JP3980041B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
設定表示部114は複数の可視LED(Light Emitting Diode)を有し、誘導加熱装置の設定状態を表示する。
静電シールド体1512と被加熱体110との間に浮遊容量(等価容量)1516が存在する。ユーザが被加熱体110に触ると、誘導加熱コイル101により静電シールド体1512に誘起された電圧により、浮遊容量(等価容量)1516及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412を通じて、漏洩電流がグラウンドに流れる。静電シールド体1512に誘起される電圧は十分低いので、ユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412を通じてグラウンドに流れる漏洩電流は非常に小さい。
「シールド体が固定板の中に設けられている」とは、例えば固定板が合わせガラスで形成されており、合わせガラスのガラスとガラスとの間にシールド体が設けられていることである。シールド体が固定板の下に(誘導加熱コイル側に)設けられている場合は、好ましくはシールド体の表面を覆う絶縁層を設け、絶縁層がシールド体と誘導加熱コイルとを確実に絶縁する。
「低電位部」は、誘導加熱コイルにより被加熱体から人体に流れる漏洩電流を十分に低くできる電位であれば、どのような電位でも良い。好ましくは、低電位部は、グラウンド線又はこれに近い電位の部である。
シールド体と低電位部とを、接続線で(直流成分及び交流成分が流れるように)接続しても良く、コンデンサで交流的に接続しても良い。
図1〜4を用いて本発明の実施の形態1の誘導加熱装置を説明する。図1は実施の形態1の誘導加熱装置の概略的な構成を示す図、図3は実施の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。実施の形態1の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。
図1及び3において、110は被加熱体(鍋、フライパン等の金属製の容器である負荷)、125は筐体、118は筐体の上面に設けられ被加熱体110を載置するトッププレート、112はトッププレート上に設けられた静電シールド体、117は静電シールド体112を被覆する絶縁層、101は高周波磁界を発生し被加熱体110を加熱する誘導加熱コイル、124は誘導加熱コイル101を上面に載置する誘導加熱コイル保持部材、127は商用交流電源、121は商用交流電源を入力するプラグ、126は制御基板、109は操作部である。
119及び120はインバータ回路102と誘導加熱コイル101とを接続する2本の接続線である。122及び123は静電シールド体112と制御基板126とを接続する2本の接続線である。
マイクロコンピュータ105は制御部104を有する。制御部104の機能はソフトウエアにより処理される。
操作部109は、設定入力部113、設定表示部114、赤色の警告LED116、圧電ブザー(警告ブザー)115を有する。
設定入力部113は、使用者が加熱出力設定指令、又は加熱開始若しくは停止指令を入力するために操作する複数の入力キースイッチを有する。設定入力部113が入力した指令は制御部104に入力される。
第1の平滑コンデンサ108bの両端(整流平滑部108の出力端子)にインバータ回路102の入力端子が接続される。インバータ回路102の出力端子に誘導加熱コイル101が接続される。インバータ回路102と誘導加熱コイル101は高周波インバータを構成する。インバータ回路102には、第1のスイッチング素子102c(本実施の形態ではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))と、第2のスイッチング素子102d(本実施の形態ではIGBT)の直列接続体(「直列接続体102c及び102d」と呼ぶ。)が設けられる。第1のダイオード102eが第1のスイッチング素子102cに逆方向且つ並列に、第2のダイオード102fが第2のスイッチング素子102dに逆方向且つ並列に接続されている。直列接続体102c及び102dの両端には第2の平滑コンデンサ102bが接続される。
制御部104は、駆動回路111を通じて第1のスイッチング素子102c及び第2のスイッチング素子102dを駆動する。
第2のスイッチング素子102dがオンしている場合には、第2のスイッチング素子102d(若しくは第2のダイオード102f)と、誘導加熱コイル101と、共振コンデンサ102gとを含む閉回路に共振電流が流れると共に、チョークコイル102aにエネルギが蓄えられる。蓄えられたエネルギは第2のスイッチング素子102dがオフすると、第1のダイオード102eを介して第2の平滑コンデンサ102bに放出される。
第2の平滑コンデンサ102bにより、誘導加熱コイル101に供給される高周波電流の包絡線(エンベロープ)が従来の誘導加熱装置より平滑化される。これにより、加熱時に鍋110などから振動音を発生する原因となる、誘導加熱コイル101に流れる電流ILの商用周波数成分が低減される。
図2は実施の形態1の誘導加熱装置のトッププレート118に形成された静電シールド体118のパターンを示す図である。理解の容易のため、図2は絶縁層117を除いて、静電シールド体112のパターンを示す。静電シールド体112は、トッププレート118の上面に導電性のカーボン塗料を塗布して焼付けることにより、形成されている。静電シールド体112は、導電性の任意の材料で形成される。例えばトッププレート118の上面にアルミニウムを蒸着させても良い。静電シールド体112は、誘導加熱コイル101と略同程度の外径を有し、スリット201により分割され、誘導加熱コイル101と同軸で誘導加熱コイル101をほぼ覆う略円弧状の形状を有する。静電シールド体112は、誘導加熱コイル101の中心軸を中に含む閉ループがその上に存在しない形状を有する。静電シールド体112は、このパターンの両端に2個の接続部202を有する。接続部202には、それぞれ接続線122、123が接続されている。接続線122の他端は検知部103のグラウンドに接続される。接続線123の他端は検知部103の入力端子(抵抗103cの一端)に接続される。
検知部103は、静電シールド体112を通じて低電位部(実施の形態ではグラウンド)に電流を流す。
警告LED116に代えて、液晶ディスプレイを使用しても良い。圧電ブザー115に代えて、音声ガイダンス用のスピーカを使用しても良い。
