JP3977026B2 - 内視鏡装置用プロセッサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、体腔内を観察し医療処置するための内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、体内を観察するための内視鏡装置は、光源部や画像処理部を備えるプロセッサと、体内に挿入され観察部位を照明すると同時に撮像を行うスコープとから構成される。プロセッサは、撮像される観察部位およびその撮像方法等に最も適した光源を備えるものが選択され使用されていた。
【0003】
例えば、一つの音を連続発生しているときの声帯のように一定の周期性を持って振動する部位を撮像する場合には、まず常に静止状態にあるような他の部位を観察する場合と同様、観察部位周辺の様子を把握するために常時照明することができる通常光源を備えたプロセッサが必要になる。また、振動中の部位の特定の形状のみを静止画として撮像するために間欠的に発光することができるストロボ光源を備えたプロセッサも必要になる。
【0004】
このように撮像する観察部位が異なったり、同一の観察部位でも撮像する方法が異なったりするたびにプロセッサを使い分けるのは術者にとって極めて煩わしいという問題がある。さらに、プロセッサを使い分けるたびに所望の明るさの画像が得られるような光で観察部位を照明するように光量調整を行うのは、術者にとって煩に絶えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、術者に煩わしさを感じさせることなく、様々な撮像方法で観察部位を撮像することができ、かつ撮像方法が変更された場合であっても撮像方法に対応する光源からの光束を短時間で自動的に所定の光量に絞り、所望の明るさの画像を観察しつづけることができる、内視鏡装置用プロセッサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の内視鏡装置用プロセッサは、光を照射する光源、光源から照射される光束の光量を調整する絞り部、絞り部を制御する制御系、を備える少なくとも二つの発光手段と、各発光手段から発光される光束の一つのみを選択してスコープに導く光束選択手段と、光束選択手段によって選択されていない光束の光量を検出する光量検出手段と、を有し、光束選択手段によってスコープに導かれる光束を発光する発光手段において、制御系は、撮像された画像の明るさに対応する輝度信号と所定の明るさに対応する基準信号との電位差が0になるように絞り部を駆動制御し、光束選択手段によって選択されていない光束を発光している他の発光手段において、制御系は、光量検出手段から送信される光量に関する信号と所定の信号との電位差が0になるように絞り部を駆動制御することを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、複数の光源を備えるプロセッサを提供することができる。撮像者が必要とする光源が予め複数搭載されているため、撮像時の準備にかかる手間や負担を軽減することができる。
さらに上記構成によれば、撮像に使用する光束を照射する光源側の制御系は、輝度信号と基準信号とによる閉ループ制御を行うことにより、所定の明るさに対応するより正確な発光制御を可能とする。また、撮像に使用されていない光束を照射する光源側の制御系も、該光束の光量に関する信号と所定の信号とによる閉ループ制御を行っていることより、撮像方法が切り替わり撮像に使用されることになっても、きわめて短時間で、所定の明るさに対応する光量の光束が観察部位に照明されるように発光制御することができる。
【0008】
請求項2に記載の内視鏡装置用プロセッサにおける発光手段は、さらに絞り部の開度を検出する開度検出部を有することを特徴とする。この場合、光束選択手段によってスコープに導かれる光束を発光している発光手段における開度検出部によって検出された絞り部の開度に関する開度信号を上記所定の信号とすることができる。撮像に使用される光束の光量を絞る絞り部の開度信号を所定の信号とすることにより、撮像に使用されない発光手段側でも、所定の明るさに対応するより正確な発光制御が可能になる。
【0009】
請求項3に記載の内視鏡装置用プロセッサによれば、上記開度検出部は、絞り部が完全に閉じている所定の状態からの開度を検出することができる。
【0010】
