JP3983102B2 - 人工乳首用洗浄具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば哺乳瓶等に装着される人工乳首の内側を洗浄する際に好適に使用される洗浄具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の人工乳首用洗浄具を示している。
図において、人工乳首用洗浄具1は、やや長尺の柄2と、この柄2の先端に設けた払拭部11とを備えている。この払拭部11は、図示されているように、哺乳瓶用の人工乳首6の内側に挿入して、その内面の汚れを擦り落とすようになっている。
【0003】
ここで、払拭部11は、芯材である支持体3に、ウレタン等の柔軟なカバー部材9を被せて形成されている。払拭部11の基本形態を形成する支持体3は、人工乳首6の先端の乳頭部7の内面に適合する細い先端部4と、人工乳首6の膨出した形状とされた基部8の内面に適合する胴元部5とを有している。
これにより、人工乳首用洗浄具1は、独特に複雑な形状をした人工乳首6の内面にその払拭部11を当接させて、きれいに洗浄することができるようになっている。
そして、図11のような人工乳首用洗浄具1においては、その払拭部11が人工乳首6の複雑な内面形状に適合するような形状とされているため、すみずみまで当接して、洗浄しやすく、また、払拭部11のカバー部材9は、スポンジ等の柔軟な素材で形成されているので、柔らかい人工乳首6を傷付けにくいという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、人工乳首6は、比較的柔軟なシリコーン等で形成されており、その乳頭部6には、ミルクを噴出させるための小さな貫通孔12が形成されている。
このため、人工乳首用洗浄具1を用いて、図11のように洗浄する際に、矢印方向に比較的強い力がかかると、人工乳首用洗浄具1の先端部が、人工乳首6の貫通孔12を突き破る力を加えることになり、場合によっては、人工乳首6の貫通孔12の周囲を破断するおそれがある。
【0005】
この点、人工乳首用洗浄具1では、払拭部11が、柔軟なカバー部材9によって被覆されているので、人工乳首6の貫通孔12に損傷を与えることがある程度防止されている。しかしながら、人工乳首6の貫通孔12の孔形状が、所謂十字型にカットされていたり、Y型にカットされていたりする構成をとっている場合には、洗浄の際に、カットされた端部から、一層破断されやすい。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、洗浄の際に、人工乳首の先端部の貫通孔を損傷することが有効に防止できる人工乳首用洗浄具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明にあっては、把持手段と、この把持手段の先端側に配設された払拭部とを備える人工乳首用洗浄具であって、前記払拭部が、支持体と、この支持体よりも柔軟な材料で形成され前記支持体を被覆するカバー部材とを備えており、前記支持体が、略球面状に形成された小径部と、この小径部よりも前記把持手段側に位置する大径部とを有し、かつ、前記小径部の先端部と、前記カバー部材との間には、僅かな空間が形成される構成とされており、かつ前記支持体の前記小径部の先端部を略平坦面とし、前記カバー部材の前記小径部に対応する箇所を凹状内面とすることにより、前記空間を設けるようにした人工乳首用洗浄具により、達成される。
【0008】
請求項1の構成によれば、支持体に柔軟な材料で形成されたカバー部材を被覆しているので、払拭部の外形、すなわち、カバー部材の外形は、支持体の形態に沿って形成される。このため、払拭部には、支持体の形態に対応して小径部と大径部とが形成される。払拭部の小径部は、人工乳首の乳頭部の内面に適合しており、大径部は、人工乳首の乳頭部よりも径の大きな基部の内面に適合しているので、払拭部を人工乳首の内側に差し入れることにより、払拭部は、人工乳首の複雑な内面形状に適合するように接触される。
そして、前記支持体の、前記小径部と、前記カバー部材との間には、僅かな空間が形成されるから、払拭部が人工乳首の内側で、その乳頭部の内面に当接された際には、力がくわわっても、この僅かな空間がつぶれるように変形することで、力を吸収すると共に、先端径が拡大され、人工乳首の乳頭部の貫通孔を突き破るような力が、小さな面積に集中することを防止することができる。
