JP3978158B2 - 電子線描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線描画装置のステージ恒温化に関し、さらに具体的には回路パターンが描画される試料の温度を一定に保つようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ヘッドや半導体装置の回路パターン、半導体装置に回路パターンを形成するマスク、レチクルなどの回路パターンを製造する装置において、これら試料に荷電粒子線を照射して回路パターンを製造または検査することが行われている。このとき、荷電粒子線、なかでも電子線は、真空中で使用されることが必須である。
【0003】
以下、電子線を用いて試料に回路パターンを描画する電子線描画装置について説明する。
【0004】
電子線描画装置は、超高真空の環境において電子線を発生し、走査することで半導体基盤上、或いはステッパ等の露光装置に用いられるレチクルと呼ばれるガラス基盤上にLSIパターンを形成する装置である。
【0005】
図5、及び図6を参照しつつ、従来の電子線描画装置の構成について説明する。
【0006】
カラム排気用真空ポンプ50により、真空排気されるカラム1内で発せられた電子線(以下電子ビームとも呼ぶ)は、試料室2内のステージ3に載置される試料10に照射される。試料の位置はステージ3上のバーミラー12をレーザ測長することで管理される。レーザは大気中では、空気の揺らぎ及び気圧の変化に影響を受けやすい為、真空中に干渉計11を配置している。試料室2は定盤4上に載置され、定盤4は振動絶縁の機能を有するマウント5により支持される。
【0007】
更に、マウント5を保持する本体ベース6は、床7に設置されている。また、試料室2は試料室用真空ポンプ51により真空排気され、内部の雰囲気を高真空(例えば10-4Pa台)に保っている。
【0008】
ここで、試料の搬送経路について説明する。
【0009】
始めに予備排気室8(搬送経路に含まれる)のゲートバルブ41を開き、真空ロボット42に搬送される。ゲートバルブ41を閉じて、予備排気室用真空ポンプ52によって大気雰囲気から真空引きされる。試料室2と同程度の真空度になった時にゲートバルブ40を開き、真空ロボット42により試料10をYテーブル13上に搬送する。本構成のステージは、ベース15上にXテーブル14がXガイド21を介して、載置されている。
【0010】
また、Xテーブル14上にYテーブル13がYガイド20を介して載置され、更にYテーブル13上には試料保持機構16、バーミラー12、その他図示しないビーム校正用部品が取り付けられている。ここで、各ガイドはボール、ローラなどを含むコロによる転がり方式(移動手段)、或いは低摩擦材による摺動方式を想定している。
【0011】
描画後は、前述した搬送経路の逆となり、予備排気室8内で真空から大気へと雰囲気を戻して、外部へと試料が搬送される。上記一連の動作により、試料室2が真空状態のまま試料の搬送が可能となり、スループットの向上が計られている。
【0012】
また、描画中のステージの移動速度は可変であり、回路パターンが密な部分はステージの移動速度を低くし、回路パターンが粗い部分はステージの移動速度を速くする。これにより、効率良く描画が可能であり、スループットを向上させている。これらの描画動作は、制御部70に内蔵されるステージ制御部71、及び電子線制御部72により制御される。
【0013】
電子線描画装置では、前述したように電子線のエネルギー損失を防ぐ為に、電子線の経路を高真空に保つ必要があるが、従来の装置構成では以下のような問題点が挙げられる。
(1).ガイドの摩擦熱に伴う温度変化
近年、回路パターンの微細化に伴い、電子線のショット数が増加し、その為1枚当りの試料処理時間が増加している。これにより、前述したような摩擦を伴うガイド構成の場合、ステージ移動に伴い摩擦熱が発生し、徐々に各部材に伝達して、Yテーブル13の温度は変化してしまう。これにより、Yテーブル13上に取り付けられているバーミラー12と試料10間の距離変動ΔXが生じ、描画誤差に繋がる。(図7参照)
(2).駆動系の発熱に伴う温度変化
ガイドの摩擦熱の他、各テーブルの駆動源、及び駆動方式の稼動による発熱による影響が考えられる。
【0014】
(i).駆動源の発熱