請求項4に記載の内視鏡装置用プロセッサによれば、上記光束選択手段は、各光路中に挿入自在な遮光板を有し、特定の遮光板を光路中から退避させることによりスコープに導かれる光束の選択を行う構成にすることができる。
また、該遮光板は、発光手段ごとに設けられることができる(請求項5)。
【0011】
請求項6に記載の内視鏡装置用プロセッサによれば、光量検出部は、遮光板における各光束が入射する面に配設されることが望ましい。このように、光量検出部を遮光版に一体形成することにより、各発光手段を簡素な構成にすることができる。
【0012】
請求項7に記載の内視鏡装置用プロセッサは、撮像方法設定手段をさらに有し、光束選択手段は、撮像方法設定手段により設定された撮像方法に対応する光束がスコープに導かれるように駆動することを特徴とする。
【0013】
また請求項8に記載の内視鏡装置用プロセッサは、所定の明るさを設定する明るさ設定手段をさらに有することを特徴とする。
【0014】
これらの発明によれば、より術者のニーズに対応した発光制御が可能なプロセッサを提供することができる。
【0015】
請求項9に記載の内視鏡装置用プロセッサによれば、第一の前記発光手段と第二の前記発光手段とを備え、第一の発光手段の光源は連続的な光を照射する通常光源であり、第二の発光手段の光源は間欠的なストロボ光を照射するストロボ光源である構成にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の内視鏡装置100の概略構成図である。内視鏡装置100は、プロセッサ100a、スコープ部100bとから構成される。プロセッサ100aは、光源部110、メイン制御部120、画像信号処理回路130及びフロントパネルスイッチ150とを有し、マイク140、モニタ160が接続される。スコープ部100bは、CCD170、ライトガイド180とを有する。
【0017】
内視鏡装置100を使用すると観察部位である声帯は次のようにして撮像される。まず、予め患者の喉付近に固定されたマイク140が声帯の動きを発声された音により検出し、検出信号としてメイン制御部120に送信する。メイン制御部120は、波形を整形した検出信号に同期させて、以下に詳述する光源部110の発光制御をする。
【0018】
メイン制御部120の制御に基づいて、光源部110から発光した光は、ライトガイド180内を導かれ、スコープ部100bの先端側の射出端180bから観察部位に向けて照射される。発光状態にあるとき、該先端に備えられているCCD170は、観察部位で反射された光を受光することにより受光面に形成された光学像に対応する電荷を蓄積し、画像信号処理回路130に蓄積電荷に基づく電圧値(画像信号)として出力する。画像信号処理回路130は、入力される画像信号に基づいて所定の処理を行った後、画像信号をビデオ信号としてモニタ160に出力する。モニタ160は、ビデオ信号に対応する画像を表示する。
【0019】
なお術者は、フロントパネルスイッチ150を操作して、ストロボ撮像と通常撮像との切り替えといった撮像方法の設定や撮像時の明るさ設定などを行うことが可能である。
【0020】
本明細書では、一定の周波数で連続振動中にある観察部位(本実施形態では発声中の声帯)の一形状だけを静止画として撮像したり、高速で振動する該観察部位を術者が見やすい適当な速度の動画として撮像したりする方法をストロボ撮像という。これに対して、観察部位および観察部位周辺の状況を全体的に観察するために光を連続的に照射しながら行う撮像方法を通常撮像という。通常撮像は、内視鏡のスコープ部100bを安全確実に観察部位近辺に導入、または抜去する時に使用される。
【0021】
以下、光源部110について説明する。図2は、光源部110の概略構成図である。連続的な光(以下、連続光という)を照射可能な通常光源(キセノン光源)1と間欠的な光(以下、ストロボ光という)を照射可能なストロボ光源6という二種類の異なる仕様の光源を備えている。キセノン光源1側には、キセノン光源1から順に、第一絞り2、第一開度検出センサ3、第一光量検出センサ4、第一シャッタ5が設けられている。また、ストロボ光源6側には、ストロボ光源6から順に、第二絞り7、第二開度検出センサ8、第二光量検出センサ9、第二シャッタ10を備えている。連続光の光路とストロボ光の光路とが交わる位置にはプリズム11が配置され、どちらから入射した光も集光レンズ12に導く。集光レンズ12は、ライトガイド口金180aに入射させるため入射光束を収束する。ライトガイド口金180aは、ライトガイド180の入射端に設けられている。ライトガイド180に入射する光束は、スコープ100b先端に配設されるライトガイド180の射出端180b(図1)から観察部位を照明する。