しかも前記支持体の前記小径部の先端部を略平坦面とし、前記カバー部材の前記小径部に対応する箇所を凹状内面とすることにより、前記空間を設けるようにしたから、前記支持体の形状に僅かな変更を行うだけで、前記空間を形成することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記カバー部材が、前記支持体に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、カバー部材が痛んだり、汚れたりした場合には、カバー部材だけを交換することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記支持体の前記平坦面の径は、洗浄対象となる人工乳首の貫通孔の孔径よりも大きく形成されていることを特徴とする。
請求項3の構成によれば、人工乳首の洗浄時に、貫通孔にかかる力をより低減することができる。具体的には、一般的な人工乳首における貫通孔が、丸孔状の場合、最大で直径0.8mm程度であり、Y字状等のカットされた場合、最大でも直径1.5mm程度であるため、平坦面の径は2mm以上とされることが好ましい。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成において、前記支持体には、外周に沿って連続する凸部が設けられていることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、前記凸部は、前記支持体の外周に沿って連続する形態であるから、長手方向と直交する方向に突出することになる。このため、払拭部が長さ方向に移動する際に、褶動抵抗を発揮するので、人工乳首の乳頭部の貫通孔を、より破損しにくい。
また、前記凸部は、前記支持体の外周に沿って連続する形態であるから、人工乳首の内面を洗浄するに当たって、当接圧力が増大し、前記褶動抵抗を人工乳首の内面の全周にわたって作用させることになり、その分、人工乳首の内面の全周にわたってムラなく洗浄効果を発揮する。
さらに、人工乳首の内面に、リング状に溝ないし薄肉部が形成され、この部分が伸張しやすいように、特に構成された人工乳首を洗浄する場合には、前記凸部は、この溝等の形態と特に適合されて、溝内に入り込むことで、洗浄効果を高めることができる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の構成において、前記凸部が、前記支持体の外周に沿って斜めに連続する構成としたことを特徴とする。
請求項5の構成によれば、請求項4の作用に加えて、人工乳首の内面に、スパイラル状に溝ないし薄肉部が形成され、この部分が伸張しやすいように、特に構成された人工乳首を洗浄する場合には、前記支持体の外周に沿って斜めに連続する構成とされた前記凸部が、この溝等の形態と特に適合されて、溝内に入り込むことで、洗浄効果を高めることができる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1ないし5いずれかの構成において、前記支持体の前記大径部には、長手方向に沿って凸部もしくは凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項6の構成によれば、把持手段を持って払拭部を長手方向に沿った中心軸回りに回動させると、前記凸部もしくは凹部は、回動方向と直交する方向に延びているので、当接圧力が増大し、褶動抵抗を生じて、人工乳首の内面の汚れをこすりとることができる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの構成において、前記把持手段が、長手方向に対して湾曲した柄として構成されており、さらに、前記柄の前記支持体側端部よりであって、前記柄の湾曲する方向と交差する位置に使用者の手指を当接させる支持部を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項7の構成によれば、柄を把持した場合に、把持した手の内面の形状に適合して、フィット性や安定性が増大する。
また、前記柄の前記支持体側端部よりであって、前記柄の湾曲する方向と交差する位置に使用者の手指を当接させる保持部を設けたことで、使用者は、親指を保持部に当てて、柄を保持すると共に、親指に力を込めることになるので、腕を使った長さ方向の褶動よりも手首を使った回転方向の褶動に適合させることができ、人工乳首の先端部の貫通孔を損傷させやすい動きを効果的に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態による人工乳首用洗浄具の概略斜視図、図2は人工乳首用洗浄具を横にした状態で示す平面図、図3は、図2の人工乳首用洗浄具のA−A線概略断面図である。
