JP3980041B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱体と誘導加熱コイルとの間にシールド体を設けた誘導加熱装置に関する。
誘導加熱を応用しインバータを用いた誘導加熱装置は、負荷となる鍋等の近傍に温度検知素子等を載置し、鍋温度等を検知し、それに応じて火力の調節や調理時間の調節を行うことにより、優れた加熱応答性及び制御性を有する。誘導加熱装置は、きめ細かな調理を実現すると共に、炎を用いないので室内の空気を汚すことが少なく、熱効率が高く、安全でかつ清潔であるという特性も有する。近年、これらの特性が注目され、誘導加熱装置の需要が急速に伸びてきている。
図14を用いて従来例1の誘導加熱装置を説明する。従来例1の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。図14は従来例1の誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。図14において、110は被加熱体(鍋、フライパン等の金属製の容器)、101は高周波磁界を発生し被加熱体110を加熱する誘導加熱コイル、127は商用交流電源入力、108はブリッジ108aと平滑コンデンサ108bで構成され商用交流電源を整流する整流平滑部、1402は整流平滑部108によって整流された電源を高周波電力に変換し誘導加熱コイル101に高周波電流を供給するインバータ回路、105はマイクロコンピュータ、1409は操作部、125は筐体である。118は筐体125の上部に配置され被加熱体110を載せるセラミック製のトッププレートである。
マイクロコンピュータ105は制御部104を有する。操作部1409は設定入力部113及び設定表示部114を有する。設定入力部113は複数のキースイッチ(誘導加熱装置の目標出力を定める出力段階の設定指令を入力するキースイッチと、誘導加熱装置のON指令を入力するキースイッチと、誘導加熱装置のOFF指令を入力するキースイッチとを含む。)を有する。
設定表示部114は複数の可視LED(Light Emitting Diode)を有し、誘導加熱装置の設定状態を表示する。
制御部104は、設定入力部113から入力された指令に応じて駆動回路111を駆動する。駆動回路111はインバータ回路102の出力を制御する。制御部104は、低透磁率で低抵抗の被加熱体を加熱する場合と、高透磁率の被加熱体(又は低透磁率で高抵抗の被加熱体)を加熱する場合とで、リレー(図示しない。)をON/OFF制御して、インバータ回路102が駆動する誘導加熱コイル101の巻数を切り換え、誘導加熱コイル101に印加される電圧を切り換える。低透磁率で低抵抗の被加熱体を加熱する場合の方が、高透磁率の被加熱体(又は低透磁率で高抵抗の被加熱体)を加熱する場合よりも、誘導加熱コイル101の巻数が多く、誘導加熱コイル101に印加される電圧が高い。被加熱体110が低透磁率でしかも低抵抗のアルミニウムや銅等からなる鍋の時、誘導加熱コイル101に印加される電圧が1kV以上になる。
誘導加熱コイル101と被加熱体110との間に浮遊容量(等価容量)1411が存在する。ユーザが被加熱体110に触ると、浮遊容量(等価容量)1411及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412を通じて、誘導加熱コイル101からグラウンドに電流が流れる。高圧の誘導加熱コイル101から人体に所定以上の電流が漏洩することは危険である。
従来例2として、高圧の誘導加熱コイル101から人体に電流が漏洩することを防止する誘導加熱調理器がある。(例えば、特許文献1参照)。図15及び16を用いて、従来例2の誘導加熱調理器を説明する。図15は、従来例2の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図15において従来例1(図14)と同一のブロックには同一の符号を付している。従来例2の誘導加熱調理器は、トッププレート118の下面に導電性の静電シールド体1512と、静電シールド体1512を覆う絶縁層1513とを設けている点において従来例1と異なる。静電シールド体1512は整流平滑回路108の低電位部と接続されている。それ以外の点において、従来例2は従来例1と同一である。
図16は、従来例2の誘導加熱調理器のトッププレート118に形成された静電シールド体1512のパターンを示す図である。理解の容易のため、図16は絶縁層1513を除き、静電シールド体1512のパターンを示す。静電シールド体1512は、トッププレート118の下面に塗布されて焼付け装着されている。静電シールド体1512は環状の形状を有する。整流平滑回路108の低電位部からの接続線が、静電シールド体1512の電極1513に接続されている。
誘導加熱コイル101と静電シールド体1512との間に浮遊容量(等価容量)1514が存在する。浮遊容量(等価容量)1514及び静電シールド体1512の内部抵抗(等価抵抗)1515を通じて、誘導加熱コイル101からグラウンドに電流が流れる。導電性の静電シールド体1512の内部抵抗(等価抵抗)1515のインピーダンスは、浮遊容量(等価容量)1514のインピーダンスと比較して十分に小さい(誘導加熱コイル101を流れる高周波電流の周波数は20〜60kHz程度である。)。それ故に静電シールド体1512に誘起される電圧は十分低い。
静電シールド体1512と被加熱体110との間に浮遊容量(等価容量)1516が存在する。ユーザが被加熱体110に触ると、誘導加熱コイル101により静電シールド体1512に誘起された電圧により、浮遊容量(等価容量)1516及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412を通じて、漏洩電流がグラウンドに流れる。静電シールド体1512に誘起される電圧は十分低いので、ユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412を通じてグラウンドに流れる漏洩電流は非常に小さい。
言いかえれば、静電シールド体1512とグラウンドとの間に、静電シールド体1512の内部抵抗(等価抵抗)1515と、浮遊容量(等価容量)1516及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412と、が並列に接続される。静電シールド体1512の内部抵抗(等価抵抗)1515のインピーダンスは、浮遊容量(等価容量)1516及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)1412のインピーダンスと比較して非常に小さいので、誘導加熱コイル101からの漏洩電流はほとんど静電シールド体1512を通じてグラウンドに流れる。ユーザの身体にはほとんど電流が漏洩しない。
従来例2の構成において、被加熱体110が低透磁率でしかも低抵抗のアルミニウムや銅等からなる鍋のとき、誘導加熱コイル101の巻数が増大される。このとき、誘導加熱コイルに印加される電圧が1kV以上になる。従来例2においては、低電位部に電気的に結合されている静電シールド体が存在し、被加熱体110と静電シールド体1512との間にはほとんど電位差がない(両者ともにグラウンドレベルに近い電位である。)故に、被加熱体110に漏洩電流が誘起されることがない。したがって、被加熱体110に人体が触れても安全である。
トッププレートの裏面に導電性の塗料により形成された細いパターン(トッププレートの割れ検知回路)を設けた誘導加熱装置が開示されている。(例えば、特許文献4参照)。このパターンに直流電流を流す。トッププレートが割れてこのパターンを流れる電流が遮断されたことに基づいて、誘導加熱コイルを停止させる。
トッププレートに導電性の細いパターンを設けた誘導加熱調理器が開示されている。(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。誘導加熱コイルを駆動した時に、このパターンに漏洩電流が流れる。漏洩電流が、誘導加熱コイルの出力に比例した基準値より小さくなった時、誘導加熱コイルを停止させる。
