以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明を行う。なお、本発明のディスクローディング装置は水平および垂直設置および開口部を上にする鉛直設置での使用が可能であるが、説明の都合上、ディスクローディング装置を水平設置した状態で以後の説明を行う。
本発明では、直径8cmや直径12cmの、音楽用CDやDVD−ROMのような再生ディスクと、DVD−RAMのような記録ディスクを扱う。これらを総称して、単にメディアと呼ぶ。ローディング機構で考慮するのはメディアの形態であって、その記録再生方式や記録密度などは、上記の例に限るものではない。
まず、ディスクローディング装置の全体の構成を説明し、続いて各部分の構成を詳しく説明する。
図1は、ドライブの基本構成を示す。この基本構成は、本体となるメカシャーシ・ユニット501、記録・再生するトラバース・ユニット502、搬送手段であるローラ・ユニット503、モータベースA・ユニット504、モータベースB・ユニット505、第2の保持手段となるチェックプレート・ユニット506、ディスクの上側に位置するトッププレート・ユニット507、クランパ・ユニット508(図21参照)、第1の保持手段となるアウトレバーユニット509、およびスライドカムユニット510から成る。
メカシャーシ・ユニット501の下側には、トラバース・ユニット502、プリント基板(以下「P板」という)65および底板となるロア・シールド69が順次重なり、メカシャーシ・ユニット501の上側にはアウトレバーユニット509、スライド・カムユニット510、モータベースユニット504、505、ローラ・ユニット503、トッププレート・ユニット507、クランパ・ユニット508、およびチェックプレート・ユニット506が配設され、蓋を兼ねたフレーム66でメカシャーシ・ユニット501の上側を閉じて、メカシャーシユニット501とフレーム66の間にディスクの挿入口を形成するように組立られる。このとき、フレーム66の両側に内向きに切起こした曲げ部材である取付片66a、66bをメカシャーシ・ユニット501の側面に前方および後方に開放した溝501a、501bに係合している。これは、フレーム66をメカシャーシユニット501に被せながら前側取付片66aを前側溝501aに挿入し、後側取付片66bを後側溝501bに挿入し位置決めする。このとき、後側溝501bの入口にガイド突部501cを設け、取付片66bをガイド突部501cに沿って落とし込ませて位置決めする。そして、ビス70でP板65、およびロア・シールド69とともにフレーム66の取付片66a、66bをメカシャーシ・ユニット501に挟んで取付ける。
フレーム66にはトップガイド67がビス固定され、フレーム66とメカシャーシ・ユニット501との間に形成されるディスク100の挿入口において、ディスク100の挿入時のディスクの前縁のガイドを行う。
なお、11は中央部がメカシャーシ・ユニット501に回動自在に軸支され、両端がスライドカム・ユニット510の左右のスライド・カム12、13に係合して、スライド・カムR12のスライドに対してスライド・カムL13を反対向きにスライドするスライドカム・ロッドである。68はトラバース・ユニット502に対してP板65側を保護するベースカバーである。なおトラバース・ユニット502の光ピックアップ30(図8参照)に接続されたフレキシブルリードのフレキ502aがベースカバー68上を下向きに折れ曲がり先端がさらにこれと逆に下向きに折れ曲がりP板65のコネクタ65bに接続され、光ピックアップ30の移動に追従可能にしている。
図2は、主にメカシャーシ・ユニット501、アウトレバー・ユニット509、チェックプレート・ユニット506を示している。メカシャーシ・ユニット501は、メカシャーシ1のボス1bにスイッチレバー2が取り付けられ、スイッチレバーばね3で、スイッチレバー2が中立位置にあるようにばね付勢されている。スイッチレバー2のボスから離れた位置の突出部を形成するリブ2aは、メカシャーシ1の貫通穴(図示せず)を介して、メカシャーシ1の裏面に取り付けられるP板65上の検出スイッチ65dと当接しイジェクト完了検出を兼ねる検出スイッチ65dを押している(図22参照)。
スイッチレバー2のカム2bは、メカシャーシ1に取り付けられるアウトレバーL4の裏面に設けられたカム4aと係合して、スイッチレバー2のリブ2aがP板65上の検出スイッチ65dと当接するタイミングを決めている。アウトレバー4が回動しカム4aがカム2bを押すとスイッチレバー2が回動してリブ2aがスイッチ65dから離れ、スイッチ動作する。検出スイッチ65dの動作によりローディングモータ32がディスクを搬入させる方向に回動する。
アウトロッド7は、フック7bとメカシャーシのフック(図示ぜす)との間にアウトロッドばね8を介して、スイッチレバー2を取り付けたメカシャーシ1の左右のボス1a、1dに長穴7a、7dが入るように設けられ、+X方向にばね付勢されている。アウトロッド7の長穴7a、7d内にはラック7cが設けてある。
アウトレバーL4は、メカシャーシ1のボス1aにアウトロッド7のラック7cと係合するように回動自在に取り付けられている。アウトレバーR9は、メカシャーシ1のボス1dにアウトロッド7のラック7cと係合するように回動自在に取り付けられている。
アウトロッド7の長穴7aと7dのラックの位置は上下位置を変えてあり、このラック7cと係合するアウトレバーL4の歯車4bとアウトレバーR9の歯車9bの位置関係は、アウトロッドばね8でばね付勢された状態で、アウトレバーL4の略溝状をなすディスク当接部4cおよびアウトレバーR9の略溝状をなすディスク当接部9cが相近接するように設けられている。この状態でアウトレバーL4またはアウトレバーR9の何れかを互いに離れる方向に回動させると、アウトロッド7のラック7cと歯車4bおよび9bの位置関係により、他方のレバーも協調して同じ回動角度、反対向きに回動する。これにより、ディスク当接部4c、9c間をディスクが通過可能にディスクの周縁がこれらに保持される。
アウトレバーL4には、インプシュアームばね6を介して、ディスクの搬入検出および搬出検出を兼ねたインプッシュアーム5が中立位置にあるようにばね付勢されている。インプッシュアーム5の突出部であるリブ5aは、メカシャーシ1に形成したカム部1cと当接して、インプッシュアーム5の先端部5bの軌跡を決める。
チェック・プレート・ユニット506は後述する。
