JP3983318B2 - 低オーバヘッド入力および出力境界走査セルを含む集積回路 - Google Patents

低オーバヘッド入力および出力境界走査セルを含む集積回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路(IC)に関し、特に、ICの試験およびICの相互接続配線を簡単化するための、ICの入力および出力ピンにおいて構成される境界走査セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
境界走査試験は、本技術分野において公知であり、その具体化および動作モードを詳述したIEEE標準規格(IEEE1149.1)によってサポートされる。図1Aは、IC出力における境界走査試験に用いるための従来技術の境界走査セルの論理構造を示す。この境界走査セルは、入力マルチプレクサ(Mux1)と、フリップフロップまたは他のラッチ回路のような捕獲/シフトメモリ(Mem1)と、フリップフロップまたは他のラッチ回路のような出力メモリ(Mem2)と、出力マルチプレクサ(Mux2)と、を含む。選択信号(選択1)はMux1を制御し、Mem1が、直列データ入力、またはICのコア論理装置からのシステムデータ出力から、データをロードすることを可能ならしめる。Mem1は、制御信号(制御1)に応答してデータをロードする。Mem1の出力は、Mem2への入力であり、直列データとして出力される。Mem2は、制御信号(制御2)に応答してMem1からのデータをロードする。選択入力(選択2)はMux2を制御し、Mux2がICの出力バッファへ、Mem2の出力またはICのコア論理装置からのシステムデータを出力することを可能ならしめる。複数のこれらの境界走査セルは、直列入力および出力線により直列に接続され、境界走査レジスタを形成しうる。
【0003】
図1Aにおいて、出力境界走査セル論理装置は点線内に囲まれている。この境界走査セルは、ICのコア論理装置からの出力を、ICの出力バッファに接続する。該出力バッファは、それがMux2から受ける論理レベルに応答して高(V+)または低(G)電圧を出力する。前記境界走査セルは、前記コア論理装置と同じ領域、すなわちコア領域内に実現される。多くの場合、すなわちIEEE1149.1標準規格に述べられている規則に従って具体化される時、前記境界走査セル論理装置は、試験専用のものとなり、システム論理機能と共用されない。このようにして、前記境界走査セルは、ICの正規機能動作を妨害しない非介入性試験動作のためにアクセスされうる。
【0004】
IEEE1149.1標準規格は、境界走査セルのための3タイプの試験動作、すなわちサンプル試験動作(サンプル)、外部試験(Extest)、および内部試験(Intest)を定めている。サンプルは、1149.1において必要な試験モードである。サンプル中においては、ICは正規動作状態にあり(すなわち、ICのコア論理装置はMux2を経て前記出力バッファに接続されており)、かつMux1およびMem1は正規のIC出力データを捕獲しシフトアウトするように動作せしめられる。外部試験は、1149.1におけるもう1つの必要な試験モードである。外部試験中においては、出力境界走査セルは、IC出力から試験データを相互接続配線上へ駆動するのに用いられ、入力境界走査セルは、IC入力において被駆動試験データを捕獲するのに用いられる。このようにして、外部試験は、回路板上のICの入力および出力間の相互接続配線を試験するのに用いられうる。内部試験は、1149.1におけるオプションの試験モードである。内部試験中においては、入力境界走査セルは、試験データをICのコア論理装置へ駆動するのに用いられ、出力境界走査セルは、該コア論理装置からの応答を捕獲するのに用いられる。このようにして、内部試験はICコア論理装置を試験するのに用いられうる。
【0005】
正規IC動作中においては、ICのコア論理装置の出力は、Mux2を通過して出力バッファに至り、該出力バッファによってIC外へ駆動される。従って、正規モード中においては、IC出力の機能は、Mux2により導入される遅延以外は、境界走査セルにより行われない。もし正規動作中において、サンプルが行われれば、境界走査セルは、選択1および制御1入力を受けてシステムデータを捕獲し、それを検査のために直列出力を経てシフトアウトする。
【0006】
試験動作中においては、ICのコア論理装置の出力は、境界走査セルによって受けられ捕獲およびシフトされるが、Mux2は選択2によって制御され、Mem2内に記憶されている試験データを出力バッファへ出力する。従って、試験モード中においては、ICコア論理装置の出力機能は境界走査セルにより使用禁止にされる。もし試験動作中において、外部試験または内部試験が行われれば、境界走査セルは選択1および制御1入力を受けてシステムデータをMem1内へ捕獲し、それを検査のために直列出力を経てシフトアウトする。Mem1がデータを捕獲しシフトしつつある間に、Mem2は安定した試験データを出力ピンへ出力する。Mem1が外部試験においてその捕獲およびシフト動作を完了した後には、それは、Mem2内へロードされるべき新しい試験データを含有する。Mem2は、制御2上の信号に応答してMem1から該新しい試験データをロードする。Mem2が該新しい試験データを受けた後、該データは、Mux2および出力バッファを経てICから出力される。Mem2の目的は、Mem1がデータを捕獲およびシフトしつつある間、ICの出力を所望の試験論理状態にラッチすることである。Mem2がなければ、すなわち、もしMem1の出力がMux2に直接接続されていたとすれば、ICの出力は、データがMem1内に捕獲され、Mem1を経てシフトされている時、論理状態間で遷移(すなわちリプル)することになろう。
【0007】
サンプル、外部試験、および内部試験動作を行う図1Aの境界走査セルの例は、図1Bのタイミング図に示されている。図1Bのタイミング図および全ての以下のタイミング図において、制御1および制御2信号に関する「C」の表示は、低−高−低の信号シーケンスを示し、これは、図示されている回路例においては、Mem1およびMem2のそれぞれにデータを記憶させるための制御を与える。選択1および選択2上の論理的0および1のレベルは、Mux1およびMux2の動作の制御に用いられる論理レベルを示す。また、制御1の7つの「C」信号は、全ての例のタイミング図に用いられている。制御1の最初の「C」信号は、Mem1内へのデータの捕獲を示し、制御1の以下6つの「C」信号は、6つの直列に接続された境界走査セル回路を経てのデータのシフトを示す。
【0008】
図2には、図1Aの境界走査セルの公知の改良が示されている。この改良は、Mux2を、ICの出力バッファのバッファ領域内に構成することにより行われる。ICのバッファ領域内への試験論理装置の配置換えは、システム(非試験)論理機能用のICのコア論理装置内の領域を解放する。ICのコア領域内に必要とされる論理装置は、それぞれの必要とされる出力境界走査セル用のMux2の大きさだけ減少せしめられる。これは、ICのコア領域内のオーバヘッドとして、境界走査セルのMux1、Mem1、およびMem2のみを残す。ICのコア領域内に配置され、かつ経路選択される必要のある境界走査セル論理装置の量は減少せしめられる。図2の境界走査セルは、図1Aのそれと正確に同様に動作する。
【0009】
図3Aは、図1Aの境界走査セルのもう1つの公知の改良を示す。この改良は、1990年にディー・ブハブサー(D.Bhavsar)により、IEEEソサイェティ・プレス・パブリケーション(IEEE Society Press Publication)第183−189頁の「相互接続の短絡試験を助けるセル設計(Cell Designs that Help Test Interconnection Shorts)」に説明されている。この改良は、外部試験中に出力バッファからの論理出力がMem1において捕獲され且つシフトアウトされることを可能ならしめる。この特徴は、ピン間の短絡を検出すること、または出力バッファ外へ駆動されるべく意図された論理レベルと矛盾する電圧または接地電位を供給すること、を可能ならしめる。例えば、外部試験中において、論理的1がMem2から駆動されれば、出力バッファは論理的1を出力として駆動しようとする。しかし、もし出力バッファの出力が接地へ短絡されていれば、高電流(または低インピーダンス)経路が出力バッファ内にV+から頂部トランジスタを経て接地まで存在し、それは出力バッファの損傷または破壊を起こしうる。同様にして、もしMem2が論理的0を出力として駆動しつつあり、出力バッファの出力が供給電圧へ短絡されていれば、高電流(または低インピーダンス)経路が底部トランジスタを経て接地(G)まで存在し、やはり出力バッファの損傷または破壊を起こす。図3Aの境界走査セルは、第3マルチプレクサ(Mux3)と、第3選択入力(選択3)と、入力バッファと、の追加により、これらの短絡条件の検出を可能ならしめる。入力バッファは、出力バッファの出力における論理状態を入力する。Mux3は、システムデータと、入力バッファを経ての出力バッファの論理状態と、を入力され、これらの信号の選択された1つをMux1の1入力へ出力する。この例においては、Mux3は、もし選択3が低(内部試験)ならばシステム論理を選択し、もし選択3が高(外部試験)ならば出力バッファ状態を選択する。このようにして、Mem1は、サンプルおよび内部試験中にはICのコア論理装置からのシステムデータを、また外部試験中には入力バッファからの試験データを、捕獲してシフトする。
【0010】
サンプル、外部試験、および内部試験動作中の図3Aの境界走査セルの例は、図3Bのタイミング図に示されている。図3Aの境界走査セルはまた、出力が短絡されうる時間の短縮を可能ならしめる。図3Cのタイミング図においては、完全な外部試験動作の後に、外部試験1(すなわち、Mem1の捕獲およびシフトおよびMem2の更新)と、短絡外部試験動作すなわち外部試験2(すなわち、Mem1の捕獲のみ(シフトなし)およびMem2に捕獲されたデータの更新)と、が行われうることがわかる。外部試験2の動作は、出力からの試験データが、出力における電圧矛盾を修正するために更新されてMem2内へ送られることを可能ならしめる。例えば、もし外部試験1の動作が、IC出力が接地へ短絡さている場合に、出力バッファに論理的1を出力することを意図したものであり、外部試験2の動作が(接地への前記短絡により)論理的0を捕獲して更新したとすれば、出力バッファが(V+から頂部トランジスタを経てGに至る)高電流状況にあった時間量は、外部試験1の更新ステップから外部試験2の更新ステップへ行くのに要するTCK周期数まで減少せしめられ、TCKは、例えば、IEEE1149.1の試験クロックである。次の完全な外部試験動作(外部試験3)は、論理的0を捕獲してシフトアウトし、短絡外部試験動作(外部試験2)によって起こされる、接地への短絡および結果として生じるMem2の状態の変化を表示する。もし接地への短絡が存在していなかったならば、外部試験2の動作は、外部試験1の動作からの論理的1によりMem2を再ロードしているはずであり、外部試験3の動作は、IC出力における論理的1を確認しているはずである。
【0011】
