JP3980958B2 - ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば塗料や接着剤等の用途に好適なウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ウレタン樹脂組成物は、各種基材への密着性、耐水(耐熱水)性、耐溶剤性、強度などに優れることから、例えば塗料や接着剤等として有用であり、幅広い用途で汎用されている。このとき、ウレタン樹脂組成物の硬化に使用される硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、イソシアネート基を保護したブロックイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物等が広く用いられている。これら硬化剤のうち、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物は、組成物の貯蔵安定性の問題から一液型での使用は困難であり、ニ液型で使用せざるを得ないこととなるが、使用時の簡便性の点からも一液型が強く要望されていた。しかも、ポリイソシアネート化合物やアジリジン化合物等は、安全面での問題も懸念されている。また、硬化剤としてブロックイソシアネート化合物を用いた場合には、一般に、使用時に100℃以上の高温で加熱することが必須となるため、温和な条件下では使用できず、特定用途に限定して使用されてきた。
【0003】
また、近年、大気汚染等の環境の問題から、各種インク、染料、接着剤等の分野において従来から汎用されてきた溶剤系のウレタン樹脂組成物を水系ウレタン樹脂組成物へと転換する試みが検討されている。しかし、水系のウレタン樹脂組成物は、耐水(耐熱水)性、耐溶剤性、密着性等の物性を期待することが困難であるため、ほとんど実用化には至っていない。しかも、水系ウレタン樹脂組成物において、前述した問題を解決し、一液型として使用可能な優れた貯蔵安定性や高い安全性を備え、使用時に高温加熱を要することのなく幅広い用途に汎用できるようにすることは、溶剤系ウレタン組成物以上に困難であると考えられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、水系樹脂組成物でありながら、一液型として使用可能な優れた貯蔵安定性と高い安全性とを備え、かつ使用時に高温加熱を要することなく、各種基材への密着性、耐水(耐熱水)性、耐溶剤性、強度などに優れた塗膜を得ることができる、ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水分散性ウレタン系樹脂に特定分子量のカチオン性樹脂を組み合わせることにより、水分散性ウレタン系樹脂が有するカルボキシル基とカチオン性樹脂が有するアミノ基とが凝集を生じ、水分散性ウレタン系樹脂に多価金属化合物を組み合わせることにより、水分散性ウレタン系樹脂が有するカルボキシル基や水酸基やアミノ基と多価金属化合物とが安定な共有結合により複雑な高分子マトリックスを形成し、さらに該高分子マトリックス中の多価金属が水分散性ウレタン系樹脂およびカチオン性樹脂が有する官能基とキレーションを形成してより強固に固定されることに着目し、これら作用を利用することにより前記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明のウレタン樹脂組成物は、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン系樹脂に、数平均分子量600〜5,000,000のポリアルキレンイミン類、ポリアミドアミン類、アミノスルホポリエステル類、ポリアリルアミン類、ポリビニルアミン類およびこれらの変性ポリマーからなる群から選ばれる1種または2種以上からなる塩基性含窒素樹脂と、炭酸アンモニウムジルコニウムが組み合わされてなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のウレタン樹脂組成物は、水分散性ウレタン系樹脂を必須とするものである。
前記水分散性ウレタン系樹脂は、コロイダルディスパージョンやエマルション形態の水分散性をもつウレタン系樹脂であり、好ましくは、カルボキシル基を分子内に有するウレタン系樹脂が挙げられる。カルボキシル基を分子内に含有するウレタン系樹脂としては、特に限定されず、活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネートとから得られ、実質的に遊離イソシアネート基を有しないものが挙げられる。なお、水分散性ウレタン系樹脂としては、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0008】
前記分子内にカルボキシル基を含有するウレタン系樹脂は、一般的に、低分子ポリオール、高分子ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン等のうちの1種以上からなる活性水素含有化合物と、有機ポリイソシアネートとから得ることができる。このとき、活性水素含有化合物としては、少なくとも高分子ポリオールを必須としていることが好ましい。具体的には、例えば、有機ポリイソシアネートと、活性水素含有化合物として高分子ポリオールおよびヒドロキシカルボン酸等とを重合して、両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、さらに該プレポリマーのカルボキシル基部分をトリエチルアミン等の3級アミンや苛性ソーダ等の塩基性化合物で中和することにより、分子鎖中に親水性基を持たせて水中に分散した後、得られたプレポリマーに、ポリアミンや低分子ポリオール等の活性水素基含有化合物を反応させる自己乳化法等により製造することができるが、勿論該方法に限定されず、公知の重合方法によっても製造することができる。なお、ポリウレタン重合反応の際の温度は、特に制限されないが、通常、40〜140℃、好ましくは60〜120℃(但し、ポリアミンを反応させる場合は、通常、80℃以下、好ましくは0〜70℃)で行われる。また、ポリウレタン重合反応は、例えば、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の溶剤中で行ってもよく、該溶剤は反応途中または反応後に加えてもよい。
