JP3978298B2 - バックル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯状体相互を容易且つ確実に連結すると共に、その連結状態を確実に維持し得るようにしたバックルの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯状体120の連結の手段として用いられるバックルは、例えば、当該帯状体120相互を容易に連結する構成を備えたものとして、図72及び図73に示される雌部材100及び雄部材110とからなるバックルがあった。かかる従来のバックルにあっては、当該バックルを構成する雌部材100を、周側部分に係合用の窓孔102を開設した筒状部101と、この筒状部101の一端側に延設状態に帯状体120の取付け部103を備えた構成とし、また、雄部材110を、帯状体120の取付け部111と、前記雌部材100の筒状部101の内壁面101aに沿って撓められながら該筒状部101内に押し入れられると共に前記窓孔102から係合凸部113が突き出されるように弾み戻される弾性係合片112とを備えた構成としてあり、この雄部材110と雌部材100とにそれぞれ帯状体120を取付けて用いるようにしていた。
【0003】
かかるバックルにあっては、このバックルを構成する雄部材110における弾性係合片112を雌部材100の筒状部101内に沿って撓めた状態で押し入れると共に、該雌部材100における窓孔102から該弾性係合片112における係合凸部113が突き出されるように該弾性係合片112を弾み戻すようにして該係合凸部113を前記窓孔縁102aに係合させることによって、該雄部材110と雌部材100とを連結状態として用い、また、この窓孔102から外方に突き出すように該窓孔縁102aに係合凸部113の係合されている弾性係合片112の当該係合凸部113を前記筒状部101の内方に押し入れるようにして該窓孔縁102aに対する弾性係合片112の係合を解くことによって、雄部材110と雌部材100とを分離状態にして用いるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかるバックルにあっては、帯状体120に取付けられた雄部材110における弾性係合片112を、他の帯状体120に取付けられた雌部材100の筒状部101に対して、単に差入れ状態に差入れることのみによって、帯状体120相互の連結を即座になすことができる利点を有する反面、この雌部材100の窓孔102から外方に表れている雄部材110の弾性係合片112の係合凸部113を該雌部材100における筒状部101内に向けて、単に押し込み状態に押すことのみによって、前記帯状体120相互の連結の解除がなされ、かかる解除の操作が何人でも容易になし得ることから、バックルを構成する雌部材100と雄部材110の係合解除による荷ほどきなどを特定の取扱者のみに限定したい場合などにおける当該帯状体120の連結手段としては不向きであった。
【0005】
この発明は、このような帯状体相互の連結手段として、容易な取扱操作による雄部材と雌部材との係合が可能であると共に、当該バックルの雌雄部材相互の係合状態の解除を解除部材を有する特定の取扱者のみに限定し得るようにしたバックルの提供をなすものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記の目的を達成するために、請求項1記載の発明を、筒状部と帯状体の取付け部とを有する雌部材と、帯状体の取付け部と前記雌部材における筒状部の一方の側から該筒状部内に差し込まれる弾性係合片とを有する雄部材と、前記雌部材における筒状部の他方の側から該筒状部内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部を備えた解除部材とを有し、
前記雌部材が、この雌部材の筒状部内に差入れられる前記弾性係合片を該差入れに伴って撓ませる案内部と該弾性係合片の弾み戻し係合される係合部とを該筒状部内に備えており、
前記解除部材の差入れ部が、この差入れ部を前記筒状部内に差入れた際に、前記係合部に係合されている前記弾性係合片に接して、該弾性係合片を前記係合部との係合を解く向きに撓ませる案内面を備えており、
前記雄部材と前記雌部材とが、該雄部材における前記弾性係合片の前記筒状部に対する該筒状部の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片と前記係合部との係合によって係合され、且つ、該筒状部の他方の側からの前記解除部材の差入れ部の差入れによる前記弾性係合片と前記係合部との係合の解除によって該雄部材と該雌部材との係合が解かれることを特徴とするバックルとしてある。
【0007】
このように構成されるバックルにあっては、このバックルを構成する雄部材と雌部材とを夫々に備えた各帯状体相互を、該雌部材の筒状部に対する前記雄部材の弾性係合片の差し込み係合のみによって、連結状態とし、しかも、この雄部材と雌部材との係合による帯状体の連結を当該係合状態にある雌部材の筒状部内に対する解除部材の差入れ操作によって解除することができる。
【0008】
次いで、前記目的を達成するために請求項2記載に係るバックルを前記請求項1記載に係るバックルにおいて、前記雄部材における前記取付け部が、前記帯状体の挿通される一対の挿通空間を有し且つ該対をなす挿通空間の間を該帯状体の掛け回し軸部としてあると共に、
前記雌部材が、前記筒状部に前記雄部材の前記弾性係合片を受け入れて前記係合部に該弾性係合片を係合させた際に、前記雄部材における前記取付け部の少なくとも帯状体を掛け回した前記掛け回し軸部を該掛け回し軸部の軸線方向で両側から覆い隠す覆い板部を該筒状部における前記弾性係合片の差し込み側から突き出し状態に備えていることを特徴とするバックルとしてある。
【0009】
このように構成されるバックルにあっては、前記特長に併せて、雌部材に係合されていない状態の雄部材に取付けられている帯状体を締め込み方向に締め込み、又は、この帯状体を緩み出し方向に緩め得ると共に、当該雄部材を雌部材に係合することによって、該雄部材に掛け回されている帯状体の緩み出し方向に向けた緩み出し操作が阻止される。
【0010】
次いで、前記目的を達成するために請求項3記載に係るバックルを前記請求項2記載に係るバックルにおいて、前記雌部材が、前記掛け回し軸部の少なくとも一部を前記覆い板部から外方に表れるように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第1係合部と、
少なくとも前記掛け回し軸部をその軸線方向で両側から前記覆い板部で覆い隠すように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第2係合部とを備えていることを特徴とするバックルとしてある。
【0011】
このように構成されるバックルにあっては、前記特長に併せて、各帯状体に取付けられた雄部材の弾性係合片を雌部材における第1係合部に係合させることによって、これに取付けられている帯状体を容易に連結状態とし、しかも、当該連結状態において雄部材に取付けられている帯状体を締め込み方向に向けて締め込み、又は緩み出させることができると共に、帯状体に取付けられた雄部材の弾性係合片を雌部材における第2係合部に係合させることによって、該雄部材に掛け回されている帯状体の緩み出し方向に向けた緩み出し操作が阻止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の典型的な各実施に形態に係るバックルについて詳細に説明する。
【0013】
図1〜図35は第1の実施の形態に係るバックルを示すものであって、図1で示される状態を説明の便宜上「平面図」とし、これを便宜上の基準として以下説明する。
【0014】
図1〜図8は当該バックルを構成する雄部材Aと雌部材Bとを組み付けた状態を、図1では、これを上方から見て、図2では、これを下方から見て、図3では、これを前方から見て、図4では、これを右側方から見て、図5では、これを左側方から見て、図6では、これを縦方向で断面して、図7では、これを水平の向きで断面して上方から下側を見て、図8では、これを水平の向きで断面して下方から上側を見て夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図3と対象に表れる。
図9は当該バックルを構成する各部品を分離し、これを斜め上方から視て示したものである。
図10〜図17は当該バックルを構成する雌部材Bを、図10では、これを上方から見て、図11では、これを下方から見て、図12では、これを前方から見て、図13では、これを右側方から見て、図14では、これを左側方から見て、図15では、これを縦方向で断面して、図16では、これを水平の向きで断面して上方から下側を見て、図17では、これを水平の向きで断面して下方から上側を見て夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図12と対象に表れる。
図18〜図23は当該バックルを構成する雄部材Aを、図18では、これを上方から見て、図19では、これを下方から見て、図20では、これを前方から見て、図21では、これを右側方から見て、図22では、これを左側方から見て、図23では、これを縦方向で断面して夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図20と対象に表れる。
図24〜図28は当該バックルを構成する解除部材Cを、図24では、これを上方から見て、図25では、これを前方から見て、図26では、これを右側方から見て、図27では、これを左側方から見て、図28では、これを縦方向で断面して夫々示したものであって、これを下面側から見た図は図24と同一に、また、これを背面側から見た図は図25と対象に表れる。
【0015】
図29〜図35では当該バックルの使用状態を示すものであって、図29では、雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの第1係合部75Aに係合した状態を、図30では、該弾性係合片20を雌部材Bの第2係合部75Bに係合した状態を夫々縦方向で断面して示している。また、図31では、雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの第1係合部75Aに係合した状態を、図32では、該弾性係合片20を雌部材Bの第2係合部75Bに係合した状態の筒状部40を夫々水平の向きで断面して上方から下側を見て示している。また、図33では、雄部材Aの該弾性係合片20が雌部材Bの第2係合部75Bに係合されている状態で解除部材Cを筒状部40内に差し入れた状態を、図34では、当該状態において解除部材Cを筒状部40内に押し入れて雄部材Aの弾性係合片20を撓め、係合部75に対する係合を解除している状態の筒状部40を夫々水平の向きで断面して上方から下側を見て示している。
図35は、当該バックルを備えた帯状体Dを用いている具体的な適用例を斜視図の状態で示したものである。
【0016】
図36〜図71は第2の実施の形態に係るバックルを示すものであって、図36で示される状態を説明の便宜上「平面図」とし、これを便宜上の基準として以下説明する。
【0017】
図36〜図43は当該バックルを構成する雄部材Aと雌部材Bとを組み付けた状態を、図36では、これを上方から見て、図37では、これを下方から見て、図38では、これを前方から見て、図39では、これを右側方から見て、図40では、これを左側方から見て、図41では、これを縦方向で断面して、図42では、これを水平の向きで断面して上方から下側を見て、図43では、これを水平の向きで断面して下方から上側を見て夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図38と対象に表れる。
図44は当該バックルを構成する各部品を分離し、これを斜め上方から視て示したものである。
図45〜図53は当該バックルを構成する雌部材Bを、図45では、これを上方から見て、図46では、これを下方から見て、図47では、これを前方から見て、図48では、これを右側方から見て、図49では、これを左側方から見て、図50では、これを雄部材Aの差し込み方向において縦方向で断面して、図51では、これを雄部材Aの差し込み方向に直交する向きにおいて縦方向で断面して、図52では、これを水平の向きで断面して上方から下側を見て、図53では、これを水平の向きで断面して下方から上側を見て夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図47と対象に表れる。
図54〜図59は当該バックルを構成する雄部材Aを、図54では、これを上方から見て、図55では、これを下方から見て、図56では、これを前方から見て、図57では、これを右側方から見て、図58では、これを左側方から見て、図59では、これを縦方向で断面して夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図56と対象に表れる。
図60〜図65は当該バックルを構成する解除部材Cを、図60では、これを上方から見て、図61では、これを下方から見て、図62では、これを前方から見て、図63では、これを右側方から見て、図64では、これを左側方から見て、図65では、これを縦方向で断面して夫々示したものであって、これを背面側から見た図は図62と対象に表れる。
【0018】
図66〜図70では当該バックルの使用状態を示すものであって、図66では、雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合した状態を縦方向で断面して示している。また、図67では、雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合した状態の筒状部40を水平の向きで断面して上方から下側を見て示している。また、図68では、雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合した状態で筒状部40内に解除部材Cを差し入れている状態を縦方向で断面して示している。図69では、雄部材Aの該弾性係合片20が雌部材Bの係合部75に係合されている状態で解除部材Cを筒状部40内に差し入れた状態を、図70では、当該状態において解除部材Cを筒状部40内に押し入れて雄部材Aの弾性係合片20を撓め、係合部75に対する係合を解除している状態の筒状部40を夫々水平の向きで断面して上方から下側を見て示している。
図71は、当該バックルを備えた帯状体Dを用いている具体的な適用例を斜視図の状態で示したものである。
【0019】
この実施の形態に係るバックルは、典型的には、筒状部40と帯状体Dの取付け部50とを有する雌部材Bと、帯状体Dの取付け部10と前記雌部材Bにおける筒状部40の一方の側から該筒状部40内に差し込まれる弾性係合片20とを有する雄部材Aと、前記雌部材Bにおける筒状部40の他方の側から該筒状部40内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部80を備えた解除部材Cとを有し、前記雌部材Bが、この雌部材Bの筒状部40内に差入れられる前記弾性係合片20を該差入れに伴って撓ませる案内部74と該弾性係合片20の弾み戻し係合される係合部75とを該筒状部40内に備えており、前記解除部材Cの差入れ部80が、この差入れ部80を前記筒状部40内に差入れた際に、前記係合部75に係合されている前記弾性係合片20に接して、該弾性係合片20を前記係合部75との係合を解く向きに撓ませる案内面82cを備えており、前記雄部材Aと前記雌部材Bとが、該雄部材Aにおける前記弾性係合片20の前記筒状部40に対する該筒状部40の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片20と前記係合部75との係合によって係合され、且つ、該筒状部40の他方の側からの前記解除部材Cの差入れ部80の差入れによる前記弾性係合片20と前記係合部75との係合の解除によって該雄部材Aと該雌部材Bとの係合が解かれる構成としてある。
