本発明の好適な実施形態の一つに、径方向に磁極が向くように配設される第1の磁石を備える回転子と、前記回転子の回転に伴い前記第1の磁石が動く円路に隣接して固設されると共に、前記回転子の回転に伴い前記第1の磁石が近接するとき対向する磁極が互いに同極になるように配設される第2の磁石とヨークとによって形成される磁気回路を備える固定子と、前記回転子の回転に伴い前記第1の磁石が前記磁気回路に接近することに連動して前記磁気回路を開き、前記第1の磁石が前記磁気回路から離遠することに連動して前記磁気回路を閉じる開閉手段とを具備するモータがある。
上記の実施形態に係るモータのさらに具体的な実施態様では、前記回転子は、径方向に延びる複数の腕部を有し、該腕部のそれぞれに、前記第1の磁石が前記径方向に同一の磁極を向けるように配設されるように構成されることができる。また前記回転子は、中心軸の周りに回転しうる円盤状の部材であり、前記円盤部材の周縁部に複数の前記第1の磁石がそれぞれ前記径方向に同一の磁極を向くように構成されてもよい。また前記回転子を、中心軸の周りに回転しうる円環状の部材であって、前記円環部材の円環部に複数の前記第1の磁石がそれぞれ前記径方向に同一の磁極を向くように構成しても良い。
上記磁気回路は、前記円路の外側のみならず、内側に隣接して固設されてもよい。磁気回路が前記円路の外側に配されるときは、上記回転子は前記固定子の内側で回転し、磁気回路が前記円路の内側に配されるときは、上記回転子は前記固定子の外側で回転するという実施態様を取ることになる。
上記の実施形態に係るモータのある具体的な実施態様において、前記第1の磁石は円弧状を呈する。
上記の実施形態に係るモータのさらに具体的な実施態様において、前記磁気回路は、前記第2の磁石の一方の極に接合せしめられる第1のヨークと、前記第2の磁石の他方の極に接合せしめられる第2のヨークと、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの両方に近接する第1位置及び前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの一方又は両方から離間する第2位置の間を回動可能に設けられる第3のヨークとを備えて構成され、前記開閉手段は、前記回転子において前記第1の磁石の近傍に設けられる第1の当接部と、前記第3のヨークに直接又は間接に固結せしめられると共に、前記第3のヨークに回転力を与えるべく前記回転子の回転中に前記第1の当接部に突き当たるように設けられる第2の当接部とを備えて構成されることができる。
上記の実施形態に係るモータのさらに具体的な実施態様において、前記磁気回路を、前記第2の磁石の一方の極に接合せしめられる第1のヨークと、前記第2の磁石の他方の極に接合せしめられる第2のヨークと、前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの両方に近接する第1位置及び前記第1のヨーク及び前記第2のヨークの一方又は両方から離間する第2位置の間を回動可能に設けられる第3のヨークとを備えて構成し、前記開閉手段を、歯車・カム・ベルト・電動アクチュエータなどのいずれか1つ以上を用いて前記第3のヨークを回動せしめるように構成しても良い。
本発明の好適な実施形態の別の一つに、径方向に磁極が向くように配設される第2の磁石とヨークとによって形成される磁気回路を備える回転子と、前記回転子の回転に伴い前記磁気回路が動く円路に隣接して固設されると共に、前記回転子の回転に伴い前記第2の磁石が近接するとき対向する磁極が互いに同極になるように配設される第1の磁石を備える固定子と、前記回転子の回転に伴い前記磁気回路が前記第1の磁石に接近することに連動して前記磁気回路を開き、前記磁気回路が前記第1の磁石から離遠することに連動して前記磁気回路を閉じる開閉手段と、を具備するモータがある。この実施態様においても、第1の磁石は、磁気回路の円路の外側に固設されてもよいし、内側に固設されてもよい。前者においてはインナーロータ型のモータになり、後者においてはアウターロータ型のモータになる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態の例について説明する。図1は、本発明に従うモータの一例であるモータ100の構造を模式的に表した図である。モータ100は、回転子102と、図示しない固定子に固定される磁気回路104a,104bとを有する。回転子102は、回転軸106によって反時計回りに回転するように構成されると共に、回転軸106から径方向に延びる2本の腕部108a,108bを有する。腕部108a,108bは、径方向に磁極が向くように配設される永久磁石110a,110bをそれぞれ有し、これらの磁石は、図1に描かれるように、径方向の磁極が同一になるように配設されている。(図1に描かれるように、この例では径方向にN極が向くように配設されている)。
磁気回路104a,104bは、図示しない固定子に、回転子102の回転円周に隣接して設置される。磁気回路104aは、永久磁石112aと、磁石112aのS極に接合せしめられるヨーク114a、及び磁石112aのN極に接合せしめられるヨーク116aを備えると共に、ヨーク114aとヨーク116aとの間に回動可能に設けられるヨーク118aを備える。ヨーク118aが、図1Bに描かれるようにヨーク114a及びヨーク116aに近接する位置にあるときは、磁石112aから発する磁束が殆どヨーク114a,ヨーク118a,ヨーク116aに閉じこめられることから、磁気回路104a全体から漏洩する磁束は極めて少なくなる。むろん、この状態であっても漏洩磁束はゼロにはならないが、少なくとも極めて少なくなる。従って、この状態、すなわち磁気回路104aが閉じた状態では、磁気回路104aは、全体として、磁性を帯びていない強磁性体のようにふるまう。一方、ヨーク118aが、図1Cに描かれるようにヨーク114a及びヨーク116aから離間した位置にあるときは、磁石112aから発する磁束はヨーク114a及びヨーク116aの開放端から外部へ漏洩する。従って、この状態、すなわち磁気回路104aの開放状態では、磁気回路104aは、全体として磁性を帯びた磁石としてふるまう。このようにヨーク118aは、自身が回動することで磁気回路104aを閉鎖又は開放し、磁気回路104aの性質を帯磁していない磁性体から帯磁している磁性体へと変化させる。