特公平4−75634号公報 特開昭62−278785号公報 特開昭62−278786号公報 特公昭55−869号公報 特開昭54−149954号公報 実開昭56−49089号公報
従来例2の構成において、静電シールド体が十分にその機能を果たしている限りは被加熱体に人体が触れても安全である。しかしながら、静電シールド体が何らかの原因により、例えば、経年変化によりその機能が十分に働かないようになった場合、安全性が必ずしも十分に保証されない(ユーザが被加熱体に触れると、所定以上の漏洩電流が人体を流れる恐れがある)という問題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、漏洩電流が人体に流れることを防止し、静電シールド体がその機能を十分に発揮していないときでも、感電する恐れのない安全性の高い誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、耐熱絶縁性の材料で作製されかつ誘導加熱コイルに載置された固定板と、固定板の上又は中に設けられるか、固定板の下に設けられかつ絶縁層で表面を覆われてなり、2点以上の接続部を有し前記接続部を通じて低電位部に電気的に接続された導電性のシールド体と、誘導加熱コイルが発生する電圧と異なる電圧を前記接続部間に印加し、シールド体の通電状態(導通状態)を検知する検知部を設け、検知部は、シールド体に直流電流を流して、シールド体のインピーダンスが所定の閾値以下であるか否か、シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値以下であるか否か、又はシールド体を流れる電流が所定の閾値以上であるか否か、を判定して、導通状態の悪化の程度を検知し、制御部は、シールド体のインピーダンスが所定の閾値より大きい、シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値より高い、又はシールド体を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、誘導加熱コイルの出力を低減し又は停止させるように誘導加熱コイルを駆動する駆動部(インバータ回路)を制御する構成とした。この構成により、シールド体が何らかの原因でその機能を発揮できなくなったとき、検知部がシールド体の導通状態が悪化したことを検知して、誘導加熱コイルの出力を低減または停止することができる。静電シールド体がその機能を十分に発揮していないときでも、感電する恐れのない安全性の高い誘導加熱装置を実現できる。
本発明によれば、静電シールド体がその機能を十分に発揮していないときでも、感電する恐れのない安全性の高いものにすることができる。また、静電シールド体を耐熱絶縁性の材料で作成した固定板の上又は中に設けるか、前記固定板の下に設けて絶縁層で静電シールド体の表面を覆うように構成し、その固定板を加熱コイルに載置することで、シールド体と誘導加熱コイルとを確実に絶縁することができるとともにその開発の労力や期間を削減できる。また、2点以上の接続部を設けることにより、検知部が静電シールド体の導通状態を検知することが容易であるばかりでなく、1本の線の導通が悪くなった場合にも、静電シールド体はシールド効果を奏することが出来る。また、検知部がシールド体に直流電流を流して、その機能低下の程度を検知し、予め定めた基準値(閾値)を超えたら、誘導加熱装置は誘導加熱コイルの出力を低減または停止することにより、検知部は、シールド体の導通状態を容易に且つ確実に検知できる。
本発明による誘導加熱装置は、筐体上部に配置され被加熱体を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けられ高周波磁界を発生し前記被加熱体を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路と、耐熱絶縁性の材料で作製されかつ前記誘導加熱コイルに載置された固定板と、前記固定板の上又は中に設けられるか、前記固定板の下に設けられかつ絶縁層で表面を覆われてなり、2点以上の接続部を有し前記接続部を通じて低電位部に電気的に接続された導電性のシールド体と、前記誘導加熱コイルが発生する電圧と異なる電圧を前記接続部間に印加し、前記シールド体の導通状態を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に基づき前記導通状態が悪化したことを検知すると、前記誘導加熱コイルの出力が低減する又は停止するように前記インバータ回路を制御する制御部と、を有する。
固定板は、誘導加熱コイルに載置される。シールド体を有する汎用性のある固定板を機種に応じて誘導加熱コイルに載置することにより、機種毎に個別のシールド体を設計する必要がなくなる。
「シールド体が固定板の中に設けられている」とは、例えば固定板が合わせガラスで形成されており、合わせガラスのガラスとガラスとの間にシールド体が設けられていることである。シールド体が固定板の下に(誘導加熱コイル側に)設けられている場合は、好ましくはシールド体の表面を覆う絶縁層を設け、絶縁層がシールド体と誘導加熱コイルとを確実に絶縁する。
特許文献1に記載された誘導加熱調理器は、シールド体を設けることにより誘導加熱コイルから被加熱物を通じて人体に漏洩電流が流れることを防止する。しかし、シールド体がその機能を発揮できなくなった時、誘導加熱コイルから被加熱物を通じて人体に漏洩電流が流れる恐れがあった。
特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載された誘導加熱装置は、トッププレートの割れを検知して誘導加熱装置を停止する。しかし、トッププレートに設けられたパターンは細く、もっぱらトッププレートの割れ検知用であって、誘導加熱コイルから被加熱体への漏洩電流を防止するシールド効果はほとんどなかった。これらの従来例の発明は、漏洩電流を防止するという着想を有していなかった。例えばアルミニウム等の低透磁率で低抵抗の被加熱体を加熱するために、誘導加熱コイルが高圧を出力した場合、細い導電パターンは漏洩電流を防止するためには不十分であった。トッププレートに設けた導電パターンをシールド体(シールド効果を奏する程度の大きさを有する。)に変更するだけでは、シールド体がその機能を発揮できなくなったことを検知することは困難であった。誘導加熱コイルと被加熱体との間にシールド体を設け、シールド体がその機能を発揮できなくなったことを検知するには、実施の形態に記載したように、信号の検知方法に新たなアイデアを盛り込む必要があった。
本発明は、誘導加熱コイルと被加熱体との間にシールド体を設けて漏洩電流を防止し、シールド体が何らかの原因でその機能を発揮できなくなった時、検知部がシールド体の導通状態が悪化したことを検知して、制御部が誘導加熱コイルの出力を低減し又は停止する安全性の高い誘導加熱装置を実現した。シールド体がその機能を発揮できなくなった場合でも、人が被加熱体に触れた時に、漏洩電流が人体を流れてユーザが感電する恐れがなくなる。
「低電位部」は、誘導加熱コイルにより被加熱体から人体に流れる漏洩電流を十分に低くできる電位であれば、どのような電位でも良い。好ましくは、低電位部は、グラウンド線又はこれに近い電位の部である。
シールド体と低電位部とを、接続線で(直流成分及び交流成分が流れるように)接続しても良く、コンデンサで交流的に接続しても良い。
また、前記検知部は、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値以下であるか否か、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値以下であるか否か、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値以上であるか否か、を判定して、前記導通状態の悪化の程度を検知し、前記制御部は、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値より大きい、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値より高い、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、前記誘導加熱コイルの出力を低減し又は停止させる。