【0022】
各光源1、6は、共にメイン制御部120によって常時オン(光を照射)するように制御されている。
【0023】
第一絞り2は第一絞りモータ2aによって駆動し、第二絞り7は第二絞りモータ7aによって駆動する。各モータ2a、7aは、ともにメイン制御部120に接続されている。つまり、第一絞り2、第二絞り7は、メイン制御部120によって駆動制御され、入射光束を所定の光量に調整する。この点につき後に詳述する。
【0024】
第一シャッタ5は第一シャッタモータ5aによって駆動し、第二シャッタ10は第二シャッタモータ10aによって駆動する。各モータ5a、10aは、ともにメイン制御部120に接続されている。メイン制御部120は、フロントパネルスイッチ150によって設定された撮像方法に対応する光束のみがプリズム11等を介してスコープ100b先端から観察部位を照明するように各モータ5a、10aを介して第一および第二シャッタ5、10を駆動し、いずれか一方の光束を選択する。つまり、一方のシャッタが光路外に退避し、光束を通過させているときには、もう一方のシャッタは光路内に挿入され、光束を遮光している。
【0025】
図2では、通常撮像時の光源部110を示しているため、ストロボ光が遮光されるように、第二シャッタ10はストロボ光の光路中に挿入されている。また連続光がプリズム11に入射するように、第一シャッタ5は連続光の光路外に退避されている(図2中、実線)。なお、ストロボ撮像時(連続光遮光時)における、第一シャッタ5の状態およびストロボ光の光路を図2中破線で示す。
【0026】
各シャッタ5、10における光束が入射する面には第一光量検出センサ4、第二光量検出センサ9が各々設けられている。これにより、シャッタが光束を遮光しているとき、遮光される光束の光量が光量検出センサによって検出される構造になっている。図2では、第二シャッタ10が光路中に挿入されているため、第二光量検出センサ9がストロボ光の光量を検出している。
【0027】
以上のような光源部110を搭載するプロセッサ100aの発光制御について図3を参照しつつ以下詳説する。図3は、メイン制御部120のうち、本実施形態のプロセッサ100aの通常撮像時における発光制御にかかわる部分の詳細ブロック図である。
【0028】
図3中、スイッチ21〜26、第一加算器27N、第二加算器27S、第一増幅器28N、第二増幅器28S、第一信号処理器29N、第二信号処理器29Sは、メイン制御部120の一部を構成する。なお、以下の説明では便宜上、第一加算器27N、第一増幅器28N、第一信号処理器29N等を使用して連続光の発光制御を行う制御系をキセノン光源側制御系CNと記載し、第二加算器27S、第二増幅器28S、第二信号処理器29S等を使用してストロボ光の発光制御を行う制御系をストロボ光源側制御系CSと記載する。またスイッチ21〜26はどれも、通常撮像時にはα端子側に切り替わり(図3)、ストロボ撮像時にはβ端子側に切り替わる。
【0029】
術者はフロントパネルスイッチ150を介して、撮像方法を通常撮像に設定するとともに、撮像される画像の明るさを設定する。フロントパネルスイッチ150は、設定された所定の明るさに関する信号(以下、明るさ基準信号という)および撮像方法に関する信号を、メイン制御部120に出力する。詳しくは、明るさ基準信号は、スイッチ21を介してキセノン光源側制御系CNの第一加算器27Nに出力される。
【0030】
メイン制御部120は、撮像方法に関する信号に対応して第一および第二シャッタ5、10を駆動制御する。具体的にはメイン制御部120は、図2に示すように、第一シャッタ5を連続光の光路外に退避させ、第二シャッタ10をストロボ光の光路内に挿入する。上記のとおりメイン制御部120は、キセノン光源1およびストロボ光源6を常時オン制御している。従って図3中白抜き矢印線に示すように、連続光はプリズム11を介してスコープ100b先端から観察部位を照明する。また、ストロボ光は第二シャッタ10に設けられた第二光量検出センサ9に入射する。
【0031】
連続光が観察部位を照明することにより撮像が行われ、CCD170から出力される画像信号を受信した画像信号処理回路130は、該画像信号から明るさ成分だけを抽出した輝度信号を生成する。輝度信号は、画像信号処理回路130からメイン制御部120内にあるキセノン光源1側制御系の第一加算器27Nに出力される。
