JP3980841B2 - バッチ式混練機とその混練ロータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックやゴム等の高分子材料を混練するための混練ロータとこれを有する混練機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の混練機として、ゴム練りに適した密閉型のバッチ式混練機(例えば、特公昭58−4567号公報参照)が知られている。この混練機は、混練室内で異方向に回転する左右一対のロータでプラスチックやゴム等の被混練材料に強い剪断作用を加えて可塑化溶融するものであり、ゴム等の被混練材料に各種の充填剤や添加剤を効率よく練り込んで混合分散することで種々の品質のゴム製品を製造することができる。
【0003】
図5は上記混練機に使用される混練ロータの一例を示しており、かかる混練ロータ4は、混練室の内面に対するチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与するための長翼22と短翼23を外周面に備えている。
この長翼22と短翼23は、混練室内で軸方向の材料流れ24,24’を発生させて被混練材料の混合度合いを高めるため、軸方向で互いに分断されかつ周方向にずれた位置に配置されているとともに、その捩じれ方向は互いに逆向きになっている。
【0004】
そして、かかる従来の混練ロータ4では、図5(b)(c)に示すように、当該ロータ4をその軸心回りで平面状態に展開したときにおける各混練翼22,23の展開形状がすべて直線となるように設定され、その捩じれ角度θもすべて同じになっている。すなわち、各混練翼22,23の捩じれ角度θはその始点Pから終点Qに至る範囲ですべて一定不変になっている。
なお、図5において、符号rはロータの回転方向を示している(後述する実施形態の図面においても同様)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各混練翼22,23は、その軸方向に対する捩じれ角度θを大きくすると、軸方向への送り能力が改善されて被混練材料の混合度合いを高めることができ、逆に、その捩じれ角度θを小さくすると、チップクリアランスに対する被混練材料の通過量(以下、材料通過量という。)が増大して被混練材料の分散度合いを高めることができる。
しかるに、従来の混練ロータ4では、各混練翼22,23の捩じれ角度がその始点Pから終点Qに至る範囲ですべて一定不変になっているため、被混練材料の混合度合いと分散度合いのバランスを取るのが困難であり、これらの双方が両立した適切な混合分散制御を行い難いという欠点があった。
【0006】
例えば、図5に示すバッチ式用の混練ロータ4において、長翼22や短翼23をその展開形状が直線のまま捩じれ角度θを大きくすれば、被混練材料の軸方向の材料流れ24,24’が大きくなって混合度合いを高めることができるが、この場合には、各翼22,23のチップクリアランスにおける材料通過量が減少して分散度合いが低減することになる。
また、逆に、長翼22や短翼23をその展開形状が直線のまま捩じれ角度θを小さくすれば、各翼22,23のチップクリアランスにおける材料通過量が増大して分散度合いを高めることができるが、この場合には、被混練材料の軸方向の材料流れ24,24’が小さくなって混合度合いが低減することになる。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑み、混練ロータによる被混練材料の混合と分散のバランスを効率よく取れるようにして、混合と分散の双方が両立した適切な混練制御を行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係るバッチ式混練機の混練ロータは、混練翼頂部と混練室内面との間にチップクリアランスが形成されるように同混練室内に回転自在に挿通され、そのチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与する複数の混練翼を外周面に有するバッチ式混練機の混練ロータであって、前記複数の混練翼、当該混練ロータをその軸心回りで平面状態に展開したときにおける始点から終点までの展開形状が実質的に非線形となる非線形翼と、その展開形状が線形でかつロータ軸心に対する捩じれ角度が15〜35度に設定されたその他の線形翼と、から構成されているとともに、ロータ長さの半分よりも長く被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれた一対の長翼を備えており、この一対の長翼は、ロータ軸方向一端側から同方向中央側に延びる線形翼よりなる第一長翼と、ロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びかつその他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼よりなる第二長翼と、から構成されている。
【0009】
なお、線形翼の捩じれ角度を15〜35度に規定したのは、通常の線形翼の場合には、
その捩じれ角度が15度未満になると被混練材料を軸方向に流す力が弱くなって適切な混合性能が得られなくなり、その捩じれ角度が35度を超えると剪断力が弱くなって適切な分散性能が得られなくなることが、経験則によって知られているからである。
