JP3984011B2 - 高耐食性耐摩耗合金とその製造法及び制御棒駆動装置 - Google Patents

高耐食性耐摩耗合金とその製造法及び制御棒駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な高耐食性耐摩耗合金とその製造法及びそれを用いた制御棒駆動装置並びに制御棒駆動装置用ローラ及びピンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来原子カプラントにおける摺動部にはコバルト基合金が多く使用されている。例えば、制御棒のガイド用ローラやブッシュ等にはステライトのバルク材が、また配管におけるゲート弁等の摺動面にはステライトの肉盛材が用いられている。このステライトはコバルトを主成分とし、クロムを28〜30%、炭素を1〜2.5%、さらにタングステン、鉄、ニッケルを含有している。高クロムであるために耐食性が良く、また高炭素であるために硬さが高く耐摩耗性に優れている。
【0003】
しかしながら、この合金部材が原子炉の高温高圧水中におかれるとコバルトが炉水中に溶出し、これが燃料被覆管表面に付着して放射化され、再び溶出して炉水中を循環する。その結果、プラントの定期検査や補修時における被爆線量が増大し運転休止期問が長期化しプラントの稼動率を低下させる。このようなコバルトの溶出による線量の増大を防止するにはコバルト基合金に替る摺動材料を適用する必要がある。コバルトを成分元素としないローラ及びブッシュ用耐摩耗材料として、既に特公昭59-52228が開示されている。これはローラにニッケル基合金を用いたものであるが、耐摩耗性がコバルト基合金に及ばないため負荷荷重の高い摺動部では摩耗による寸法変化が大きくなり、長期間の使用に耐えられない。
【0004】
また特公昭58-23454にはクロム、ニオブを添加したニッケル合金が開示されているが、ステライトにくらべ耐衝撃性が悪く、緊急時のシャットダウンによる衝撃に対する信頼性に難点があった。さらに、特開平9-125213及び特開平lO-072642には粗大なクロムを有するニッケル及び鉄基合金が示されている。これらの合金は粗大クロム炭化物によって耐摩耗性が改善され、基質部の硬さを低くすることで耐衝撃性もある程度改善されている。しかし、クロム炭化物は高温水中で基地部よりも優先的に腐食すること、またクロム炭化物の形状が細長く、方向が揃っているため内部にまで腐食が進行し易い難点があった。
【0005】
特開昭55-100949号公報には、C1.0〜3.5%、Si0.1〜2.0%、Mn0.1〜2.0%、W5〜20%、Cr20〜40%、Fe1〜30%及び残部Niからなる内燃機関のエンジンバルブ及びバルブシート用Ni基合金が開示されていますが、Cr炭化物については全く開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温水中、高荷重下で原子炉制御棒の円滑な駆動を長期間にわたって保証するため、耐摩耗性がステライトより優れ、かつ緊急時の高速駆動による衝撃荷重に対しても信頼性が高く、また高温水中での耐食性及び耐摩耗性に優れた高耐食耐摩耗性合金とその製造法及びそれを用いた制御棒駆動装置並びに制御棒駆動装置用ローラ及びピンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、重量で、C1.O〜3.0%、好ましくは1.O〜2.5% Si1.0 %以下、 Mn2.0 %以下、Cr20〜40%、好ましくは25〜35% Nb0.3 0.8 %と、残部の Ni 及び不可避不純物とを含み、熱間型鍛造によって分断されたCr炭化物を有することを特徴とする高耐食耐摩耗合金にある。
【0008】