図3に示すようにメカシャーシ1には、イジェクト・ボタン10が設けられ、通常、P板65上のイジェクトスイッチ65e(図1、22参照)が押された際にスイッチ65eのストロークを確保するよう中央部がスイッチ65eと当接しており、過大な力でイジェクトスイッチ65eの先端が押された際にスイッチ65eの破壊が無いように、イジェクト・ボタン10のたわみ量を押さえる構成を取る。
図3に示すスライドカム・ロッド11は、スライドカム・ユニット510を構成し、ぼぼ中央の穴11aがメカシャーシ1の裏面のボス1eに嵌合して回動自在に取り付けられ、スライドカム・ロッド11の一端のU字溝11bはスライドカムR12のボス12aと係合し、他端のU字溝11cはスライドカムL13のボス13aと係合し、3節のリンク構成を成す。したがってスライドカムL13はスライドカムR12と対称な動作すなわち反対向きに動作するものであり、カム13b〜13dの形状も後述のように対称に形成されている。またディスクを搬入し所定位置に搬送後ディスクをディスクモータ17であるスピンドルモータとクランパ・ユニット508にクランプするために、ディスクの周縁を保持する第1の保持手段であるアウトレバー4、9がディスクから若干離れるように、スライドカム・ロッド11の突起であるリブ11dはメカシャーシ1の穴1fを通り、アウトレバーR9のカム9dとアウトレバーR9の回動途中で係合する。またスライドカム・ロッド11の突起であるリブ11eはメカシャーシ1の穴1gを通り、アウトレバーL4のカム4dとアウトレバーR9の回動途中で係合する。
63はトップガイド67に対向するメカシャーシ1側のフロントガイドであり、前端部63bがディスクの挿入口の中央となるメカシャーシ1の中央切欠部1n(図1)の内側に位置し、後端部63cがテーパローラ61のローラシャフト60の中央部に係合し、ローラシャフト60を支点にして浮き状態にばね支持されている。またローラシャフト60を乗り越えた位置にインプッシュ・アーム5のボス5bが当接可能なカム部63aを設けている。ボス5bがカム部63aに当接するとボス5bの先端が挿入口に突き出すように向く。したがって、ディスクが挿入口に挿入されトッフガイド67とフロントガイド63の間に案内され、ディスクの周縁の前側がインプッシュ・アーム5のボス5bを押すと、ボス5bがカム部63aをスライドしてアウトレバーL13を開くように回動させ、これによってスイッチレバー2を押して検出スイッチ65dを動作させる。ディスクがさらに搬入されるとインプッシュ・アーム5はリブ5aがカム部1cに沿ってスライドおよび回動し、ディスク当接部4c、9cにディスクの周縁が把持状態に係合されながらアウトレバーL4が回動し、アウトレバーL4の回動によりアウトロッド7を介してアウトレバーR12がアウトレバーL4と反対向きに開くように回動し、ディスクの搬入が可能となり、レバー4、12に保持されたまま、これらの間を通過可能となる。
図4は、メカシャーシ1にフロントガイド63、スライドカム12、13、モータ32等を組み込んだ状態を示している。
図5および図6は、スライドカム・ユニット510、モータベース・ユニット504、505、回転保持手段であるローラユニット503を示している。スライドカムR12には、ラック部12kが設けられており、ラック部12kにはフック12hを介して案内溝14a(図32、33参照)と摺動自在に係合するスライドラック14が取り付けられる。スライドラック14には、下面側に係合溝14bがあり、スライドカムR12のレバー12gと係合した際にはスライドカムR12と一体となり、スライドカムR12のラック部12kと位相がそろう同一モジュールのラック部14cが設けられている。スライドラック14の突起14dとスライドカムR12の突起12jとの間にスライドラックばね15が設けられ、スライドラック14は+Y方向にばね付勢されている。またレバー12gの頭部12g1 の下面突出部はメカシャーシ1に形成した溝1p内に位置し溝1p内の突部1qと係合している(図34(b))。スライドラックばね15によりスライドラック14がスライドカムR12から離れた状態(図34)では、レバー12gの頭部12g1 の側面突出部が係合溝14bから、樹脂弾性および係合溝14bのテーパにより離れ、頭部12g1 の下面突出部が溝1pの突部1qの端部に係止する位置にスライドカムR12が位置している。このため、スライドカムR12は移動が規制される。後述(図16、図17参照)のチェック・カム54によりスライドラックばね15に抗してスライドラック14がスライドカムR12に近づくように押されると、レバー12gの頭部12g1 が係合溝14bに係合しそのテーパにより係合溝14bにガイドして係合状態となり、スライドラック14とスライドカムR12が一体となる(図35)。頭部12g1 が突部1qの端部から離れるとスライドカムR12は移動可能となると同時に頭部12g1 は係合溝14bに係合したまま突部12g1 の表面に沿って移動し係合溝14bからの外れが規制される。
スライドカムR12は、トッププレートユニット507のピン57d(図19)と係合するカム溝12b、ローラシャフト60の一端に設けたローラガイド60aと係合するカム溝12c、図7に示すトラバース・シャーシ22のピン22aと係合するカム溝12d、メカシャーシ1の浮き防止ピン(図示せず)と係合するカム溝12e、および、クラッチ43(図11参照)のボス43aと係合するカム溝12fを有する。スライドカムR12が−Yと反対方向にスライドすると、カム溝12bによりクランパユニット508ががクランプ動作し、ディスクをディスク・モータ17上に押える。カム溝12cにより、ローラガイド60aが押し下げられ、ディスクのクランプのためテーパ・ローラ61がディスクから離れる。カム溝12dによりトラバースユニット502が持ち上げられディスク・モータ17がクランパ側に迫り出してディスクを支持する。カム溝12fによりクラッチ43が回動し歯車42がローラ側の歯車62から離れ、テーパ・ローラ61の回転が停止しディスクの移動が停止する。また、スライドカムR12のリブ12aの先端部12iは、P板65上の停止スイッチ65cと当接し、モータ32の回転が停止してスライドカムR12の停止位置を示すよう構成されている。一方、スライドカムR12が逆方向にスライドすると、これらの動作が逆になり、元の状態に戻る。
スライドカムL13には、トッププレートユニット507のピン57cと係合するカム溝13b、ローラガイド60aと係合するカム溝13c、トラバース・シャーシ22のピン22bと係合するカム溝13d、メカシャーシ1の浮き防止ピン(図示せず)と係合するカム溝13eを持つ。このスライドカムL13は、スライドカムR12とスライドロッド11を介して反対向きに移動するものであり、前記したようにカム形状はスライドカムR12と対称に形成されている。
