JP3984202B2 - 医用画像処理装置、医用画像処理方法、および、プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、医用画像処理方法、および、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像診断等に用いる3次元医用画像を生成する医用画像処理装置、医用画像処理方法、および、プログラムに関し、特に、血管などの管状組織を表示するのに好適な医用画像処理装置、医用画像処理方法、および、プログラムに関する。
従来より、例えば、CTスキャナやMRI装置などのモダリティ(撮像装置)で人体内部の断層(スライス)画像を撮像して疾病等の診断を行う画像診断が行われている。また、撮像された断層画像から、所定の臓器や器官などの3次元画像を生成して診断を行う手法なども確立しており、精緻かつ正確な診断に寄与している。特に、心臓周辺の冠状血管の3次元画像による診断は、心臓疾患の早期発見などに有用である。
このような3次元画像診断においては、観察対象部位を抽出して診断することが多く行われるが、この場合、いわゆる「セグメント分割」と呼ばれる手法により所定部位が抽出されることが一般的である。しかしながら、例えば、血管(特に心臓周辺の冠状血管)などの管状組織をセグメント分割する場合、対象とする血管のみを抽出することは困難であった。
血管組織をセグメント分割する手法が、例えば特許文献1に記載されている。ここでは、関心領域(すなわち、対象となる血管組織)を示す画素値と、関心領域外を示す画素値とからなる「二値マスク」を形成して、血管組織と他の組織とを峻別している。
上記のような二値マスクを用いる手法においては、対象組織を示す画素値を決定すると、その値か否かで判別することになる。この場合、判別領域において対象とする血管のみが存在していれば問題なく抽出されるが、通常、他組織等(血管や器官、臓器、など)が近接している場合が多い。特に心臓周辺の冠状血管を対象とする場合、心臓や他の多くの血管が近接する。これらの近接物の構成物質は、対象血管とほぼ同一であるため、これらを示す画素値も類似したものになる。このように類似した画素値が近接している場合、二値マスクによる手法では、これらの値が一の値として処理されてしまうことがあり、対象としている血管を正確に抽出することができなかった。
また、心臓から発生する冠状血管を、CTスキャナなどの撮像装置で取得されるCT値に基づいて画像化させる場合、通常、血管の発生地点から延伸するにしたがって、画像の明るさが次第に減少する。すなわち、血管の発生地点からの距離に応じて、画素値が略線形に遷移する近似が成り立つものといえる。この特性にしたがい、血管の発生部から抽出終端にわたって、画素値を線形に遷移させて適用する「多値マスク」を用いて対象血管を抽出する手法も考えられている。しかしながら、当該対象血管に心臓や他の血管が近接している場合や当該血管上に異常部位がある場合などでは、当該対象血管を示す画素値は単純に線形遷移しない。したがって、単に画素値を線形に遷移させて画像化しても、対象血管と近接物とが結合したり、対象血管が寸断されている画像となってしまうことがあり、正確な診断に寄与できる画像を得ることは困難であった。
その他、例えば、特許文献2においては、注目点付近の平均濃度を検出することで、血管部位を検出する手法が開示されているが、対象血管に心臓や他の血管が近接している場合においては、有用な濃度値を得ることができないため、このような手法によっても血管部位を正確に抽出することは困難である。
特開2002−282235号公報(第4〜5頁) 特開平8−89501号公報(第6頁)
本発明は上記実状に鑑みてなされたもので、血管などの管状組織を正確に抽出できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる医用画像処理装置は、
3次元ボリュームデータを用いて管状組織の3次元画像を生成する医用画像処理装置において
前記管状組織の長尺方向に直交する断面領域を指定する断面領域指定部と、
前記断面領域指定部が指定した前記断面領域に基づいて、前記断面領域指定部が次に指定する断面領域の方向を特定する進行方向特定部と、
前記断面領域指定部が指定した各断面領域に含まれる前記3次元ボリュームデータを用いて、当該断面領域における前記管状組織の断面を含んだ画像を生成する画像化部と、
前記画像化部が生成した画像についての条件を変化させ、前記管状組織の断面を示す画像として顕在化させる断面画像顕在化部と、
前記断面画像顕在化部が顕在化した前記管状組織の断面画像から、前記管状組織の中心位置を特定する中心位置特定部と、
前記中心位置特定部が特定した各断面領域の中心位置に基づいて、前記管状組織の中心線を特定する中心線特定部と、
を備えることを特徴とする。
前記進行方向特定部は、
指定された前記中心線の始点、及び/又は、終点に基づいて、進行方向を暫定決定する暫定方向決定部と、
直前に指定された前記断面領域における前記管状組織の中心位置と、前記暫定方向決定部が決定した暫定方向とに基づいて、当該断面領域における前記管状組織の長手方向に平行し、該管状組織の長手方向断面を含む1または複数の領域を指定する平行断面領域指定部と、
該指定された平行断面領域に含まれる前記長手方向断面の中心位置を検出し、該検出した中心位置に基づいて、次の直交断面領域を指定するための進行方向を決定する進行方向決定部と、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記断面領域指定部は、前記進行方向決定部が決定した進行方向に直交する領域を前記断面領域として指定することができる
前記断面画像顕在化部は、
前記条件変化に応じて変化する前記画像の画像属性を検出する画像属性検出部と、
該検出された画像属性の変化に基づいて、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたか否かを判別する顕在化判別部をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記中心位置特定部は、前記顕在化判別部によって顕在化が判別されたときの前記画像が示す前記管状組織の断面の中心位置を特定することができる
上記医用画像処理装置において、
前記画像属性検出部は、
該条件変化に応じて変化する画像面積を検出し、該検出された面積に基づいて、前記条件変化に応じた画像面積の変化を検出し、
前記顕在化判別部は、該検出された面積変化に基づいて、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたか否かを判別することが望ましい
前記顕在化判別部は、前記断面領域の中心に現れている画像が、当該断面領域内に収まり、かつ、前記面積変化が最大となったときに、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたと判別することが望ましい
前記中心線特定部は、前記管状組織の中心線を3次元パスデータとして特定することが望ましい
前記中心線特定部は、
指定された前記中心線の始点、及び/又は、前記中心位置特定部が特定した中心位置を基準とした所定の3次元領域を前記3次元ボリュームデータ上で指定する3次元領域指定部をさらに備えていてもよく、この場合、
前記3次元領域指定部が指定した3次元領域に基づいて前記3次元パスデータを特定することができる
上記医用画像処理装置は、
前記中心線特定部が特定した3次元パスデータに基づいて、前記管状組織を示す画像を作成する画像作成部をさらに備えていてもよい
前記画像作成部は、
前記管状組織を示す複数種類の画像を作成し、各画像間の相対的位置関係を演算する画像演算部と、
作成された複数種類の画像を所定の表示装置に一覧表示させるとともに、前記画像演算部が演算した各画像間の相対的位置関係に基づいて、各表示画像上の位置関係を相互に対応付けて表示させる表示制御部と、をさらに備えていてもよい
上記目的を達成するため、本発明の第の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、上記医用画像処理装置として機能させることを特徴とする。
このような装置によれば、画像診断などにおいて3次元医用画像を生成する際に、血管などの管状組織の中心線(例えば、3次元パスデータ)を抽出することで、当該管状組織の正確な画像を生成することができる。また、中心線の座標情報を特定することができるので、対象とする管状組織を示す複数種類の画像(例えば、3次元画像、2次元パスデータ、2次元画像(MPR画像やCPR画像)など)を対応付けて表示装置上に一覧表示させることができる。
上記目的を達成するため、本発明の第の観点にかかる医用画像処理方法は、
コンピュータを用いて、3次元ボリュームデータを用いて管状組織の3次元画像を生成する医用画像処理方法において
指定された前記中心線の始点及び/又は終点に基づいて前記管状組織上の進行方向を特定し、前記管状組織の長尺方向に直交する断面領域を前記進行方向に基づいて順次指定するステップと、
指定された各断面領域で前記管断面を含む画像を生成するステップと、
前記生成された画像についての条件を変化させ、前記管状組織の管断面を顕在化させるステップと、
前記管断面が顕在化された画像に基づいて、当該管断面の中心位置を検出するステップと、
検出された中心位置に基づいて、前記管状組織の中心線を取得するステップと、
を備えることを特徴とする。
上記医用画像処理方法において、
前記断面領域を指定するステップは、
指定された前記中心線の始点、及び/又は、終点に基づいて、進行方向を暫定決定するステップと、
直前に指定された前記断面領域における前記管状組織の中心位置と、決定した暫定方向とに基づいて、当該断面領域における前記管状組織の長手方向に平行し、該管状組織の長手方向断面を含む1または複数の領域を指定するステップと、
該指定された平行断面領域に含まれる前記長手方向断面の中心位置を検出し、該検出した中心位置に基づいて、次の直交断面領域を指定するための進行方向を決定するステップと、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
決定した進行方向に直交する領域を前記断面領域として指定することが望ましい
上記医用画像処理方法において、
前記管状組織の管断面を顕在化させるステップは、
前記3次元ボリュームデータに含まれる所定の特性情報についての閾値を設定するステップと、
設定された閾値に対応する特性情報を用いて各断面領域を画像化するステップと、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
前記閾値を変化させることで、当該管状組織の管断面を画像上で顕在化させることが望ましい。
この場合、
前記管状組織の管断面を顕在化させるステップは、前記閾値の変化に応じて変化する画像面積の変化に基づいて、前記管状組織の断面が当該画像上で顕在化したか否かを判別
前記中心位置を検出するステップは、前記断面の顕在化が判別されたときの前記画像に基づいて前記中心位置を検出することが望ましく、
さらに、