ヨーク118aを回転させる手段としては、回転子102の回転に機械的に連動して回転させる機構を採用してもよいし、電気的にヨーク118aを回転をさせるように制御してもよい。後に、ヨーク118aを機械的に回転させる手段の一例を、別の実施例を用いて説明する。
磁石112aは、回転子102の磁石110a又は110bが磁気回路104aに近接した位置にあるとき、すなわち図1Aのような状態にあるとき、磁石110a又は110bに対向する磁極が磁石110aや110bと同極になるように配置される。図1Aでは、対向する磁極がいずれもN極になるように描かれているが、むろん、対向する磁極がいずれもS極になるように配置しても構わない。
磁気回路104bも、磁気回路104aと同様に、永久磁石112bやヨーク114b〜ヨーク118bを有する。磁気回路104bと磁気回路104aは同一の構造を有し、符号aとbは、単にこれらの構成要素を図1において区別するために付されたものである。図1の例では2つの磁気回路が設けられているが、磁気回路の数は、1つであったり4つであったり、具体的実施態様に係る要請に応じて様々な数を取ることができる。
次に、図2を用いてモータ100の動作を説明する。モータ100がまだ駆動していないとき、図2Aに描くように、回転子102の磁石110a,110bは、磁気回路104a,104bとは離れた位置にある。この状態から、電気的・機械的など何らかの方法で、回転子102を反時計回りに回転させるとする(図2B)。
このとき、磁気回路104aや104bは閉じた状態にあるため、上述したように、これらは全体として磁性を帯びていない強磁性体のようにふるまう。従って、磁石が鉄に引き寄せられるように、回転子102の磁石110a,110bは磁気回路104a,104bに引き寄せられる。この引力によって回転子102に回転力が与えられ、回転子はさらに回転する(図2C)。
回転子102がさらに回転し、磁石110a,110bが磁気回路104a,104bに最も近づく位置(図2D参照)までやってくると、ヨーク118a,118bが回転し、磁気回路104a及び104bが開かれる。すると上述したように、磁気回路104a及び104bは全体として磁石として機能するようになる。図2Dに描かれる配置において、磁石112a,112bは、それぞれ磁石110a,110bに磁極が対向しているため、磁石110a,110bと磁気回路104a,104bとの間に強い斥力が働き、これが回転子102に回転力を与え、回転子102はさらに反時計回りに回転せしめられる(図2E)。その後、ヨーク118a及び118bは、磁気回路104a及び104bを閉鎖する位置に復帰し、磁石110a及び110bと磁気回路104a及び104bとは再び引きつけ合うようになる(図2F)。
このようにモータ100は、ヨーク118a及び118bが磁気回路104a及び104bを開閉することによって、回転子102に設けられた磁石110a及び110bが磁気回路104a及び104bから離れた位置にあるときは、磁石110a及び110bと磁気回路104a及び104bとが引きつけ合い、磁石110a及び110bが磁気回路104a及び104bに近接した位置にあるときは、磁石110a及び110bと磁気回路104a及び104bとが反発し合うため、回転子102に回転力が次々に加えられる。このため回転子102は、一旦回転させられると、後は外部からのエネルギー供給をさほど必要とせずに回転し続けることができる。従って、モータ100は、非常に省エネルギーなモータである。
むろん、磁気回路104a及び104bを開閉するためにはエネルギーが必要であり、系の摩擦に伴うエネルギー損失も発生するため、モータ100とても、外部からエネルギーを供給せずにいつまでも回転し続けることはできない。しかし、本発明に従うモータ100は、上述の独特の構成により、回転子に設けられた磁石と磁気回路とに引力・斥力が繰り返し作用することで、モータ100自身で回転子102に回転力を加えることができる。このためモータ100は、従来のモータに比べて少ないエネルギーで長い時間回転させ続けることが可能であり、省エネルギー性に非常に優れたモータであるということができる。
前にも少し述べたが、本発明に従うモータの回転子の形状は、回転子102のように、中心軸から2本の腕が延びる形状に限られるものではなく、腕部の数が3本や4本や5本であってもよいし、もっと多数であってもよい。もちろん、それぞれの腕部に磁石を径方向に同一の磁極を向けるように配設することが好ましい。また、円盤状や円環状の回転子を用いることも可能である。このような場合は、円盤や円環の外縁部に近いところに磁石を配設することが出来るだろう。磁石の数や間隔は、実施態様によって任意に選択することができる。むろん、磁石の磁極は、径方向に向けて全て同一とすべきである。回転子に設けられる磁石の数や固定子に設けられる磁気回路の数も、2つに限られず、3つや4つや5つ、あるいはそれ以上の任意の数であってよい。回転子や固定子に設置する磁石の数は、2つより3つや4つ、またはそれ以上である方が、回転子に加えられる引力や斥力の量が大きくなり、好ましいであろう。回転子の形状は、円柱状とすることも可能である。
104a,104bのような開閉可能な磁気回路を回転子側に配置し、110a,110bのような固定磁石を固定子側に配置するようなモータも、本発明に含まれる。このような実施形態においては、110aや110bに相当する磁石を、回転子の径方向に固定子上で移動可能に設置することが好ましい。固定子上の磁石と回転子上の磁気回路との径方向の距離を近づければ、これらの間に働く引力・斥力が増加し、径方向の距離を遠ざければ、これらの間に働く引力・斥力は減少する。従って、上記の実施形態においては、固定子上の磁石を移動させることにより、固定子上の磁石と回転子上の磁気回路との間に働く引力・斥力を変化させることができ、もって回転子の回転速度を変化させることができる。このように、回転子の回転速度を制御したい場合には、磁気回路を回転子上に設置して、固定子に設置する磁石を回転子の径方向に移動可能とする実施形態は、非常に有用である。むろん、図1や図2に例示されるモータ100においても、磁気回路104a,104bを移動可能に構成することもできるが、磁気回路全体を移動させるよりは、110aや110bのような単体の磁石を移動させるように構成するほうが、簡単であろう。