このアプローチは、電圧矛盾がIC出力に存在しうる時間量を減少させるが、修正外部試験走査動作を実行するのに要する時間、すなわち図3Cにおける外部試験1から外部試験2までの更新時間は、なお出力バッファを危険にさらしうる。また、ICが最初に、その正規モードにおいて電源投入される時は、短絡による出力矛盾は、試験モードに、もし入ったとして、入る前に延長された時間量の間存在しうる。それゆえ、図3Aの境界走査セルは、図1Aの境界走査セルに比し短絡検出および修正の改善を与えるが、それは該修正を行うための時間を必要とし、ICが直ちにその正規モード動作に入る場合は、電源投入における保護を与えない。また、図3Aの境界走査セルは、短絡検出および修正の特徴を実現するために、追加のMux3、選択3信号、および入力バッファを必要とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上を考慮すると、より小さいICコア領域を用いて、少なくとも従来技術の境界走査セルの機能性を実現することが望ましい。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明は、ICコア領域内に従来技術の境界走査セルよりも少ない論理装置を必要とする境界走査セルを提供し;出力境界走査セルの一部としてのIC出力バッファと、入力境界走査セルの一部としてのIC入力バッファとを利用し;従来技術の境界走査セル内のMem2の機能を行うラッチ可能な入力および出力バッファ回路を提供し;ICコア領域における境界走査セル論理装置の削減を容易ならしめるためにMux2およびMem2の機能をIC入力および出力両バッファ内に統合し;外部試験動作中において出力ピン上の短絡条件を直ちにかつ非同期的に検出し且つ修正しうる、境界走査セルと出力バッファとの組合せを提供し;ICが最初正規モードにおいて電源投入される時に、出力ピン上の短絡条件を直ちにかつ非同期的に検出し且つ修正しうる、境界走査セルと出力バッファとの組合せを提供し;また、IC出力バッファが短絡により損傷され、または破壊されることを阻止する、ICの電源投入の方法およびプロシージャを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図4Aおよび図6Aは、図1A、図2、および図3Aの従来技術の出力境界走査セルの全ての特徴に、改善された短絡検出および修正方法を加えたものを含み、しかもICのコア領域内に必要とする論理装置が顕著に少ない、本発明による代表的な出力境界走査セルを示す。図4Aおよび図6Aの境界走査セルは、従来技術の出力境界走査セルにまさる以下の改善点を提供する;(1)境界走査セルの機能性の増大;(2)境界走査セル論理装置のオーバヘッドの減少;(3)出力バッファの短絡保護の改善。図4Aの境界走査セルは、必要とされる1149.1のサンプルおよび外部試験動作のみを行うように設計されているが、図6Aの境界走査セルは、必要とされるサンプルおよび外部試験動作と、オプションの内部試験動作とを行うように設計されている。
【0015】
図4Aにおいては、境界走査セル論理装置は、Mux1と、Mem1と、2つの伝達ゲート(TG1およびTG2)と、ラッチバッファと、を含む。図4Aにおいては伝達ゲートが用いられているが、3安定バッファのような、他の信号転送またはスイッチング素子もまた用いられうる。図5には、TG1およびTG2として働きうる伝達ゲート構造および3安定バッファの例が示されている。従来技術のMem2機能は、IC出力バッファと、ラッチバッファと、TG2と、の組合せによって実現される。Mem2機能およびICコア論理装置は、このようにしてIC出力バッファを共用する。従来技術の例のMux2機能は、TG1およびTG2によって実現される。IC出力バッファの出力は、ラッチバッファの入力に接続されている。ラッチバッファの出力は、出力バッファの入力に接続されている。この構成においては、ラッチ可能出力バッファ40は、TG1およびTG2が使用禁止にされた時に得られる。ラッチ動作は、出力バッファの出力が該出力バッファの入力を駆動することを可能ならしめるラッチバッファ帰還によって実現される。
【0016】
ICの正規動作においては、TG1は使用可能にされてシステムデータを出力バッファの入力へ通過させ、TG2は使用禁止にされる。ICの試験動作においては、TG2は使用可能にされてMem1からの試験データを、(Mem2として働く)ラッチ可能出力バッファ40の入力へ通過させ、TG1は使用禁止にされる。ラッチバッファは、TG1またはTG2が使用可能にされた時にいずれもがラッチバッファの出力をオーバドライブ(overdrive)しうるよう、十分に弱い出力を有するように設計される。しかし、TG1およびTG2が使用禁止にされた時、ラッチバッファからの出力は、出力バッファの入力にIC出力から帰還された論理レベルを保持し、それによってMem2の機能を行うラッチ機構を与えるのに十分である。もし所望ならば、TG1およびTG2の一方または双方は、ICのコア領域内の境界走査セル論理装置の量をさらに、Mux1およびMem1ほどの小ささまで削減するために、ICの出力バッファ領域内に実現されうる。Mux2およびMem2機能の位置は、図4Aにおいては、図1A、図2、および図3Aの従来技術の例と比較すると、逆にされており、すなわち、Mem2機能(TG2、ラッチバッファ、および出力バッファ)は、Mux2機能(TG1およびTG2)の後に現れている。
【0017】
サンプル動作中においてはICは正規モードにあり、その場合、選択2はTG1を使用可能にし、制御2はTG2を使用禁止にする。制御2信号は正規動作中においては活動状態にはなく、低に留まってTG2を使用禁止にする。制御2を非活動状態に保つ1つの方法は、正規動作中においてそれを選択2信号によりゲートオフすることである。正規動作モードにおいては、ICのコア論理装置の出力(システムデータ)は、TG1を通過してラッチ可能出力バッファ40へ入力され、IC外へ駆動される。従って、正規動作中においては、IC出力の機能は、TG1により導入される遅延を除外すれば、境界走査セルにより影響されない。サンプル中においては、境界走査セルは選択1および制御1入力を受けて、TG1からMux1へのシステムデータ出力をまずMem1内へ捕獲し、次に該捕獲データを検査のために直列出力を経てシフトアウトする。従来技術のセルは、サンプル中にMux2へ入るシステムデータを捕獲するが、図4Aの境界走査セルはTG1から出るシステムデータを捕獲する。サンプル動作中の該境界走査セルの例は、図4Bのタイミング図に示されている。このタイミング図は、制御2が正規動作中(従ってサンプル中)低に留まってTG2が使用可能にならないように保証していることを除外すれば、従来技術のセルに対するものと同じである。
【0018】
外部試験動作中においては、選択2はTG1を使用禁止にし、従ってICコア論理装置を使用禁止にして、データをラッチ可能出力バッファ40へ出力しないようにする。図4Aの境界走査セルが、最初外部試験動作状態にされた時、ラッチ可能バッファ40は、Mem1からの出力をロードされる必要がある。これを実現するために、プレロード信号が制御2上に出力されてTG2を使用可能にし、Mem1からの論理値をラッチ可能出力バッファ40へ駆動する。制御2上の前記プレロード信号がなくなった後、TG2は使用禁止にされ、ラッチバッファが前記論理値をIC出力に保持するのに用いられる。ラッチ可能出力バッファのこのプレローディングは、セルが外部試験動作モードにされた最初の時に必要とされる。この最初のプレロード動作が行われた後、Mem1からラッチ可能出力バッファへの全ての他の論理転送は、従来技術の境界走査セルにおいて説明されたMem1からMem2への転送と同様に、すなわち制御2入力に応答して行われる。
【0019】
外部試験動作モードにおいては、ラッチ可能出力バッファ40が安定試験データを出力している間に、ラッチバッファの出力が捕獲およびシフトのためにMux1へ入力される。Mux1の、ラッチバッファの出力への接続は、図3Aの従来技術の境界走査セルにおけるように、IC出力の観察を可能ならしめる。外部試験動作中においては、境界走査セルは、選択1および制御1入力を受けて、IC出力ピンデータをMem1内へ捕獲し、次にそれを検査のために直列出力を経てシフトアウトする。Mem1がデータを捕獲またシフトしつつある間、TG2は制御2によって使用禁止にされて、ラッチ可能出力バッファ40が安定試験データを出力ピンに保持することを可能ならしめる。Mem1がその捕獲およびシフト動作を完了した後、それはラッチ可能出力バッファ40内へロードされるべき新しい試験データを含有している。ラッチ可能出力バッファ40は、その新しい試験データを、制御2の信号に応答してMem1からTG2を経てロードされる。ラッチ可能出力バッファ40が新しい試験データを受けた時、該データは出力ピンへ直接出力される。従来技術のセルのMem2は、新しい試験データを出力ピンへ、まず該データをMux2を通過させることにより、すなわち直接出力バッファへ送らずに、出力する。外部試験動作中の境界走査セルの例は、図4Bのタイミング図に示されている。外部試験動作の開始時、最初に論理値をMem1からラッチ可能出力バッファ40へ転送するための、上述の制御2上のプレロード信号は、図4Bのタイミング図に示されていないが、図4Bの外部試験動作に入った時すでに発生し終わっていることに注意すべきである。また、図4Aのセルは、短絡検出および修正機能を行うために図3Aの従来技術の選択において必要とされた追加のMux3および選択3信号を必要としない。
【0020】
図6Aにおいて、境界走査セル論理装置は、Mux1と、Mem1と、3つのトランジスタゲート(TG1、TG2、およびTG3)と、ラッチバッファと、を含む。図4Aおよび図6Aの境界走査セルは、図6AがTG1およびTG2の出力と、ラッチ可能出力バッファ40への入力と、の間にTG3を含むことを除外すれば、同じである。TG1およびTG2は、例えば図5に示されているような、任意のタイプの信号転送素子でありうるが、TG3は信号を双方向に伝送しえなければならない。それゆえ、TG3は、図5の伝達ゲートの例、または他のタイプの双方向性信号伝達素子のように動作する必要がある。TG3の双方向性動態の理由は後述される。TG1、TG2、およびTG3の1つまたはそれ以上は、ICの出力バッファ領域内にラッチ可能出力バッファ40の一部として構成することができ、それによりICコア領域内の試験論理装置の量は、Mux1およびMux2ほどの小ささに削減される。
【0021】
ICの正規動作においては、TG1およびTG3が使用可能にされてシステムデータを出力バッファの入力へ通過させ、TG2は使用禁止にされる。ICの試験動作においては、TG2およびTG3が使用可能にされて試験データをMem1から出力バッファの入力へ通過させ、TG1は使用禁止にされる。TG3が使用可能にされた時は、それはラッチバッファの出力をオーバドライブして、システムまたは試験データを出力ピンへ通過させる。TG3が使用禁止にされた時は、ラッチバッファは、IC出力から出力バッファの入力への帰還を保持して、試験データを出力ピンにラッチし保持する。
【0022】
