JP3982101B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は小さな限流要素を用いて放電灯を安定に点灯する放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小さな限流要素を用いて放電灯を安定に点灯する技術として、ランプの特性電圧よりも高い電圧と、ランプの特性電圧よりも低い電圧を交互に高速に切り替えて、ランプ電流を設定範囲に制御しようとする技術が存在する。ランプの特性電圧よりも高い電圧を供給するとランプ電流は増大し、ランプの特性電圧よりも低い電圧を供給するとランプ電流は減少するので、切替えを適切に制御することにより、ランプ電流を制御することができる。以下、その原理について説明する。
【0003】
一般的に、ランプ(放電灯)を点灯するにはバラスト(限流要素)が必要である。その理由はランプの電気特性が負特性である(つまり負性抵抗を有する)からである。ランプの電流Eと電流密度Jとの関係は一般に以下の式で示される。J=σE
ここで、σは導電率と呼ばれ、固体の場合には定数とみなしてよいものである。しかし、気体放電の場合には導電率は以下の式に示されるように電子密度の関数になる。
σ=enμ
ただし、eは単位電荷、nは電子密度、μは移動度である。移動度μは電子温度と圧力の関数であるが一定とみなしてよい。このことから、電流密度(つまり放電電流)はランプ内部の電子密度と電界の2つによって決定されることが分かる。基本的にはランプ電流(電流密度)が決まると、結果として電子密度と電界が決まる、という考え方が最も分かりやすく、しかも現実にそうなっている。一般に電流を増やすと電子密度が増加し、電界はさほど変化しない(実際には多少変化するが、電子密度ほど顕著でない)。
【0004】
ランプは限流要素無しの電圧源で点灯されると、電子密度が増加してしまい、結果として電流が増加してしまう。その結果、過電流が流れ、諸々のトラブルが生じる。増加する時定数の方が減少する時定数よりも大きいために電子密度は増加する。これを避けるためには、印加する電界を変化させて電子に与えるエネルギーを変化させなければならない。
安定点灯状態から高い電圧源に接続すると、電流は増加し始めるので電圧を低下させる。これはランプ特性電圧(維持電圧)以下まで低下させる必要がある。すると、電流は減少し始めるので、次に電圧を上昇させる。これはランプ特性電圧(維持電圧)以上まで上昇させる必要がある。すると、電流は再び増加し始める。そこで、再び電圧を低下させる。これはランプ特性電圧(維持電圧)以下まで低下させる必要がある。以下、これらの動作を繰り返す。
【0005】
このように電圧をランプの特性電圧ラインの上下に変化させれば、ランプを安定に点灯できる。実際に電流が増加する時間と減少する時間は、減少が0.数msecから数msecのオーダー、増加が数μsecから数十μsec程度と考えられる。
このことから、ランプの特性電圧よりも高い電圧とランプの特性電圧よりも低い電圧とを高速に切り替えてランプ電流を設定範囲に制御すれば、ランプの限流要素を小さくし、或いは削除する形でランプを安定に点灯できることが分かる。また、印加する電圧波形を正弦波状にして、その実効値を上記のようにランプの特性電圧よりも高い電圧とランプの特性電圧よりも低い電圧とに交互に高速に切り替えることによっても安定点灯動作は可能であり、この場合は、正弦波による点灯動作であるので、ランプからのノイズ成分も減少できるという利点がある。
【0006】
(従来例1)
従来より微小なインダクタとスイッチドキャパシタを利用して直流電源から滑らかな交流出力を得る電力変換回路として、図12に示すような回路(特願平7−190894号)がある。本従来例は直流電源DCからスイッチ素子S6及びダイオードD1〜D5を介して複数個のキャパシタC1〜C5の電圧がほぼ一定の電圧Eになるように充電し、前記キャパシタC1〜C5を任意の個数および任意の極性に直列放電することにより、負荷に−5E,−4E,−3E,−2E,−E,0,E,2E,3E,4E,5Eの電圧を供給するステップ電圧源と見なせるスイッチドキャパシタ回路SCを構成し、このスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscに微小なインダクタLfとキャパシタCfより成るフィルタ回路を接続し、キャパシタCfに並列に負荷(放電灯5)を接続したものである。制御回路については図示していないが、任意の期間にスイッチ素子S6をオンしてキャパシタC1〜C5を並列充電するように制御すると共に、負荷に略正弦波の交流電圧が供給されるようにスイッチドキャパシタ回路SCの各スイッチ素子Sij(i=1〜5,j=1〜4)を制御するものである。
【0007】
スイッチドキャパシタ回路SCは、スイッチドキャパシタセルSCbが5個直列に接続された回路より構成される。各スイッチドキャパシタセルSCbは、スイッチ素子Si1,Si3及びSi2,Si4(i=1〜5)の直列回路と、スイッチ素子Si3とSi1の接続点とスイッチ素子Si4とSi2の接続点の間にキャパシタCiを接続してブリッジを構成したもので、各セルはスイッチ素子Si1とSi2の接続点とスイッチ素子Sn3とSn4の接続点(i=n+1,n=1〜4)を接続することにより直列接続される。スイッチ素子Si1とSi2、及びスイッチ素子Si3とSi4はそれぞれ相補的に動作する。つまり、一方がオンのとき他方はオフとなるように動作する。さらにこれらのスイッチ素子をボディダイオードを持つMOSFETで実現する場合、キャパシタCiのプラス側がスイッチ素子Si2,Si4のドレイン、キャパシタCiのマイナス側がスイッチ素子Si1,Si3のソースとなるように直列接続する。
【0008】