【0020】
このように構成されるバックルにあっては、このバックルを構成する雄部材Aと雌部材Bとを夫々に備えた各帯状体D相互を、該雌部材Bの筒状部40に対する前記雄部材Aの弾性係合片20の差し込み係合のみによって、容易に、しかも確実に連結状態として用い得る特長を有すると共に、この雄部材Aと雌部材Bとの係合による帯状体Dの連結を当該連結状態にある雌部材Bの筒状部40内に対する解除部材Cの差入れ操作のみによって解除可能とされる特長を有している。
【0021】
また前記の構成に係るバックルにおいて、前記雄部材Aにおける前記取付け部10が、前記帯状体Dの挿通される一対の挿通空間を有し且つ該対をなす挿通空間の間を該帯状体の掛け回し軸部14としてあると共に、前記雌部材Bが、前記筒状部40に前記雄部材Aの前記弾性係合片20を受け入れて前記係合部75に該弾性係合片20を係合させた際に、前記雄部材Aにおける前記取付け部10の少なくとも帯状体Dを掛け回した前記掛け回し軸部14を該掛け回し軸部14の軸線方向で、両側から覆い隠す覆い板部61を該筒状部40における前記弾性係合片20の差し込み側から突き出し状態に備えているバックルとしてあることもある。
【0022】
このように構成されるバックルにあっては、前記特長に併せて、雌部材Bの係合されていない状態の雄部材Aに取付けられている帯状体Dを締め込み方向に締め込み、又は、この帯状体Dを緩み出し方向に緩めた状態で当該雄部材Aを雌部材Bに係合することによって、これに取付けられている帯状体D相互を当該締め込み又は緩み出し状態において連結することができ、しかも、この雄部材Aと雌部材Bとの係合によって帯状体Dを連結した状態において該雄部材Aに掛け回されている帯状体Dの緩み出し方向に向けた緩み出し操作を阻止し得る特長を有している。
【0023】
また、前記構成に係るバックルにおいて、前記雌部材Bが、前記掛け回し軸部14の少なくとも一部を前記覆い板部61から外方に表れるように前記筒状部40に前記雄部材Aにおける前記弾性係合片20を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片20の係合される第1係合部75Aと、少なくとも前記掛け回し軸部14をその軸線方向で、両側から前記覆い板部61で覆い隠すように前記筒状部40に前記雄部材Aにおける前記弾性係合片20を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片20の係合される第2係合部75Bとを備えているバックルとしてあることもある。
【0024】
このように構成されるバックルにあっては、更に、前記特長に併せて、各帯状体Dに取付けられた雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第1係合部75Aに係合させることによって、これに取付けられている帯状体Dを容易に連結状態にして用い得ると共に、当該連結状態において雄部材Aに取付けられている帯状体Dを締め込み方向に向けて締め込み、又は緩み出させて用いることができ、しかも、帯状体Dに取付けられた雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第2係合部75Bに係合させることによって、これに取付けられている帯状体Dを容易に連結状態にし、しかも、当該帯状体Dの連結の解除を該雌部材Bの筒状部40内に対する解除部材Cの差し込み操作のみにより可能とし、また、この雄部材Aと雌部材Bとを係合した帯状体Dの連結状態において該雄部材Aに掛け回されている帯状体Dの緩み出し方向に向けた緩み出し操作を阻止し得る特長を有している。
【0025】
(1)第1の実施の形態に係るバックル
以下、図1〜図35に示される第1の実施の形態に係るバックルについて具体的に説明をする。
【0026】
この第1の実施の形態に係るバックルは、帯状体Dの一端側に取付け用いられる雄部材Aと、該帯状体Dの他端側に取付け用いられる雌部材Bとを、この雌部材Bの筒状部40内に備えられる係合部75に該雄部材Aにおける弾性係合片20を係合させることによって、当該帯状体D相互を連結状態にして用いると共に、この帯状体Dを連結状態にした雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除を当該雌部材B内に差し込まれる解除部材Cによる当該筒状部40内にある弾性係合片20の撓み操作による構成としてあり、筒状部40と帯状体Dの取付け部50とを有する雌部材Bと、帯状体Dの取付け部10と前記雌部材Bにおける筒状部40の一方の側から該筒状部40内に差し込まれる弾性係合片20とを有する雄部材Aと、前記雌部材Bにおける筒状部40の他方の側から該筒状部40内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部80を備えた解除部材Cとを有し、
前記雌部材Bが、この雌部材Bの筒状部40内に差入れられる前記弾性係合片20を該差入れに伴って撓ませる案内部74と該弾性係合片20の弾み戻し係合される係合部75とを該筒状部40内に備えており、
前記解除部材Cの差入れ部80が、この差入れ部80を前記筒状部40内に差入れた際に、前記係合部75に係合されている前記弾性係合片20に接して、該弾性係合片20を前記係合部75との係合を解く向きに撓ませる案内面82cを備えており、
前記雄部材Aと前記雌部材Bとが、該雄部材Aにおける前記弾性係合片20の前記筒状部40に対する該筒状部40の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片20と前記係合部75との係合によって係合され、且つ、該筒状部40の他方の側からの前記解除部材Cの差入れ部80の差入れによる前記弾性係合片20と前記係合部75との係合の解除によって該雄部材Aと該雌部材Bとの係合が解かれる構成としてある。
【0027】
先ず、この第1の実施の形態に係るバックルを構成する雄部材Aは、より具体的には帯状体Dを長さ調節可自在に取り付けると共に手指による把持操作などに用いられる取付け部10と、この取付け部10から一体に延設されている弾性係合片20及びガイドロッド30を備えた構成としてあり、これらが略同一の平面内に備えられる構成としてあり、例えば、型成形されるプラスッチク成形品などとして用意される。
【0028】
この雄部材Aを構成する取付け部10は、一端側でやや拡がるように互いに向き合って備えられる一対の長方形状をなす側板部11と、この側板部11における互いに近付いた側の該側端間を接続するように備えられる掛け回し側板部12と、この掛け回し側板部12に向き合うように前記側板部11の他方の側端間を接続するように該側板部11からやや外方に突き出すようにして備えられる差込み側基板部13とを略環枠状をなすように構成してあると共に、この互いに向き合って備えられている側板部11間に亙るように掛け回し軸部14が設けてあり、この掛け回し軸部14と掛け回し側板部12との間を帯状体Dの挿通される外側挿通空間15とし、また、この掛け回し軸部14と前記差込み側基板部13との間を当該帯状体Dの挿通される内側挿通空間16としてある。
【0029】
このように構成される取付け部10は、互いに向き合って備えられる長方形状をなす一対の側板部11の板幅内(図23における上下方向の幅内)に収まるように前記差込み側基板部13及び掛け回し側板部12と掛け回し軸部14とを備えた構成としてあり、追って説明する雌部材Bにおける筒状カバー部60内に当該取付け部10における少なくとも掛け回し軸部14が、該掛け回し軸部14に帯状体Dを掛け回した状態で覆い板部61によって、その軸線の向きで、両側から覆われ得るように当該取付け部10の差込み側基板部13の側が都合よく納め入れ得る形態に構成してある。
【0030】
この雄部材Aに備えられる取付け部10にあっては、この取付け部10に対して帯状体Dを締め込み、並びに緩み出し可能に取付け得る構成としてあり、この取付け部10を構成する側板部11における幅方向(図23における上下方向)の一方の幅側に位置するように前記掛け回し軸部14を設けると共に、前記掛け回し側板部12における当該掛け回し軸部14の側を、前記側板部11の幅方向において該掛け回し軸部14の備付けと反対の側に突き出すように備えられる構成としてあり、この側板部11における板幅方向において互いに離された位置に備えられている掛け回し軸部14における掛け回し側板部12側にある側縁と、掛け回し側板部12における掛け回し軸部14側にある側縁とが、この取付け部10の備えられる雄部材Aにおけるガイドロッド30の軸線方向(図23における左右方向)において極力近付くように設けてある。特に、この図示例にあっては、この掛け回し側板部12における掛け回し軸部14側にある先端縁12cと、掛け回し軸部14における掛け回し側板部12側にある摺接面14cとを通る仮想の面が、雄部材Aの雌部材Bに対する差し込み方向(図23における左右方向)に直交する面、即ち、当該雄部材Aを構成するガイドロッド30の軸線に直交する面となるように構成してある。
【0031】
ここで取付け部10を構成する掛け回し軸部14は、側板部11における幅側の一方の端面(図23における側板部11の下端面)に略面一の状態で、該側板部11間に亙って備えられる摺接面14aと、この摺接面14aにおける前記掛け回し側板部12側にある側縁14bから略直角に屈曲して当該側板部11における幅方向の他方側に向けて延びるように備えられる摺接面14cと、前記側縁14bと反対側にある摺接面14aの側縁14dから前記差込み側基板部13の側を向き、しかも、前記側板部11の幅方向の他方側に向けて傾斜する摺接面14eと、この摺接面14eに摺り移動可能に掛け回される帯状体Dが摺接されることなく、前記掛け回し側板部12に案内し得るように当該摺接面14eから屈曲して連続されている屈曲面14fと、この屈曲面14f及び前記摺接面14cとの間に備えられる屈曲面14gとを備えた構成としてある。
また、前記摺接面14aには、該面の幅側に亙るように備えられた溝とリブとを該摺接面14aの長手側に亙って連続して備えるようにした凹凸面14hが設けてある。
【0032】
また、この掛け回し軸部14に掛け回される帯状体Dを当該帯状体Dと協働して、所定の掛け回し位置に停止状態とし、また、当該停止状態にある係合を解いて当該掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dを緩み側に向けて摺り移動させると共に、当該掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dを締め込み側に向けて引き絞り移動を可能とする掛け回し側板部12は、前記側板部11間に備えられる屈曲した板状体として構成してあり、この互いに向き合った側板部11における差込み側基板部13と反対の側にある該側板部11の幅方向における略中間位置にあって、該側端から一端側を外方に僅かに突き出すように前記ガイドロッド30の軸線と同一方向に向けて延びるように備えられる操作板部12aと、この操作板部12aにおける掛け回し軸部14側から、差込み側基板部13に向け、しかも、前記側板部11の幅方向において掛け回し軸部14の備えられている側と反対の側に向けて斜めに延設された支持板部12bとを備えた構成としてある。
【0033】
この図示例に係る取付け部10を構成する掛け回し側板部12は、前記掛け回し軸部14と協働して、当該掛け回し軸部14に掛け回されるように外側挿通空間15及び内側挿通空間16に挿通された帯状体Dに対して、当該帯状体Dの締め込み停止、並びに緩み戻し機能とを確実にもたらし得るように、前記支持板部12bの先端縁12cが、当該取付け部10の備えられ構成される雄部材Aにおけるガイドロッド30の軸線方向にあって、極力掛け回し軸部14の側に近接した状態としてあると共に、この支持板部12bの先端部側を、前記摺接面14aと反対の側にある側板部11における幅側の側端面に略面一且つ平行に備えられる摺接面12dと、前記操作板部12aの側から前記屈曲面14gに向き合い、且つ、該屈曲面14gに略平行とされる傾斜面12eとを有し、この傾斜面12eと摺接面12dとによって、該支持板部12bの先端縁12cが鋭角な突き出し端となるように構成してある。
また、前記摺接面12dには、該面の先端縁12c側を残すようにして、該面12dの幅方向を向いて設けられた溝とリブとを、該面12dの長手側に亙って連続して備えた凹凸面12fが設けてある
【0034】
かくして構成される取付け部10にあっては、例えば、内側挿通空間16に対して、側板部11の幅方向(図23における上下方向)において掛け回し軸部14の備えつけ側と反対の側から帯状体Dの先端側Daを差入れ、且つ、当該帯状体Dを掛け回し軸部14に掛け回すようにして外側挿通空間15に差入れ、これを引き出すと共に、この引き出し帯状体Dの先端側Daを当該帯状体Dにおける前記内側挿通空間16の外方にある帯状体Dに重ね合わせの状態とし、これらを前記掛け回し側板部12における摺接面12dに沿うように取付け部10から外方に引き出すことによって、帯状体Dを当該取付け部10に対して長さ調節可能に取付け用いることができる。(図29参照)
【0035】
次いで、この雄部材Aを構成する弾性係合片20は、前記取付け部10を構成する側板部11間に備えられる差込み側基板部13の両側部から該側板部11と反対の側に向けて、互いに同一の平面内に延びるように該側板部11と平行な態様に突き出すように設けてあり、また、この一対の弾性係合片20と平行な態様で前記差込み側基板部13の略中央部分からガイドロッド30が一体に突設してあり、この差込み側基板部13と該差込み側基板部13から突設されている弾性係合片20及びガイドロッド30とが、雌部材Bにおける筒状部40に対して抜き差し可能に納め入れ得るように略同一の平面内に位置付けられる差し込み部として構成してある。
【0036】
なお、ここで、弾性係合片20及びガイドロッド30の備えられる差込み側基板部13は、前記側板部11における側端面間を結ぶように該側板部11の側端から外方に突き出した態様に設けてあり、前記側板部11の内側に段差面11aを生ずるように該側板部11における板幅(図23における上下方向の幅)以内に収まる形態に設けてある。
【0037】
かかる差込み側基板部13に備えられる弾性係合片20は、この差込み側基板部13の両側部から側板部11と反対の側に向けて該側板部11の延長方向に延びるように設けられた弾性ロッド部21と、この弾性ロッド部21の先端側に備えられている係合凸部22及び案内板部23とを備えた構成としてある。
【0038】
この弾性係合片20に備えられている弾性ロッド部21は、前記側板部11間を連続するように備えられている差込み側基板部13の両側部から互いに向き合って平行に突設される断面四角形状をなす直棒状の形態としてあり、この側板部11の先端面から、該側板部11の延長方向に向けて該側板部11の先端に段差面11bを生ずるように該先端面のやや内側に寄って設けてあると共に、互いに向き合っている側と反対側の面が、その基部側から先端側に向けてガイドロッド30の側に漸次近付く傾斜外側面21aとなるように構成してある。
【0039】
かかる弾性係合片20に備えられる係合凸部22は、前記弾性ロッド部21の先端側にあって、前記傾斜外側面21aから外方、即ち、ガイドロッド30の備えられている側と反対の側に突き出す構成としてある。
【0040】
