JP3979633B2 - 注出容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘度の比較的高いクリーム状の内容物を、手動ポンプを利用して注出する注出容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クリーム状内容物を、手動ポンプを利用して注出するこの種の注出容器の従来技術として、有底筒状の容器本体に、該容器本体の内底に向けて吸上開口をもつ吸上パイプを連結したポンプ機構を設け、前記容器本体内に、該吸上パイプに対して摺動可能に挿通し、内容物の吸上にともなって、内容物の液面に密着して吸上パイプに沿って移動する押え蓋を設けたものが知られている。
【0003】
この押え蓋は、容器本体内の内容物が、流動性の悪いクリーム状物であるため、その吸い上げに伴って、吸上パイプの吸上開口が位置する下端から内容物の上面に至る空孔が吸上パイプの周囲に形成され、その結果、この空孔を通過した空気の混入により、内容物の円滑な注出が阻害されてしまうことを防止するためのものである。押え蓋で、内容物の上面を押えることにより、手動ポンプの内容物吸い上げに伴う負圧の影響を、内容物全体に均一に作用させ、これにより内容物吸上げに伴う負圧が、内容物の一部に偏って作用することにより形成される空孔の発生を阻止して、内容物の良好な注出動作を維持する。
【0004】
また、内容物の粘度が大きい場合には、内容物の吸い上げに伴う、負圧の偏った作用時間が長く、これにより押え蓋自体が変形してしまう恐れがあるので、押え蓋の主体部分を硬質材製とし、吸上パイプに密接する部分(内周端縁部分)を軟質弾性材製とすることにより、負圧により変形することなく、吸上パイプに対する密摺動可能な組付きを維持できるようにしている。
【0005】
特開2000−219284号公報には、押え蓋を、リング板状の硬質材製の蓋板と、該蓋板の内周縁に密に組付いて、吸上げパイプに緩く外嵌する円筒状の内筒片の内周面下端に、内鍔状のシール片を周設したポリエステル系エラストマー製のシールリングと、から構成した注出容器が開示されている。
【0006】
前述の注出容器は、シールリングの内筒片に設けたシール片が、中央側を上昇傾斜させた状態で吸い上げパイプの外周面に弾力的に密摺接し、負圧が作用した際の吸い上げパイプに対するシール片の圧接を強めて空気の下方への通過を確実に阻止するとともに、シールリングの内筒片に組付いて内容物の上面の略全域を覆っている蓋板が、内容物の吸い上げに伴って不均一に作用する負圧を変形することなく受け止めて、蓋板が略水平姿勢を保持しながら内容物の上面全域を略均一に押圧し、流動性の悪いクリーム状内容物を最後まで円滑かつ確実に注出できるようにしている。
【0007】
押え蓋が下降変位する際に、負圧の不均一な作用により押え蓋が傾くことがあるが、手動ポンプの吸上げパイプに対向する押え蓋部分は、ポリエステル系エラストマー製のシールリングだけであるので、例え傾いても押え蓋が吸上げパイプに弾性的に押圧されるだけで、カジリ状に引っ掛かることはなく、押え蓋は円滑かつ確実に下降変位することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クリーム状内容物を充填した注出容器が、輸送途中等において傾倒状態となった場合、吸上げパイプに密摺接しているシール片のみでは、吸上げパイプに対する押え蓋の傾斜を防止できず、吸上げパイプに対して押え蓋が傾斜して、蓋板と容器本体の内壁との隙間が大きくなり、この隙間から粘度の大きいクリーム状の内容物が蓋板を越えて押え蓋の上部に流動する、と云う問題がある。
【0009】
内容物が、流動性の悪いクリーム状物であるがゆえに、一度蓋板を越えて押え蓋よりも上部に流動してしまうと、傾倒状態の注出容器を起立させても、内容物が押え蓋の上部に留まったまま下部には戻らず、内容物が押え蓋の上部に残存したまま、内容物を最後まで使い切ることができない、と云う問題がある。
【0010】
また、蓋板を越えて押え蓋の上部に流動した粘度の高い内容物は、注出容器を起立させても下部に戻らないため、押え蓋と内容物との間に空孔が発生して、押え蓋が傾斜した状態のままとなり、傾斜した押え蓋では、内容物の上面全域を略均一に押圧することができないため、内容物の吸い上げに伴って発生する不均一な負圧が内容物の上面に偏って作用し、流動性の悪い内容物の円滑な注出が阻害される、と云う問題を生じる。