スイッチドキャパシタ回路SCの出力VscはスイッチドキャパシタセルSCbが5個直列に接続された回路の両端のセルから取り出し、具体的にはスイッチ素子S11とS12の接続点と、スイッチ素子S53とS54の接続点の間に負荷回路を接続する。また、各スイッチドキャパシタセルへの並列充電回路は、ダイオードD1〜D5のカソードを各キャパシタC1〜C5のプラス側に接続し、アノード同士を接続して直流電源DCとスイッチ素子S6の直列回路に接続し、スイッチ素子S11,S13,S21,…,S43,S51,S53の直列回路(スイッチ列Aとする)の中点であるスイッチ素子S33とS31の接続点に接続する。スイッチ素子S12,S14,S22,…,S44,S52,S54(スイッチ列Bとする)をオフして、スイッチ列Aを全てオンしてスイッチ素子S6をオンすることにより、キャパシタC1,…,C5を並列にスイッチ列Bに接続された側をプラスとして全て同電圧Eで充電する。
【0009】
次に図13をもとに負荷に交流電圧を供給する制御方法の一例について説明する。初期状態としてキャパシタC1,…,C5が全て電圧Eで等しく充電されており、スイッチ列Aが全てオン、スイッチ列Bが全てオフしているとする。
時刻t0にスイッチ素子S13がオフ、スイッチ素子S14がオンとすると、スイッチ素子S11、キャパシタC1、スイッチ素子S14,S21,S23,S31,S33,S41,S43,S51,S53の経路でキャパシタC1がプラス方向に負荷に接続されてスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは+Eとなる。
【0010】
時刻t1にスイッチ素子S23がオフ、スイッチ素子S24がオンすると、スイッチ素子S11、キャパシタC1、スイッチ素子S14,S21、キャパシタC2、スイッチ素子S24,S31,S33,S41,S43,S51,S53の経路でキャパシタC1とC2が直列にプラス方向に負荷に接続されてスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは+2Eとなる。
時刻t2〜t4では同様の制御によりキャパシタC3,C4,C5も順次プラス方向に直列接続することにより、スイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscが順次+3E,+4E,+5Eとステップ状に上がっていく。
【0011】
時刻t5にスイッチ素子S54がオフ、スイッチ素子S53がオンすると、キャパシタC5が負荷電流経路から切り離されてスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは+4Eに下がる。
同様に順次キャパシタC4,C3,C2,C1と負荷電流経路から切り離すことによりスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは階段状に+3E,+2E,+E,0と下がる。
時刻t9に全てのキャパシタC1,…,C5が負荷電流経路から切り離されて、スイッチ列Aが全てオン、スイッチ列Bが全てオフすると、スイッチ素子S6をオンしてキャパシタC1,…,C5を並列に直流電源DCから充電する。
【0012】
充電が完了する時刻t10にスイッチ素子S6をオフし、スイッチ素子S11をオフ、スイッチ素子S12をオンすると、スイッチ素子S12、キャパシタC1、スイッチ素子S13,S21,S23,S31,S33,S41,S43,S51,S53の経路でキャパシタC1がマイナス方向に負荷に接続されてスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscが−Eとなる。同様の制御によりキャパシタC2,C3,C4,C5も順次マイナス方向に直列接続することによりスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscが順次−2E,−3E,−4E,−5Eとステップ状に変化する。
【0013】
スイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscが−5Eになると、時刻t16にキャパシタC5を電流経路から切り離し、スイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは−4Eになる。同様にキャパシタC4,C3,C2,C1を電流経路から切り離すことによりスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscは時刻t19にゼロに戻る。
【0014】
このように、時刻t0〜t19の動作を行えばスイッチドキャパシタ回路SCは階段状に−5E〜5Eの振幅を持つ交流電圧を負荷に印加できる。負荷部のインダクタLfとキャパシタCfにより、スイッチドキャパシタ回路SCの出力する1ステップの階段波形をフィルタリングして滑らかな波形にすれば、負荷には図13に示すような滑らかな交流電圧Voを供給できる。
【0015】
また、スイッチ素子の切り替えによって、ステップ電圧源の負荷側に接続するキャパシタの個数を変化させれば、供給する正弦波の振幅を変化させることができ、先に説明したランプの特性電圧を上回る電圧と下回る電圧を供給でき、バラストの小型化を達成できるものである。次に、入力電源が交流の場合に、同様のスイッチドキャパシタ関連の技術を用いて、入力電流波形を略正弦波状にする回路方式を従来例2として示す。
【0016】
(従来例2)
従来例2の回路図を図14に、各スイッチング素子の制御による回路動作図を図15に、動作波形図を図16に、各素子の電流電圧波形を図17に示す。従来例2の主回路の基本構成は、交流電源ACに全波整流器DBを接続し、その出力にスイッチング素子Sw1とキャパシタC1、及び平滑コンデンサC2と負荷Zの並列回路を直列に接続し、キャパシタC1と並列にキャパシタC1の電圧を調整する制御手段を接続する。その制御手段として、インダクタL1とスイッチング素子Sw2,Sw3、ダイオードD1,D2からなる回路を用いている。回路構成としては、キャパシタC1に並列にスイッチング素子Sw2とインダクタL1、ダイオードD1を接続し、インダクタL1とダイオードD1の接続点とグランドの間にスイッチング素子Sw3を接続する。また、インダクタL1の残留エネルギーを負荷回路に送るために、スイッチング素子Sw2とインダクタL1の接続点とグランド間にダイオードD2を接続している。
【0017】
以下、図14の回路の動作について説明する。まず、交流電源ACから入力される電圧Vinは全波整流器DBにより整流されて、脈流電圧V1を出力として得る。スイッチング素子Sw1が制御回路からの制御信号でオンすると、キャパシタC1と平滑コンデンサC2の和の電圧がV1まで充電される(図15(a)の状態1)。