ローラ・ユニット503は、ローラ・シャフト60の中央にフロントガイド63を回動自在に取り付け、両側に取り付けられたテーパー・ローラ61と、ローラ・シャフト60の片側に圧入された歯車62と、ローラ61が円滑に回動するように、テーパー・ローラ61と他部材例えばフロントガイド63との間にはポリスライド・ワッシャが2枚ずつ装着される。ローラ・シャフト60の両端にローラガイド60aを設け、ローラガイド60aとメカシャーシ1との間に圧縮ばね60b(図38参照)を介在してスライドカム12、13のカム溝12cを形成するラックにローラガイド60aを押し付けている。
なおモータベースユニット504、505は後述する。
図7および図8はトラバースベースユニット507を示す。トラバース・ベース16には、ディスク・モータ17がねじ27を介して、また光ピックアップ30を駆動するためのステッピング・モータ18がねじ29を介してそれぞれ固定されている。
光ピックアップ30をガイドするガイド軸25は、シャフトばね20がビス29で、チルトばね19は虫ねじ28でトラバース・ベース16に取付けられてこれらに保持され、かつ調整された後、ガイド軸25に光ピックアップ30が取り付けられる。ディスク・モータ17およびステッピング・モータ18は、フレキシブルリードを用いたモータ・フレキ21で端子21aを介して、P板65上の裏面のコネクタ65a(図24参照)と接続される。光ピックアップ30はフレキ502aでコネクタ65b(図23)と接続される。
トラバース・シャーシ22は、トラバースベース16の前方側に取り付けたダンパー23を介してダンパーねじ24でトラバース・ベース16に取り付けられる。
トラバース・シャーシ22のメカシャーシ1への取り付けは、後方側はトラバース・ベース16の穴部16aに取り付けたダンパー23をねじ26を用いてメカシャーシ1のリブ(裏面側、図示せず)に弾性支持され、前方側はメカシャーシ1の裏面側の係合溝(図示せず)を介して軸22aがスライドカムL13のカム溝13dと係合し、軸22bがスライドカムR12のカム溝12d(スライドカムL13のカム溝とは位相反転)と係合し、ローラ・シャフト60をスライドカムL13およびR12のローラ昇降用のカム溝13c、12c間に組み込むことにより、カム溝13c、12cとカム溝13d、12dの傾斜が反対向きであるため、トラバース・シャーシ22の軸22a,軸22bはスライドカム12、13のカム溝13d、12dから外れない位置に設けられている。
トラバース・ベース16は、スライドカムR12の動きに連動して後方側のダンパー23を中心に、ディスクモータ17がディスクを支持する位置とディスクから離れた位置との間を回動する。
図9および図10は、モータベースA・ユニット504を示している。このモータベースA・ユニット504は、モータ・ベースA31にねじ37を介して取り付けられたローディング・モータ32と、ローディング・モータ32のシャフトに圧入された歯車33と、この歯車33と歯車列をなして、モータ・ベースA31に回転自由に固定される歯車34と、プーリ歯車35と、そのプーリ部35aに巻き付けられたプーリベルト36から成る。
モータベースA・ユニット504は、プーリベルト36の反対側を後述のモータベースB・ユニット505のプーリ歯車41のプーリ部41aに巻き付け駆動力の伝達を行い、メカシャーシ1には長穴31aで位置決めを、角穴31bで浮き防止を行い固定される。
図11から図13はモータベースB・ユニット505を示している。このモータベースB・ユニット505は、モータ・ベースB38に取り付けられた歯車39と、この歯車と歯車列をなして、モータ・ベースB38に回転自由に固定される歯車40およびプーリ歯車41と、クラッチ43にカットワッシャ44で取り付けられた歯車42と、クラッチ43を+R方向にばね付勢するためのクラッチばね45から成る。
クラッチ43の穴43bとプーリ歯車41の中心穴41bは、モータベースB38の軸38bと同軸にカットワッシャ44で固定され、歯車42がクラッチ43の回転範囲でプーリ歯車41の遊星ギアの構成となる。クラッチ43は、スライドカムR12のカム溝12fとクラッチばね45によって係合するためのピン43aと、クラッチ43が+R方向に大きく回転した際にスライドカムR12のカム溝12fに当接してストッパとなる突起43cを持つ。
プーリ歯車41のプーリ部41aには、前述したようにプーリベルト36が取り付けられる。プーリベルト36の回動が歯車40、42に伝達され歯車40から歯車39に伝達され、歯車39にスライドラック14およびスライドカムR12のラック部12k、14cが噛み合ったときスライドカムR12がスライドを始め、スライドカムR12はスライドしながら上記した動作を行なう。
モータベースB・ユニット505は、メカシャーシ1の穴と係合する突起38dと突起38eで位置決めを行い、爪部38cで浮き防止を行い固定される。
図14から図17はチェックプレート・ユニット506を示す。このチェックプレート・ユニット506は、セット・レバー46のピン46aに軸支されサイド・アームばね49を介してばね付勢したサイド・アーム45と、チェック・レバー48のピン48aにサイド・アーム45の穴46bが回動自在に取り付けられたセット・レバー46と、チェック・レバー48のピン48bに穴47aが回動自在に取り付けられストップ・アームばね50でばね付勢されたストップ・アーム47からなる4節のリンクと、第1のカム板であるチェック・プレート53と、チェック・プレート53に移動自在に取り付けられた可動な第2のカム板であるチェック・カム54からなる。
チェック・カム54は、チェック・プレート53の凹部53pに摺動自在に嵌まり、凹部53pの一側に形成したスリット状のガイド溝53cに、一側に設けたフック状のガイド突起54aが摺動自在に係合し、他側54dでチェック・プレート53に設けた爪部53kと幅方向に係合することにより、チェック・プレート53から外れることなくY方向に摺動自在に取り付けられる。このチェック・カム54に、スライドラック14を移動させるためスライドラック14に形成した溝14eに係合する突起であるリブ54bを設けるとともに、チェック・レバー48のピン48eを係合するカム溝54cを設けている。このカム溝54cはピン48eが端部から進入させる略L字形に形成し、ディスクが大きい径のときはピン48eが先端まで移動してチェック・カム54を押し、リブ54bでスライドラック14を押し、またディスクが小さい径のときはピン48eが先端側へ曲がるまでに略L字形のカム溝の側面を押してチェック・カム54を移動させ、リブ54bでスライドラック14を押すようにしている。