これらの図において、人工乳首用洗浄具20は、比較的長尺な柄21と、この柄21の一端に配設された払拭部22とを備えている。
【0019】
柄21は、一端に払拭部22の支持体24をを含む長く延びた長尺体で形成されている。この柄21は、後述するように、手によって把持され、また、後述するカバー部材を十分支持できる硬質の材料で形成されており、例えば、ポリプロピレンやABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂や、ポリカーボネート、ポリアセタール等で作られている。
この柄21は、図2に示すように、長さ方向(長手方向)であるX方向に長く延びており、X平面上で、特に柄21の端部側がやや湾曲している。また、柄21の払拭部22の基端部近傍には、後述するように、使用時に手の親指の腹が当接されるための保持部27を有している。保持部27は、柄21の湾曲する方向と交差する方向に向いて設けられている。柄21にはさらに、この保持部27と反対の端部に形成された貫通孔23を備えている。
【0020】
図1及び図2を参照してわかるように、柄21は、中央に凹部を備えるやや偏平な形状とされている。そして、図2及び図3において、柄21は、平らな上下面21a,21bを有している。この各面上には、上記保持部27の位置に、例えば、突起27aもしくは凹凸等を形成することで、滑り止めとされている。
【0021】
また、柄21の先端側(上記貫通穴23と反対側)は、一体に形成した支持体24となっている。すなわち、支持体24は、柄21と同じ硬質の材料で形成されており、支持体24の先端部は、洗浄対象となる人工乳首の内面の形状に対応させて、その乳頭部に適合するようなやや小さな径を有する小径部26と、この小径部26から連続するくびれ部26aと、このくびれ部26aから連続する大径部28とを有している。そして、好ましくは、支持体24の垂直断面形状は、やや偏平な円形もしくは楕円形とされている。
【0022】
さらに、小径部26の先端部には、小径部26の曲面よりも大きな曲面もしくは、ほぼ平らな面で形成した平坦部もしくは平坦面31が設けられている。また、小径部26とくびれ部26aの間の箇所と、くびれ部26aと大径部28との間の箇所には、外周に沿って連続する凸部32と凸部33とが設けられている。すなわち、これら凸部32と凸部33とは、支持体24の外周に沿って一体に設けられたリング状の凸部である。
また、凸部32と凸部33は、図示のように2つではなく、ひとつ設けるだけでもよく、3つ以上、複数もしくは多数設けてもよい。
あるいはまた、これら凸部32と凸部33は、支持体24の外周に沿って斜めに連続する、例えば、スパイラル状のひとつの凸部としてもよい。
【0023】
図7は、洗浄対象となる人工乳首40を先端側から見た図である。図6及び図7に示されているように、人工乳首40は、乳頭部34と、胴部35と、胴部35の端部の周囲に広がるフランジ部36を有している。図7において、人工乳首40の乳頭部34先端に設けられる貫通孔12は、例えば、Y字状であり、その孔径はL1で示されている。そして、好ましくは、上述した支持体24の先端部の平坦部31の大きさは、図3に示す平坦部31の径をL2とすると、この平坦部31の径L2が貫通孔12の孔径L1よりも大きく形成されるとよい。これにより、後述する洗浄時に貫通孔12にかかる力をより低減することができる。
ここで、一般的な人工乳首における貫通孔が、丸孔状の場合、最大で直径0.8mm程度であり、Y字状等のカットされた場合、最大でも直径1.5mm程度であるため、平坦部31の径は2mm以上とされることが好ましい。この実施形態では、平坦部31の径L2は、例えば8mmとされる。
【0024】
上記支持体24には、カバー部材25が被覆されている。
このカバー部材25は、例えば、弾性に基づいて変形可能な比較的柔軟な材料で形成されており、繰り返し洗浄作業に使用されても破断しない程度の強度と、好ましくは、所定の加熱温度で溶断されるような材料、例えば、ウレタン材料やEVA樹脂等により形成されている。
【0025】
すなわち、このカバー部材25は、先端側の一端が閉じられ、他端が開放された中空のキャップ状のカバー体である。
このカバー部材25の内径は、支持体24の外形よりも僅かに小さく形成され、図1の開口25aから、支持体24を挿入されることで、その弾性に基づいて、強制的に外側に拡大されるようになっている。
このように、カバー部材25は、支持体24に着脱可能に構成されているので、カバー部材25が痛んだり、汚れたりした場合には、カバー部材25だけを適宜交換することができる。