【0018】
次に、スイッチング素子Sw1がオフした後について述べる。脈流電圧V1が出力電圧Voutよりも高い脈流山部では、スイッチング素子Sw2のみをオンさせる。すると、キャパシタC1とインダクタL1が直列に接続され、キャパシタC1のエネルギーの一部がインダクタL1に移動し、磁気エネルギーとなってインダクタL1に蓄積される(図15(b)の状態2−A)。また、脈流電圧V1が出力電圧Voutよりも低い脈流谷部では、スイッチング素子Sw2とSw3をオンさせる。すると、キャパシタC1と平滑コンデンサC2、インダクタL1が直列に接続され、平滑コンデンサC2のエネルギーの一部がキャパシタC1を充電しながらインダクタL1に移動し、磁気エネルギーとなってインダクタL1に蓄積される(図15(b)の状態2―B)。インダクタL1に流れる電流は共振的な波形となるが、今の場合、キャパシタC1(及び平滑コンデンサC2)とインダクタL1で決まる共振の周期に対して微小区間での動作を示しているので、電流の変化はほぼ直線的に描かれている。上記のような過程によってインダクタL1に一時蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Sw2(及びSw3)をオフした瞬間にダイオードD2がオンし、ダイオードD1を介して負荷回路に全て送られる(図15(c)の状態3)。
【0019】
このようにしてキャパシタC1に蓄積された余分なエネルギーをインダクタL1によって負荷回路に送り、効率良くキャパシタC1の電圧調整を行うものである。回路状態1と状態3は同時に行われてもよい。この繰り返しで平滑コンデンサC2の電圧は徐々に増加していく。また、キャパシタC1は、およそ脈流電圧V1と出力電圧Voutの差の電圧を記億させることにより、スイッチング素子Sw1のオン時には、入力電圧とキャパシタC1を直列に接続し、負荷回路に一定電圧を供給する。さらに、スイッチング素子Sw1のオン直前のキャパシタC1と平滑コンデンサC2の電圧の和V2の波形が全波整流出力V1の波形と相似形になるようにスイッチング素子Sw2(及びSw3)のオン時間を制御することで入力電流波形の包絡線を入力電圧波形と相似にし、入力高調波歪を抑制する。また、この相似比をスイッチング素子Sw2(及びSw3)のオン時間の調整によって変えることにより入力電流のピーク値が変化し、出力電圧は上下する。このことにより、この回路は出力電圧の調整が可能である。
【0020】
このように、交流電源ACに整流器DBを接続し、その出力にスイッチング素子Sw1とキャパシタC1、及び平滑コンデンサC2と負荷Zの並列回路を直列に接続し、キャパシタC1と並列に、インダクタL1とスイッチング素子Sw2,Sw3、ダイオードD1,D2からなる回路によってキャパシタC1の電圧を調整する制御手段を接続し、この制御手段によってキャパシタC1の電圧を制御することにより、入力高調波歪の抑制及び入力電流値の調整、出力電圧の調整を行うことができ、また、動作周波数を高くとることによって各キャパシタやインダクタ、スイッチング素子を小さくすることができるので、任意の一定電圧を発生できる小型の電源装置を提供できるものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の直流電源Eとして、従来例2の出力電圧Voutを用いれば、入力電流歪・高調波の抑制機能を持つ電力変換装置を実現できると考えられる。しかしながら、その場合、PFC部(従来例2)と電力変換部(従来例1)のそれぞれにスイッチドキャパシタを用いるので、直列的に回路が接続されることになり、回路構成部品が多くなったり、効率が低下するという課題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小さな限流素子を用いて放電灯を安定に点灯させる電力変換装置に、入力電流歪・高調波の抑制機能を持たせることにより、特別な力率改善回路が不要で、安価で信頼性の高い放電灯点灯装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の放電灯点灯装置によれば、上記の課題を解決するために、電圧源となる電力変換用キャパシタCiと該キャパシタCiの極性を反転するブリッジ回路より成るセルを複数直列的に接続したステップ電圧発生手段1と、交流電源に交流入力端を接続され、一方の直流出力端をステップ電圧発生手段の一端に接続され、他方の直流出力端を第1のスイッチ素子を介してステップ電圧発生手段の他端に接続された整流手段と、ステップ電圧発生手段1のキャパシタCiの瞬時の直列接続個数の変化で前記交流電源よりも高周波の略交流波形を生成して放電灯5に供給し、略交流波形は放電灯5の特性電圧よりも高いものと低いものを選択的に交互に放電灯5に供給して安定に点灯させる動作を行うと共に、ステップ電圧発生手段1のキャパシタの瞬時の直列接続された電圧が瞬時の交流電源電圧Vinの大きさよりも低く且つキャパシタの瞬時の直列接続個数が異なる場合に比べて瞬時の交流電源電圧との電圧差が小さいタイミングで第1のスイッチ素子をONさせて、ステップ電圧発生手段1の両端を整流手段の出力に接続して略正弦波状の入力電流を交流電源から取り込むことを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の実施例1の回路図を図1に示す。この回路では、従来例で説明したスイッチドキャパシタ回路等を利用したステップ電圧発生手段1を備え、入力電源Vinとステップ電圧発生手段1の間にスイッチ手段Sw1を設け、負荷としての放電灯5に接続されたフィルタ手段4とステップ電圧発生手段1の間にスイッチ手段Sw2を設けたものであり、ステップ電圧発生手段1は入力電源Vinのゼロクロス時に供給するエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段3を有する。ここで、スイッチ手段Sw1,Sw2はステップ電圧発生手段1と兼用しても良い。また、フィルタ手段4は無くても動作は可能である。
【0024】