一般に使用されている駆動源として、回転型モータ、リニア(直動型)モータ、超音波モータが挙げられるが、これらの駆動源は、稼動することにより一部のエネルギーが熱に変換される。よって、ガイドと同様に描画前と描画中では温度変化が生じて、駆動源から各テーブルに力を伝達する部材によりステージ温度が変化する。
【0015】
(ii).駆動方式の発熱
ボールネジ、摩擦駆動(フリクションドライブ)は、ステージ移動手段として一般的であるが、いずれの方式も摩擦を伴う為、稼動による発熱によりステージ温度の変化を招く恐れが有る。
【0016】
試料の搬送待ち時間中にステージが停止している場合、Yテーブルの温度は描画中よりも下がってしまう。その後、試料を載置し、ビームの校正を行い、描画し始めると温度が上昇して、初めの状態と変わってしまい描画誤差が生ずる。
【0017】
また、回路パターンが微細で描画データが膨大になると、その描画データの転送を待つようにステージが停止する場合がある。この時にも、ステージ稼動中(移動中)との温度変化が生じてしまう。
【0018】
上記(1)で挙げたガイドの発熱による誤差を低減する方法として、各部材の熱膨張係数が小さい材料を選定することが挙げられるが、材料が限定され、高価になる恐れがある。
【0019】
また、Yテーブルに恒温水などの媒体を流し、温度変化を低減させることが考えられるが、真空雰囲気中で、チューブ、或いは弾性金属配管を摺動させる場合、疲労、擦れなどに起因する破損、及び発塵の可能性が高い。
【0020】
上記(2)で挙げた駆動系の発熱に対しては、各部材を恒温水などで温調する手段が考えられるが、各駆動部材に対して温調経路を形成する必要があり、煩雑になる。
【0021】
また、超音波モータはテーブルを直接駆動する構成が多い為、Yテーブルのように2次元で移動する場合、温調経路を引き回して摺動させる必要がある。よって、チューブ、弾性金属配管の使用が必須となり、破損による真空内汚染、及び発塵の可能性がある。
【0022】
また特開2002−353116号公報(特許文献1)に示される電子描画装置は、試料を載置する試料台の上に熱伝導板を設け、この熱伝導板内に発熱電線と温度測定部を設け、温度測定部の測定温度が所定の温度になるように発熱電線の電流を制御する加熱制御装置を備えている。
【0023】
【特許文献1】
特開2002−353116号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例(図5、図6、図7)のものは、チューブ、弾性金属配管等の破損の危険性、発塵、及び温調経路を数多く形成する煩雑(複雑)な構成を有する。また、特許文献1に示すものも熱伝導板、発熱電線、温度測定部、加熱制御装置を備える複雑な構成を有する。
【0025】
本発明の目的とするところは、上記の問題に鑑み、簡単な構成で試料の温度を一定に保つことができるものを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、真空に保たれる試料室と、この試料室内に置かれ、かつ調温部材を備えるベースと、このベース上に置かれ、かつ一方向に行き来する移動自在なるXテーブルと、このXテーブル上に置かれ、かつXテーブルの移動方向と交わる方向に行き来するところの移動自在なるYテーブルと、このYテーブルおよびXテーブルを移動させる駆動源と、この駆動源の作動を制御するステージ制御部とを有し、Yテーブルに載置される試料に電子線を照射して回路パターンを描画する電子線描画装置あって、試料とYテーブルとの間に位置するように温度センサを設け、電子線の照射が行われていない非描画の間に、温度センサが検知する検知温度値と目標温度値との温度差に応じた移動量でYテーブルまたはXテーブルの少なくとも一方を移動させるようにステージ制御部でフィードバック制御することを特徴とする。
【0027】
また本発明は、真空に保たれる試料室と、この試料室内に置かれ、かつ調温部材を備えるベースと、このベース上に置かれ、かつ一方向に行き来する移動自在なるXテーブルと、このXテーブル上に置かれ、かつXテーブルの移動方向と交わる方向に行き来するところの移動自在なるYテーブルと、このYテーブルおよびXテーブルを移動させる駆動源と、この駆動源の作動を制御するステージ制御部とを有し、Yテーブルに載置される試料に電子線を照射して回路パターンを描画する電子線描画装置にあって、描画時間以外にYテーブルまたはXテーブルの少なくとも一方を移動させるルーチンを備えたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の理解を容易にするために第1の実施例を説明する。図1を引用して説明する。