【0011】
そこで、本発明は、上述の問題点を解消すべく創案されたもので、手動ポンプを有する容器本体内に内容物の押え蓋を設けた注出容器において、押え蓋の傾斜を防止することを技術的課題とし、もって粘度の大きいクリーム状内容物を最後まで円滑かつ確実に注出できる注出容器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
クリーム状内容物を収納する壜体状の容器本体の口部に、内容物を吸い上げて注出する手動ポンプを装着し、容器本体内に、クリーム状内容物上に載置するリング板状の押え蓋を昇降変位可能に装着した注出容器であること、押え蓋を、リング板状をした硬質材製の蓋板と、該蓋板の内周縁に密に組付いて、手動ポンプの吸上げパイプに緩く外嵌する円筒状の内筒片の内周面下部に、吸上げパイプの外周面に弾力的に密摺接して、空気の下方への通過を防止する内鍔状のシール片を周設し、内筒片の内周面の少なくとも上部に、吸上げパイプに対向する複数の傾斜防止リブを等間隔に突設した軟質弾性材製のシールリングと、から構成したこと、内筒片の縦方向中間部から外鍔状のフランジを周設したこと、このフランジの外周端から、内筒片との間に弾性変位用の間隙を設けて、蓋板の内周縁が密に組付く弾性筒片を垂下設したこと、この弾性筒片の下端部から外鍔状に蓋板を支持する底板を設けたこと、弾性筒片の外周面に、上方から蓋板に係止する係止突条を周設したこと、にある。
【0013】
請求項1記載の発明にあっては、シールリングの内筒片の内周面の少なくとも上部に、吸上げパイプに対向する複数の傾斜防止リブを突設したため、注出容器が傾倒状態となった場合に、傾斜防止リブが吸上げパイプの外周面に当接して、シールリングを支持し、押え蓋全体の傾斜を防止することができる。
【0014】
また、内容物の吸い上げに伴う不均一な負圧が、押え蓋に作用した場合であっても、傾斜防止リブが吸上げパイプの外周面に当接して、押え蓋の傾斜を防止するため、吸上げパイプに対して蓋板の略水平姿勢を保持した状態で、押え蓋が、内容物の注出に伴って発生する不均一な負圧を内容物の上面全域に略均一に作用させ、流動性の悪いクリーム状内容物を最後まで円滑かつ確実に、手動ポンプから注出することができる。
【0015】
軟質弾性材製のシールリングの内筒片に、傾斜防止リブを一体形成したため、傾斜防止リブは、吸上げパイプの外周面に弾接してカジリ状に引っ掛かることはなく、押え蓋が安定かつ円滑に下降変位する。
【0016】
蓋板は、内筒片からフランジを介して、弾性変位用の間隙を設けたシールリングの弾性筒片に密に組付くため、弾性筒片の弾圧性により、蓋板の外周縁が容器本体に近接した状態を維持する。また、容器本体が傾倒状態となって、蓋板の外周縁が容器本体に弾接した場合であっても、容器本体を起立した状態に戻すと、弾接筒片が弾性復帰し、再び、蓋板の外周縁が容器本体に近接した状態を安定に維持する。
【0017】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明の構成に加え、傾斜防止リブを、内筒片の内周面上部から内周面下部まで縦貫突条状に連設したこと、該傾斜防止リブの下端両側のシール片に、切欠部を設けたこと、にある。
【0018】
請求項2記載の発明にあっては、縦貫突条状に傾斜防止リブを連設したため、傾倒状態の注出容器内において、吸上げパイプの長手方向に沿って、縦貫突条状の傾斜防止リブが吸上げパイプに当接して、押え蓋の傾斜を確実に防止する。
【0019】
傾斜防止リブの下端両側のシール片には、切欠部を設けたため、吸上げパイプに対して中央側を上昇傾斜させて組付く、吸上げパイプに対するシール片の弾圧性を確保できる。
【0020】
また、シール片に切欠部を設けたため、縦貫突条状の傾斜防止リブとシール片とを設けたシールリングを、単純な割金型であるコア金型を用いて成形できる。
【0021】
請求項3記載の発明の手段は、請求項2記載の発明の構成に加え、縦貫突条状の傾斜防止リブの先端部に、内筒片の中央側に傾斜した弾性変位可能な傾斜弾片を一体形成したこと、シール片の一端部に、弾性変位した傾斜弾片を当接する窪み状の受部を設けたこと、にある。
【0022】