又、本発明は、前述のNi基合金に、Fe5〜25%、好ましくは5〜20%、W10%以下、好ましくはW1〜10%、より好ましくは2.0〜7.0%との1種以上を含むものである。更に、本発明のNi基合金は粒径10μm以下の粒状のCr炭化物と、長さ 200 μm以下の棒状の Cr 炭化物とを含み、面積率で2〜15%の長さ50〜200μmのCr炭化物を有することが好ましい
【0009】
更に、本発明は、前述のNi基高耐食性耐摩耗合金に、Ta8%以下及びV8%以下の1種以上を含むことを特徴とする。
【0011】
又、本発明は、10μm以下の粒状のCr炭化物と、面積率で2〜15%の長さ50〜200μmの棒状のCr炭化物とを有することが好ましい。
【0012】
本発明は、前述のNi基合金を製造する方法として、鋳造後、熱間型鍛造を行い、次いで熱等方加圧処理を行い、前記合金中の Cr 炭化物を分断させることを特徴とする高耐食性耐摩耗合金の製造法にあり、鋳造組織中に存在する長大な棒状のCr炭化物を熱間鍛造することにより粒径 10 μm以下の粒状の Cr 炭化物と、長さ 200 μm以下、好ましくは長さ50〜200μmの大きさに分断し、さらに高温等方加圧処理によって熱間鍛造で生じたマイクロボイド等の欠陥が実質的に無くすものである。
【0013】
本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に設けられた中空ピストンと、該中空ピストンを上下に駆動する駆動ピストンと、前記中空ピストンと前記ハウジング内のチューブとの間で該チューブに設けられたローラと、該ローラの回転軸となるピンとを備えた制御棒駆動装置において、前記ローラ及びピンの1種以上が前述に記載の合金又は製造法により形成された合金によって構成されることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に設けられた中空ピストンと、該中空ピストンを上下に駆動する駆動ピストンと、前記中空ピストンと前記ハウジング内のチューブとの間で該チューブに設けられたローラと、該ローラの回転軸となるピンとを備えた制御棒駆動装置において、前記ローラとピンはニッケル基合金によって構成されること又は、前記ローラ及びピンの少なくとも一方がニッケル基鍛造合金よりなることを特徴とする。
【0015】
本発明は、前述に記載の耐摩耗合金又は製造法により形成された耐摩耗合金よりなることを特徴とする制御棒駆動装置用ローラ又はピンにある。
【0016】
原子カプラントの制御棒駆動装置は従来の水圧駆動式のものから電動モータによる微動駆動が可能な新しいタイプのものに変わりつつある。この新しいタイプの制御棒駆動装置では中空ピストンの動きを円滑にするため、ガイドローラが使用されるが、従来の制御棒ガイドに使用されているローラに比べ桁違いに負荷荷重が大きくなり、より高い耐摩耗性が要求される。また緊急時のピストンの高速駆動に対しては衝撃荷重による破損に対する高い信頼性が要求される。
【0017】
さらにこのローラは高温の炉水中に長期間にわたって放置されることになり、高温水に対して十分な耐食性も兼ね備えている必要がある。原子炉における冷却水は高純度の純水であるが、溶存酸素を0.2ppm程度含んでおり、これが酸化剤となって高温水中で腐食がおきる。溶存酸素による腐食で表面に綴密な酸化膜が形成される場合にはそれ以上の腐食は抑制されるが安定な酸化膜が形成されない場合には腐食がさらに進行することになる。
【0018】
前述の特開平10-072642号公報に開示の合金にはクロムを固溶したニッケル基地またはクロムを固溶した鉄基地中に初晶の長大なクロム炭化物が存在しているが、この炭化物中のクロムが高温水中に容易に溶け出すため、クロム炭化物の腐食がニッケル基地部の腐食よりも速い速度で進行する。また、クロム炭化物の形状が数百ミクロンに達する長い棒状であり、かつある領域で方向が揃っているため、炭化物を介して腐食が内部にまで達し易く、長期にわたって制御棒の円滑な駆動を確保するには難点があった。また、このような炭化物の形態は衝撃荷重が加わった時に割れが生じやすく、耐衝撃性にたいしても難点があった。本発明はかかる難点を解決するためになされたものである。