この弾性係合片20を構成する係合凸部22は、前記傾斜外側面21aと、この傾斜外側面21aの反対の側にある内面21bを挟む両面21c(図20における上下の面)に面一の状態で連続した一対の平行な面22a,22aを備えていると共に、弾性ロッド部21の側に前記傾斜外側面21aに対して内折れ状態に鋭角に屈曲して外方に突き出すように連続されている係合面22bと、前記内面21bに対して鈍角に屈曲してガイドロッド30側に突き出すように連続される内側面22cとを有し、この係合面22bの先端から該係合凸部22の先端側に向けて鋭角に屈曲して連続されるように備えられる傾斜案内面22dと、前記内側面22cの先端から該係合凸部22の先端側に向けて湾曲状に連続して備えられる内側面22eとが連続されて、その先端部に先窄まり状の係合凸部端22fを構成するようにしてある。
【0041】
また、前記傾斜外側面21aと係合面22bとが連続される屈曲縁22gを通る前記内面21bに平行な仮想面に対して、該内面21bに平行で、しかも、前記係合凸部端22fを通る仮想面が該内面21bの側に位置するように構成してある。
【0042】
かかる係合凸部22は、この係合凸部22の先端側に案内板部23を一体に備えた構成としてある。
この係合凸部22に備えられる案内板部23は、該係合凸部22における平行な面22a、22aに対して夫々平行な面23a、23aを備えるように該面22a、22aの略中間位置にあって、主として該係合凸部22における前記傾斜案内面22d及び内側面22eから一体に突き出すように設けてある。
【0043】
この係合凸部22に備えられる案内板部23は、前記係合面22bと傾斜案内面22dとの間の屈曲縁位置から先端側に向け漸次側方に突き出す傾斜縁23bと、この傾斜縁23bの先端側で屈曲されて前記内面21bに平行となるように延びる外縁23cと、この外縁23cの先端から前記ガイドロッド30の側に向けて漸次近付くように傾斜されている傾斜案内縁23dと、前記内側面22cに連続して前記内側面22eから前記ガイドロッド30の側に向けて突き出すように備えられた傾斜内縁23eと、この傾斜内縁23eの先端側で屈曲されて前記外縁23cに略平行となる内縁23e’と、この内縁23e’の先端で、前記ガイドロッド30と反対の側に屈曲するように備えられた段差縁23fと、この段差縁23fから案内板部23の先端側に向けて前記外縁23cと略平行になるように備えられる内縁23e”と、この内縁23e”及び前記傾斜案内縁23dとの間を連続するように前記外縁23c、内縁23e’、23e”に略直交して備えられる先端縁23gとを備えた構成としてある。
【0044】
ここで弾性係合片20に備えられている案内板部23は、追って説明する解除部材Cによって、雌部材Bの係合部75に係合されている弾性係合片20を当該係合部75から解放し得る構成を備えたものとしてあり、この実施の形態に係る弾性係合片20にあっては、追って説明する雌部材Bにおける第1係合部75Aに当該弾性係合片20における係合突部22を係合している状態で、この弾性係合片20を構成する案内板部23が、第2案内部74B及び第2係合部75Bを構成する隆起体77における係合段面77cよりも解除部材Cの差し込み側に向けて突き出し得る構成を備えたものとしてある。
【0045】
かかる係合凸部22に備えられる案内板部23にあっては、前記係合凸部22における面22a、22a間にあって、この各面22a、22aと平行な面23a、23aを備えると共に、この面22a、23a間に段差面24を生ずるように当該係合凸部22の前端側から一体に突き出すように設けてあると共に、この面22aと面23aとの間の段差面24が前記係合凸部22における係合凸部端22fから係合面22bに到る傾斜案内面22dとして機能するように構成してある。
【0046】
また、ここで、係合凸部22から一体に前方に向けて突き出すように備えられる案内板部23は、この案内板部23における外縁23cを通る仮想面に、前記側板部11における前記差込み側基板部13の備えつけ側にある外側面が位置付けられる構成としてあると共に、前記傾斜案内縁23dと先端縁23gの交差点を通る前記内縁23e’、23e”のなす仮想面と平行をなす面が、前記係合凸部端22fを通る該内縁23e’、23e”のなす仮想面と平行をなす面に対して前記ガイドロッド30の側に位置付けられる構成としてある。
【0047】
かかる一対の弾性係合片20間にあって、前記差込み側基板部13から一体に突設状態に備えられるガイドロッド30は、断面が略四角形状をなす棒状体として構成してあると共に、弾性係合片20に向き合っている側面30a側の先端部に該ガイドロッド30の先端面30bから該ガイドロッド30の突設基部方に向けて漸次突き出し、しかも、該基部方端において該ガイドロッド30の側面30aに向けて落ち込む段差縁31aを備えた三角形の翼片状をなすガイド突片31を有する構成としてある。
【0048】
また、この差込み側基板部13に備えられるガイドロッド30は、前記側面30a、30a間にある面30d、30dに溝状部30e、30eを夫々備えた構成としてあると共に、この側面30aの幅寸法(図20における上下方向の幅寸法)が前記側板部11の板幅以内とされ、しかも、前記弾性係合片20の弾性ロッド部21における各両面21c、21c間の寸法よりもやや大きくなるように構成してあり、前記差込み側基板部13から斜上する傾斜面30cを介して、この差込み側基板部13の幅よりも幅広となる構成としてある。
【0049】
また、このガイドロッド30の突き出し寸法を、前記弾性係合片20における先端縁23gが、このガイドロッド30における先端面30bを含む該差込み側基板部13に平行な仮想面よりも該差込み側基板部13の側に位置付けられるように該弾性係合片20の突き出し寸法よりもやや長めに構成してある。
また、前記の構成に係る雄部材Aは、雌部材Bの筒状部40内に当該雄部材Aにおける弾性係合片20を押し入れ、この雌部材Bに備えられている案内部74によって撓め、又は、当該雌部材B内に差し込まれている弾性係合片20を解除部材Cによって撓めた際に、この弾性係合片20における前記段差縁23fと内縁23e”とが構成する凹欠状部に、前記ガイドロッド30におけるガイド突片31が納まるように構成してある。
【0050】
かかる雄部材Aに対応して用いられる雌部材Bは、一端側から前記雄部材Aにおける弾性係合片20などが差入れ係合されると共に、他端側から追って説明する解除部材Cの差入れられる筒状部40と、この解除部材Cの抜き差しされる筒端側に連続して備えられている帯状体Dの取付け部50と、前記雄部材Aにおける弾性係合片20などの差入れられる筒端から延設状態に備えられている覆い板部61を有する筒状カバー部60と備えた構成としてあり、例えば、型成形されるプラスチック成形品などとして用意される。
【0051】
先ず、この雌部材Bを構成する筒状部40は、比較的幅広の、且つ、長方形状をなす第1板部41と、この第1板部41と略同寸、同形状であって、該第1板部41に向き合って平行に備えられている第2板部42と、この各第1板部41及び第2板部42の夫々の長手側縁間を塞ぐように該第1板部41と第2板部42とを一連に連続させるように備えられる一対の、平行に向き合った比較的細幅をなす長方形状の側板部43とによって構成される両端開口の、且つ、断面が扁平な四角形状をなす筒状体としてある。
【0052】
また、この筒状部40における一方の筒端、より具体的には、雄部材Aにおける弾性係合片20などの差し込まれる筒端側に前記各側板部43から一連に面一の状態で延設された側板部62と、前記第1板部41と第2板部42の夫々の側端から、この第1板部41及び第2板部42から一旦外方に突き出すように屈曲して備えられる段差状張出し板部61aを介して夫々該第1板部41及び第2板部42と平行となるように該段差状張出し板部61aから一体に延設状態に設けられた覆い板部61とを備えた筒状カバー部60が設けてある。
【0053】
この筒状部40における前記雄部材Aの弾性係合片20などの差し込まれる筒端側に備えられる筒状カバー部60は、筒状部40内に前記雄部材Aにおける弾性係合片20などが差し込まれた際に、この筒状カバー部60内に雄部材Aにおける取付け部10の少なくとも掛け回し軸部14を、この掛け回し軸部14に帯状体Dを掛け回した状態で、その軸線方向で、少なくとも、該筒状カバー部60を構成する覆い板部61によって両面から覆い隠し得るように、当該筒状カバー部60内に前記取付け部10を受け入れ得る構成としてある。
【0054】
なお、ここで筒状部40に一連に備えられる筒状カバー部60は、その筒状カバー部60内が、筒状部40内よりも拡室状態に構成してあり、筒状部40における第1板部41及び第2板部42と覆い板部61とが連続される内側部分に段差面61bを、また、側板部62と側板部43とが連続される内側部分に段差面62aを備えた構成としてある。
【0055】
また、この雌部材Bを構成する筒状部40における他方の筒端側、即ち、前記筒状カバー部60の備えられている側と反対の筒端側には、前記各側板部43に連続して該側板部43から該側板部43の延長方向に突き出すように一対の側板部51が向き合って備えられており、この側板部51における前記第1板部41の側に、該第1板部41との間に挿通スリット53を構成するように、当該側板部51、51の幅側端上に亙って備えられる掛け回し板部52が、該第1板部41の構成する筒内面のなす仮想面よりも外方に位置付けられるように設けてあり、この掛け回し板部52の両端部が前記第1板部41上に至る屈曲部52aとして当該挿通スリット53の両端部分を囲む構成としてある。
【0056】
この雌部材Bに備えられる取付け部50は、更に具体的には、掛け回し板部52に掛け回される帯状体Dが筒状部40に対する解除部材Cの差入れ部80の抜き差しの妨げとならないように該掛け回し板部52が、前記第1板部41の両側から同面状に延設状態に備えられる一対の補強隆起部51aの外面側に亙って備えられる構成とし、この掛け回し板部52における内側面、即ち、前記筒状部40における筒内面に連続する側の面を、その両側部に備えられる補強隆起部51aによって段差状凹溝面52bとしてあり、この段差状凹溝面52b内に掛け回される帯状体Dを、その厚幅側において極力収め入れ得るように構成してある。
【0057】
かかる雌部材Bにおける前記筒状部40には、この筒状部40の略中央部分において、該筒状部40内に差し込まれる雄部材Aにおけるガイドロッド30を略がたなく収め入れて案内する間隔をおいて一対のガイドリブ71を第1板部41に、同様のガイドリブ71’を第2板部42に夫々対設状態に設けてある。即ち、この溝状案内部72を構成する夫々に対をなすガイドリブ71とガイドリブ71’とを前記第1板部41と第2板部42の夫々の内側から突き出すように設け、しかも、この第1板部41に備えられている一対のガイドリブ71と、第2板部42に備えられている一対のガイドリブ71’とが、互いに、その先端を向き合わせ、且つ、この先端間がガイドスリット73を構成するように、互いの先端間を近付けるように夫々第1板部41及び第2板部42から突き出し状態に設けた構成としてある。
【0058】
かかる第1板部41におけるガイドリブ71間と、第2板部42におけるガイドリブ71’間に構成される溝状案内部72は、前記雄部材Aにおけるガイドロッド30が、このガイドリブ71とガイドリブ71’との間に構成されるガイドスリット73間から該ガイドロッド30におけるガイド突片31を外方、即ち、側板部43の側に突き出させるようにして略がたなく収め得る溝幅に構成してあり、他の筒内壁面よりもやや溝状に凹む溝状凹部72aを有し、しかも、この溝状凹部72aにおけるガイドロッド30の差し込み側が、該筒状部40における筒端側に向けて先拡がりの案内凹部72a’としてあると共に、この案内凹部72a’の内奥側位置から該筒状部40における他方の筒端に向けて前記ガイドリブ71とガイドリブ71’とを隆起状に突設した構成としてある。
【0059】
また、前記筒状カバー部60に続く雌部材Bの筒状部40には、この筒状部40を構成する夫々の側板部43の内側に前記雄部材Aの弾性係合片20を撓ませるように案内する案内部74と、この案内部74に撓められながら案内される弾性係合片20が弾み戻されて係合される係合部75とが設けてある。
即ち、前記雄部材Aにおける一対の弾性係合片20を筒状部40内に受け入れた際に、この弾性係合片20における係合凸部22に接し、この係合凸部22を備えた夫々の弾性係合片20を互いに近付く向きに撓める案内部74と、この案内部74によって案内された弾性係合片20における係合凸部22の係合に供される係合部75を該筒状部40に備えた構成としてある。
【0060】
この実施の形態に係る雌部材Bにおける雄部材Aの弾性係合片20を撓ませ案内部74と、その係合に用いられる係合部75は、該雌部材Bの筒状部40に差し込まれる弾性係合片20を第1の係合状態に係合するための第1案内部74A及び該第1案内部74Aに撓められながら案内されると共に弾み戻される弾性係合片20を係合状態に維持係合する第1係合部75Aと、当該第1係合部75Aに係合されている弾性係合片20を更に筒状部40内に押し入れることによって、当該弾性係合片20を再度撓める第2案内部74B及び該第2案内部74Bによって撓められながら案内されると共に弾み戻される当該弾性係合片20を係合状態に維持する第2係合部75Bとを有する構成としてある。
【0061】
かかる雄部材Aにおける弾性係合片20を撓ませる案内部74と、弾み戻し係合される係合部75は、雌部材Bにおける筒状部40の側板部43の内側に沿って、当該弾性係合片20の差し込み側に備えられる構成としてある。
【0062】
この筒状部40の側板部43の内側面に沿って備えられる案内部74と係合部75は、この筒状部40に対する弾性係合片20の差し込み開口側で低く、即ち、側板部43に近い状態とし、内奥側で高く、即ち、側板部43から十分に隆起した状態に備えられた傾斜面77aを案内部74とし、その頂端77b、即ち、内奥側端から側板部43の面に向けて、しかも、前記差し込み開口側にやや傾斜するように鋭角に屈曲して備えられる係合段面77cを係合部75とした隆起体77によって構成してある。
【0063】
この弾性係合片20を撓ませる案内部74と、弾み戻される当該弾性係合片20の係合される係合部75を備えた隆起体77は、筒状部40の側板部43における略中央にあって、前記弾性係合片20の差し込み側から内奥側に向かって前記段差面62aの段差内に備えられている溝状案内部76の側方、即ち、溝状案内部76と雌部材Bを構成する第1板部41及び第2板部42との間に備えられる構成としてある。
この実施の形態に係る雌部材Bにあっては、筒状部40における弾性係合片20の差し込み側から該筒状部40の内奥側に向けて、互いに向き合うように当該第1板部41と側板部43との間に備えられている一対の隆起体77によって構成される第1案内部74Aと第1係合部75Aとが、この筒状部40に差し込まれる前記弾性係合片20における案内板部23の片面側に位置する係合凸部22部分に接触案内し、且つ、係合される構成としてあると共に、この隆起体77よりも筒状部40の内奥側に位置して、夫々の側板部43における溝状案内部76の両側方に位置して、第1板部41と側板部43との間、及び、第2板部42と側板部43との間に互いに向き合って備えられている4個一組の隆起体77によって構成される第2案内部74Bと第2係合部75Bとが、当該筒状部40に対して更に差し込まれる前記弾性係合片20における案内板部23の両面側に亙って備えられている係合凸部22に接して、これを案内し、且つ、係合される構成としてある。
【0064】
