補正された用紙の正しい位置に印刷部によって印刷するようにしている。
【0038】
上記構成によれば、用紙の位置が精度良く測定され、規定の位置になければ用紙の位置ズレが自動的に補正されて、正しい位置から印刷が開始される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の光学式移動検出装置における構成図である。
【0040】
本光学式移動検出装置は、発光素子(望ましくは半導体レーザ)21から発せられる光線をコリメータレンズ22でコリメートした後、可動ミラー23によって光軸の方向を変えて対物レンズ24を通して所定位置で停止している被測定物25を照射する。そして、被測定物25上に50μm以下のスポット径を有する光スポット26を形成する。この光スポット26は、可動ミラー23を移動させることによって被測定物25上を走査するようになっている。
【0041】
そして、この走査中の各位置における光スポット26内の被測定物25からの反射光を、可動ミラー23によって光軸の方向を元に戻した後にビームスプリッタ27によって更に所定の角度だけ変え、受光レンズ28で集光して受光素子29に入射させる。そして、受光素子29によって光電変換し、得られた信号を信号処理部30でサンプリングして例えば内部メモリに格納しておく。ここで、上記信号は、被測定物25の表面状態(表面の凸凹)に関係している。したがって、スポット径26が50μmよりも大きくなると、被測定物25の表面状態(表面の凸凹)が平均化された信号になってしまい、信号のS/Nが悪くなるのである。
【0042】
次に、上記被測定物25を光スポット26の走査方向と同じ方向に所定の量だけ移動させた後、移動前の場合と同様に光スポット26を被測定物25上で走査させて、受光素子29に入射された被測定物25からの反射光に基づく信号をサンプリングして移動前の信号と区別して上記内部メモリに格納する。その場合、被測定物25の移動によって移動前後に記録された信号の波形にズレが生じる。そこで、この信号ズレを検出することによって、被測定物25の移動量を求めることができるのである。
【0043】
但し、上記可動ミラー23を入射光の光軸に沿って平行移動するだけでは、走査範囲を大きく取ることはできない。また、走査範囲を大きくしようとすると、それに対応して対物レンズ24も大きくする必要がある。また、対物レンズ24を大きくし過ぎると、受光素子29上における焦点位置の精度が低下して検出精度に問題が出てくる。
【0044】
そのために、図2に示すように、上記可動ミラー23を、入射光の光軸に対して所定の角度で傾斜させて対物レンズ24と共に入射光の光軸上を移動させるようにすれば、広範囲の領域を精度よく走査することができる。さらに、可動ミラー23の入射光の光軸に対する傾斜角を45度とし、対物レンズ24と共に上記入射光の光軸上を移動させることによって、被測定物25を照射する光ビームの入射角を90度にすることができ(90度でない場合には被測定物25からの拡散反射光を受けることになって光強度が弱くなる)、正反射光を受光素子29に導くことができる。したがって、S/N比の良い信号を得ることができるのである。
【0045】
上述のごとく上記可動ミラー23を入射光の光軸上で平行移動させる他に、図3に示すように、可動ミラー23を、入射光の光軸に対して45度傾斜させ、その位置を中心として上記光軸と被測定物25を照射する光ビームの光軸とに直交する回転軸の周りに揺動させるようにしても差し支えない。こうした場合には、図2のごとく、可動ミラー23を平行移動する場合よりも走査速度を高速にすることができるので、被測定物25の移動量を素早く求めることができる。その場合、上記被測定物25の表面状態(表面の凸凹)を正確に捕える、つまり同じ個所の表面からの信号は同じ波形の信号になる必要がある。ところが、図3に示すように、光スポット26の走査位置によって被測定物25に対する入射角および反射角が変動するため、移動の前後において被測定物25の同じ位置を光ビームが照射しても、その入射角や反射角(受光側の光軸方向)によって受光素子29で得られる信号の波形は異なってしまうことになる。したがって、この場合、上記走査範囲は、可動ミラー23の揺動によって光ビームの入射角が大きく異ならない程度に限定されてしまうことになる。
【0046】
そこで、図4に示すように、上記被測定物25を照射する光ビームが被測定物25に対して垂直になるように、揺動する可動ミラー23と被測定物25との間に、対物レンズ24に代えてテレセントリックレンズ31を配置することによって、走査範囲を広く取り且つ精度の良い検出信号を得ることが可能になるのである。さらに、被測定物25からの反射光を受光する際にS/Nの良い信号を得るために、図5に示すように、可動ミラー23の回転中心から被測定物25に下ろした垂線33と受光レンズ28'の光軸32とを含む平面34の法線が被測定物25の移動方向(イ)と平行になるように、可動ミラー23と受光レンズ28'と受光素子29'とを配置することが望ましい。こうすることによって、上記被測定物25によって反射した光のうちの受光レンズ28'に直接入射した光を、受光素子29'に導くことができる。したがって、図1に示すビームスプリッタ27は不要になるのである。
【0047】