当該断面領域の中心に現れている画像が、当該断面領域内に収まっており、かつ、前記閾値の変化に応じた面積変化が最大となったときに、前記管状組織の断面が顕在化したと判別することが望ましい。
上記医用画像処理方法において、
前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記3次元パスデータに基づいて当該管状組織についての複数種類の画像を生成し、生成された画像のすべて又はいずれかを、所定の表示装置に一覧表示する、ことが望ましく、この場合、
前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記一覧表示される各画像上の位置関係を相互に対応付け、表示画像上で動的にリンクさせることができる。
この場合、前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記複数種類の画像として、少なくとも当該管状組織についての3次元画像と2次元画像とを作成することができる。
ここで、2次元画像として、例えば、CPR(Curved Planer Reconstruction)画像が作成されてもよく、この場合、少なくとも、作成された3次元画像とCPR画像の位置関係を相互に対応付けて表示することが望ましい。
また、
前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、
前記3次元パスデータを2次元パスデータに変換するステップと、
前記3次元パスデータと、該変換された2次元パスデータとを関連付けるステップと、をさらに備えていることが望ましく、この場合、
少なくとも、当該3次元パスデータに基づく画像と、変換された2次元パスデータに基づく画像とを一覧表示させることが望ましい。
さらに、所定の付帯情報を取得し、前記生成された各画像とともに一覧表示させてもよい。
このような方法によれば、画像診断などにおいて3次元医用画像を生成する際に、血管などの管状組織の中心線(例えば、3次元パスデータ)を抽出することで、当該管状組織の正確な画像を生成することができる。また、中心線の座標情報を特定することができるので、対象とする管状組織を示す複数種類の画像(例えば、3次元画像、2次元パスデータ、2次元画像(MPR画像やCPR画像)、など)を対応付けて表示装置上に一覧表示させることができる。
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、上記医用画像処理方法の各ステップを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、医用画像の生成において、血管などの管状組織を正確に抽出することができるとともに、当該管状組織を示す複数種類の画像を相互に関連付けて一覧表示させることができる。
以下、図面を参照して本発明にかかる実施の形態を説明する。以下の実施の形態においては、所定の医療施設(以下、「医療施設H」とする)における3次元画像診断に本発明が適用される場合を例に説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる画像診断システムの構成を示す図である。図示するように、本実施の形態にかかる画像診断システム1は、通信ネットワーク10と、モダリティ100と、制御端末200と、画像処理装置300、から構成される。
通信ネットワーク10は、医療施設H内で、制御端末200や画像処理装置300を相互接続し、これらの間の情報伝達を媒介する通信ネットワークであり、例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)などの所定の通信プロトコルに基づいた情報伝達を媒介する。
次にモダリティ100について説明する。モダリティ100は、人体内部を撮像する撮像装置であり、例えば、CTスキャナ(コンピュータ断層撮影装置)、ヘリカルCT、MRI(磁気共鳴画像装置)、PET(ポジトロン断層撮影装置)などである。本実施の形態では、X線を用いて人体内部の断層画像を撮像するCTスキャナをモダリティ100として採用するものとする。
本実施の形態では、モダリティ100(CTスキャナ)は、後述する制御端末200により制御され、患者や受診者など(以下、「受診者等」とする)の内部(生体内部)についての断層画像(スライス)を撮像するものである。ここで、本実施の形態では、モダリティ100としてCTスキャナを採用しているので、断層画像を示す情報には、X線吸収係数であるCT値などが含まれる。モダリティ100と制御端末200とは、例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)などの所定の医用画像通信規格に基づいて接続されている。
次に制御端末200について説明する。制御端末200は、ワークステーションなどの所定の情報処理装置から構成され、接続されているモダリティ100の動作を制御するとともに、モダリティ100による撮像により取得される撮像画像データ(元データ)を取得する。図2を参照して制御端末200の構成を説明する。
図2は、制御端末200の構成を示すブロック図である。図示するように、制御端末200は、制御部210と、通信制御部220と、入力制御部230と、出力制御部240と、プログラム格納部250と、記憶部260と、から構成される。
制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなる所定の記憶装置(RAM(Random Access Memory)など)から構成され、制御端末200の各部を制御するとともに、プログラム格納部250に格納されている所定の動作プログラムに基づいて後述する各処理を実行する。
通信制御部220は、例えば、所定のNIC(Network Interface Card)などの所定の通信装置から構成され、制御端末200とモダリティ100および通信ネットワーク10とを接続し、モダリティ100や画像処理装置300との通信を行う。
入力制御部230は、例えば、キーボードやポインティング・デバイスなどの所定の入力装置23を接続し、入力装置23から入力された、制御部210への指示などを受け付けて制御部210に伝達する。
出力制御部240は、例えば、ディスプレイ装置やプリンタなどの所定の出力装置24を接続し、制御部210の処理結果などを必要に応じて出力装置24に出力する。
プログラム格納部250は、例えば、ハードディスク装置やROM(Read Only Memory)などの所定の記憶装置から構成され、制御部210が実行する種々の動作プログラムが格納されている。プログラム格納部250に格納される動作プログラムは、制御端末200の基本動作を司る任意のOS(Operating System:基本ソフトウェア)の他に、OSと協働して後述する各処理を実現するための、以下の(1),(2)に示すような動作プログラムが格納されているものとする。後述する制御端末200による処理は、制御部210がこれらの動作プログラムを実行することで実現される。
(1)「モダリティ制御プログラム」:モダリティ100の制御を行うプログラム
(2)「通信プログラム」:通信制御部220を制御し、モダリティ100との通信や、通信ネットワーク10を介した通信を行うプログラム
記憶部260は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク装置などの記憶装置などから構成され、モダリティ100から取得した撮像画像データなどを格納する。
ここで、モダリティ100から得られる「撮像画像データ」(元データ)は、撮像領域の「3次元ボリュームデータ」を示すものである。この3次元ボリュームデータは、当該領域における座標系情報、および、各座標における特性情報などから構成される。「特性情報」は、画像生成に用いられる際に、当該画像を構成する画素(ピクセル、ボクセル)の特性(例えば、明度、彩度、色調、など)を示すこととなる情報である。本実施の形態では、モダリティ100として「CTスキャナ」を採用しているので、特性情報として「CT値」が用いられるものとする。ここで「CT値」は、X線吸収係数を示す値であり、このCT値を画素値として画像を生成すると、CT値の違いが画像上の明るさの違いとなって現れる。したがって、モダリティ100から取得した「撮像画像データ」を用いることで、例えば、図3に示すような断層画像(スライス画像)を得ることができる。
このような断層画像は、図示するような平行した2次元画像が複数積層されたものとして捉えることができるとともに、これらが一体となった一つの3次元領域として捉えることもできる。すなわち、積層2次元画像のそれぞれを抽出できることはもとより、全体の3次元領域から任意の領域を指定することもできる。ここで、任意の平面を指定する方法として、例えば、MPR(Multi Planer Reconstruction)といった手法が知られている。すなわち、図4(a)に示すように、3次元ボリュームデータ内の任意平面を指定することができる。また、任意の曲面を指定する方法として、例えば、CPR(Curved Planer Reconstruction)といった手法が知られている。すなわち、図4(b)に示すように、3次元ボリュームデータ内の任意曲面を指定することができる。
次に、画像処理装置300について説明する。画像処理装置300は、例えば、ワークステーションなどの所定の情報処理装置から構成され、制御端末200から取得する撮像画像データ(3次元ボリュームデータ)を用いて、3次元診断画像(医用画像)を生成するものである。画像処理装置300の構成を図5を参照して以下説明する。
図5は、画像処理装置300の構成を示すブロック図である。図示するように、画像処理装置300は、制御部310と、通信制御部320と、入力制御部330と、出力制御部340と、プログラム格納部350と、画像記憶部360と、から構成される。
制御部310は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなる所定の記憶装置(RAM(Random Access Memory)など)から構成され、画像処理装置300の各部を制御するとともに、プログラム格納部350に格納されている所定の動作プログラムに基づいて後述する各処理を実行する。
通信制御部320は、例えば、所定のNIC(Network Interface Card)などの所定の通信装置から構成され、画像処理装置300と通信ネットワーク10とを接続し、制御端末200などとの通信を行う。
入力制御部330は、例えば、キーボードやポインティング・デバイスなどの所定の入力装置33を接続し、入力装置33から入力された、制御部310への指示や各データベースに記録される情報などを受け付けて制御部310に伝達する。
出力制御部340は、例えば、ディスプレイ装置やプリンタなどの所定の出力装置34を接続し、制御部310の処理結果などを必要に応じて出力装置34に出力する。
プログラム格納部350は、例えば、ハードディスク装置やROM(Read Only Memory)などの所定の記憶装置から構成され、制御部310が実行する種々の動作プログラムが格納されている。プログラム格納部350に格納される動作プログラムには、画像処理装置300の基本動作を司る任意のOS(Operating System:基本ソフトウェア)の他に、OSと協働して後述する各処理を実現するための、以下の(1)〜(3)に示すような動作プログラムが含まれているものとする。後述する画像処理装置300による処理は、制御部310がこれらの動作プログラムを実行することで実現される。