請求項3記載の発明にあっては、縦貫突条状の傾斜防止リブの先端部に、弾性変位可能な傾斜弾片を一体形成したため、注出容器が傾倒状態となった場合に、傾斜防止リブ及び傾斜弾片が吸上げパイプの外周面に弾圧接して、押え蓋の傾斜を防止するとともに、起立状態の注出容器においても、傾斜弾片が吸上げパイプの外周面に弾接して、蓋板の略水平姿勢を維持した吸上げパイプに対する押え蓋の組付き状態を保持し、該押え蓋で、内容物の吸上げに伴って発生する不均一な負圧を内容物の上面略全域に作用させて、内容物の消費にしたがった押え蓋の円滑な下降変位を達成する。
【0023】
起立状態の注出容器において、傾斜弾片が吸上げパイプに弾接した状態であっても、シール片の一端部に設けた窪み状の受部で、弾性変位した傾斜弾片を当接するため、傾斜弾片が吸上げパイプにカジリ状に引っ掛かることなく、押え蓋の円滑な下降変位を持続する。また、弾性変位した傾斜弾片をシール片の窪み状の受部に当接したため、吸上げパイプに対するシール片の弾圧性を妨げることなく、内容物の吸い上げに伴って、吸上げパイプ周辺部の内容物に空孔が発生するような不都合を生じない。
【0024】
請求項記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明の構成に加え、内筒片の上端部に、外鍔状の摘み片を周設したこと、にある。
【0025】
請求項記載の発明にあっては、内筒片の上端部に外鍔状の摘み片を周設したため、内容物の注出にしたがって、シール片が吸い上げパイプに密摺接した状態で下降変位し、注出容器の底部に密着した押え蓋を、摘み片を把持して、簡単に容器本体の底部から取り外すことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、容器本体1は、胴部2と底部3とから成る主体部1aと、この胴部2の上端部外周に螺合する組付き筒4と肩部5と口部6とから成るヘッド部1bとから構成されている。
【0027】
ヘッド部1bの口部6には、この口部6の外周に螺合する装着筒7を介して、縦型手動ポンプ10が装着されており、ポンプ10上端の押下げヘッド11を上下動させることにより、下端に連結した吸上げパイプ13を介してクリーム状内容物Aを吸い上げ、押下げヘッド11の注出ノズル12から注出するようになっている。
【0028】
押え蓋20は、硬質の合成樹脂等から成るリング板状の蓋板21と、この蓋板21の内周縁が密に組付く軟質弾性材であるポリエステル系エラストマー製のシールリング22とから構成されている。
【0029】
図2乃至図4は、シールリング22の第一の実施例を示し、図2は、一部を破断したシールリング22の斜視図、図3は、押え蓋20の一部拡大縦断面図、図4は、シールリング22の平面図を示す。
【0030】
図2及び図3に示すように、シールリング22は、吸上げパイプ13に緩く外嵌する円筒状の内筒片23の内周面下部に、吸上げパイプ13の外周面に弾力的に密摺接して、空気の下方への通過を防止する内鍔状のシール片24を突周設し、内周面上部には、吸上げパイプ13に対向する複数の傾斜防止リブ25を等間隔に突設している。
【0031】
内筒片23の外周面の縦方向中間部には、外鍔状のフランジ26を周設し、該フランジ26の外周端から、内筒片23との間に弾性変位用の間隙を設けて円筒状の弾性筒片27を垂下設し、該弾性筒片27の外周面下端部から外鍔状に底板28を設け、弾性筒片27の外周面の上部に、上方から蓋板21を係止する係止突条29を周設する。また、シールリング22の内筒片23の上端部には、外鍔状の摘み片30を周設している。
【0032】
シールリング22は、蓋板21の内周縁が、弾性筒片27の外周面に密に組付くとともに、底板28と係止突条29で蓋板21を係止し、蓋板21とシールリング22との組付き固定を達成している。
【0033】
蓋板21が、内筒片23からフランジ26を介して弾性変位用の間隙を設けた弾性筒片27に組付き固定されているため、弾性筒片27の弾圧性により、蓋板21の外周縁が、容器本体1の胴部2の内面に近接した状態を維持して、押え蓋20が下降変位する。
【0034】
注出容器1が傾倒状態となって、蓋板21の外周縁が、容器本体1の胴部2の内面に弾圧接された場合であっても、注出容器1を再び起立させると、弾性筒片27が弾性復帰し、蓋板21の外周縁が容器本体1の胴部2の内面に近接した状態を維持する。