上記受光レンズ28'がない場合には、被測定物25から略垂直方向に反射した光のみしか受光素子29に導くことができない。また、ビームスプリッタ27が存在すると、ビームスプリッタ27によって約半分の光が透過してしまうためにこの透過分の光量がロスとなる。ところが、ビームスプリッタ27が不要になると、この光量ロスをなくすことができるのである。このように、テレセントリックレンズ31を用いると共に、可動ミラー23と受光レンズ28'と受光素子29'とを図5のごとく配置することによって、受光素子29'による受光量を多くすることができる。したがって、S/Nの良い信号を得ることができるのである。
【0048】
次に、上記信号処理部30によって実行される信号処理について詳細に説明する。図6は、移動前と移動後とにおける被測定物25の状態(図6(a))と、移動前と移動後とにおける受光素子29,29'からの信号の波形(図6(b))と、移動前の信号波形と移動後の信号波形との相関係数(図6(c))を示す。上述したような光学式移動量測定装置によって、図6(b)に示すように、移動前の被測定物25から得られた信号波形35における所定時間長の区間Sと、移動後の被測定物25から得られた信号波形36における上記所定時間長の区間S'との相関係数を計算する。次に、上記移動前の信号波形35における区間Sと移動後の信号波形36における区間S'とは異なるS''との相関係数を計算する。このように、移動後の信号波形36における相関係数の計算に使用する区間を時間軸方向に前から後方にずらしながら上記相関係数の計算を繰り返す。そして、信号波形36において相関係数が最大となる区間の信号波形35の区間Sからのズレ量を求める。そして、この求めたズレ量を被測定物25の移動量とするのである。
【0049】
図6の場合、図6(c)には、図6(b)における信号波形35の区間Sと信号波形36の各区間S',S'',…との相関係数と、各区間S',S'',…の開始点における走査開始点からの距離と、の関係を示している。そして、移動後の信号波形36において相関係数が最大となる区間の開始点37は、走査開始点からl'だけズレている。一方、上記移動前の信号波形35における区間Sの開始点の走査開始時点からのズレ量Lは分っている。したがって、移動前の信号波形35と移動後の信号波形36とは、ズレ量Lからズレ量l'を差引いた「l」だけズレており、被測定物25はこのズレ量「l」だけ移動したことになる。
【0050】
このような方法を用いて上記被測定物25の移動量を求めるには、受光素子29,29'によって得られる信号を記録する範囲(つまり、光スポット26を被測定物25上で走査させる範囲)は、被測定物25の予測される最大移動量と相関係数算出に必要なサンプリングデータ数(上記区間S内のデータ数)を取得できる範囲(上記区間Sの距離換算値:比較データ範囲)との和よりも大きい範囲
信号記録範囲≧(予測最大移動量+比較データ範囲)
とすればよい。
【0051】
尚、本実施の形態における光学式移動量測定装置においては、上記受光素子29,29'からの信号をサンプリングする際の時間間隔の整数倍が上記ズレ量l',Lとなる。したがって、可動ミラー23で構成されるスキャン機構の駆動をパルス信号によって行い、パルス幅やパルス数によって上記スキャン機構の移動量を制御するようにすれば、上記パルス信号に同期して上記サンプリングを行なうことによって、上記パルス信号のパルス数で被測定物25の移動量を求めることができる。また、上記パルスの周期によって、被測定物25の移動量の測定分解能を決定することができるのである。
【0052】
以上のように、本実施の形態における光学式移動量測定装置は、上記発光素子21から発せられる光線をコリメータレンズ22でコリメートした後、可動ミラー23および対物レンズ24によって停止している被測定物25上に照射して光スポット26を形成すると共に、可動ミラー23を移動して光スポット26で被測定物25上を走査する。そして、光スポット26内の被測定物25からの反射光を受光素子29,29'に入射させて、得られた信号を記録する。さらに、被測定物25を上記走査方向に所定の量だけ移動させた後、同様にして光スポット26からの反射光に基づく信号を記録する。そして、移動前に得られた信号波形35の所定区間Sと移動後に得られた信号波形36の区間S',S'',…との相関係数を信号処理部30で算出し、信号波形36における相関係数が最大となる区間の開始点37の走査開始位置からのズレ量l'に基づいて、被測定物25の移動量を測定するようにしている。
【0053】
その際に、上記光スポット26のスポット径を50μm以下にしている。したがって、受光素子29,29'からは、被測定物25の表面状態(表面の凸凹)を表す信号が出力され、信号のS/Nが悪くなることを防止できる。
【0054】
すなわち、上記実施の形態によれば、上記被測定物25の表面が鏡面でない限り、比較的滑らかな表面であっても被測定物25の移動量を精度よく測定することができる。また、部品点数が比較的少なく、信号処理が上述した各従来の移動量測定装置よりも簡単であるため、形状的に小型で且つ安価に光学式移動量測定装置を提供することができるのである。
【0055】