【0019】
すなわち、高温水中での耐摩耗、耐食性及び耐衝撃性を同時に満足するようにしたものであるそのために、耐摩耗性に有効な初晶の長大なクロム炭化物はそのまま活用し、耐食性と耐衝撃性を向上するため、棒状のクロム炭化物を50〜200μmの大きさに短く分断しあるいは粉砕し、基地中に分散させるようにしたことである。棒状クロム炭化物を短く分断し、板状のクロム炭化物は細かく粉砕し基地中に分散させることによって、たとえ高温水によってクロム炭化物に腐食が生じたとしても腐食を高温水に接した小片化した炭化物内にとどめ、さらなる内部への進行を防止することができる。また衝撃荷重に対して脆い性質を有するクロム炭化物を分断あるいは粉砕し、基地中に分散させることにより、衝撃荷重に対するクラックの発生と進展を抑制することができる。
【0020】
また、小片化したクロム炭化物自身の耐食性を向上することも全体の腐食抑制に有効である。クロム炭化物白身の高温水中での耐食性を向上するには炭化物中に固溶してクロムと共に複合炭化物を形成し、炭化物の腐食電位をさげる作用を有する元素を添加することが有効である。本発明のニッケル及び鉄合金は高炭素、高クロムであり、鋳造組織中にみられる棒状あるいは板状の粗大な炭化物はCr7C3あるいはCr3C2であるが、これらの炭化物にWを添加した場合、WがCr中に固溶し、Cr(W)7C3あるいはCr(W) 3C2となって高温水中での耐食性が向上する。
【0021】
また、クロム炭化物の耐食性を向上するのに有効な添加元素はタングステンの他に、ニオブ、タンタル、バナジウム等があげられる。タングステンの場合、1%以下では効果が小さく、10%以上になると耐摩耗性を損なうので、1〜10%の添加が望ましい。タンタル及びバナジウムについても同様な理由でそれぞれ2〜8%、1〜3%が望ましい。ニオブ 0.3〜0.8%である。
【0022】
腐食は基地部からも進行するため、基地部の耐食性を重要である。ニッケル基地の場合、高温水中へのクロムやニッケルの溶出を抑制するには表面に形成されるこれらの金属の酸化膜をスピネル構造の綴密な膜にするのが有効である。本発明の合金においては、鉄を5〜20%添加することによって、スピネル構造の酸化膜が形成され基地部の耐食性が顕著に改善されることがわかった。長大なクロム炭化物の分断は鋳造したインゴットを1000℃以上の高温に加熱し、熱間造によって達成される。本発明の合金は高C材であり、長大な炭化物を有し、その数が多いた高温といえども鍛造時にクラックが生じやすい。そのため、熱間での加工でクラックが発生を防止するには、型を用いた鍛造によるものである
【0023】
本発明の合金においては、Si及びMnは製造上添加することが好ましく、いずれもSiが1.0%以下、好ましくは0.1〜0.5%、Mnが2.0%以下、好ましくは0.1〜0.5%である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
表1は本発明に係わる合金で、摩耗試験、衝撃試験及び腐食試験に供した材料の化学成分(重量%)を示す。A1〜A3は炭素量とクロム量を、B1〜B5は鉄量及びタングステン量を、C1〜C2はタンタル,バナジウムを添加し、耐食性、耐摩耗性及び耐衝撃性への影響をみたものである。これらの成分の材料はアルゴン雰囲気中で溶解後鋳造し、インゴットを得た。インゴットの一部は1200℃に加熱し、型鍛造(スウエージング)を行った。
【0025】
【表1】
Figure 0003984011
【0026】
図1及び図2に代表例としてA2の鋳造ままと鋳造後型鍛造(鍛造比4)を行い、丸棒とした断面の光学顕微鏡組織を示す写真である。図1の鋳造ままの組織中には10μm以下の多数の粒状のCr炭化物と幅50μm程度の長大な棒状のCr炭化物がみられる。この炭化物は凝固時に液相から直接形成された初晶の炭化物で、その長さは1000μm以上に達するものもある。
