JP3983375B2 - ヘッドレストホルダーの抜き取り方法およびヘッドレストホルダー抜き取り用工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートバック内のホルダーブラケットに係止、保持されたヘッドレストホルダーを抜き取るための抜き取り方法、およびそのための抜き取り用工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動車等のシートにおいては、着座者の頭部を後方から支持可能とするヘッドレストが、下方に延出されたロッド状の一対のステーを介して、シートバックの上部に装着されている。
【0003】
シートバックは、通常、その上端に、実開平02−121848号公報に開示するような、いわゆるヘッドレストホルダーを有し、このヘッドレストホルダーへのステーの挿入、係止のもとで、ヘッドレストがシートバックの上端に装着可能となっている。
【0004】
上記実開平02−121848号公報に開示のように、この種のヘッドレストホルダーは、上端にフランジ状の大径ヘッド部を有する側面略T 形状の筒状体として、合成樹脂材料から成形されている。そして、ヘッドレストホルダーは、その下端部のスリットを介した対向位置に、内方に縮幅変形可能なテーパ形状の一対の下部フック片を有し、ホルダーブラケットへの挿着に伴う、ホルダーブラケット下端への下部フック片の拡幅係合により、ホルダーブラケットに係止、保持可能、つまりはシートバック上端に取り付け可能に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、工業用資材のリサイクル化をはかろうとする近年の環境保護の流れにより、自動車等のシートにおいても、廃棄の際の解体が必要となっている。そして、この解体を容易とするような、いわゆる易解体性シートが要求されている。
【0006】
ヘッドレストホルダーは、その拡幅のもとでホルダーブラケットの下端に係合された一対の下部フック片を直径方向内方に押し込んで縮幅させることにより、ホルダーブラケットから抜き取り可能となるため、シートの解体の際においては、通常、作業者が、その手による下部フック片の直接的な縮幅作業のもとで、ヘッドレストホルダーをホルダーブラケットから抜き取っている。
【0007】
ここで、シートバックは、通常、シートバックフレーム、シートパッド等をトリムカバーで被覆して形成されているため、ヘッドレストホルダーの抜き取り作業の際においては、シート背面のトリムカバー、シートパッド等を、作業の可能な範囲にわたって一旦破断し、その破断箇所から、作業者が手を差し込んでヘッドレストホルダーの抜き取り作業を行わなければならない。そして、作業者は、その手によって下部フック片を直径方向内方に押し潰しながらヘッドレストホルダーを上方に引き抜かなければならないため、ヘッドレストホルダーの抜き取り作業、ひいてはシートの解体作業の煩雑化、および作業性の低下が避けられない。
【0008】
更に、このような作業は、通常、下部フック片の位置を手探りで確認し、目視の困難な状態で下部フック片を押し潰しながら上方に押し上げなければならないため、作業の確実性および安全性が劣りやすい。
【0009】
また、作業者の手による、直径方向内方(縮幅方向)への下部フック片の押し潰しは、作業者に多大な負担を強いるため、この点においても、作業者の安全性の低下、および作業性の低下を招きやすい。
【0010】
この発明は、安全かつ容易なヘッドレストホルダーの抜き取りを可能とするヘッドレストホルダーの抜き取り方法およびヘッドレストホルダー抜き取り用工具の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明においては、ヘッドレストホルダーの一対の下部フック片が、直径方向で対向していることに着目している。
【0012】