この構成により、シールド体が何らかの原因でその機能が低下した時(シールド体の導通状態が悪化した時)、検知部はシールド体に通電することによりその機能低下の程度を検知し、予め定めた基準値(閾値)を超えたら、誘導加熱装置は誘導加熱コイルの出力を低減または停止することができる。シールド体がその機能を発揮できなくなった場合でも、人が被加熱体に触れた時に、漏洩電流が人体を流れてユーザが感電する恐れがなくなる。
また、前記検知部前記シールド体に直流電流を流して、その導通状態を検知する。これにより、検知部は、シールド体の導通状態(通電状態)を容易に且つ確実に検知できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施の形態1》
図1〜4を用いて本発明の実施の形態1の誘導加熱装置を説明する。図1は実施の形態1の誘導加熱装置の概略的な構成を示す図、図3は実施の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。実施の形態1の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。
図1及び3において、110は被加熱体(鍋、フライパン等の金属製の容器である負荷)、125は筐体、118は筐体の上面に設けられ被加熱体110を載置するトッププレート、112はトッププレート上に設けられた静電シールド体、117は静電シールド体112を被覆する絶縁層、101は高周波磁界を発生し被加熱体110を加熱する誘導加熱コイル、124は誘導加熱コイル101を上面に載置する誘導加熱コイル保持部材、127は商用交流電源、121は商用交流電源を入力するプラグ、126は制御基板、109は操作部である。
制御基板126は、商用交流電源を整流する整流平滑部108、整流平滑部108によって整流された電源を高周波電力に変換し誘導加熱コイル101に高周波電流を供給するインバータ回路102、インバータ回路102の駆動回路111、検知部103、マイクロコンピュータ105、LED駆動回路106、圧電ブザー駆動回路(警告ブザー駆動回路)107、設定表示部駆動回路108を有する。制御基板126上の各ブロックは共通のグラウンド線(グラウンドパターン)を有する。
119及び120はインバータ回路102と誘導加熱コイル101とを接続する2本の接続線である。122及び123は静電シールド体112と制御基板126とを接続する2本の接続線である。
接続線119は、誘導加熱コイル101の外周端と共振コンデンサ102gの1端とを接続し、接続線120は誘導加熱コイル101の内周端とスイッチング素子102cのエミッタ及びスイッチング素子102dのコレクタとを接続する。螺旋状に巻かれた誘導加熱コイル101の外終端の電位は、内周端の電位より低い。
マイクロコンピュータ105は制御部104を有する。制御部104の機能はソフトウエアにより処理される。
操作部109は、設定入力部113、設定表示部114、赤色の警告LED116、圧電ブザー(警告ブザー)115を有する。
設定入力部113は、使用者が加熱出力設定指令、又は加熱開始若しくは停止指令を入力するために操作する複数の入力キースイッチを有する。設定入力部113が入力した指令は制御部104に入力される。
制御部104は、駆動回路111、LED駆動回路106、圧電ブザー駆動回路107、設定表示部駆動回路108を駆動する。駆動回路111はインバータ回路102のスイッチング素子102c及び102dを駆動する。設定表示部駆動回路108は設定表示部114(複数の可視LEDを有する。)を駆動する。設定表示部114は、設定入力部113を通じて設定された加熱出力設定内容等を使用者に対して表示する。
制御部104は、設定入力部113から入力された種々の指令、出力検知部(図示しない。)の出力信号(インバータ回路102の電源電流に応じた信号)及び検知部103の出力信号に応じて駆動回路111を通じてインバータ回路102の出力を制御する。加熱出力の変動はスイッチング素子の駆動周波数を制御することにより行われる。被加熱体110がアルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の材料でできている場合に、鉄のような高透磁率の(磁性体の)材料でできている場合(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の材料でできている場合)と比較して、誘導加熱コイル101は高い周波数で且つ高い電圧で駆動される。被加熱体110が低透磁率で低抵抗の材料でできている場合に、リレー(図示しない。)の接点を切り換えて、誘導加熱コイルの巻数を多くしても良い。
商用電源127は整流平滑部108に入力される。整流平滑部108はブリッジダイオードで構成される全波整流器108aと、その直流出力端間に接続された第1の平滑コンデンサ108bとを有する。
第1の平滑コンデンサ108bの両端(整流平滑部108の出力端子)にインバータ回路102の入力端子が接続される。インバータ回路102の出力端子に誘導加熱コイル101が接続される。インバータ回路102と誘導加熱コイル101は高周波インバータを構成する。インバータ回路102には、第1のスイッチング素子102c(本実施の形態ではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))と、第2のスイッチング素子102d(本実施の形態ではIGBT)の直列接続体(「直列接続体102c及び102d」と呼ぶ。)が設けられる。第1のダイオード102eが第1のスイッチング素子102cに逆方向且つ並列に、第2のダイオード102fが第2のスイッチング素子102dに逆方向且つ並列に接続されている。直列接続体102c及び102dの両端には第2の平滑コンデンサ102bが接続される。
第1のスイッチング素子102cと第2のスイッチング素子102dとの接続点(「直列接続体102c及び102dの中点」と呼ぶ。)と、全波整流器108aの正極端間にはチョークコイル102aが接続される。直列接続体102c及び102dの低電位端子は全波整流器108aの負極端子(実施の形態においてはグラウンド端子)に接続される。直列接続体102c及び102dの中点と全波整流器108aの負極端子間には誘導加熱コイル101と共振コンデンサ102gの直列接続体が接続される。
制御部104は、駆動回路111を通じて第1のスイッチング素子102c及び第2のスイッチング素子102dを駆動する。
以上のように構成された誘導加熱調理器の動作を説明する。全波整流器108aは商用交流電源127を整流する。第1の平滑コンデンサ108bはインバータ回路102と誘導加熱コイル101を有する高周波インバータに電源を供給する。
第2のスイッチング素子102dがオンしている場合には、第2のスイッチング素子102d(若しくは第2のダイオード102f)と、誘導加熱コイル101と、共振コンデンサ102gとを含む閉回路に共振電流が流れると共に、チョークコイル102aにエネルギが蓄えられる。蓄えられたエネルギは第2のスイッチング素子102dがオフすると、第1のダイオード102eを介して第2の平滑コンデンサ102bに放出される。
第2のスイッチング素子102dがオフした後、第1のスイッチング素子102cがオンし、第1のスイッチング素子102c及び第1のダイオード102eに電流が流れる。第1のスイッチング素子102c(若しくは第1のダイオード102e)と、誘導加熱コイル101と、共振コンデンサ102gと、第2の平滑コンデンサ102bとを含む閉回路に共振電流が流れる。
第1のスイッチング素子102c及び第2のスイッチング素子102dの駆動周波数は約20kHz近傍で可変される。磁性体の被加熱体(典型的には鉄製の調理容器)を加熱する場合、誘導加熱コイル101には約20kHzの高周波電流が流れる。第1のスイッチング素子102c及び第2のスイッチング素子102dの駆動時間比率はそれぞれ約1/2近傍で可変される。誘導加熱コイル101と共振コンデンサ102gのインピーダンスは、指定の材質(例えばアルミニウム等の高導電率の非磁性体)で標準的な大きさ(例えば直径が誘導加熱コイルの直径以上)の被加熱体(調理鍋)110がトッププレートの指定の場所(例えば加熱部分として示されている場所)に載置された場合、その共振周波数が駆動周波数の約3倍になるように設定されている。従ってこの場合共振周波数は約60kHzになるよう設定される。