【0009】
前記活性水素含有化合物である低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキシレングリコール等の二官能ポリオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークローズ等の三官能以上のポリオール;乳酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸;等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。また、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノアルコールを一部併用してもよい。
【0010】
前記活性水素含有化合物である高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、ポリマーポリオール、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの中でも特に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。さらに具体的には、前記ポリエーテルポリオールとしては、前記低分子ポリオール、多価フェノール類(例えば、ビスフェノールA等のビスフェノール類)、アミン類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン;等。)等から選ばれる1種以上のアルキレンオキシド付加物やアルキレンオキシドの開環重合物等が挙げられる。アルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等。)の1種または2種以上が挙げられ、ランダム付加物であってもブロック付加物であってもよい。アルキレンオキシドの開環重合物としては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、前記ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸(例えば、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、二量化リノレイン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸;等。)と前記低分子ポリオールまたは前記ポリエーテルポリオール(例えば、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等。)との末端がヒドロキシル基であるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンジオール等のラクトンポリエステル、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。また、前記ポリマーポリオールとしては、ポリオール(前記ポリエーテルポリオール、前記ポリエステルポリオール等。)中で、アクリロニトリル、スチレン等のビニルモノマーを重合させたポリオール等が挙げられる。
【0011】
前記活性水素含有化合物であるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、前記低分子ポリオールの例として前述したものが挙げられる。
前記活性水素含有化合物であるポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(水添MBA)、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノメチルジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン等の脂環族ポリアミン;キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン等の芳香環を有する脂肪族ジアミン;ジフェニルメタンジアミン、ジクロロジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、ベンジジン、フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノ−またはジ−エタノールアミン、プロパノールアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン等のアルカノールアミン;高分子ポリオールの例として前述したポリエーテルポリオールの末端OH基がアミノ基によって置換された化合物(例えば、ポリオキシエチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレンエーテルジアミン等。)等のポリアルキレンオキシドポリアミン;およびこれらアミンの2種以上の混合物;等が挙げられる。これらの中でも特に、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンが好ましい。
【0012】