そして、この発明のヘッドレストホルダーの抜き取り方法によれば、ヘッドレストホルダーの内部に、一壁面の対向配置された一対の略U 形フックをその上端開口から挿通、貫通させるとともに、ヘッドレストホルダーの下部フック片の下方でこの略U 形フック間を離反させた後の引き上げのもとで、一対の略U 形フックをヘッドレストホルダーの下部フック片に係合させている。そして、一対の略U 形フック間の近接のもとでヘッドレストホルダーの下部フック片を内方に縮幅させた状態における、略U 形フックの引き上げによって、ヘッドレストホルダーをホルダーブラケットから抜き取り可能としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1(A)、(B) 、および図2に示すように、この発明に係るヘッドレストホルダー抜き取り用工具10は、相互間の離反、近接の可能な一対の略U 形フック12をその下端に有して形成されている。
【0015】
この抜き取り用工具10の使用の対象となるヘッドレストホルダー14は、たとえば、上記実開平02−121848号公報に開示のように、上端にフランジ状の大径ヘッド部14a を有する側面略T 形状の筒状体として、合成樹脂材料から成形されている。そして、図1(A) 、図2に加えて図3を見るとわかるように、この種のヘッドレストホルダー14は、シートフレーム18への固着のもとでシートバック16に内蔵された、たとえばパイプ状のホルダーブラケット20への挿着のもとで、シートバックの上端に取り付け可能となっている。
【0016】
図1(A) 、図2に示すように、ヘッドレストホルダー14は、その下端部のスリット14b を介した対向位置に、直径方向内方に弾性変形可能、つまりは外寸の縮幅変形の可能なテーパ形状の一対の下部フック片14c を有し、ホルダーブラケット16への挿着に伴う、ホルダーブラケット下端への下部フック片の拡幅係合により、ホルダーブラケットに係止、保持可能、つまりはシートバック16の上端に取り付け可能に構成されている。
【0017】
そして、図3に示すように、このシートバック上端のヘッドレストホルダー14へのステー22の挿通、およびヘッドレストホルダーのロック手段(図示しない)でのステーのロックによって、ヘッドレスト24がシートバック16の上端に装着可能となっている。
【0018】
ここで、図1(A)、(C) に示すように、この発明の抜き取り用工具10においては、一対の略U 形フック12が、ヘッドレストホルダー14の上端開口から内部を貫通可能、かつ下部フック片14c に下方から係合可能に形成されている。そして、この抜き取り用工具10の一対の略U 形フック12は、操作部材となる基部26、可動部28の相互間の離反、近接操作のもとで、離反、近接可能に構成されている。
【0019】
図2に加えて図4を見るとわかるように、この抜き取り用工具10においては、基部26、可動部28が、たとえばパイプ材から形成され、可動部が、基部の上方で、基部に対して離間並置されている。そして、たとえば、離間位置での直径方向への貫通、およびその上端の固着のもとで可動部28から下方に延出された一対のガイドロッド30を、基部26の直径方向に摺動自在に貫通させてガイド部材とし、基部、可動部間でのガイドロッドへのリターンばね32の巻装、張設を伴って、基部、可動部が相互に離反、近接操作を可能に組み合わされている。
【0020】
なお、リターンばね32として、たとえば圧縮コイルばねが利用でき、このリターンばねの偏倚力のもとで、基部26、可動部28は、相互に離反可能となっている。
【0021】
基部26は、たとえば、一対の対向壁34a を貫通して連結された略コ字形状の基部サポート34を、その下方への基壁34b の配置のもとで一体的に有している。そして、この基部サポートの基壁34b の垂設片36に、一対の略U 形フック12が連結、固定されている。
【0022】
図2、図4に加えて図1(A)、(B) を見るとわかるように、一対の略U 形フック12は、たとえば重ねて配置された一対の板ばね状リード部材38の、略ハ字形状に拡開折曲されたそれぞれの下端拡開部38a の端末に、一壁面を対向させて形成、配置され、この一対のリード部材の上端は、ねじ部材40の締め付けによる、挿通ピン41の挿通を伴った垂設片36と挟持片42との間での挟持のもとで、基部サポート34、ひいては基部26に連結、固定されている。
【0023】
なお、一対の略U 形フック12は、リード部材38の下端拡開部38a の縮閉に伴う相互間の近接のもとで、ヘッドレストホルダー14の内部に挿通可能であるとともに、下端拡開部の拡開のもとで、ヘッドレストホルダーの下部フック片14c に、下方から係合可能に形成される(図1(A)、(C) 参照)。
【0024】