上記の4節リンクを構成したチェック・レバー48のフック状のガイドピン48aはチェック・プレート53のガイド溝53bとスライド自在に係合し、セットレバー46のフック状のガイドピン46dはチェック・プレート53のガイド溝53aとスライド自在に係合し、チェック・レバー48のピン48cはチェック・プレート53のカム溝53gと係合する。サイド・アーム45のピン45aはチェック・プレート53のカム溝53lのストッパ部とばね作用により係止し、振動等によるセット・レバー46およびチェック・レバー48の動きを規制する。セット・レバー46の長穴46cはチェック・プレート53のピン53hと回動自在に係合する。ストップ・アーム47のピン47bは12cmディスクのときチェック・プレート43のカム溝53iと係合しディスクに押されてカム溝53jの突起部53tに当接すると回動規制され停止する(図59)。ピン47cは8cmディスクのときチェック・プレート53の溝53jの突起部53uに当接すると回動規制され停止する(図60)。またチェック・レバー48のピン48eが上記したようにチェックカム54のカム溝54cに係合する。45b、47dはディスクの周縁に当接する略溝状の当接部である。
チェック・プレート53を取り付ける時に、セットレバーばね51がばね受け46eに設けられてセットレバー46を図17の矢印の方向に付勢し、チェック・レバーばね52(引っ張りばね)がチエック・レバー48の引掛部48fとチェック・プレート53の引掛部53n間に引掛けられ、チェック・レバー48の略溝状のディスク当接部48d側を軸48aを中心に回動してディスクの周縁に近接する方向に向けている。このように、チェックレバー48等が、チェックレバーばね52の取付け、ガイドピン46d、48aとガイド溝53a、53bとの係合等によりチェック・プレート53に保持される。
これらのレバーおよびアーム類が、チェック・プレート53のガイド溝およびカム溝類を動くことにより、ディスク搬入搬出動作が可能となる。すなわち、ディスクが搬入されアウトレバーユニット509を通過すると、ディスクの周縁部がサイド・アーム45の当接部45bに当接してサイドアームばね49に抗してこれを回動させ、ピン45aがカム溝53lのストッパ部への係止から解除される。同時にセットレバー46の長手方向に力が加わるがカム溝53a、53bに直交する方向のためこれらに規制されて回動できない。ディスクの周縁がサイド・アーム45に当接しながらさらにチェックレバー48の当接部48dに当接するとチェックレバー48のガイドピン48aがカム溝53bを移動し、セットレバー46のガイドピン46dがカム溝53aを移動しかつ長穴46cが軸53hを移動することによりセットレバー46の回動が可能となり、サイド・アーム45のピン45aがカム溝53lを摺動しながら、セットレバー46とチェックレバー48が互いに開くように回動する。ここで、ディスクが搬入されてチェック・レバー48の当接部48dに先にディスクの周縁が当接してディスクが当接部45bを回動させるがセット・レバー46を押していない場合、ピン48cがガイド溝53gのストッパ部53g1 に係止して回動が規制される。ディスクの周縁が当接部45bに当接してセットレバー46を回動させるように押すことによってピン48cがストッパ部53g1 から外れてチェックレバー48が回動可能となる。この結果、ディスクがセット・レバー46またはチェック・レバー48の片方のみを押すように中間から偏寄しているときは、レバーの回動規制によりディスクが中心方向にセンタリングされ、両方のレバーに当たることよって両レバーが回動可能となりディスクの進入が可能となる。
セットレバー46およびチェックレバー48間にディスクが進入するとディスクの周縁がストップ・アーム47の当接部47dを押し、ストップ・アームばね50に抗してこれを回動させピン47bがカム溝53iの突起部53tに係止する状態に回動し、チェック・レバー48は係止部53g3 で一旦回動を停止させ(図59)、セット・レバー46も停止する。
一方、その間のチェック・レバー48の回動によりピン48eがチェック・カム54のカム溝54cに係合してチェック・カム54を移動させ、先述のスライドラック14を歯車に噛み合わせる。ここで、ディスクの径が大きい12cmディスクのとき、チェック・レバー48のピン48cはディスクに押されるセット・レバー46との兼ね合いでカム溝53gの第1溝53g2 を通過し係止部53g3 に係止するまでにピン48eが係止溝54cの端部に位置してチェック・カム54を移動させ、チェック・カム54の移動によるスライドカム12、13の動作でチェック・カム54が押されるとピン48eをカム溝54cで逆に押してチェック・レバー48をさらに回動させ、このときピン48cは第1溝53g2 の奥端に連続する溝53g4 に移動する。またディスクの径が小さい8cmディスクのとき、カム溝53gの第2溝53g5 を係止部53g6 まで通過し、この間にチェック・カム54cのカム溝54cの側部を押してチェック・カム54cを押し、上記と同様にスライドカム12、13が動くとカム溝54cでピン48eを押してチェック・レバー48をさらに回動させ、このときピン48cは第2溝53g5 の奥端に連続する溝53g7 に移動する。チェック・レバー48が溝53g4 、53g7 に沿って回動するのに伴って、チェック・レバー48の当接部48dがディスクの周縁から離れると同時に、セット・レバー46およびストップ・レバー47も当接部45b、47dがディスクから離れるように動作する。