前記有機ポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等の炭素数(イソシアネート(NCO)基中の炭素を除く)2〜12の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等の炭素数(イソシアネート(NCO)基中の炭素を除く)4〜15の脂環族ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート等の炭素数(イソシアネート(NCO)基中の炭素を除く)8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネート;HDIの水変性物、IPDIまたはHDIの三量化物;トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPIすなわち粗製MDI)、ナフチレンジイソシアネート等の炭素数(イソシアネート(NCO)基中の炭素を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート;および前記ポリイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ビュウレット基、イソシアヌレート基のうちの1種以上を含有する変性物など);等が挙げられる。これらの中でも特に、HDI、IPDI、水添MDI、テトラメチルキシリレンジイソシアネートが好ましい。
【0013】
前記水分散性ウレタン系樹脂中に含まれるカルボキシル基および/またはヒドロキシル基の合計含有量は、0.02〜3.6meq/gであることが好ましく、より好ましくは0.02〜1.8meq/g、さらに好ましくは0.04〜0.09meq/gであるのがよい。水分散性ウレタン系樹脂中のカルボキシル基とヒドロキシル基との合計含有量が0.02meq/g未満であると、架橋が不充分となり、形成された樹脂組成物層の耐性が低下しやすくなり、一方、3.6meq/gを越えると、組成物の安定性が悪化する恐れがあるため、いずれも好ましくない。
【0014】
前記水分散性ウレタン系樹脂の数平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、より好ましくは3,000以上であるのがよい。水分散性ウレタン系樹脂の数平均分子量が1,000未満であると、マトリックス形成時の分子量アップが不充分となり、形成された樹脂組成物層の耐性が低下する傾向がある。また、前記水分散性ウレタン系樹脂の数平均分子量の上限は特に限定されないが、あまりに大きすぎると、マトリックス形成時の分子量アップが過分となり、密着性が低下したり、塗膜が脆くなったりする傾向があるため、好ましくは200,000以下であるのがよい。
【0015】
前記水分散性ウレタン系樹脂のガラス転移点(Tg)は、−50〜130℃であることが好ましく、さらに好ましくは−10〜100℃であるのがよい。水分散性ウレタン系樹脂のガラス転移点(Tg)が−50℃未満であると、マトリックスが過度に軟化するため、形成された樹脂組成物層の耐性が低下する傾向があり、一方、130℃を越えると、マトリックスが過度に硬くなるため、形成された樹脂組成物層が脆くなる傾向がある。
本発明のウレタン樹脂組成物における前記水分散性ウレタン系樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、固形分(不揮発分)換算で、50.0〜99.8重量%であることが好ましく、より好ましくは60.0〜99.0重量%、さらに好ましくは70.0〜98.0重量%であるのがよい。水分散性ウレタン系樹脂の含有量が50.0重量%未満であると、カチオン性樹脂や多価金属化合物の含有量が過分となり、物性や組成物の安定性が悪化する恐れがあり、一方、99.8重量%を超えると、カチオン性樹脂や多価金属化合物の含有量が少なくなり過ぎて、硬化が不充分となり、耐性が低下する傾向があるため、いずれも好ましくない。
【0016】
本発明のウレタン樹脂組成物はカチオン性樹脂を必須とするものである。カチオン性樹脂としては、カチオン性の官能基を有する樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、カチオン性の官能基としてアミノ基を有する、ポリアルキレンイミン類、ポリアミドアミン類、アミノスルホポリエステル類、ポリアリルアミン類、ポリビニルアミン類、およびこれらの変性ポリマー等の塩基性含窒素樹脂が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、カチオン性樹脂の使用時の形態は、特に限定されるものではないが、水溶液が好ましい。
【0017】
前記ポリアルキレンイミン類は、一般に、エチレンイミン、1,2−プロピレンイミン、1,2−ドデシレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン、フェニルエチレンイミン、ベンジルエチレンイミン、ヒドロキシエチルエチレンイミン、アミノエチルエチレンイミン、2−メチルプロピレンイミン、3−クロロプロピルエチレンイミン、メトキシエチルエチレンイミン、ドデシルアジリジニルフォルメート、N−エチルエチレンイミン、N−(2−アミノエチル)エチレンイミン、N−フェネチルエチレンイミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、N−(シアノエチル)エチレンイミン、N−(p−クロロフェニル)エチレンイミン等のアルキレンイミンをイオン重合させる方法、あるいは、アルキルオキサゾリンを重合させた後、該重合体を部分加水分解または完全加水分解させる方法等で製造することができるが、特に限定はされない。
【0018】