(1)「通信プログラム」:通信制御部320を制御し、通信ネットワーク10を介して制御端末200などと通信を行うプログラム
(2)「DB制御プログラム」:画像記憶部360を制御するプログラム
(3)「画像処理プログラム」:制御端末200から取得した撮像画像データに画像処理を行うプログラム
画像記憶部360は、例えば、半導体記憶装置やハードディスク装置などの書き換え可能な記憶装置などから構成され、後述する各処理により取得されるデータや生成される3次元診断画像などを格納する。
以下、本実施の形態における各処理を図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、本発明を適用した画像診断システム1により、モダリティ100が取得した3次元ボリュームデータから、所望の血管の中心線を抽出して、当該血管を示す画像を生成するものとする。
図6は、本発明を適用した画像診断システム1で血管画像を生成する「血管画像生成処理」を説明するためのフローチャートである。図示するように、画像診断システム1で血管画像を生成するにあたり、「撮像処理」(ステップS100)、「血管抽出処理」(ステップS300)、「医用画像生成・表示処理」(ステップS500)が順次実行される。以下、これら各処理の詳細を以下図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態にかかる「撮像処理」を図7に示すフローチャートを参照して説明する。本処理は、モダリティ100と制御端末200との協働により、受診者等の人体内部断層画像(スライス)を取得するためものであり、主に制御端末200の動作を中心に以下説明する。
撮像動作を実行するにあたり、まず、制御端末200において所定の撮像条件情報が設定される(ステップS101)。ここでは、撮像対象領域の指定や造影剤使用の有無などといった撮像諸条件が設定される。
制御端末200は、ステップS101で設定された撮像条件に従い、モダリティ100を制御する(ステップS102)。すなわち、モダリティ100は、制御端末200の制御により、上記撮像条件に基づいた撮像動作を行う。この結果、モダリティ100は、設定された撮像領域における、撮像画像データ(3次元ボリュームデータ)を取得する。
モダリティ100の撮像動作が終了すると、制御端末200は、モダリティ100から撮像した撮像画像データを取得し(ステップS103)、記憶部260に格納して(ステップS104)処理を終了する。
次に、本実施の形態にかかる「血管抽出処理」を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。本処理では、画像処理装置300により、「撮像処理」で取得した撮像画像データを用いて所望の血管の中心線を3次元パスデータとして抽出する。なお、本実施の形態では、心臓付近の冠状血管を抽出対象とした場合を例に以下説明する。
まず、画像処理装置300は、通信ネットワーク10を介して、制御端末200から対象となる撮像画像データ(3次元ボリュームデータ)を取得する(ステップS301)。
次に、制御部310は、ステップS301で取得した撮像画像(3次元ボリュームデータ)に基づく2次元画像を出力装置34(ディスプレイ装置)に表示し、抽出対象としている血管(以下、「対象血管Vt」とする)の抽出始点および抽出終了点の指定を受け付ける(ステップS302)。ここでは、医師などのオペレータが、入力装置33を操作して、表示されている2次元画像上で抽出始点および抽出終了点を指定する。
図9(a)に、ここで表示される2次元画像の例を示す。ここでは、上記MPRなどで得られる、撮像領域内の任意の2次元平面を示す画像が出力装置34に表示される。すなわち、3次元ボリュームデータに含まれるCT値の違いに基づく明暗を表示することで、当該領域を画像化する。ここで、画像処理装置300は、オペレータによる入力装置33の操作により指定される位置や方向に対応する3次元ボリュームデータを画像化することで、表示位置や角度を随時変化させて表示する。なお、血管を撮像対象としている場合、通常、血液のCT値を上げるために造影剤が用いられており、これにより、図9(a)に示すように、血管部が比較的明るく表示される。オペレータは入力装置33を操作し、対象血管Vtの抽出始点における血管断面が表示されるよう表示画面を変化させる。オペレータは、表示された断面の中心(以下、「始点SP」とする)を入力装置33を用いて指定する。また、同様に、抽出終了点における断面中心(以下、「終点EP」とする)を指定する。
画像処理装置300の制御部310は、ステップS302で始点SPが指定されると、その3次元座標を特定する。そして、特定された座標値に基づいて、始点SPの断面が中央に位置するような領域であって、当該位置における対象血管Vtの長尺方向に直交する領域(以下、「直交断面領域SR」とする)を指定する(ステップS303)。
ここで、図9(b)および図9(c)に、ステップS302で指定される各点と対象血管VtおよびステップS303で指定される直交断面領域SRとの位置関係の例を示す。図9(b)は、対象血管Vtと、指定される始点SPおよび終点EP、および、始点SPで指定される直交断面領域SR0の位置関係を模式的に示す図であり、図9(c)は、直交断面領域SR0における対象血管Vtの位置を示す模式図である。対象血管Vt上で始点SP・終点EPが指定されると(図9(b))、始点SPが中心に位置するような直交断面領域SR0が指定される(図9(c))。
なお、本実施の形態では、後述する処理により、直交断面領域SRが、始点SP〜終点EPまで順次指定される。したがって、始点SP位置で指定される直交断面領域を「直交断面領域SR0」とし、終点EPで指定される直交断面領域を「直交断面領域SR」と以下表記する。すなわち、後述する処理により、直交断面領域SR0〜SRが順次指定される。
制御部310は、ステップS302で指定された始点SPおよび終点EPの座標値をワークエリアなどの所定の記憶領域に保持した後、始点SP・終点EPの各位置に基づき、いずれの方向に向かって対象血管Vtを抽出していくのかを判別する。そして、判別した方向(進行方向)に基づいて、直交断面領域SR0のいずれの面が進行方向側の面(以下、「主面」とする)であるかを決定する。制御部310は、決定した主面に垂直な方向を「暫定進行方向」として決定する(ステップS304)。なお、暫定進行方向は、以下の処理により、直交断面領域SR0〜SRのそれぞれで決定される。したがって、以下の説明では、直交断面領域SR0〜SRのそれぞれに対応する暫定進行方向を「暫定方向DirA0〜DirAn」と表記する。
すなわち、ステップS304により、図9(b)に示すような暫定方向DirA0が決定される。
暫定方向が決定されると、制御部310は、決定された暫定方向に基づいて、次に指定する直交断面領域SR(ここでは、直交断面領域SR0の次領域である直交断面領域SR1)の指定位置を決定するための「進行方向決定処理」(ステップS320)をおこなう。この「進行方向決定処理」を図10に示すフローを参照して説明する。
制御部310は、ステップS302で指定された始点SPを起点とし、暫定方向(ここでは、暫定方向DirA0)に平行し、当該位置における対象血管Vtの長手方向断面を含む2つの領域(以下、一方を「平行断面領域PR1」、他方を「平行断面領域PR2」とする)を指定する(ステップS321)。なお、本実施の形態では、以下の処理により、直交断面領域SRが順次指定される毎に、平行断面領域PR1,PR2も指定される。したがって、以下、直交断面領域SR0〜SRに対応する各平行断面領域をそれぞれ「平行断面領域PR10〜PR1」、「平行断面領域PR20〜PR2」と表記する。図11に平行断面領域PR10,PR20の位置関係を模式的に示す。
図11(a)は、平行断面領域PR10と、直交断面領域SR0および始点SPとの位置関係を模式的に示し、図11(b)は、平行断面領域PR20と、直交断面領域SR0および始点SPとの位置関係を模式的に示し、図11(c)は、直交断面領域SR0と、平行断面領域PR10,PR20との位置関係を模式的に示したものである。
暫定方向DirA0を直交断面領域SR0の主面に垂直な方向としているため、図11(a)〜(c)に示すように、平行断面領域PR10およびPR20も、直交断面領域SR0の主面に垂直となる。また、制御部310は、これらの平行断面領域PR10およびPR20が互いに直交するよう領域指定する。ここで、平行断面領域PR10およびPR20は、直交断面領域SR0の主面に接し、その接している辺部が始点SP上にあるものとする。これにより、各平行断面領域PR10およびPR20は、対象血管Vtの長手方向断面をその領域内に含むこととなる。
ここで、制御部310は、このように指定された平行断面領域PR10およびPR20内のボリュームデータを用いて画像化する(ステップS322)。すなわち、図12(a),(b)に示すような、対象血管Vtの長手方向断面を示す画像(以下、「長手方向画像」とする)を取得する。
仮に対象血管Vtが直線的に延伸するのであれば、直交断面領域SRの主面に垂直な暫定進行方向DirAに沿って処理することで血管抽出を行うことができるが、血管は3次元的に方向を変えながら延伸するので、図12(a)に示すように、取得される長手方向画像は、必ずしも暫定進行方向DirA0に平行とはならない。そこで、暫定進行方向DirA0を、取得された長手方向画像に基づいて、実際の延伸方向に修正する。
まず、制御部310が、ステップS322で取得された長手方向画像のそれぞれの中心位置を求める(ステップS323)。すなわち、図12(a),(b)に示す、中心C10・C20の位置を算出する。ここでは、例えば、「フラッド・フィル(Flood Fill)」などの手法を用いて、各平行断面領域PR10・PR20内の長手方向画像を認識し、それぞれの中心C10・C20を求める。なお、以下の処理により、平行断面領域PR10〜PR1および平行断面領域PR20〜PR2のそれぞれで中心位置を求めるので、以下、「平行断面領域PR10〜PR1」、「平行断面領域PR20〜PR2」に対応する中心をそれぞれ「中心C10〜C1」、「C20〜C2」と表記する。
次に制御部310は、ステップS323で求めた各中心位置を用いて、実際の延伸方向ベクトルを求める(ステップS324)。ここでは、例えば、図13に示す数式を演算することにより、対象血管Vtの直交断面領域SR0からの延伸方向ベクトルを求めることができる。
このようなベクトル演算により、図14(a)に示すような実際の延伸方向である方向DirB0を求めることができる。すなわち、暫定進行方向DirA0が進行方向DirB0に修正される。以下、このように求められた方向を「決定進行方向DirB」と表記する。また、決定進行方向DirBは、以下の処理により、直交断面領域SR0〜SRのそれぞれにおいて求められるので、対応する決定進行方向DirBを「決定進行方向DirB0〜DirBn」と表記する。