本実施例に係るモータ100は、回転子が固定子の内部で回転する。かかる構成においては、回転子を小型軽量なものとすることができるという利点がある。しかし本発明に係るモータは、回転子を固定子の外部で回転させる構成とすることも可能である。図3は、そのようなモータの例を示す模式図である。
本発明の別の実施例に係るモータ300は、円環状の回転子302と、回転子302の内側に、回転子302に隣接して配置される図示しない固定子に等間隔に固定される4つの磁気回路306a〜306dとを備える。円環状回転子302は、その円環部に、円周に沿って等間隔に設置される4つの円弧状磁石304a〜304dを備える。
円弧状磁石304a〜304dは、全て回転子302の回転の径方向に磁極が向くように配設される。すなわち円弧状磁石304a〜304dは、外径側と内径側が異なる磁極になるような磁石であり、その外径側の磁極と、内径側の磁極は、全て同一になるように配される。磁気回路306a〜306dは、図1や図2で説明した磁気回路104a,104bと同じものであり、磁石と、そのそれぞれの極部に接合せしめられる2つのヨークと、これらのヨークを磁気的に接続したり切断したりしうる磁気回路開閉スイッチとを備えて構成される。磁気回路の磁石の極は、モータ100と同じように、回転子の磁石と近接位置にあるとき、その極が互いに同一となるように(すなわち反発し合うように)配置される。磁気回路開閉スイッチは、円弧状磁石304a〜304dの接近に連動して磁気回路306a〜306dを開放し、円弧状磁石304a〜304dの離隔に連動して磁気回路306a〜306dを閉鎖する。磁気回路104a,104bと同じように、磁気回路306a〜306dも、回路が閉じているときは帯磁していない磁性体として振る舞い、回路が開いているときは磁石として振る舞う。
回転子302は、図3AやBに示すように、反時計回りに回転しうるように構成される。回転子302が、図3Aに示すように、円弧状磁石304a〜304dが磁気回路306a〜306dから離れた位置にあるときは、磁気回路306a〜306dは閉じている。このため円弧状磁石304a〜304dと磁気回路306a〜306dとの間には引力が働き、これが回転子302に回転力を加える。一方、回転子302が、図3Bに示すように、円弧状磁石304a〜304dが磁気回路306a〜306dに近接するまで回転すると、磁気回路306a〜306dが開き、磁気回路306a〜306dが磁石としてふるまうようになる。この配置において、円弧状磁石304a〜304dと磁気回路306a〜306dの磁石は、対向する極が同一になるように配されているので、図3Bに描かれる配置に置いては、円弧状磁石304a〜304dと磁気回路306a〜306dとの間に斥力が働き、これがさらに回転子302に回転力を加える。
このように、モータ300は、モータ100と同様に、回転子に設けられた磁石と磁気回路とに引力・斥力が繰り返し作用することで、自身で回転子302に回転力を加えることができる。従ってモータ300も、省エネルギー性に非常に優れたモータであり、さらに、回転子が固定子の外側を回転することから、固定子の中央部集約と回転子の大型化を可能にしている。
続いて、図4〜9を用いて本発明のより具体的な実施態様の例を説明する。
図4は、本発明の別の実施例に係るモータ500の平面透視図であり、図5は図4のA矢視図である。モータ500は、回転軸11によって回転自在にフレーム1に支持される円盤状の回転子2と、フレーム1に固定される4つの磁気回路3,4,5,6とを備える。円盤状回転子2の周縁部には、円弧状の磁石16,17,18,19が等間隔に設置される。円弧状磁石16〜19は、いずれも、外径側と内径側で磁極が異なるような磁石であり、全て径方向に同一の極を向けるように設置される。
回転子2の外縁に隣接して等間隔に固設される磁気回路3〜6は、基本的には前例に現れた磁気回路104a,104bや306a〜306dと同じものであり、棒状の磁石12〜15及びその磁極に接合せしめられたヨーク材と、当該ヨーク材の切れ目に回転可能なヨーク材が配される開閉子7〜10とを備える。棒状磁石12〜15は、回転子2に備えられる磁石16〜19が回転子2の回転に伴って最近接する際に、それらの磁極が磁石16〜19と同極対向するように配置される。開閉子7〜10は、前例で説明したヨーク118a及び118bのように、閉じられた位置においては棒磁石12〜15に接合せしめられるヨークに非常に近接するため、棒磁石12〜15から生ずる磁束を回路内部に閉じこめる作用を有する。従って開閉子7〜10が閉じた状態において、磁気回路3〜6は、閉鎖状態における前述の磁気回路104aや104bと同様に、帯磁していない単なる強磁性体のように振る舞う。(むろん、磁気回路3〜6から漏洩する磁束は0にはならないが、多くはない。)また開閉子7〜10が開いた位置に回動すると、棒磁石12〜15から生ずる磁束は回路内に閉じこめられることができなくなるため、磁気回路3〜6は、開放状態における前述の磁気回路104aや104bと同様に、磁石のように振る舞うことができる。
回転子2に備える磁石16〜19として、外径と内径で磁極が異なる円弧状の磁石を用いることで、回転中に磁気回路3〜6と近接する時間を長くすることができ、引力又は斥力を効果的に作用させる時間を長くとることができる。また、回転子2として円盤状又は円環状の部材を用いることの利点は、かかる利点を備える円弧状磁石を容易に装着できることである。
次に、図6を用いて、開閉子7〜10の開閉機構の詳細を説明する。図6においては、図面の描画領域の関係で、円弧状磁石17が開閉子8に近接した状態のみを描いているが、他の円弧状磁石16,18,19や、開閉子7,9,10についても、同様の構造が形成されていることに留意されたい。