【0027】
一方、図2の型鍛造後の組織ではこの長大な棒状のCr炭化物が200μm程度の長さの短形の棒状に細かく分断されている。この分断された炭化物の長さは鍛造比によって変化するが、例えば、鍛造比を6とすれば炭化物の長さを約100μm以下にすることができる。図2において、分断されたCr炭化物の端部に見られる黒い部分は鍛造によって生じた欠陥で、分断された炭化物間の隙に対し基地の埋め合わせが充分行われていない部分で、マイクロボイドと呼ばれるものである。
【0028】
図3は型鍛造後、さらに1150℃、120MPaのアルゴンガス中で熱間等方加圧処理を行った後の顕微鏡組織を示す写真である。炭化物周辺のボイドは押しつぶされて消滅し、欠陥のない組織となっている。表2はA1〜B5の成分について、鋳造まま材と型鍛造材(鍛造比4)のシャルピー衝撃試験における室での吸収エネルギーを示す。型鍛造を行うことによって全ての成分材の吸収エネルギー値が鋳造ままに比べ約4〜5倍高くなり、耐衝撃性が大幅に向上する。
【0029】
【表2】
Figure 0003984011
【0030】
これは図1と図2に比べ、鍛造により長大なCr炭化物が細かく分断されたことにより、炭化物中に生成するクラックの長さが短くなり、炭化物と炭化物との間に新たに形成された基地部でその伝播が抑制されるためである。このような、炭化物の分断による機械的特性の向上は耐衝撃性のみならず引張り特性にもみられる。例えば、A2の鋳造まま材の引張り強さ、破断伸びはそれぞれ345N/mm2,0.5%であるのに対し、型鍛造材では802N/mm2,4.3%と引張り強さ、破断伸びが大幅に向上する。このような、炭化物の分断による機械的特性の向上は耐衝撃性のみならず引張り特性にもみられる。例えば、A2の鋳造まま材の引張り強さ、破断伸びはそれぞれ345N/mm2,0.5%であるのに対し、型鍛造材では802N/mm2,4.3%と大幅に向上する。
【0031】
表3は鋳造まま、型鍛造材さらに鍛造後高温等方加圧処理を行った材料の高温水中での腐食試験結果を示す。長さ70mm、幅10mm、厚さ2mmの試験片を288℃、溶存酸素8ppm、導電度0,057μS/cmの高温水中に3500h暴露した後の腐食減量を測定した。
【0032】
【表3】
Figure 0003984011
【0033】
鋳造ままの腐食減量を比較すると、WとFeが添加されることによって腐食減量が少なくなり耐食性が向上する。しかし、WとFeの耐食性への寄与のメカニズムは異なっており、Wは炭化物の耐食性を高めることで、また、FeはN基地の酸化膜を強化することで耐食性に寄与していることがわかった。Wの添加量は1%以下では効果がなく、10%以上では効果が飽和する。Feの添加量は5%以下では研著な効果がなく、20%以上では効果が飽和する。Feを添加しないA2と10%添加したB3について試験後の表面酸化膜のX解析を行った結果、B3の酸化膜にはA2ではみられないスピネル構造の綴密な酸化膜が形成されていることがわかった。
【0034】
WとFeを複合添加したB5の腐食減量が単独添加のものより少ないのは二つの異なったメカニズムの効果と考えられる。型鍛造を行った場合、腐食減量に大きな変化はみられないが、型鍛造後高温加圧処理を行うとかなり顕著に減少し耐食性が向上する。型鍛造で炭化物を分断したのみで腐食減量にあまり変化がないのは炭化物が分断されたプラスの効果とマイクロボイドが炭化物周辺にたくさん生成するマイナスの効果が相殺されたためと考えられる。高温加圧処理を行うことによって、図3に示したようにマイクロボイドが消滅し欠陥のない組織になるためである。
【0035】