サンプル動作中においてはICは正規モードにあり、その場合、選択2はTG1を使用可能にし、転送信号はTG3を使用可能にし、また制御2はTG2を使用禁止にする。正規動作モードにおいては、ICのコア論理装置の出力は、TG1およびTG3を通過してラッチ可能出力バッファ40から出力される。サンプル中においては、境界走査セルは選択1および制御1入力を受けて、TG1からMux1へのシステムデータ出力をまずMem1内へ捕獲し、次に該捕獲データを検査のために直列出力を経てシフトアウトする。従って、このサンプル動作は、図4Aのセルに対して説明されたものと同じである。サンプル動作中の図6Aの境界走査セルの例は、図6Bのタイミング図に示されている。
【0023】
外部試験動作中においては、選択2はTG1を使用禁止にし、従ってICコア論理装置を使用禁止にして、データをラッチ可能出力バッファ40へ出力しないようにする。図6Aの境界走査セルが、最初外部試験動作状態にされた時、ラッチ可能バッファ40は、Mem1からの出力をロードされる必要がある。これを実現するために、プレロード信号が制御2および転送上に出力されてTG2およびTG3を使用可能にし、Mem1からの論理値をラッチ可能出力バッファ40へ駆動する。プレローディングの後、ラッチ可能出力バッファ、TG2およびTG3は使用禁止にされ、ラッチ可能出力バッファがプレロードされた論理値を出力ピンに保持することを可能ならしめる。
【0024】
外部試験動作の捕獲ステップ中においては、TG2は制御2により使用禁止にされ、かつTG3は転送信号により瞬間的に使用可能にされて、ラッチバッファの出力がMux1を経てMem1内へ捕獲されうるようにする。この捕獲ステップの後、TG3は使用禁止にされ、外部試験動作が行われる。ラッチ可能出力バッファ40は、シフトステップ中ラッチバッファ帰還により安定状態に留まる。転送信号によるTG3の瞬間的使用可能化は、IC出力が図3Aの従来技術の境界走査セルにおけるように捕獲されることを可能ならしめるが、図3Aのセルにおいて必要とされた追加のMux3および選択3信号のオーバヘッドはない。Mem1がその捕獲およびシフト動作を完了した後、それはラッチ可能出力バッファ40内へロードされるべき新しい試験データを含有している。ラッチ可能出力バッファは、その新しい試験データを、制御2および転送信号によるTG2およびTG3の瞬間的使用可能化に応答して、Mem1からロード(更新)する。ラッチ可能出力バッファ40は、該データが転送された後にTG2およびTG3が使用禁止にされた時、該新しい試験データを出力ピンに保持する。
【0025】
外部試験動作中の図6Aの境界走査セルの例は、図6Bのタイミング図に示されている。ここでも、外部試験動作の開始時、最初に論理値をMem1からラッチ可能出力バッファ40へ転送するための、上述の制御2および転送上のプレロード信号は、図6Bのタイミング図に示されていないが、図6Bの外部試験動作に入った時すでに発生し終わっていることに注意すべきである。また、外部試験の捕獲および更新動作中におけるTG3の双方向性動態にも注意すべきである。捕獲動作中、TG3は転送信号によって使用可能にされ、データを、ラッチ可能出力バッファ40からMux1を経てMem1へ通過させるが、更新動作中は、TG3は転送信号によって使用可能にされ、データをMem1からラッチ可能出力バッファ40へ通過させる。
【0026】
図6Aにおける内部試験動作中においては、選択2はTG1を使用禁止にし、従ってICコア論理装置を使用禁止にして、データをラッチ可能出力バッファ40へ出力しないようにする。図6Aの境界走査セルが、最初内部試験動作状態にされた時、ラッチ可能バッファ40は、外部試験動作において説明したように、Mem1からの試験データをプレロードされる。
【0027】
内部試験動作の捕獲ステップ中においては、TG1は選択2により瞬間的に使用可能にされるが、TG2およびTG3は使用禁止状態に留まる。TG1の瞬間的使用可能化は、ICコア論理装置からのシステムデータが、Mux1を経てMem1内へ捕獲されうるようにする。TG3は使用禁止にされているので、ラッチ可能出力バッファ40の状態は、捕獲ステップ中保持される。捕獲ステップの後、捕獲されたデータがMem1からシフトアウトされる時、TG1は、TG2およびTG3と共に使用禁止にされる。選択2によるTG1の瞬間的使用可能化は、図1A、図2、および図3Aの従来技術の内部試験動作において説明したように、ICのシステムデータが捕獲され且つシフトされることを可能ならしめる。Mem1がその捕獲およびシフト動作を完了した後、それはラッチ可能出力バッファ40内へロード(更新)されるべき新しい試験データを含有している。ラッチ可能出力バッファ40は、その新しい試験データを、制御2および転送信号によるTG2およびTG3の瞬間的使用可能化に応答して、Mem1からロードする。ラッチ可能出力バッファ40は、TG2およびTG3が再び使用禁止にされた時、該新しい試験データを保持する。内部試験動作中の前記境界走査セルの例は、図6Bのタイミング図に示されている。ここでも、内部試験動作の開始時、最初に論理値をMem1からラッチ可能出力バッファ40へ転送するための、上述の制御2および転送上のプレロード信号は、図6Bのタイミング図に示されていないが、図6Bの内部試験動作に入った時すでに発生し終わっていることに注意すべきである。
【0028】
外部試験および内部試験中に、Mem1のデータをラッチ可能出力バッファ40内へロード(更新)する上述の方法は、(後述されるように)出力ピン短絡保護のために好ましいが、別のロード方法も可能である。該別の方法は、外部試験および内部試験に入った時直ちに、図4Aのセルにおける制御2と、図6Aのセルにおける制御2および転送信号と、が起動されて、図4AのTG2と、図6AのTG2およびTG3と、のそれぞれを使用可能にすることを除外すれば、上述の方法と同様である。この条件は、データがMem1において捕獲またシフトされつつある時を除外すれば、外部試験および内部試験中有効である。この別の方法を用いると、TG2(図4A)またはTG2およびTG3(図6A)が、Mem1が試験データを捕獲またシフトしつつある時以外の全ての時刻において、Mem1の試験データをラッチ可能出力バッファ40へ出力する。捕獲およびシフト動作中においては、制御2または制御2および転送信号が(例えば、図4Aおよび図6Aに関して上述されたように)必要なように操作され、適切なデータ(外部試験における出力データまたは内部試験におけるICデータ)をMem1において捕獲させ、またシフトさせる。捕獲およびシフト動作が完了した後、制御2または制御2および転送信号が、再びTG2またはTG2およびTG3を使用可能にして、試験データをラッチ可能出力バッファ40へ転送する。Mem1のデータをラッチ可能出力バッファ40へ通過させるための、制御2または制御2および転送信号の前述の瞬間的起動ではなく、この別の方法は、Mem1の捕獲およびシフト動作中を除外して、Mem1のデータをラッチ可能出力バッファへ連続的に転送するために、制御2または制御2および転送上の連続的レベルを用いる。この別の制御方法を用いた制御2または制御2および転送信号の操作は、図4Cおよび図6Cのタイミング図に示されている。
【0029】
瞬間的な制御2または制御2および転送信号を用い、それらの信号を使用可能化レベルに保持しない1つの利点は、瞬間的起動が、TG2またはTG2およびTG3が短時間中に試験データをラッチ可能出力バッファ40へ通過させることを可能ならしめ、次にラッチバッファが該試験データを出力ピンにラッチし保持することを可能ならしめることである。制御2または制御2および転送信号の使用可能化状態への保持は、ラッチバッファ帰還機能の短絡修正作用を無視し、強制的にTG2またはTG2およびTG3をして試験データを連続的にラッチ可能出力バッファ40へ駆動せしめる。
【0030】
例えば、もしIC出力ピンに接地への短絡が存在し、瞬間的制御方法が論理的1をMem1からラッチ可能出力バッファ40へ転送するために用いられたとすれば、該ラッチ可能出力バッファは、(制御2または制御2および転送信号の時間中に)一時的に出力を強制的に論理的1にする。しかし、瞬間的制御がなくなった後には、ラッチ可能出力バッファ40は、ラッチバッファからの出力帰還により直ちに、論理的1の出力から論理的0の出力へスイッチし、従ってIC出力ピンにおける電圧コンテンションを除去する。もし別の(連続的)制御方法が、論理的1をMem1からラッチ可能出力バッファ40へ連続的に転送するために用いられたとすれば、該ラッチ可能出力バッファは、制御2または制御2および転送信号が高にセットされている限り、短絡した出力を連続的に強制的に論理的1にしようとするはずである。この場合、瞬間的制御方法の連続的制御方法にまさる利点は、それが、短絡(または他の電圧コンテンション)条件が出力ピン上に存在しうる時間を減少させ、従って出力バッファが損傷または破壊される可能性を減少させることである。
【0031】
図4Aおよび図6Aの境界走査セルは、従来技術の図3Aにおいて用いられている方法にまさる改善された短絡保護を与える。図3Aにおいては、接地または供給電圧(論理的0または1)への短絡は、連続した走査動作(外部試験1および外部試験2)を行うことによって修正される。図3Aの方法は、短絡された出力が、外部試験1における試験データの更新から外部試験2における試験データの更新へ行くのに要するTCK周期数の間保持されることを可能ならしめる。IEEE1149.1の試験の標準タイミングを例として用いると、上述の外部試験1および外部試験2の更新ステップ間には、最小限4TCK周期が存在しなければならない。図3Aの従来技術の境界走査セルを用いると、短絡は出力ピンに少なくとも4TCK周期の間存在する。TCK周波数は、例えば1Hzのシングルステップ速度から、例えば20MHzのフリーランニング速度までに及びうる。低電流出力バッファは、完全な破壊なしに一定の持続時間の短絡を許容しうるが、高電流出力バッファはそうでない。たとえ出力バッファが、4TCK周期の間短絡された後正常に動作しているように見えても、それは該短絡により、その推定使用寿命をかなり減少させ、早期の予期しない故障を起こすように劣化せしめられうる。また、多ピン短絡を生じて、更新ステップ間において複数の出力バッファにストレスを与え、IC内に熱を発生せしめうる。
【0032】
図4Aおよび図6Aの本発明の境界走査セルを用いる場合、ラッチ可能出力バッファ40は、制御2(図4A)または制御2および転送信号(図6A)の瞬間的制御方法と組合わせて用いられる時、出力バッファが強制的に短絡条件にされうる時間をかなり減少させる。例えば、制御2または制御2および転送信号は、更新中の1/2TCK周期のみの間TG2またはTG2およびTG3を瞬間的に使用可能化するようにされうる。該瞬間的更新可能化がなくなった後、ラッチバッファは帰還を行って、出力短絡条件を直ちに修正する。短絡修正時間を、図3Aの境界走査セル(4TCK周期)と、図4Aおよび図6Aの境界走査セル(1/2TCK周期)と、の間で比較すると、本発明のセルは、従来技術のセルが短絡を修正するのに要する時間の12.5%で短絡を修正する。従って、本発明は、外部試験または内部試験動作中に出力バッファが劣化または破壊される可能性を減少させる。本発明により短絡保護のこの改善が与えられる理由は、ラッチ可能出力バッファ40が直ちに且つ非同期的に、ラッチバッファを帰還機構として用いる出力バッファの入力と出力との間の論理差を修正することによる。
【0033】