回転子2は、円弧状磁石17の近傍に、回転子2の表面に固設されるピン保持台25と、ピン保持台25に保持されて回転子2の径方向に突設せしめられるピン状の当接部38とを備える。
開閉子8は、フレーム1から枠状に突設して形成される開閉子支持枠50と、支持枠50の梁部とフレーム1との間に渡される軸31aとを備え、ヨーク28が、軸31aによって、磁石13の極にそれぞれ接合せしめられるヨーク13a及び13bの間に回動可能に支持される。ヨーク28が回動することで、ヨーク13a及び13bが磁気的に結合したり離間せしめられたりする。
さらに開閉子8は、ヨーク28の上部において、支持体50の2本の柱部の間に渡される平板32,平板32の上部で軸31aと一体化せしめられる軸柱31,軸柱31からヨーク28に平行に軸の両側に延伸せしめられるロッド29,平板32の回転子側の端部に設けられ、図示しないバネで付勢されることにより初期位置に安定する回動可能なレバー30a,レバー30aに結合せしめられ、平板32の裏から表に頭部を出し、ロッド29を係止するフック30などを備える。ロッド29は、ヨーク28に平行に延びているので、ヨーク28が閉じた状態にあるとき、回転子2の径方向に延びている。またロッド29は、回転子2の回転に伴ってピン38が開閉子8に近接するときピン38に突き当たるような長さを有する。またレバー30aも、ピン38が開閉子8に近接するときピン38に突き当たるように初期位置が定められる。
回転子2が反時計回りに回転し、図6に描かれるように磁石17が磁気回路4に最近接すると、まずピン38がレバー30aに突き当たることにより、レバー30aが反時計回りに倒れ、レバー30aに結合せしめられているフック30が平板30の下方に退避する。続いてピン38はロッド29に突き当たる。すると、フック30が平板30の下方に退避しているため、ロッド29は跳ね飛ばされ、軸柱31及び軸31aと共に時計回りに回転する。ヨーク28は、軸柱31及び軸31aを介してロッド29に連結せしめられているため、ロッド29が回転すると、ヨーク28も回転し、もって磁気回路4が開かれる。磁気回路4が開かれると、磁気回路4は磁石として振る舞うようになり、磁気回路4の磁石13が回転子2の磁石17に極が対向するように設置されていることから、磁気回路4と磁石17の間に斥力が働き、回転子2をさらに反時計回りに回転させようとする力が回転子2に加えられる。
回転子2が磁気回路4の近傍を通り過ぎ、ピン38が通り過ぎると、レバー30aが図示しないバネに付勢されて初期位置に復帰し、それに伴いフック30も再び平板32上に突き出る。ロッド29は、ピン38に撥ね飛ばされた後、軸柱31やヨーク28と共に回転し続けるが、180度回転したところで、再び飛び出したフック30に突き当たり、回転を停止する。これによってヨーク28が回路閉鎖位置を過ぎて回転を続けることが防止される。しかもヨーク28は、ヨーク13a及び13bに磁気的に引き寄せられるため、安定して回路閉鎖位置で停止することが出来る。
なお、図6に例示される実施形態において、レバー30aやフック30は平板32の上に突き出るように配されているが、これらを平板32の下側に突出するように配置してもよい。この場合、ピン38も平板32の下側を通るように構成される必要がある。このような実施態様では、ピン38に跳ね飛ばされたレバー30aに対して元の位置に戻るように重力が作用するため、レバー30aやフック30を初期位置に復帰させやすいという利点がある。そこで、レバー30aやフック30を初期位置に付勢するバネとして、図6に例示される実施形態にかかるモータよりも弾性力の弱いものを用いる実施形態や、バネを全く用いないという実施形態を採ることも可能である。
このように、モータ500の磁気回路開閉機構は、回転子2の回転に連動して、磁気回路3〜6を機械的に開閉することができる。また磁気回路3〜6を開閉させるためのアクチュエータや、開閉のタイミングを制御するための制御回路を別途用意する必要もないので、構造がシンプルになる。この実施態様では、タイミング制御の回路などを別途設けなくとも、ピン38を回転子2の磁石16〜19の近傍に設けることで、磁石16〜19が磁気回路3〜6に最も近づいたときに確実に磁気回路3〜6を開放することができる。モータ500は、回転子2の磁石16〜19が磁気回路3〜6に最近接するまでは、磁石16〜19と磁気回路3〜6の間に働く引力によって回転子2を加速することができる。しかし、磁石16〜19が磁気回路3〜6の近辺を通り過ぎてもこれらの間に相変わらず引力が働いていては、磁石16〜19が磁気回路3〜6の方に引き戻される力が働き、回転子2の回転を阻害することになる。ところがモータ500は、磁石16〜19が磁気回路3〜6に最近接したとたん、磁気回路3〜6が開いて磁石16〜19へ斥力を及ぼすようになり、回転子2をさらに加速させることができる。従ってモータ500は、回転子2と磁気回路3〜6の間に働く引力・斥力を、回転子2を回転させるために非常に効率的に利用することが可能である。
モータ500においては、ロッド29とピン38を衝突させることによって磁気回路を開くように構成したが、このロッドやピンが例示であることは言うまでもなく、板状や槌状など、衝突部の形状は様々なものを用いることができる。
モータ500の磁気回路開閉機構は、さらに、開閉子7〜10の開閉を容易とするための、補助機構を備えている。図5を参照すると、軸柱31には、軸31aとロッド29のいずれにも垂直に突き出ているロッド33が設けられ、ロッド33の両端には磁石34,35が取り付けられる。さらに支持枠50から突設せしめられるロッドに、磁石36,37が取り付けられる。磁石36,37は、ヨーク28が磁気回路4を閉じる位置にあるとき、磁石34,35に対向するように配置せしめられている。磁石34,35は、外径側が同極になるように取り付けられ、磁石36,37は、磁石34,35に対向する極が磁石34,35と同極になるように取り付けられている。従って、ヨーク28が磁気回路4を閉じる位置にあるとき、磁石34,35と、磁石36,37との間には、互いに斥力が働いている。