被加熱体110がアルミ製であれば誘導加熱コイル101には通常より高い周波数である約60kHzの高周波電流が流れるので、調理鍋110を効率良く加熱できる。本実施の形態の高周波インバータは、第1のダイオード102e、第2のダイオード102fに流れる回生電流が第1の平滑コンデンサ108bに流れず、第2の平滑コンデンサ102bに供給されるので加熱効率が高い。
第2の平滑コンデンサ102bにより、誘導加熱コイル101に供給される高周波電流の包絡線(エンベロープ)が従来の誘導加熱装置より平滑化される。これにより、加熱時に鍋110などから振動音を発生する原因となる、誘導加熱コイル101に流れる電流ILの商用周波数成分が低減される。
静電シールド体112は、誘導加熱コイル101と被加熱体110との間をシールドして、誘導加熱コイル101が誘起した漏洩電流が使用者の身体を流れることを防止する。
図2は実施の形態1の誘導加熱装置のトッププレート118に形成された静電シールド体118のパターンを示す図である。理解の容易のため、図2は絶縁層117を除いて、静電シールド体112のパターンを示す。静電シールド体112は、トッププレート118の上面に導電性のカーボン塗料を塗布して焼付けることにより、形成されている。静電シールド体112は、導電性の任意の材料で形成される。例えばトッププレート118の上面にアルミニウムを蒸着させても良い。静電シールド体112は、誘導加熱コイル101と略同程度の外径を有し、スリット201により分割され、誘導加熱コイル101と同軸で誘導加熱コイル101をほぼ覆う略円弧状の形状を有する。静電シールド体112は、誘導加熱コイル101の中心軸を中に含む閉ループがその上に存在しない形状を有する。静電シールド体112は、このパターンの両端に2個の接続部202を有する。接続部202には、それぞれ接続線122、123が接続されている。接続線122の他端は検知部103のグラウンドに接続される。接続線123の他端は検知部103の入力端子(抵抗103cの一端)に接続される。
検知部103は、静電シールド体112と制御基板126との導通状態を検知する。検知部103は、トランジスタ103a、抵抗103b、103c、103dを有する。検知部103は、接続線122、123を通じて、静電シールド体112に直流電流(誘導加熱コイル101が発生する電圧と異なる電圧)を流して、その導通状態を検知する。
検知部103は、静電シールド体112を通じて低電位部(実施の形態ではグラウンド)に電流を流す。
通常、静電シールド体112と制御基板126との導通状態は良好である。この場合、+5Vの直流電源電圧から、抵抗103b及びトランジスタ103a、抵抗103c、接続線123、静電シールド体112、接続線123を通じてグラウンド線に直流電流が流れる。PNPトランジスタ103aのベース電流が流れることにより、トランジスタ103aは導通する。トランジスタ103aのエミッタ及びコレクタ間に電流が流れることにより、トランジスタ103aのコレクタ電位(抵抗103dの両端電圧)はほぼ+5Vになる。
例えば接続線122の一端の接続が外れたならば(静電シールド体112と制御基板126との導通状態が悪化したならば)、+5Vの直流電源電圧から、抵抗103b及びトランジスタ103a、抵抗103c、接続線123、静電シールド体112、接続線123を通じてグラウンド線に直流電流が流れなくなる。PNPトランジスタ103aのベース電流が流れなくなることにより、トランジスタ103aは遮断する。トランジスタ103aのエミッタ及びコレクタ間に電流が流れなくなることにより、トランジスタ103aのコレクタ電位(抵抗103dの両端電圧)は0Vになる。
制御部104(マイクロコンピュータ105)は、トランジスタ103aのコレクタ電位を入力する。制御部104は、静電シールド体112と制御基板126との導通状態が悪化した場合に、誘導加熱コイル101を停止させ、LED駆動回路106を通じて赤色の警告LED116を点灯し、圧電ブザー駆動回路107を通じて圧電ブザー115を鳴らす。使用者は、静電シールド体112が異常であることを容易に認識することができる。
警告LED116に代えて、液晶ディスプレイを使用しても良い。圧電ブザー115に代えて、音声ガイダンス用のスピーカを使用しても良い。
図4は、実施の形態1の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャートである。図4は、ステップ401〜409を有する。最初に、制御部104は、静電シールド体112の導通状態が良好か否か(トランジスタ103aのコレクタ電位が+5Vか又は0Vか)をチェックする(ステップ401)。導通状態が良好であればステップ402に進み、導通状態が悪ければステップ407に進む。
ステップ402において、制御部104は、誘導加熱コイル101をONする指令が出されているか否かをチェックする。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていればステップ404に進む。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていなければステップ403に進み、インバータ回路102を制御して誘導加熱コイル101を停止させる。ステップ405に進む。
ステップ404において(誘導加熱コイルをONする指令が出されている。)、制御部104は、インバータ回路102を制御して、指令通りの電力を誘導加熱コイル101に印加する。ステップ405において、警告LED116を消灯する。次ぎに、警告ブザー(圧電ブザー)115をOFF状態にする(ステップ406)。ステップ401に戻って上記の処理を繰り返す。
ステップ407において(導通状態が悪い。)、制御部104は、インバータ回路102を制御して誘導加熱コイル101を停止させる。次ぎに、ステップ408において、警告LED116を点灯する。次ぎに、警告ブザー(圧電ブザー)115をON状態にする(ステップ409)。ステップ401に戻って上記の処理を繰り返す。
実施の形態1において、静電シールド体112と誘導加熱コイル101との間の浮遊容量(等価容量)1514が大きければ、誘導加熱コイル101が通電されている時、検知部103の入力電圧には大きなノイズが乗り、検知部103は静電シールド体112の導通状態を正しく検知できない場合がある。このような場合、誘導加熱コイル101が通電されていない時にのみ、検知部103は静電シールド体112の導通状態を検知する。即ち、誘導加熱コイル101をOFFからONに変化させる指令を入力した時に静電シールド体112の導通状態が悪ければ、制御部104は誘導加熱コイル101を導通させない。これにより、検知部103は静電シールド体112の導通状態を正しく検知できる。一旦誘導加熱コイル101が動作状態(通電状態)になった後は、検知部103は静電シールド体112の導通状態をチェックしない。
インバータ回路102(駆動部)を駆動して誘導加熱コイル101に高周波電流を流すと、発生する高周波磁界により鍋等の被加熱体110に渦電流が生じる。被加熱体110が発熱し、これにより調理が行われる。被加熱体110が鉄などの高透磁率の鍋であれば、比較的低周波数で低電圧を誘導加熱コイル101に印加することにより被加熱体110を加熱することができる。しかし、アルミニウムや銅等の低透磁率の鍋を加熱するためには、高い周波数で高い電圧を誘導加熱コイル101に印加する必要がある。そのため、例えば誘導加熱コイル101の巻き数を多くしなければならない。
図1において、誘導加熱コイル101は、12ターン程度の単層コイルとして記載されている。誘導加熱コイル101は複層であっても良く、例えば総巻数が約30〜60ターン程度の複層であっても良い。このような巻数の誘導加熱コイル101の両端電圧は、1kVを超えるような高電圧になる。従来例1の誘導加熱装置においては、使用者が被加熱体110に触れると、誘導加熱コイル101と被加熱体110との間の等価容量1411により被加熱体110を通じて人体に漏洩電流が流れる恐れがある。そこで本実施の形態では、静電シールド体112を設け、これを低電位部に接続することにより、被加熱体110の電位を下げ、漏洩電流が誘起されないようにしている。