IC内に3状態(3S)出力バッファが用いられる時は、図1Aの従来技術の境界走査セルは、図7に示されているように、データ入力に、また3状態出力バッファの3状態制御入力に、置かれる。これらの境界走査セルは、システムデータおよび3状態制御を、3状態バッファへ入力しうるようにする。
【0034】
図8は、図4Aと同様の境界走査セルがどのようにして3状態出力バッファを制御するのに用いられうるかの例を示す。正規動作中においては、図8の3状態(3S)バッファは、ICのコア論理装置からの3S制御出力により使用可能または使用禁止にされる。試験動作においては、該3状態バッファは、図8の境界走査セル80のラッチ可能出力バッファ81内に記憶されている試験データにより使用可能または使用禁止にされる。図8の境界走査セル80は、図4Aおよび図6Aに示されているIC出力バッファを用いる代わりに、正規データバッファ82を用いてラッチ可能出力を発生することに注意すべきである。図8のセル80の動作は、図4Aにおけると同様である。境界走査セル80は、図4Aおよび図6Aに示されているIC出力バッファを用いる代わりに、正規データバッファ82を用いてMem2の機能を作っているが、セル80は、たとえ該セルの一部としての出力バッファを用いていなくても、必要とする論理装置は、図1Aおよび図7の従来技術のセルよりも依然として少ない。
【0035】
図9は、図1Aの従来技術の境界走査セルが、どのようにIC入力において用いられるかの例を示す。正規のIC動作中においては、該セルは、入力バッファの出力からのデータを、Mux2を経てICのコア論理装置へ通過させる。試験モード中においては、該セルは、Mem2からの試験データを、Mux2を経てICのコア論理装置へ通過させる。いずれのモードにおいても、入力バッファからのシステムデータは、サンプル動作に関して前述したように、Mem1において捕獲されかつシフトアウトされうる。試験モード中においては、図9のタイプのセルは、ICのコア論理装置への入力を、Mem2およびMux2の使用により、更新動作間において安定状態に保持することを可能ならしめる。この安定した試験データの保持は、リセット、使用可能化、などのような非同期IC入力においては重要である。このアプローチに関する公知の問題は、Mux2の出力がコア論理装置を駆動するために、入力バッファの強い出力駆動能力の利用が妨げられることである。多くの場合、コア論理装置に対し必要な駆動を与えるために、Mux2の出力には(点線で示されている)大形データバッファ90が必要とされる。この高駆動データバッファ90は、論理装置のオーバヘッドを増大させ、また入力データ信号経路に追加の遅延を導入する。
【0036】
図10は、IC入力に構成された本発明による代表的境界走査セルを示す。この境界走査セルは、2部分をなすように示されている。第1部分100は、Mux1と、Mem1と、TG2と、を含み、第2部分101は、TG1と、IC入力バッファおよびラッチバッファから構成されるラッチ可能入力バッファ103と、を含む。図10の境界走査セルの回路素子は、IC内のどこにでも配置されうるが、図10の例においては、第1部分100は、ICコア論理装置領域内に構成され、第2部分101は、IC入力バッファ領域内に構成される。図9の従来技術の境界走査セルのMem2機能は、TG2と、IC入力バッファと、ラッチバッファと、の組合せにより、図10の入力境界走査セル内に実現される。また、図9の従来技術のセルのMux2機能は、図10においてはTG1およびTG2によって実現される。
【0037】
サンプル中においては、TG1が選択2により使用可能にされてデータを、入力バッファを経てICコア論理装置へ入力し、TG2は制御2により使用禁止にされる。選択1および制御1入力は印加されると、TG1から出力されたデータが、Mem1において捕獲されかつシフトアウトされて、サンプル動作を実現することを可能にする。外部試験中においては、TG1が、選択2により使用可能にされて、Mem1が選択1および制御1信号に応答してICへのデータ入力を捕獲しかつシフトアウトすることを可能にする。内部試験中においては、TG1は、選択2により使用禁止にされて、外部信号妨害を阻止し、一方Mux1、Mem1、およびTG2は、図4Aの前述のセルと同様に操作されて、(1)ラッチ可能入力バッファ103の出力からの試験データを捕獲し、(2)直列入力から直列出力までデータをシフトし、(3)ICコア論理装置へ入力されるべき、ラッチ可能入力バッファ103の入力への新しい試験データを更新する。該ラッチ可能入力バッファは、図4Aに関して前述したようにラッチ可能出力バッファ40がプレロードされたのと同様に、内部試験の開始時にMem1からの試験データをプレロードされる。図10のセルは、入力バッファがコア論理装置を駆動することを可能にし、従って図9の追加の高駆動データバッファ90の必要と、それが導入する信号遅延とを解消する。
【0038】
図11においては、IC入力に別の代表的境界走査セルが構成されている。図11の境界走査セルは、第2部分111がラッチ可能入力バッファ103の入力にTG3を含んでいること以外は、図10のものと同様である。TG3は、図11のセルが、外部試験中にICコア論理装置へ安全な論理値を入力することを可能ならしめる。図9の従来技術の境界走査セルのMem2機能は、TG2と、TG3と、IC入力バッファと、ラッチバッファと、の組合せにより、図11の入力境界走査セル内に実現される。また、図9の従来技術のセルのMux2機能は、図11においては、TG1、TG2、およびTG3によって実現される。
【0039】
サンプル中においては、TG1およびTG3が選択2および転送信号により使用可能にされて、データを入力バッファを経てICコア論理装置へ入力し、TG2は制御2により使用禁止にされる。選択1および制御1入力は印加されると、TG1から出力されたデータが、Mem1において捕獲されかつシフトアウトされて、サンプル動作を実現することを可能にする。外部試験中においては、TG1が、選択2により使用可能にされて、Mem1が選択1および制御1信号に応答してICへのデータ入力を捕獲しかつシフトアウトすることを可能にする。外部試験においては、TG3は、転送信号により使用禁止にされて、ラッチ可能入力バッファ103が、捕獲およびシフト動作中にICコア論理装置への安定したデータを保持することを可能ならしめ、それは該コア論理装置が試験中に入力ピンへの論理入力を受けるのを阻止する。転送信号は、該コア論理装置への安全なデータを連続的に保持するように制御されることができ、または制御2およびTG2と共に、それぞれの走査動作の終わりにMem1からラッチ可能入力バッファ103への新しい試験データを更新するように制御されることができる。内部試験中においては、TG1は、選択2により使用禁止にされて、外部信号妨害を阻止し、一方Mux1、Mem1、およびTG2は、図6Aの前述のセルと同様に操作されて、(1)ラッチ可能入力バッファ103の出力からの試験データを捕獲し、(2)直列入力から直列出力までデータをシフトし、(3)ICコア論理装置へ入力されるべき、ラッチ可能入力バッファ103への新しい試験データを更新する。内部試験または外部試験の開始時に、TG2およびTG3は、図6Aに関して前述したようにラッチ可能出力バッファ40がプレロードされたのと同様に、Mem1からラッチ可能入力バッファ103へデータをプレロードするように操作される。図11の入力境界走査セルの構成は、入力バッファがコア論理装置を駆動することを可能にし、従って図9の追加の高駆動データバッファ90の必要と、それが導入する信号遅延とを解消する。
【0040】
従って、上述の本発明が提供する諸利点には以下のものが含まれる:図4Aにおいては、TG2と、ラッチバッファと、出力バッファと、の組合せが、従来技術の境界走査セルのMem2の機能を実現し、従って試験論理のオーバヘッドをかなり減少させる;図6Aにおいては、TG2およびTG3と、ラッチバッファと、出力バッファと、の組合せが、従来技術の境界走査セルのMem2の機能を実現し、従って試験論理のオーバヘッドをかなり減少させる;図4AのTG1およびTG2の一方または双方、および図6AのTG1、TG2、およびTG3の1つまたはそれ以上は、ICの出力バッファ領域内へ統合されることにより、ICのコア論理装置内に必要とされる境界走査論理装置を、Mem1およびMux1ほどの小ささまで削減しうる;図4Aにおいては、TG1およびTG2が、従来技術の境界走査セルのMux2の機能を実現し、従って試験論理のオーバヘッドをかなり減少させる;図6Aにおいては、TG1、TG2、およびTG3が、従来技術の境界走査セルのMux2の機能を実現し、従って試験論理のオーバヘッドをかなり減少させる;図4Aおよび図6Aの境界走査セルは、図3Aの従来技術の境界走査セルにおいて必要とされた第3マルチプレクサ、選択制御、および短絡外部試験動作の追加を要することなく、ラッチバッファ帰還経路を経て、IC出力ピンの論理状態を試験することを可能にする;図6AのTG3は双方向性のものであり、出力ピンデータが外部試験の捕獲操作中にMem1へ通過せしめられることを可能にし、またMem1データが外部試験または内部試験の更新操作中に、出力ピンのラッチ可能出力バッファへ通過せしめられることを可能にする;該ラッチ可能出力バッファは、出力バッファのIC出力における電圧レベルの矛盾の、即座の非同期的修正を準備する;図8からわかるように、正規データバッファは、IC出力バッファの代わりに用いられてMem2の機能を実現することができる;図4Aおよび図6Aの出力境界走査セル構造は、図10および図11に示されているように、IC入力において用いられるようにされうる;従来技術の入力境界走査セルのMem2の機能は、TG2および帰還ラッチバッファ(図10)、またはTG2および帰還ラッチバッファおよびTG3(図11)を、IC入力バッファと組合わせて用いることにより実現されうる;従来技術の入力境界走査セルのMux2の機能は、TG1およびTG2(図10)、またはTG1、TG2、およびTG3(図11)により実現されうる;図10および図11の入力境界走査セルは、IC入力バッファが、従来技術のセルのMux2出力における高駆動データバッファの必要を解消して、前記コア論理装置を駆動することを可能にする。
【0041】
多重ICを含むプリント配線板および他のマルチチップモジュールは、通常は、ICを正規動作モードにするよう構成された、ICの試験論理装置により電源投入され、その場合例えば、ICコア論理装置はIC出力バッファに直接接続されて、IC外への駆動を行う。しかし、新たに組立てられたプリント配線板または他のマルチチップモジュールは、1つまたはそれ以上のIC出力ピンを、接地、供給電圧、または他のICピンへ短絡させる欠陥を含みうる。もしそのような欠陥が、新たに組立てられたマルチチップモジュールの電源投入時に存在すれば、短絡したICピンを駆動する出力バッファであって、ICのコア論理装置に直接接続された該出力バッファは、試験が行われうる前に該短絡により損傷を受けうる。従って、本発明は、短絡の試験が終わるまで、ICがデータを出力バッファへ出力するのを阻止するように、図4Aおよび図6Aの境界走査セルを用いるための、構造、方法、およびプロシージャを提供する。
【0042】