ヨーク28は、磁気回路4を閉じる位置にあるとき、ヨーク13a及び13bに磁気的に強く引き寄せられているため、これを回転させるには、それなりに大きな力を必要とする。しかし、磁石34,35と、磁石36,37との間に斥力が働いているため、ヨーク28が少しでも回転して磁石34,35と磁石36,37の水平位置にずれができると、これらの間に働く斥力が、ヨーク28を回転させるように作用する。このため、モータ500においては、磁石34〜37やロッド33を具備しない実施態様に比べて、少ない力でヨーク28を回転させることができる。これは、すなわち、回転子2がより長い時間回転し続けられるということである。
さらに、図6をよく見ると分かるように、モータ500は、ヨーク28が磁気回路4を閉じる位置にあるとき、磁石34,35と磁石36,37との水平位置が、予めずらして配置されており、ヨーク28が磁気回路4を閉じる位置にあっても、磁石34,35と磁石36,37との間に働く斥力が、ヨーク28を回転させようとする方向へ作用するように構成されている。むろん、ヨーク28が磁気回路4を閉じる位置にあるときは、ヨーク28がヨーク13a及び13bに引きつけられていると共に、ロッド29がフック30に係止されて回転できなくなっているため、ヨーク28が回転することはない。しかし、磁石34,35と磁石36,37との間に働く斥力によって、ヨーク28を回転させるために必要な力がさらに小さくなり、回転子2は、より小さな力でロッド29を弾き飛ばすことができる。すなわち、回転子2が開閉子7〜10を開閉するために必要なエネルギーが更に減少することになり、モータ500が、回転子2を回転させ続けるための外部エネルギーの補給が更に少なくて済む。
図7を用いて、磁気回路3〜6のさらに別の開閉補助機構の例を説明する。図7Aはここで説明する第2の開閉補助機構の平面図、76Bは側面図である。第2の開閉補助機構は、磁気回路4の内側に設けられる滑車41と、ヨーク28にラチェット機構を介して固結される滑車42、ワイヤ40及び滑車41を介して43に連結せしめられる強磁性の小部材39、滑車42の下部に固結されるバネ42を有する。滑車42のラチェット機構は、回転子2によってヨーク28が回転せしめられる方向(図6Aでは時計回り)にのみ、ヨーク28に回転力を伝達する。バネ43は、ヨーク28の回転方向とは逆方向の回転力を滑車42に与えるように構成される。ヨーク28が磁気回路4を閉じているとき、磁性小部材39は、ワイヤ40を介してバネ43の弾性力を受けることにより、ヨーク13bの近辺に、ヨーク13bから離間した位置で保持されている。
回転子2の回転により、回転子の磁石が磁気回路4に接近すると回転子の磁石の磁束が磁気回路4に及び、時期回路内の磁束に加わって磁気回路にオーバーフローを生じる。このオーバーフローした磁力のため、磁性体である小部材39はヨーク13bへと引き寄せられ、ワイヤ40を引っ張り滑車42を回転させようとする。すると、ヨーク28は滑車42に固結されているため、滑車42の回転に伴いヨーク28も回転せしめられる。このように、第2の開閉補助機構は、ヨーク28の回転を補助する作用を及ぼすため、回転子2がヨーク28を回転させるために消費する運動エネルギーを小さくすることができる。すなわち、回転子2がより長時間回転し続けることができるという効果を生ずる。回転子2の磁石が回転により磁気回路4から離遠し、ヨーク28が180度回転し、フック30がロッド29を係止してヨーク28の回転が止まり、磁気回路4が閉じられると、ヨーク13bから漏洩する磁束が減少して磁性小部材39への引力も激減し、バネ43の力で磁性小部材39は初期位置へと引き戻される。このとき、滑車42は、先とは逆方向に回転するが、ラチェット機構が組み込まれているため、ヨーク28に逆方向の回転力を加えることはない。
磁性小部材39は、磁気回路4の開閉に伴って頻繁に磁力を受けるため、磁性体でありながら、自身は磁化されにくい物質であることが好ましい。かかる物質として、例えば、純鉄を用いることができる。
図8及び9を用いてモータ500の動作についてまとめる。図8に示すように、回転子2に備えられる円弧状磁石16〜19が、フレーム1に固設される磁気回路3〜6の間に位置しているときには、磁気回路3〜6に備えられる開閉子7〜10は閉じた状態となっている。この回転子に初動として外部から回転力を与えて反時計回りに回転させると、円弧状磁石16〜19が固定子の磁気回路3〜6に近づいていく。その際、回転子2に備えられる磁石と、16〜19と磁気回路3〜6に備えられる磁石12〜15は同磁極が対向するにもかかわらず、磁気回路3〜6の洩れ磁束が少ないため、お互いは反発しあわず、逆に磁気回路3〜6は単なる強磁性体として回転子2の磁石16〜19と引き合う。この引力によって、回転子2の回転が加速される。
さらに回転子2の磁石16〜19が磁気回路3〜6に最近接したとき、上述の開閉機構により磁気回路3〜6が開かれる。すると磁気回路内の磁石12〜15は、磁束が絶たれて回転子2の磁石16〜19と磁極が対向するため、回転子2の磁石16〜19に斥力を及ぼし、これによって回転子2にさらに回転力が加えられる。さらに回転して回転子2の磁石16〜19がフレーム1の磁気回路3〜6から離れると、上述の開閉機構により磁気回路3〜6は再び閉じた状態となる。回転子2に備えられた開閉機構のピンは、常に回転子の磁石が磁気回路に最も近接した位置で開閉子7〜10のロッドを撥ね、その度に開閉補助機構の力が加わり、開閉子は半回転してフックで留められる。したがって、常に、回転子に備えられた磁石が磁気回路に最近接するのと一致して、磁気回路は開き、回転子に備えられた磁石が磁気回路から離れたとき、磁気回路は閉じる。
磁気回路の開閉機構としては、上記のようなピンによる機構以外にも、歯車やカムやベルトを用いて開閉子に力を伝えるなど、種々の方法を用いることができる。
また、開閉の補助機構としては、上記のような磁石のほか、バネやゼンマイや形状記憶合金や電磁石、また、電動アクチュエータを用いるなど、種々の機構を用いることができる。