制御部310は、このように求められた決定進行方向DirB0を直交断面領域SR0から次に指定する断面領域(すなわち、直交断面領域SR1)の位置を決定するための進行方向とするとともに、次回の進行方向決定時、すなわち、直交断面領域SR1から次の直交断面領域SRまでの延伸方向を決定する処理における暫定進行方向としてワークエリアなどに記憶し(ステップS325)、直交断面領域SR0における「進行方向決定処理」を終了する。
図8の「血管抽出処理」フローに戻ると、制御部310は、ステップS325で求めた決定進行方向DirB0に直交する次の直交断面領域SR(この場合、直交断面領域SR1)を、ステップS303と同様の処理により指定する(ステップS305)。すなわち、図14(b)に示すような直交断面領域SR1が指定される。ここで、先に指定された断面領域から次の断面領域までの距離は、例えば、画像処理装置300の処理能力や所望する精度などによって任意に設定されるものとする。
ステップS305において指定される直交断面領域SR1は、直前の直交断面領域SR0の中心である始点SPからの決定進行方向DirB0に直交する方向であるので、新たに指定される直交断面領域SR1も、SR0と同様に対象血管Vtの断面方向の領域となり、その略中央に断面の中心が位置するものとなる。
ここで、例えば、図9(c)に示すように、当該直交断面領域SR内に血管断面のみ存在するような場合は、その血管断面およびその中心の抽出は容易であるが、図15(a)に示すように、指定した直交断面領域SRにおける対象血管Vtが心臓HTに近接していたり、対象血管Vt以外の血管Vxなどに近接していることが多い。例えば、対象血管Vtが心臓HTに近接しているところでの直交断面領域SR(図中「直交断面領域SRex1」)では、図15(b)に示すように、対象血管Vtの断面の他に心臓HTの一部が含まれることになる。また、対象血管Vtに他の血管Vxが近接しているところでの直交断面領域SR(図中「直交断面領域SRex2」)では、図15(c)に示すように、対象血管Vtの断面の他に血管Vxの断面が含まれることになる。
このような場合において、対象血管Vtの断面およびその中心を決定するために、当該断面領域を画像化することが考えられる。すなわち、当該断面領域におけるCT値に基づいて画像化し、対象血管Vtの断面を画像として抽出すればよい。ここで、CT値はモダリティ100(CTスキャナ)が取得したX線吸収量係数であり、例えば、「水:0」、「空気:−1000」というように、物質によってその値が予め定まっている。したがって、対象血管Vtの断面を画像化する場合、血管の構成物質(血液、血管壁、造影剤、など)に対応するCT値に対応する画素(ピクセル)を画像化することで、当該血管のみが画像化されて抽出可能となる。しかしながら、対象血管に心臓や他の血管が近接する場合、これらを構成する物質も、対象血管Vtのそれとほぼ同一であるため、CT値の差異は極めて小さい。したがって、このような断面領域を画像化しても、図16(a),(b)に示すように、対象血管Vtの断面と、近接する心臓HTや他の血管Vxの断面とが一体化されてしまい、対象血管Vtの断面およびその中心を認識することができない。
そこで、制御部310は、このようなCT値のわずかな違いを峻別し、対象としている血管の断面を識別可能に顕在化させてその中心を検出するため「血管中心検出処理」(ステップS340)を実行する。この血管中心検出処理を、図17に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、対象領域を画像化する際に用いるCT値のレンジ(範囲)(以下、「対象CT値レンジ」とする)を変化させ、対象血管Vtの断面を示す画像を顕在化させることで断面中心を検出する。
まず制御部310は、対象CT値レンジを変化させるために用いる「閾値」のレンジ(範囲)(以下、「閾値レンジ」とする)を設定する(ステップS341)。すなわち、本実施の形態では、以下の処理において、「対象CT値レンジ」の下限値を示す閾値を変化させることで対象CT値レンジを変化させるため、この閾値の変化範囲(最小閾値thmin〜最大閾値thmax)をまず規定するものである。
ここで「対象CT値レンジ」とは、対象としている生体(人体)内部の画像化する際に対象となるCT値の範囲を示すものである。上述したように、物質によってCT値が予め定まっている。本実施の形態のように、人体内部を画像化対象としている場合は、臓器、器官、血液(造影剤)、骨、などが画像化対象となるので、これらに対応したCT値の範囲が対象CT値レンジとして予め定まる。そして、このように定まる対象CT値レンジ内で閾値を変化させるので、閾値レンジも対象CT値レンジと同一の範囲となる。
また、上述したように、本実施の形態における「閾値」は、対象CT値レンジの下限値を示すものである。すなわち、ある閾値が指定された場合、当該閾値に対応するCT値以上のすべてのCT値が対象となる。したがって、当該領域を構成する3次元ボリュームデータのうち、「対象CT値レンジ」に含まれるCT値が特性情報となる座標が画像化対象となる。例えば、閾値レンジ(対象CT値レンジ)が「0〜1000」である場合に、閾値「100」が設定されると、「100〜1000」の範囲に含まれるCT値を特性情報としている座標が画像化される。
また、X線吸収量係数であるCT値を用いて画像化した場合、CT値の違いが明るさの違いとなって現れる。このとき、例えば、画像化対象となっているCT値を特性情報として持つピクセルを「1」、それ以外のCT値を特性情報として持つピクセルを「0」とした二値データで画像化する。なお、本実施の形態では、撮像の際に造影剤を使用して血液のCT値を上昇させているものとする。また、「画像化」とは、上述のような二値データで画像化することを指すものとする。以下、対象血管Vtに他の血管Vxが近接している直交断面領域SRex2(図15)における処理を例に説明する。
まず制御部310は、ステップS341で設定された最小閾値thminを閾値thとし(ステップS342)、当該閾値thを下限値としたCT値を特性情報として持っている直交断面領域SRex2内のピクセルを画像化する(ステップS343)。閾値thが最小閾値thminである場合、適用されるCT値は、閾値レンジ(最小閾値thmin〜最大閾値thmax)に対応するすべてのCT値が該当することになる。ここで、ステップS341において、生体内を画像化できるCT値の幅を閾値レンジとしているので、閾値thが最小閾値thminの場合、図18(a)に示すように、対象血管Vtの断面および近接する血管Vxの断面のみならず、その周辺の他の組織等をも含んだ部分も画像化される。
また、図18(a)の画像上において、領域の中心を通るX方向の一次元領域(図中の「X-X'」における「X0〜X1」の領域)において、設定された閾値に対応するCT値を有するピクセルの分布は、図18(b)に示すグラフG1のように表すことができる。ここで、横軸は直交断面領域SRex2内の一次元領域座標(X0-X1)を示し、縦軸はCT値を示す。造影剤の使用により対象血管Vtおよび近接する他の血管VxのCT値が比較的高くなっているため、グラフG1のグラフ曲線には2つのピークが現れている。すなわち、これらのピークそれぞれが対象血管Vtと近接血管Vxの断面を示している。また、グラフ曲線内の斜線部は、閾値th(この場合、最小閾値thmin)に対応するCT値を有するピクセルの分布を示すものである。以後、後述する処理により変化する閾値と、その時に対象となるピクセルとの関係を説明する際に、グラフG1を適宜参照するものとする。
次に制御部310は、ステップS343で得た画像において、直交断面領域SRex2の中心位置に現れている画像の範囲を特定する(ステップS344)。上述のように、本実施の形態では、二値データによる画像化としているため、図18(a)に示すように、閾値に対応したCT値を持つピクセル領域が顕在的に現れる(図中の斜線部)。
このとき、対象としている断面領域によっては、例えば、図19(a)に示すように、閾値に対応するCT値を持つピクセル領域が複数存在する場合もある。本実施の形態では、輪郭を同じくするピクセル領域を、例えば、「フラッド・フィル(Flood Fill)」などの手法により認識して一つの単位として扱うこととする(以下、「単位画像」と表記する)。すなわち、図19(a)の例では、2つの単位画像「単位画像1」と「単位画像2」が現れていることとなる。
したがって、ステップS344においては、制御部310は、直交断面領域SRex2の中心位置に現れている単位画像の範囲を特定する。ここで「範囲」とは、当該単位画像の輪郭に該当するものである。すなわち、図19(b)に示すように、領域の中心(図中「+」)上にかかっている単位画像(以下、「中心単位画像」とする)についてその輪郭を特定する。すなわち、図19(b)においては、太線で示される線分が当該中心単位画像の範囲(輪郭)として特定される。
制御部310は、ステップS344で特定した中心単位画像の範囲が、当該直交断面領域SRex2内に収まっているか否かを判別する(ステップS345)。換言すれば、当該中心単位画像の範囲が直交断面領域SRex2の領域外にまで広がっているものであるか否かを判別する。ここでは、例えば、ステップS344で特定した輪郭が、直交断面領域SRex2のいずれかの辺部に接しているか否かを判別することにより、当該中心単位画像が領域内に収まっているか否かを判別する。図19(b)の場合、中心単位画像の輪郭の一部が、直交断面領域SRex2の上辺と右辺とに接しているので、当該中心単位画像が領域内に収まっていないと判別される。すなわち、当該中心単位画像は、直交断面領域SRex2の外にまで広がっているものであり、その一部が直交断面領域SRex2内に現れていることを示している。
また制御部310は、判別結果をそのときの閾値と対応付け、「閾値属性情報」として所定の記憶部(例えば、ワークエリアや画像記憶部360など)に記録する(ステップS345)。
次に制御部310は、ステップS344で特定した中心単位画像の面積を求め、その値をそのときの閾値と対応付け、「閾値属性情報」として所定の記憶部に記録する(ステップS346)。
以後、制御部310は、閾値thを最大閾値thmaxとなるまで順次変化させ、各閾値においてステップS343〜S346の処理を行う(ステップS347:No、S348)。すなわち、閾値thを最小閾値thminから最大閾値thmaxまで順次増分し、各閾値毎に(1)画像化、(2)中心単位画像の特定、(3)中心単位画像の範囲の判別と記録、(4)中心単位画像の面積算出と記録、を行う。これにより、上記所定の記憶部には、ステップS345およびS346で記録された閾値属性情報が、例えば、図20に示すような「閾値属性テーブル」として記録される。なお、閾値th(すなわち、対象CT値レンジの下限値)の増分率は任意であり、例えば、画像処理装置300の処理能力や所望する精度によって任意に設定されるものとする。なお、本実施の形態においては、説明を容易にするために、閾値thは「+1」ずつ増分されるものとする。