前記ポリビニルアミン類は、例えば、N−ビニルホルムアミドを重合させてポリ(N−ビニルホルムアミド)とした後、これを塩酸等の酸や塩基性物質により部分加水分解または完全加水分解する方法、あるいは、ポリニトロエチレンやその誘導体を還元する方法、あるいは、ポリアクリルアミドをホフマン分解する方法、あるいは、N−ビニルフタルイミド樹脂をアルカリ還元する方法等によって得ることができるが、特に限定はされない。例えば、ポリビニルアミン、ポリメタビニルアミン、ポリビニルアミン塩酸塩、ポリビニルエチルアミン塩酸塩、ポリメタビニルメチルアミン塩酸塩、ポリビニル−N−トリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
【0019】
前記ポリアリルアミン類は、一般に、アリルアミンモノマーの塩酸塩を重合させた後、塩酸を除去することにより得られるが、特に限定はされない。例えば、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルエチルアミン塩酸塩、ポリアリルジメチルエチルアンモニウム塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩重合体、ジアリルメチルアミン塩酸塩重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩重合体、これらの二酸化硫黄共重合体、アクリルアミド共重合体、ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0020】
前記ポリアミドアミン類は、一般に、ヘキサメチレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジプロピレンペンタアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、琥珀酸、マレイン酸、グルタル酸、コルク酸、セバシン酸等のジカルボン酸またはこれらの酸塩化物等の誘導体とを加熱し、生成する水を減圧下除去する、重縮合、界面重縮合、低温溶液重縮合、ポリリン酸溶液重縮合、固相重縮合等により得られる重縮合物;ジイソシアネートとジカルボン酸との重付加物;ラクタムの開環重合物;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
前記アミノスルホポリエステル類は、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のポリアルカノールアミン類と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール類と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、琥珀酸、マレイン酸、グルタル酸、コルク酸、セバシン酸等のジカルボン酸と、および5−ソジオスルホイソフタル酸とを加熱し、生成する水を減圧下除去し、脱水縮合することにより得られるが、これらに限定はされない。
本発明におけるカチオン性樹脂は、さらに、前述の2種以上のカチオン性樹脂同士を架橋剤により架橋したものであってもよい。例えば、ポリアルキレンイミンとポリアミドとをエピクロルヒドリン等で架橋したものが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、本発明のカチオン性樹脂は、変性ポリマーであってもよく、例えば、変性率0〜100%のエチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、スチレンオキシド変性、α,β−不飽和エステル変性等が挙げられる。
【0022】
前記カチオン性樹脂の数平均分子量は、600〜5,000,000であることが重要である。より好ましくは1,000〜230,000であるのがよい。カチオン性樹脂の数平均分子量が600未満であると、マトリックス形成時の分子量アップが不充分となり、形成された樹脂組成物層の耐性が低下することとなる。一方、5,000,000を越えると、マトリックス形成時の反応が不充分となり、耐水性が低下することとなる。
本発明のウレタン樹脂組成物における前記カチオン性樹脂の含有量は、固形分(不揮発分)換算で、0.1〜25.0重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜15.0重量%であるのがよい。カチオン性樹脂の含有量が0.1重量%未満であると、マトリックス形成時の硬化が不充分となり、耐性が低下する傾向があり、一方、25.0重量%を越えると、組成物の安定性や耐水性等が悪化する恐れがあるため、いずれも好ましくない。
【0023】
本発明のウレタン樹脂組成物は、多価金属化合物を必須とするものである。多価金属化合物としては、例えばカルボキシル基やアミノ基のような前記水分散性ウレタン系樹脂またはカチオン性樹脂中の酸性官能基または塩基性官能基と共有結合可能なものであれば特に制限はなく、例えば、その金属種として、ジルコニウム、亜鉛、ホウ素、チタン等が挙げられ、好ましくはジルコニウム、亜鉛、ホウ素またはチタンである。また、その配位子として、アンモニウムヒドロキシド、炭酸アンモニウム、カルボン酸アンモニウム、カルボン酸類、ハロゲン化物等が挙げられる。具体的には、これらの金属種と配位子からなる化合物として、例えば、炭酸アンモニウムジルコニウム、乳酸アンモニウムジルコニウム、酢酸アンモニウムジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム、炭酸アンモニウム亜鉛、ボレート、シュウ酸チタンアンモニウム、炭酸チタンアンモニウム等が挙げられる。また、これらを、例えば酒石酸、グルコン酸等で安定化したものであってもよい。これら多価金属化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明のウレタン樹脂組成物における前記多価金属化合物の含有量は、固形分(不揮発分)換算で、0.1〜25.0重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜20.0重量%、さらに好ましくは1.0〜10.0重量%であるのがよい。多価金属化合物の含有量が0.1重量%未満であると、マトリックス形成時の硬化が不充分となる恐れがあり、一方、25.0重量%を越えると、マトリックスの架橋密度が過分となり、形成された樹脂組成物層が脆くなる傾向があるため、いずれも好ましくない。