次に、モータ500の変形例を、いくつか説明する。第1の変形例は、磁気回路の可動ヨークの形状を、棒状から若干バタフライ状を呈するように変更したものである。図10を用いてこの変形例を説明する。図10(a)は、かかる可動ヨークの形状を模式的に描いたものである。図10(a)に描かれるように、回転ヨーク28'は、上から見ると、2つの扇形が要から互いに反対向きに合わされているような、バタフライ状を呈している。かかる回転ヨーク28'を用いた、モータ500の変形例である、モータ500'の動作を図10(b)〜(d)を用いて説明する。
モータ500'は、回転ヨーク28の形状が、バタフライ型になっている以外は、図4〜図9で説明されたモータ500と同じものである。また、磁気回路4'も、可動ヨークがバタフライ型のヨーク28'である以外は、図4〜図9で説明された磁気回路4と同じものである。そこで、モータ500と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。図10(b)に描かれるように、回転子2に設けられる円弧状磁石17が磁気回路4'から離れた位置にあるときは、回転ヨーク28'は磁気回路4'を閉じる位置にある。回転子2が回転し、円弧状磁石17が磁気回路4'に最近接すると、図6等で説明された開閉機構により回転ヨーク28'が開く。すると、図10(d)に描かれるように、磁気回路4と円弧状磁石17の間に働く斥力のため、円弧状磁石17が跳ね飛ばされ、回転子2に回転力が与えられる。回転ヨーク28'も、図6等で説明された開閉機構により、さらに回転しようとする。
さらに時間が進むと、回転ヨーク28'は磁気回路4'を閉じうる位置まで回転する。このとき、回転ヨーク28'は、図7Aに描かれる回転ヨーク28とは異なり、バタフライ状を呈しているため、扇状に張り出している部分がヨーク13aと13bとの間に入り込むことにより、回転ヨーク28よりも早く磁気回路4'を閉じることができる。このように、可動ヨークをバタフライ状とすることで、開かれた磁気回路を素早く閉じることができるという効果を得ることができる。
次に説明する変形例は、図4〜図9で説明したモータ500における磁気回路4の開閉機構を、歯車を用いて実現した例である。図11を用いてこの変形例を説明する。図11は、本発明によるモータ1100の上面透視図と側面図である。モータ1100は、磁気回路4の開閉機構の他は、モータ500と同様の構成を有する。そこで、モータ500と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
図11に描かれるように、モータ1100は、回転子2に固定されると共に回転子2と同じ回転軸に対して回転しうるように設けられる第1の歯車1102と、磁気回路4の回転ヨーク28に直接又は間接に固定されて回転ヨーク28と同じ回転軸に対して回転しうるように設けられる、第2の歯車1104とを有する。第1の歯車1102と第2の歯車1104とは互いに噛み合うように設けられており、回転子2の回転に連動して磁気回路4を開閉できるように、特に、回転子2上の円弧状磁石17が磁気回路4に最近接したときに回転ヨーク28が磁気回路4を開くように、歯車の径や歯数が調節されている。回転子2のように、等間隔に4つの磁石を有する回転子の場合は、回転ヨークに連結される歯車の径は、回転子のそれの2分の1になる。
かかる実施態様においては、磁気回路4の開閉を歯車を用いて行うため、回転子2の回転と磁気回路4の開閉とを安定的に連動させることができるという効果を有する。従って、モータを高速で回転させねばならないときに有利である。また、モータ500における開閉機構のように、当接部を衝突させることによる開閉機構よりも、歯車を用いた開閉機構のほうが、静かに動作させることができるという利点もある。
モータ1100は、さらに、歯車1104の上にフライホイール1106を装備している。フライホイール1106の慣性力により、回転ヨーク28を回転させる力が平均化され、磁気回路4の開閉動作をさらに安定的なものとすることができる。
続いて説明する変形例は、磁気回路を上下2段にした実施例である。図12及び13を用いてこの実施例を説明する。この実施例に係るモータ1200は、モータ500と同様に、円盤状の回転子1202と、回転子1202に設置された円弧状磁石1204と、回転子1202の回転に連動して開閉する磁気回路1206,1208とを有する。図示されていないが、回転子1202上には、上述の回転子2と同様に、円弧状磁石1204と同様の磁石が1/4周ごとに4つ配されている。磁気回路1206や1208は、上述の磁気回路4と同じように、棒磁石及びその両端に接合せしめられたヨークと、磁気回路を開閉しうるように回動自在に設けられたヨークとから構成されるが、それぞれの棒磁石1210と1212は、極の方向が互いに反対向きになるように配置される。磁気回路1206と1208は、互いの磁力が影響子しあわないように、上下に所定の間隔を置いて重なるように設置される。さらに、磁気回路1206を開閉する回転ヨーク1214と、磁気回路1208を開閉する回転ヨーク1216は、互いの角度が直角を保つように交差設置され、同じ回転軸の周りを回転するように構成される。このため磁気回路1206と1208とは、一方が閉じているとき他方は開いているという配置関係を有する。
かかる構成の利点は、回転子を回転させる力を増大させることができることである。円弧状磁石1204が磁気回路1206及び1208に接近する段階においては、磁気回路1206は開いており、磁気回路1208は閉じているので、磁気回路1206との間には磁石の異極同士が引き合う力が働き、磁気回路1208と間には磁性体を引きつけようとする力が働く。一方、磁石1204が磁気回路1206及び1208から離遠する段階においては、磁気回路1206は閉じ、磁気回路1208は開いているので、磁気回路1206との間には、磁性体を引きつけようとする力が働くため、回転を妨げる方向に力が作用するものの、磁気回路1208との間には、同極互いに反発する力が働く。