以下、この回路の動作の概要を説明する。図2は入力電源Vinの1周期を示したもので、ステップ電圧発生手段1を用いて入力電流Iinを引き込み、放電灯5に電力を供給しながら、一部のエネルギーをエネルギー蓄積手段3に蓄え、入力電圧が低いときには、その蓄えたエネルギーを使って放電灯5の点灯を維持する。入力エネルギーの取り込み時においては、ステップ電圧発生手段1の直列接続されたキャパシタの電圧が段数に応じて変化して行く所謂包絡線が瞬時の入力電圧Vinと同じか低い範囲で、その波形が入力電圧と(k・Vinのように)比例するように、その段数を(例えばt1〜t2は1段、t2〜t3は2段というように)制御し、入力電源Vinに接続すれば、入力電源Vinからステップ電圧発生手段1のキャパシタに充電される時に流れる入力電流Iinをほぼ正弦波状に維持することが可能となり、入力歪を改善することができる。
【0025】
次に、図3は高周波出力の2周期を示したもので、図3のt0〜t2のように、放電灯5の特性電圧Vlaよりも高い電圧を出力するには、ステップ電圧発生手段1により多くのキャパシタを直列に接続し、図3のt2〜t4のように、放電灯5の特性電圧Vlaよりも低い電圧を出力するには、ステップ電圧発生手段1により少ないキャパシタを直列に接続して、その包絡線が略正弦波状になるように接続個数を制御し、フィルタ手段4を経由して放電灯5を点灯させる。
【0026】
例えば、入力電源電圧Vinがステップ電圧発生手段1の3段分の電圧よりも高く、4段分の電圧よりも低いタイミング(図2のt3〜t4、t7〜t8)では、出力波形を作るために切り替えていくキャパシタの直列接続個数が3つになったときに、入力電源Vinとステップ電圧発生手段1との接続も行えば、出力と同時に入力の取り込みも行えるようになる。また、入力と出力の周波数の違いから、同じような入力電圧に対して非常に多くの回数分、入力電流を引き込む動作となる。このように、ステップ電圧発生手段を入力電流の引き込みと高周波出力電圧発生の両方に用いることによって、部品点数等を少なくでき、限流要素を小さくしながら効率向上、低ノイズ化を図れるものである。
【0027】
(実施例2)
本発明の実施例2の回路図を図4に示す。この回路でも同様に、従来例で説明したスイッチドキャパシタ回路等を利用したステップ電圧発生手段1を備え、入力電源Vinとステップ電圧発生手段1の間にスイッチ手段Sw1とキャパシタへの突入電流を回避する等の目的のインピーダンス素子Z1を設け、また、負荷としての放電灯5とステップ電圧発生手段1の間にフィルタ手段4を設けたものである。フィルタ手段4は、微小インダクタLfとキャパシタCfよりなる。ステップ電圧発生手段1は、入力電源Vinのゼロクロス時に供給するエネルギーを蓄積するために、平滑コンデンサC0のようなエネルギー蓄積手段を有しており、ステップ電圧発生手段1との間にスイッチ手段Sw3とインピーダンス素子Z2を設けている。ここで、スイッチ手段Sw1,Sw3はステップ電圧発生手段1と兼用しても良い。また、フィルタ手段4、インピーダンス素子Z1,Z2は無くても動作は可能である。
【0028】
この実施例においても、実施例1と同様に、ステップ電圧発生手段を入力電流の引き込みと高周波出力電圧発生の両方に用いることにより、部品点数を少なくし、限流要素を小さくしながら効率向上と低ノイズ化を図れる放電灯点灯装置を提供できるものである。
【0029】
(実施例3)
本発明の実施例3の回路図を図5に示す。この回路でも同様に、従来例で説明したスイッチドキャパシタ回路等を利用したステップ電圧発生手段1を備え、入力電源Vinとステップ電圧発生手段1の間にダイオードD101とキャパシタへの突入電流を回避する等の目的のインピーダンス素子Z3を設け、負荷としての放電灯5とステップ電圧発生手段1の間に、微小インダクタLfとキャパシタCfよりなるフィルタ手段4を有している。ステップ電圧発生手段1は、入力電源Vinのゼロクロス時に供給するエネルギーを蓄積するために、平滑コンデンサC0のようなエネルギー蓄積手段を有しており、ステップ電圧発生手段1との間にダイオードD102とインピーダンス素子Z3を設けている。フィルタ手段4、インピーダンス素子Z3は無くても動作は可能である。
【0030】
この回路の動作の特徴については実施例1と同様であるが、平滑コンデンサC0に蓄えられる電圧が脈流電圧V11よりも高くなると、ダイオードD101とダイオードD102が同時にオンすることが無くなり、入力から平滑コンデンサC0に直接の電流が流れず、ステップ電圧発生手段1を入力電流の引き込みと高周波出力電圧発生の両方に用いることになり、部品点数を少なくし、限流要素を小さくしながら効率向上と低ノイズ化を図れる放電灯点灯装置を提供できるものである。
【0031】
(実施例4)
本発明の実施例4の回路図を図6に示す。この実施例は、実施例3をより具体的にしたものである。スイッチ素子S11〜S54並びにキャパシタC1〜C5で構成されたスイッチドキャパシタ回路部の構成と動作は従来例に準ずるものとする。インダクタL3は脈流電圧V11からスイッチドキャパシタ回路部側へ電流が流れる場合に、電位差によって急峻な電流が流れて効率が低下するのを防ぐ役割を担うものであり、ダイオードD3はインダクタL3の回生電流によりキャパシタC5を充電するために設けられている。
【0032】
本実施例の回路動作を図7に示す。時刻t0において、入力電源電圧Vinを整流した脈流電圧V11が、ステップ電圧発生手段のキャパシタを3個直列接続した3段分の電圧よりも高く、4段分の電圧よりも低いタイミングであるとして説明する。まず、時刻t0でスイッチ素子S14,S11がオンし、スイッチ素子S12,S13がオフすると、スイッチドキャパシタ回路においては、キャパシタC1が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはキャパシタC1の電圧になる。このとき、スイッチ素子S71はオフし、スイッチドキャパシタ回路は入力電源とは切り離されている。
【0033】