【0032】
第一加算器27Nでは、明るさ基準信号および輝度信号を比較し、二つの信号の電位差Ve1をドライバ2bに印加する。ドライバ2bは、モータ2aを介して第一絞り2を電位差Ve1に対応する量だけ駆動させる。連続光は、電位差Ve1が反映された開度まで駆動した第一絞り2を通過して観察部位を照明する。つまり、画像信号に基づいて生成される輝度信号は随時変化することになる。このようにして通常撮像時、キセノン光源側制御系CNでは、明るさ基準信号と輝度信号との電位差が0になるように第一絞り2を駆動する閉ループ制御が行われる。明るさ基準信号と輝度信号との電位差が0になれば、モニタ160で観察される画像は所定の明るさになる。
【0033】
図4は、第一絞り2および第二絞り7の開度と各絞りを通過した光束が観察部位を照明することにより得られる輝度信号との関係を表したグラフである。図4に示すように各絞り2、7の開度―輝度信号レベルの関係は、略リニアな関係にあり、どちらの傾きも略同一になる。例えば、所定の明るさL1に対応する輝度信号レベルを得たい場合には、長時間観察部位を照明するが比較的光量の少ない連続光を絞る第一絞り2の開度P1よりも、短時間観察部位を照明するものの光量の多いストロボ光を絞る第二絞り7の開度の方を、差k分だけ大きく設定する。差kは、各絞り2、7の開度―輝度信号レベルの関係の傾きが略同一であることから一定である。
【0034】
図4に示す関係によれば、所定の明るさを得るために一方の絞りの開度が現在どの程度であるかが検出されれば、該開度に応じてもう一方の絞りを所定の明るさに対応する開度に調整することが可能であることがわかる。
【0035】
そこで図3に示すように、キセノン光源側制御系では、第一絞り2の開度を第一開度検出センサ3によって検出している。具体的には、第一開度検出センサ3は、第一絞り2が全閉状態(開度0)から、どれだけ開いているかを検出する。そして、検出した開度に関する信号(以下、第一開度信号という)を第一増幅器28Nに出力する。
【0036】
第一開度信号は、第一増幅器28Nによって一定量増幅された後、スイッチ23を介してストロボ光源側制御系CSの第二加算器27Sに出力される。このとき第一増幅器28Nにおいて、第一開度信号は、単に第二加算器27Sで比較できるようなレベルにまで増幅されるだけではなく、図4に示した第一絞り2の開度と第二絞り7の開度との差k(図4参照)分だけ加算されつつ増幅される。
【0037】
上記のように、第二光量検出センサ9は、ストロボ光源6から照射されるストロボ光の入射光量を検出する。検出された光量に関する信号(以下、第二光量信号という)は、第二信号処理器29S、スイッチ24Sを介して第二加算器27Sに入力する。
【0038】
第二加算器27Sは、を第二絞り7に対応するよう所定の処理をした第一開度信号と第二光量信号とを比較し、二つの信号の電位差Ve2をドライバ7bに印加する。ドライバ7bは、モータ7aを介して第二絞り7を電位差Ve2に対応する量だけ駆動させる。ストロボ光は、電位差Ve2が反映された開度まで駆動した第二絞り7を通過して第二光量検出センサ9に受光される。つまり、第二光量検出センサ9から出力される第二光量信号は、第二絞り7の駆動に応じて随時変化することになる。このようにして通常撮像時、ストロボ光源側制御系CSでは、所定処理の施された第一開度信号と第二光量信号との電位差が0になるように第二絞り7を駆動する閉ループ制御が行われる。所定処理の施された第一開度信号と第二光量信号との電位差が0になれば、第二光量検出センサ9で検出される光量は所定の明るさに対応するものとなる。
【0039】
上記発光制御が行われる通常撮像中に術者がフロントパネルスイッチ150を操作してストロボ撮像に切り替えた場合、まずメイン制御部120は、ストロボ光のみがプリズム11で介してスコープ100b先端から観察部位を照明するように、各シャッタ5、10を駆動させる。具体的には、第一シャッタ5を連続光の光路中に挿入し、第二シャッタ10をストロボ光の光路外に退避させる。
【0040】