図12は、TG1が、選択2信号の代わりにANDゲート120から出力される信号により制御されることを除外すれば、図4Aの境界走査セルと同じ構造および動作の境界走査セルを示す。前記ANDゲートは、2つの入力、すなわち選択2および使用禁止を受ける。図4Aに関連して前述された全ての信号は、図12においても同様に働く。使用禁止信号およびANDゲートは、図4Aと図12との間の相違である。ANDゲートは、それぞれの境界走査セルの必要な部品ではなく、むしろIC内の複数の出力境界走査セルへの入力となる出力を有する単一ゲートである。
【0043】
ICが電源投入される時、使用禁止信号は低にセットされる。使用禁止信号の信号源は、IC入力ピンでありうる。電源投入の際、使用禁止信号が低である時は、ラッチ可能出力バッファ40はICコア論理装置により駆動されず、IC出力はラッチバッファからの帰還に応答して安定状態になる。もしIC出力に接地への短絡が存在していたとすれば、該安定状態は論理的0になるはずである。もし短絡が存在しなかったとすれば、該安定状態は、ラッチバッファにより入力された論理レベルになるはずである。ラッチバッファは、IC出力が接地または供給電圧へ短絡されていない時に、ラッチ可能出力バッファ40の振動を避けるために、ヒステリシスをもつように設計されうる。
【0044】
低使用禁止信号は、TG1によりコア論理装置を出力バッファから隔離するためにのみ役立つので、図4Aに関連して上述したように、それは外部試験動作に影響を及ぼさない。従って、上述のようにICが電源投入された後には、図4Aに関連して前述したように、外部試験動作が行われうる。外部試験動作状態になると、境界走査セルは短絡した出力を試験するように操作される。境界走査セルの外部試験部分は、TG1のみに対する使用禁止信号によって使用禁止にされないことに注意することは重要である。もし短絡が検出されれば、それらは修理される。短絡の修理後、または無短絡の決定後、ICは正規動作状態に置かれ、その機能を使用可能にする。すなわち、境界走査セルは正規モードにセットされ、使用禁止信号は非活動状態にされる。電源投入から、出力の使用禁止へ、外部試験動作へ、さらに(もし試験に合格したならば)正規動作へ、のこの順序付けは、IC出力を、従来技術の境界走査セルに用いられる従来の電源投入方法による損傷から保護する方法を与える。出力短絡が存在しないことを確認するため、または短絡を識別して修理するための、外部試験動作が行われ終わるまで、出力バッファはICのコア論理装置により駆動されないので、このプロシージャは、IC出力が常に電圧矛盾にさらされることを阻止する。
【0045】
前記使用禁止信号は、ICを含む新たに組立てられた回路板の最初の電源投入に際して用いられることを必要とするのみである。回路板上のICの出力短絡試験が終わった後は、将来の電源投入操作がICを直ちに正規動作に入らせるように、使用禁止信号の信号源(例えばピン)は、非活動化されるか、または除去される。しかし、代わりに、使用禁止信号を、例えば、回路板が電源投入される毎に、または回路板が電源投入される時選択的に、所望のように用いることもできる。
【0046】
図13は、図6Aの境界走査セルが前記安全な電源投入機能を含むよう、どのように設計されうるかを示す。図12のセルと同様に、使用禁止信号は、図13のセルが外部試験動作を行うことを阻止せず、それはTG1のみを使用禁止にする。
【0047】
上述の本発明が提供する諸利点には以下のものが含まれる:新たに組立てられた回路板またはマルチチップモジュールのための短絡試験プロシージャおよび保護方法;IC出力ピンが電源投入に際して矛盾のない状態になることを可能ならしめる使用禁止機能;ICが正規動作に入ることを可能にする前の短絡試験施行;IC出力ピンに短絡がないことを保証するための、電源投入における諸ステップのシーケンス;IC出力バッファ内に設計された帰還、およびたとえ出力が短絡されていても安全なICの電源投入を可能ならしめる、コア論理装置出力を使用禁止にする能力。
【0048】
図14は、図6AのTG3の使用の必要なくサンプル、外部試験、および内部試験の動作を行い、従って、試験および正規双方のIC動作中における信号の遅延を解消する、別の出力セルの設計を示す。図14の出力セルは、図4Aおよび図6Aの2つの入力Mux1の代わりに、3入力マルチプレクサ(Mux1)と、追加の選択制御信号(選択入力)とを用いている。図14のMux1は、コア論理装置からの入力(システムデータ)と、ラッチ可能出力バッファ40からの入力と、直列入力と、を受ける。コア論理装置からのシステムデータをMux1へ直接入力することにより、内部試験中において図6AのTG3により与えられる信号隔離能力の必要はなくなる。サンプル動作においては、図14のTG1は使用可能にされTG2は使用禁止にされて、正規のシステムデータ流を可能ならしめる。サンプル動作中においては、前述のように、Mux1は、システムデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。外部試験においては、前述のように、図14のTG1は使用禁止にされ、TG2はラッチ可能出力バッファ40への試験データを更新するように操作される。外部試験動作中においては、前述のように、Mux1は、出力ピンデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。内部試験においては、図14のTG1は使用禁止にされ、TG2は前述のようにラッチ可能出力バッファへの試験データを更新するように操作される。内部試験動作中においては、前述のように、Mux1は、システムデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。
【0049】
図14の代表的セルにおいては、サンプルおよび内部試験中におけるシステムデータおよび試験データ信号の捕獲は、該信号がTG1を通過することを必要ととしないが、図4Aおよび図6Aのセルは、サンプルおよび内部試験動作中にそれぞれTG1を通過するシステムデータおよび試験データ信号を捕獲およびシフトアウトすることができ、それはTG1信号経路を検査する。しかし、特殊なTG1経路試験動作は、図14のMux1がTG1の出力からのシステムデータまたは試験データを捕獲し且つシフトアウトできるように定められうる。
【0050】
図15は、図11のTG3の使用の必要なくサンプル、外部試験、および内部試験の動作を行い、従って、試験および正規双方のIC動作中における信号の遅延を解消する、別の入力セルの設計を示す。図15の入力セルは、図4Aおよび図10および図11の2つの入力Mux1の代わりに、3入力マルチプレクサ(Mux1)と、追加の選択制御信号(選択入力)とを用いている。図15のMux1は、入力ピンからの入力と、ラッチ可能入力バッファ103の入力からの入力と、直列入力と、を受ける。入力ピンデータをMux1へ直接入力することにより、外部試験中において図11のTG3により与えられる信号隔離能力の必要はなくなる。そのわけは、図15のセル構成においては、TG1がその機能を行うからである。サンプル動作においては、図15のTG1は使用可能にされTG2は使用禁止にされて、正規のシステムデータ流を可能ならしめる。サンプル動作中においては、前述のように、Mux1は、ラッチ可能入力バッファ103からのデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。外部試験においては、図11に関して前述したように、図15のTG1は使用禁止にされ、TG2はMem1からの試験データを更新するように操作される。外部試験動作中においては、前述のように、Mux1は、入力ピンデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。内部試験においては、前述のように、図15のTG1は使用禁止にされ、TG2はMem1からラッチ可能入力バッファ103への試験データを更新するように操作される。内部試験動作中においては、図11に関して前述したように、Mux1は、ラッチ可能入力バッファ103の出力からのシステムデータをMem1へ入力して捕獲およびシフトアウトさせるように制御される。
【0051】
図16には、図15のセルと同様のセルが示されており、該セルは、TG2の出力をラッチ可能入力バッファ103の入力に結合せしめるための、また該ラッチ可能入力バッファの出力をMux1の入力に結合せしめるための、別個の接続を有する。このセルの動作は、図15におけると同じである。相違は、Mem1から(TG2を経ての)ラッチ可能入力バッファへのデータ更新動作と、ラッチ可能入力バッファからMem1へのデータ捕獲動作とが、図15のセル内に示されている同じ接続(すなわち共用信号経路)を経てではなく、別個の接続(すなわち別個の異なる信号経路)を経て行われることのみである。図15においては、ラッチ可能入力バッファ103からのデータ出力は、ラッチバッファを経由する帰還経路を経てMem1内に捕獲されるが、図16においては、ラッチ可能入力バッファ103からのデータ出力は、該ラッチ可能入力バッファの出力とMux1との間の直接接続を経てMem1内に捕獲される。ラッチ可能入力バッファへのデータを更新し、ラッチ可能入力バッファからのデータを捕獲する、別個の接続の代表的な利点は以下の通りである:(1)Mux1/Mem1/TG2試験回路に対する別個の接続を経て、入力が制御可能であり、出力が観測可能であることによる、入力バッファを試験する能力;入力ピンからTG1を経てラッチ可能入力バッファ103に至る入力信号パフォーマンスを改善する、TG1により駆動される負荷の削減(Mux1の入力はこの負荷から除かれる)。
【0052】
図14、図15、および図16の入力および出力セルは、図4A、図6A、図10、および図11のセルに対して前述された利点と同じ利点を有する。図14の出力セルはまた、図12の出力セルに関して前述したように制御されて、電源投入短絡保護を行うこともできる。
【0053】
これまでの議論は、ディジタル回路に用いるための新しい境界走査セルの説明に限定されていたが、本発明の概念はアナログ回路にも適用される。今日アナログ境界走査セルは、P1149.4と呼ばれるIEEE標準規格により発展せしめられつつある。IEEE P1149.4に提案されているアナログ試験のアプローチは、1993年の国際試験会議議事録(InternationalTest Conference Proceedings)」に発表されたパーカー(Parker)による「アナログ試験可能性バスのための構造および測定学(Structure and Metrology for an Analog Testability Bus)」と題する論文に説明されている。パーカーの論文は、アナログ境界走査方法を提示していおり、該アナログ境界走査方法は、アナログ出力におけるアナログ境界走査セルが論理レベルを出力するようにセットされ、アナログ入力におけるアナログ境界走査セルがそれらの論理レベルを捕獲して、出力と入力との間の相互接続を検査する点では、ディジタル境界走査試験と同様である。
【0054】
図17は、アナログ回路の入力および出力におけるアナログ境界走査セルに対する、パーカー論文の基本構想を示す。ディジタル試験動作は、図17においてコア切断(CD)と呼ばれているスイッチと、スイッチVおよびGと、ディジタルレシーバ(DR)と、に関係する。図18の、パーカー論文のアナログ境界走査セルの詳細図は、スイッチVおよびGの開閉と、データの捕獲(C4)と、を制御する走査セルC3およびC4を含む。