次に、時刻t1でスイッチ素子S24,S21がオンし、スイッチ素子S22,S23がオフすると、キャパシタC1,C2の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2の電圧になる。時刻t2でスイッチ素子S34,S31がオンし、スイッチ素子S32,S33がオフすると、キャパシタC1,C2,C3の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3の電圧になる。
【0034】
このとき、入力電源からエネルギーを取り込むベく、スイッチ素子S71をオンするので、ダイオードD1、スイッチ素子S71、インダクタL3を介してキャパシタC1,C2,C3の直列回路への充電と出力への電流供給が行われる。このとき、入力電流が急峻になることを防ぐためにインダクタL3に蓄えられたエネルギーは、ダイオードD3を介してキャパシタC5へ充電される。
【0035】
時刻t3でスイッチ素子S44,S41がオンし、スイッチ素子S42,S43がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4の電圧になり、出力への電流供給が行われるが、ダイオードD1がオフして入力電源Vinからの充電電流は流れなくなる。時刻t4でスイッチ素子S54,S51がオンし、スイッチ素子S52,S53がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路SCの出力VscはC1+C2+C3+C4+C5の最大の出力電圧になる。また、このとき、スイッチ素子S81がオンする。平滑コンデンサC0の電圧Vdcがスイッチドキャパシタ回路の出力Vscよりも低ければ、スイッチドキャパシタ回路側から平滑コンデンサC0への充電が行われ、逆に高ければ平滑コンデンサC0からスイッチドキャパシタ回路の各キャパシタへの充電が行われる。
【0036】
時刻t5でスイッチ素子S81がオフし、平滑コンデンサC0との充放電は停止し、時刻t5からは、これまでとは逆にスイッチドキャパシタ回路SCの出力Vscが減少していき、時刻t7でスイッチ素子S71がオフして入力電源からのエネルギーの取り込みは停止する。ここから時刻t20までは入力からのエネルギーの取り込みは停止したままで、時刻t20からは再び時刻t0と同様な回路動作となる。
【0037】
ここで、入力電源電圧Vinを整流した脈流電圧V11がステップ電圧発生手段のキャパシタを3個直列接続した3段分の電圧よりも高く、4段分の電圧よりも低いタイミングであるとして説明してきたが、脈流電圧V11がステップ電圧発生手段のキャパシタを2個直列接続した2段分の電圧よりも高く、3段分の電圧よりも低いタイミングであれば、スイッチ素子S71がオンするタイミングを時刻t1〜t8とし、脈流電圧V11がステップ電圧発生手段のキャパシタを4個直列接続した4段分の電圧よりも高く、5段分の電圧よりも低いタイミングであれば、スイッチ素子S71がオンするタイミングを時刻t3〜t6とすれば、幅広い入力電圧値での入力電流の取り込みが可能となり、入力電流歪が改善できる。
【0038】
入力電圧の山部では、多くのキャパシタを直列接続して入力を引き込むため、入力電圧との電圧差が大きくなって、多くのエネルギーを引き込んで平滑コンデンサC0側に充電し、入力電圧の谷部では、逆に少ないキャパシタを直列接続して入力を引き込むため、入力電圧との電圧差が小さくなって、少ないエネルギーを引き込んで平滑コンデンサC0からのエネルギー供給が増加する動作となる。
【0039】
さらに、入力電源からの電流引き込み時に充電されるキャパシタは、キャパシタC1から順番でなくても良く、スイッチ素子S11〜S54の制御によって接続するキャパシタをどれにするかを選択出来るものであり、平均的な充電回数が各キャパシタで等しい方がキャパシタ間での電圧のばらつきが少なくなり、効率の向上や出力波形の歪の少なさが顕著になる。本実施例も小さな限流要素を用いて効率向上と低ノイズ化を図れる放電灯点灯装置を提供できるものである。
【0040】
(実施例5)
本発明の実施例5の回路図を図8に示す。この実施例は、実施例2をより具体的にしたものである。スイッチ素子S11〜S54並びにキャパシタC1〜C5で構成されたスイッチドキャパシタ回路部の構成と動作は従来例に準ずるものとする。インダクタL3は脈流電圧V11からスイッチドキャパシタ回路部側へ電流が流れる場合に、電位差によって急峻な電流が流れて効率が低下するのを防ぐ役割を担うものであり、ダイオードD3はインダクタL3の回生電流によりキャパシタC5を充電するために設けられている。
【0041】
本実施例の回路動作を図9に示す。時刻t0において、入力電源電圧Vinを整流した脈流電圧V11がステップ電圧発生手段のキャパシタを3個直列接続した3段分の電圧よりも高く、4段分の電圧よりも低いタイミングであるとして説明する。まず、時刻t0でスイッチ素子S14,S11がオンし、スイッチ素子S12,S13がオフすると、スイッチドキャパシタ回路においては、キャパシタC1が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはキャパシタC1の電圧になる。このとき、スイッチ素子S91はオフし、入力電源とは切り離されているが、スイッチ素子S111,S112はオンし、キャパシタC1と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。図示していないが、スイッチ素子S121,S122,S131,S132,S141,S142,S151,S152はオフしている。
【0042】
時刻t1でスイッチ素子S24,S21がオンし、スイッチ素子S22,S23がオフすると、キャパシタC1,C2の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路SCの出力はC1+C2の電圧になる。時刻t2でスイッチ素子S34,S31がオンし、スイッチ素子S32,S33がオフすると、キャパシタC1,C2,C3の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路SCの出力はC1+C2+C3の電圧になる。このとき、入力電源からエネルギーを取り込むべく、スイッチ素子S91をオンするので、ダイオードD1、スイッチ素子S91、インダクタL3を介してキャパシタC1,C2,C3の直列回路への充電と出力への電流供給が行われる。また、入力電流が急峻になることを防ぐためのインダクタL3に蓄えられたエネルギーは、ダイオードD3を介してキャパシタC5へ充電される。