【0029】
まず、電子線描画装置の構成から説明する。
【0030】
図1において、ステージを構成するYテーブル13上にはバーミラー12、試料保持機構16、及び温度センサ30が取り付けられ、ベース15下面には温調部材17が取り付けられている。温調部材17には温調媒体60が出入りする。
【0031】
温度センサ30の出力は、制御部70に送られ、内蔵してある温度変換部73によって温度に変換される。更に、温度に変換された信号は、ステージ制御部71に伝達される。また、試料の搬送経路に含まれる予備排気室8には、試料10の温調を行う温調部として、温調テーブル43が内包されている。温調テーブル43には温調媒体61が出入りする。
前述した従来例と共通するその他詳細は従来例を参照頂きたい。ここで、温調部材17は移動が無い為、配管疲労による破損、及び発塵の可能性は極めて低い。
【0032】
次に、ステージの稼動方法について説明する。
【0033】
試料搬送中、或いは描画データの転送待ち時間など試料を描画していない時間は、ステージを構成するYテーブル13上の温度センサ30により得られたYテーブル13の温度が目標温度に対して低い場合、ステージ3(Xテーブル14、Yテーブル13を含む)を移動させることでガイド、及び図示しない駆動系の発熱によりYテーブル13の温度を上昇させる。Yテーブル13は試料の載置台になっている。
【0034】
この時、目標温度に早く到達させるには、ステージ3の移動速度を速く設定すれば良い為、目標温度とYテーブル13の温度差をステージの移動速度にフィードバックすることで容易にYテーブル13の温度調節が可能である。
【0035】
以下、Yテーブル13の温度を目標温度に近づけるステージ3の動作をダミー動作と呼ぶ。尚、ステージのダミー動作の動きについては、Yテーブル13のみの移動、Xテーブル、及びYテーブルの同時移動、ジグザグ移動、ステップ アンド リピートなど様々な移動方法が考えられるが、ステージ全体の温度安定性を考えると、Xテーブル、及びYテーブル共にフルストローク移動した方が良い。
【0036】
また、XテーブルないしYテーブルの移動、すなわち、XテーブルないしYテーブルの移動量には、移動速度や移動時間等が含まれる。
【0037】
次に、Yテーブル13の温度が目標温度に対して高い場合は、ステージ3(XテーブルないしYテーブル)は停止させておき、温調部材の吸熱によって、目標温度に近づける(このステージ停止動作についてもダミー動作に含める)。従って、温調部材17の設定温度は、Yテーブル13の目標温度よりも低く設定する必要がある。目標温度を23℃とすると、設定温度は20℃程度ある。
【0038】
次に、温度とステージの移動(稼動)の関係について図2に沿って述べる。
【0039】
図2の実線80は、ダミー動作を行った場合のYテーブル温度変化を示したもので、破線81は、従来のYテーブルの温度変化を示している。
【0040】
まず、従来のYテーブルの温度変化について説明する。描画終了の後、試料を搬出し、再び試料が搬入される間、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)は停止している為、ガイド、及び駆動源からの発熱が減少し、Yテーブルの温度は急激に低下する。次に、試料をステージ(Yテーブル)に載置し、ビームの校正を行い、描画を開始するとガイド、及び駆動源からの発熱が増加して徐々にYテーブルの温度が上昇する。
【0041】
更に描画中に描画データの転送待ち時間が有る場合、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)は停止してしまう為、Yテーブルの温度が低下して、描画が開始されると再び上昇する。以上のように従来の装置では、ステージが停止することでYテーブルの温度が低下して、温度変化が大きいことがわかる。
【0042】
一方、本発明の場合、描画終了の後、試料を搬出し、再び試料が搬入される間(電子線の照射が行われていない非描画の間)、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)をダミー動作させておくことで温度低下を回避することができる。