そこで、磁気回路が一回開閉する間に作用する回転力の大きさを計算してみる。まず、磁気回路が閉じているときに回転子の磁石と磁気回路とに働く引力の大きさを1、磁気回路が開いているときに回転子の磁石と磁気回路とに働く斥力又は引力の大きさを2と表す。磁気回路が開いているときの方が力が強い理由は、磁気回路が閉じているときには磁気回路は磁性を有していないのに対し、磁気回路が開いているときは、磁気回路自体が磁石として作用するからである。磁石1204が磁気回路1206及び1208に接近する段階においては、磁気回路1206によって加わる回転力は2,磁気回路1208によって加わる回転力は1で、合計3である。磁石1204が磁気回路1206及び1208から離遠する段階においては、磁気回路1206によって加わる回転力は−1、磁気回路1208によって加わる回転力は2で、合計1である。従って、モータ1200において、磁気回路が一回開閉する間に作用する回転力の大きさは、4と見積もられる。
一方、上述のモータ500のように磁気回路が一層の場合、磁気回路が一回開閉する間に回転子と固定子との間に作用する力は、回転子の磁石が接近する段階における引力で1,離遠するときの斥力で2の、合計3である。このように、磁気回路を二層にすることで、回転子を回転させる力を増大させることができることが理解される。
モータ1200のような実施形態においては、モータ500のような実施形態に比べて磁気回路が二層になる分、回転子の磁石の縦幅を厚くしておくことが好ましい。その他の開閉機構や開閉補助機構は、上述の機構を適用することが可能である。
図14を用いて本発明に係るモータを利用した発電機の例を紹介する。図14Aに描かれるように、発電機1400は、フレーム1406の中に、モータ1402及びダイナモ1404が組み込まれた構造を有している。モータ1402の詳細は、図14B及び図14Cに描かれている。モータ1402は、周縁部に円環状磁石1410を等間隔に4つ備えた円環状の回転子1408と、上述の磁気回路4や4'と同様の開閉可能な磁気回路1412を4つ備える固定子とを有するモータを、6つ積層した構造を有している。1つ1つのモータは、回転子の形状が円環状であることを除けば、上述のモータ500や1100と同様なモータである。個々の回転子1408は、軸受1405aに回動可能に保持された軸1405に固定されるフレーム1403に固定されることで、軸1405を中心軸として回転できるように構成されている。モータ500や1100と同様に、回転子1408の回転に連動し、各々の磁気回路1412が開閉するように構成されている。
個々の磁気回路1412は、上述の回転ヨーク28と同様の回転ヨークを備えており、これらは縦方向に同じ回転軸の周りを回転するように連結されている。ヨーク回転軸の頂部及び底部には、フライホイール1414が連結されており、その慣性力で磁気回路1412の開閉が安定して行われるように構成されている。 ダイナモ1404は、フレーム1403の内部に回転軸を共有して設置される。既に説明された本発明の原理によりモータ1402が回転すると、ダイナモによって発電が行われる。
図15A〜図15Dを用いて、本発明の実施例を更に一例紹介する。図15A〜図15Dは、これから紹介する実施例に係るモータ1500の構成と動作を模式的に描いた上面透視図である。モータ1500は、前述の実施例と同様に、円周部に4つの円弧状の磁石が設置される回転子と、回転ヨークによって開閉されうる4つの磁気回路を有する固定子とを備え、回転子の回転に連動して磁気回路が開閉することにより、回転子上の磁石と磁気回路との間に引力又は斥力が作用し、それが回転子に回転力を与えるモータである。図15A〜図15Dにおいて、上述の実施例と同じ構成要素には同じ符号が振られており、それらについては説明が省略されることがある。
磁気回路4'は図10を用いて説明された磁気回路と同等のものであり、回転ヨーク28'の形状がバタフライ状を呈するという特徴を有している。図15A〜図15Dには磁気回路が1つのみ描かれているが、実際は前述の実施例と同様に、同じものが等間隔に4つ設けられている。またモータ1500は、図11を用いて説明された実施例と同様に、回転子2と同じ回転軸に軸支される歯車1102と、回転ヨーク28'と同じ回転軸に軸支される歯車1104とを有しており、これらの歯車が噛み合うように設置されることで、回転子の回転と磁気回路の開閉が連動するように構成されている。歯車1104の直径は歯車1102の直径の半分であり、歯車1104の回転速度は歯車1102の2倍となる。
モータ1500は、回転ヨーク28'の回転軸に軸支される歯車1104の周縁部に2つの磁石1502と1504を備えることを特徴とする。図15Aに描かれるように、磁石1502と1504は、歯車1104上で互いに180度離れて設置される。磁石1502と1504の磁極の方向は歯車1104の接線方向に向けられると共に、回転ヨーク28'の長手方向に平行になるように向けられる。磁石1502と1504とを結ぶ線は、回転ヨーク28'の長手方向に直交する。また、磁石1502と1504の磁極は、歯車1104の回転方向の後ろ側になる磁極が、回転子の外周側の磁極と同極になるように向けられる。すなわち、図15Aを参照すると、回転子2及び歯車1102の回転方向が反時計回りであることから回転ヨーク28'及び歯車1104の回転方向は時計回りとなり、また回転子2の磁石16や17などの外周側の磁極はN極であることから、磁石1502と1504の磁極は、時計回りの前方がS極で後方がN極になるように配される。磁石1502や1504の形状は、例えば小さな円板状とすることができ、また、その磁力はあまり強くなくともよい。
以下、図15A〜図15Dを用いてモータ1500の動作を説明する。モータ1500において、円弧状磁石16や17などの円弧が回転子2の回転中心になす角度は40度である。また、回転ヨーク28'の幅は、その中央部において、その長さに対しておよそ三分の一であり、バタフライ部の角度はおよそ20度である。回転ヨーク28'の回転半径は、回転子2の回転半径のおよそ十分の一である。むろん、これらの数値は一つの例に過ぎないことに留意すべきである。