そして、図2、図4に示すように、この略U 形フック12を有するリード部材38は、ヘッドレストホルダー14の内部に遊挿可能な外径、およびリード部材の下端拡開部38a を強制的に縮閉させる内径を有したガイドパイプ44によって部分的に覆われている。ガイドパイプ44は、たとえば、基部26、可動部28の離反のもとでリード部材の下端拡開部38a を下方に露出可能とする長さに形成され、その上端は、基部サポート34の下方でガイドロッド30を介して可動部28に一体的に昇降可能に連結、固定された可動部サポート46に、貫通を伴って固着されている。
【0025】
可動部サポート46は、ガイドロッド30の下端部のねじ部30a への、ナット48の螺着のもとで固定されるとともに、基部サポートの下壁34a との間でガイドロッドに巻装されたパイプ状スペーサ50によって、基部サポートとの間隔が保たれている。
【0026】
なお、この発明の実施の形態においては、基部サポートの対向壁34a の上端をストッパとして機能させることによって、基部26、可動部26間の過剰な近接を防止するとともに、スペーサ50での規制位置に、基部、可動部の離反位置が規定されている。つまり、この発明の実施の形態においては、スペーサ50によって規定された位置から、基部サポートの対向壁34a の上端に可動部28の係合する位置までの間の範囲が、基部、可動部の離反、近接の範囲となっている。
【0027】
上記のような、この発明のヘッドレストホルダー抜き取り用工具10によるヘッドレストホルダー14の抜き取り方法を、以下説明する。
【0028】
たとえば、図2に示すような状態から基部26、可動部28を片手で握り、握る力を強めることで、基部、可動部間を、リターンばね32の偏倚力に抗して近接させると、図1(A) に示すように、ガイドパイプ44内への収容のもとでのリード部材の下端拡開部38a の縮閉により、一対の略U 形フック12間が相互に近接される。そして、この近接状態を保ちつつ、一対の略U 形フック12をガイドパイプ44と共にヘッドレストホルダー14の上端開口から挿入することによって、略U 形フックをその下方、つまり下部フック片14c の下方まで貫通させる。
【0029】
ヘッドレストホルダー14の内部への一対の略U 形フック12の貫通後に、基部26、可動部28を把握した手の力を緩めれば、図1(B) に示すように、リターンばね32の偏倚力のもとでの基部、可動部間の離反により、下端拡開部38a がガイドパイプ44からの露出により拡開するため、これによって、一対の略U 形フック間は相互に離反される。そして、この一対の略U 形フック12間の離反状態で、抜き取り用工具10を全体的に引き上げれば、図1(C) に示すように、一対の略U 形フックは、ヘッドレストホルダー14の対応する下部フック片14c に、それぞれ下方から係合される。
【0030】
次に、図1(D) に示すように、このヘッドレストホルダーの下部フック片14c への一対の略U 形フック12の係合状態を保ちつつ、基部26、可動部28間を手の握りにより近接させれば、ガイドパイプ44内への収容に伴う下端拡開部38a の縮閉によって、一対の略U 形フック間が互いに近接するため、これによって、ヘッドレストホルダーの下部フック片14c は直径方向の内方、つまりは縮幅方向に弾性変形される。
【0031】
そして、このヘッドレストホルダーの下部フック片14c の縮幅状態においては、ホルダーブラケット20の下端に対する下部フック片の係合が解除されるため、図1(E) に示すように、この状態で抜き取り用工具10の全体を引き上げれば、ホルダーブラケットからのヘッドレストホルダー14の引き抜きが可能となる。
【0032】
なお、この抜き取り用工具10においては、ホルダーブラケット20からの抜き取り後も、ヘッドレストホルダー14が、一対の略U 形フック12への下部フック片14c の係合状態でガイドパイプ44の回りに位置するが、図1(F) に示すように、一対の略U 形フック間の近接状態を保ちつつ、ヘッドレストホルダーをガイドパイプに沿って引き上げれば、略U 形フック、下部フック片間の係合は解除される。そして、その後、一対の略U 形フック12間の近接状態を同様に保ちつつ、ヘッドレストホルダー14をガイドパイプ44の下方に引き抜けば、ヘッドレストホルダーは、引き抜き用工具10から容易に離脱できる。
【0033】