【0026】
ここで、払拭部22の小径部26は、カバー部材25を装着した状態において、例えば、洗浄対象となる人工乳首(後述)の乳頭部の内径とほぼ同じか僅かに大きい程度に形成される。また、大径部28は、人工乳首の膨出した胴部35の内面の曲面に沿うように形成されると好ましい。
また、上述のように支持体24の断面形状が楕円等の形状であると、洗浄時にカバー部材25が支持体24の周囲で滑って、周方向に回転しにくくすることができると共に、楕円の長径側が、人工乳首内面に強く接触する事で、回転洗浄時の洗浄効果が高まる。
【0027】
図1において、払拭部22の外面を形成するカバー部材25の側面には、長さ方向に沿って、硬い箇所23が形成されている。
すなわち、この硬い箇所23は、カバー部材25の外面の柄21が延びる方向とほぼ一致する方向に沿う領域に、この領域以外の箇所よりも硬い部分を形成することにより、設けられている。
この硬い部分23は、特に回転洗浄の際に、こびりついた汚れを掻き取るための掻き取り部,すなわちスクレーパ部として機能する。
【0028】
カバー部材25の上記スクレーパ部23を形成するためには、例えば、2枚のウレタン材料を用意して重ねる。この際、好ましくは、2枚のウレタン材料に関して、それぞれ発泡状態を変える等の手法により、各材料の表面の粗さを変えるようにしてもよい。
次いで、例えば、所定の温度に加熱した刃を用いて重ねた2枚のウレタン材料をカバー部材25の外形に沿って剪断する。
これにより、切断された材料の切断箇所の断面には、切断の際に材料が溶断されたことで、溶けた部分が僅かに残り、この部分が硬い部分としてのスクレーパ(scraper)部23として形成される。
すなわち、図1に示すように、カバー部材25は、その切断部である側面と全面の端部を含む全ての周縁部にて、2枚の材料の境界に沿って硬い部分であるスクレーパ部23が形成され、その内側は中空となったキャップ状に形成される。
【0029】
本実施形態は、以上のように構成されており、次に、図4ないし図6を参照して、その使用方法を説明する。
図4は、本実施形態の人工乳首用洗浄具20の使用の状態を示しており、図5は、図4を拡大してさらに詳細に示す図であり、図6は、使用時における人工乳首と払拭部25を示す概略断面図である。
【0030】
使用者は、例えば、水道の蛇口の下等の流水が得られる場所(図示せず)で、例えば、洗浄対象となる哺乳瓶用の人工乳首40を洗浄する。
この時、好ましくは、払拭部22のカバー部材25に、所定の洗剤等を入れて、この人工乳首40を上記流水の下に配置する。
そして、使用者は、例えば、その左手H1の指の間に、人工乳首40の乳頭部34と胴部35の間の箇所を挟んで保持する。(図5参照)そして、人工乳首40の底面開口から、本実施形態の洗浄具20の払拭部22を差し入れる。
この時、使用者の右手H2は、その親指F1を例えば柄21の保持部27の上面21aに当て、人差し指F2の側面を下面21bに当てることで、柄21をしかり保持する。
【0031】
これにより、左手H1の上記指に力を入れることで、人工乳首40の乳頭部34の内面に、洗浄具20の払拭部22の小径部26と対応した箇所が当接される。また、人工乳首40の胴部35の内面には、大径部28と対応した箇所の外面が当接される。この状態で、柄21を持った手H2の手首を回転させて、矢印C方向に、回動させる。すなわち、柄21をその軸方向の周囲に正逆に回転させると、人工乳首40の内面に上述のようにおしつけられている払拭部22が、人工乳首40の内面のほぼ全面を拭うことができるので、内面をきれいに掃除することができる。
【0032】
ここで、払拭部22の外面には、上述したスクレーパ部23が、その長さ方向に線状に延びているので、人工乳首40の内面は、柔らかい材料でなる払拭部22のカバー部材25の柔軟な箇所に接触されて拭われるだけでなく、この硬いスクレーパ部23が人工乳首40の内面に対して擦られる。
【0033】
これにより、人工乳首40は、例えば、使用後に直ぐに洗浄されないで、その内面にミルクの残滓等がかたまって付着し、白いぶつぶつした固まりとなっているような場合でも、これを掻きとるように除去することができる。
したがって、人工乳首40の内面にこれまでのように、頑固な汚れが固着してとれなくなるということがなく、完全かつ清潔に洗浄することが可能となる。したがって、このような汚れが残ったまま、次に使用することで、乳幼児に悪影響を与えることがない。
【0034】