表4に高温水中での摩耗試験結果を示す。摩耗試験片は表1に示した成分材で鍛造後高温加圧処理を行ったものについて、外径17mm、内径5.5mm、幅7.5mmのローラに加工した。相手材には表5に示す成分の鉄系の合金を外形5.4mmのピン状に加工し、これをローラに挿入し試験機にセットした。摩耗試験は288℃、溶存酸素量O.2ppmの高温高圧水中で行い、試験荷重は98N、摺動速度は0.01m/sと1.9m/sの条件で行った。本発明の合金は摺動速度が0.01m/s,1.9m/sのいずれの条件においてもCo基合金に比べて良好な耐摩耗性を示している。耐食性の向上に有効なWやFeを添加した場合でも良好な耐摩耗性を示す。
【0036】
【表4】
Figure 0003984011
【0037】
【表5】
Figure 0003984011
【0038】
(実施例2)
図4は、電動モータによる微動駆動可能な制御棒駆動機構の断面図である。表1の試料B1及びB5のローラとピンを実施例1と同様に製作し32組装着し、4 に相当する負荷駆動試験を実炉を模擬した高温水中循環で行った。その結果、ローラ及びピンとも摩耗による寸法変化は僅少で設計基準を十分満足するものであった。また、スクラム駆動時の衝撃荷重での破損も全くみられなかった。
【0039】
本実施例における制御棒駆動機構はモータ3によって回転するピストン駆動用ネジ9を通して駆動ピストン7により中空ピストン4を介して制御棒1を上下に駆動するものであり、原子炉圧力容器2に溶接によって接続されている。制御棒1は制御棒案内管5の中で駆動される。水圧駆動ピストン10は緊急時に水挿入配管8より水を挿入することにより制御棒1を上方に急速に持ち上げるようにするもので、駆動ピストン7とは分離されている。特に高温水に接する部分はSUS316Lが使用される。また、制御棒1は自重で落下する構造になっている。
【0040】
また、本実施例におけるローラとピンは図示されるA〜Hの各々の位置中空ピストン4とハウジング6内に設けられた各種チューブとの間に中空ピストンがスムースに移動できるように設けられている。Aはバファ部で、上下に2個所あり、各々4ケずつ90度間隔で設けられる。Bはストップピストン部、Cはスピンドルヘト部、Dはボールねじ上部、Eはラッチ支持部、Fはラッチ外側面、Gは中空ピストン/ボールナト部で各女2ヶ所に各4個ずつ設けられる。Hはミドルフランジ部で、円周上に6ヶ設けられる。各部分のローラとピンの形状は次の通りである。
【0041】
図5はA部におけるローラ16にピン17を挿入した断面図であり、ピン17は押えピン18によって回転が拘束される。ピン17は3段階の直径を有する。ローラ16はピン部で厚肉で、外周面で若干薄肉になっている。
【0042】
図6はC部における外側部分及び図7は同じくその内側部分に設けられる断面が相似の卵形のローラ16にピン17を挿入した断由図である。D部は図6と同じ構造のローラとピンが設けられる。ピン17は頭部で太径になっており、ローラ部と頭部との反対面側までがストレートな構造を有する。
【0043】
本実施例においては、高温水中での耐食性及び耐摩耗性に優れ、従って、高温水中、高荷重下で原子炉制御棒の円滑な駆動を長期間にわたって保証する事が出来、かつ緊急時の高速駆動による衝撃荷重に対しても信頼性が高い制御棒駆動装置を提供することが出来るものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、合金成分としてCoを全く含まないので、原子カプラントの制御棒駆動装置におけるローラ、ブッシュ等の摺動部材において、高温、高圧水中へのCoの溶けだしがないので、誘導放射化による被爆線量を低減することができる。また、本発明の合金は耐摩耗性、耐衝撃性がステライトより優れているため、摩耗による摺動部材の寸法変化が少なく、緊急停止時の制御棒の高速作動による衝撃荷重に対し、信頼性の高いプラントの運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る合金の断面の顕微鏡写真。