【0043】
時刻t3でスイッチ素子S44,S41がオンし、スイッチ素子S42,S43がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4の電圧になり、出力への電流供給が行われるが、ダイオードD1がオフして入力電源からの充電電流は流れなくなる。時刻t4でスイッチ素子S54,S51がオンし、スイッチ素子S52,S53がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4+C5の最大の出力電圧になる。
【0044】
時刻t5からは、これまでとは逆に電圧が減少していき、時刻t7でスイッチ素子S91がオフして入力からのエネルギーの取り込みは停止する。ここから時刻t20までは、入力からのエネルギーの取り込みは停止したままで時刻t20に至る。
【0045】
時刻t20でスイッチ素子S24,S21がオンし、スイッチ素子S22,S23がオフし、スイッチ素子S11,S13がオンし、スイッチ素子S14,S12がオフすると、スイッチドキャパシタ回路としてはキャパシタC2が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはキャパシタC2の電圧になる。このとき、スイッチ素子S91はオフし、入力電源とは切り離されているが、スイッチ素子S121,S122はオンし、キャパシタC2と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。図示していないが、スイッチ素子S111,S112,S131,S132,S141,S142,S151,S152はオフしている。
【0046】
時刻t21でスイッチ素子S34,S31がオンし、スイッチ素子S32,S33がオフすると、キャパシタC2,C3の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3の電圧になる。時刻t22でスイッチ素子S44,S41がオンし、スイッチ素子S42,S43がオフすると、キャパシタC2,C3,C4の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3+C4の電圧になる。このとき、入力電源からエネルギーを取り込むべく、スイッチ素子S91をオンするので、ダイオードD1、スイッチ素子S91、インダクタL3を介してキャパシタC2,C3,C4の直列回路への充電と出力への電流供給が行われる。また、入力電流が急峻になることを防ぐためのインダクタL3に蓄えられたエネルギーは、ダイオードD3を介してキャパシタC5へ充電される。
【0047】
時刻t23でスイッチ素子S54,S51がオンし、スイッチ素子S52,S53がオフすると、キャパシタC2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3+C4+C5の電圧になり、出力への電流供給が行われるが、ダイオードD1がオフして入力電源からの充電電流は流れなくなる。時刻t24でスイッチ素子S14,S11がオンし、スイッチ素子S12,S13がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4+C5の最大の出力電圧になる。時刻t25からは、これまでとは逆に電圧が減少していき、時刻t27でスイッチ素子S91がオフして入力からのエネルギーの取り込みは停止する。
【0048】
ここで、時刻t20までとの差異は、接続されるキャパシタとして、キャパシタC1が最後に接続されるようになり、常に平滑コンデンサC0とキャパシタC2が接続され、エネルギーの充放電が行われている点である。キャパシタがつながっていく順番をサイクル毎に変更していくことによって、各キャパシタC1〜C5の電圧のばらつきを低減しながら、幅広い入力電圧値にて入力電流の取り込みが可能となり、入力電流歪が改善できる。また、平滑コンデンサC0の電圧はキャパシタ1個分の電圧と等しくなるため、低い耐圧の素子を使用することが可能となって、コスト的にも有利になる。
【0049】
本実施例も入力電圧の山部では、多くのキャパシタを直列接続して入力を引き込むため入力電圧との電圧差が大きくなって多くのエネルギーを引き込んで、平滑コンデンサC0側に充電し、入力電圧の谷部では、逆に少ないキャパシタを直列接続して入力を引き込むため入力電圧との電圧差が小さくなって少ないエネルギーを引き込んで、平滑コンデンサC0からのエネルギー供給が増加する動作が可能となり、小さな限流要素を用いて、効率向上と低ノイズ化を図れる放電灯点灯装置を提供できるものである。
【0050】
(実施例6)
本発明の実施例6の回路図を図10に示す。この実施例も、実施例2をより具体的にしたものである。スイッチ素子S11〜S54並びにキャパシタC1〜C5で構成されたスイッチドキャパシタ回路部の構成と動作は従来例に準ずるものとする。インダクタL3は脈流電圧V11からスイッチドキャパシタ回路部側へ電流が流れる場合に、電位差によって急峻な電流が流れて効率が低下するのを防ぐ役割を担うものであり、ダイオードD3はインダクタL3の回生電流によりキャパシタC5を充電するために設けられている。
【0051】
本実施例の回路動作を図11に示す。時刻t0において、入力電源電圧Vinを整流した脈流電圧V11がステップ電圧発生手段のキャパシタを1個接続した1段分の電圧よりも高く、2段分の電圧よりも低いタイミングであるとして説明する。まず、時刻t0でスイッチ素子S14,S11がオンし、スイッチ素子S12,S13がオフすると、スイッチドキャパシタ回路においては、キャパシタC1が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはキャパシタC1の電圧になる。このとき、入力電源からエネルギーを取り込むべく、スイッチ素子S91をオンするので、ダイオードD1、スイッチ素子S91、インダクタL3を介してキャパシタC1への充電と出力への電流供給が行われる。また、入力電流が急峻になることを防ぐためのインダクタL3に蓄えられたエネルギーはダイオードD3を介してキャパシタC5へ充電される。図示していないが、スイッチ素子S131,S132,S141,S142,S151,S152はオフしている。