さらに、上記可動ミラー23を45度に傾斜させて揺動させると共に、可動ミラー23と被測定物25との間にテレセントリックレンズ31を配置し、可動ミラー23と受光レンズ28'と受光素子29'とを図5に示すように配置することによって、ビームスプリッタ27を不要にしてS/Nの良い信号を得ることができる。この場合、テレセントリックレンズ31ではなく対物レンズ24であっても、ビームスプリッタ27を不要にする効果を奏することはできる。
【0056】
また、上記光学式移動量測定装置を電子機器に搭載することによって、上記電子機器内外における物体の移動量を精度良く検出することができる。例えば、プリンタに搭載すれば、用紙の位置を上記光学式移動量測定装置によって正確に測定し、用紙を間欠的に搬送する搬送部に信号処理部30から測定結果をフィードバックして、用紙が規定の位置に無い場合には上記搬送部によって用紙の位置ズレを補正し、印刷部によって正しい位置に印刷することが可能になる。
【0057】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の光学式移動量測定装置は、可動ミラーを移動させて、上記被測定物上に形成された光スポットを被測定物上で走査させ、上記被測定物の移動前における受光素子からの第1出力信号と移動後における第2出力信号とをメモリ部に格納し、信号処理部によって、上記第1,第2出力信号のズレ量に基づいて上記被測定物の移動量を求めるので、上記被測定物の表面状態(凸凹の状態)を表す上記出力信号に基づいて、上記被測定物の移動量を測定することができる。
【0058】
したがって、上記被測定物の表面が鏡面でない限り、表面が比較的滑らかな被測定物であっても、その移動量を精度良く測定することができる。また、上記信号処理部による信号処理を簡単にでき、部品点数も少なくできる。したがって、形状を小型にし、製造コストを低くできる。
【0059】
また、上記光スポットのスポット径を50μm以下にしたので、上記光スポットからの反射光によって上記被測定物の表面状態(つまり表面の凸凹)を的確に検出することができ、上記受光素子から出力信号のS/N比を良くすることができる。
【0060】
さらに、上記可動ミラーを入射光の光軸に対して45度傾斜した位置を中心として揺動可能にすると共に、上記可動ミラーと被測定物との間にテレセントリックレンズを配置すれば、上記可動ミラーの位置に因らずに上記被測定物に対する光ビームの入射角を90度にできる。したがって、一定の反射光量を得ることができ、上記被測定物の移動量を、高速,広範囲に且つ精度よく求めることができる。
【0061】
さらに、上記信号処理部を、上記第1出力信号と第2出力信号との相関係数に基づいて上記第1,第2出力信号のズレ量を得るようにすれば、検出誤差のために上記第1,第2出力信号の波形が全く同一ではない場合でも精度よく上記ズレ量を検出することができる。
【0062】
また、この発明の電子機器は、上記発明の光学式移動量測定装置を搭載しているので、上記光学式移動量測定装置によって、本電子機器内外に在る物体の移動量を精度良く測定することができる。
【0063】
また、この発明のプリンタは、上記発明の光学式移動量測定装置を用いて用紙の位置を測定し、上記用紙の位置を用紙の搬送部にフィードバックして上記用紙の位置ズレを補正し、印刷部によって上記用紙の正しい位置に印刷するので、用紙の位置を規定の位置に自動的に修正して、常に正しい位置から印刷を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の光学式移動検出装置における構成図である。
【図2】 図1における可動ミラーおよび対物レンズを光軸上で移動させる場合の説明図である。
【図3】 図1における可動ミラーを45度傾斜させて回転軸の周りに揺動させる場合の説明図である。
【図4】 揺動する可動ミラーと被測定物との間にテレセントリックレンズを配置する場合の説明図である。
【図5】 図4におけるテレセントリックレンズと受光レンズと受光素子との位置関係を示す図である。
【図6】 図1における信号処理部による信号処理の説明図である。
【図7】 スペックルパターンの一例を示す図である。
【図8】 従来のペーパー状物体の移動量測定装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
21…発光素子(半導体レーザ)、
22…コリメータレンズ、
23…可動ミラー、
24…対物レンズ、
25…被測定物、
26…光スポット、
27…ビームスプリッタ、
28,28'…受光レンズ、
29,29'…受光素子、
30…信号処理部、
31…テレセントリックレンズ、
35…移動前の信号波形、
36…移動後の信号波形。

Claims (12)

  1. 発光素子からの光を、停止状態の被測定物に照射して上記被測定物上に所定のスポット径を有する光スポットを形成する第1の光学系と、
    上記被測定物上における光スポットからの反射光を受光素子に導く第2の光学系と、
    上記第1の光学系に含まれると共に、上記発光素子からの光を上記被測定物に向けて反射させ、移動することによって上記光スポットを被測定物上で走査させる可動ミラーと、
    上記被測定物の第1の停止状態における上記受光素子からの第1出力信号と、上記被測定物が上記第1停止状態から上記光スポットの走査方向と同じ方向に移動した後の第2の停止状態における上記受光素子からの第2出力信号とを、区別して格納するメモリ部と、
