JP4027603B2 - 内視鏡用光源システムおよび内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡、特に声帯の観察に使用される内視鏡に搭載される光源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な患部を撮影する内視鏡が実用化されている。その中の一つである声帯のように高速で連続振動する患部を撮影するための内視鏡は、少なくとも、患部の連続振動を撮影者の目視できる程度の適切な速度の動画として撮影する機能と、振動中の特定の部位や形状のみを静止画として撮影する機能とを備える必要があった。
【0003】
そこで従来、常時発光する通常の光源のかわりに、間欠的に発光するストロボ光源を備えた内視鏡が用いられていた。このような内視鏡は、ストロボ光源の発光タイミングを声帯の振動の周波数に同期させる発光制御を行うことにより、上記の各種撮影を可能にしている。
【0004】
しかし上記のストロボ光源は、高価なだけでなく、発光に伴い騒音や電磁波等が発生するといった弊害がある。使用中に発せられる騒音は、撮影者(例えば医師)および被撮影者(例えば患者)にとって非常に耳障りである。さらに電磁波が発生すると、他の医療機器が誤動作する現象が起こりかねない。つまり検査・処置室に配置される医療機器にはふさわしくない、早急に解決すべき問題を抱えている。
【0005】
また、患部の状態は患者ごとに異なる。例えば、声帯が患部である場合、男性と女性とでは発声時の声帯の振動周波数の差が100Hzから300Hz程度生じる。このような個人差を考慮した撮影が容易に行われる装置が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、操作に支障を生じる諸原因を抑え、かつ患者の個人差による撮影への影響を低減し、撮影者が必要とする映像の撮影を可能とする、内視鏡用光源システムおよび内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の内視鏡用光源システムは、一つの光源と、光源から照射される光の光路上に設けられ、少なくとも一つの第一の開口と第1の開口間に形成される遮光領域とを備える第一の調光部材と、光源から照射される光の光路上に設けられ、第二の開口を備える第二の調光部材と、所定の周波数で振動する患部の周波数に同期して、第一の調光部材を駆動制御する制御手段と、第二の開口の開口幅を変更する開口幅変更手段と、を有し、第一の開口が第二の開口を通過することにより光源から照射される光が間欠的に発光されることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、ストロボ光源は使用しないため、ストロボ発光に伴う騒音や電磁波等の発生のおそれもなくなり、撮影者の不快感を無くし、他の医療機器への影響も抑えることができる。
【0009】
また、第二の開口の開口幅を可変にすることにより、ストロボ発光時間を任意に変更することができる。従って、患部の個人差に対応して、ストロボ発光時間を変化させることによっていつでも所望の撮影結果を得ることができる。
【0010】
請求項2に記載の内視鏡用光源システムによれば、周波数を検出する検出手段をさらに有するのが好ましい。この場合、制御手段は、検出手段によって検出される周波数に同期して第一の調光手段を駆動制御することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、開口幅変更手段は、検出手段によって検出される患部の振動周波数が高いときは開口幅を狭め、患部の振動周波数が低いときは、開口幅を広げることができる。
【0012】
これにより、性別や年齢によって異なる患部の振動周波数に対応した撮影を行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、開口幅変更手段は、検出手段によって検出される患部の振動周波数の一波長内において、患部の形状変化の速度が速い場合には、速度に応じて前記開口幅を狭め、患部の形状変化の速度が遅い場合には、速度に応じて開口幅を広げることができる。
【0014】
これにより、特定の患部を撮影中でも、その患部の振動の状態に応じて、ぶれを抑えたり、明るくしたりするといった、きめ細かな撮影を行うことができる。
【0015】
請求項6に記載の内視鏡用光源システムは、間欠的に発光される光の発光タイミングの位相を患部の振動の波形に対して変更する位相変更手段をさらに有することを特徴とする。該位相変更手段は、第二の開口が光束内を移動するように前記第二の調光手段を移動させることにより、前記位相を変更することができる(請求項7)。
【0016】
この発明によれば、発光タイミングの位相を患部の振動の波形に対してずらすことができるため、振動中の患部の異なる形状を照明することが可能になる。
【0017】
請求項8に記載の内視鏡用光源システムによれば、声帯が患部である場合に使用することができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、周期性を持って振動する患部を通常観察し、ストロボ静止撮影し、あるいはストロボ動画撮影する内視鏡に関する。該内視鏡は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡用光源システムと、これらの光源システムからの光を照射する先端部および照明される患部の光学像を撮像する撮像手段を備えるスコープ部とを有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の光源システム10を搭載する内視鏡の概略構成図である。内視鏡100は、本体部100a、スコープ部100bとから構成される。本体部100aは、光源システム10、メイン制御部20、映像処理回路30、骨伝導型マイク40、パネルスイッチ50、モニタ60とを有する。スコープ部100bは、CCD70、ライトガイド80とを有する。