図15Aは、図中で半時計回りに回転している回転子2に設けられた4つの円弧状磁石のうち、磁石17が磁気回路4'に対向した状態を描いたものである。回転子2と共に回転する歯車1102によって、回転ヨーク28'に設けられる歯車1104は時計回りに回転させられようとするが、図15Aの状態において回転ヨーク28'はまだ閉じたままである。従って回転ヨーク28'には、ヨーク13a及び13bを通じて回転ヨーク28'を回路閉鎖位置に留めておこうとする力が働いている。
ところが図15Aの状態において、磁石17と磁石1502は対向する磁極が同極であり、磁石17と磁石1504は対向する磁極が異極であるから、磁石17と磁石1502との間には斥力が働くと共に、磁石17と磁石1504との間には引力が働き、全体としては歯車1104及び回転ヨーク28'を時計回りに回転させようとする力が働く。すなわち、磁石17と磁石1502及び磁石1504との間に作用する磁気力は、歯車1102が歯車1104を回転させることを補助するように働く。このため歯車1102は、磁石1502及び磁石1504がない場合に比べ、歯車1104を少ない力で回転させることができる。
ここで説明する実施例において、回転ヨーク28'は、磁石17が図15Aの状態から20度以上回転すると磁気回路4'が開き始めるように作られている。(あくまでも例であることに注意。図15B参照。)すると前述のように、磁気回路4'と磁石17との間に強い斥力が作用し、回転子2に回転力が加えられる。この力は歯車1102及び1104を介して回転ヨーク28'を時計回りに回転させるためにも作用する。さらに磁石1502が、開いた磁気回路4'の磁束に対しても反発するため、その反発力も歯車1104を介して回転ヨーク28'を回転させるように作用する。従って回転ヨーク28'の回転はさらに促進される。
続いて磁石17や磁石18などが図15Aの位置から45度回転すると、磁石1502及び磁石1504は90度回転し、磁石1504は磁石17と磁石18のちょうど中間に来る(図15C)。
モータ1500は、磁石17,18が初期位置から60度以上回転すると、磁気回路は再び閉じ始めるように構成されている(図15D参照)。このとき、磁石1504は磁石18にやや近い位置にあって、その磁極も異極同士やや対向しているため、磁石1504と磁石18との間には弱いながらも引力が作用し、これは回転ヨークの回転方向とは逆向きの方向である。しかし、磁気回路4'が回転ヨーク28'を引き寄せて回路を閉じようとする力が時計回りに働き、また磁石1502と磁石18の間に働く引力も、歯車1104を回転させようとする方向に働く。従って、図15Dの状態においても、全体としては回転ヨークを時計回りに回転させようとする方向に力が働いている。
ここで説明された実施例のように、磁気回路の開閉子に連結される歯車の周縁に磁石を設け、回転子に設置する円弧状磁石の円弧が為す角度及び回転子と磁気回路開閉子との回転速度の差を適宜定めることにより、歯車に設けた磁石と回転子の磁石とをタイミング良く反発、引き合いさせ、開閉子を開くのに要する力を小さくすることができる。このような磁気回路開閉補助機構は、回転子の磁石の回転に合わせて磁気回路を開閉することで回転力を得るという、本発明によるモータの基本的な作用を極力妨げずに、磁気回路の開閉に必要な力を少なくするという利点を持つ。
図16A〜Cを用いて、磁気回路開閉補助機構のさらに別の実施例を紹介する。図16A〜Cにおいても、前述の実施例と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。図16に係る磁気回路開閉補助機構は、回転ヨーク28の軸に、ラチェット1602を介して軸から左右に延設される細長の棹1604と、棹1604の一端に取り付けられる磁石1606と、それとバランスを取る為に棹1604の他端に取り付けられる非磁性体の錘1608と、磁石1606の回転移動を規制するピン1610とを有する。このほか、錘1608の回転移動を規制するピン1612を有していても良い。棹1604の左右の腕部はそれぞれ磁気回路4の外まで伸びるようにやや長めにする。ラチェット1602は、一方向の回転力のみを回転ヨーク28の軸に伝える。図16においてこの方向は時計回りであり、棹1604が反時計回りに回る時は軸に力を伝えず空回りする。磁石1606は磁極が回転子の磁石と対向するように取り付けられる。磁石1606は小さいものでよく、強い磁石である必要はない。
続いて磁気回路開閉補助機構(1602〜1612)の動作を説明する。回転子2の円弧状磁石が磁石1606から離れている時は、磁石1606は回転子2に近接する所定の位置で静止している(図16A)。回転子2の回転により回転子2の磁石17が接近すると、磁石1606と磁石17は互いに反発し合い、その反発力はラチェット1602を介して回転ヨーク28へ回転力を与える(図16B)。このため、磁気回路4の開閉機構は、ここで紹介される開閉補助機構(1602〜1612)がない場合よりも、少ない力で磁気回路4を開閉することができる。磁気回路4の開閉機構としては、本明細書で既に開示された機構も含め、如何なる機構を用いても良い。
磁石17との反発力により回転する磁石1606は、ピン1610に衝突して跳ね返され、反動で少し戻る(図16C)。このとき、ラチェット1602により、半時計回りの回転力は回転ヨーク28へ伝えられないため、これが回転ヨーク28の時計回りの回転を阻害することはない。回転子2がさらに回転すると、磁石1606は回転子の磁石の異極と引きつけ合い、所定の位置に戻る(図16A)。
このように、接近する回転子の磁石に同期して開閉子の棹とラチェットが反復運動を繰り返すことで、開閉子を開くために要する力を低減することができる。開閉子を開いたり回転させたりする機構については、回転子と連動する歯車やベルト及び滑車を用いる方法など、本明細書で既に開示された機構も含め、手段を問わない。回転子が備える磁石の数も問わない。
以上、実施例を用いて本発明を詳しく説明したが、本発明の実施態様は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な実施形態を取りうるものであることには留意すべきである。