なお、この実施の形態に係る筒状部40を構成する側板部43に備えられる溝状案内部76は、弾性係合片20の差し込み側に備えられて、当該弾性係合片20における案内板部23の案内に供されるものであって、該側板部43の幅方向の略中央にあって、筒状カバー部60との間に構成される側板部43の段差面62a、62a’との間に備えられる構成としてある。
また、ここで側板部43に備えられる前記第1板部41側にある段差面62aに対して、溝状案内部76を介して第2板部42側に備えられる段差面62a’を、段差幅、即ち、筒状カバー部60の内面からの隆起幅の少ないものとし、しかも、この段差面62a’から内奥側に向けて延びる側板部43の内側面に前記隆起体77によって第2案内部74Bと第2係合部75Bを設けてあり、また、前記段差面62aから内奥側に向けて延びる側板部43の内側面に前記隆起体77によって第1案内部74A及び第1係合部75Aと、第2案内部74B及び第2係合部75Bとを連続するように設けてあり、しかも、この第2案内部74B及び第2係合部75Bが段差面62a’の内奥側に備えられている前記の第2案内部74B並びに第2係合部75Bに向き合うように備えられた構成としてある。
【0065】
かかる筒状部40の各側板部43に備えられる案内部74は、この側板部43における前記溝状案内部76に案内板部23を収め入れるように弾性係合片20を筒状部40の側板部43に沿って差し込み、且つ、前記ガイドリブ71、ガイドリブ71’間に備えられているガイドスリット73からガイドロッド30におけるガイド突片31を突き出すように溝状案内部72内にガイドロッド30を差し込んだ際に、この弾性係合片20における係合凸部22が、その傾斜案内面22dを接して案内され、この弾性係合片20に所要の撓みをもたらすと共に、この傾斜案内面22dが案内部74を構成する傾斜面77aの頂端77bから係合段面77c側に送り込まれた際に、この傾斜案内面22dを含む係合面22bから係合凸部端22fの間が前記弾性ロッド部21の弾み戻しによって収め入れられる係合部75を備えた構成としてある。
【0066】
なお、この図示例にあっては、溝状案内部76に案内される夫々の弾性係合片20に備えられている案内板部23は、これらの案内部74を構成する隆起体77に接触せず、しかも、この溝状案内部76よりも内奥側にある筒状部40における各側板部43、43間に略がたなく接する態様に納め入れ得る構成としてある。
また、この雌部材Bを構成する筒状部40は、前記溝状案内部72から、側板部43の側に向けて第1板部41と第2板部42の内面が漸次近寄るように傾斜する傾斜面41b、42bとしてあると共に、第1案内部74Aの隆起体77の傾斜面77aの途中から、該筒状部40の他方の筒端側に向けて僅かに隆起する台状案内部41a、42aを備えた構成としてあり、雄部材Aにおける弾性係合片20、ガイドロッド30などを都合良く受け入れ案内し、しかも、解除部材Cにおける差入れ部80を都合よく受け入れ案内し得る構成としてある。
【0067】
このように構成される筒状部40にあっては、この筒状部40内に雄部材Aにおける弾性係合片20を差し入れ、且つ、この弾性係合片20における係合凸部22を該筒状部40内に備えられている係合部75に係合状態とした際に、この係合状態にある弾性係合片20に対して、当該弾性係合片20に弾性変形をもたらすような外力の作用を生ずることがなく、この筒状部40内において係合状態に当該弾性係合片20を長期間維持した際にあっても、この弾性係合片20にクリープ変形などの不具合を生ずることがない。
【0068】
この実施の形態に係る雌部材Bにあっては、前記第1案内部74A及び第1係合部75Aを構成する隆起体77と、第2案内部74B及び第2係合部75Bを構成する隆起体77との間、特に、筒状部40における弾性係合片20の差し込み側にある隆起体77における係合段面77cと、この隆起体77に連続して備えられている筒状部40の内奥側にある隆起体77における傾斜面77aとの間が、前記弾性係合片20における係合凸部22、特に、当該係合凸部22における弾性ロッド部21の傾斜外面21aと係合凸部22fを結ぶ線分から外方に突き出している当該係合凸部22部分を受け入れ得る形状としてあり、また、この筒状部40の内奥側にある隆起体77における係合段面77cから当該筒状部40における内奥側にある側板部43の内面との間が、同様に前記弾性係合片20における係合凸部22、特に、この係合凸部22における弾性ロッド部21の傾斜外面21aと係合凸部22fを結ぶ線分から外方に突き出している当該係合凸部22部分を受け入れ得る構成としてある。
【0069】
なお、この第1係合部75Aと第2係合部75Bとを構成する隆起体77は、この第1係合部75Aに弾性係合片20における係合凸部22を係合状態とした際に、第2係合部75Bを構成する隆起体77における係合段面77cよりも内奥側に向けて当該弾性係合片20における案内板部23が突き出し得る構成としてある。
また、この実施の形態に係る弾性係合片20は、これに備えられている各案内板部23を、前記溝状案内部76から筒状部40の内奥側に向けて、前記各隆起体77間を案内される構成としてあり、特に、この図示例に係る雄部材Aにあっては、この対をなす弾性係合片20における各案内板部23が、前記筒状部40内に何等の抵抗を受けることなく差し入れ得る間隔をもって備えられた構成としてある。
【0070】
なお、ここで、弾性係合片20及びガイドロッド30を受け入れる筒状部40は、このガイドロッド30における面30dを溝状案内部72の溝底面に沿って略がたなく案内できると共に、弾性係合片20における面22aを前記ガイドリブ71と側板部43との間にある第1板部41及び第2板部42の夫々の内側面に沿って案内できる構成としてある。
また、この弾性係合片20及びガイドロッド30を受け入れる筒状部40は、この筒状部40を構成する側板部43の内側面に備えられた溝状案内部76に弾性係合片20における案内板部23の外縁23cに沿った部分を受け入れ案内する際に、この溝状案内部76に案内板部23を受け入れるように当該筒状部40内に差し込まれる弾性係合片20における案内板部23の一方の側に突き出している係合凸部22における傾斜案内面22dの段差面24が当該弾性係合片20の差し込み側にあって、側板部43と第1板部41との間に備えられた隆起体77の傾斜面77aに接して案内される構成、即ち、筒状部40内に差し込まれる弾性係合片20における係合凸部22の係合凸部端22fに到る傾斜案内面22dが、当該弾性係合片20の差し込み側に備えられている隆起体77の傾斜面77aに接して案内される構成としてある。
【0071】
また、この弾性係合片20及びガイドロッド30を受け入れる筒状部40は、前記溝状案内部76に案内された弾性係合片20における案内板部23の外縁23cが、この溝状案内部76より内方にある側板部43の内面に略がたなく接し得る形状に構成してあると共に、前記筒状カバー部60内に取付け部10の一部を受け入れた態様、より具体的には、雄部材Aにおける取付け部10を構成する掛け回し軸部14の少なくとも一部が、その軸線の向きで、該筒状カバー部60を構成する覆い板部61から外方に現われている状態において、前記弾性係合片20の差し込み側にある隆起体77の構成する第1係合部75Aに対して当該弾性係合片20における係合凸部22が係合される構成としてある。(図29及び図31参照)
【0072】
ここで、弾性係合片20における係合凸部22の係合に供される第1係合部75Aは、弾性係合片20の差し込み側に備えられた隆起体77における頂端77bから側板部43の側に落ち込む係合段面77cと、この隆起体77に連続して第2案内部74Bを構成する隆起体77の傾斜面77bとの間に構成される凹部としてあり、しかも、係合凸部22における係合面22bを係合段面77cに接し、また、係合凸部22における傾斜案内面22dの段差面24を傾斜面77aに接していることから、当該係合状態に弾性係合片20を係合維持できる構成としてある。
【0073】
また、この筒状部40に差し込まれる弾性係合片20は、前記第1係合部75Aに対する弾性係合片20における係合凸部22の係合状態から、当該弾性係合片20を筒状部40内に差し込み、図30及び図32に示されるように筒状カバー部60内に雄部材Aにおける取付け部10、特に、この取付け部10を構成する掛け回し軸部14を、その軸線方向で、両側から覆い板部61が覆い隠すように差し込む際に、この弾性係合片20を構成する係合凸部22における傾斜案内面22dの段差面24が第2案内部74Bを構成する隆起体77における傾斜面77aに案内された後、この傾斜面77aの頂端77bから隆起体77の内奥側にある当該係合段面77cと側板部43との構成する第2係合部75B内に当該弾性係合片20における係合凸部22を弾み戻すように落とし込み係合し、しかも、この状態で、前記取付け部10における側板部11の段差面11bが、前記筒状カバー部60と筒状部40との間に備えられている段差面61b、段差面62aに対して当接可能に近接される構成としてあり、当該雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの第2係合部75Bに対して係合維持する構成としてある。
【0074】
このように雌部材Bの筒状部40内に差し込み係合される雄部材Aの弾性係合片20は、この雌部材Bにおける係合部75に対する係合凸部22の係合を解く向きに当該弾性係合片20を撓ませない限り、当該雌部材Bから取り外すことができず、雄部材Aと雌部材Bとを確実な係合状態に維持することができる。
【0075】
なお、前記筒状部40を構成する第1板部41には窓孔90を、該筒状部40の内外を連通するように設けてある。
この第1板部41に設けられている窓孔90は、この窓孔90の孔縁から第2板部42に向けて垂直に延びる仮想面に前記第1案内部74Aの隆起体77の係合段面77cと第2案内部74Bを構成する隆起体77の傾斜面77aとが設けられている構成としてあり、当該隆起体77を備えた雌部材Bの型抜きによプラスチック成形に都合の良い構成としてある。
【0076】
かかる雄部材A及び雌部材Bの係合を解除する解除部材Cは、操作部84と、この操作部84の一方の側に延設状態に備えられる一対の差入れ部80とを備えた構成としてあり、この差入れ部80を、前記雌部材Bの筒状部40における前記雄部材Aの弾性係合片20の差し込み側と反対の側から抜き差し可能に差入れ得る構成としてあり、例えば、型成形されるプラスチック成形品などとして用意される。
【0077】
かかる解除部材Cは、環板状部84aと、この環板状部84aから一体に延設された板状部84bを備えた操作部84と、該板状部84bから一体に延設されていると共に先端側が弧状の凹設縁81aとされているベース板部81及び該ベース板部81の両側方にあって、先端側を該ベース板部81から前方に突き出すように設けられた厚板状をなす解除板部82を備えた差入れ部80とによって構成してある。
【0078】
かかる解除部材Cを構成する差入れ部80の一対の解除板部82は、ベース板部81の両側方にあって該ベース板部81の両側面から夫々隆起し、しかも、先端側を前記凹設縁81aから前方に突き出すように備えられた厚肉部として構成してあり、前記ベース板部81に平行で、しかも、前記雌部材Bにおける筒状部40内において第1板部41及び第2板部42に略がたなく接して差入れられる面82bと、互いに平行で、しかも、前記筒状部40内の側板部43の内面に略がたなく接して案内される側面82bと、夫々の先端部から前記ベース板部81における弧状の凹設縁81aに向けて設けられた傾斜状の案内面82cとを備えた構成としてあり、この一対の解除板部82は、夫々の面に凹部83を設けた構成としてある。
【0079】
また、この解除部材Cは、その差入れ部80を構成する解除板部82の面82aに続く先端面が面取り状の面82dとしてあると共に、面82bと案内面82cとの間が曲面82eとして構成してある。
【0080】
このように構成される解除部材Cは、その差入れ部80を雌部材Bの筒状部40に対して、当該筒状部40における弾性係合片20の差し込み側と反対の側から抜き差し可能とされており、前記筒状部40内に差し込まれると共に係合部75に係合されている弾性係合片20を、この弾性係合片20における係合凸部22を該雌部材Bにおける係合部75から解放する向きに撓ませる機能を備えている。
【0081】
かかる雌部材Bの係合部75に対する雄部材Aにおける弾性係合片20を、その係合凸部22の係合を解く向きに向けて撓ませる解除部材Cは、この雌部材Bの筒状部40内に、この筒状部40の側板部43の内面に側面82bを接して解除部材Cにおける解除板部82を差入れた際に、この解除板部82における傾斜状態に備えられる案内面82cが該雌部材Bの筒状部40内において係合部75に係合されている雄部材Aにおける弾性係合片20の案内板部23、特に、この案内板部23の傾斜案内縁23dに接する構成としてあり、この解除部材Cに備えられる前記傾斜状態にある案内面82cが、係合状態にある弾性係合片20の係合部75に対する係合を解除する位置まで当該弾性係合片20を撓ませる構成を備えたものとしてある。
即ち、当該解除部材Cを筒状部40内に押し入れ、且つ、この傾斜状態に備えられる案内面82c内に弾性係合片20の先端側、例えば、傾斜案内縁23d、外縁23cなどを収め入れて、この弾性係合片20を撓ませ、筒状部40内の係合部75に係合されている弾性係合片20を、当該係合部75から解放し得る構成としてある。(図34参照)
【0082】
また、この解除部材Cの差入れられる雌部材Bの筒状部40は、この解除部材Cの差入れ側にあって、当該解除部材Cの先端が前記第2係合部75Bを構成する隆起体77に近接する位置まで押し入れ可能に構成してあり、前記第1係合部75Aに係合凸部22を係合させた状態で、第2係合部75Bを構成する隆起体77から更に当該筒状部40の内奥側に突き出されている弾性係合片20における案内板部23に対し、これを当該解除部材Cにおける解除板部82の傾斜状に備えられている案内面82c内に取り入れると共に、この解除部材Cを、該第1係合部75Aに係合されている弾性係合片20の係合を解く位置まで押し入れ撓ませ得る構成としてある。
【0083】
このように構成されるバックルにあっては、雌部材Bの取付け部50における掛け回し板部52に対してベルトなどの帯状体Dの一端側を掛け回して当該帯状体Dを重ね合わせの状態に逢着して取り付けると共に、この帯状体Dの他端側を、雄部材Aを構成する取付け部10の掛け回し側板部12における摺接面12dの側方から内側挿通空間16を通して掛け回し軸部14に掛け回すと共に該帯状体Dの先端側Daを摺接面14cから外側挿通空間15を通して、先に摺接面12dの外方に案内した帯状体Dと当該摺接面12dとの間から側方に引き出すようにして当該帯状体Dを雄部材Aに対して長さ調節可能に取り付ける。
【0084】
このように一端側に雄部材Aを、他端側に雌部材Bを夫々取り付け用意した帯状体Dを、各種の物品、例えば、この図示例にあっては、閉蓋状態とされた複数個の食品収納容器Eに掛け回すと共に、雌部材Bの筒状部40に対して雄部材Aの弾性係合片20を差入れて、この弾性係合片20における係合凸部22を筒状部40に備えられている第1係合部75Aに係合して帯状体Dの取り付けをなす。
【0085】
かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合は、前記するように該雌部材Bにおける筒状カバー部60側からの雄部材Aにおける弾性係合片20の差し入れによってなされる。
【0086】