すなわち、ディスクがストップ・アーム47の係止位置で停止する位置になるまでに、スライドカムR12およびスライドカムL13がスライドしてクラッチ歯車42がローラ歯車62から離れローラ・ユニット503の回転が停止し、したがってディスクの搬入動作が停止し、つぎにディスクを送っているローラ61がディスクから離れる。このとき当接部45b、48dの溝底面がディスクの周縁から例えば0.5mm程度離れた状態に保持するようにチェックレバー48のピン48cがカム溝53gの係止部53g3 または53g6 (小ディスクの場合)に係止する。これによりディスクの中央穴が、ディスクモータ17の頂部の断面略台形状の傾斜周面を上端角部に形成した突部に嵌合してディスクのセンタ出しを容易にする。続いてスライドカムR12とともに移動しているスライドラック14の移動によるチェックカム54の移動により、カム溝54cで逆にピン48eを押してディスクの周縁からさらに当接部45b、48dが1〜数mm程度離れるようにセットレバー46およびチェックレバー48を開いてディスクモータ17へのクランプを可能にする。ストップアーム47は、12cmディスクの場合、チェックレバー48のピン48cが係止部53g3 から溝53g4 に進入するのに伴って、図59に示すように突起47bが係止部53tから外れ、ストップアーム47の突起部47fがカム溝53jの突起部53vに当たり、当接部47dがディスクから離れるように回動する。8cmディスクの場合、ストップアーム47はチェックレバー48のピン48cが係止部53g 6から溝53g 7に進入するのに伴って、図60に示すように突起47cが係止部53uから外れ、ストップアーム47の突起部47gの裏面の凸部(図示せず)がカム溝53jの突起部53xに当たり、当接部47dがディスクから離れるように回動する。
もちろんこのとき、スライドカム12、13の移動によりスライドカムロッド11のリブ11d、11eがアウトレバー5、9のカム溝4d、9dに係合してアウトレバー5、9をディスクから離れるように連動している。
チェック・プレート53のメカシャーシ1への取り付けは、穴53fをメカシャーシ1の爪付きボス1i(図3参照)に固定し、爪53kはメカシャーシ1の穴1kに、爪53eはメカシャーシ1の穴1jと係合固定される。
この際、チェック・カム54のリブ54bが、スライドラック14の溝14eと係合するように取り付ける。またチェック・プレート53の前端側中央にクランパ・ユニット508が通る円弧状凹部53rを形成している。
図18および図19はトッププレート・ユニット507を示す。このトッププレート・ユニット507は、トッププレート57と、トッププレート57に取り付けられたトップ・パッド59と、トッププレート57のバーリング57aに中間部の孔58cを通るねじ60で回動自在に取り付けられたクランパ・ロック58からなる。
トッププレート57は、メカシャーシ1の両側の穴1h(図2参照)にトッププレート57の両側の軸57bが回転自在に取り付けられる。凸57cはスライドカムL13のカム溝13bと係合し、凸57dは、スライドカムR12のカム溝12b(スライドカムL13のカム溝とは位相反転)と係合し(図45参照)、スライドカムR12の動きに連動して回転軸57bを中心に回転し、テーパ・ローラ61とともにディスクを挟持しているトップパッド59がディスクから離れることができ、後のクランプを可能とする。
トップ・パッド59は、トッププレート57のへの字型に曲げられた部片57eに取り付けられ、対向するテーパ・ローラ61との間で、ディスクの周縁のエッジ部のみを保持することにより、ディスクに傷を付けることなくディスクの搬送が可能である。59aは取付部、57fはその取付受け部である。
クランパ・ロック58は、先端の円弧状部58dがクランパロックばね58cで−R方向へばね付勢され、円弧状部58dとチェック・プレート53の円弧凹部53rとの間において後述のクランパ・ユニット508を、円弧状部58dの内周側に形成した傾斜面58bですくい上げ、クランパ・ユニット508の垂れ下がりを防止するとともにロック状態に挟持し、これによりディスク挿入時のクランパ・ユニット508との接触を防ぐとともに、イジェクト時にクランパ・ユニット508を外す際の駆動機構の負荷を低減する。
トッププレート57の突起状のリブ58aは、ローディング終了直前にスライドカムL13のリブ13dと当接し(図3参照)、スライドカムL13に押されて+R方向に回動することによりクランパ・ユニット508のロックを解除して、クランパ・ユニット508を解放し、ディスク100をクランパ・ユニット508とディスク・モータ17との間で挟み込み、ディスク・モータ17によりディスク100を回転可能とする。
図20および図21はクランパ・ユニット508を示す。このクランパ・ユニット508は、クランパB55内にマグネット121とバックヨーク120を格納して、クランパA56で蓋をし、クランパA56の3箇所の係合爪56aでクランパB55の爪受け部55aと係合して固定した構成を取る。このクランパ・ユニット508はディスクモータ17に磁気吸着してその間にディスクをはさみ込み固定し、クランパ・ロック58の傾斜面58bですくい上げることによりクランプ解除する。55bは突起であり、クランプ時にディスクモータ17の頂部の凹部17a(図7参照)に位置決め嵌合する。
図22から図24にP板65を示す。上記したようにP板65の裏面側のコネクタ65aにはステッピングモータ18のモータ・フレキ21の端子21aが接続され、表側のコネクタ65bには光ピックアップ30のフレキ502aが接続される。またベースカバー68がP板55の出力部を被覆し、FPCカバー64がコネクタ65bを被覆し、ベースカバー68およびFPCカバー64が光ピックアップ30のフレキ502aの中間の折れ曲がり部分のガイドを行う。65cはディスクのローディング完了検出を兼ねる停止スイッチである。
P板65は、メカシャーシ1の裏面側の位置決めピン(図示せず)とP板65の穴が係合し、ロアー・シールド69を介して、P板65とメカシャーシ1がフレーム66にビス70で固定される。
つぎに、12cmディスクのローディング動作を説明する。
12cmディスク100が、メカシャーシ1の図1における上面側でフレーム66との間に形成される挿入口に挿入されると、図25で示すようにアウトレバーL4の先端に回動自在に取り付けられたインプッシュ・アーム5のレバー5bと12cmディスク100が当接し、インプッシュ・アーム5が−R方向に回動する。インプッシュ・アーム5の回動前は、インプッシュ・アーム5のボス5aがフロントガイド63のカム部63aに当接し、かつアウトレバーL4およびアウトレバーR9がアウトロッド7で連動連結されて、振動や衝撃などの外乱によりアウトレバーL4およびアウトレバーR9が単独で動くことの無いよう規制されている。この状態では、アウトレバーL4の下面側カム4dとスイッチ・レバー2のカム部2bが当接して、スイッチ・レバー2のボス2aがP板65上の検出スイッチ65dを押している。
上記のように、インプッシュ・アーム5が回動すると、そのボス5aがカム部63aを摺動しながらインプッシュ・アーム5が取り付けられたアウトレバーL4がともに回動し、その下面側カム4dはスイッチ・レバー2のカム部2bからカム溝2eを通るため(図3参照)、スイッチ・レバー2は+R方向に回動してボス2aがP板65上の検出スイッチ65dから離れる。この変化をCPUが検出して、ローディングモータ32を、テーパローラ61が12cmディスク100を装置内へ搬入する方向に回転させる。12cmディスク100はテーパローラ61とディスク100を挟んで対向するトップパッド59との間でディスク100の周縁であるエッジ部分のみを保持された状態で搬入されるため、ディスク100の記録面およびその裏側の面に接触せず傷を付けない。