【0055】
図18において:(1)走査セルC3およびC4はそれぞれ、データを捕獲およびシフトするための捕獲/シフトメモリ(C)と、該捕獲/シフトメモリからの更新されたデータを記憶するための更新メモリ(U)とを含む;(2)更新メモリの出力には、VおよびGがつねに同時に閉じないようにするためにゲーティングが必要とされる。そのわけは、それらが同時に閉じると、VおよびGの両端に接続された電圧間に高電流経路を与えるからである;(3)DR、V、およびGは、CDのアナログコアから見た反対側に接続される。すなわち、それらは信号がアナログコアから出ていく、またはアナログコアに到着する、線の相互接続点に接続される。その場所においてはアナログ境界走査セルの諸素子がすぐ近くにあって、静電気放電保護回路のような入力および出力回路に結合せしめられる;(4)試験中においては、セルが接続されている線は、CDによってコアから隔離されているので、セルに関連するアナログ信号の入力または出力性は無関係である;(5)CDがさまざまに構成されうることは公知である。すなわち、それは、線をアナログコアから切断するために開く直列スイッチとして構成でき、または切断効果はアナログコア内のアナログ出力増幅器の出力の使用禁止(3状態化)からも得られうる。
【0056】
図19Aは、アナログ回路と、アナログまたは混合信号デバイス内のアナログ出力増幅器(OA)と、の間に配置された、本発明による代表的アナログ境界走査セル(ABSC)を示す。この、および全ての以下の、ABSCの例においては、OAは、アナログ回路が正規または試験動作状態にある時、出力端子191を駆動する回路である。OAは、利得1の電圧ホロワのような完全な増幅器回路でありえ、またはそれは、増幅器回路の出力トランジスタ段でありえ、該増幅器回路の残余の諸部品はアナログ回路内に存在する。前記ABSCは、Mux1およびMem1と、スイッチング素子S1、S2、S3、およびS4(これらの例は図5に示されている)と、DRと、電圧帰還素子(VFE)と、OAと、を含む。Mux1およびMem1は、前述のように動作してデータを捕獲し、シフトする。DRは、図18の従来技術のセルのDRが行ったように、アナログ回路出力上の電圧を、電圧スレショルド(VT)と比較し、比較の結果をMux1へ出力する。VTは、前記デバイス内の固定内部電圧によって与えられうるが、該デバイスへの外部入力によりVTを与え、VTレベルを変化させうるようにし、異なる出力電圧レベルと比較するDRの能力を改善することが好ましい。試験モード中においては、VFEおよびOAは、図4Aの帰還ラッチバッファおよび出力バッファが、ラッチ可能出力バッファ(LOB)40を形成するのと同様に、調節可能出力増幅器(AOA)を形成するように動作する。
【0057】
正規動作中においては、S1が、図4Aの選択2信号と同様の切断制御(DC)信号により閉じられ、OAを経てのアナログ回路からの機能出力を可能ならしめる。正規動作においてはVFEは使用禁止にされ、あるいはもし使用可能にされればS1により容易にオーバドライブされ、機能出力のパフォーマンスに衝撃を与えることはない。VFEは、OAの出力からOAの入力へ帰還を行うので、もしOAが内部的にS1またはS2によって駆動されなければ、または外部出力端子191に接続された何かによって強く駆動されても、OAからの出力電圧は保持される。これは、図4AのLOBにおいて帰還ラッチバッファが論理状態を保持するのと同様である。OAとVFEとの組合せは、ABSCが試験モードにある時、AOA機能を有する。試験モードにおいては、AOA機能は更新メモリ機能として役立つ。
【0058】
図19Bおよび図19Cには、VFE機能を与えるために用いられうる2つの回路例が示されている。他の回路構成もまた、VFE機能を実現するために用いられうることを理解すべきである。図19BのVFE回路の例は、試験モード中に(制御入力Cにより)閉成/使用可能化されて、OAの入力と出力との間の帰還を与えることができ、また正規機能モード中に開放/使用禁止化されうる。図19BのVFEの例は、OAの入力と出力との間の帰還を与えるのに用いられうる、弱い利得1の帰還増幅器である。
【0059】
ABSCを試験モードにする前に、試験データがMem1内へシフトされる。試験データが入力されると、S1がDCによって開かれてAOAをアナログ回路から隔離し、S2が更新制御信号UCによって閉じられてAOAを、Mem1内のデータにより選択された出力電圧レベル、すなわちV+またはV−、まで予充電する。この動作は、図4Aに関して前述された動作と同様である。S1によって与えられる隔離もまた、試験中に図17および図18のCDが行う隔離と同様である。従来技術の図17および図18の隔離技術と、図19AのABSCの隔離技術と、の間の1つの相違は、図18の従来技術のセルがCDによって隔離を行う時、IC端子に接続されたままである機能性アナログ回路はないが、図19Aの出力端子にはOAが接続されたままであり、ABSCの出力端子と残部との間に位置する。
【0060】
図19AのABSCの出力部分は、スイッチS2、S3、およびS4と、AOAとを含む。S3およびS4は、試験中に高および低電圧出力レベルとして用いられる電圧V+およびV−に接続されている。S3およびS4を操作する選択制御は、Mem1から行われる。Mem1は、一時に1つのスイッチを閉じるようにのみ制御する。この例においては、もしMem1が低レベルを出力すれば、S4が閉じられ、S3が開かれて、もしMem1が高レベルを出力すれば、S3が閉じられ、S4が開かれる。データがMem1により捕獲され、かつシフトされる時、その出力は高と低との間で遷移(リプル)し、それがS3およびS4を繰返し開閉する。しかし、捕獲およびシフト中におけるS3およびS4の開閉の効果は、S2を開くことによりAOAから隔離される。捕獲およびシフト動作が完了した後、(図4Aに関して前述された制御2信号と同様の)更新制御(UC)がS2を瞬間的に閉じて、Mem1内のデータによって選択された電圧レベルがAOA内に記憶され、かつAOAから出力されることを可能ならしめる。
【0061】
図19Aにおいて、捕獲/シフト動作中には、S2の位置がAOAをS3およびS4からの出力リプルから隔離する。S2のこの隔離効果は、単一メモリ(Mem1)が、更新動作中にAOAから出力されるべき2つの電圧レベル(V+またはV−)間の選択を行うために用いられうるようにする。すなわち、図19AのABSCは、単一の電圧選択メモリを必要とするのみである。これとは対照的に、図18の従来技術のセルは、V+レベルおよびV−レベルを選択するための4つのメモリ(C3およびC4のCおよびU)と、これら2つの電圧レベルが同時に選択されるのを阻止するためのゲーティングと、を必要とする。図19AにおけるS2とAOAとの組合せは、図18の従来技術のセルの2つの更新メモリ(V+に対するU、およびV−に対するU)の代わりとなる。OAが、従来技術および図19Aの双方における機能動作に必要であることを認識すると、図19AのABSCが、図18の従来技術のセルの4つのメモリ(C3およびC4のCおよびU)と、ゲーティングとを、1つのメモリ(Mem1)と、1つのスイッチS2と、VFEと、に代えていることがわかる。アナログ出力毎の試験論理オーバヘッドのこの節約は有利である。例えば、図18の従来技術のセルのゲーティング領域が、図19AのABSCのS2およびVFE領域に等しいと仮定すると、図19AのABSCの、従来技術セルにまさる領域節約は、4メモリ対1メモリ、すなわち75%である。
【0062】
OAが出力電流駆動を行うので、スイッチS2からS4までは大電流容量スイッチである必要はない。同様にして、試験電圧基準V+およびV−は、大電流駆動能力を有する必要はない。これは、試験電圧と、スイッチVおよびGとが、ICからの出力駆動用の十分大きい電流容量をもたなければならない図18の従来技術のセルとは対照的である。従って、スイッチS3およびS4は、図18におけるそれらの対応物であるVおよびGよりも小さい回路領域を必要とする。もしVFEがスイッチ(図19B)として実現され、S2が閉じる時開き、S2が開く時閉じるならば、S2はVFEをオーバドライブするのに十分な電流容量さえ必要としない。
【0063】
S2は、S3およびS4と、アナログ出力信号経路との間に配置されて、リプル隔離および更新機能を行うように図示されているが、S3およびS4が、もし該隔離および更新機能を行うように制御されるとすれば、S3およびS4は直接アナログ信号経路に接続されうるはずである。S2の使用の代表的利点は、それがアナログ信号経路上の負荷を単一スイッチ(S2)に制限し、かつ単一スイッチ(S2)は、隔離および更新動作を行うために2つのスイッチ(S3およびS4)よりも簡単に制御されることである。
【0064】
図23は、S3およびS4が直接アナログ信号経路に接続されている前述の構成の代表的実施例を示す。図23においては、スイッチS3およびS4はANDゲートAの出力により制御される。UCが低である時に、S3およびS4は開かれる。UCが高である時には、Mem1の出力が、S3(Mem1の出力=1の時)またはS4(Mem1の出力=0の時)を閉じる。図23の1つの利点は、UCが低である時S3およびS4が走査経路から隔離され、従って走査動作中にS3およびS4の不必要な電力消費動作が避けられることである。
【0065】
図19AのABSCの入力部分(Mux1およびMem1)は、DRから出力されたデータを捕獲し、シフトアウトする。正規モードにおいては、DRから捕獲されるデータは、図19Aに示されているように、VTをアナログ回路から出力された電圧と比較した結果である。試験モードにおいては、ABSCは、VTを、従来技術の図18におけるように出力線から直接受けた電圧とではなく、DRがAOAの帰還素子(VFE)から受けた電圧と比較した結果として得られたデータを捕獲する。図19Aにおいては、試験モードの捕獲ステップ中において、S1およびS2が共に開かれ、VFEをDRへの入力の唯一のドライバとして残すことに注意すべきである。
【0066】
捕獲中においてはS2が開かれているので、もしV+およびV−ノードの一方が外部的にアクセス可能であり、(破線の接続によって示されているように)VTに接続されていれば、所望の電圧基準がV+またはV−ノードを経てVTに印加され、捕獲動作においてDRにより用いられうる。すなわち、VTはV+またはV−によって外部アクセス可能であり、そのような外部アクセスのための専用端子の必要はない。V+およびV−ノードはまた、図19Aに示されているように、S2が開かれている間に、IC内における他の応用のために利用可能である。
【0067】
試験モード中における図19AのABSCの独自の特徴は、AOAの以下の能力である:(1)正規の出力負荷が駆動されつつある限り、AOA内に前に記憶された出力電圧レベルを保持し、または(2)もし予期しない出力負荷が駆動されつつあれば、AOA内に前に記憶された出力電圧レベルを自動的に修正する。例えば、もしAOAの出力がもう1つのデバイスを駆動し、そのデバイスが、電圧コンテンション、電圧クランピング、または高電流なしに、AOAからの更新されたV+およびV−電圧レベルの双方を電気的に受け入れることができれば、AOAは、S2の更新動作間において所望電圧を保持する。これらの場合のそれぞれの例は、以下に与えられる。