本発明のウレタン樹脂組成物においては、さらに、揮発性塩基性化合物が組み合わされてなることが好ましい。揮発性塩基性化合物を存在させておくことにより、使用されるまでの間、前記水分散性ウレタン系樹脂の有する酸性官能基を保護し、ポットライフをさらに向上させることができるのである。そして、この揮発性塩基性化合物は、使用時には容易に揮発するので、保護されていた酸性官能基は速やかにマトリックス形成に寄与することになるのである。
【0025】
前記揮発性塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、モルホリン、アルキルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルモルホリン、エチレンジアミン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のウレタン樹脂組成物における前記揮発性塩基性化合物の含有量は、その種類や塩基性度に応じて適宜設定すればよく、樹脂組成物のpHを前記カチオン性樹脂の塩基性官能基が非イオン化されるpHにまで上昇させうるだけの量であれば、特に制限されるものではない。具体的には、前記揮発性塩基性化合物により調整された樹脂組成物のpHが8以上となるように前記揮発性塩基性化合物を用いることが好ましい。前記揮発性塩基性化合物により調整された樹脂組成物のpHが8未満であると、ポットライフの向上効果が不充分となる。
【0026】
本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて、前記水分散性ウレタン系樹脂および前記カチオン性樹脂以外の他の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、特に制限されず、合成樹脂や天然樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂およびジエン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;(メタ)アクリル酸エステル系樹脂;アクリロニトリル系樹脂;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル系樹脂等のポリエーテル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;水溶性ウレタン系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリイミド系樹脂;等の合成樹脂と、カゼイン等の天然樹脂が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、これら他の樹脂を併用する場合、その含有割合は、特に制限されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0027】
本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて、水系媒体を含有していてもよい。水系媒体としては、特に限定されるものではないが、最も好ましくは水単独溶媒が挙げられる。また、例えばメタノールやエタノール等の低沸点水溶性有機溶媒の1種または2種以上、あるいはこれらと水との混合溶媒を用いることもできる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、その全固形分が1重量%以上であることが好ましい。樹脂組成物中の全固形分が1重量%未満であると、充分に樹脂組成物層が形成されず、耐性が低下する傾向がある。したがって、前記水系溶媒を含む形態の場合は、通常、樹脂組成物中の全固形分が1重量%以上となるように調整して用いられる。
【0028】
本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤を含有するものであってもよい。添加剤としては、例えば、各種有機あるいは無機顔料、酸性染料、直接染料、反応性染料、分散染料、食品色素等の各種染料、可塑剤、ワックス、保湿剤、消泡剤界面活性剤、湿潤剤、レベリング剤、増粘剤、レオロジー改良剤、金属イオン封鎖剤、殺生剤、分散剤;炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、シリケート等の増量剤;フィラー、凍結防止剤、凍結および解凍安定剤、保存料、腐食防止剤、カラー保水性向上剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、蛍光増白剤等が挙げられる。これら添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜設定すればよい。
【0029】
本発明のウレタン樹脂組成物は、前記水分散性ウレタン系樹脂に前記カチオン性樹脂および前記多価金属化合物を少なくとも組み合わせることにより得ることができる。その製造方法は特に限定されるものではなく、各成分をどのような順序でどのようにして混合してもよい。例えば、より高いポットライフを要する場合には、前記必須3成分のうち一部の成分を先に混合しておき、使用直前に残りの成分を添加するようにしてもよいが、本発明のウレタン樹脂組成物は、前記必須3成分を混合しておいても充分なポットライフを有するので、初期に必須3成分を混合しておくことが望ましい。
【0030】