制御部310は、上記「閾値属性情報」を用いて、当該直交断面領域SRex2における対象血管Vtの中心を検出するために、面積変化(画像属性)に基づいて、対象血管Vtの断面を画像上で顕在化させる「血管断面顕在化処理」(ステップS360)を実行する。この「血管断面顕在化処理」を、図21に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、制御部310は、図20に示す閾値属性テーブルから「面積値」を取得して、上記閾値レンジにおける中心単位画像の面積分布を求める(ステップS361)。ここでは、例えば、各面積値をプロットすることで、図22に示すような、面積分布を示すグラフG2を得ることができる。グラフG2においては、横軸が閾値th(最小閾値thmin〜最大閾値thmax)を示し、縦軸が中心単位画像の面積を示す。図示するように、閾値thが最小閾値thmin〜最大閾値thmaxに遷移するにしたがって中心単位画像の面積値は減少する。これは、閾値の遷移に応じて、対象CT値レンジが狭まるため、画像化される領域面積も減少するためである。
制御部310は、中心単位画像の面積変化率を求める(ステップS362)。ここでは、例えば、ステップS361で求めた面積分布を区分連続関数で定義し、この区分連続関数を微分することで面積変化率を求めることができる。
次に制御部310は、閾値属性テーブルを参照し、中心単位画像が領域内に収まらなかった時の閾値を対象除外とする(ステップS363)。これは、対象としている血管断面は略円形の形状であり、かつ、直交断面領域の中心に位置しているため、その輪郭が明確となった画像(顕在化された画像)が領域外にまで及ぶことはあり得ないためである。
また、図22のグラフG2に示すように、閾値thを増分させる(すなわち、対象CT値レンジを狭める)過程で、中心単位画像の面積が急激に減少することがある。グラフG2の例では、閾値がtha〜tha+1に遷移した時と、thb〜thb+1に遷移した時に面積が急減している。ここで、「tha〜tha+1」への遷移時は、それまで領域範囲外にまで及んでいた中心単位画像が、面積減少に伴い領域内に収まるようになった時である。また、「thb〜thb+1」への遷移時は、中心単位画像が対象血管Vtの断面を示すものとして顕在化された時である。前者の場合の例として図23・図24を、後者の例として図25・図26をそれぞれ参照して説明する。
図23(a)は、閾値thaのときに得られる画像の例を示し、図23(b)は、閾値thaのときの一次元領域(X0-X1)におけるピクセル分布を表したグラフG1を示すものである。また、図24(a)は、閾値tha+1のときに得られる画像を示し、図24(b)は、閾値tha+1のときの一次元領域(X0-X1)におけるピクセル分布を表したグラフG1を示すものである。
図23(a)に示すように、閾値thaの時点では、中心単位画像の輪郭が直交断面領域の辺部に接している。また、図23(b)に示すように、閾値thaのときのピクセル分布(斜線部)は、一次元領域の端部であるX1上にかかっている。そして、図24(b)に示すように、閾値をthaからtha+1まで遷移させると、ピクセル分布は一次元領域端部のX1から離れる。すなわち、図24(a)に示すように、それまで直交断面領域の辺部に接していた中心単位画像が、領域内に収まるようになる。このときに、中心単位画像の輪郭部と直交断面領域の辺部との間に間隙が生じるため、中心単位画像の面積が大幅に減少し、グラフG2(図22)に示すような変化となって現れる。
一方、図25(a)は、閾値thbのときに得られる画像を示し、図25(b)は、閾値thbのときの一次元領域(X0-X1)におけるピクセル分布を表したグラフG1を示すものである。また、図26(a)は、閾値thb+1のときに得られる画像を示し、図26(b)は、thb+1のときの一次元領域(X0-X1)におけるピクセル分布を表したグラフG1を示すものである。
図25(a)に示すように、閾値thbの時点では、中心単位画像は、対象血管Vtと近接する血管Vxの双方の断面が一体となった画像である。また、図25(b)に示すように、閾値thbはグラフ曲線に現れている2つのピーク間の谷に該当し、すなわち、両ピーク双方を含んだピクセル分布を示している。そして、図26(b)に示すように、閾値をthbからthb+1まで遷移させると、ピクセル分布は、2つのピークそれぞれに分断される。すなわち、図26(a)に示すように、それまで対象血管Vtと近接する血管Vxの双方の断面を一体的に示していた中心単位画像が2つに分断され、一方が対象血管Vtの断面を示す中心単位画像となり、他方が血管Vxの断面を示す単位画像となる。すなわち、対象血管Vtの断面が顕在化される。ここで、本処理では中心単位画像の面積変化を検出しているので、血管Vxを示す単位画像の面積が中心単位画像の面積から減ぜられることとなり、大幅な面積減少としてグラフG2(図22)に現れる。
本処理では、対象血管Vtの断面が画像上で顕在化されたことを識別するものであるから、上記のような面積の急減を検出することで、顕在化されたか否かを判別することができる。しかし、断面領域の場所や中心単位画像の形状などといった諸条件の違いによっては、血管断面が顕在化したときの面積変化よりも、中心単位画像が領域内に収まるようになったときの面積変化の方が大きい場合もある。したがって、閾値レンジ内で面積変化率が最大となる箇所を検出しても、必ずしも、血管断面の顕在化を検出することができない。そこで制御部310は、ステップS363において「閾値属性テーブル」を参照し、中心単位画像の輪郭が断面領域外まで及んでいるときの閾値を除外し、除外後の閾値のうちで面積変化が最大となる閾値を特定する(ステップS364)。
図22のグラフG2の例では、除外対象となった閾値レンジを対象外領域(NG領域)として示している。ここで、閾値thaからtha+1への遷移時に大きな面積変化が生じているが、閾値thaがNG領域に該当する閾値であるので、検出対象から除外される。したがって、閾値tha+1からthmaxのうちで面積変化が最大となる閾値、すなわち、閾値thb+1が検出される。ここで、面積変化率を上記「区分連続関数の微分」により求めた場合には、最小微分値が得られたときの閾値を「面積変化を最大とする閾値」とすることができる。
制御部310は、ステップS364で特定した閾値を下限値とし、閾値thmaxを上限値としたCT値レンジに該当するピクセルを画像化することで、図26(a)に示すような、対象血管Vtの断面が顕在化した画像を取得し(ステップS365)、図17に示す「血管中心検出処理」のフローに戻る。
制御部310は、ステップS365で顕在化された対象血管Vtの断面を示す中心単位画像が得られると、例えば、フラッド・フィル(Flood Fill)などの手法により当該中心単位画像の形状等を認識して、その正確な中心位置を決定する(ステップS349)。すなわち、ステップS305で対象血管Vtの断面がほぼその中央に位置するよう各直交断面領域SRが指定されるが、画像化された対象血管Vtの断面からその中心を求めることにより、対象血管Vtの中心を正確に求めることができる。ここで、直交断面領域SRは3次元ボリュームデータの一部を領域指定したものであるから、その中の特定の位置が決定されれば、3次元ボリュームデータの座標系情報としてその位置を指定することができる。すなわち、当該断面領域における血管の中心位置を、座標系情報(x, y, z)として取得することができる。制御部310は、当該断面領域での血管断面中心を決定すると、図8に示す「血管抽出処理」のフローに戻る。
制御部310は、上記の各処理を直交断面領域SR0〜SRnのそれぞれで実行する(ステップS306:No)。すなわち、上記進行方向決定処理で決定された進行方向に基づいて順次指定される各直交断面領域SRにおける血管中心位置の座標系情報を取得する。なお、上記進行方向決定処理の説明においては、初回処理を例としたため、直交断面領域SR0の中心を基準に進行方向を修正・決定するものとしたが、上記血管抽出処理において血管中心位置が決定された場合は、決定された血管中心位置を基準に進行方向を決定するものとする。
制御部310は、上記各処理を順次行った結果、ステップS302で指定された終点EPにおける直交断面領域SRnでの血管中心が決定されると(ステップS306:Yes)、制御部310は、各断面領域で取得した血管中心の座標系情報に基づいて、対象血管Vtの長尺方向中心線を示す3次元パスを取得する(ステップS307)。すなわち、各断面中心位置を座標系情報として取得しているので、各中心を結んだパスとして対象血管Vtの中心線を特定することができる。したがって、図27に示すような、始点SPから終点EPまでの中心線のパス(以下、「パスPVt」とする)が取得される。画像処理装置300の制御部310は、このように取得したパスPVtを用いて、各種医用画像の生成・表示を行う(ステップS500:図6)。
上記「血管抽出処理」において、対象血管Vtの中心線のベクタ情報であるパスPVtが取得できているので、画像処理装置300の制御部310がパスPVtに沿って任意の3次元画像処理(たとえば、ボリュームレンダリングなど)を行うことにより、図28に示すような冠状血管を示す3次元画像を生成することができる。すなわち、上記「血管抽出処理」において中心線のパスデータが取得できているので、例えば、血管径が細くなっている部分であっても、寸断されることなく3次元画像化することができる。また、上述したように、上記「血管抽出処理」によれば、心臓や他の血管が近接している場合であっても、対象血管の中心を正確に検出できるため、従来は正確な3次元画像化が困難であった冠状血管であっても、図28に示すような正確な3次元画像を生成することができる。
また、上記「血管抽出処理」において取得されるパスPVtはベクタデータであるので、種々の変換・加工などを容易に行うことができる。すなわち、パスPVtは3次元の座標系データから構成される「3次元パスデータ」であるが、画像処理装置300の制御部310が所定の演算等を行うことにより「2次元パスデータ」に変換して各血管を直線的な2次元画像(ツリービュー)として表示することもできる。また、モダリティ100が取得する3次元ボリュームデータを用いて作成される他の形式の医用画像などと関連付けることもできる。すなわち、同一対象について、異なる表示形式(座標体系)の医用画像を同時に複数表示させ、これらの各画像上の位置を相互に対応付けることができる。
このような画像表示の例を図29に示す。この例における表示画面は、図示するように、複数の表示領域(左・中央・右)を有しており、制御部310および出力制御部340の制御によって、出力装置34(この場合、ディスプレイ装置などの表示装置)に、それぞれに異なる表示形式(座標体系)の医用画像が表示されている。例えば、左領域には、上段に心臓および冠状血管の「3次元画像」が表示され、下段に3次元パスデータから変換された「2次元パスデータ」が表示されている。ここで、3次元画像上には3次元パスを示す画像を重ねて表示できるものとする。すなわち、3次元画像として表示されている血管を、例えば、カーソルなどのポインタで当該3次元画像上で指示すると、指示された血管の3次元画像上に、当該血管の3次元パスが重ねて表示される。