そして、本発明では、捩じれ角度が上記の範囲に設定された線形翼を設けた上で、更に、展開形状が実質的に非線形となる非線形翼を設けている。かかる非線形翼は、始点から終点までの展開形状が実質的に非線形になっているので、当該非線形翼におけるある部分での捩じれ角度を大きくして軸方向への材料の移動を増加させて混合度合いを高めつつ、その他の部分での捩じれ角度を小さくして分散度合いを高めるといったロータ翼形状の設定が可能である。
【0010】
このため、かかる非線形翼を通常の線形翼と組み合わせることによって、線形翼だけで構成された混練ロータの場合に比べて、被混練材料の混合と分散のバランスをより効率よく取れるようになる。
前記バッチ式混練機の混練ロータは、被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれたロータ長さの半分よりも長い一対の長翼を備えており、当該一対の長翼、ロータ軸方向一端側から同方向中央側に延びる線形翼よりなる第一長翼と、ロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びかつその他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼よりなる第二長翼と、から構成されている。
【0011】
このように構成されているので、他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼よりなる第二長翼により、ロータの他端側において被混練材料の軸方向流れを十分に生起させて混合度合いを高めつつ、捩じれ角度が15〜35度に設定された線形翼よりなる第一長翼により、被混練材料に十分な剪断力を付与して分散度合いを高めることができ、混合と分散の双方が両立した適切な混練制御が行えるようになる。
なお、この場合には、非線形翼よりなる第二長翼が他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増しているので、チャンバと混練ロータとの間の軸受け部分のシール性能を改善できるという付加的効果も得られる。
【0012】
また、本発明において、被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれたロータ長さの半分よりも短い第一短翼を設ける場合には、この第一短翼を、第一長翼のロータ回転方向後方に配置されかつ第一長翼と同じ向きに捩じれているロータ軸方向一端から同方向中央側に延びる線形翼より構成することが好ましい。
更に、本発明において、被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれたロータ長さの半分よりも短い第二短翼を設ける場合には、この第二短翼を、第二長翼のロータ回転方向後方に配置されかつ第二長翼と同じ向きに捩じれているロータ軸方向他端から同方向中央側に延びる線形翼より構成することが好ましい。
【0013】
この場合、第一長翼の背面側に流れた被混練材料を第一短翼でロータ軸方向の中央側に押し戻すことができ、また、第二長翼の背面に流れた被混練材料は第二短翼でロータ軸方向の中央側に押し戻すことができるので、ロータ軸方向端部に被混練材料が滞留するのが有効に防止されて混合性能を向上できるとともに、各長翼の背面側に流れた被混練材料に対しても各短翼により確実に剪断力を付与できるので、分散性能を向上することができる。
また、本発明において、第一長翼のロータ軸方向中央側の先端を、第二長翼から120度以上離れた位置に配置し、或いは、第二長翼のロータ軸方向中央側の先端を、ロータ周方向において第一短翼の同側の先端と第一長翼との間のほぼ中央に位置するように配置するようにれば、各混練翼間のスペースを十分大きくとることができ、被混練材料の軸方向流れが活発になって混合性能を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜図3は本発明の第一の実施形態を示している。
このうち、図3は本発明の混練ロータを採用した密閉型のバッチ式混練機1の一例を示しており、このバッチ式混練機1は、断面めがね孔状の混練室2を有するチャンバー3と、混練室2内に回転自在に挿通された左右一対の混練ロータ4,4と、チャンバー3の上方開口部に立設したホッパー5付きの材料供給筒6と、この供給筒6内に上下動自在に挿通されたフローティングウェイト7と、を備えている。
【0015】
材料供給筒6の上部には空圧シリンダ8が連結されていて、このシリンダ8内のピストン9は同シリンダ8の下蓋を気密に貫通するピストンロッド10を介してフローティングウェイト7に連結されている。このため、空圧シリンダ8の上部を加圧してフローティングウェイト7を下降させることにより、ホッパー5から供給された材料供給筒7内の被混練材料をチャンバー3内に押し込めるようになっている。
チャンバー3の底部に設けた排出口はロータリアクチュエータにより開閉自在なドロップドア11によって閉塞されており、このドロップドア11を開放することにより、混練室2内で所定時間だけ混練された混練済み材料を機外に排出することができる。
【0016】