【図2】 本発明に係る合金の鍛造後の断面の顕微鏡写真。
【図3】 本発明に係る合金の鍛造後熱処理後の断面の顕微鏡写真。
【図4】 本発明に係る制御棒駆動機構の断面図。
【図5】 ローラとピンの断面図。
【図6】 ローラとピンの断面図。
【図7】 ローラとピンの断面図。
【符号の説明】
1…制御棒、2…圧力容器、3…モータ、4…中空ピストン、5…制御棒案内管、6…ハウジング、7…駆動ピストン、8…水挿入配管、9…ピストン駆動用ネジ、10…水圧駆動ピストン、16…ローラ、17…ピン、18…押えピン。

Claims (12)

  1. 量で、C1.O〜3.0% Si1.0 %以下、 Mn2.0 %以下、Cr20〜40% Nb0.3 0.8 %と、残部の Ni 及び不可避不純物とを含み、熱間型鍛造によって分断されたCr炭化物を有することを特徴とする高耐食耐摩耗合金。
  2. 量で、C1.O〜3.0% Si1.0 %以下、 Mn2.0 %以下、Cr20〜40% Nb0.3 0.8 %と、 Fe5 25 %及び W1 10 %の少なくとも一方と、残部の Ni 及び不可避不純物とを含み、熱間型鍛造によって分断されたCr炭化物を有することを特徴とする高耐食耐摩耗合金。
  3. 請求項1又は2において、Ta8%以下及びV8%以下の1種以上を含むことを特徴とする高耐食耐摩耗合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記熱間型鍛造後、熱間等方加圧処理が施されていることを特徴とする高耐食耐摩耗合金。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、粒径10μm以下の粒状のCr炭化物と、長さ200μm以下の棒状のCr炭化物とを有することを特徴とする高耐食性耐摩耗合金。
  6. 量で、C1.O〜3.0%、Si1.0%以下、Mn2.0%以下、Cr20〜40%、Nb0.3〜0.8%と、残部のNi及び不可避不純物とを含むNi基合金を、鋳造後、熱間型鍛造を行い、前記合金中のCr炭化物を分断させることを特徴とする高耐食性耐摩耗合金の製造法。
  7. 重量で、C1.O〜3.0%、Si1.0%以下、Mn2.0%以下、Cr20〜40%、Nb0.3〜0.8%と、Fe5〜25%及びW1〜10%の少なくとも一方と、残部のNi及び不可避不純物とを含むNi基合金を、鋳造後、熱間型鍛造を行い、前記合金中のCr炭化物を分断させることを特徴とする高耐食性耐摩耗合金の製造法。
  8. 請求項6又は7において、前記熱間型鍛造を行い、次いで熱間等方加圧処理を行うことを特徴とする高耐食性耐摩耗合金の製造法。
  9. 請求項6〜8のいずれかにおいて、粒径10μm以下の粒状のCr炭化物と、長さ200μm以下の棒状のCr炭化物とを形成することを特徴とする高耐食性耐摩耗合金の製造法。
  10. ハウジングと、該ハウジング内に設けられた中空ピストンと、該中空ピストンを上下に駆動する駆動ピストンと、前記中空ピストンと前記ハウジング内のチューブとの間で該チューブに設けられたローラと、該ローラの回転軸となるピンとを備えた制御棒駆動装置において、前記ローラ及びピンの少なくとも一方が、請求項1〜5のいずれかに記載の高耐食耐摩耗合金によって構成されることを特徴とする制御棒駆動装置。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の高耐食耐摩耗合金よりなることを特徴とする制御棒駆動装置用ローラ。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の高耐食耐摩耗合金よりなることを特徴とする制御棒駆動装置用ピン。
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