12cmディスク100は、図26で示すようにアウトレバーR9の当接部のガイド溝9cとアウトレバーL4の当接部のガイド溝4cおよびインプッシュ・アーム5のガイド5bとの間で周縁を保持されたまま、装置内へ搬入される。このとき、アウトレバーR9とアウトレバーL4はディスク100の径に応じて互いに離れるように回動するが、アウトロッド7で連結されているため、回動角度はほぼ等しく、そのためディスク100のセンタが横にずれることが規制される。
図27で示すように12cmディスク100は、アウトレバーR9のガイド溝9cとアウトレバーL4のガイド溝4cおよびインプッシュアーム5のガイド5bとの間で周縁を保持されたまま、装置内へさらに搬入される。次に12cmディスク100の先端部は、サイド・アーム45のガイド溝の当接部45bと当接してサイド・アーム45をセット・レバー46に対して回動させて、これによりセット・レバー46の規制が解除するのでチェックプレート53上を回動可能となる。
図28で示すようにサイド・アーム45に保持された後、12cmディスク100はチェック・レバー48のガイド溝の当接部48dとも当接して、チェックプレート53上をチェック・レバー48が移動可能となる。セット・レバー46は先端部付近にガイド部46dを設け、ガイド部46dとチェック・レバー48のガイド部48aをチェック・プレート53のカム溝53a、53bにスライド自在に係合している(図14参照)。これにより、セット・レバー46もチェック・レバー48もディスク100の中心穴がディスク100の搬入完了時にディスク・モータ17の中心が大きくずれないように、ディスク100の中心穴の挿入軌跡がディスク・モータ17の中心を通るようチェックプレート53のカム溝53a、53bのカム形状で規制されている。
図29で示すように12cmディスク100は、その周縁でストップレバー47に当接してこれを回動させストップレバー47の所定位置で係止する。さらに図29で示すように、ディスク100の周縁をアウトレバーL4、アウトレバーR9、セット・レバー46およびチェック・レバー48で保持された状態で搬入されており、搬入完了直前にチェック・レバー48のピン48eがチェック・カム54を−Y方向に押し出すようにピン48eが係合する略L字形のカム溝54cがチェック・カム54に設けられている。押し出されたチェック・カム54は、係合するスライド・ラック14を−Y方向に押し出し、図32のようにスライド・ラック14およびスライド・カムR12のそれぞれのラック部14c、12kが位相を異なり、かつ、メカシャーシ1の溝1pとスライド・カムR12のレバー12gの爪部である頭部12g1 でラック部14c、12kが歯車39と係合しないように設けられた状態から、図33のようにスライド・ラック14およびスライド・カムR12のそれぞれのラック部14c、12hの位相が合い、かつ、図34から図36に示すようにスライド・カムR12の頭部12g1 がスライド・ラック14の係合溝14bに係合し、メカシャーシ1の溝1p内の突出部1qの端部とスライド・カムR12の頭部12g1 とのロックが外れて、スライド・ラック14のラック部14cが歯車39と係合し、図33のようにスライド・カムR12のラック部12kも続いて歯車39と係合して、以後スライド・ラック14とスライド・カムR12は、一体で移動する。
スライド・ラック14が動き出すまでは、ローラ歯車62の歯車係合動作としては、図32のように、ローディング・モータ32から減速系を経てベルト36で締結されたプーリ歯車41は、ローラ回転系の歯車41、歯車42、歯車62と係合し、同時に、トラバースメカ昇降系の歯車40、歯車42に駆動力を伝達している。この時、歯車39とスライド・カムR12およびスライド・ラック14は係合していないので、ローラ回転系のみ駆動力が伝達される。
スライド・ラック14が動き出すと、図33から図37のように、クラッチ43のカム部43aがスライド・カムR12のカム部12fで押し上げられ、クラッチ43に取り付けられた歯車42とローラ・シャフト60に圧入された歯車62の歯車ピッチが離れてローラ回転系の駆動力の伝達は徐々に無くなる。
やがて図37のように、歯車39とスライド・カムR12およびスライド・ラック14の係合が完全に終わると、トラバースメカ昇降系のみ駆動力が伝達される。
図30で示すように12cmディスク100は、ディスク搬入完了後のスライド・カムR12の動きに応じて、ディスク100をスピンドル・モータ17とクランパ・ユニット508で保持する直前まで、アウトレバーL4、アウトレバーR9、セット・レバー46およびチェック・レバー48でディスク100の周縁より0.5mm程度隙間を開けて保持された状態で搬入されており、ディスク保持時の偏心量を少なくしてディスクの芯出し性能を高める構成をとっている。
ローディング完了間際になると、図31で示すように12cmディスク100は、アウトレバーL4、アウトレバーR9、セット・レバー46およびチェック・レバー48がディスク100の周縁より1.5mmから2mm程度隙間を開けて保持された状態で搬入されており、ディスク100の衝撃や振動等による傷付きを防止する構成をとっている。これによりディスク100を芯だしよくディクスモータ17にクランプできる。
スライド・カムR12の動作に連動して、ローラ・ユニット503の昇降動作、トラバースベース16の昇降動作、トッププレート57の昇降動作も同時に行っている。
ローラ・ユニット503の昇降動作としては、図38(a)、図39で示すようにス ライド・カムR12が動かない状態では、ラックを構成するローラ・ガイド内のローラ・リング60aがスライド・カムR12のカム部12cに影響されず、図38(b)、図40に示すようにディスク厚みに応じて回転保持手段であるテーパ・ローラ61がばね60bを圧縮して下降して、前述のローラ回転系の駆動力がディスク100に伝達される。
図38(c)、図41で示すようにスライド・カムR12が動き始めると、ローラ・ガイド内のローラ・リング60aがスライド・カムR12のカム部12cと係合して、テーパ・ローラ61が下降し始める。下降しながら回転していたテーパ・ローラ61はローラ回転系の駆動力の伝達が切れると共に停止し、最後に、図38(d)、図42で示すようにディスク100に対して1.5mmから2mm程度の間隔を開けてディスクの衝撃や振動等による傷付きを防止する構成をとっている。