また、メイン制御部120は各スイッチ21〜26をβ端子に切り替える。これにより明るさ基準信号は、ストロボ光源側制御系CSの第二加算器27Sに出力されることになり、キセノン光源側制御系CNおよびストロボ光源側制御系CSは、上述した通常撮像時の発光制御とは互いに逆の閉ループ制御を行うことになる。各制御系で行われる閉ループ制御は、上記通常撮像時の説明と同一であるため、ここでは説明を省略する。つまり上記通常撮像時における第二絞り7同様、ストロボ撮像時における第一絞り2も、第二開度検出センサ8で検出される第二開度信号と第一光量検出センサ4で検出される第一光量信号とで同様の処理を行うことにより、略所定の明るさに対応した開度になるよう駆動制御される。
【0041】
なお厳密には、第二光量検出センサ9が検出する光量と、観察部位によって反射した光の光量とは微妙に異なる。従って、撮像方法切り替え直後は、実際に得られる画像の明るさを所定の明るさに対応させるための若干の微調整を行う必要がある。しかし上述したように第二絞り7の制御は、通常撮像時において、第一絞り2の制御と連動して行われているため、きわめて短時間に所定の明るさの画像を観察することが可能になる。
【0042】
以上、プロセッサ100aの発光制御について通常撮像時および通常撮像からストロボ撮像への切り替え時を主として説明してきた。本実施形態における各制御系は、ストロボ撮像時およびストロボ撮像から通常撮像への切り替え時にも同様の制御を行い、撮像方法切り替え後きわめて短時間で所定の明るさの画像をモニタ160上に表示させることができる。つまり、連続光を用いて撮像した動画像およびストロボ光を用いて撮像した静止画像は、ともに所定の明るさで観察することができる。
【0043】
また、特定の撮像方法を選択中に、術者は、必要に応じて明るさを変更することも可能である。術者が明るさを変更すると明るさ基準信号が変化するため、各制御系では変化後の明るさ基準信号に対応した閉ループ制御が行われる。
【0044】
以上のように、撮像に用いられる光束の光源側は、所定の明るさの画像が得られるように、輝度信号と明るさ基準信号とを比較する閉ループ制御によって光束の光量を調整する。また撮像に用いられない光束の光源側は、光束遮光手段であるシャッタに一体形成される光量検出センサからの信号と撮像に用いられる光束の光源側の絞りの変位信号とを比較する閉ループ制御によって光束の光量を調整する。以上のように制御系を発光手段ごとに設け、相互に連動して制御させておくことにより、一台のプロセッサに複数の発光手段を搭載した場合に、撮像手段が切り替わっても新たな光量調整を行うことなく、所定の明るさの画像を観察することが可能になる。
【0045】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0046】
上記実施形態では、より正確な制御ができることから、撮像に使用されない光源側の制御系は、撮像に使用される光源側の制御系の絞りの開度信号を比較対象としているが、これに限定されるものではなく他の信号を比較対象にすることもできる。例えば、より簡素な構成にするのであれば、図3中スイッチ21をα端子、β端子ともに電気的に接続し、どちらの制御系も明るさ基準信号を比較対象とすることができる。
【0047】
上記実施形態中、図2を参照しつつ説明した光源部110の配置構成はあくまでも一例であって、これに限定されるものではない。例えば、キセノン光源1とストロボ光源6とを、各光源からの光束の光路が略平行になるように、互いに並べて配置すると共に、各光束をライトガイド口金180aに導くような導光光学系を配置する構成とすることもできる。該配置により、連続光とストロボ光との双方の光路間に各光束の光路と平行に延出する軸を持つ回転自在な各制御系共通のシャッタ(および光量検出センサ)を使用することが可能になり、光源部110の構成を簡素化することができる。
【0048】
また上記実施形態の光源部110は、キセノン光源1とストロボ光源6との二つの光源を備える構成になっているが、これに限定されるものではなく、他の複数の光源を備えることも可能である。また使用する光源も、キセノン光源やストロボ光源ではなく、異なる仕様の光源を使用することもできる。
【0049】
なお、上記実施形態の説明中では、スコープ100bは、先端にCCDを備える電子スコープを想定しているが、本発明は、該電子スコープのみならずファイバースコープに対しても適用することができる。ただしこの場合、自動調光はできない。
【0050】
【発明の効果】