【0035】
シールリング22のシール片24は、吸上げパイプ13に弾性変形して密摺接し、中央側を上昇傾斜させた組付き姿勢となるため、内容物Aの吸い上げに伴い、負圧が作用した際に、吸上げパイプ13に対するシール片24の圧接が強まり、これにより吸上げパイプ13とシール片24とのシール性が確保されて、負圧による空孔の発生を確実に防止することになる。
【0036】
なお、中央側を上昇傾斜させたシール片24の吸上げパイプ13に対する組付き姿勢は、吸上げパイプ13に組付いた押え蓋20が下降変位することにより必然的に得られるものである。
【0037】
シールリング22は、押え蓋20の速やかで正確な下降変位を実現するため、シール片24のみが吸上げパイプ13に密摺接し、内筒片23が吸上げパイプ13から所定距離離間して、緩く外嵌している。
【0038】
搬送途中の状況により、容器本体1が横倒しの状態となると、吸上げパイプ13に弾力的に密摺接しているシール片24のみでは、シールリング22に緩く外嵌している内筒片23を保持できず、シールリング22が吸上げパイプ13方向に傾くため、押え蓋20全体が傾斜することになる。
【0039】
容器本体1の傾倒状態に伴って、シールリング22の吸上げパイプ13方向の傾こうとすると、吸上げパイプ13に対向する傾斜防止リブ25が、吸上げパイプ13の外周面に当接してシールリング22を支持するため、押え蓋20全体の傾斜を防止できる。
【0040】
容器本体1が傾倒状態となっても、容器本体1内の押え蓋20が傾斜しないため、粘度の高いクリーム状の内容物Aが、蓋板21を越えて、押え蓋20よりも容器本体1の上部に流動することはなく、吸上げパイプ13に対する蓋板21の略水平姿勢を保持した押え蓋20で、内容物Aの吸い上げに伴って発生する不均一な負圧を内容物Aの上面全域に略均一に作用させて、良好な注出動作を維持することができ、流動性の悪いクリーム状内容物Aを最後まで円滑かつ確実に、手動ポンプ10から注出する。
【0041】
容器本体1の内容物Aを最後まで円滑に注出すると、押え蓋20は、吸上げパイプ13の下降限まで下降変位し、容器本体1の底部3に密着する。容器本体1を再利用する際には、組付き筒4を胴部2の上端部から螺脱して、ヘッド部1bを主体部1aから離間し、主体部1aの底部3に密着している押え蓋20の摘み片30を把持して、簡単に押え蓋20を底部3から取り外すことができ、内容物Aを再び注出容器に充填して再利用する際に、便利である。
【0042】
図5乃至図7は、シールリング22の第二の実施例を示し、図5は、一部を破断したシールリング22の斜視図、図6は、シールリング22の平面図、図7は押え蓋20の一部拡大縦断面図を示す。
【0043】
図5乃至図7に示すように、シールリング22は、内筒片23の内周面上部から内周面下部まで縦貫突条状に傾斜防止リブ25を連設し、傾斜防止リブ25の下端両側のシール片24に、傾斜防止リブ25とシール片24を切断する、切欠部24aを設けている。
【0044】
容器本体1が傾倒状態となった場合、吸上げパイプ13の長手方向に沿って、縦貫突条状の傾斜防止リブ25が、吸上げパイプ13の外周面に当接して、シールリング22を支持し、押え蓋20全体の傾斜を確実に防止する。
【0045】
傾斜防止リブ25の下端両側のシール片24には、傾斜防止リブ25とシール片24を切断する切欠部24aを設けたため、シール片24の吸上げパイプ13に対する弾圧性を確保し、吸上げパイプに対して中央側を上昇傾斜させて密に組付く、シール片24の組付き状態を維持する。
【0046】
シール片24に設けた切欠部24aは、極微小であるため、切欠部24aを通じて空気が下方へ通過しにくく、また、切欠部24a以外の部分のシール片24が吸上げパイプ13の外周面に弾力的に密摺接して空気の下方への通過を阻止しているため、押え蓋20と内容物Aとの間に空孔がほとんど発生せず、手動ポンプ10の内容物の吸い上げに伴い発生する負圧を、押え蓋20で内容物A全体に均一に作用させ、内容物Aの良好な注出動作を維持する。
【0047】
また、切欠部24aを設けたため、内筒片23の内周面に縦貫突条状の傾斜防止リブ25とシール片24とを設けたシールリング22を、単純な割金型であるコア金型を用いて成形できる。
【0048】