トラバースベース16の昇降動作としては、図43で示すようにスライド・カムR12が動かない状態では、トラバースベース16にダンパ23を介して取り付けられたトラバース・シャーシ22のガイドピンである軸22a、22bと、スライド・カムR12およびスライド・カムL13のカム溝12d、13dが係合してトラバースベース16を傾斜保持する。
傾斜保持したまま、ディスク100の搬入を終了するとスライド・カムR12が動き出し、スライド・カム・ロッド11を介してスライド・カムL13が反対向きに動き、それぞれのカム溝12d、13dに係合した軸22a、22bがカム形状により徐々にトラバースベース16が略水平になる。
ディスク100のスピンドル・モータ17の凹部17aにクランパ・ユニット508の突起55bが嵌まる芯出しが終わると、図44で示すようにトラバースベース16は略水平になる。
最後に、トッププレート57の昇降動作としては、図45(a)で示すようにスライド・カムR12が動かない状態では、テーパ・ローラ61と対向してディスク100を保持するトップ・パッド59が略水平であり、ディスク100を保持するクランパ・ユニット508を収納したトッププレート57のクランプ保持部57eはディスク100に対して十分離れた位置にある。このとき、クランパ・ユニット508はクランパ・ロック58によりクランパが垂れ下がってディスクに接触しないように隙間を殺している。
図45(b)で示すようにディスク100が挿入されると、スライド・カムR12のカム溝12bでトップパッド59は高さを保持されるため動かず、対向するテーパ・ローラ61がディスク100の厚みに応じて下降して、前述のローラ回転系の駆動力によりディスク100が搬入される。
ディスク搬入後にスライド・カムR12が動き出すと、図46(a)で示すようにスライド・カムR12のカム形状により徐々にトッププレート57は回動させられ、トップパッド59はディスク100から離れる方向に傾斜付勢され、クランパ・ユニット508を収納したクランプ保持部57eは略平行に近づく。この時、クランパロック58はクランパ・ユニット508がスピンドル・モータ17との間でディスク100を保持する直前までクランパ・ユニット508の高さ位置規制を行う。
ディスク100のスピンドル・モータ17とクランパ・ユニット508の芯出しが終わる、すなわちディスク100がスピンドル・モータ17に芯出し状態に載ると、図46(b)で示すようにクランパ・ロック58はクランパ・ユニット508から離れ、トッププレート57のクランプ保持部57eは略平行になるよう構成されている。
イジェクトスイッチ65eによるイジェクト動作は、上記のローディング動作と全く逆の手順を踏む逆の動作である。
つぎに図47および図48は強制イジェクト機構とその動作を示す。強制イジェクト機構は非通電時のディスク排出機構であり、スライドカムR12をローディンク時と反対方向に手動で強制的に押圧する手段と、ローラ歯車62をディスク100が搬出する方向に手動で強制的に回動させる手段を有する。
図47(a)は、ローディング完了時のスライドカムR12とスライドカムR12の近傍に設けられた第4のラックを構成するイジェクト・レバー140を示す。イジェクト・レバー140はメカシャーシ1の内面と接する向きにばね141によりばね付勢されている。ローディング機構内のディスク100を排出するために、ばね141に抗して外部からピン142でメカシャーシ1の孔143を通してイジェクト・レバー140を押す。
図47(b)で示すように、ピン142で押されたイジェクト・レバー140はスライドカムR12と係合して、スライドカムR12のイジェクト時の移動完了位置までスライドカムR12を動かす。これによりテーパ・ローラ61が上昇しディスク100の周縁に密接する。この際に、イジェクト・レバー140の上部ラック144が歯車62と係合して、ディスク100を排出する向きに歯車62を回転させ、回転に応じてディスク100が装置外へ排出される。
図48(a)で示すように、ピン142の押圧動作としては、スライドカムR12の移動完了位置までのストロークしか押せないため、押し切りの位置ではイジェクト・レバー140にモーメントが加わり、イジェクト・レバー140は回動し、上部ラック144と歯車62との係合が外れる。
図48(b)で示すように、押せなくなったピン142に対する押圧力を解放すると、ピン142は付勢ばね141で装置外に押し戻され、この際に、回動したままイジェクト・レバー140は図47(a)の位置まで戻る。
図48(c)で示すように、スライドカムR12がイジェクト時の移動完了位置まで下がったままで、再度ピン142でイジェクト・レバー140を押すと、イジェクト・レバー140の上部ラック144が歯車62と係合して、ディスク100を排出する向きに歯車62を回転させ、テーパ・ローラ61が回転し、回転に応じてディスク100が装置外へ排出される。
ディスク100の排出は、上記の図48の動作を繰り返すことにより完了する。ピン142は手動により作動することができる。
イジェクトボタン10を介してイジェクトスイッチ65eが押される頻度または押される時間が長い時は、電気的なディスクの強制排出機能として、イジェクトボタン10が押されている間はディクスを排出方向に動かし、頻度が少なくまた時間が短いときは常用のロード・イジェクトスイッチとして搬送手段を使い分けることができる。さらに、ローディング完了を検出するスイッチまたはイジェクト完了を検出するスイッチの検出動作に応じてイジェクトスイッチ65eが押されたとき、例えばローディング中のときはディスク搬送手段によりイジェクトし、イジェクト中のときはディクス排出スイッチが例えば1秒以内の時間ならローディングに切り替え、それ以上の時間ならば電気的なディスクの強制排出機能としてイジェクトボタン10の押し時間ディスクを排出方向に動かす。
図49はこのディスクローディング装置のブロック構成図を示し、P板65に設けられている。すなわち、レーザ駆動回路130が動作して光学ピックアップ(ヘッド)30よりレーザをディスク100に照射し、光ピックアップ30の受光部よりディスク100の信号を受光し、再生信号処理回路131により処理する。132はその変調復調回路、133はメモリのRAM、134は中央処理装置(MPU)、135はパーソナルコンピュータ(PC)である。光学ピックアップ30には温度センサが組み込まれており、ディスク100の記録膜近傍の温度を測定する。