    上記第1出力信号の波形と第2出力信号の波形とのズレ量を検出し、このズレ量に基づいて上記被測定物における上記第1の停止状態から第2の停止状態までの移動量を求める信号処理部
    を備えた光学式移動量測定装置において、
    上記光スポットのスポット径は50μ m 以下である
    ことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  2. 請求項1に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記発光素子は半導体レーザ素子であることを特徴とする光学式移動量測定装置。
  3. 請求項1に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記第1の光学系は対物レンズを含み、
    上記可動ミラーは、入射光の光軸に対して所定の角度で傾斜しており、上記対物レンズと共に上記光軸上を平行移動するようになってい
    ことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  4. 請求項3に記載の光学式移動量測定装置において
    記可動ミラーの傾斜角45度であることを特徴とする光学式移動量測定装置。
  5. 請求項1に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記可動ミラーは、入射光の光軸に対して45度傾斜した位置を中心として、上記入射光の光軸と上記被測定物を照射する光ビームの光軸とに垂直な軸の周りに揺動するようになっていることを特徴とする光学式移動量測定装置。
  6. 請求項5に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記第1の光学系に含まれると共に、上記可動ミラーと被測定物との間に配置されて、上記可動ミラーからの反射光を集光して上記被測定物の面に対して垂直な光軸を有する光ビームを形成するテレセントリックレンズを備えたことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  7. 請求項5に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記第2の光学系は、少なくとも受光レンズを含んでなり、
    上記受光レンズと可動ミラーとを、当該可動ミラーの回転中心から上記被測定物に下ろした垂線と当該受光レンズの光軸とを含む平面に対する法線の方向が、上記被測定物の移動方向と平行になるように配置すると共に、
    上記受光素子を上記受光レンズの光軸上に配値
    したことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  8. 請求項1に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記信号処理部は、上記第1出力信号の波形における所定時間長の部分区間と上記第2出力信号の波形における上記所定時間長の部分区間との相関係数を、上記第2出力信号側の部分区間を順次時間軸方向に移動させながら算出し、最大相関係数を呈する上記第2出力信号側の部分区間の上記第1出力信号側の部分区間に対するズレ量を求めることによって、上記第1出力信号の波形と第2出力信号の波形とのズレ量を得るようになっていることを特徴とする光学式移動量測定装置。
  9. 請求項8に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記光スポットによる上記被測定物上の走査範囲は、上記被測定物における予測最大移動量と上記部分区間の距離換算値との和よりも大きくなっており、
    上記メモリ部は、上記光スポットが上記走査範囲を走査する間に上記受光素子から出力される信号を格納するようになっている
    ことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  10. 請求項1に記載の光学式移動量測定装置において、
    上記可動ミラーは、パルス信号によって駆動されると共に、パルス数によって移動量が制御されるようになっており、
    上記信号処理部は、上記パルス信号のパルス数に基づいて上記ズレ量を求めるようになっている
    ことを特徴とする光学式移動量測定装置。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の光学式移動量測定装置を搭載していることを特徴とする電子機器
  12. 請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の光学式移動量測定装置を用いて用紙の位置を測定し、
    上記用紙の位置を、用紙を間欠的に搬送する搬送部にフィードバックし、
    上記搬送部によって、上記用紙の位置に基づいて用紙の位置ズレを補正し、
    上記補正された用紙の正しい位置に印刷部によって印刷す
    ことを特徴とするプリンタ
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