図8及び図9は、シールリング22の第三の実施例を示し、図8は、一部を破断したシールリング22の斜視図、図9は、シールリング22の平面図を示す。
【0049】
図8及び図9に示すように、シールリング22は、内筒片23の内周面上部から内周面下部まで縦貫突条状に連設した傾斜防止リブ25の先端部に、内筒片23の中央側に傾斜した、弾性変位可能な傾斜弾片25aを一体形成している。
【0050】
そして、傾斜防止リブ25の下端両側のシール片24には、傾斜防止リブ25とシール片24とを切断する切欠部24aを設けるとともに、切欠部24aで切断されたシール片24の一端部に、弾性変位した傾斜弾片25aを当接する窪み状の受部24bを設けている。
【0051】
容器本体1が傾倒状態となった場合は、吸上げパイプ13の長手方向に沿って、縦貫突条状の傾斜防止リブ25及び傾斜弾片25aが、吸上げパイプ13の外周面に弾圧接し、シールリング22を支持して、押え蓋20全体の傾斜を確実に防止する。
【0052】
容器本体1が起立状態の場合であっても、傾斜弾片25aが吸上げパイプ13に弾接し、蓋板の略水平姿勢を維持した吸上げパイプ13に対する押え蓋20の組付き状態を保持するため、該押え蓋20で、内容物Aの吸い上げに伴い発生する不均一な負圧を内容物Aの上面略全域に作用させて、内容物Aの消費にしたがった押え蓋20の円滑な下降変位を実現する。
【0053】
シール片24の一端部には、吸上げパイプ13に弾接して弾性変位した傾斜弾片25aを当接する窪み状の受部24bを設けたため、吸上げパイプ13に当接した傾斜弾片25aが吸上げパイプ13にカジリ状に引っ掛かることはない。また、弾性変位した傾斜弾片25aを、シール片24の受部24bに当接するため、吸上げパイプ13に対するシール片24の弾圧性を妨げることなく、内容物Aの吸い上げに伴って、吸上げパイプ13周辺部の内容物Aに空孔が発生するような不都合を生じない。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。請求項1記載の発明にあっては、注出容器が傾倒状態となった場合であっても、シールリングの内筒片の内周面に突設した傾斜防止リブが、吸上げパイプの外周面に当接して、シールリングを支持するため、押え蓋の傾斜を確実に防止することができ、傾倒状態となった注出容器内で、内容物が蓋板を越えて押え蓋よりも上部に流動することはなく、蓋板の略水平姿勢を保持した押え蓋で、内容物の吸い上げに伴い発生する不均一な負圧を内容物の上面全域に略均一に作用させ、押え蓋の円滑かつ安定な下降変位動作により、流動性の悪いクリーム状内容物を最後まで円滑かつ確実に注出することができる。
【0055】
傾斜防止リブは、軟質弾性材製のシールリングに一体成形したため、傾斜防止リブが吸上げパイプに当接した場合であっても、吸上げパイプにカジリ状に引っ掛かることはなく、押え蓋の円滑かつ安定な下降変位を維持する。
【0056】
蓋板が、弾性変位用の間隙を設けた弾性筒片に密に組付くため、弾性筒片の弾圧性により、粘度の高い内容物が蓋板を越えて、蓋板よりも上部に流動することなく、蓋板の外周縁が容器本体に近接した状態を安定に維持する。
【0057】
請求項2記載の発明にあっては、内筒片の内周面上部から内周面下部まで縦貫突条状に傾斜防止リブを連設したため、吸上げパイプの長手方向に沿って、傾斜防止リブが吸上げパイプの外周面に当接し、シールリングを支持して、押え蓋の傾斜を確実に防止する。
【0058】
傾斜防止リブの下端両側のシール片には、傾斜防止リブとシール片とを切断する切欠部を設けたため、吸上げパイプに対して中央側を上昇傾斜させた状態で組付くシール片の弾圧性が確保される。
【0059】
また、シール片に切欠部を設けたため、縦貫突条状の傾斜防止リブとシール片とを設けたシールリングを、単純な割金型であるコア金型を用いて容易に成形できる。
【0060】
請求項3記載の発明にあっては、注出容器が傾倒状態となった場合に、縦貫突条状の傾斜防止リブ及び傾斜弾片が、吸上げパイプの長手方向に沿って、吸上げパイプの外周面に弾圧接し、シールリングを支持して、押え蓋の傾斜を確実に防止するとともに、注出容器が起立状態の場合であっても、傾斜弾片が吸上げパイプに弾接して、蓋板の略水平姿勢を維持した吸上げパイプに対する押え蓋の組付き状態を保持し、該押え蓋で、内容物の吸上げに伴って発生する不均一な負圧を内容物の上面略全域に作用させて、内容物の消費にしたがった押え蓋の円滑な下降変位を確実に達成する。