136はモータ系のPWM駆動回路である。PWM(Pulse width
Modulation)は、一定電圧をパルス状に供給し、パルスの供給幅を変えることにより、供給パルスの積分相当の電流をモータ17に駆動する事ができる駆動回路である。
PWM駆動回路の方が、きめ細かにモータ17の駆動電流を設定することができ、電流供給のプロフィールをファーム・ウエアで設定しておけば、回路常数の変更や駆動機構の変更が不要のみならず、動作音の低減や機構の信頼性向上に活用できる。
一般に、実使用時のローディング動作音は小さい方が好ましいため、標準ディスクを想定してローディング機構のギア比やファーム仕様を設定するが、異常ディスクや低温時にはトルク不足となるためディスクが搬送できない等の不具合が発生している。
本発明では、保証温度でのロード・イジェクト動作と、温度環境によりローディング機構の負荷が大きくなる5度以下の保証温度外で、ファーム・ウエアの仕様を変えることにより、前記の課題を解決する。切換のための温度測定は、光学ピックアップ30の温度センサを使用する。
図50は、本発明のディスクローディング装置の、ローディング時およびイジェクト時のPWM駆動回路のプロフィールを示したものである。図50(a)の縦軸は、PWM駆動電圧を表示したもの、横軸は動作時間を示す。図50(b)の縦軸はPWM駆動回路によりパルス駆動される供給量の積分であるPWM駆動電流を示したもの、横軸は動作時間を示す。例えば、基準電圧が12Vで50%のパルス供給量がある場合には、6V定電圧駆動時の電流がモータに加わることになる。
図51(a)は、保証温度内でのローディング時のPWM駆動回路のプロフィールを示したものである。通常ローディング動作では、時間がかかるディスク搬入中はパルス供給量をaパーセントとしてローディング音の低減を図り、大きな力を必要として瞬時で終わるトラバースベースの移動はパルス供給量をbパーセントとする。
ディスク厚みやディスク端面の接着剤の付着や打ち抜きのバリ、およびディスク100のレーベル面のコーティング処理は、テーパ・ローラ61を用いたディスクローディング機構ではディスク搬送時の大きな負荷になる。また、経時的にテーパ・ローラ61とシャフト60、および、ベルト36とプーリ間の滑りが発生するため、伝達トルクが低下してディスク搬送時の大きな負荷になる。
こうした高負荷時のディスク搬入動作では、当初aパーセントで搬入できなかったディスク100も時間の経過でbパーセントに移行するため違和感無くディスク100の搬入が可能となり、実使用上トラブルを引き起こさない構成を取れる。この時、タイムアウトの設定は通常のローディング時間の2倍以上に設け、かつ、タイムアウト時のパルス供給量が一番高くなるように設定する。
図51(b)は、保証温度外でのローディング時のPWM駆動回路のプロフィールを示したものである。真冬の朝一番でのディスク100の出し入れを想定して、保証温度でのPWMのパルス供給量bよりも大きいcパーセントのパルス供給量とする。一般に低温時のローディング機構の負荷は常温時の1.5倍以上大きくなるので、タイムアウトの設定は通常のローディング時間の4倍以上に設ける。
図52(a)は、保証温度範囲(通常使用温度)内でのイジェクト時のPWM駆動回路のプロフィールを示したものである。通常イジェクト動作では、大きな力を必要として瞬時で終わるトラバースベースの移動はパルス供給量をbパーセントとし、時間がかかるディスク排出中はパルス供給量をaパーセントとしてローディング音の低減を図る。
高負荷時のディスク100の排出動作では、当初aパーセントで搬入できなかったディスク100も時間の経過でbパーセントに移行するため違和感無くディスク100の排出が可能となり、実使用上トラブルを引き起こさない構成を取れる。この時、タイムアウトの設定は通常のイジェクト時間の2倍以上に設け、かつ、タイムアウト時のパルス供給量が一番高くなるように設定する。
図52(b)は、保証温度範囲外でのイジェクト時のPWM駆動回路のプロフィールを示したものである。真冬の朝一番でのディスク100の出し入れを想定して、保証温度でのPWMのパルス供給量bよりも大きいcパーセントのパルス供給量とする。一般に低温時のローディング機構の負荷は常温時の1.5倍以上大きくなるので、タイムアウトの設定は通常のイジェクト時間の4倍以上に設ける。
図53から図58は8cmディスクのローディング動作を示す。図53は図25に対応し、図54は図27に対応し、図55は図28に対応し、図56は図29に対応し、図57は図30に対応し、図58は図31に対応している。これらの図を比較すると、8cmディスクは12cmディスクよりも径が小さいため、搬入の際のアウトレバーL4の先端に取り付けられたインプッシュ・アーム5およびアウトレバーR9の開き具合が異なる。またディスク100aの搬入途中で、サイド・アーム45、セット・レバー46、ストップアーム47およびチェック・レバー48との係合具合が異なり、この時の軌跡はチェックプレート53およびチェック・カム54のカム溝で移動の軌跡が決められている。すなわち、図55に示すようにディスク100aの周縁がセット・レバー46とチェック・レバー48の当接部に当接し開き回動する。図56に示すようにディスク100aの周縁がさらにストップ・アーム47に当接するとともに、チェック・レバー48のリブ48eがチェックカム54のカム溝54cに入口付近に係合する。図57に示すようにストップアーム47の回動が停止するまでチェック・レバー48とセット・レバー46が回動し、このときセットレバー46はディスク径が小さいのでディスク100aから離れる。ピン48eはチェックカム54のカム溝54の奥端部に至る途中の位置で停止し、その間にチェックカム54を移動させスライドラック14をスライドカムR12に係合する。図58に示すようにローディング・モータ32の駆動によりチェックカム54が動かされるとピン48eがさらに回動してチェック・レバー48およびストップアーム47がさらに回動しこれらがディスク100aから離れる。ストッパアーム47は、図60に示すように、チェックレバー48のピン48cが係止部53g6 から溝53g7 に進入するのに伴って、突起47cが係止部53uから外れ、ストッパアーム47に設けた突起47f、47gの間に係合溝53jの突起部53wをまたぎ、さらに突起部53xをまたぎつつ突起47gが突起部53xの側面に当接し側面をなめるように摺動しながら当接部47dがディスク100aから離れるように回動する。
ディスク搬入の際の上記のレバーの保持具合を除けば、ローディング動作は12cmディスクの場合と同様である。