なお、上記2次元パスデータへの変換は、トポロジー(接続分岐関係)を維持しつつ、3次元パスデータを2次元パスデータに変換してツリービューとするものである。ここで、冠状血管などは分岐点を有する、いわゆる、非巡回グラフ的に表すことができるので、このような血管を2次元パスで表した場合も、分岐が交差することなく表現することができる。また、3次元パスデータから血管長を求めることで、3次元パス上と2次元パス上の位置関係を容易に対応付けることができる。
したがって、例えば、画面上段の3次元画像上で、ある血管を指示すると、当該血管の3次元パスが3次元画像上に表示されるとともに、画面下段において、当該血管を示す2次元パスが強調表示等される。すなわち、制御部310の演算により、両画像上の位置情報(ノード)が相対的に対応付けられているので、例えば、3次元画像上で表示されているポインタと、2次元パス画像上で表示されているポインタとが相互にリンクし、一方のポインタの移動に応じて他方のポインタも移動するといった表示が可能となる。
ここで、モダリティ100により取得される3次元ボリュームデータには、座標系情報やCT値の他に、例えば、各種計測データなども含ませることができる。このような計測データを用いることにより、例えば、血流量や血管径などの数値情報を得ることができる。これらの情報は、上記3次元パスデータに対応付け可能であることはもとより、この3次元パスデータを変換して得られる2次元パスデータなどにも同様に対応付けることができる。したがって、制御部310が、これらの計測データをパラメータとして取得することで、血管径や血流量の違いなどを各画像上に明示的に表示させることができる。例えば、2次元パス画面上で、血管径が所定の閾値以下となっている部分の表示色を他の部分と変えて表示させたりすることが可能となる。
通常、血管径が細くなっている部分に異常が発生する蓋然性が高いといわれているが、3次元画像では血管の空間的位置関係を把握するに適している反面、血管上に発生している異常部位や径が細くなっている箇所などを見つけにくい欠点がある。したがって、上記のような表示形態とする2次元パスデータを3次元画像と同時に表示させることで、異常部位や径の細くなっている箇所が、いずれの血管のどの位置であるかを2次元パス画面で認識し、その場所を3次元画像上で実際の位置として確認することができる。
さらに、図29に示すように、中央表示領域の上・中段には、例えば、対象血管のCPR(Curved-Planer Reconstruction)画像などが表示される。CPRとは、3次元ボリュームデータを任意の曲面で領域指定するものであり、例えば、血管に沿った曲面領域を指定することで、血管の長尺方向断面を一画面で表示できるものである。図29の例においては、上段に「CPR非直線モード」の画像が表示され、下段に「CPR直線モード」の画像が表示されている。「非直線モード」は、指定した曲面領域をそのまま画像化したものであり、「直線モード」は、指定した曲面領域を擬似的に伸張させて対象血管を直線的な画像として表示するものである。
ここで表示されるCPR画像における座標情報も、制御部310の演算によって、上記3次元パスデータや2次元パスデータと相互に対応付けられる。したがって、例えば、所望の血管についての3次元画像あるいは2次元パスのいずれかを指示すると、指示された血管のCPR画像が中央領域に表示される。また、3次元画像上でポインタを移動させると、CPR画像上のポインタもこれに応じて移動する。これとは逆に、CPR画像上でポインタを移動させると、3次元画像上のポインタもこれに応じて移動する。また、上述のように、ボリュームデータには種々の情報を含ませることができるので、制御部310が、これらの情報に基づくグラフなどを作成して下段に表示する。このグラフでは、例えば、上記各画像上で指示される位置における種々の情報をグラフ表示することができる。例えば、上記CPR画像上で血管上の複数箇所を指定すると、指定された各箇所における血管径、狭窄率などの情報がグラフ化され、比較可能に表示される。
また、右領域には、血管断面を示すMPR画像が表示される。このMPR画像上の座標情報も、制御部310の演算により、他の画像の座標情報と相互に対応付けられている。したがって、例えば、CPR画像上で血管上の複数箇所を指定すると、指定された箇所の血管断面が表示される。
このように表示されるすべての画像上の位置情報は互いにリンクしているため、いずれかの画像上で位置指定すると、他の画像上にも対応する位置が明示的に表示されるので、表示形式(座標形式)の異なる複数の画像であっても一覧表示させて参照できるとともに、位置関係を一意的に把握することができる。したがって、例えば、診断時の異常部位発見を2次元パスデータやCPR画像を用いて行い、当該箇所を手術する際に3次元画像を参照して実際の位置を確認するなどといった活用ができ、診断・治療精度の向上に寄与することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態にかかる画像診断システム1によれば、血管などの管状組織の画像を生成する際に、各断面領域で閾値を変化させることで血管断面を顕在化させているので、例えば、血管径の変化や異常部位により管の途中でCT値が変化している場合であっても中心線を正確に抽出することができる。したがって、寸断等されることのない良好な画像を得ることができる。また、各断面領域で血管断面を顕在化させて断面中心を検出しているので、CT値が類似する他の器官等が近接している場合であっても、対象血管の中心線を正確に抽出することができる。また、対象血管の中心線をパスデータとして取得できるので、表示形式の異なる複数種類の医用画像と相互にリンクさせることができ、これらの医用画像を同時に表示させることができる。したがって、特に、心臓付近の冠状血管を対象とした診断・治療に極めて有用な医用画像表示を実現できる。
なお、上記実施の形態における「血管抽出処理」においては、図15に示す直交断面領域SRex2(対象血管Vtに他の血管Vxが近接している場合)を例に説明したが、同図に示す直交断面領域SRex1(すなわち、対象血管Vtに心臓HTが近接している場合)であっても、同様に対象血管Vtの断面を正確に抽出することができる。これは、本発明は、取得した断面領域のそれぞれにおいて対象CT値レンジを変化させ、それにより血管断面が顕在化したときの血管中心を検出しているため、類似したCT値であっても正確に峻別することができるためである。したがって、例示した直交断面領域SRex1やSRex2に限られず、対象血管Vtの断面を含んだ領域であれば、他の器官や組織が近接していても正確に対象血管Vtの断面中心を検出することができる。
この場合、対象血管Vtの断面を含む領域を指定する方法は任意であり、例えば、所定の3次元領域(空間領域)を指定することで、対象血管Vtの断面領域を指定してもよい。この場合、例えば図30(a)に示すように、対象血管Vt上の任意点AP(例えば、「血管抽出処理」(図8)のステップS302で指定される「始点SP」など)を指定し、この任意点APの3次元座標を特定するとともに、任意点APを重心CPとする立方体形状の3次元領域(以下、「立方体領域CR」とする)を指定する。対象血管Vtは管状であるので、立方体領域CRの面上の2カ所で接することになる(以下、進行方向の上流側での接点を「接点EG1」とし、下流側での接点を「接点EG2」とする)。そして、立方体領域CRを構成する面のうち、接点EG1を含む面を「断面領域SRa」とし、接点EG2を含む面を「断面領域SRb」として、これらの断面領域における管断面の抽出と断面中心の特定を行う。すなわち、断面領域SRaおよびSRbを対象として上記「血管中心検出処理」(図17)を実行することで、接点EG1とEG2における対象血管Vtの断面中心を示す3次元座標を特定することができる。
重心CP、接点EG1およびEG2の3次元座標が特定されるので、例えば、図30(b)に示すような、重心CPと接点EG2とを結んだ、当該立方体領域CRにおける単位3次元パスデータ(以下、「単位パスUP」とする)を得ることができる。すなわち、当該立方体領域CR内に含まれている対象血管Vtについての3次元パスデータを得ることができる。ここで、単位パスUPは、例えば、接点EG1と接点EG2の2点を結んだものであってもよく、あるいは、接点EG1、重心CP、および、接点EG2の3点を結んだものであってもよい。
そして、このように得られた「単位パスUP」に基づいて、次の3次元領域を指定することができる。例えば、図31(a)に示すように、前に指定された立方体領域CR1の単位パスUP1の終端UP1eを重心CP2として、次の立方体領域CR2を指定してもよい。あるいは、図31(b)に示すように、前に指定された立方体領域CR1の重心CP1と、単位パスUP1の終端UP1eの中点UP1mを重心CP2として、次の立方体領域CR2を指定してもよい。このようにして立方体領域CRを順次指定することで、複数の単位パスUPを得ることができ、このような複数の単位パスUPに基づいて、始点SPから終点EPまでの中心線のパスPVtを得ることができる。
なお、任意点APを立方体領域CRの重心ではなく、例えば、図32(a)に示すように、立方体領域CRの一面の中心(以下、「中心CP」とする)として立方体領域CRを指定してもよい。この場合、図32(b)に示すように、立方体領域CRを構成する面のうち、対象血管Vtが接する面を断面領域SRa、SRbとし、管断面とその中心を特定することができる。この場合の接点EG1は任意点AP(重心CP)と同一であるので、接点EG2についての「管断面の抽出」と「断面中心の特定」を行えばよい。そして、重心CPと接点EG2とを結ぶ3次元パスを「単位パスUP」とすることができる。
なお、指定する3次元領域(空間領域)の形状は、上記のような立方体に限られず、任意の形状とすることができる。例えば、図33(a)に示すような直方体形状や、図33(b)に示すような三角錐形状、あるいは、図34(a)に示すような球体形状や、図34(b)に示すような円柱形状などを用いることができるほか、例えば、楕球形状、樽型形状、トーラス(輪管面)といった形状であってもよい。
さらに、このような「3次元領域」の指定と、上記実施の形態で例示した「直交断面領域」の指定とを組み合わせてもよい。例えば、始点SPおよび終点EPでは「直交断面領域」を用い、始点SPから終点EPまでの間では「3次元領域」を用いるようにしてもよい。
上記実施の形態では、始点SPおよび終点EP(任意点)を、オペレータが入力装置33を操作し、血管断面を示す2次元画像上で指定するものとしたが、任意点を指定する方法はこれに限られない。例えば、上記「医用画像生成・表示処理」において生成されるような各種画像(すなわち、3次元画像やCPR画像など)上で指定してもよい。あるいは、オペレータの操作によらず、例えば、画像処理装置300が実行するプログラムや画像処理装置300に接続されている他の装置などからの指示等により任意点が指定されてもよい。また、上記実施の形態では、始点SPと終点EPの双方を指定するものとしたが、始点SPまたは終点EPのいずれか一方を指定するものとしてもよい。この場合、「進行方向」がオペレータやプログラムの指示などによって指定されてもよい。さらに、上記実施の形態では、終点EPにおける直交断面領域SRが指定されたことにより抽出を終了したが、これに限られず、例えば、血管径についての閾値を設定し、所定値以下の血管径となったときに抽出を終了するようにしてもよい。