静電シールド体112の上部に絶縁層117を設けている。これは、静電シールド体112に誘起された漏洩電流が被加熱体110に漏洩するのを防ぐとともに、被加熱体110の移動などにより静電シールド体112が損傷するのを防いでいる。
本実施の形態は静電シールド体112の通電状態を検知することを特徴としている。この検知部103は静電シールド体112の通電状態を検知することにより、静電シールド体112が正常な状態か否かを検知する。例えば、静電シールド体112または接続線122、123が冷熱サイクルなどの熱的な刺激、又は腐食などの経年的な劣化に起因して、電流が流れ難くなること又は断線により流れなくなること等の異常状態が発生した場合、これを検知し制御部104(駆動部の一部)に伝達する。制御部104はインバータ回路102(駆動部の他の一部)の出力を低減し又は停止させる。このようにして静電シールド体112の異常により、電流漏洩防止機能が失われた場合にも、漏洩電流が被加熱体110を通じて人に漏洩電流が流れるのを防止し、安全を確保できる。
断線などのように異常状態が明確である場合は、通電状態が良好であるか否かの判断は容易である。熱刺激や経年的な劣化などのように通電状態が徐々に悪化する場合がある。この場合は、好ましくは予め実験などにより、通電状態と被加熱体110への漏洩電流との関係を求め、通電状態が安全を保証できる基準値を定める。基準値以下になったときインバータ回路102の出力低減もしくは出力停止を行う。
静電シールド体112のパターンの大きさを誘導加熱コイル101と略同程度とし、形状をスリット201で分割された略円弧状としている。このパターンの両端の接続部202にそれぞれリード線122、123を接続している。これにより、略円形状の誘導加熱コイル101に対して満遍なく静電シールドを施すことができるとともに誘導加熱コイル101から発生する電界に対しても安定したシールド効果を生むことができる。検知部103が接続部202間の通電状態を検知するので、静電シールド体自体が損傷等で断線しても的確に異常状態を検出できる。
検知部103は、本体の電源スイッチ(図示せず)を入れると、誘導加熱コイル101に通電していない状態においても常時静電シールド体112に電流を流して、その導通状態の検知を行っている。誘導加熱コイル101に通電していない状態において検知部17が異常状態を検知した場合は、使用者が加熱を操作する前にインバータ回路102の出力を停止することができ、より高い安全性を維持できる。誘導加熱コイル101からの漏洩電流があっても検知部103が静電シールド体112の導通状態を検知できる場合は、検知部103は誘導加熱コイル101に通電中も動作する。
以上述べたように、本実施の形態では静電シールド体を設け、かつ、静電シールド体の導通状態(通電状態)を常に(誘導加熱コイルの停止時にも)チェックし、導通状態が基準値以下になると、制御部はインバータ回路を制御して、その出力を低減し又は停止させる。これにより漏洩電流が被加熱体を通して人体に流れることがなく安全である。
実施の形態1の誘導加熱装置は、静電シールド体112の導通が悪化したことを表示する表示部(警告LED116)と、そのことを報知する報知部(圧電ブザー(警告ブザー)115)とを有した。表示部及び報知部のいずれか一方のみを有していても良い。
誘導加熱装置は、螺旋状に巻かれた誘導加熱コイル101の外終端の電位が内周端の電位より低い構成を有する。底面が大きな被加熱体110(例えば大きな直径を有する鍋)を加熱する場合、シールド体112の外周側を経由し、誘導加熱コイル101と被加熱体110とを接続する浮遊容量(等価容量)が発生する。本構成においては、誘導加熱コイル101の外終端の電位が低いので、誘導加熱コイル101と被加熱体110とを接続する浮遊容量(等価容量)に印加される電圧は非常に低い。誘導加熱コイル101から被加熱体110を通じて使用者に漏洩電流がほとんど流れない。
《参考の形態1》
図5及び6を用いて本発明の参考の形態1の誘導加熱装置を説明する。参考の形態1の誘導加熱装置の概略的な構成は実施の形態1(図1)と同一である。図5は参考の形態1の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。参考の形態1の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。参考の形態1の誘導加熱装置は、検知部503の回路構成、及び静電シールド体112の導通状態の検知に関する制御方法において、実施の形態1と異なる。誘導加熱コイル101の一端が、インバータ回路102のグラウンド線と直接接続されている(共振コンデンサ102gが、スイッチング素子102cのエミッタ及びスイッチング素子102dのコレクタと、誘導加熱コイル101との間に配置されている。)。それ以外の点において、参考の形態1は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
検知部503は、比較器503a、503b、抵抗503c、503d、503e、503f、503g、503h、503j、503k、503n、トランジスタ503i、503mを有する。トランジスタ503i、503m、抵抗503j、503k、503nは、検知部503に電源を供給する電源スイッチ回路を構成する。制御部104は、この電源スイッチ回路をON/OFF制御する(抵抗503nを通じてトランジスタ503のベースに+5Vを入力して電源スイッチ回路をONし、0Vを入力して電源スイッチ回路をOFFする。制御部104は、時間T0(例えばT0=10秒)毎に1回、電源スイッチ回路をONする。電源スイッチ回路がOFF状態である時、検知部503はほとんど電力を消費しない。検知部503は、電源スイッチ回路がONになった時だけ、静電シールド体112の導通状態を検知する。
電源スイッチ回路をONにした時の検知部503の動作を説明する。直流電圧+5V(誘導加熱コイル101が発生する電圧と別個の電源電圧)が、抵抗503f及び503eを通じて静電シールド体112に印加される。静電シールド体112に直流電流が流れる。抵抗503fと503eとの接続点の電位が、比較器503aの非反転入力端子及び比較器503bの反転入力端子に入力される。比較器503aの反転入力端子に第1の基準電圧Vref1が入力され、比較器503bの非反転入力端子に第2の基準電圧Vref2が入力される。参考の形態1において、第1の基準電圧Vref1<第2の基準電圧Vref2である。制御部104は、比較器503a、503bの出力信号を入力する。
誘導加熱コイル101が停止している時、制御部104は、比較器503bの出力信号を入力してチェックし、比較器503aの出力信号をチェックしない。導通状態が良好な静電シールド体112のインピーダンスは低く、比較器503bの反転入力端子の電位は閾値(第2の基準電圧Vref2)より低い。導通状態が悪化した静電シールド体112のインピーダンスは高くなり、比較器503bの反転入力端子の電位は閾値(第2の基準電圧Vref2)より高くなる。誘導加熱コイル101が停止している時、制御部104は、比較器503bの出力信号がハイレベル(+5V)であれば、静電シールド体112の通電状態は良好であると判断し、誘導加熱コイル101の通電を許可する。制御部104は、比較器503bの出力信号がロウレベル(0V)であれば、静電シールド体112の通電状態は悪化していると判断し、誘導加熱コイル101を停止状態に保つ(通電を許可しない)。
誘導加熱コイル101が動作している時(通電時)、制御部104は、比較器503aの出力信号を入力してチェックし、比較器503bの出力信号をチェックしない。通電状態において、誘導加熱コイル101から漏洩電流(動作周波数成分)が大きなノイズとして静電シールド体112に流れる。参考の形態1において、誘導加熱コイル101が動作すると、その漏洩電流(動作周波数成分)の大きなノイズに起因して、比較器503bは静電シールド体112の通電状態が良好である場合にもロウレベルを出力する。それ故に、誘導加熱コイル101の動作時には比較器503bの出力信号は、静電シールド体112の通電状態を判定するためのデータとして役立たない。