この筒状部60に対する雄部材Aの弾性係合片20の差し入れ係合は、より具体的には、筒状部60に備えられているガイドリブ71、71’間に雄部材Aにおけるガイドロッド30を、このガイドロッド30におけるガイド突片31を前記ガイドリブ71、71’におけるガイドスリット73間から突き出させるように差し入れ、且つ、この弾性係合片20における案内板部23を筒状部40における溝状案内部76に案内させるように当該弾性係合片20における係合凸部22の傾斜案内面22dを第1係合部75Aと第1案内部74Aとを構成する隆起体77の傾斜面77aに弾性的に接するように差し入れ、この隆起体77の傾斜面77aと係合凸部22の傾斜案内面22dとの協働によって、当該弾性係合片20相互を互いに近付くように弾性的に撓ませながら当該筒状部40内に押し入れるると共に、この隆起体77の傾斜面77aに接している係合凸部22の傾斜案内面22dが該傾斜面77aから外れ出し、その係合凸部22を、頂端77bから係合段面77cに沿って該筒状部40の内奥側に落とし込ませるように弾み戻される弾性係合片20の当該弾み戻しによって該隆起体77の構成する第1係合部75Aに当該弾性係合片20の係合凸部22を係合してなされる。
なお、この実施の形態に係るバックルにあっては、雄部材Aにおける弾性係合片20を雌部材Bにおける第1係合部75Aに係合した状態において、雄部材Bにおける帯状体Dの掛け回し軸部14の少なくとも一部が、雌部材Bにおける覆い板部61から外方に露出する構成としてあり、この掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dを当該係合状態において緩み戻すように操作できる構成としてある。(図29及び図31参照)
【0087】
このように第1係合部75に係合状態に維持された弾性係合片20は、雄部材Aを雌部材Bに対して更に押し入れることによって、該弾性係合片20に備えられている係合凸部22における傾斜案内面22dが第2案内部74Bを構成する隆起体77における傾斜面77aに接し、再度、当該弾性係合片20相互を近付けるように撓めると共に、この第2案内部74Bにおける頂端77bから係合段面77cに沿って側板部43の側に弾み戻される当該弾性係合片20における係合凸部22が該係合段面77cによって構成される第2係合部75Bに係合することによって、当該雄部材Aにおける側板部11の段差面11bを雌部材Bの筒状部40における段差面61b、62aに当接可能に近接し、しかも、該雄部材Aにおける帯状体Dを掛け回された掛け回し軸部14を、この掛け回し軸部14における軸線の向きで、覆い板部61によって覆った状態で当該雄部材Aと雌部材Bとを係合状態とすることができる。
このような雄部材Aと雌部材Bとの係合状態において、この係合状態にある雄部材Aと雌部材Bの係合の解除は、この実施の形態に係るバックルにあっては、該係合状態にある雌部材Bにおける筒状部40に対する弾性係合片20の差込側と反対の側からの解除部材Cの差込に操作による当該弾性係合片20の撓み操作による前記係合部75からの解き放しとされ、しかも、この第2係合部75Bに対する弾性係合片20の係合状態において、雄部材Aにおける掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dは、前記覆い板部61によって、その緩み側に向けた操作を防止される構成とされ、当該状態において雄部材Aと雌部材Bとの係合による帯状体Dの連結状態が確実に維持される。(図30及び図32参照)
【0088】
かかる係合状態にある雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除は、この雌部材Bにおける筒状部40に対する前記弾性係合片20の差込側と反対の側からの解除部材Cの差し入れ、特に、該筒状部40における側板部43の筒内壁面に沿った解除板部82の差し入れによって、この解除板部82における案内面82cを、雄部材Aの前記弾性係合片20における案内板部23の傾斜案内縁23dに接しさせ、この案内面82cと傾斜案内縁23dとの協働によって、該弾性係合片20相互を互いに近付ける向きに撓め、前記係合部75の係合段面77cに係合されている係合凸部22の係合を解くことによってなされる。
この解除部材Cによる雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除は、雌部材Bの第1係合部75Aに係合状態にある雄部材Aにおける弾性係合片20の案内板部23の先端縁23gが、該雌部材Bにおける第2係合部75Bよりも当該解除部材Cの差し入れ側に突き出す構成としてあり、しかも、この筒状部40に差し入れ案内される当該解除部材Cにおけるに解除板部81の案内面82cの先端側曲面82eが該第2係合部75Bに接するまで押し入れ可能に構成してあることから、当該雌部材Bにおける第2係合部75Bに弾性係合片20が係合されている際にも、また、当該弾性係合片20が前記第1係合部75Aに係合されている際にも、前記解除部材Cによる当該係合の解除をなすことができる。(図33及び図34参照)
【0089】
かかる雄部材Aと雌部材Bとは、帯状体Dの一端側を取り付けられた雌部材Bに、当該帯状体Dの他端側を長さ調節可能に取り付けた雄部材Aを差し込み係合状態とすると共に当該帯状体Dの端部を引き締めることによって、例えば、複数個の食品収納容器Eなどを相互に一体に連結した緊締状態とするように用いることができる。
【0090】
かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合状態を、該雌部材Bにおける第1係合部75Aに対する弾性係合片20の係合とすることによって、この雄部材Aに掛け回されている前記帯状体Dが引き締め方向と、緩み出し方向のいずれにも操作可能とされる。
【0091】
また、かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合状態を、雌部材Bにおける第2係合部75Bに対する弾性係合片20の係合とすることによって、雄部材Aにおける帯状体Dの掛け回しに用いられている掛け回し軸部14が、当該掛け回し軸部14の軸線の向きで、その両面を覆い板部61で覆うように筒状カバー部60内に納め入れられ、この掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dの緩み戻し側に向けた操作が阻止される。
【0092】
また、かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合は、当該雄部材Aにおける弾性係合片20の係合凸部22を第1係合部75Aに係合している状態においても、また、当該弾性係合片20の係合凸部22を第2係合部75Bに係合している状態においても、当該筒状部40に対する弾性係合片20の差し込み側と反対の側からの解除部材Cの押し込み操作による該弾性係合片20の撓め操作によって解くことがで、しかも、当該雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除による荷ほどきを当該解除部材Cを有する取扱者のみに限定することができる。
【0093】
(2)第2の実施の形態に係るバックル
以下、図36〜図71に示される第2の実施の形態に係るバックルについて具体的に説明をする。
【0094】
この第2の実施の形態に係るバックルは、雄部材Aの弾性係合片20の係合に供される雌部材Bの筒状部40内に備えられる案内部74と係合部75とが向き合っている側板部43の夫々に連続して備えられた一組のものとして構成されている点、解除部材Cを構成する操作部84が差入れ部80に対して略直角の向きに屈曲して備えられている点などの相違点を除いて、前記第1の実施の形態に係るバックルと実質的に同一の構成としてある。従って、実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してある。
【0095】
この第2の実施に形態に係るバックルは、前記第1の実施の形態に係るバックルと同様に、帯状体Dの一端側に取付け用いられる雄部材Aと、該帯状体Dの他端側に取付け用いられる雌部材Bとを、この雌部材Bの筒状部40内に備えられる係合部75に該雄部材Aにおける弾性係合片20を係合させることによって、当該帯状体D相互を連結状態にして用いると共に、この帯状体Dを連結状態にした雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除を当該雌部材B内に差し込まれる解除部材Cによる当該筒状部40内にある弾性係合片20の撓め操作による構成としてある。
【0096】
即ち、筒状部40と帯状体Dの取付け部50とを有する雌部材Bと、帯状体Dの取付け部10と前記雌部材Bにおける筒状部40の一方の側から該筒状部40内に差し込まれる弾性係合片20とを有する雄部材Aと、前記雌部材Bにおける筒状部40の他方の側から該筒状部40内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部80を備えた解除部材Cとを有し、
前記雌部材Bが、この雌部材Bの筒状部40内差入れられる前記弾性係合片20を該差入れに伴って撓ませる案内部74と該弾性係合片20の弾み戻し係合される係合部75とを該筒状部40内に備えており、
前記解除部材Cの差入れ部80が、この差入れ部80を前記筒状部40内に差入れた際に、前記係合部75に係合されている前記弾性係合片20に当接して、該弾性係合片20を前記係合部75との係合を解く向きに撓ませる案内面82cを備えており、
前記雄部材Aと前記雌部材Bとが、該雄部材Aにおける前記弾性係合片20の前記筒状部40に対する該筒状部40の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片20と前記係合部75との係合によって係合され、且つ、該筒状部40の他方の側からの前記解除部材Cの差入れ部80の差入れによる前記弾性係合片20と前記係合部75との係合の解除によって該雄部材Aと該雌部材Bとの係合が解かれる構成としてある。
【0097】
この第2の実施の形態に係るバックルを構成する雄部材Aは、より具体的には帯状体Dを長さ調節可自在に取り付けると共に手指による把持操作などに用いられる取付け部10と、この取付け部10から一体に延設されている弾性係合片20及びガイドロッド30を備えた構成としてあり、これらが略同一の平面内に備えられる構成としてあり、例えば、型成形されるプラスッチク成形品などとして用意される。
【0098】
この雄部材Aを構成する取付け部10は、一端側でやや拡がるように互いに向き合って備えられる一対の長方形状をなす側板部11と、この側板部11における互いに近付いた側の該側端間を接続するように備えられる掛け回し側板部12と、この掛け回し側板部12に向き合うように前記側板部11の他方の側端間を接続するように該側板部11からやや外方に突き出すようにして備えられる差込み側基板部13とを略環枠状をなすように構成してあると共に、この互いに向き合って備えられている側板部11間に亙るように掛け回し軸部14が設けてあり、この掛け回し軸部14と掛け回し側板部12との間を帯状体Dの挿通される外側挿通空間15とし、また、この掛け回し軸部14と前記差込み側基板部13との間を当該帯状体Dの挿通される内側挿通空間16としてある。
【0099】
このように構成される取付け部10は、互いに向き合って備えられる長方形状をなす一対の側板部11の板幅内(図59における上下方向の幅内)に収まるように前記差込み側基板部13及び掛け回し側板部12と掛け回し軸部14とを備えた構成としてあり、追って説明する雌部材Bにおける筒状カバー部60内に当該取付け部10における少なくとも掛け回し軸部14が、該掛け回し軸部14に帯状体Dを掛け回した状態で覆い板部61によって、その軸線の向きで、両側から覆われ得るように当該取付け部10の差込み側基板部13の側が都合よく納め入れ得る形態に構成してある。
【0100】
この雄部材Aに備えられる取付け部10にあっては、この取付け部10に対して帯状体Dを締め込み、並びに緩み出し可能に取付け得る構成としてあり、この取付け部10を構成する側板部11における幅方向(図59における上下方向)の一方の幅側に位置するように前記掛け回し軸部14を設けると共に、前記掛け回し側板部12における当該掛け回し軸部14の側を、前記側板部11の幅方向において該掛け回し軸部14の備付けと反対の側に突き出すように備えられる構成としてあり、この側板部11における板幅方向において互いに離された位置に備えられている掛け回し軸部14における掛け回し側板部12側にある側縁と、掛け回し側板部12における掛け回し軸部14側にある側縁とが、この取付け部10の備えられる雄部材Aにおけるガイドロッド30の軸線方向(図59における左右方向)において極力近付くように設けてある。特に、この図示例にあっては、この掛け回し側板部12における掛け回し軸部14側にある先端縁12cと、掛け回し軸部14における掛け回し側板部12側にある摺接面14cとを通る仮想の面が、雄部材Aの雌部材Bに対する差し込み方向(図59における左右方向)に直交する面、即ち、当該雄部材Aを構成するガイドロッド30の軸線に直交する面となるように構成してある。
【0101】
ここで取付け部10を構成する掛け回し軸部14は、側板部11における幅側の一方の端面(図59における側板部11の下端面)に略面一の状態で、該側板部11間に亙って備えられる摺接面14aと、この摺接面14aにおける前記掛け回し側板部12側にある側縁14bから略直角に屈曲して当該側板部11における幅方向の他方側に向けて延びるように備えられる摺接面14cと、前記側縁14bと反対側にある摺接面14aの側縁14dから前記差込み側基板部13の側を向き、しかも、前記側板部11の幅方向の他方側に向けて傾斜する摺接面14eと、この摺接面14eに摺り移動可能に掛け回される帯状体Dが摺接されることなく、前記掛け回し側板部12に案内し得るように当該摺接面14eから屈曲して連続されている屈曲面14fと、この屈曲面14f及び前記摺接面14cとの間に備えられる屈曲面14gとを備えた構成としてある。
また、前記摺接面14aには、該面の幅側に亙るように備えられた溝とリブとを該摺接面14aの長手側に亙って連続して備えるようにした凹凸面14hが設けてある。
【0102】
また、この掛け回し軸部14に掛け回される帯状体Dを当該帯状体Dと協働して、所定の掛け回し位置に停止状態とし、また、当該停止状態にある係合を解いて当該掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dを緩み側に向けて摺り移動させると共に、当該掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dを締め込み側に向けて引き絞り移動を可能とする掛け回し側板部12は、前記側板部11間に備えられる屈曲した板状体として構成してあり、この互いに向き合った側板部11における差込み側基板部13と反対の側にある該側板部11の幅方向における略中間位置にあって、該側端から一端側を外方に僅かに突き出すように前記ガイドロッド30の軸線と同一方向に向けて延びるように備えられる操作板部12aと、この操作板部12aにおける掛け回し軸部14側から、差込み側基板部13に向け、しかも、前記側板部11の幅方向において掛け回し軸部14の備えられている側と反対の側に向けて斜めに延設された支持板部12bとを備えた構成としてある。
【0103】
この図示例に係る取付け部10を構成する掛け回し側板部12は、前記掛け回し軸部14と協働して、当該掛け回し軸部14に掛け回されるように外側挿通空間15及び内側挿通空間16に挿通された帯状体Dに対して、当該帯状体Dの締め込み停止、並びに緩み戻し機能とを確実にもたらし得るように、前記支持板部12bの先端縁12cが、当該取付け部10の備えられ構成される雄部材Aにおけるガイドロッド30の軸線方向にあって、極力掛け回し軸部14の側に近接した状態としてあると共に、この支持板部12bの先端部側を、前記摺接面14aと反対の側にある側板部11における幅側の側端面に略面一且つ平行に備えられる摺接面12dと、前記操作板部12aの側から前記屈曲面14gに向き合い、且つ、該屈曲面14gに略平行とされる傾斜面12eとを有し、この傾斜面12eと摺接面12dとによって、該支持板部12bの先端縁12cが鋭角な突き出し端となるように構成してある。