また、上記実施の形態の「血管断面顕在化処理」においては、予めNG値を除外した閾値レンジで面積変化が最大となる閾値を検出したが、血管断面が顕在化する閾値を検出する方法はこれに限られない。例えば、大きな面積変化が複数回あった場合、それぞれで取得される中心単位画像の真円度を求め、最も真円度が高い画像が得られたときの閾値を「血管断面を顕在化させる閾値」として特定してもよい。
上記実施の形態では、面積変化に注目して血管断面の顕在化を判別したが、注目対象事項はこれに限られず、例えば、真円度、重心や外周長などの変化に基づいて判別してもよい。
上記実施の形態では、「対象CT値レンジ」の下限値を示す閾値を変化させるものとしたが、閾値の設定は任意である。例えば、「対象CT値レンジ」の上限値を示すものであってもよい。また、上記実施の形態では、閾値を最小閾値thminから最大閾値thmaxまで変化させたが、変化のさせ方は任意であり、例えば、最大閾値thmaxから最小閾値thminに変化させてもよい。また、上記実施の形態では、閾値を変化させることで、「対象CT値レンジ」を徐々に狭めるようにしたが、これに限られず、例えば、「対象CT値レンジ」を徐々に拡大させることで顕在化を判別してもよい。
上記実施の形態における「進行方向決定処理」においては、各直交断面領域において2つの平行断面領域を指定することにより進行方向を決定したが、進行方向を決定する方法はこれに限られない。すなわち、進行すべき方向を適切に決定できる方法であれば、任意の方法を用いることができる。また、上記実施の形態で例示した方法を用いる場合にあっては、指定する平行断面領域の数は「2」に限られず任意である。すなわち、1つの平行断面領域内の長手方向画像に基づいて進行方向を修正・決定してもよく、あるいは、3つ以上の平行断面領域内の長手方向画像に基づいて進行方向を修正・決定してもよい。また、長手方向画像を得る際にも、上記「血管断面顕在化処理」で用いられた対象顕在化手法を用いることができる。すなわち、対象血管Vtに他の組織が近接している場合には、平行断面領域にもそれらが含まれることになるが、上記血管断面の顕在化と同様に長手方向断面を顕在化させることでその中心位置を正確に検出することができる。
上記実施の形態では、モダリティ100としてCTスキャナを採用し、よって、CT画像を用いた場合を例に説明したが、上述したように、採用できるモダリティ100は任意であり、したがって、採用されるモダリティ装置に応じた画像(例えば、MR画像や超音波画像など)を用いてもよい。
上記実施の形態では、特に冠状血管などの血管を抽出対象としたが、管状組織(管状臓器、管腔臓器)であれば抽出対象とすることができ、例えば、気管、腸、神経、などを抽出対象とすることができる。
上記実施の形態では、「医用画像生成・表示処理」において、3次元画像、2次元パス、CPR画像、グラフ、MPR画像を同一画面上に表示する場合を例に説明したが、生成・表示する画像の種類や一度に表示する画像数などは任意である。また、上記実施の形態にかかる画像処理装置300は、例えば、管状組織の中心線パスを取得する機能のみを有するものであってもよい。この場合、画像処理装置300は、取得した3次元パスデータを他の画像生成装置に提供するなどし、そこで各種画像を生成するようにしてもよい。また、上記実施の形態の画像処理装置300が持つ上記各処理にかかる機能の一部またはすべてを、例えば、モダリティ100や制御端末200などが有していてもよい。すなわち、上記画像処理装置300が有する各機能は、単一の装置により実現されてもよく、あるいは、複数の装置の協働により実現されるものであってもよい。
上記実施の形態における画像処理装置300は、専用装置で構成可能であることはもとより、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータ装置などで構成することもできる。この場合、上記各処理を実現するためのプログラムの一部または全部を汎用コンピュータ装置にインストールし、OSなどの制御下で実行することにより、画像処理装置300を構成することができる。この場合のプログラム配布形態は任意である。例えば、CD−ROMなどの記録媒体に格納して配布可能であることはもとより、搬送波に重畳させることで通信媒体(インターネットなど)を介して配布することができる。
以上説明したように、本発明によれば、医用画像の生成において、血管などの管状組織を正確に抽出することができ、当該管状組織を示す複数種類の画像を相互に関連付けて一覧表示させることができる。
本発明の実施の形態にかかる「画像診断システム」の構成を模式的に示す図である。 図1に示す「制御端末」の構成を示すブロック図である。 図2に示す制御端末が取得する断層画像(スライス画像)を説明するための図である。 3次元ボリュームデータの任意領域を指定する手法を説明するための図であり、(a)は「MPR」の例を示し、(b)は「CPR」の例を示す。 図1に示す「画像処理装置」の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態にかかる「血管画像生成処理」を説明するためのフローチャートである。 図6に示す「撮像処理」を説明するためのフローチャートである。 図6に示す「血管抽出処理」を説明するためのフローチャートである。 図8に示す血管抽出処理により取得される断面領域を説明するための図であり、(a)は始点指定のために表示される断面画像の例を示し、(b)は取得される断面領域と対象血管などとの位置関係を模式的に例示し、(c)は取得された断面領域と血管断面との位置関係を模式的に例示する。 図8に示す血管抽出処理における「進行方向決定処理」を説明するためのフローチャートである。 図10に示す進行方向決定処理において指定される平行断面領域を説明するための図であり、(a)は指定される平行断面領域の一方についての位置関係を模式的に例示し、(b)は指定される平行断面領域の他方についての位置関係を模式的に例示し、(c)は指定される平行断面領域の双方と直交断面領域との位置関係を模式的に例示する。 図10に示す進行方向決定処理において取得される長手方向画像の例を示す図であり、(a)は一方の平行断面領域で取得される長手方向画像の例を示し、(b)は他方の平行断面領域で取得される長手方向画像の例を示す。 図10に示す進行方向決定処理におけるベクトル算出に用いられる計算式の例を示す図である。 図10に示す進行方向決定処理における処理を説明するための図であり、(a)は暫定進行方向と決定進行方向との関係を模式的に示し、(b)は決定進行方向に基づいて指定される直交断面領域を模式的に示す。 対象血管についての位置関係を模式的に例示する図であり、(a)は対象血管について指定される直交断面領域と対象血管に近接する心臓および他の血管との位置関係を模式的に例示し、(b)は(a)に例示された一方の直交断面領域における対象血管と心臓との位置関係を模式的に例示し、(c)は(a)に例示された他方の直交断面領域における対象血管と他の血管との位置関係を模式的に例示する。 図15に例示される直交断面領域を画像化した場合の画像の例を模式的に示す図であり、(a)は図15(b)に例示された領域の画像の例を示し、(b)は図15(c)に例示された領域の画像の例を示す。 本発明の実施の形態にかかる「血管中心抽出処理」を説明するためのフローチャートである。 図17に示す血管中心抽出処理を説明するための図であり、(a)は最小閾値が設定されたときの画像の例を示し、(b)は最小閾値が設定されたときの所定の一次元領域におけるピクセル分布を示すグラフを示す。 図17に示す血管中心抽出処理を説明するための図であり、(a)は用語「単位画像」を説明するための図であり、(b)は用語「中心単位画像」および「単位画像の範囲」を説明するための図である。 図17に示す血管中心抽出処理において作成される「閾値属性テーブル」の例を示す図である。 本発明の実施の形態にかかる「血管断面顕在化処理」を説明するためのフローチャートである。 図21に示す血管断面顕在化処理において検出される、中心単位画像の面積変化を示すグラフである。 図21に示す血管断面顕在化処理における画像の変化を説明するための図であり、(a)、は中心単位画像が直交断面領域外まで及んでいる場合の例を示し、(b)は、そのときの閾値とピクセル分布との関係を示すグラフである。 図21に示す血管断面顕在化処理における画像の変化を説明するための図であり、(a)は、中心単位画像が直交断面領域内に収まった場合の例を示し、(b)は、そのときの閾値とピクセル分布との関係を示すグラフである。 図21に示す血管断面顕在化処理における画像の変化を説明するための図であり、(a)は、中心単位画像が対象血管と他の血管双方の断面を含んでいる場合の例を示し、(b)は、そのときの閾値とピクセル分布との関係を示すグラフである。 図21に示す血管断面顕在化処理における画像の変化を説明するための図であり、(a)は、対象血管の断面が顕在化されたときの中心単位画像の例を示し、(b)は、そのときの閾値とピクセル分布との関係を示すグラフである。 図21に示す血管断面顕在化処理において取得される3次元パスを模式的に示す図である。 図6に示す「医用画像生成・表示処理」で生成される3次元画像の例を示す図である。 図6に示す「医用画像生成・表示処理」で生成される画像の表示例を示す図である。 本発明の実施の形態における断面領域指定に「3次元領域」を用いる場合を説明するための図であり、(a)は対象血管上の任意点と指定される立方体領域との位置関係の例を示し、(b)は指定された立方体領域における断面領域および取得される単位パスの例を示す。 図30に示す立方体領域を順次指定する方法を説明するための図であり、(a)は単位パスの終端を次の立方体領域の重心とした例を模式的に示し、(b)は単位パスの中点を次の立方体領域の重心とした例を模式的に示す。 図30に示す立方体領域を指定する他の方法を説明するための図であり、(a)は対象血管上の任意点と指定される立方体領域との位置関係の例を示し、(b)は指定された立方体領域における断面領域および取得される単位パスの例を示す。 図30に示す3次元領域の他の例を示す図であり、(a)は直方体形状の空間領域を示し、(b)は三角錐形状の空間領域を示す。 図30に示す3次元領域の他の例を示す図であり、(a)は球体形状の空間領域を示し、(b)は円柱形状の空間領域を示す。
符号の説明
1 画像診断システム
10 通信ネットワーク
100 モダリティ
200 制御端末
300 画像処理装置

Claims (24)

  1. 3次元ボリュームデータを用いて管状組織の3次元画像を生成する医用画像処理装置において
    前記管状組織の長尺方向に直交する断面領域を指定する断面領域指定部と、
    前記断面領域指定部が指定した前記断面領域に基づいて、前記断面領域指定部が次に指定する断面領域の方向を特定する進行方向特定部と、
    前記断面領域指定部が指定した各断面領域に含まれる前記3次元ボリュームデータを用いて、当該断面領域における前記管状組織の断面を含んだ画像を生成する画像化部と、