しかも、図6に示すように、支持体24の先端部に、平坦部31が設けられているので、支持体24の小径部26と、カバー部材25との間には、僅かな空間Sが形成されるから、払拭部22が人工乳首40の内側で、その乳頭部34の内面に当接された際には、力がくわわっても、この僅かな空間Sがつぶれるように変形することで、先端径が拡大し、人工乳首40の乳頭部34の貫通孔12を突き破るような力が、小さな面積に集中することを防止することができる。
このため、人工乳首40を損傷することなく、その内面を清潔に洗浄することができる。
【0035】
ここで、支持体24には、上述したように、凸部32,33が形成されている。これらの凸部32,33は、支持体24の外周に沿って連続する形態であるから、長手方向Xと直交する方向に突出することになる。このため、洗浄中に力が作用して払拭部22が長さ方向Xに移動された場合には、褶動抵抗を発揮するので、人工乳首40の乳頭部の貫通孔12をより破損しにくい。
【0036】
しかも、凸部32,33は、支持体24の外周に沿って、リング状に連続する形態であるから、特に、X方向に出し入れするように、人工乳首40の内面を洗浄するに当たって、当接圧力が増大し、その褶動抵抗を人工乳首40の内面の全周にわたって作用させることになり、その分、人工乳首40の内面の全周にわたってムラなく洗浄効果を発揮する。
さらに、人工乳首40の内面に、リング状に溝ないし薄肉部が形成され、この部分が伸張しやすいように、特に構成された人工乳首40を洗浄する場合には、凸部32,33は、この溝等の形態と特に適合されて、溝内に入り込むことで、一層洗浄効果を高めることができる。
【0037】
あるいは、支持体24の凸部が、支持体24の外周に沿って斜めに連続する構成とした場合には、人工乳首40の内面に、スパイラル状に溝ないし薄肉部が形成され、この部分が伸張しやすいように、特に構成された人工乳首を洗浄する場合(図示せず)に、支持体24の外周に沿って斜めに連続する構成とされた凸部が、この溝等の形態と特に適合されて、溝内に入り込むことで、洗浄効果を高めることができる。
【0038】
さらに、この人工乳首用洗浄具20では、柄21の支持体24側端部よりであって、柄21の湾曲する方向と交差する位置に使用者の手指F1,F2を当接させる保持部27を設けたことで、使用者は、親指F1を保持部27に当てて、柄21を保持すると共に、親指F1に力を込めることになるので、腕を使った長さ方向の褶動よりも手首を使った回転方向の褶動に適合させることができ、人工乳首40の先端部の貫通孔12を損傷させやすい、長さ方向Xに沿った動きを効果的に抑制することができる。
【0039】
図8及び図9は、上述の実施形態の第1の変形例を示している。
図8は、第1の変形例の概略平面図、図9は、第1の変形例の概略正面図である。これらの図において、人工乳首用洗浄具20と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この第1の変形例では、支持部24の凸部32,33に加えて、さらに、大径部28に、長手方向に沿って、複数の凸部51,51,51が形成されている。また、柄52は、湾曲しておらず、直線的に形成されている点が、人工乳首用洗浄具20と相違している。
【0040】
これにより、第1の変形例では、図6で説明した洗浄に際して、把持手段である柄52を持って払拭部を長手方向に沿った仮想の中心軸C1の回りに回動させると、凸部51,51,51は、回動方向と直交する方向に延びているので、人工乳首40の基部35内面への当接圧力が増大し、褶動抵抗を生じて、人工乳首40の内面の汚れをこすりとることができる。
それ以外の作用効果は、人工乳首用洗浄具20と同じである。
【0041】
図10は、上述の実施形態の第2の変形例を示している。
図10(a)は、第2の変形例に係る人工乳首用洗浄具60の支持体24の概略平面図、図10(b)は、第2の変形例に係る人工乳首用洗浄具60の支持体24の概略正面図、図10(c)は、図10(a)のB−B線切断断面図、図10(d)は、図10(a)のD−D線切断断面図である。
これらの図において、人工乳首用洗浄具20と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0042】
第2の変形例の人工乳首用洗浄具60において、第1の変形例と相違しているのは、支持部24の凸部32,33に加えて、さらに、大径部28に、長手方向に沿って、複数の凹部61,61,61,61が形成されている点である。
これにより、第2の変形例では、図6で説明した洗浄に際して、把持手段である柄21を持って、左手H1で人工乳首40を潰すように変形させながら、払拭部を長手方向に沿った仮想の中心軸(図8の場合と同じ)C1の回りに回動させると、凹部61,61,61,61は、回動方向と直交する方向に延びているので、人工乳首40の基部35内面への当接圧力が増大し、褶動抵抗を生じて、人工乳首40の内面の汚れをこすりとることができる。