また、前記摺接面12dには、該面の先端縁12c側を残すようにして、該面12dの幅方向を向いて設けられた溝とリブとを、該面12dの長手側に亙って連続して備えた凹凸面12fが設けてある。
【0104】
かくして構成される取付け部10にあっては、例えば、内側挿通空間16に対して、側板部11の幅方向(図59における上下方向)において掛け回し軸部14の備えつけ側と反対の側から帯状体Dの先端側Daを差入れ、且つ、当該帯状体Dを掛け回し軸部14に掛け回すようにして外側挿通空間15に差入れ、これを引き出すと共に、この引き出し帯状体Dの先端側Daを当該帯状体Dにおける前記内側挿通空間16の外方にある帯状体Dに重ね合わせの状態とし、これらを前記掛け回し側板部12における摺接面12dに沿うように取付け部10から外方に引き出すことによって、帯状体Dを当該取付け部10に対して長さ調節可能に取付け用いることができる。(図66参照)
【0105】
次いで、この雄部材Aを構成する弾性係合片20は、前記取付け部10を構成する側板部11間に備えられる差込み側基板部13の両側部から該側板部11と反対の側に向けて、互いに同一の平面内に延びるように該側板部11と平行な態様に突き出すように設けてあり、また、この一対の弾性係合片20と平行な態様で前記差込み側基板部13の略中央部分からガイドロッド30が一体に突設してあり、この差込み側基板部13と該差込み側基板部13から突設されている弾性係合片20及びガイドロッド30とが、雌部材Bにおける筒状部40に対して抜き差し可能に納め入れ得るように略同一の平面内に位置付けられる差し込み部として構成してある。
【0106】
なお、ここで、弾性係合片20及びガイドロッド30の備えられる差込み側基板部13は、前記側板部11における側端面間を結ぶように該側板部11の側端から外方に突き出した態様に設けてあり、前記側板部11の内側に段差面11aを生ずるように該側板部11における板幅(図59における上下方向の幅)以内に収まる形態に設けてある。
【0107】
かかる差込み側基板部13に備えられる弾性係合片20は、この差込み側基板部13の両側部から側板部11と反対の側に向けて該側板部11の延長方向に延びるように設けられた弾性ロッド部21と、この弾性ロッド部21の先端側に備えられている係合凸部22及び案内板部23とを備えた構成としてある。
【0108】
この弾性係合片20に備えられている弾性ロッド部21は、前記側板部11間を連続するように備えられている差込み側基板部13の両側部から互いに向き合って平行に突設される断面四角形状をなす直棒状の形態としてあり、この側板部11の先端面から、該側板部11の延長方向に向けて該側板部11の先端に段差面11bを生ずるように該先端面のやや内側に寄って設けてあると共に、互いに向き合っている側と反対側の面が、その基部側から先端側に向けてガイドロッド30の側に漸次近付く傾斜外側面21aとなるように構成してある。
【0109】
かかる弾性係合片20に備えられる係合凸部22は、前記弾性ロッド部21の先端側にあって、前記傾斜外側面21aから外方、即ち、ガイドロッド30の備えられている側と反対の側に突き出す構成としてある。
【0110】
この弾性係合片20を構成する係合凸部22は、夫々の弾性係合片20、20に略対象の形態に備えられるものであって、前記弾性ロッド部21における傾斜外側面21a及びこれと反対の側にある内面21bとの間の面21c(図56における上下の面)に面一の状態で連続した一対の平行な面22a,22aを備えていると共に、前記弾性ロッド部21の側に前記傾斜外側面21aに対して内折れ状態に鋭角に屈曲して外方に突き出すように連続されている係合面22bと、この係合面22bの先端から該係合凸部22の先端側に向けて、やや外向きに突き出すように鋭角に屈曲して連続される傾斜外側面22hと、この傾斜外側面22hから弾性係合片20、20間で互いに平行となるように延設されている外側面22iと、この外側面22iから該係合凸部22の係合凸部端22qに向けて弾性係合片20、20間で互いに近付くように延設されている傾斜案内面22jと、前記内面21bに対して鈍角に屈曲してガイドロッド30側に突き出すように連続される内側傾斜面22kと、この内側傾斜面22kから先端側に向けて弾性係合片20、20間で互いに平行となるように延設されている内側平行面22mと、この内側平行面22mから弾性係合片20、20間で互いに離れる側に傾斜して延設される内側傾斜面nと、この内側傾斜面22nから前記係合凸部端22qに向けて弾性係合片20、20間で互いに平行となるように延設される内側平行面22pとを備えた構成としてある。
【0111】
かかる係合凸部22は、この係合凸部22の先端側に案内板部23を一体に備えた構成としてある。
この係合凸部22に備えられる案内板部23は、該係合凸部22における平行な面22a、22aに対して夫々平行な面23a、23aを備えるように該面22a、22aの略中間位置にあって、主として該係合凸部22における前記内側傾斜面22kに連続している内側平行面22mから前記係合凸部端22qに至る間の内側、即ち、前記ガイドロッド30の側に向け、しかも、先端側を該係合凸部端22qから前方に突き出すように該係合凸部22から一体に突き出すように設けてある。
【0112】
この係合凸部22に備えられる案内板部23は、前記係合凸部端22qから傾斜案内面22jの延長面方向に延びる傾斜案内面23hと、前記内側傾斜面22kの延長面方向に延びる傾斜縁23eと、この傾斜縁23eから先端側に向け、しかも、弾性係合片20、20間で、互いに平行となるように延設される内縁23e’と、この内縁23e’から弾性係合片20、20間で互いに離れるように延設される段差縁23fと、この段差縁23fから先端側に向け、しかも、弾性係合片20、20間で互いに平行となるように延設される内縁23e”と、この内縁23e”と前記傾斜案内縁23hとを結ぶ前記差込側基板部13に平行とされる先端縁23gとを備えた構成としてある。
【0113】
また、前記傾斜外側面21aと係合面22bとが連続される屈曲縁22gを通る前記内面21bに平行な仮想面に対して、該内面21bに平行で、しかも、前記案内板部23の先端縁23gと傾斜案内縁23hとの交差する点を通る仮想面が該内面21bの側に位置するように構成してある。
【0114】
ここで弾性係合片20に備えられている係合凸部22と案内板部23は、追って説明する解除部材Cによって、雌部材Bの係合部75に係合されている弾性係合片20を当該係合部75から解放し得る構成を備えたものとしてあり、この実施の形態に係る弾性係合片20にあっては、前記係合面22bから、これに連続して備えられている傾斜外側面22h、外側面22i、傾斜案内面22j、傾斜案内縁23hによって構成される面ないし縁が、この縁ないし面に接して案内される解除部材Cにおける案内面82cと協働して、係合部75に係合されている弾性係合片20を、その係合を解く位置まで撓め得る構成としてある。
【0115】
かかる係合凸部22に備えられる案内板部23は、前記係合凸部22における面22a、22a間にあって、この各面22a、22aと平行な面23a、23aを備えると共に、この面22a、23a間に段差面24を生ずるように当該係合凸部22の前端部側の内側に、その先端側を前方に突き出すように一体に設けてある。
【0116】
かかる一対の弾性係合片20間にあって、前記差込み側基板部13から一体に突設状態に備えられるガイドロッド30は、断面が略四角形状をなす棒状体として構成してあると共に、弾性係合片20に向き合っている側面30a側の先端部に該ガイドロッド30の先端面30bから該ガイドロッド30の突設基部方に向けて漸次突き出し、しかも、該基部方端において該ガイドロッド30の側面30aに向けて落ち込む段差縁31aを備えた三角形の翼片状をなすガイド突片31を有する構成としてある。
【0117】
また、この差込み側基板部13に備えられるガイドロッド30は、前記側面30a、30a間にある面30d、30dに溝状部30e、30eを夫々備えた構成としてあると共に、この側面30aの幅寸法(図56における上下方向の幅寸法)が前記側板部11の板幅以内とされ、しかも、前記弾性係合片20の弾性ロッド部21における各両面21c、21c間の寸法よりもやや大きくなるように構成してあり、前記差込み側基板部13から立ち上がるようにして備えられて該差込み側基板部13の幅よりも幅広となる構成としてある。
【0118】
また、このガイドロッド30の突き出し寸法を、前記弾性係合片20における先端縁23gが、このガイドロッド30における先端面30bを含む該差込み側基板部13に平行な仮想面よりも該差込み側基板部13の側に位置付けられるように該弾性係合片20の突き出し寸法よりもやや長めに構成してある。
また、前記の構成に係る雄部材Aは、雌部材Bの筒状部40内に当該雄部材Aにおける弾性係合片20を押し入れ、この雌部材Bに備えられている案内部74によって撓め、又は、当該雌部材B内に差し込まれている弾性係合片20を解除部材Cによって撓めた際に、この弾性係合片20における前記段差縁23fと内縁23e”とが構成する凹欠状部内に、前記ガイドロッド30におけるガイド突片31が納まるように構成してある。
【0119】
かかる雄部材Aに対応して用いられる雌部材Bは、一端側から前記雄部材Aにおける弾性係合片20などが差入れ係合されると共に、他端側から追って説明する解除部材Cの差入れられる筒状部40と、この解除部材Cの抜き差しされる筒端側に連続して備えられている帯状体Dの取付け部50と、前記雄部材Aにおける弾性係合片20などの差入れられる筒端から延設状態に備えられている覆い板部61を有する筒状カバー部60と備えた構成としてあり、例えば、型成形されるプラスチック成形品などとして用意される。
【0120】
先ず、この雌部材Bを構成する筒状部40は、対をなし、しかも、互いに平行状態に向き合う第1側板部43aと、この第1側板部よりも互いの間隔を離して平行状態で向き合って備えられる第2側板部43cと、この第1側板部43aと第2側板部43cとの間を連絡するように備えられる傾斜側板部43bとを一連に備えた比較的細幅をなす側板部43、43と、この互いに向き合って備えられる側板部43、43における一方の長手縁に亙って備えられる第1板部41と、この第1板部41と同寸、同形状で、該第1板部41に平行となるように、前記側板部43における長手側縁の他方縁に亙って備えられる第2板部42とによって、一端側に互いの間隔をやや狭めて平行に備えられた第1側板部43a,43aにより構成される狭幅部40’を有すると共に、互いの間隔をやや離して平行に備えられる第2側板部43c、43cにより構成される拡幅部40”を備えた両端開口の、且つ、断面が扁平な四角形状の筒状体として構成してある。
【0121】
また、この筒状部40における一方の筒端、より具体的には、雄部材Aにおける弾性係合片20などの差し込まれる前記狭幅部40’側の筒端に前記各側板部43から一旦外方に突き出すように屈曲して備えられる段差状張出し板部62cを介して夫々の側板部43と平行になるように該段差状張出し板部62cから一連に延設された側板部62と、前記第1板部41と第2板部42の夫々の側端から、この第1板部41及び第2板部42から一旦外方に突き出すように屈曲して備えられる段差状張出し板部61aを介して夫々該第1板部41及び第2板部42と平行となるように該段差状張出し板部61aから一体に延設状態に設けられた覆い板部61とを備えた筒状カバー部60が設けてある。
【0122】
なお、ここで筒状部40に一連に備えられる筒状カバー部60は、その筒状カバー部60内が、筒状部40における狭幅部40’内よりも拡室状態に構成してあり、狭幅部40’における第1板部41及び第2板部42と覆い板部61とが連続される内側部分に段差面61bを、また、側板部62と側板部43とが連続される内側部分に段差面62bを備えた構成としてある。
また、この筒状カバー部60を構成する側板部62には、その先端側から該側板部62の突き出し基部側に向けて開口側がやや拡開されたU字状をなす凹欠部63が設けてある。
【0123】
この筒状部40における前記雄部材Aの弾性係合片20などの差し込まれる筒端側に備えられる筒状カバー部60は、筒状部40内の係合部75に対して前記雄部材Aにおける弾性係合片20が差し込み係合された際に、この筒状カバー部60内に雄部材Aにおける取付け部10の少なくとも掛け回し軸部14を、この掛け回し軸部14に帯状体Dを掛け回した状態で、その軸線方向で、少なくとも、該筒状カバー部60を構成する覆い板部61によって両面から覆い隠し得るように受け入れ得る構成としてある。
【0124】
また、この筒状カバー部60に連続して備えられる筒状部40は、この筒状カバー部60に連続する側、即ち、前記第1側板部43aの側において、この各第1側板部43a、43a間の間隔を、前記雄部材Aにおける一対の弾性係合片20、20における外側面22i,22i間の間隔よりもやや狭い構成としてあり、この筒状部40を構成する第1側板部43aの開口側縁に当該弾性係合片20における傾斜案内縁23hなどが接し撓められながら、この筒状部40内に雄部材Aにおける弾性係合片20、20が差し込まれ得る構成としてある。
【0125】
また、この筒状部40に備えられる狭幅部40’は、前記筒状カバー部60の側から差し込まれる雄部材Aにおける側板部11の差し込み側にある各段差面11bを前記段差面61b、62bに近接するように該雄部材Aの弾性係合片20を筒状部40内に差し込んだ際に、この弾性係合片20における係合凸部22が、この狭幅部40’から拡幅部40”内に位置付けられて係合部75に係合される奥行き幅を備えたものとして構成してある。
【0126】
また、この狭幅部40’の内奥側に備えられる拡幅部40”は、この拡幅部40”を構成する第2側板部43c、43c間に、前記雄部材Aにおける弾性係合片20、20が、この各第2側板部43cの面によって撓められることなく納め入れられる広さを備えたものとして構成してある。
【0127】
また、この雌部材Bを構成する筒状部40における他方の筒端側、即ち、前記筒状カバー部60の備えられている側と反対の筒端側には、前記各側板部43に連続して該側板部43から該側板部43の延長方向に突き出すように一対の側板部51が向き合って備えられており、この側板部51における前記第1板部41の側に、該第1板部41との間に挿通スリット53を構成するように、当該側板部51、51の幅側端上に亙って備えられる掛け回し板部52が、該第1板部41の構成する筒内面のなす仮想面よりも外方に位置付けられるように設けてあり、この掛け回し板部52の両端部が前記第1板部41上に至る屈曲部52aとして当該挿通スリット53の両端部分を囲む構成としてある。
【0128】
この雌部材Bに備えられる取付け部50は、更に具体的には、掛け回し板部52に掛け回される帯状体Dが筒状部40に対する解除部材Cの差入れ部80の抜き差しの妨げとならないように該掛け回し板部52が、前記第1板部41の両側から同面状に延設状態に備えられる一対の補強隆起部51aの外面側に亙って備えられる構成とし、この掛け回し板部52における内側面、即ち、前記筒状部40における筒内面に連続する側の面を、その両側部に備えられる補強隆起部51aによって段差状凹溝面52bとしてあり、この段差状凹溝面52b内に掛け回される帯状体Dを、その厚幅側において極力収め入れ得るように構成してある。
【0129】