【0068】
以下は電圧コンテンションの例である。もしS2からの更新動作に続くAOAからの電圧出力が10ボルトであり、この出力が、例えば5ボルトのもっと強い電圧源とのコンテンションにあったとすれば、AOAはその出力電圧を、VFEによって与えられる帰還により、他の電圧源の5ボルトレベルに等しくなるように速やかに調節する。この調節は、該2つの電圧源間の電流を最小化する。図18の従来技術のセルは、不利なことに電圧コンテンションおよび高電流出力の状況を継続する。
【0069】
以下は電圧クランピングの例である。もしS2からの更新動作に続くAOAからの電圧出力が10ボルトであり、この出力が、5ボルトにクランプするツェナダイオードを駆動したとすれば、AOAはその出力電圧を、VFEによって与えられる帰還により、5ボルトのツェナに等しくなるように速やかに調節する。図18の従来技術のセルは、不利なことに電圧矛盾および高電流出力の状況を継続する。
【0070】
以下は高電流の例である。もしS2からの更新動作に続くAOAからの電圧出力が−10ボルトであり、この出力が、例えば、製造の欠陥により接地へ短絡されたとすれば、AOAはその出力電圧を、VFEによって与えられる帰還により、接地電位に等しくなるように速やかに調節する。この調節は、接地への短絡からAOAへ流れ込む電流を最小化する。図18の従来技術のセルは、不利なことに電圧矛盾および高電流入力の状況を継続する。
【0071】
試験モード中において、図19AのABSCは更新制御(UC)を受け、S2の瞬間的閉成により選択された電圧レベル(V+またはV−)によってAOAを予充電する。この電圧レベルは、AOAから出力されて、接続されているデバイスの入力を駆動する。DRへのVTはV+とV−との間の電圧レベルにセットされ、DRが、もしAOAの出力電圧がVTより大きければ論理的1を出力し、あるいはもしAOAの出力電圧がVTより小さければ論理的0を出力することを可能ならしめる。AOAの出力電圧は、AOA内のVFEを経てDRへ入力される。捕獲およびシフト動作中においては、図19AのABSCの入力部分(Mux1およびMem1)と、駆動されるデバイスのアナログ入力セルの同様の入力部分(すなわち、DR、Mux1、およびMem1)とは、DRからの論理レベルをロードし、かつシフトアウトする。これは、以下のことを準備する;(1)駆動するABSCの出力電圧レベルの試験、(2)受取るアナログ入力セルの入力電圧レベルの試験、(3)駆動するセルと、受取るセルとの間の相互接続の試験。
【0072】
VTを外部的に制御することの利点は、AOAから出力されるべく意図された電圧が実際に出力されているかどうかの診断試験を可能にすることである。例えば、もし10ボルトが意図された出力電圧であれば、VTは9.5ボルトにセットされうる。もしAOAが満足な駆動を行い、出力に10ボルトを保持すれば、DRは、9.5ボルトのVTを、VFEからの帰還を経た10ボルトのAOAの電圧出力と比較する。10ボルトの出力レベルを受けると、DRは、ABSCの入力部分へ論理的1を出力する。この論理的1は、捕獲され且つシフトアウトされて、AOAが、意図された10ボルトの出力を出力し且つ保持しえたことを表示する。しかし、前述の電圧クランピングの例においては、意図されたAOAの出力電圧は、調節されて5ボルトまで下げられる。DRへ入力されたこの5ボルトは論理的0を生じ、それはABSCの入力部分において捕獲され且つシフトアウトされて、AOAが、意図された10ボルトの出力を出力し且つ保持しえなかったことを表示する。
【0073】
繰返して;(1)外部的に制御可能なVTを調節し、(2)捕獲およびシフト動作を行い、かつ(3)捕獲されたデータを検査することにより、AOAがどのような電圧レベルに調節されたかを決定することができる。どのような電圧調節がアナログ出力においてなされたかを決定するこの能力は、該調節を生ぜしめているものについての洞察を与える。例えば、調節が接地または供給電圧へ行われたことの決定は、短絡が、アナログ出力と、接地または供給電圧との間に存在する可能性を示すはずである。AOAは、その出力電圧を矛盾する電圧レベルに等しいように調節しうるので、上述の診断試験を行うのに必要な時間の間それが接続されているアナログ出力または信号源/デバイスに対する、高電流が流れた結果としての損傷は発生しないことに注意することは重要である。
【0074】
図20Aは、OAの入力へ更新された電圧を保持するための電圧保持素子(VME)を用いており、その他の点では図19AのABSCと同様な、もう1つの代表的ABSCを示す。試験モードにおけるVMEの機能は、更新中にS2からの電圧を受け入れ、その電圧を次の更新時までOAの入力に保持することである。正規動作においては、VMEの機能は使用禁止にされ、あるいはもし使用可能にされれば、アナログ回路からの機能性出力により容易にオーバドライブされる。図20Bには、前記VMEの機能を与えるために用いられうる回路の1例が、スイッチトキャパシタ回路であるように示されている。該スイッチトキャパシタ回路は、一端をアナログ信号経路に、他端をキャパシタに接続されたスイッチ201を含む。該キャパシタは、スイッチ201と接地との間に接続されている。アナログ回路の正規モード中においては、スイッチ201は制御入力Cによって開かれて、キャパシタ負荷を、アナログ出力信号に影響を及ぼさないように隔離する。試験モードに入った時は、スイッチ201は制御入力Cによって閉じられて、キャパシタをアナログ信号経路に接続する。また、試験モードに入った時は、S2が瞬間的に閉成/使用可能化されて、該キャパシタを、Mem1によって選択された電圧レベル、すなわちV+またはV−、まで充電する。キャパシタに蓄えられた電圧レベルはOAの入力を駆動し、OAは次にアナログ出力を駆動する。後の更新動作中においては、S2が瞬間的に閉成/使用可能化されて、新しい電圧レベルを該キャパシタに充電し、該キャパシタは次にOAを経てアナログ出力から駆動される。捕獲およびシフト動作中においては、S2が開放/使用禁止化され、キャパシタがS3およびS4からのリプル電圧を受けるのを阻止する。VMEの機能を実現するのに、他の回路も用いられうることを理解すべきである。
【0075】
図21には、3状態アナログ出力信号用の代表的ABSCが示されている。3状態ABSC212は、アナログ出力信号経路上の図19AのABSC211と、3状態制御経路上の図20Aに示されているものと同様のABSC210と、を含む。正規モードにおいては、両ABSC210および211は使用禁止にされ(S1は閉じられ、S2は開かれる)、アナログ回路は3状態アナログ出力の動作を調整する。試験モード中においては、制御経路ABSC210は、3状態出力増幅器(3SOA)とVFEとを含む3状態調節可能出力増幅器(3SAOA)が、使用可能にされるか、使用禁止にされるかを制御する。試験モード中においては、信号経路ABSC211が、3SAOAからの電圧出力を制御し且つ観察する。制御経路ABSC210は、制御経路から電圧を受けるDRと、V+とV−との間の例えば中間点にセットされたVTと、を有するように図示されている。制御経路ABSC210のV+およびV−は、信号経路ABSC211のV+およびV−と同じであっても、異なってもよいが、3SAOAを使用可能/使用禁止にするのに十分なものでなければならない。制御経路ABSCのDR部分は主として、該制御経路ABSCの出力部分が3SAOAを使用可能または使用禁止状態にしていることを自己試験または監視するために備えられている。
【0076】
3SAOAが制御経路ABSC210によって使用可能にされている試験モード中においては、信号経路ABSC211は図19AのABSCと同様に動作する。3SAOAが制御経路ABSC210によって使用禁止にされている試験モード中においては、信号経路ABSC211は出力電圧を観察する働きをするのみであり、すなわちそれは電圧出力を駆動しえない。図19Aおよび図21の両ABSC間の代表的な相違は以下の通りである;(1)図21の3状態ABSC212は、それぞれの捕獲およびシフト動作中にロードおよびアンロードするための2つのMem1を有する、(2)図21の3状態ABSC212は、出力を使用禁止にし、別のデバイスにより該出力に駆動される電圧を観察することのみをなしうる、(3)図21の3状態ABSC212は、出力についてのより多くの情報を捕獲且つシフトアウトし、すなわちそれは、それが使用可能にされて電圧出力を駆動しつつあるかどうか、またはそれが使用禁止にされて外部電圧によって駆動されつつあるかどうか、を表示する。
【0077】
図22には、アナログ信号の入出力(I/O)用のABSCが示されている。図22のI/O ABSCは、図21の3状態ABSCに類似している。機能モード中における1つの相違は、アナログ信号が、I/O端子220とアナログ回路との間において両方向に通過することである。試験モード中における1つの相違は、出力信号経路上のABSC221が、図21の3状態ABSC212におけるように出力信号経路上の出力電圧でなく、入力信号経路に入るI/O電圧を観察することである。この別の電圧観察接続点の1つの利点は、それが、I/Oピンから出力されるよう意図された電圧が入力信号経路上に存在することの試験を可能ならしめることである。
【0078】
本発明の代表的な実施例を以上に説明したが、この説明は本発明の範囲を制限するものではなく、本発明はさまざまな実施例により実施されうる。
【0079】
以上の説明に関して更に以下の項を開示する。
(1)アナログ信号を搬送する信号経路と、
試験電圧を発生する試験電圧ノードと、
該試験電圧ノードに接続された入力を有し、かつ前記信号経路に結合せしめられた出力を有し、かつ制御入力を有するスイッチであって、該スイッチが該制御入力に応答して前記入力を前記出力に接続する該スイッチと、
前記制御入力に接続された直列走査経路と、
を含む、集積回路。
【0080】
(2)前記信号経路と、前記スイッチの前記出力との間に接続されたもう1つのスイッチを含む、第1項記載の回路。
(3)アナログ信号を搬送する信号経路と、
試験電圧を発生する試験電圧ノードと、
該試験電圧ノードと前記信号経路との間に結合せしめられた試験信号経路であって、前記試験電圧が前記信号経路に印加されることを可能ならしめる該試験信号経路と、
前記信号経路に接続された電圧保持回路であって、前記試験電圧ノードとは無関係に、前記試験電圧を前記信号経路上に保持する該電圧保持回路と、
を含む、集積回路。
【0081】
(4)前記電圧保持回路がスイッチおよびキャパシタを含み、該スイッチが、前記信号経路に接続された入力を有し、かつ該キャパシタに接続された出力を有する、第3項記載の回路。
【0082】
(5)前記電圧保持回路が増幅器を含み、該増幅器が、前記信号経路に接続された入力を有し、かつ前記集積回路の外部からアクセスされうる端子に結合せしめられた出力を有し、該増幅器が前記アナログ信号を該端子へ駆動するよう動作しうる、第3項記載の回路。
【0083】
(6)前記信号経路に接続された1入力を有し、かつ前記試験電圧ノードに接続されたもう1つの入力を有する比較器を含み、前記試験電圧ノードが前記集積回路の外部からアクセスされうる、第3項記載の回路。
【0084】