【0052】
次に、時刻t1でスイッチ素子S24,S21がオンし、スイッチ素子S22,S23がオフすると、キャパシタC1,C2の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2の電圧になり、出力への電流供給が行われるが、ダイオードD1がオフして入力電源からの充電電流は流れなくなる。時刻t2でスイッチ素子S34,S31がオンし、スイッチ素子S32,S33がオフすると、キャパシタC1,C2,C3の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3の電圧になる。このとき、スイッチ素子S131,S132はオンし、キャパシタC1,C2,C3の直列回路と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。
【0053】
時刻t3でスイッチ素子S44,S41がオンし、スイッチ素子S42,S43がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4の電圧になる。時刻t4でスイッチ素子S54,S51がオンし、スイッチ素子S52,S53がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4+C5の最大の出力電圧になる。
【0054】
時刻t5からは、これまでとは逆に電圧が減少していき、時刻t7でスイッチ素子S131,S132がオフし、キャパシタC1,C2,C3の直列回路と平滑コンデンサC0のエネルギーの充放電を停止する。また、時刻t9でスイッチ素子S91がオフして入力電源からのエネルギーの取り込みを停止する。ここから時刻t20までは、入力からのエネルギーの取り込みは停止したままで時刻t20に至る。
【0055】
時刻t20でスイッチ素子S24,S21がオンし、スイッチ素子S22,S23がオフし、スイッチ素子S11,S13がオンし、スイッチ素子S14,S12がオフすると、スイッチドキャパシタ回路においては、キャパシタC2が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはキャパシタC2の電圧になる。このとき、入力電源からエネルギーを取り込むベく、スイッチ素子S91をオンするので、ダイオードD1、スイッチ素子S91、インダクタL3を介してキャパシタC2への充電と出力への電流供給が行われる。また、入力電流が急峻になることを防ぐためのインダクタL3に蓄えられたエネルギーはダイオードD3を介してキャパシタC5へ充電される。図示していないが、スイッチ素子S131,S132,S141,S142,S151,S152はオフしている。
【0056】
時刻t21でスイッチ素子S34,S31がオンし、スイッチ素子S32,S33がオフすると、キャパシタC2,C3の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3の電圧になり、出力への電流供給が行われるが、ダイオードD1がオフして入力電源からの充電電流は流れなくなる。時刻t22でスイッチ素子S44,S41がオンし、スイッチ素子S42,S43がオフすると、キャパシタC2,C3,C4の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3+C4の電圧になる。このとき、スイッチ素子S141,S142はオンし、キャパシタC2,C3,C4の直列回路と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。
【0057】
時刻t23でスイッチ素子S54,S51がオンし、スイッチ素子S52,S53がオフすると、キャパシタC2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC2+C3+C4+C5の電圧になる。時刻t24でスイッチ素子S14,S11がオンし、スイッチ素子S12,S13がオフすると、キャパシタC1,C2,C3,C4,C5の直列回路が出力に接続され、スイッチドキャパシタ回路の出力VscはC1+C2+C3+C4+C5の最大の出力電圧になる。時刻t24〜t25では、スイッチ素子S141,S142を一時的にオフさせる。これは、キャパシタC1,C2,C3,C4の直列回路が平滑コンデンサC0に接続されることを避けるためである。
【0058】
時刻t25からはスイッチ素子S141,S142が再びオンとなり、これまでとは逆に電圧が減少していき、時刻t27でスイッチ素子S141,S142がオフし、キャパシタC2,C3,C4の直列回路と平滑コンデンサC0のエネルギーの充放電を停止する。また、時刻t29でスイッチ素子S91がオフして入力電源からのエネルギーの取り込みを停止する。
【0059】
ここで、時刻t20までとの差異は、接続されるキャパシタとして、キャパシタC1が最後に接続されるようになり、平滑コンデンサC0とキャパシタC2,C3,C4の直列回路が接続され、エネルギーの充放電が行われている点である。キャパシタがつながっていく順番をサイクル毎に変更していくことによって、各キャパシタの電圧のばらつきを低減しながら、幅広い入力電圧値にて入力電流の取り込みが可能となり、入力電流歪が改善できる。
【0060】
また、図示していないが、時刻t2〜t3及び時刻t6〜t7において、スイッチ素子S141,S142,S151,S152をオンすることで、キャパシタC3,C4,C5が並列接続され、これとキャパシタC1,C2を直列に接続した回路と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。同様に、時刻t22〜t23及び時刻t26〜t27においてスイッチ素子S151,S152をオンすることで、キャパシタC4,C5が並列接続され、これとキャパシタC2,C3を直列に接続した回路と平滑コンデンサC0が接続され、エネルギーの充放電が行われる。このような動作の組合せにより、各キャパシタの電圧のばらつきをさらに低減することができる。