ステップ402において、制御部104は、誘導加熱コイル101をONする指令が出されているか否かをチェックする。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていればステップ404に進む。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていなければステップ403に進み、インバータ回路102を制御して誘導加熱コイル101を停止させる。ステップ405に進む。
ステップ407において(導通状態が悪い。)、制御部104は、インバータ回路102を制御して誘導加熱コイル101を停止させる。次ぎに、ステップ408において、警告LED116を点灯する。次ぎに、警告ブザー(圧電ブザー)115をON状態にする(ステップ409)。ステップ401に戻って上記の処理を繰り返す。
図5及び6を用いて本発明の参考の形態1の誘導加熱装置を説明する。参考の形態1の誘導加熱装置の概略的な構成は実施の形態1(図1)と同一である。図5は参考の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。参考の形態1の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。参考の形態1の誘導加熱装置は、検知部503の回路構成、及び静電シールド体112の導通状態の検知に関する制御方法において、実施の形態1と異なる。誘導加熱コイル101の一端が、インバータ回路102のグラウンド線と直接接続されている(共振コンデンサ102gが、スイッチング素子102cのエミッタ及びスイッチング素子102dのコレクタと、誘導加熱コイル101との間に配置されている。)。それ以外の点において、参考の形態1は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
上記の構成により、誘導加熱コイルが停止中も動作中も、それぞれ適切な方法により静電シールド体の導通状態を検知し、誘導加熱コイルを適切に制御できる。安全な誘導加熱装置を実現できる。
検知部は、負荷検知に応じて静電シールド体の導通状態を、リアルタイムで検知することと、間欠的に検知することを切り換えても良い。これによりノイズの影響を受けにくくなり、安定して正確な検知結果を出力できる。
誘電加熱コイル101が通電されている時は、検知部503は静電シールド体112の導通状態を素早く検知することが好ましい場合がある。誘電加熱コイル101が通電されている時は、検知部503はリアルタイムで(例えば割込処理により)静電シールド体112の導通状態をチェックし、誘電加熱コイル101が通電されていない時は、検知部503は所定時間毎に静電シールド体112の導通状態をチェックしても良い。
参考の形態1において、検知部503は、誘導加熱コイル101に通電中及び停止中の所定時間T0毎に、静電シールド体112の導通状態を検知した。検知部503は、誘導加熱コイル101をOFFからONにする時、及び誘導加熱コイル101に通電中の所定時間T0毎に、静電シールド体112の導通状態を検知しても良い。
比較器503bが、静電シールド体112の両端電圧が所定の閾値以下であるか否かを判定し、制御部104が、静電シールド体112の両端電圧が所定の閾値より大きい場合に、誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止させても良い。
比較器503bが、静電シールド体112を流れる電流が所定の閾値以上であるか否かを判定し、制御部104が、静電シールド体112を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止させても良い。
図7を用いて本発明の参考の形態2の誘導加熱装置を説明する。参考の形態2の誘導加熱装置の概略的な構成(図1)及び回路構成(図3)はは実施の形態1と同一である。参考の形態2の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。参考の形態2の誘導加熱装置は、静電シールド体112の導通状態の検知に関する制御方法においてのみ、実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態2は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
ステップ708において、誘導加熱コイル101を停止させる。ステップ701に戻り、上記の処理を繰り返す。
ステップ706において、静電シールド体112の導通が悪化していれば、ステップ707に進み、誘導加熱コイル101を停止させ、又はその印加電力を下げる。ステップ701に戻り、上記の処理を繰り返す。
図8を用いて本発明の参考の形態3の誘導加熱装置を説明する。参考の形態3の誘導加熱装置は、静電シールド体112の取り付け方法においてのみ、実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態3は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図8は、参考の形態3の誘導加熱装置の要部断面図(静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図8において、静電シールド体112はトッププレート118の下面に設けられている。静電シールド体112と誘導加熱コイル101との間の空間が十分にあれば、静電シールド体112を覆う絶縁層117を必ずしも設ける必要はない。
シールド体を被加熱体の近くに安定に設けることができ、誘導加熱コイルと被加熱体との間を確実にシールドできる。
静電シールド体112を、トッププレート118の上面及び下面に設けても良い。
図9を用いて本発明の参考の形態4の誘導加熱装置を説明する。参考の形態4の誘導加熱装置は、トッププレート118に代えて、合わせガラスで形成されたトッププレート918を有し、静電シールド体112の取り付け方法が実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態4は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図9は、参考の形態4の誘導加熱装置の要部断面図(静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図9において、静電シールド体112は、合わせガラスのトッププレート918のガラスとガラスとの間に設けられている。静電シールド体112は合わせガラスによって確実に保持される。静電シールド体112の厚みは非常に薄い故、2枚のガラスの間に実質的に隙間は出来ない。シールド体を被加熱体の近くに安定に設けることができる。シールド体は、絶縁層を設けることなく、被加熱体及び誘導加熱コイルから確実に絶縁される。