このように本発明の内視鏡装置用プロセッサは、複数の光源を備え、かつ各光源の制御系を互いに連動する閉ループ制御とすることにより、撮像方法の切り替えに伴い、撮像に使用する光源を切り替えた場合であってもきわめて短時間で所定の明るさの画像を撮像、観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の内視鏡装置用プロセッサを搭載する内視鏡装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態の内視鏡装置用プロセッサの光源部の概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態の内視鏡装置用プロセッサの発光制御を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の第一絞りおよび第二絞りの開度と輝度信号との関係を表したグラフである。
【符号の説明】
1 通常光源(キセノン光源)
2 第一絞り
3 第一開度検出センサ
4 第一光量検出センサ
5 第一シャッタ
6 キセノン光源
7 第二絞り
8 第二開度検出センサ
9 第二光量検出センサ
10 第二シャッタ
100 内視鏡装置
100a 内視鏡装置用プロセッサ
110 光源部
120 メイン制御部
Claims (9)
- 光を照射する光源、前記光源から照射される光束の光量を調整する絞り部、前記絞り部を制御する制御系、を備える少なくとも二つの発光手段と、
各発光手段から発光される光束の一つのみを選択してスコープに導く光束選択手段と、
前記光束選択手段によって選択されていない光束の光量を検出する光量検出手段と、を有し、
前記光束選択手段によってスコープに導かれる光束を発光する発光手段において、制御系は、撮像された画像の明るさに対応する輝度信号と所定の明るさに対応する基準信号との電位差が0になるように絞り部を駆動制御し、
前記光束選択手段によって選択されていない光束を発光している他の発光手段において、制御系は、前記光量検出手段から送信される光量に関する信号と所定の信号との電位差が0になるように絞り部を駆動制御すること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項1に記載の内視鏡装置用プロセッサにおいて、
前記発光手段は、さらに前記絞り部の開度を検出する開度検出部を有し、
前記所定の信号とは、前記光束選択手段によってスコープに導かれる光束を発光している発光手段における開度検出部によって検出された前記絞り部の開度に関する開度信号であること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項2に記載の内視鏡装置用プロセッサにおいて、
前記開度検出部は、前記絞り部が完全に閉じている所定の状態からの開度を検出すること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡装置用プロセッサにおいて、
前記光束選択手段は、各光路中に挿入自在な遮光板を有し、特定の遮光板を光路中から退避させることによりスコープに導かれる光束の選択を行うこと、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項4に記載の内視鏡装置用プロセッサにおいて、
前記遮光板は、前記発光手段ごとに設けられること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項4または請求項5に記載の内視鏡装置用プロセッサにおいて、
前記光量検出部は、前記遮光板における各光束が入射する面に配設されること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の内視鏡装置用プロセッサは、
撮像方法設定手段をさらに有し、
前記光束選択手段は、前記撮像方法設定手段により設定された撮像方法に対応する光束がスコープに導かれるように駆動すること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡装置用プロセッサは、
前記所定の明るさを設定する明るさ設定手段をさらに有すること、を特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の内視鏡装置用プロセッサは、
第一の前記発光手段と第二の前記発光手段とを備え、
前記第一の発光手段の光源は、連続的な光を照射する通常光源であり、
前記第二の発光手段の光源は、間欠的なストロボ光を照射するストロボ光源であることを特徴とする内視鏡装置用プロセッサ。
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