【0043】
次に、試料をステージ(Yテーブル)に載置し、ビームの校正を行い、描画を開始する。描画中の描画データの転送待ち時間が有る場合についても、ステージをダミー動作させて目標温度に近づける。描画後は試料を搬出して、再びステージ(Xテーブル、Yテーブル)をダミー動作させる。これら一連のダミー動作によって、Yテーブルの温度は常に目標温度付近に保たれ、高精度な描画が可能となる。
【0044】
次に、本実施例の流れを図3を用いて説明する。
【0045】
描画終了後、試料受け渡し位置にステージ(Xテーブル、Yテーブル)を位置決めし、試料を搬出して、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)をダミー動作させる。試料がYテーブルに搬送可能な状態になれば、ダミー動作を止めて、試料受け渡し位置に移動して試料を載置する。
【0046】
その時、Yテーブルが許容温度範囲内であれば、ビームの校正を行い、描画を開始する。許容温度範囲外であれば、再びダミー動作を実施し、許容範囲内に収まった後、ビームの校正、描画を実施する。
【0047】
描画中に描画データの転送待ち時間(電子線の照射が行われていない非描画の間)が有れば、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)をダミー動作させて、描画データの転送が終了したら描画を再開する。尚、描画データの転送時間が短い場合がある為、予め転送時間が予測できれば、その待ち時間長さによってダミー動作の要否を決定しても良い。描画が終了すると最初に戻り、再び試料の搬出動作を実施する。
【0048】
ここまで、電子線描画装置(装置)稼動中のダミー動作について述べてきたが、装置の定期検査などで長時間装置が停止している状態からの立上げにおける適用例を述べる。
【0049】
装置が長時間停止している状態から、装置の立上げを行う場合、ステージ(Yテーブル)温度は目標温度から大きく離れている場合がある。従来、立上げ直後の描画では、描画誤差が大きくなり易く、安定性が無かった。
【0050】
それに対して、本発明では、真空排気系、ビームなど停止させていたユニットを立ち上げている間、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)をダミー動作させて目標温度に近づけていく。このダミー動作により、ステージ以外のユニットが立上がった時に、Yテーブルの温度が目標温度付近であれば、直ちに描画が可能となり、描画精度が安定するまでの時間を含めた装置立上げ時間の短縮化に繋がる。
【0051】
以上の立上げ手順を図4のフローに沿って説明する。
【0052】
始めに停止しているユニットを起動し、次にステージ(Xテーブル、Yテーブル)のダミー動作を行う。試料が搬送可能な状態になれば、試料を搬入し、予備排気室で待機させる。ステージのダミー動作を止めて、試料受け渡し位置に移動し、試料をステージ(Yテーブル)に載置する。
【0053】
Yテーブルの温度が目標温度付近で許容温度範囲内であれば、ビームの校正、描画を開始する。また、Yテーブルの温度が許容温度外の場合は、再びステージをダミー動作させて目標温度に近づけて、許容温度範囲内になった後、ビームの校正、描画を開始する。
【0054】
ここで、温調部材の設定温度とステージの移動速度(移動量)の関係について述べる。
【0055】
描画中のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動に伴う発熱量は、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度に関係している。つまり、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度が速ければ、発熱量は大きく、逆にステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度が低ければ、発熱量は小さい。よって、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)の稼動中の発熱量と温調部材の吸熱量、輻射による吸熱、試料室等への伝導による吸熱のバランスによってYテーブルの温度が決まる。従って、温調部材の設定温度は、描画中のステージ移動速度で、ステージを稼動させておき、設定温度を変化させて、Yテーブルの温度が目標温度になるよう調整を行う。