    前記画像化部が生成した画像についての条件を変化させ、前記管状組織の断面を示す画像として顕在化させる断面画像顕在化部と、
    前記断面画像顕在化部が顕在化した前記管状組織の断面画像から、前記管状組織の中心位置を特定する中心位置特定部と、
    前記中心位置特定部が特定した各断面領域の中心位置に基づいて、前記管状組織の中心線を特定する中心線特定部と、
    を備えることを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記進行方向特定部は、
    指定された前記中心線の始点、及び/又は、終点に基づいて、進行方向を暫定決定する暫定方向決定部と、
    直前に指定された前記断面領域における前記管状組織の中心位置と、前記暫定方向決定部が決定した暫定方向とに基づいて、当該断面領域における前記管状組織の長手方向に平行し、該管状組織の長手方向断面を含む1または複数の領域を指定する平行断面領域指定部と、
    該指定された平行断面領域に含まれる前記長手方向断面の中心位置を検出し、該検出した中心位置に基づいて、次の直交断面領域を指定するための進行方向を決定する進行方向決定部と、をさらに備え、
    前記断面領域指定部は、前記進行方向決定部が決定した進行方向に直交する領域を前記断面領域として指定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記断面画像顕在化部は、
    前記条件変化に応じて変化する前記画像の画像属性を検出する画像属性検出部と、
    該検出された画像属性の変化に基づいて、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたか否かを判別する顕在化判別部をさらに備え、
    前記中心位置特定部は、前記顕在化判別部によって顕在化が判別されたときの前記画像が示す前記管状組織の断面の中心位置を特定する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記画像属性検出部は、
    該条件変化に応じて変化する画像面積を検出し、該検出された面積に基づいて、前記条件変化に応じた画像面積の変化を検出し、
    前記顕在化判別部は、該検出された面積変化に基づいて、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたか否かを判別する、
    ことを特徴とする請求項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記顕在化判別部は、前記断面領域の中心に現れている画像が、当該断面領域内に収まり、かつ、前記面積変化が最大となったときに、前記管状組織の断面が画像上で顕在化されたと判別する、
    ことを特徴とする請求項に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記中心線特定部は、前記管状組織の中心線を3次元パスデータとして特定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記中心線特定部は、
    指定された前記中心線の始点、及び/又は、前記中心位置特定部が特定した中心位置を基準とした所定の3次元領域を前記3次元ボリュームデータ上で指定する3次元領域指定部をさらに備え、
    前記3次元領域指定部が指定した3次元領域に基づいて前記3次元パスデータを特定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記中心線特定部が特定した3次元パスデータに基づいて、前記管状組織を示す画像を作成する画像作成部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記画像作成部は、
    前記管状組織を示す複数種類の画像を作成し、各画像間の相対的位置関係を演算する画像演算部と、
    作成された複数種類の画像を所定の表示装置に一覧表示させるとともに、前記画像演算部が演算した各画像間の相対的位置関係に基づいて、各表示画像上の位置関係を相互に対応付けて表示させる表示制御部と、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項に記載の医用画像処理装置。
  10. コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載の医用画像処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
  11. コンピュータを用いて、3次元ボリュームデータを用いて管状組織の3次元画像を生成する医用画像処理方法において
    指定された前記中心線の始点及び/又は終点に基づいて前記管状組織上の進行方向を特定し、前記管状組織の長尺方向に直交する断面領域を前記進行方向に基づいて順次指定するステップと、
    指定された各断面領域で前記管断面を含む画像を生成するステップと、
    前記生成された画像についての条件を変化させ、前記管状組織の管断面を顕在化させるステップと、
    前記管断面が顕在化された画像に基づいて、当該管断面の中心位置を検出するステップと、
    検出された中心位置に基づいて、前記管状組織の中心線を取得するステップと、
    を備えることを特徴とする医用画像処理方法。
  12. 前記断面領域を指定するステップは、
    指定された前記中心線の始点、及び/又は、終点に基づいて、進行方向を暫定決定するステップと、
    直前に指定された前記断面領域における前記管状組織の中心位置と、決定した暫定方向とに基づいて、当該断面領域における前記管状組織の長手方向に平行し、該管状組織の長手方向断面を含む1または複数の領域を指定するステップと、
    該指定された平行断面領域に含まれる前記長手方向断面の中心位置を検出し、該検出した中心位置に基づいて、次の直交断面領域を指定するための進行方向を決定するステップと、をさらに備え、
    決定した進行方向に直交する領域を前記断面領域として指定する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の医用画像処理方法。
  13. 前記管状組織の管断面を顕在化させるステップは、
    前記3次元ボリュームデータに含まれる所定の特性情報についての閾値を設定するステップと、
    設定された閾値に対応する特性情報を用いて各断面領域を画像化するステップと、をさらに備え、
    前記閾値を変化させることで、当該管状組織の管断面を画像上で顕在化させる、
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の医用画像処理方法。
  14. 前記管状組織の管断面を顕在化させるステップは、前記閾値の変化に応じて変化する画像面積の変化に基づいて、前記管状組織の断面が当該画像上で顕在化したか否かを判別
    前記中心位置を検出するステップは、前記断面の顕在化が判別されたときの前記画像に基づいて前記中心位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の医用画像処理方法。
  15. 前記中心位置を検出するステップは、当該断面領域の中心に現れている画像が、当該断面領域内に収まっており、かつ、前記閾値の変化に応じた面積変化が最大となったときに、前記管状組織の断面が顕在化したと判別する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の医用画像処理方法。
  16. 前記取得された中心線を示す3次元パスデータを取得し、該3次元パスデータに基づいて、前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の医用画像処理方法。
  17. 前記3次元パスデータを取得するステップは、
    前記始点、及び/又は、前記検出された中心位置を基準とした所定の3次元領域を前記管状組織に沿って順次指定するステップをさらに備え、
    指定した3次元領域に基づいて前記3次元パスデータを取得する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の医用画像処理方法。
  18. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記3次元パスデータに基づいて当該管状組織についての複数種類の画像を生成し、生成された画像のすべて又はいずれかを、所定の表示装置に一覧表示する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の医用画像処理方法。
  19. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記一覧表示される各画像上の位置関係を相互に対応付け、表示画像上で動的にリンクさせる、
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の医用画像処理方法。
  20. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、前記複数種類の画像として、少なくとも当該管状組織についての3次元画像と2次元画像とを作成する、
    ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の医用画像処理方法。
  21. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、2次元画像としてCPR(Curved Planer Reconstruction)画像を作成し、少なくとも、作成された3次元画像とCPR画像の位置関係を相互に対応付けて表示する、
    ことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載の医用画像処理方法。
  22. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、
    前記3次元パスデータを2次元パスデータに変換するステップと、
    前記3次元パスデータと、該変換された2次元パスデータとを関連付けるステップと、をさらに備え、
    少なくとも、当該3次元パスデータに基づく画像と、変換された2次元パスデータに基づく画像とを一覧表示させる、
    ことを特徴とする請求項17乃至21のいずれか1項に記載の医用画像処理方法。
  23. 前記管状組織を示す画像を生成して表示するステップは、所定の付帯情報を取得し、前記生成された各画像とともに一覧表示させる、
    ことを特徴とする請求項17乃至22のいずれか1項に記載の医用画像処理方法。
  24. コンピュータに、請求項11乃至23のいずれか1項に記載の医用画像処理方法の各ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
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