通電時には、制御部104は、比較器503aの出力信号を利用する。静電シールド体112の通電状態が良好である場合には、誘導加熱コイル101から大きな漏洩電流がノイズとして静電シールド体に流れる。それ故、比較器503aの非反転入力端子の電位は閾値(第1の基準電圧Vref1)より高くなる。例えば静電シールド体112が破損した場合には、誘導加熱コイル101から静電シールド体に流れる漏洩電流(ノイズ)が小さくなる。それ故、比較器503aの非反転入力端子の電位は閾値(第1の基準電圧Vref1)より低くなる。比較器503aは、静電シールド体112の通電状態が良好である場合、ハイレベルを出力する。誘導加熱コイル101が動作している時(通電時)、制御部104は、比較器503aの出力信号がハイレベル(+5V)であれば、静電シールド体112の通電状態は良好であると判断し、誘導加熱コイル101の通電を継続する。制御部104は、比較器503aの出力信号がロウレベル(0V)であれば、静電シールド体112の通電状態は悪化していると判断し、誘導加熱コイル101を停止させる。大きな面積を有する静電シールド体112に流れる漏洩電流は大きくレベルが安定しない(ノイズのようなものである。)。このような場合、漏洩電流に基づく検出電圧を誘導加熱コイルの出力レベルに比例した基準電圧と比較するよりも(例えば特開昭62−278785)、一定の閾値と比較した方が、検知部503は安定に動作する。
上記の構成により、誘導加熱コイルが停止中も動作中も、それぞれ適切な方法により静電シールド体の導通状態を検知し、誘導加熱コイルを適切に制御できる。安全な誘導加熱装置を実現できる。
マイクロコンピュータ105は、ソフトウエア処理により制御部104の機能を実行する。ソフトウエア処理においては、信号を入力してからその処理結果を出力するまで、最大で処理サイクル期間の遅延が発生する。誘導加熱コイル101に通電している時に例えばトッププレートが割れたならば(この場合、静電シールド体112の通電状態が悪化する。)、できるだけ早く誘導加熱コイル101を停止させることが好ましい。参考の形態1において、誘導加熱コイル101に通電している時、マイクロコンピュータ105は比較器503aの出力信号(誘導加熱コイル101の動作時の検知出力)を外部割込端子に入力する。比較器503aの出力信号がハイレベルからロウレベルに変化するとマイクロコンピュータ105は直ちに割込処理を実行し、誘導加熱コイル101を停止させる。これにより、高い安全性を実現している。マイクロコンピュータ105は、比較器503bの出力信号(誘導加熱コイル101の停止時の検知出力)を通常の入力端子に入力し、処理サイクル期間毎に処理している。
図6は、参考の形態1の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャートである。図6は、ステップ601〜616を有する。最初に、時間t=T0(参考の形態1においてT0=10秒)とする(ステップ601)。次に、制御部104は、静電シールド体112の導通状態が良好か否か(誘導加熱コイル101が停止状態においては比較器503bの出力が+5Vか又は0Vか、誘導加熱コイル101が動作状態においては比較器503aの出力が+5Vか又は0Vか)をチェックする(ステップ602)。ステップ602においてのみ、検知部503は電力を消費する。導通状態が良好であればステップ606に進み、シールドフラグを0にする。導通状態が悪ければステップ603に進み、シールドフラグを1にする。ステップ607に進む。
ステップ607において、制御部104は、誘導加熱コイル101のON指令を入力しているか否かをチェックする。誘導加熱コイル101のON指令を入力していなければ(OFF指令を入力していれば)、誘導加熱コイル101を停止する(ステップ613)。ステップ610に進む。誘導加熱コイル101のON指令を入力していれば(ステップ607)、シールドフラグが1か否かをチェックする(ステップ608)。シールドフラグが1であれば(導通状態が悪ければ)、誘導加熱コイル101に印加する電圧を所定のレベル以下に下げる(ステップ614)。参考の形態1においては、誘導加熱コイル101を停止させている。誘導加熱コイル101に小さな電力を印加しても良い。シールドフラグが0であれば(導通状態が良ければ)、制御部104はインバータ回路102が誘導加熱コイル101に指令通りの電力を印加するように制御する(ステップ609)。ステップ610に進む。
ステップ610において、シールドフラグが1か否かをチェックする。シールドフラグが1であれば(導通状態が悪ければ)、警告LED116を点灯し(ステップ615)、警告ブザー115をONする(ステップ616)。ステップ604に進む。シールドフラグが0であれば(導通状態が良ければ)、警告LED116を消灯し(ステップ611)、警告ブザー115をOFFする(ステップ612)。ステップ604に進む。
ステップ604において、t=0か否かをチェックする(実際には、ステップ604、605は所定の時間毎に実行される。)。t=0であればステップ601に進み、上記の処理を繰り返す。tが0でなければ、tの値をデクリメントする(ステップ605)。ステップ607に進み、上記の処理を繰り返す。
検知部503が静電シールド体112の導通状態を所定時間毎にチェックするようにして、チェック時以外の時には検知部503への電力供給を止めることにより、誘導加熱装置の平均消費電力を低減することができる。
検知部は、負荷検知に応じて静電シールド体の導通状態を、リアルタイムで検知することと、間欠的に検知することを切り換えても良い。これによりノイズの影響を受けにくくなり、安定して正確な検知結果を出力できる。
誘電加熱コイル101が通電されている時は、検知部503は静電シールド体112の導通状態を素早く検知することが好ましい場合がある。誘電加熱コイル101が通電されている時は、検知部503はリアルタイムで(例えば割込処理により)静電シールド体112の導通状態をチェックし、誘電加熱コイル101が通電されていない時は、検知部503は所定時間毎に静電シールド体112の導通状態をチェックしても良い。
参考の形態1において、検知部503は、誘導加熱コイル101に通電中及び停止中の所定時間T0毎に、静電シールド体112の導通状態を検知した。検知部503は、誘導加熱コイル101をOFFからONにする時、及び誘導加熱コイル101に通電中の所定時間T0毎に、静電シールド体112の導通状態を検知しても良い。
比較器503bが、静電シールド体112のインピーダンスが所定の閾値以下であるか否かを判定し、制御部104が、静電シールド体112のインピーダンスが所定の閾値より大きい場合に、誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止しても良い。
比較器503bが、静電シールド体112の両端電圧が所定の閾値以下であるか否かを判定し、制御部104が、静電シールド体112の両端電圧が所定の閾値より大きい場合に、誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止させても良い。
比較器503bが、静電シールド体112を流れる電流が所定の閾値以上であるか否かを判定し、制御部104が、静電シールド体112を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止させても良い。
本参考の形態においては、誘導加熱コイル101の一端が、インバータ回路102のグラウンド線と直接接続されている。誘導加熱コイル101のグラウンド線と直接接続されている側から被加熱体110を通じて使用者に漏洩電流が流れない。誘導加熱コイル101の他端側から被加熱体110に漏洩電流が流れないようにシールドをすれば良い。本構成においては、誘導加熱コイル101と被加熱体110とのシールドが容易であり、より高いシールド効果が得られる。
《参考の形態2》