かかる雌部材Bにおける前記筒状部40には、この筒状部40の略中央部分において、該筒状部40内に差し込まれる雄部材Aにおけるガイドロッド30を略がたなく収め入れて案内する間隔をおいて一対のガイドリブ71を第1板部41に、同様のガイドリブ71’を第2板部42に夫々対設状態に設けてある。即ち、この溝状案内部72を構成する夫々に対をなすガイドリブ71とガイドリブ71’とを前記第1板部41と第2板部42の夫々の内側から突き出すように設け、しかも、この第1板部41に備えられている一対のガイドリブ71と、第2板部42に備えられている一対のガイドリブ71’とが、互いに、その先端を向き合わせ、且つ、この先端間がガイドスリット73を構成するように、互いの先端間を近付けるように夫々第1板部41及び第2板部42から突き出し状態に設けた構成としてある。
【0130】
かかる第1板部41におけるガイドリブ71間と、第2板部42におけるガイドリブ71’間とに構成される溝状案内部72は、前記雄部材Aにおけるガイドロッド30が、このガイドリブ71とガイドリブ71’との間に構成されるガイドスリット73間から該ガイドロッド30におけるガイド突片31を外方、即ち、側板部43の側に突き出させるようにして略がたなく収め得る溝幅に構成してあり、他の筒内壁面よりもやや溝状に凹む溝状凹部72aを有し、しかも、この溝状凹部72aにおけるガイドロッド30の差し込み側が、該筒状部40における筒端側に向けて先拡がりの案内凹部72a’としてあると共に、この案内凹部72a’の内奥側位置から該筒状部40における他方の筒端に向けて前記ガイドリブ71とガイドリブ71’とを隆起状に突設した構成としてある。
【0131】
また、前記筒状カバー部60に続く雌部材Bの筒状部40、特に、該筒状部40における狭幅部40’を構成する第1側板部43a及び傾斜側板部43bの内側に沿って、前記雄部材Aの弾性係合片20を撓ませるように案内する案内部74と、この案内部74に撓められながら案内される弾性係合片20が弾み戻されて係合される係合部75とを設けるようにしてある。
即ち、前記雄部材Aにおける一対の弾性係合片20を筒状部40内に受け入れた際に、この弾性係合片20における係合凸部22に接し、この係合凸部22を備えた夫々の弾性係合片20を互いに近付く向きに撓ませる案内部74と、この案内部74に案内された弾性係合片20の係合凸部22の係合に供される係合部75を当該側板部43の内側に連続して設けるように構成してある。
【0132】
かかる雄部材Aにおける弾性係合片20を撓ませ、且つ、係合に用いられる案内部74及び係合部75は、雌部材Bにおける筒状部40の側板部43の内側に沿って、当該弾性係合片20の差し込み側に備えられる構成としてある。
【0133】
この筒状部40の互いに向き合った側板部43、43の内側面に沿って備えられる案内部74と係合部75は互いに向き合った構成としてあり、この側板部43の内側面の全幅(図48及び図51における側板部43の内側面の上下幅)に亙って、該側板部43を、弾性係合片20の差し込み開口側から、その内奥側に向けて漸次互いに近付く向き(図51における左右方向の向き)に隆起するように構成した隆起部77’によって構成されている。
【0134】
この筒状部40に備えられる隆起部77’は、前記側板部43、43に互いに向き合って備えられており、第1側板部43aにおける筒状部40の開口端側で低く、内奥側,この図示例にあっては、傾斜側板部43bと第2側板部43cとの連続部側に向けて漸次該側板部43から隆起した状態に備えられた傾斜面77’aと、該傾斜面77’aの頂端77’b、即ち、該傾斜面77’aにおける内奥側端から側板部43の面に向けて、しかも、前記差し込み開口側にやや傾斜するように鋭角に屈曲して備えられる係合段面77’cとを備えた構成としてあり、前記傾斜面77’aを案内部74とし、前記係合段面77’cを係合部75とした構成としてある。
また、この隆起部77’における係合段面77’cと側板部43の内面とが接する部分の側板部43が、第2側板部43cとなるようにしてあり、前記第1側板部43a、43a間の対設間隔よりも大きな対設間隔を離して平行に対設されている第2側板部43c、43cによって、この隆起部77’から筒状部40の他端側に向けて雄部材Aの各弾性係合片20、20における外側面22i、22i間が都合良く納まる幅を備えた拡室状の直筒部分を構成するようにしてある。
【0135】
かかる筒状部40の各側板部43に備えられる案内部74は、この側板部43における第1側板部43aの内側に、前記側板部62との段差面62bから該筒状部40内に向けて備えられる隆起部77’の傾斜面77’aとして構成され、この案内部74をなす各傾斜面77’aの筒端側縁に該弾性係合片20の先端部に備えられている傾斜案内縁23h、傾斜案内面22iなどの先窄まり状部分を接した状態とした後、これを撓み入れの状態に収め入れるように該弾性係合片20を、該筒状部40の側板部43に沿って撓ませながら差し込み、且つ、前記ガイドリブ71、ガイドリブ71’間に備えられているガイドスリット73からガイドロッド30におけるガイド突片31を突き出すように溝状案内部72内にガイドロッド30を差し込んだ際に、この弾性係合片20における傾斜案内縁23h、傾斜案内面22j、外側面22i、傾斜外側縁22hが、順次に前記傾斜面77’bに案内され、この弾性係合片20を撓ませ、この傾斜外側縁22hが案内部74を構成する傾斜面77’aの頂端77’bから係合段面77’c側に送り込まれることによって、この傾斜外側縁22hを含む係合面22bから先端縁23gの間が、前記弾性ロッド部21の弾み戻しによって、該係合段面77’cと第2側板部43cとの間に構成される空間内に落とし込まれて、前記係合段面77’cを係合部75として係合される構成としてある。
【0136】
尚、この雌部材Bを構成する筒状部40は、前記溝状案内部72から、側板部43の側に向けて第1板部41と第2板部42の内面が漸次近寄るように傾斜する傾斜面41b、42bとしてあると共に、隆起部77’の傾斜面77’aの途中から、該筒状部40の他方の筒端側に向けて僅かに隆起する台状案内部41a、42aを備えた構成としてあり、雄部材Aにおける弾性係合片20、ガイドロッド30などを都合良く受け入れ案内し、しかも、解除部材Cにおける差入れ部80を都合よく受け入れ案内し得る構成としてある。
【0137】
このように構成される筒状部40にあっては、この筒状部40内に雄部材Aにおける弾性係合片20を差し入れ、且つ、この弾性係合片20における係合凸部22を該筒状部40内に備えられている係合部75に係合状態とした際に、この係合状態にある弾性係合片20の各外側面22iが第2側板部43cに略がたなく納まる態様とされ、この筒状部40内において係合状態に当該弾性係合片20を長期間維持した際にあっても、この弾性係合片20にクリープ変形などの不具合を生ずることがない。
【0138】
この実施の形態に係る雌部材Bにあっては、前記案内部74及び係合部75を構成する隆起部77’の隆起内奥側の係合段面77’cと第2側板部43cとの間が、前記弾性係合片20における係合凸部22及び案内板部23、特に、屈曲縁22gを通る該雄部材Aの差し込み方向(図54における左右方向)を向いた仮想面から外側にある部分を受け入れ得る形状としてある。
【0139】
なお、ここで、弾性係合片20及びガイドロッド30を受け入れる筒状部40は、このガイドロッド30における面30dを溝状案内部72の溝底面に沿って略がたなく案内できると共に、弾性係合片20における面22aを前記ガイドリブ71と側板部43との間にある第1板部41及び第2板部42の夫々の内側面に沿って案内できる構成としてある。
【0140】
また、この筒状部40に差し込まれる弾性係合片20は、当該弾性係合片20を筒状部40内に差し込み、図66及び図67に示されるように筒状カバー部60内に雄部材Aにおける取付け部10、特に、この取付け部10を構成する掛け回し軸部14を、その軸線方向で、両側から覆い板部61が覆い隠すように差し込むことによって、この弾性係合片20を構成する係合凸部22における傾斜外側面22hが案内部74を構成する隆起部77’における傾斜面77’aに案内された後、この傾斜面77’aの頂端77’bから隆起部77’の内奥側にある当該係合段面77’cと第2側板部43cとの構成する係合部75内に当該弾性係合片20における係合凸部22を弾み戻すように落とし込み係合し、しかも、この状態で、前記取付け部10における側板部11の段差面11bが、前記筒状カバー部60と筒状部40との間に備えられている段差面61b、段差面62bに対して当接可能に近接される構成としてあり、当該雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に対して係合維持する構成としてある。
【0141】
このように雌部材Bの筒状部40内に差し込み係合される雄部材Aの弾性係合片20は、この雌部材Bにおける係合部75に対する係合凸部22の係合を解く向きに当該弾性係合片20を撓ませない限り、当該雌部材Bから取り外すことができず、雄部材Aと雌部材Bとを確実な係合状態に維持することができる。
【0142】
なお、前記筒状部40を構成する第1板部41には窓孔90’を、該筒状部40の内外を連通するように設けてある。
この第1板部41に設けられている窓孔90’は、この窓孔90’の孔縁から第2板部42に向けて垂直に延びる仮想面を含むように前記隆起部77’の係合段面77’cを設けるようにした構成としてあり、当該隆起部77’を備えた雌部材Bの型抜きによプラスチック成形に都合の良い構成としてある。
【0143】
かかる雄部材A及び雌部材Bの係合を解除する解除部材Cは、操作部84と、この操作部84の一方の側から略直角に屈曲するように備えられた差入れ部80とを備えた構成としてあり、この差入れ部80を、前記雌部材Bの筒状部40における前記雄部材Aの弾性係合片20の差し込み側と反対の側から抜き差し可能に差入れ得る構成としてあり、例えば、型成形されるプラスチック成形品などとして用意される。
【0144】
かかる解除部材Cは、湾曲状基板部84cの両側を差入れ部80側に屈曲した把持片部84d、84dとしてあり、この操作部84の一端側から直角に屈曲するように備えられる差入れ部80は、この操作部84側から一体に突設され、しかも、先端側が弧状の凹設縁81aとされているベース板部81及び該ベース板部81の両側方にあって、先端側を該ベース板部81から前方に突き出すように設けられた厚板状をなす解除板部82とを備えた構成としてある。
【0145】
かかる解除部材Cを構成する差入れ部80の一対の解除板部82は、ベース板部81の両側方にあって該ベース板部81の両側面から夫々隆起し、しかも、先端側を前記凹設縁81aから前方に突き出すように備えられた厚肉部として構成してあり、前記ベース板部81に平行で、しかも、前記雌部材Bにおける筒状部40内において第1板部41及び第2板部42に略がたなく接して差入れられる面82bと、互いに平行で、しかも、前記筒状部40内の側板部43の内面に略がたなく接して案内される側面82bと、夫々の先端部から前記ベース板部81における弧状の凹設縁81aに向けて設けられた傾斜状の案内面82cとを備えた構成としてあり、この一対の解除板部82は、夫々の面に凹部83を設けた構成としてある。
【0146】
また、この解除部材Cは、その差入れ部80を構成する解除板部82の面82aに続く先端面が面取り状の面82dとしてあると共に、面82bと案内面82cとの間が曲面82eとして構成してある。
【0147】
このように構成される解除部材Cは、その差入れ部80を雌部材Bの筒状部40に対して、当該筒状部40における弾性係合片20の差し込み側と反対の側から抜き差し可能とされており、前記筒状部40内に差し込まれると共に係合部75に係合されている弾性係合片20を、この弾性係合片20における係合凸部22を該雌部材Bにおける係合部75から解放する向きに撓ませる機能を備えている。
【0148】
かかる雌部材Bの係合部75に対する雄部材Aにおける弾性係合片20の係合凸部22の係合を解く向きに向けた撓め操作に用いられる解除部材Cは、この雌部材Bの筒状部40内に、この筒状部40の側板部43の内面に側面82bを接して解除部材Cにおける解除板部82を差入れた際に、この解除板部82における傾斜状態に備えられる案内面82cが該雌部材Bの筒状部40内において係合部75に係合されている雄部材Aにおける弾性係合片20の案内板部23、特に、この案内板部23の傾斜案内縁23hに接する構成としてあり、この解除部材Cに備えられる前記傾斜状態にある案内面82cが、係合状態にある弾性係合片20の係合部75に対する係合を解除する位置まで当該弾性係合片20を撓ませる構成を備えたものとしてある。
即ち、当該解除部材Cを筒状部40内に押し入れ、且つ、この傾斜状態に備えられる案内面82c内に弾性係合片20の先端側、例えば、傾斜案内縁23h、傾斜案内面22j、外側面22i、傾斜外側面22hなどを収め入れて、この弾性係合片20を撓ませ、筒状部40内の係合部75に係合されている弾性係合片20を、当該係合部75から解放し得る構成としてある。(図68〜図70参照)
【0149】
また、この解除部材Cの差入れられる雌部材Bの筒状部40は、この解除部材Cの差入れ側にあって、当該解除部材Cの先端が前記係合部75を構成する隆起部77’の係合段面77’cに接する位置まで押し入れ可能に構成してあり、前記係合部75に係合凸部22を係合させた状態で、該隆起部77’から更に当該筒状部40の内奥側に突き出されている弾性係合片20における前記部分に対し、これを解除部材Cにおける解除板部82の傾斜状に備えられている案内面82c内に取り入れると共に、この解除部材Cを、係合部75に係合されている弾性係合片20が、その係合を解かれる状態に至るまで押し入れ得る構成としてある。
【0150】
このように構成されるバックルにあっては、雌部材Bの取付け部50における掛け回し板部52に対してベルトなどの帯状体Dの一端側を掛け回して当該帯状体Dを重ね合わせの状態に逢着して取り付けると共に、この帯状体Dの他端側を、雄部材Aを構成する取付け部10の掛け回し側板部12における摺接面12dの側方から内側挿通空間16を通して掛け回し軸部14に掛け回すと共に該帯状体Dの先端側Daを摺接面14cから外側挿通空間15を通して、先に摺接面12dの外方に案内した帯状体Dと当該摺接面12dとの間から側方に引き出すようにして当該帯状体Dを雄部材Aに対して長さ調節可能に取り付ける。
【0151】
このように一端側に雄部材Aを、他端側に雌部材Bを夫々取り付け用意した帯状体Dを、各種の物品、例えば、この図示例にあっては、閉蓋状態とされた複数個の食品収納容器Eに掛け回すと共に、雌部材Bの筒状部40に対して雄部材Aの弾性係合片20を差入れて、この弾性係合片20における係合凸部22を筒状部40に備えられている係合部75に係合して帯状体Dの取り付けをなす。
【0152】
かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合は、該雌部材Bにおける筒状カバー部60側からの雄部材Aにおける弾性係合片20の差し入れによってなされる。
【0153】
この筒状部60に対する雄部材Aの弾性係合片20の差し入れ係合は、筒状部60に備えられているガイドリブ71、71’間に雄部材Aにおけるガイドロッド30を、このガイドロッド30におけるガイド突片31を前記ガイドリブ71、71’におけるガイドスリット73間から突き出させるように差し入れ、且つ、この弾性係合片20の案内板部23における傾斜案内縁23h及びこれに連続される傾斜案内面22jを筒状部40の第1側板部43aの段差面62bから隆起部77’の傾斜面77’aに弾性的に接するように差し入れ、この隆起部77’の傾斜面77’aとの協働によって、当該弾性係合片20相互に互いに近付く向きに弾性的に撓ませるようにして当該筒状部40内に押し入れると共に、この隆起部77’の傾斜面77’aに接している係合凸部22の傾斜外側面22hが該傾斜面77’aから外れ出し、その係合凸部22を、頂端77’bから係合段面77’cに沿って該筒状部40の内奥側に落とし込ませるように弾み戻される弾性係合片20の当該弾み戻しによって,該隆起部77’の係合段面77’cと第2側板部43cの内側面との間に構成される係合部75に当該弾性係合片20の係合凸部22を係合してなされる。