【0061】
シール片には、弾性変位した傾斜弾片を当接する窪み状の受部を設けたため、吸上げパイプに弾接して弾性変位した傾斜弾片が、吸上げパイプにカジリ状に引っ掛かることはなく、また、吸上げパイプに対するシール片の弾圧性が妨げられることなく、押え蓋の円滑かつ安定な下降変位動作を達成する。
【0062】
請求項記載の発明にあっては、内筒片の上端部に外鍔状の摘み片を周設したため、内容物の注出にしたがって、吸上げパイプの下降限まで下降変位し、容器本体の底部に密着した押え蓋を、摘み片を把持して、簡単に容器本体の底部から取り外すことができ、注出容器の再利用時に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、注出容器の要部を破断した全体側面図。
【図2】本発明のシールリングの第一の実施例を示す、一部を破断した斜視図。
【図3】図2のシールリングの組付き状態を示す、押え蓋の一部縦断面図。
【図4】図2のシールリングの平面図。
【図5】本発明のシールリングの第二の実施例を示す、一部破断した斜視図。
【図6】図5のシールリングの平面図。
【図7】図5のシールリングの組付き状態を示す、押え蓋の一部縦断面図。
【図8】本発明のシールリングの第三の実施例を示す、一部破断した斜視図。
【図9】図8のシールリングの平面図。
【符号の説明】
1 ; 注出容器
1a ; 主体部
1b ; ヘッド部
2 ; 胴部
3 ; 底部
4 ; 組付き筒
5 ; 肩部
6 ; 口部
7 ; 装着筒
10 ; 縦型手動ポンプ
11 ; 押下げヘッド
12 ; 注出ノズル
13 ; 吸上げパイプ
20 ; 押え蓋
21 ; 蓋板
22 ; シールリング
23 ; 内筒片
24 ; シール片
24a; 切欠部
24b; 受部
25 ; 傾斜防止リブ
25a; 傾斜弾片
26 ; フランジ
27 ; 弾性筒片
28 ; 底板
29 ; 係止突条
30 ; 摘み片

Claims (4)

  1. クリーム状内容物(A) を収納する壜体状の容器本体(1) の口部(6) に、前記内容物(A) を吸上げて注出する手動ポンプ(10)を装着し、前記容器本体(1) 内に、前記クリーム状内容物(A) 上に載置するリング板状の押え蓋(20)を昇降変位可能に装着した注出容器であって、前記押え蓋(20)を、リング板状をした硬質材製の蓋板(21)と、該蓋板(21)の内周縁に密に組付いて、前記手動ポンプ(10)の吸上げパイプ(13)に緩く外嵌する円筒状の内筒片(23)の内周面下部に、前記吸上げパイプ(13)の外周面に弾力的に密摺接して、空気の下方への通過を防止する内鍔状のシール片(24)を周設し、前記内筒片(23)の内周面の少なくとも上部に、前記吸上げパイプ(13)に対向する複数の傾斜防止リブ(25)を等間隔に突設した軟質弾性材製のシールリング(22)と、から構成し、前記内筒片 (23) の縦方向中間部から外鍔状のフランジ (26) を周設し、該フランジ (26) の外周端から、内筒片 (23) との間に弾性変位用の間隙を設けて、前記蓋板 (21) の内周縁が密に組付く弾性筒片 (27) を垂下設し、該弾性筒片 (27) の下端部から外鍔状に前記蓋板 (21) を支持する底板 (28) を設け、前記弾性筒片 (27) の外周面に、上方から前記蓋板 (21) に係止する係止突条 (29) を周設した注出容器。
  2. 傾斜防止リブ(25)を、内筒片(23)の内周面上部から内周面下部まで縦貫突条状に連設し、該傾斜防止リブ(25)の下端両側のシール片(24)に、切欠部(24a) を設けた請求項1記載の注出容器。
  3. 縦貫突条状の傾斜防止リブ(25)の先端部に、内筒片(23)の中央側に傾斜した弾性変位可能な傾斜弾片(25a) を一体形成し、シール片(24)の一端部に、弾性変位した傾斜弾片(25a) を当接する窪み状の受部(24b) を設けた請求項2記載の注出容器。
  4. 内筒片(23)の上端部に、外鍔状の摘み片(30)を周設した請求項1、2または3記載の注出容器。
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