図7を用いて本発明の参考の形態2の誘導加熱装置を説明する。参考の形態2の誘導加熱装置の概略的な構成(図1)及び回路構成(図3)はは実施の形態1と同一である。参考の形態2の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の(磁性体の)被加熱体(又は18−8ステンレスのような低透磁率で高抵抗の被加熱体)と、アルミニウム又は銅のような低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体とを加熱できる。参考の形態2の誘導加熱装置は、静電シールド体112の導通状態の検知に関する制御方法においてのみ、実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態2は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図7は、参考の形態2の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャートである。図7は、ステップ701〜709を有する。最初に、制御部104は、静電シールド体112の導通状態が良好か否か(トランジスタ103aのコレクタ電位が+5Vか又は0Vか)をチェックする(ステップ701)。導通状態が良好であれば警告LED116を消灯し(ステップ703)、導通状態が悪ければ警告LED116を点灯する(ステップ702)。ステップ704に進む。
ステップ704において、制御部104は、誘導加熱コイル101をONする指令が出されているか否かをチェックする。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていればステップ705に進む。誘導加熱コイル101をONする指令が出されていなければステップ708に進む。
ステップ708において、誘導加熱コイル101を停止させる。ステップ701に戻り、上記の処理を繰り返す。
ステップ705において、制御部104は、誘導加熱コイル101の負荷(被加熱体110)が磁性体(又は低透磁率で高抵抗の被加熱体)か否かをチェックする。負荷(被加熱体110)が磁性体(又は低透磁率で高抵抗の被加熱体)であれば、ステップ709に進み、負荷(被加熱体110)が磁性体(又は低透磁率で高抵抗の被加熱体)でなければ(低透磁率で(非磁性体で)低抵抗の被加熱体であれば)、ステップ706に進む。
ステップ706において、制御部104は、検知部103の出力に基づいて、静電シールド体112の導通が良好であるか否かをチェックする。静電シールド体112の導通が良好であれば、ステップ709に進み、指令通りの電力を誘導加熱コイル101に印加する。ステップ701に戻り、上記の処理を繰り返す。
ステップ706において、静電シールド体112の導通が悪化していれば、ステップ707に進み、誘導加熱コイル101を停止させ、又はその印加電力を下げる。ステップ701に戻り、上記の処理を繰り返す。
被加熱体が非磁性体で低抵抗である場合に、誘導加熱コイル101から被加熱体110を通じて使用者に漏洩電流が流れることが特に問題となる。本構成においては、被加熱体110が非磁性体で低抵抗であって、静電シールド体112の導通が悪化した場合にのみ、例えば誘導加熱コイル101の出力を低減し又は停止させる。静電シールド体112が良好な導通状態を有する場合に検知部103が誤検知をして使用者に迷惑をかけることが、発生しにくい。適切に安全機能を動作させる誘導加熱装置を実現する。
参考の形態2においては、警告LED116及び警告ブザー115の動作は実施の形態1と同一であった。これに代えて、静電シールド体112の導通状態が悪化し且つ被加熱体110が非磁性体で低抵抗である場合のみ、誘導加熱装置を使用できないことを、警告LED116を点灯して表示し、及び/又は警告ブザー115をONして報知しても良い。被加熱体が非磁性体で低抵抗である場合のみ誘導加熱装置を使用できないことを使用者に的確に知らせることができる。使用者は、誘導加熱装置を適切に使用し、修理できる。
《参考の形態3》
図8を用いて本発明の参考の形態3の誘導加熱装置を説明する。参考の形態3の誘導加熱装置は、静電シールド体112の取り付け方法においてのみ、実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態3は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図8は、参考の形態3の誘導加熱装置の要部断面図(静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図8において、静電シールド体112はトッププレート118の下面に設けられている。静電シールド体112と誘導加熱コイル101との間の空間が十分にあれば、静電シールド体112を覆う絶縁層117を必ずしも設ける必要はない。
シールド体を被加熱体の近くに安定に設けることができ、誘導加熱コイルと被加熱体との間を確実にシールドできる。
静電シールド体112を、トッププレート118の上面及び下面に設けても良い。
《参考の形態4》
図9を用いて本発明の参考の形態4の誘導加熱装置を説明する。参考の形態4の誘導加熱装置は、トッププレート118に代えて、合わせガラスで形成されたトッププレート918を有し、静電シールド体112の取り付け方法が実施の形態1と異なる。それ以外の点において、参考の形態4は実施の形態1と同一である。本参考の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図9は、参考の形態4の誘導加熱装置の要部断面図(静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図9において、静電シールド体112は、合わせガラスのトッププレート918のガラスとガラスとの間に設けられている。静電シールド体112は合わせガラスによって確実に保持される。静電シールド体112の厚みは非常に薄い故、2枚のガラスの間に実質的に隙間は出来ない。シールド体を被加熱体の近くに安定に設けることができる。シールド体は、絶縁層を設けることなく、被加熱体及び誘導加熱コイルから確実に絶縁される。
《実施の形態2》
図10を用いて本発明の実施の形態2の誘導加熱装置を説明する。実施の形態2の誘導加熱装置は、誘導加熱コイル101と被加熱体110との間に固定板1001を有し、固定板1001の上面に静電シールド体112を設けている。これ以外の点において、実施の形態2は実施の形態1と同一である。本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
図10は、実施の形態2の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1001及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図10において、固定板1001は耐熱耐絶縁性のガラス、磁器、マイカ又は耐熱樹脂等からなり、上面に静電シールド体112を設けている。固定板1001は誘導加熱コイル101に載置している。固定板1001は耐熱耐絶縁性の材料で作製されているので、長期間の使用により熱で劣化する恐れはない。
固定板1001とトッププレート118との間に空間が設けられている。冷却ファン1002によって発生した風が、直接又はエアガイドによって案内されて、この空間を通り抜ける。これにより、誘導加熱コイル101を冷却することができる。
上面に静電シールド体112を設けた標準の固定板1001を作り、誘導加熱装置の各機種毎に、それぞれ任意の適切な位置に標準の固定板を自在に設けることができる。機種毎に固定板の取り付け位置を決めれば良く、製品設計の標準化を図ることができる。開発の労力及び期間を削減できる。
《実施の形態3》
図11を用いて本発明の実施の形態3の誘導加熱装置を説明する。実施の形態3の誘導加熱装置は、固定板1001と誘導加熱コイル101との間に空間が設けられている。それ以外の点において、実施の形態3は実施の形態2と同一である。