【0154】
また、かかる雌部材Bの筒状部40の係合部75に対する雄部材Aにおける弾性係合片20の係合によって、当該雄部材Aにおける側板部11の段差面11bが雌部材Bの筒状部40における段差面61b、62bに当接可能に近接され、しかも、該雄部材Aにおける帯状体Dを掛け回された掛け回し軸部14が、この掛け回し軸部14における軸線の向きで、覆い板部61によって覆われた態様とされる。
また、このような雄部材Aと雌部材Bとの係合状態において、この係合状態にある雄部材Aと雌部材Bの係合の解除は、この実施の形態に係るバックルにあっては、該係合状態にある雌部材Bにおける筒状部40に対する弾性係合片20の差込側と反対の側からの解除部材Cの差込に操作による当該弾性係合片20の撓み操作による前記係合部75からの解き放しとされ、しかも、この係合部75に対する弾性係合片20の係合状態において、雄部材Aにおける掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dは、前記覆い板部61によって、その緩み側に向けた操作が防止される構成とされる。
【0155】
かかる係合状態にある雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除は、この雌部材Bにおける筒状部40に対する前記弾性係合片20の差込側と反対の側からの解除部材Cの差し入れ、特に、該筒状部40における側板部43の筒内壁面に沿った解除板部82の差し入れによって、この解除板部82における案内面82cを、雄部材Aの前記弾性係合片20における案内板部23の傾斜外側面23h、傾斜案内面22j、外側面22i、傾斜外側面22hに順次接しさせ、この案内面82cとの協働によって、該弾性係合片20相互を互いに近付ける向きに撓め、前記係合部75の係合段面77’cに係合されている係合凸部22の係合を解くことによってなされる。
【0156】
かかる雄部材Aと雌部材Bとは、帯状体Dの一端側に取り付けられた雌部材Bに、当該帯状体Dの他端側を長さ調節可能に取り付けた雄部材Aを差し込み係合状態とすることによって、例えば、複数個の食品収納容器Eなどを相互に一体に連結した緊締状態とするように用いることができる。
また、かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合状態において、雄部材Aにおける掛け回し軸部14に掛け回されている帯状体Dの緩み戻し側に向けた操作が阻止される。
また、かかる雄部材Aと雌部材Bとの係合が、当該筒状部40に対する弾性係合片20の差し込み側と反対の側からの解除部材Cの押し込み操作による該弾性係合片20の撓め操作によって解かれるようにしてあり、当該雄部材Aと雌部材Bとの係合の解除による荷ほどきを当該解除部材Cを有する取扱者のみに限定することができる。
【0157】
【発明の効果】
この発明に係るバックルは、筒状部と帯状体の取付け部とを有する雌部材と、帯状体の取付け部と前記雌部材における筒状部の一方の側から該筒状部内に差し込まれる弾性係合片とを有する雄部材と、前記雌部材における筒状部の他方の側から該筒状部内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部を備えた解除部材とを有し、前記雌部材が、この雌部材の筒状部内に差入れられる前記弾性係合片を該差入れに伴って撓ませる案内部と該弾性係合片の弾み戻し係合される係合部とを該筒状部内に備えており、前記解除部材の差入れ部が、この差入れ部を前記筒状部内に差入れた際に、前記係合部に係合されている前記弾性係合片に接して、該弾性係合片を前記係合部との係合を解く向きに撓ませる案内面を備えており、
前記雄部材と前記雌部材とが、該雄部材における前記弾性係合片の前記筒状部に対する該筒状部の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片と前記係合部との係合によって係合され、且つ、該筒状部の他方の側からの前記解除部材の差入れ部の差入れによる前記弾性係合片と前記係合部との係合の解除によって該雄部材と該雌部材との係合が解かれる構成としてあることから、
このバックルを構成する雄部材と雌部材とを夫々に備えた各帯状体相互を、該雌部材の筒状部に対する前記雄部材の弾性係合片の差し込み係合のみによって、容易に、しかも確実に連結状態として用いることができ、しかも、この雄部材と雌部材との係合による帯状体の連結を当該連結状態にある雌部材の筒状部内に対する解除部材の差入れ操作のみによって解除可能とし、解除部材を有する特定の取扱者のみによる荷ほどき管理をなすようにすることができる効果を有する。
【0158】
また前記の構成に係るバックルにおいて、前記雄部材における前記取付け部が、前記帯状体の挿通される一対の挿通空間を有し且つ該対をなす挿通空間の間を該帯状体の掛け回し軸部としてあると共に、前記雌部材が、前記筒状部に前記雄部材の前記弾性係合片を受け入れて前記係合部に該弾性係合片を係合させた際に、前記雄部材における前記取付け部の少なくとも帯状体を掛け回した前記掛け回し軸部を該掛け回し軸部の軸線方向で両側から覆い隠す覆い板部を該筒状部における前記弾性係合片の差し込み側から突き出し状態に備えている構成としたことによって、
雄部材に取付けられている帯状体を締め込み方向に締め込み、又は、この帯状体を緩み出し方向に緩めた状態で当該雄部材を雌部材に係合することによって、これに取付けられている帯状体相互を当該締め込み又は緩み出し状態において連結することができ、しかも、かかる雄部材と雌部材との係合で帯状体を連結した状態において該雄部材に掛け回されている帯状体の緩み出し方向に向けた緩み出し操作を阻止できる効果を有する。
【0159】
また、前記構成に係るバックルにおいて、前記雌部材が、前記掛け回し軸部の少なくとも一部を前記覆い板部から外方に表れるように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第1係合部と、少なくとも前記掛け回し軸部をその軸線方向で両側から前記覆い板部で覆い隠すように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第2係合部とを備えた構成としたことによって、
各帯状体に取付けられた雄部材の弾性係合片を雌部材における第1係合部に係合させて、これに取付けられている帯状体を容易に連結状態にして用いることができ、しかも、当該連結状態において雄部材に取付けられている帯状体を締め込み方向に向けて締め込み、又は緩み出させることができる効果を有する。また、さらに、帯状体に取付けられた雄部材の弾性係合片を雌部材における第2係合部に係合させて、これに取付けられている帯状体を容易に連結状態にすることができ、当該帯状体の連結の解除を係合解除部材を有する取扱者による筒状部内に対する当該係合解除部材の差し込み操作のみとすることができ、また、この雄部材と雌部材とを係合した帯状体の連結状態において該雄部材に掛け回されている帯状体の緩み出し方向に向けた緩み出し操作を阻止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るバックルにおける雄部材Aと雌部材Bとを組み付けた状態の平面図
【図2】同底面図
【図3】同正面図
【図4】同右側面図
【図5】同左側面図
【図6】図1におけるF−F矢視断面図
【図7】図3におけるG−G矢視断面図
【図8】図3におけるH−H矢視断面図
【図9】同バックルを構成する部品の分離した状態を示す斜視図
【図10】同第1の実施の形態に係るバックルを構成する雌部材Bの平面図
【図11】同底面図
【図12】同正面図
【図13】同右側面図
【図14】同左側面図
【図15】図10におけるI−I矢視断面図
【図16】図12におけるJ−J矢視断面図
【図17】図12におけるK−K矢視断面図
【図18】同第1の実施の形態に係るバックルを構成する雄部材Aの平面図
【図19】同底面図
【図20】同正面図
【図21】同右側面図
【図22】同左側面図
【図23】図18におけるL−L矢視断面図
【図24】同第1の実施の形態に係るバックルを構成する解除部材Cの平面図
【図25】同正面図
【図26】同右側面図
【図27】同左側面図
【図28】図24におけるM−M矢視断面図
【図29】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第1係合部75Aに係合している状態の縦断面図
【図30】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第2係合部75Bに係合している状態の縦断面図
【図31】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第1係合部75Aに係合している状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図32】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける第2係合部75Bに係合している状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図33】同バックルを構成する雄部材Aの該弾性係合片20を雌部材Bの第2係合部75Bに係合している状態で解除部材Cを筒状部40内に差し入れた状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図34】同バックルを構成する雄部材Aの該弾性係合片20を雌部材Bの第2係合部75Bに係合している状態で解除部材Cを筒状部40内に押し入れて雄部材Aの弾性係合片20を撓め、係合部75に対する係合を解除している状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図35】同バックルに帯状体Dを備えて用いている状態を示す斜視図
【図36】第2の実施の形態に係るバックルにおける雄部材Aと雌部材Bとを組み付けた状態の平面図
【図37】同底面図
【図38】同正面図
【図39】同右側面図
【図40】同左側面図
【図41】図36におけるN−N矢視断面図
【図42】図38におけるO−O矢視断面図
【図43】図38におけるP−P矢視断面図
【図44】同バックルを構成する部品を分離した状態の斜視図
【図45】同第2の実施の形態に係るバックルを構成する雌部材Bの平面図
【図46】同底面図
【図47】同正面図
【図48】同右側面図
【図49】同左側面図
【図50】図45におけるQ−Q矢視断面図
【図51】図45におけるR−R矢視断面図
【図52】図47におけるS−S矢視断面図
【図53】図47におけるT−T矢視断面図
【図54】同第2の実施の形態に係るバックルを構成する雄部材Aの平面図
【図55】同底面図
【図56】同正面図
【図57】同右側面図
【図58】同左側面図
【図59】図54におけるU−U矢視断面図
【図60】同第2の実施の形態に係るバックルを構成する解除部材Cの平面図
【図61】同底面図
【図62】同正面図
【図63】同右側面図
【図64】同左側面図
【図65】図60におけるV−V矢視断面図
【図66】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける係合部75に係合している状態の縦断面図
【図67】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bにおける係合部75に係合している状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図68】同バックルを構成する雄部材Aの弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合している状態で解除部材Cを筒状部40内に差し入れた状態を示す縦断面図
【図69】同バックルを構成する雄部材Aの該弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合している状態で解除部材Cを筒状部40内に差し入れた状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図70】同バックルを構成する雄部材Aの該弾性係合片20を雌部材Bの係合部75に係合している状態で解除部材Cを筒状部40内に押し入れて雄部材Aの弾性係合片20を撓め、係合部75に対する係合を解除している状態の筒状部40を水平の向きで断面して示した要部平断面図
【図71】同バックルに帯状体Dを備えて用いている状態を示す斜視図
【図72】従来のバックルを構成する雄部材と雌部材とを分離して示した平面図
【図73】同従来のバックルを構成する雄部材と雌部材とを係合した状態で示した平面図
【符号の説明】
A 雄部材
B 雌部材
C 解除部材
D 帯状体
10 取付け部
20 弾性係合片
40 筒状部
74 案内部
75 係合部
80 差入れ部
82c 案内面
Claims (3)
- 筒状部と帯状体の取付け部とを有する雌部材と、帯状体の取付け部と前記雌部材における筒状部の一方の側から該筒状部内に差し込まれる弾性係合片とを有する雄部材と、前記雌部材における筒状部の他方の側から該筒状部内に抜き差し可能に差入れられる差入れ部を備えた解除部材とを有し、
前記雌部材が、この雌部材の筒状部内に差入れられる前記弾性係合片を該差入れに伴って撓ませる案内部と該弾性係合片の弾み戻し係合される係合部とを該筒状部内に備えており、
前記解除部材の差入れ部が、この差入れ部を前記筒状部内に差入れた際に、前記係合部に係合されている前記弾性係合片に接して、該弾性係合片を前記係合部との係合を解く向きに撓ませる案内面を備えており、
前記雄部材と前記雌部材とが、該雄部材における前記弾性係合片の前記筒状部に対する該筒状部の一方の側からの差入れに伴う該弾性係合片と前記係合部との係合によって係合され、且つ、該筒状部の他方の側からの前記解除部材の差入れ部の差入れによる前記弾性係合片と前記係合部との係合の解除によって該雄部材と該雌部材との係合が解かれることを特徴とするバックル。 - 前記雄部材における前記取付け部が、前記帯状体の挿通される一対の挿通空間を有し且つ該対をなす挿通空間の間を該帯状体の掛け回し軸部としてあると共に、
前記雌部材が、前記筒状部に前記雄部材の前記弾性係合片を受け入れて前記係合部に該弾性係合片を係合させた際に、前記雄部材における前記取付け部の少なくとも帯状体を掛け回した前記掛け回し軸部を該掛け回し軸部の軸線方向で両側から覆い隠す覆い板部を該筒状部における前記弾性係合片の差し込み側から突き出し状態に備えていることを特徴とする請求項1記載のバックル。 - 前記雌部材が、前記掛け回し軸部の少なくとも一部を前記覆い板部から外方に表れるように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第1係合部と、
少なくとも前記掛け回し軸部をその軸線方向で両側から前記覆い板部で覆い隠すように前記筒状部に前記雄部材における前記弾性係合片を差し込んだ差し込み位置で該弾性係合片の係合される第2係合部とを備えていることを特徴とする請求項2記載のバックル。
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