図1は上記左右一対の混練ロータ4,4の平面図であり、図2(a)(b)はそれらの各混練ロータ4,4をその軸心回りで平面状態に展開したときの展開図である。本実施形態の各混練ロータ4,4は、相対向内側部分が下方に移動するように互いに異なる方向(図1及び図2の矢印r方向)に回転するようになっており、混練室2の内面に対するチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与するための複数の混練翼を備えている。
本実施形態の混練翼は、ロータ長さLの半分よりも長い一対の長翼12,13と、ロータ長さLの半分よりも短い一対の短翼14,15とから構成されている。この長翼12,13と短翼14,15は、軸方向の材料流れ18を発生させて被混練材料の混合度合いを高めるため、軸方向で互いに分断されかつ周方向にずれた位置に配置されているとともに、一対の長翼12,13同士及び一対の短翼14,15同士の捩じれ方向は互いに逆向きになっている。
【0017】
左右の混練ロータ4,4はその各翼12〜15の配置関係が図1の中央点Oに関して点対称となるように前後を入れ換えて配置されており、本実施形態の混練ロータ4,4は断面二条チップでかつ合計四翼のロータであることから、各混練翼12〜15はほぼ四分の一周分だけずれた周方向位置になるように配置されている。
短翼14,15は長翼12,13のほぼ0.1〜0.5倍の長さに設定することができる。もっとも、図示のロータでは、第一長翼12の軸方向長さはロータ長さLに対して0.7Lに設定され、第二長翼13の軸方向長さは0.65Lに設定されている。また、第一短翼14の軸方向長さは0.35Lに設定され、第二短翼15の軸方向長さは0.3Lに設定されている。
【0018】
図2(a)(b)に示すように、上記長翼12,13及び短翼14,15よりなる混練翼のうち、第一長翼12、第一短翼14及び第二短翼15については、混練ロータ4をその軸心回りで平面状態に展開したときにおける展開形状が線形となる通常の線形翼より構成され、この線形翼はロータ軸心に対する捩じれ角度θが15〜35度になるように設定されている。なお、図示のロータではθ=22度に設定されている。
これに対して、第二長翼13は、混練ロータ4をその軸心回りで平面状態に展開したときにおける始点Pから終点Qまでの展開形状が実質的に非線形となる非線形翼より構成されている。本実施形態の第二長翼13は、捩じれ角度がロータ軸方向端部側の始点Pから同方向中央部側の終点Qに向かうに従って次第に小さくなるように連続的に変化させることにより、その始点Pから終点Qまでの展開形状が非線形な湾曲形状となるように形成されている。
【0019】
すなわち、図2(a)に示すように、第二長翼13の始点側部分16は、その始点Pと終点Qとを結んだ場合の仮想直線HLの傾斜角度よりも大きくなっており、また、第二長翼13の終点側部分17は、その始点Pと終点Qとを結んだ場合の仮想直線HLの傾斜角度よりも小さくなっている。
このため、第二長翼12の始点側部分16においては、仮想直線HLに相当する展開形状を有する線形翼の場合に比べて捩じれ角度が大きくなっているので、その線形翼の場合よりも大きい材料流れ18をこの部分16でより強い流れを発生させることができ、被混練材料の混合度合いがより高められることになる。
【0020】
他方、第二長翼13の終点側部分17においては、仮想直線HLに相当する展開形状を有する線形翼の場合に比べて捩じれ角度が小さくなっているので、その線形翼の場合よりも大きいチップクリアランスでの材料通過量がこの部分17で確保され、被混練材料の分散度合いがより高められることになる。
図2に示すように、本実施形態の混練ロータ4,4では、線形翼よりなる第一長翼12は、ロータ軸心方向一端から同方向中央側に延びる線形翼より構成され、非線形翼よりなる第二長翼13は、ロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びかつその他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼より構成されている。
【0021】
また、第一短翼14は、第一長翼12のロータ回転方向後方に配置されかつ第一長翼12と同じ向きに捩じれているロータ軸方向一端から同方向中央側に延びる線形翼より構成され、第二短翼15は、第二長翼13のロータ回転方向後方に配置されかつ第二長翼13と同じ向きに捩じれているロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びる線形翼より構成されている。
更に、本実施形態では、第一長翼12のロータ軸方向中央側の先端は、第二長翼13からのロータ周方向角度cが120度以上となる位置に配置されており、第二長翼13の先端は、ロータ周方向において第一短翼14の先端と第一長翼12とのほぼ中央に位置するように配置されている。すなわち、図1(b)における周方向角度aと周方向角度bがほぼ同じになるように、第二長翼13の先端の周方向位置が設定されている。
【0022】
上記構成を有する本実施形態の混練ロータ4によれば、他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼よりなる第二長翼13の始端側部分16により、被混練材料の軸方向流れ18を十分に生起させて混合度合いを高めつつ、捩じれ角度が15〜35度に設定された線形翼よりなる第一長翼12により、被混練材料に十分な剪断力を付与して分散度合いを高めることができ、混合と分散の双方が両立した適切な混練制御が行えるようになる。