本発明のウレタン樹脂組成物は、具体的には、バドル翼等の攪拌機、高速攪拌分散機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミル、振動式分散機等の公知の攪拌、分散、破砕装置により製造することができる。また、必要に応じて、ストレーナー等を通して粗大粒子等を除去することもできる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、80℃程度の穏やかな乾燥条件においても、プラスチック等の各種基材への密着性、耐水(耐熱水)性、耐溶剤性、強度に優れた塗膜を得ることができる。このため、本発明のウレタン樹脂組成物は、例えば、フレキソ印刷用インク、インクジェットプリンター用インク等の各種インク;OPニス、フィルムコート等の各種クリアーコーティング剤;インクジェットプリンター用受容紙の受容層;路面表示用塗料、導電性塗料、プラスチック用塗料、無機建材用塗料、金属用塗料、皮革塗料、補修用塗料等の各種塗料;有機基材、無機基材、難接着性基材へのプライマー;不織布バインダー、顔料捺染用バインダー、撥水加工や仕上げ加工用バインダー、織布コーティングや含浸処理加工用バインダー等の各種繊維処理剤;ドライラミネートや押し出しラミネート等の各種ラミネート用接着剤、木材用接着剤、構造用接着剤等の各種接着剤;帯電防止剤;トップコート;粘着剤;マニキュアやヘアセット剤等の各種化粧品;等の幅広い用途において、耐摩擦性、耐ブロッキング性、耐洗濯性、耐水強度、耐水接着性、耐薬品性等の実用的な耐性および良好な作業性を発揮し、好適に用いることができる。
【0031】
本発明のウレタン樹脂組成物の塗工方法は、特に限定されず、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、コンマコート、スロットダイコート、スライドダイコート、エアナイフコート、プレードコート、バーコート、キスコート、スプレーコート、エアスプレーコート、ロールコート、ブラシコート、カーテンコート、フラッドコート、ディッピングコート等の公知の塗工方法や装置を採用することができる。
本発明のウレタン樹脂組成物を塗工または含浸する各種基材としては、特に限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン、PET等のポリエステル系樹脂、セロファン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機基材;上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙、プラスチックコート紙等の紙基材;金属(例えば、鉄、アルミニウム、銅)、ガラス、コンクリート、セメント、煉瓦、石膏板等の無機基材;ビチューメン;シンダーブロック;パーチクルポード;木材;麻、綿、レーヨン、キュプラ等のセルロース系繊維;羊毛、獣毛、絹等のタンパク繊維;アセテート等の半合成繊維;ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ビニロン等の合成繊維;ロックウール、ガラスファイバー等の無機繊維;皮革;等が挙げられる。これら基材の形態としては、特に限定されないが、フィルム、シート、成形物、発泡体、コード、不織布や布等の繊維加工品等が挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例および比較例に記載の「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示している。
(実施例1)
水分散性ウレタン系樹脂A(「スーパーフレックス150」(エステル・エーテル系)第一工業製薬製:Tg40℃、固形分30%)30.0部、プロピレンオキシドで変性したポリエチレンイミンA(数平均分子量1,200(変性前の数平均分子量600)、100モル%変性、固形分50%)1.0部、炭酸アンモニウムジルコニウム(固形分46%(二酸化ジルコニウム換算で固形分20%))1.0部を分散機に秤取り、2000回転/分にて5分間攪拌し、全固形分31%の樹脂組成物を得た。
【0033】
得られた樹脂組成物を用いて下記評価を行った。結果を表1に示す。
<貯蔵安定性1> 得られた樹脂組成物を室温下で1日放置した後の樹脂組成物の状態を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;変化なし、×;増粘または固化が認められる
<貯蔵安定性2> 得られた樹脂組成物を室温下で30日放置した後の樹脂組成物の状態を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;変化なし、×;増粘または固化が認められる
<塗膜外観> 得られた樹脂組成物を、コロナ放電処理のOPPフィルムに固形分として膜厚が約1μmとなるようにバーコーターを用いて塗布した後、80℃で5分間乾燥して、試験フィルムを得た。そして、該試験フィルムの塗膜の外観を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;外観不良なし、×;白化等の外観不良あり
<耐水ラビング性> 塗膜外観の評価に用いた前記試験フィルムの塗膜上で、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて水に浸した脱脂綿を200回往復させ、塗膜に変化が現われたときの回数を測定し、以下のように評価した。
〇;200回で変化なし、△;100回以上200回未満、×;100回未満
<耐アルコールラビング性> 塗膜外観の評価に用いた前記試験フィルムの塗膜上で、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて80%エタノールに浸した綿棒を10回往復させたときの塗膜の外観を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;変化なし、△;若干傷あり、×;完全に剥離または溶解が生じている