【0061】
さらに、本実施例では、平滑コンデンサC0の電圧はキャパシタ3個分と等しくなるため、脈流電圧の周波数に応じた平滑コンデンサC0の電圧リップルが小さくなり、各キャパシタの脈流電圧の周波数に応じた電圧リップルも小さくなるので、負荷に流れる電流の波高率も低減される。
【0062】
本実施例も入力電圧の山部では、多くのキャパシタを直列接続して入力を引き込むため入力電圧との電圧差が大きくなって多くのエネルギーを引き込んで、平滑コンデンサC0側に充電し、入力電圧の谷部では、逆に少ないキャパシタを直列接続して入力を引き込むため入力電圧との電圧差が小さくなって少ないエネルギーを引き込んで、平滑コンデンサC0からのエネルギー供給が増加する動作が可能となり、小さな限流要素を用いて、効率向上と低ノイズ化を図れる放電灯点灯装置を提供できるものである。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、階段状波形を発生するステップ電圧源を用いることにより限流素子の大幅な削減が可能であり、また、このステップ電圧源を用いて交流電圧源からの入力電流を引き込む動作を行わせることにより、入力電流歪・高調波の抑制が可能な放電灯点灯装置を安価に提供できるという効果がある。
【0064】
請求項2の発明によれば、素子に流れる瞬時値の高い電流をインピーダンス素子により制限することにより、一層の小型化を可能とする効果がある。
【0065】
請求項4の発明によれば、回路のスイッチ素子数の削減により低コスト化を可能とする効果がある。請求項5の発明によれば、電荷を蓄えるコンデンサやスイッチ素子の耐電圧を低減し、低コスト化を可能とする効果がある。請求項6の発明によれば、電荷を蓄えるコンデンサやスイッチ素子の耐電圧をバランスよく低減し、コスト低減を可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のブロック回路図である。
【図2】本発明の実施例1の入力波形を示す波形図である。
【図3】本発明の実施例1の出力波形を示す波形図である。
【図4】本発明の実施例2のブロック回路図である。
【図5】本発明の実施例3のブロック回路図である。
【図6】本発明の実施例4の回路図である。
【図7】本発明の実施例4の動作波形図である。
【図8】本発明の実施例5の回路図である。
【図9】本発明の実施例5の動作波形図である。
【図10】本発明の実施例6の回路図である。
【図11】本発明の実施例6の動作波形図である。
【図12】従来例1の回路図である。
【図13】従来例1の動作説明図である。
【図14】従来例2の回路図である。
【図15】従来例2の動作説明のための回路図である。
【図16】従来例2の入力交流電源の半周期分の動作波形図である。
【図17】従来例2の各部の電流電圧波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 ステップ電圧発生手段
2 制御手段
3 エネルギー蓄積手段
4 フィルタ手段
5 放電灯
Vin 入力交流電源
C0 平滑コンデンサ
Sw1 スイッチ手段
Sw2 スイッチ手段
Claims (6)
- 電圧源となる電力変換用キャパシタと該キャパシタの極性を反転するブリッジ回路より成るセルを複数直列的に接続したステップ電圧発生手段と、
交流電源に交流入力端を接続され、一方の直流出力端をステップ電圧発生手段の一端に接続され、他方の直流出力端を第1のスイッチ素子を介してステップ電圧発生手段の他端に接続された整流手段と、
ステップ電圧発生手段のキャパシタの瞬時の直列接続個数の変化で前記交流電源よりも高周波の略交流波形を生成して放電灯に供給し、略交流波形は放電灯の特性電圧よりも高いものと低いものを選択的に交互に放電灯に供給して安定に点灯させる動作を行うと共に、
ステップ電圧発生手段のキャパシタの瞬時の直列接続された電圧が瞬時の交流電源電圧の大きさよりも低く且つキャパシタの瞬時の直列接続個数が異なる場合に比べて瞬時の交流電源電圧との電圧差が小さいタイミングで第1のスイッチ素子をONさせて、ステップ電圧発生手段の両端を整流手段の出力に接続して略正弦波状の入力電流を交流電源から取り込むことを特徴とする放電灯点灯装置。 - 請求項1において、整流手段とステップ電圧発生手段との間に接続された前記第1のスイッチ素子と直列にインピーダンス素子を接続したことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項1又は2において、一方の電極をステップ電圧発生手段の前記一端に接続され、他方の電極に第2のスイッチ素子を直列に接続され、該第2のスイッチ素子を介してステップ電圧発生手段の少なくとも1つのキャパシタにエネルギーを供給する平滑コンデンサを備えることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項3において、第2のスイッチ素子はステップ電圧発生手段のキャパシタの瞬時の直列接続された電圧が最大となるタイミングでONされて、ステップ電圧発生手段の全キャパシタの直列回路と平滑コンデンサを並列接続することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項3において、第2のスイッチ素子は平滑コンデンサの前記他方の電極をステップ電圧発生手段の各キャパシタの一端に択一的に接続する複数のスイッチ素子よりなり、平滑コンデンサの電圧とステップ電圧発生手段の各キャパシタの電圧とが略等しくなるように、平滑コンデンサと択一的に並列接続されるキャパシタを切り替えることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項3において、第2のスイッチ素子はステップ電圧発生手段の複数個のキャパシタが直列に接続されたタイミングで、該複数個のキャパシタの直列回路と平滑コンデンサとを並列接続することを特徴とする放電灯点灯装置。
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