また、第二長翼13の終端側部分17においては、被混練材料の分散能力も十分に発揮されるので、混練ロータ4,4の軸方向中央部では、第一長翼12と第二長翼13の双方によって十分な分散性能が確保されることになる。
【0023】
なお、第二長翼13の始点側部分16によって軸方向中央側への材料流れ18が増大されているので、被混練材料が混練室2の軸方向端面側に押し付けられるのが抑制され、チャンバー3と混練ロータ4との間の軸受け部分のシール性能を向上できるという付加的効果もある。
また、本実施形態の混練ロータ4,4では、第一長翼12のロータ回転方向後方にそれと同じ向きに捩じれた第一短翼14を配置し、かつ、第二長翼13のロータ回転方向後方にそれと同じ向きに捩じれた第二短翼15を配置しているので、第一長翼12の背面側に流れた被混練材料を第一短翼14でロータ軸心方向の中央側に押し戻すことができ、また、第二長翼13の背面に流れた被混練材料は第二短翼15でロータ軸方向の中央側に流すことができる。
【0024】
従って、ロータ軸方向端部に被混練材料が滞留するのが有効に防止されて混合性能を向上できるとともに、各長翼12,13の背面側に流れた被混練材料に対しても各短翼14,15により確実に剪断力を付与できるので、分散性能を向上することができる。
更に、本実施形態の混練ロータ4,4では、第一長翼12の先端を第二長翼13から120度以上離れた位置に配置することにより、第二長翼13のロータ回転方向前方側のスペースを十分に大きくとり、また、第二長翼13の先端をロータ周方向において第一短翼14の先端と第一長翼12との間のほぼ中央に配置することにより、第一長翼13のロータ回転方向前方側のスペースを十分に大きくとるようにしているので、被混練材料の軸方向流れが活発になって混合性能を向上することができる。
【0025】
なお、図5に示す従来の混練ロータと図1に示す本発明の混練ロータを同じ条件で駆動し、両者の性能の差を実験で調査した。
その結果、本発明の混練ロータ(図1)は、従来の混練ロータ(図5)に比べて、分散性能が約10%向上し、消費エネルギーを約5%低減でき、被混練材料の排出温度を約10°C低減できることが判明した。
また、白色ゴムに青色粉を添加して、同一の条件で両ロータによる混合状況を調査したところ、従来の混練ロータでは青色粉がゴム全体に混合されず、白色ゴムの部分が多く検出されたのに対して、本発明のロータでは青色粉がゴム全体に混合され、白色ゴムの部分は殆どなくなった。
【0026】
以上、本発明の各実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は例示的なものであって限定的なものではない。本発明の技術的範囲は冒頭の特許請求の範囲により決定され、その意味に入るすべての態様は本発明の範囲に含まれる。
例えば、混練ロータの混練翼の周方向の翼数は二翼に限らず三翼以上あってもよいし、軸方向に別れて配置される各混練翼は三種類以上あってもよい。また、本発明は噛み合い式の混練ロータにも接線式の混練ロータにも採用することができるし、一軸タイプの混練ロータにも採用することができる。
【0027】
更に、上記各実施形態では、非線形翼(第二長翼13)の捩じれ角度が軸方向のどの部分においても連続的に変化している場合(展開形状が湾曲する場合)を示したが、始点から終点までの展開形状が実質的に非線形と認められる翼である限り、その捩じれ角度は不連続的に変化していてもよい。
すなわち、本発明にいう「実質的に非線形」とは、始点と終点を有する単一の翼の展開形状が、その始点から終点に至る最短経路の直線から見て周方向に若干迂回した状態になっていることを意味し、その迂回経路は湾曲線であっても折れ線であってもよい。
【0028】
図4は、本発明の変形例に係る混練ロータ4,4の展開形状を示している。
この変形例に係る混練ロータ4,4が図1及び図2に示す混練ロータ4,4と異なるところは、非線形翼である第二長翼13,13のロータ回転方向後側に位置するフライトが長翼(第三長翼19,19)よりなる点にあり、この第三長翼19,19は、ロータ4,4の第二長翼13,13とそれぞれ同じ向きに捩れておりかつロータ軸方向端部(図4(a)の左端、図4(b)の右端)から同方向中央側に延びる線形翼よりなり、線形翼よりなる第一長翼12,12とほぼ同じ長さに形成されている。
【0029】
従って、この変形例に係る混練ロータ4,4では、線形翼よりなる第一長翼12及び第三長翼19と非線形翼よりなる第二長翼13の三つの長翼と、第一長翼12のロータ回転方向後側に位置する一つの短翼14を有している。
なお、この場合の混練ロータ4,4によれば、第二長翼13のロータ回転方向後側に位置するフライトが上記第三長翼19よりなるので、第二長翼13の背面側に流れた被混練材料の一部をロータ軸心方向の中央側に押し戻すだけでなく、同被混練材料の一部を積極的に再混練することもでき、この点で、図1及び図2の混練ロータ4,4の場合よりも優れた分散性能を期待できる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通常の線形翼の他に非線形翼を設けたことによって混練ロータによる被混練材料の混合と分散のバランスを効率よく取れるようになるので、混合と分散の双方が両立した適切な混練制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバッチ式混練機の左右一対の混練ロータの平面図である。