それ以外の作用効果は、人工乳首用洗浄具20と同じである。
【0043】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
把持部21と、支持体24を着脱可能として、支持体24とカバー部材25を一体に形成し、磨耗時に払拭部22ごと取り換えられるように形成してもよい。また、把持部21の払拭部22側に植毛ブラシを設け、人工乳首用キャップ等も同時に洗浄できるように構成してもよい。
各実施形態の各構成要素や、各変形例の構成要素は、本発明の効果を発揮する限りにおいて、個々に省略することができ、あるいは、相互に組み合わせることができる。そして、さらに、上述の説明で言及しない構成を付加することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、洗浄の際に、人工乳首の先端部の貫通孔を損傷することが有効に防止できる人工乳首用洗浄具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による人工乳首用洗浄具の概略斜視図である。
【図2】図1の人工乳首用洗浄具を横にした状態で示す平面図である。
【図3】図2の人工乳首用洗浄具のA−A線概略断面図である。
【図4】本実施形態の人工乳首用洗浄具の使用の状態を示す図である。
【図5】図4を拡大してさらに詳細に示す図である。
【図6】使用時における人工乳首と払拭部を示す図である。
【図7】洗浄対象となる人工乳首40を先端側から見た図である。
【図8】図1の人工乳首用洗浄具の第1の変形例の概略平面図である。
【図9】図8の第1の変形例の概略正面図である。
【図10】図1の人工乳首用洗浄具の第2の変形例を示すものであり、(a)は、第2の変形例に係る人工乳首用洗浄具60の支持体24の概略平面図、(b)は、第2の変形例に係る人工乳首用洗浄具60の支持体24の概略正面図、(c)は、図10(a)のB−B線切断断面図、(d)は、図10(a)のD−D線切断断面図である。
【図11】従来の人工乳首用洗浄具の一例を示す図である。
【符号の説明】
20,50,60・・・人工乳首用洗浄具、21・・・柄、22・・・払拭部、24・・・支持体、25・・・カバー部材、31・・・平坦部。
Claims (7)
- 把持手段と、この把持手段の先端側に配設された払拭部とを備える人工乳首用洗浄具であって、
前記払拭部が、
支持体と、この支持体よりも柔軟な材料で形成され前記支持体を被覆するカバー部材と
を備えており、
前記支持体が、略球面状に形成された小径部と、この小径部よりも前記把持手段側に位置する大径部と
を有し、
かつ、前記小径部の先端部と、前記カバー部材との間には、僅かな空間が形成される構成とされており、
かつ前記支持体の前記小径部の先端部を略平坦面とし、前記カバー部材の前記小径部に対応する箇所を凹状内面とすることにより、前記空間を設けるようにした
ことを特徴とする、人工乳首用洗浄具。 - 前記カバー部材が、前記支持体に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の人工乳首用洗浄具。
- 前記支持体の先端部の前記平坦面の径は、洗浄対象となる人工乳首の貫通孔の孔径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の人工乳首用洗浄具。
- 前記支持体には、外周に沿って連続する凸部が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の人工乳首用洗浄具。
- 前記凸部が、前記支持体の外周に沿って斜めに連続する構成としたことを特徴とする、請求項4に記載の人工乳首用洗浄具。
- 前記支持体の前記大径部には、長手方向に沿って凸部もしくは凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の人工乳首用洗浄具。
- 前記把持手段が、長手方向に対して湾曲した柄として構成されており、さらに、前記柄の前記支持体側端部よりであって、前記柄の湾曲する方向と交差する位置に使用者の手指を当接させる保持部を設けたことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の人工乳首用洗浄具。
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