【0056】
一方、描画中に温度変化が大きい場合、例えば回路パターンの密度が試料中で大きく異なる場合などはステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度が変わり、温度変化が生じやすい。この場合は、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)の動きは描画動作に拘束されるので、温調部材の設定温度を変化させる必要がある。或いは、描画データを生成する過程で、なるべく描画中のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度が一定になるようなアルゴリズムを構成することでも、描画中の温度変化を回避できる。
【0057】
次に、試料の温度とYテーブルの温度の関係について図1を参照しつつ説明する。
【0058】
搬送中の試料10が、予備排気により断熱膨張の効果で温度が下がった状況のもとで、Yテーブル13上に取り付けられている試料保持機構16に搬送されると、Yテーブル13の温度に近づくように上昇する。よって、試料10がYテーブル13に載置されて直ちにビームの校正、描画動作を実施すると、Yテーブル13の温度とほぼ同一になるまで試料10の温度が上昇してしまう為、描画し始めに描画誤差が大きくなる。
【0059】
従来では、このような現象を回避する為に、Yテーブル13に試料10を載置後、温度がほぼ同じになるまで一定時間待つ必要があった。この問題については、搬送経路を温度管理することで回避できる。初めに、大気中から予備排気室8内の温調テーブル43に試料10を搬送し、予備排気を行う。真空排気に伴う断熱膨張により試料10は一時的に温度が下がるものの、温調テーブル43はYテーブル13の目標温度に設定していれば、比較的早い時間で試料10は目標温度になる。
【0060】
従って、Yテーブル13に搬送された後、直ちにビームの校正、及び描画動作に移ることが可能となる。また、別の方法として、大気中で描画を待つ試料10を予め、予備排気による温度低下を見込んだ温度に設定可能な温調装置(図示せず)に載置しておけば、予備排気室内の温調テーブル43が無い装置構成でも待ち時間が不要となる。
【0061】
次に、温度センサの出力をステージ(Xテーブル、Yテーブル)のダミー移動にフィードバックしない実施例を説明する。
【0062】
描画時間以外のステージ(Xテーブル、Yテーブル)のダミー移動の方法として、描画時のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の動作をそのまま利用し、ダミー移動させることが考えられる。つまり、試料の受け渡し動作中以外の時間、常に描画中のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の動作をさせることで、Yテーブルの温度低下を防ぐ効果がある。
【0063】
本実施例の特徴は、目標温度からYテーブルの温度差は実施例1よりもやや大きいが、温度によるフィードバック回路を削減でき、装置のルーチンに本動作を追加するだけで、比較的容易に実施できることである。また、実際の描画中のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の動作で無くても、その動きに近い移動速度(例えば描画中のステージ(Xテーブル、Yテーブル)の移動速度の平均値)でも代用可能である。
【0064】
本発明の実施例の電子線描画装置によれば、発塵を防ぎ、真空内の汚染の危険性を回避しつつ、試料を載置するテーブルの恒温化を容易に実現し、試料に形成する回路パターンの高精度な描画が可能となる。殊に、試料を載置するテーブルの恒温化(試料の温度を一定に保つこと)は、既存のYテーブルおよび前記Xテーブルの移動/制御を行う既存の駆動源やステージ制御部を用いて、電子線の照射が行われていない非描画の間に、ステージ(Xテーブル、Yテーブル)を移動させる動作を行わせる簡単な構成なものである。
【0065】