<耐熱水性> 塗膜外観の評価に用いた前記試験フィルムを90℃の熱水中に10分間浸漬した後、該試験フィルムの塗膜外観を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;外観不良なし、×;白化等の外観不良あり
<密着性1> 塗膜外観の評価に用いた前記試験フィルムの塗膜面に12mm幅の粘着テープを貼り付けた後、強制剥離したときの基材(OPPフィルム)からの塗膜の剥がれの有無を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;剥離なし、×;剥離あり
<密着性2> 塗膜外観の評価に用いた前記試験フィルムを90℃の熱水中に10分間浸漬し、その後、該試験フィルムの塗膜面に12mm幅の粘着テープを貼り付けた後、強制剥離したときの基材(OPPフィルム)からの塗膜の剥がれの有無を目視にて観察し、以下のように評価した。
〇;剥離なし、×;剥離あり
(実施例2)
実施例1で用いたポリエチレンイミンAの代わりに、プロピレンオキシドで変性したポリエチレンイミンB(数平均分子量20,000(変性前の数平均分子量10,000)、100モル%変性、固形分50%)を用い、各成分の配合割合を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、全固形分32%の樹脂組成物を得た。
【0034】
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で用いた水分散性ウレタン系樹脂Aの代わりに、水分散性ウレタン系樹脂B(「スーパーフレックス110」(エーテル系)第一工業製薬製:Tg48℃、固形分30%)を用い、各成分の配合割合を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、全固形分32%の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】
(比較例1)
実施例1で用いた各成分のうちポリエチレンイミンAおよび炭酸アンモニウムジルコニウムを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ全固形分30%の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例3で用いた各成分のうちポリエチレンイミンAおよび炭酸アンモニウムジルコニウムを用いないこと以外は、実施例3と同様にして、それぞれ全固形分30%の樹脂組成物を得た。
【0036】
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた各成分のうちポリエチレンイミンAおよび炭酸アンモニウムジルコニウムを用いず、代わりにエポキシ化合物(「デナコールEX−313」ナガセ化成工業製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ全固形分32%の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0037】
(比較例4)
実施例1で用いた各成分のうちポリエチレンイミンAおよび炭酸アンモニウムジルコニウムを用いず、代わりにブロックイソシアネート化合物(「エラストロンBN−45」第一工業製薬製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ全固形分31%の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1で用いた各成分のうちポリエチレンイミンAおよび炭酸アンモニウムジルコニウムを用いず、代わりにポリイソシアネート化合物(「アクアネートAQ−100」日本ポリウレタン工業製)および水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ全固形分31%の樹脂組成物を得た。
【0038】
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。但し、貯蔵安定性以外の評価については、試験フィルムの作製が困難であったため、評価できなかった。
【0039】
【表1】
Figure 0003980958
【0040】
【発明の効果】
本発明のウレタン樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ一液型として使用可能であり、安全性が高く、かつ使用時に高温加熱を要することなく、各種基材への密着性、耐水(耐熱水)性、耐溶剤性、強度などに優れた塗膜を得ることができる。しかも、本発明のウレタン樹脂組成物は、水系樹脂組成物であるので、大気汚染等の環境問題も回避することができる。

Claims (2)

  1. カルボキシル基を有する水分散性ウレタン系樹脂に、数平均分子量600〜5,000,000のポリアルキレンイミン類、ポリアミドアミン類、アミノスルホポリエステル類、ポリアリルアミン類、ポリビニルアミン類およびこれらの変性ポリマーからなる群から選ばれる1種または2種以上からなる塩基性含窒素樹脂と、炭酸アンモニウムジルコニウムが組み合わされてなる、ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記塩基性含窒素樹脂が数平均分子量600〜5,000,000のポリアルキレンイミン類および/またはその変性ポリマーである、請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
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