図11は、実施の形態3の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1001及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図11において、固定板1001と誘導加熱コイル101との間に空間が設けられている故、実施の形態2と比較して、固定板1001は絶縁性能が低くても良い。固定板1001を安価な絶縁材料で形成できる。
実施の形態2と比較して、実施の形態3の誘導加熱コイル101の表面の放熱性は高い。冷却ファン1002によって発生した風が、直接又はエアガイドによって案内されて、固定板1001と誘導加熱コイル101との間に空間を通り抜ける。これにより、更に誘導加熱コイル101を冷却できる。
《実施の形態4》
図12を用いて本発明の実施の形態4の誘導加熱装置を説明する。実施の形態4の誘導加熱装置は、固定板1001に代えて固定板1201を有することと、静電シールド体112の取り付け方法とが実施の形態3と異なる。それ以外の点において、実施の形態4は実施の形態3と同一である。
図12は、実施の形態4の誘導加熱装置の要部断面図(固定板1201及び静電シールド体112の取り付け場所近傍のみを示す。)である。図12において、固定板1201は、2枚の耐熱耐絶縁性のガラス、磁器、マイカ又は耐熱樹脂等からなる薄板を貼り合わせて形成されている。2枚の薄板の間に静電シールド体112を設けている。
《実施の形態5》
図13を用いて本発明の実施の形態5の誘導加熱装置を説明する。実施の形態5の誘導加熱装置は、固定板1001の下面に静電シールド体112と、静電シールド体112を覆う絶縁層117とを有する。これ以外の点において、実施の形態5は実施の形態3と同一である。実施の形態5においては絶縁層117を設けているが、固定板1001と誘導加熱コイル101との空間距離が十分取れる場合は、静電シールド体112を覆う絶縁層117を削除しても良い。
上記の実施の形態では被加熱体をトッププレートの上に載置する誘導加熱装置について説明した。これに限定されるものではなく、例えば被加熱体を空中に保持する誘導加熱装置、誘導加熱コイルの上に合成樹脂、磁器またはガラス等の絶縁性の耐熱材料からなる五徳またはカバーなどを設けその上に被加熱体を載置する誘導加熱装置、又は絶縁性の耐熱材料に孔を設け、その孔に被加熱体をはめ込むようにした誘導加熱装置にも、本発明を適用可能である。これらの構成の誘導加熱装置においては、誘導加熱コイルと被加熱体との距離を短くし、加熱効率を高めることができる。
本実施の形態の静電シールド体112のパターンは、大きさを誘導加熱コイル101と略同程度とし、形状をスリット201で分割された略円弧状とした。このような形状が好ましいが、これに限定されるものではなく、静電シールド体、誘導加熱コイル101の高電圧部を覆う大きさを有する任意の形状であっても良い。例えばその形状は矩形又はドーナツ状でも良い。
本実施の形態の静電シールド体112は、パターン両端にそれぞれ接続部202を有する。それぞれの接続部202は、リード線122、123を介して検知部103と接続されている。2点以上の接続部を設け、検知部から接続部間に通電し、静電シールド体の導通状態を検知する構成であれば、他の任意の構成をとっても良い。2点以上の接続部を設けることにより、検知部が静電シールド体の導通状態を検知することが容易であるばかりでなく、1本の線の導通が悪くなった場合にも、静電シールド体はシールド効果を奏することが出来る。
静電シールド体と低電位部とを、実施の形態のように接続線で(直流成分及び交流成分が流れるように)接続しても良く、コンデンサで交流的に接続しても良い。静電シールド体と低電位部とをコンデンサで接続した場合には、検知部は、誘導加熱コイルを停止している時、例えば検知部が内蔵する発振回路が出力する交流電圧(誘導加熱コイルが発生する電圧と異なる電圧)を静電シールド体に印加し、静電シールド体の導通状態を検知する。
発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、静電シールド体がその機能を十分に発揮していないときでも、感電する恐れのない安全性の高いものにすることができるので、誘導加熱調理器等の用途にも適用できる。
図1は、本発明の実施の形態1の誘導加熱装置の概略的な構成図 図2は、本発明の実施の形態1の誘導加熱装置の静電シールド体のパターンの一例を示す図 図3は、本発明の実施の形態1の誘導加熱装置の構成を示すブロック図 図4は、本発明の実施の形態1の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャート 図5は、本発明の参考の形態1の誘導加熱装置の構成を示すブロック図 図6は、本発明の参考の形態1の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャート 図7は、本発明の参考の形態2の誘導加熱装置の制御方法を示すフローチャート 図8は、本発明の参考の形態3の誘導加熱装置の要部断面図 図9は、本発明の参考の形態4の誘導加熱装置の要部断面図 図10は、本発明の実施の形態2の誘導加熱装置の要部断面図 図11は、本発明の実施の形態3の誘導加熱装置の要部断面図 図12は、本発明の実施の形態4の誘導加熱装置の要部断面図 図13は、本発明の実施の形態5の誘導加熱装置の要部断面図 図14は、従来例1の誘導加熱装置の構成を示すブロック図 図15は、従来例2の誘導加熱装置の構成を示すブロック図 図16は、従来例2の誘導加熱装置のトッププレートに形成された静電シールド体のパターンを示す図
符号の説明
101 誘導加熱コイル
102 インバータ回路
103、503 検知部
104 制御部
105 マイクロコンピュータ
106 LED駆動回路
107 圧電ブザー駆動回路
108 設定表示部駆動回路
109 操作部
110 被加熱体
111 駆動回路
112 静電シールド体
113 設定入力部
114 設定表示部
115 警告ブザー
116 警告LED
117 絶縁層
118、918 トッププレート
119、120、122、123 接続線
121 プラグ
124 誘導加熱コイル保持部材
125 筐体
126 制御基板
127 商用交流電源
201 スリット
202 接続部
1001、1201 固定板
1002 冷却ファン

Claims (1)

  1. 筐体上部に配置され被加熱体を載置するトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に設けられ高周波磁界を発生し前記被加熱体を加熱する誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路と、
    耐熱絶縁性の材料で作製されかつ前記誘導加熱コイルに載置された固定板と、
    前記固定板の上又は中に設けられるか、前記固定板の下に設けられかつ絶縁層で表面を覆われてなり、2点以上の接続部を有し前記接続部を通じて低電位部に電気的に接続された導電性のシールド体と、
    前記誘導加熱コイルが発生する電圧と異なる電圧を前記接続部間に印加し、前記シールド体の導通状態を検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づき前記導通状態が悪化したことを検知すると、前記誘導加熱コイルの出力が低減する又は停止するように前記インバータ回路を制御する制御部と、
    備え、
    前記検知部は、前記シールド体に直流電流を流して、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値以下であるか否か、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値以下であるか否か、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値以上であるか否か、を判定して、前記導通状態の悪化の程度を検知し、
    前記制御部は、前記シールド体のインピーダンスが所定の閾値より大きい、前記シールド体の所定の端子間の電圧が所定の閾値より高い、又は前記シールド体を流れる電流が所定の閾値より小さい場合に、前記誘導加熱コイルの出力を低減し又は停止させる誘導加熱装置。
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