(7)集積回路であって、
該集積回路の外部からアクセスされうる端子であって、外部アクセスされるアナログ出力信号を発生する該端子と、
試験電圧レベルを発生する試験電圧ノードと、
該試験電圧ノードと前記端子との間に結合せしめられた試験信号経路であって、前記端子の端子電圧が前記試験電圧レベルにセットされることを可能ならしめる該試験信号経路と、
前記端子に結合せしめられた電圧調節回路であって、前記端子における電圧コンテンション条件に応答して、前記端子電圧を前記試験電圧レベルから該試験電圧レベル以外の電圧レベルへ調節する該電圧調節回路と、
を含む、集積回路。
【0085】
(8)前記端子が2状態出力端子である、第7項記載の回路。
(9)前記端子が3状態出力端子である、第7項記載の回路。
(10)前記端子が入出力端子である、第7項記載の回路。
【0086】
(11)集積回路であって、
該集積回路の外部からアクセスされうる端子であって、外部アクセスされるアナログ出力信号を発生する該端子と、
前記端子に結合せしめられた出力を有し、前記アナログ出力信号を前記端子へ駆動する出力増幅器と、
試験電圧を発生する試験電圧ノードと、
該試験電圧ノードと前記端子との間に結合せしめられ、前記試験電圧が前記端子に印加されることを可能ならしめる試験信号経路であって、該試験信号経路が前記出力増幅器を含む該試験信号経路と、
前記出力増幅器の前記出力から該出力増幅器の入力へ接続された帰還経路と、を含む、集積回路。
【0087】
(12)前記試験信号経路が、前記試験電圧ノードと、前記出力増幅器の前記入力との間に結合せしめられたスイッチを含む、第11項記載の回路。
(13)前記帰還経路がもう1つの増幅器を含み、該もう1つの増幅器が、前記出力増幅器の前記出力に接続された入力を有し、かつ前記出力増幅器の前記入力に接続された出力を有し、前記スイッチが前記もう1つの増幅器の前記出力をオーバドライブするよう動作しうる、第12項記載の回路。
【0088】
(14)前記帰還経路がスイッチを含む、第11項記載の回路。
(15)前記帰還経路がもう1つの増幅器を含み、該もう1つの増幅器が、前記出力増幅器の前記出力に接続された入力を有し、かつ前記出力増幅器の前記入力に接続された出力を有する、第11項記載の回路。
【0089】
(16)前記端子が2状態出力端子である、第11項記載の回路。
(17)前記端子が3状態出力端子である、第11項記載の回路。
(18)前記端子が入出力端子である、第11項記載の回路。
【0090】
(19)アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法であって、
試験電圧ノードに試験電圧を発生せしめるステップと、
該試験電圧ノードからの該試験電圧を前記信号経路に印加するステップと、
前記試験電圧ノードとは無関係に、前記試験電圧を前記信号経路上に保持するステップと、
を含む、アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法。
【0091】
(20)アナログ出力信号を発生する外部アクセス可能端子を有する集積回路において試験動作を行う方法であって、
前記端子の端子電圧を試験電圧レベルにセットするステップと、
前記端子における電圧コンテンション条件に応答して、前記端子電圧を前記試験電圧レベルから該試験電圧レベル以外の電圧レベルへ調節するステップと、
を含む、アナログ出力信号を発生する外部アクセス可能端子を有する集積回路において試験動作を行う方法。
【0092】
(21)アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法であって、
試験電圧ノードに試験電圧を発生せしめるステップと、
該試験電圧ノードからの該試験電圧を前記信号経路に印加するステップと、
前記試験電圧ノードとは無関係に、前記試験電圧を前記信号経路上に保持するステップと、
該保持ステップ中において、前記試験電圧ノードに前記試験電圧と異なるもう1つの電圧を発生せしめるステップと、
を含む、アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法。
【0093】
(22)アナログ出力信号を発生する外部アクセス可能端子を有する集積回路において試験動作を行う方法であって、
前記端子の端子電圧を試験電圧レベルにセットするステップと、
基準電圧ノードに第1基準電圧を発生せしめるステップと、
該第1基準電圧を前記端子電圧と比較するステップと、
前記基準電圧ノードに第2基準電圧を発生せしめるステップと、
該第2基準電圧を前記端子電圧と比較するステップと、
を含む、アナログ出力信号を発生する外部アクセス可能端子を有する集積回路において試験動作を行う方法。
【0094】
(23)アナログ信号を搬送する信号経路と、
該信号経路上に第1時間量の間試験電圧を発生する試験回路と、を含み、
該試験回路が、前記試験電圧を発生する試験電圧ノードと、該試験電圧ノードと前記信号経路との間に接続されたスイッチと、を含み、該スイッチが制御信号に接続され且つそれに応答して前記第1時間量より小さい第2時間量の間のみ該スイッチを閉じる、
集積回路。
【0095】
(24)アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法であって、
試験電圧ノードに試験電圧を発生せしめるステップと、
該試験電圧ノードと前記信号経路との間に接続されたスイッチを配設するステップと、
前記試験電圧を前記信号経路上に第1時間量の間発生せしめるステップであって、該ステップが該第1時間量より小さい第2時間量の間のみ該スイッチを閉じるステップを含む、前記試験電圧を前記信号経路上に前記第1時間量の間発生せしめる前記ステップと、
を含む、アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において試験動作を行う方法。
【0096】
(25)アナログ信号を搬送する信号経路を含む集積回路において、試験電圧ノード(V+)からの試験電圧が該信号経路に印加され(S2、S3)、該試験電圧は、前記試験電圧ノードとは無関係に前記信号経路上に保持される(AOA、VME)。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは従来技術の出力境界走査セル構造を示し、BはAの従来技術の出力境界走査セル構造によって行われる3つの異なる試験動作を示す3つのタイミング図を含む図。
【図2】従来技術の出力境界走査セル構造を示す図。
【図3】Aは従来技術の出力境界走査セル構造を示し、BはAの従来技術の出力境界走査セル構造によって行われる3つの異なる試験動作を示す3つのタイミング図を含み、CはIC出力における短絡を検出し且つ修正するためにAの従来技術の出力境界走査セル構造によって行われる試験動作のシーケンスを示す3つのタイミング図を含む図。
【図4】Aは本発明による代表的な出力境界走査セル構造を示し、BはAの出力境界走査セル構造によって行われる2つの異なる試験動作を示す2つのタイミング図を含み、CはAの出力境界走査セル構造によって行われるもう1つの試験動作を示すタイミング図を含む図。
【図5】図4Aの伝達ゲートを実現する代表的回路を示す図。
【図6】Aは本発明によるもう1つの代表的な出力境界走査セル構造を示し、BはAの出力境界走査セル構造によって行われる3つの異なる試験動作を示す3つのタイミング図を含み、CはAの出力境界走査セル構造によって行われる2つの追加の試験動作を示す2つのタイミング図を含む図。
【図7】3状態出力用の従来技術の出力境界走査セル構造を示す図。
【図8】3状態出力用の本発明による代表的な出力境界走査セル構造を示す図。
【図9】従来技術の入力境界走査セル構造を示す図。
【図10】本発明による代表的な入力境界走査セル構造を示す図。
【図11】本発明によるもう1つの代表的入力境界走査セル構造を示す図。
【図12】出力を短絡されたICの安全な電源投入を可能ならしめるための、図4Aの構造の改変を示す図。
【図13】出力を短絡されたICの安全な電源投入を可能ならしめるための、図6Aの構造の改変を示す図。
【図14】本発明によるもう1つの代表的出力境界走査セル構造を示す図。
【図15】本発明によるもう1つの代表的出力境界走査セル構造を示す図。
【図16】本発明によるもう1つの代表的出力境界走査セル構造を示す図。
【図17】アナログ回路用の従来技術の境界走査セルを示す図。
【図18】アナログ回路用の従来技術の境界走査セルを示す図。
【図19】AからCまでは、アナログ回路用の本発明による代表的な境界走査セルを示す図。
【図20】AおよびBは、アナログ回路用の本発明によるもう1つの代表的な境界走査セルを示す図。
【図21】アナログ回路用の本発明によるもう1つの代表的な境界走査セルを示す図。
【図22】アナログ回路用の本発明によるもう1つの代表的な境界走査セルを示す図。
【図23】図19Aから図22までにおけるスイッチS3およびS4の配置に代わる、代表的な別の配置を示す図。
【符号の説明】
191 外部出力端子
AOA 調節可能出力増幅器
S1 スイッチング素子
S2 スイッチング素子
S3 スイッチング素子
S4 スイッチング素子
OA アナログ出力増幅器
UC 更新制御信号
V+ 試験電圧基準
V− 試験電圧基準
VME 電圧保持素子
VT 電圧スレショルド

Claims (1)

  1. A.アナログ出力リードを有するアナログ回路と、
    B.入力リードと出力リードを有する出力増幅器と、
    C.前記出力増幅器の出力リードに接続された出力端子と、
    D.前記アナログ出力リードを前記出力増幅器の入力リードに選択的に接続する第1のスイッチと、
    E.アナログ境界走査セルであって、
    i.直列データ入力リードと、
    ii.直列データ出力リードと、
    iii.前記出力増幅器の入力リードに接続された1つの入力リードと、第1の閾値電圧リードに接続されたもう1つの入力リードと、出力と、を有するデジタルレシーバと、
    iv.前記デジタルレシーバの出力に接続された入力と、前記直列データ入力リードに接続された入力と、出力と、を有するマルチプレクサと、
    v.前記マルチプレクサの出力に接続された入力と、前記直列データ出力リードに接続された出力とを有するデータメモリと、を有する前記アナログ境界走査セルと、
    F.前記データメモリの出力と、前記出力増幅器の入力と、第2の閾値電圧リードと、第3の閾値電圧リードと、に接続されたスイッチ回路であって、
    i.前記出力増幅器の入力リードに接続された第1のリードと、第2のリードと、更新制御入力と、を有する第2のスイッチと、
    ii.前記第2のスイッチの第2のリードに接続された第1のリードと、前記第2の閾値電圧リードに接続された第2のリードと、前記データメモリの出力に接続された制御リードと、を有する第3のスイッチと、
    iii.前記第2のスイッチの第2のリードに接続された第1のリードと、第3の閾値電圧リードに接続された第2のリードと、前記データメモリの出力に接続された制御リードと、を有する第4のスイッチと、
    を有する前記スイッチ回路と、
    を有する集積回路。
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