【図2】 (a)は左側の混練ロータの軸心回りの展開図であり、(b)は右側の混練ロータの軸心回りの展開図である。
【図3】 本発明に係るバッチ式混練機の正面断面図である。
【図4】 本発明の混練ロータの変形例を示しており、(a)は左側の混練ロータの軸心回りの展開図であり、(b)は右側の混練ロータの軸心回りの展開図である。
【図5】 (a)は従来のバッチ式混練機の左右一対の混練ロータの平面図であり、(b)(c)はその軸心回りの展開図である。
【符号の説明】
1 バッチ式混練機
2 混練室
4 混練ロータ
12 第一長翼(線形翼)
13 第二長翼(非線形翼)
14 第一短翼(線形翼)
15 第二短翼(線形翼)
19 第三長翼(線形翼)
P 始点
Q 終点

Claims (7)

  1. 混練翼頂部と混練室内面との間にチップクリアランスが形成されるように同混練室内に回転自在に挿通され、そのチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与する複数の混練翼を外周面に有するバッチ式混練機の混練ロータにおいて、
    前記複数の混練翼は、
    当該混練ロータをその軸心回りで平面状態に展開したときにおける始点から終点までの展開形状が実質的に非線形となる非線形翼と、その展開形状が線形でかつロータ軸心に対する捩じれ角度が15〜35度に設定されたその他の線形翼と、から構成されているとともに、ロータ長さの半分よりも長く被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれた一対の長翼を備えており、
    この一対の長翼は、
    ロータ軸方向一端側から同方向中央側に延びる線形翼よりなる第一長翼と、
    ロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びかつその他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増する非線形翼よりなる第二長翼と、から構成されている
    ことを特徴とするバッチ式混練機の混練ロータ。
  2. 前記複数の混練翼は、ロータ長さの半分よりも短く被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれた第一短翼を備えており、
    この第一短翼は、前記第一長翼のロータ回転方向後方に配置されかつロータ軸方向一端側から同方向中央側に延びる線形翼よりなる
    請求項1に記載のバッチ式混練機の混練ロータ。
  3. 前記複数の混練翼は、ロータ長さの半分よりも短く被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩じれた第二短翼を備えており、
    この第二短翼は、前記第二長翼のロータ回転方向後方に配置されかつロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びる線形翼よりなる
    請求項2に記載のバッチ式混練機の混練ロータ。
  4. 前記第一長翼のロータ軸方向中央側の先端が前記第二長翼からロータ周方向に120度以上離れた位置に配置されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッチ式混練機の混練ロータ。
  5. 前記第二長翼のロータ軸方向中央側の先端がロータ周方向において前記第一短翼の同側の先端と前記第一長翼との間のほぼ中央に位置するように配置されている
    請求項2〜4のいずれか1項に記載のバッチ式混練機の混練ロータ。
  6. 混練翼頂部と混練室内面との間にチップクリアランスが形成されるように同混練室内に回転自在に挿通され、そのチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与する複数の混練翼を外周面に有するバッチ式混練機の混練ロータにおいて、
    前記複数の混練翼は、ロータ長さの半分よりも長い次の各長翼を含む
    ことを特徴とするバッチ式混練機の混練ロータ。
    (a) 被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩れた状態でロータ軸方向一端側から同方向中央側に延びており、当該混練ロータをその軸心回りで平面状態に展開したときにおける始点から終点までの展開形状が線形となる線形翼よりなる第一長翼
    (b) 被混練材料をロータ軸方向中央側へ流す方向に捩れた状態でロータ軸方向他端側から同方向中央側に延びており、ロータ軸方向他端側に向かうほど捩じれ角度が漸増するとともに、当該混練ロータをその軸心回りで平面状態に展開したときにおける始点から終点までの展開形状が実質的に非線形なる線形翼よりなる第二長翼
  7. チャンバーと、このチャンバーの混練室内に回転自在に挿通された混練翼を外周面に有する混練ロータと、を備えており、前記混練室の内面と前記混練翼の頂部との間で形成されるチップクリアランスに被混練材料を通過させて同材料に剪断力を付与するようにしたバッチ式混練機において、
    前記混練ロータは請求項1〜のいずれか1項に記載の混練ロータよりなる
    ことを特徴とするバッチ式混練機。
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