上記のように、この発明のヘッドレストホルダーの抜き取り方法によれば、一対の略U 形フック12を、ヘッドレストホルダー14の内部にその上端開口から挿通、貫通させるとともに、ヘッドレストホルダーの下部フック片14c に下方から係合させ、一対の略U 形フック間の近接により下部フック片を縮幅させた後に、略U 形フックをヘッドレストホルダーと共に引き上げればれば足りるため、トリムカバー、シートパッド等の事前の破断等を要することなく、シートバック16の外部での作業により、ヘッドレストホルダーをホルダーブラケット20から抜き取ることが可能となる。
【0034】
つまり、トリムカバー、シートパッド等を事前に破断、剥離することなく、ヘッドレストホルダー14の抜き取り作業が行えるため、作業が簡素化され、これによって、作業時間の短縮化がはかられる。
【0035】
そして、シートバック内に手を入れることなく、シートバック16の外部での作業のもとで、ヘッドレストホルダーの下部フック片14c の縮幅作業が行えるため、作業者の手による作業性、および作業者の安全性が確実に向上される。
【0036】
また、ヘッドレストホルダー14に追加の加工、形状変更等を何ら加える必要がないため、ホルダーブラケット20に対するヘッドレストホルダーの取り付けの際の作業性、およびヘッドレストホルダーとしての機能性を損なうことは全くない。更に、ヘッドレストホルダー14は、従来通りの形状、構成であれば足りるため、既存のヘッドレストホルダーへの適用が容易に可能となる。
【0037】
そして、この発明のヘッドレストホルダー抜き取り用工具10によれば、ヘッドレストホルダー14に何ら改造を加えることなく、上記のヘッドレストホルダーの抜き取り方法が適切に遂行できるため、安全、かつ確実なヘッドレストホルダーの抜き取り作業が容易に行える。従って、作業性、確実性、安全性に優れたヘッドレストホルダー14の抜き取り作業が容易に可能となる。
【0038】
また、この抜き取り用工具10においては、基部26、可動部28を離反、近接自在に組み合わせるとともに、これに連動して、一対の略U 形フック12間を離反、近接可能とすれば足りるため、構成が複雑化しない。
【0039】
ここで、この発明の実施の形態においては、基部26、可動部28をいずれもパイプ材として例示しているが、作業者が片手で把握可能な形状であれば足りるため、これに限定されず、他の形態の材料、たとえば板状材、角状材等を基部、可動部に利用してもよい。しかし、パイプ材は、把握したときのフィット感に優れているため、基部26、可動部28をパイプ材とすれば、快適な作業性が十分に確保できる。
【0040】
また、この発明の実施の形態においては、ホルダーブラケット20としてパイプ体を例示しているが、たとえば、略コ字形状に折曲成形した板金体の上下壁に、整列した挿通孔を形成し、その下壁の挿通孔の下部周縁を係合端として規定したものでも、この発明の抜き取り方法が前記実施の形態と同様に遂行できることはいうまでもない。
【0041】
なお、この発明は、自動車のシートに挿着されたヘッドレストホルダーの抜き取りに最適であるとはいえ、ヘッドレストホルダーを用いるシートであれば、自動車のシートに限定されず、たとえば、電車、飛行機、船舶等の種々のシートのヘッドレストホルダーに、この発明を応用してもよい。
【0042】
上述した発明の実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】
上記のように、この発明に係るヘッドレストホルダーの抜き取り方法によれば、ヘッドレストホルダーの下部フック片の縮幅作業が、ヘッドレストホルダーの内部に挿入した一対の略U 形フックによって、シートバック外部で行えるため、トリムカバー、シートパッド等を事前に破断、剥離する必要がない。従って、作業が簡素化され、これにより、作業時間の短縮化がはかられる。
【0044】
そして、作業者は、シートバック内に手を入れることなく、シートバック外部での一対の略U 形フックの離反、近接を操作すれば足りるため、作業性、および作業の安全性が確実に向上される。
【0045】
更に、ヘッドレストホルダーに何ら改造を加えることなく、この発明の抜き取り方法が遂行可能であるため、既存のヘッドレストホルダーへの適用が容易に行える。
【0046】