図10を用いて本発明の実施の形態2の誘導加熱装置を説明する。実施の形態2の誘導加熱装置は、誘導加熱コイル101と被加熱体110との間に固定板1001を有し、固定板1001の上面に静電シールド体112を設けている。これ以外の点において、実施の形態2は実施の形態1と同一である。本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図10は、実施の形態2の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1001及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図10において、固定板1001は耐熱耐絶縁性のガラス、磁器、マイカ又は耐熱樹脂等からなり、上面に静電シールド体112を設けている。固定板1001は誘導加熱コイル101に載置している。固定板1001は耐熱耐絶縁性の材料で作製されているので、長期間の使用により熱で劣化する恐れはない。
上面に静電シールド体112を設けた標準の固定板1001を作り、誘導加熱装置の各機種毎に、それぞれ任意の適切な位置に標準の固定板を自在に設けることができる。機種毎に固定板の取り付け位置を決めれば良く、製品設計の標準化を図ることができる。開発の労力及び期間を削減できる。
図11を用いて本発明の実施の形態3の誘導加熱装置を説明する。実施の形態3の誘導加熱装置は、固定板1001と誘導加熱コイル101との間に空間が設けられている。それ以外の点において、実施の形態3は実施の形態2と同一である。
図11は、実施の形態3の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1001及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図11において、固定板1001と誘導加熱コイル101との間に空間が設けられている故、実施の形態2と比較して、固定板1001は絶縁性能が低くても良い。固定板1001を安価な絶縁材料で形成できる。
図12を用いて本発明の実施の形態4の誘導加熱装置を説明する。実施の形態4の誘導加熱装置は、固定板1001に代えて固定板1201を有することと、静電シールド体112の取り付け方法とが実施の形態3と異なる。それ以外の点において、実施の形態4は実施の形態3と同一である。
図12は、実施の形態4の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1201及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図12において、固定板1201は、2枚の耐熱耐絶縁性のガラス、磁器、マイカ又は耐熱樹脂等からなる薄板を貼り合わせて形成されている。2枚の薄板の間に静電シールド体112を設けている。
図13を用いて本発明の実施の形態5の誘導加熱装置を説明する。実施の形態5の誘導加熱装置は、固定板1001の下面に静電シールド体112と、静電シールド体112を覆う絶縁層117とを有する。これ以外の点において、実施の形態5は実施の形態3と同一である。実施の形態5においては絶縁層117を設けているが、固定板1001と誘導加熱コイル101との空間距離が十分取れる場合は、静電シールド体112を覆う絶縁層117を削除しても良い。
発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
102 インバータ回路
103、503 検知部
104 制御部
105 マイクロコンピュータ
106 LED駆動回路
107 圧電ブザー駆動回路
108 設定表示部駆動回路
109 操作部
110 被加熱体
111 駆動回路
112 静電シールド体
113 設定入力部
114 設定表示部
115 警告ブザー
116 警告LED
117 絶縁層
118、918 トッププレート
119、120、122、123 接続線
121 プラグ
124 誘導加熱コイル保持部材
125 筐体
126 制御基板
127 商用交流電源
201 スリット
202 接続部
1001、1201 固定板
1002 冷却ファン
Claims (1)
- 筐体上部に配置され被加熱体を載置するトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設けられ高周波磁界を発生し前記被加熱体を加熱する誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路と、
耐熱絶縁性の材料で作製されかつ前記誘導加熱コイルに載置された固定板と、
前記固定板の上又は中に設けられるか、前記固定板の下に設けられかつ絶縁層で表面を覆われてなり、2点以上の接続部を有し前記接続部を通じて低電位部に電気的に接続された導電性のシールド体と、
前記誘導加熱コイルが発生する電圧と異なる電圧を前記接続部間に印加し、前記シールド体の導通状態を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づき前記導通状態が悪化したことを検知すると、前記誘導加熱コイルの出力が低減する又は停止するように前記インバータ回路を制御する制御部と、
を備え、
前記検知部は、前記シールド体に直流電流を流して、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値以下であるか否か、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値以下であるか否か、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値以上であるか否か、を判定して、前記導通状態の悪化の程度を検知し、
前記制御部は、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値より大きい、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値より高い、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、前記誘導加熱コイルの出力を低減し又は停止させる誘導加熱装置。
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