しかも、Yテーブルの上面、すなわち、試料とYテーブルとの間に位置する温度センサが検知する検知温度値と目標温度値との温度差に応じた移動量で、YテーブルおよびXテーブル/YテーブルまたはXテーブルを移動させるようにステージ制御部でフィードバック制御するので、試料の温度がより良く一定に保たれ、より精度の高い回路パターンを描画することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、簡単な構成で試料の温度を一定に保つことができるものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかわるもので、電子線描画装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の実施例にかかわるもので、温度とステージ稼動の関係を示す説明図。
【図3】本発明の実施例にかかわるもので、描画ルーチンを示す説明図。
【図4】本発明の実施例にかかわるもので、装置立上げルーチンを示す説明図。
【図5】従来の電子線描画装置の概略構成を示す図。
【図6】上記従来例のステージ部に係わる概略構成を示す図。
【図7】従来の問題点を示す説明図。
【符号の説明】
1…カラム、2…試料室、3…ステージ、4…定盤、5…マウント、6…本体ベース、7…床、8…予備排気室、10…試料、11…干渉計、12…バーミラー、13…Yテーブル、14…Xテーブル、15…ベース、16…試料保持機構、17…温調部材、20…Yガイド、21…Xガイド、30…温度センサ、40…ゲートバルブ、41…ゲートバルブ、42…真空ロボット、43…試料テーブル、50…カラム排気用真空ポンプ、51…試料室用真空ポンプ、52…予備排気室用真空ポンプ、60…温調媒体、61…温調媒体、70…制御部、71…ステージ制御部、72…電子線制御部、73…温度変換部、80…実線、81…破線。

Claims (6)

  1. 真空に保たれる試料室と、この試料室内に置かれ、かつ調温部材を備えるベースと、このベース上に置かれ、かつ一方向に行き来する移動自在なるXテーブルと、このXテーブル上に置かれ、かつXテーブルの移動方向と交わる方向に行き来するところの移動自在なるYテーブルと、このYテーブルおよび前記Xテーブルを移動させる駆動源と、この駆動源の作動を制御するステージ制御部とを有し、前記Yテーブルに載置される試料に電子線を照射して回路パターンを描画する電子線描画装置において、
    前記試料と前記Yテーブルとの間に位置するように温度センサを設け、
    電子線の照射が行われていない非描画の間に、前記温度センサが検知する検知温度値と目標温度値との温度差に応じた移動量でYテーブルまたは前記Xテーブルの少なくとも一方を移動させるように前記ステージ制御部でフィードバック制御することを特徴とする電子線描画装置。
  2. 請求項1記載の電子線描画装置において、
    前記温度差に応じた移動量は、移動速度または移動時間等を含むことを特徴とする電子線描画装置。
  3. 真空に保たれる試料室と、この試料室内に置かれ、かつ調温部材を備えるベースと、このベース上に置かれ、かつ一方向に行き来する移動自在なるXテーブルと、このXテーブル上に置かれ、かつXテーブルの移動方向と交わる方向に行き来するところの移動自在なるYテーブルと、このYテーブルおよび前記Xテーブルを移動させる駆動源と、この駆動源の作動を制御するステージ制御部とを有し、前記Yテーブルに載置される試料に電子線を照射して回路パターンを描画する電子線描画装置において、
    描画時間以外にYテーブルまたは前記Xテーブルの少なくとも一方を移動させて温度の低下を抑える温度調整のルーチンを備えたことを特徴とする電子線描画装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一つに記載された電子線描画装置において、
    前記試料室に前記試料を搬送する搬送経路を備え、
    前記搬送経路に前記試料の温調が可能な温調部を設けたことを特徴とする電子線描画装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載された電子線描画装置において、
    前記Yテーブルおよび前記Yテーブルの移動手段は回転自在なるコロまたは摺動自在なる摺動部材を含むことを特徴とする電子線描画装置。
  6. 請求項1または請求項2記載の電子線描画装置において、
    前記調温部材の設定温度は、前記目標温度値よりも低いことを特徴とする電子線描画装置。
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