そして、この発明のヘッドレストホルダー抜き取り用工具によれば、ヘッドレストホルダーに何ら改造を加えることなく、上記のヘッドレストホルダーの抜き取り方法が適切に遂行できるため、安全、かつ確実なヘッドレストホルダーの抜き取り作業が容易に行える。従って、作業性、確実性、安全性に優れたヘッドレストホルダーの抜き取り作業が容易に可能となる。
【0047】
また、この抜き取り用工具においては、基部、可動部を離反、近接自在に組み合わせるとともに、これに連動して、一対の略U 形フック間を離反、近接可能とすれば足りるため、構成が複雑化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッドレストホルダー抜き取り用工具による、この発明に係るヘッドレストホルダーの抜き取り方法の作業工程図である。
【図2】この発明のヘッドレストホルダー抜き取り用工具の概略斜視図である。
【図3】ヘッドレストホルダーの設けられたシートバックの概略斜視図である。
【図4】ヘッドレストホルダー抜き取り用工具の一部破断の概略正面図である。
【符号の説明】
10 ヘッドレストホルダー抜き取り用工具
12 略U 形フック
14 ヘッドレストホルダー
14c ヘッドレストホルダーの下部フック片
20 ホルダーブラケット
26 基部
28 可動部
30 ガイドロッド(ガイド部材)
32 リターンばね
38 リード部材
38a リード部材の下部拡開部
44 ガイドパイプ
Claims (3)
- 挿着に伴う下部フック片の拡幅係合によってホルダーブラケットに係止、保持された樹脂製のヘッドレストホルダーの内部に、一壁面の対向配置された一対の略U 形フックをその上端開口から挿通、貫通させるとともに、ヘッドレストホルダーの下部フック片の下方でこの一対の略U 形フック間を離反させた後の引き上げのもとで、当該略U 形フックをヘッドレストホルダーの下部フック片に係合させ、
前記一対の略U 形フック間の近接のもとでヘッドレストホルダーの対向する下部フック片間を縮幅させた状態における略U 形フックの引き上げにより、ヘッドレストホルダーをホルダーブラケットから抜き取るヘッドレストホルダーの抜き取り方法。 - シートバック内のホルダーブラケットに、その下部フック片の拡幅係合のもとで係止、保持された樹脂製ヘッドレストホルダーを、このホルダーブラケットから抜き取り可能とする工具であり、
特定範囲内での自在な離反、近接操作を可能に、所定のガイド部材を介して組み合わされた一対の基部、可動部と;
離反方向への偏倚力を基部、可動部に付与するリターンばねと;
基部への上端の連結、固定により隣接配置された一対の板ばね状リード部材の、略ハ字形状に拡開折曲されたそれぞれの下端拡開部に、一壁面を対向させて設けられ、リード部材の下端拡開部の縮閉に伴う相互間の近接のもとでヘッドレストホルダーの内部に挿通可能であるとともに、下端拡開部の拡開のもとでヘッドレストホルダーの下部フック片に下方から係合可能な一対の略U 形フックと;
少なくとも、ヘッドレストホルダーの内部に遊挿可能な外径、および内部への収容によりリード部材の下端拡開部を強制的に相互に縮閉させる内径を有し、リード部材の下端拡開部より上方を少なくとも部分的に覆って配置され、その上端が、基部の下方で可動部に一体的に移動可能に連結されたガイドパイプと;
を具備し、基部、可動部間の近接操作のもとでの、ガイドパイプ内へのリード部材の下端拡開部の収容により、一対の略U 形フック間を強制的に近接させるとともに、基部、可動部間の離反操作のもとでの、ガイドパイプからの下端拡開部の露出により、一対の略U 形フックの自動的な離反を可能としたヘッドレストホルダー抜き取り用工具。 - パイプ材からなる基部、可動部が上下に離反して並置されるとともに、離間位置で基部に上端の固着された一対のガイドロッドを、下方の基部に直径方向で摺動自在に貫通させてガイド部材とし、基部、可動部間でのガイドロッドへのリターンばねの巻装、張設を伴って、基部、可動部が相互に離反、近接操作を可能に組み合わされ、
基部の下方で基部に一体的に連結された基部サポートに、リード部材の上端が連結、固定されるとともに、この基部サポートの下方でガイドロッドの下端に固定された可動部サポートに、ガイドパイプの上端が固定された請求項2記載のヘッドレストホルダー抜き取り用工具。
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