【0020】
内視鏡100を使用すると患部である声帯は次のようにして撮影される。まず、予め患者の喉付近に固定されたマイク40が声帯の動きを検出し、検出信号としてメイン制御部20に送信する。メイン制御部20は、波形を整形した検出信号に同期させて、以下に詳述する光源システム10の発光制御をする。
【0021】
メイン制御部20の制御に基づいて、光源システム10から照射される光は、ライトガイド80内を導かれ、スコープ部100bの先端から発光する。発光状態にあるとき、該先端に備えられているCCD70は、入射する光により受光面に形成された光学像に対応する電荷を蓄積し、映像信号処理回路30に出力する。映像信号処理回路30は、入力される電荷に基づいて所定の処理を行った後、映像信号をモニタ60に出力する。モニタ60は、映像信号に対応する画像を表示する。
【0022】
なお撮影者は、パネルスイッチ50や図示しないパーソナルコンピュータ等を操作して、メイン制御部20に撮影に関する指示をすることが可能である。例えば、通常撮影やストロボ静止撮影、ストロボ動画撮影といった各種モードの切り替えをはじめ様々な設定を行うことができる。
【0023】
本明細書では、患部周辺の状況を撮影し、内視鏡のスコープ部100bを安全確実に患部位置に導入、または導出する際等に使用される撮影モードを通常撮影という。連続振動中にある患部(本実施形態では発声中の声帯)の一形状だけを抽出して撮影し静止画として撮影するモードをストロボ静止撮影という。また、高速で振動する患部を撮影者の見やすい適当な速度の動画として撮影するモードをストロボ動画撮影という。
【0024】
図2は、本発明の実施形態の光源システム10の構成を示す概略図である。光源システム10は、回転円板1、可動スリット2、白色光源3、絞り4、集光レンズ5、ライトガイド口金6、回転円板1用駆動部7、可動スリット2用駆動部8を有する。
【0025】
回転円板1は駆動部7を介して、可動スリット2は駆動部8を介してそれぞれメイン制御部20に接続されている。白色光源3は、本実施形態ではキセノンランプを使用しており、電源がオンされているときは常時発光している。絞り4は、白色光源3から照射される光束を所定の幅に絞る。
【0026】
図3は、回転円板1および可動スリット2を白色光源3側から見た図である。図3Aは、回転円板1および可動スリット2の全体図、図3Bは、回転円板1および可動スリット2の光入射位置近傍の拡大図である。図3Aに示すように回転円板1は、複数の長方形状のギャップ1aと二つのギャップ1a間にある遮光領域1bとを有する。回転円板1は、駆動部7によって白色光源3からの光の直進方向と平行な軸を中心として回転自在な状態にある。ギャップ1aは、スリット2aを透過した光が2以上のギャップ1aに入射することがないような所定の間隔をおいて回転円板1上に配設されている。また、ギャップ1aは、隣り合う二つのギャップ1aのなす角度が均等になる(各遮光領域1bの面積が等しくなる)ように等間隔に配設される。
【0027】
図4は、可動スリット2の拡大図である。可動スリット2は、一対の支持レール2c間に配設された二枚の遮光板2bを有し、二枚の遮光板2bおよび一対の支持レール2cとによって、長方形状のスリット2aが形成されている。本実施形態の光源システム10は、ギャップ1aと遮光領域1bとスリット2aとを用いて白色光源3からの光を透過し、あるいは遮光するシャッタ構造を作り出すことにより、擬似的にストロボ発光を形成する。
【0028】
各遮光板2bは、それぞれ第一カム8bを介して第一モータ8aに接続されている。第一モータ8aを駆動させ、各遮光板2bを支持レール2cに沿って互いに遠ざける方向(図4中、矢印Dw)に移動させることによりスリット2aの幅を広げることができる。同様に第一モータ8aを駆動させ、各遮光板2bを支持レール2cに沿って互いに近づける方向(図4中、矢印Dn)に移動させることによりスリット2aの幅を狭めることができる。
【0029】
各第一モータ8aは、モータ台8c上に固定されている。モータ台8cは、第二カム8eを介して、基台上にある第二モータ8dに接続されている。第二モータ8dを駆動させることで可動スリット2全体を所定の方向に移動させることができる。所定の方向とは、図3Bの破線矢印Dgに示すギャップ1aが光束を横切る方向およびその逆方向と同一、つまり、矢印Dsに示す方向(図3B、図4)およびその逆方向である。なお、各モータ8a、8d、各カム8b、8e、モータ台8cは駆動部8の一部を構成する。各モータ8a、8dは、メイン制御部20からの駆動信号によって駆動制御される(図2参照)。
【0030】
高速で連続振動する声帯を確実にストロボ静止撮影およびストロボ動画撮影するためには、声帯の周波数をf0とすると、ギャップ1aと遮光領域1bとスリット2aとによって形成されるシャッタ構造の開閉の周波数f2が、次の条件(1)を満たせばよい。
f2=f0/k・・・(1)
但し、kは正の整数である。
【0031】
ここでギャップ1aをn個備える回転円板1の一秒あたりの回転数をf1とすると、シャッタ構造の開閉の周波数f2は、f1にnを乗じた値に等しい。従って、条件(1)は、次の条件(2)のように表すことができる。
f1=f0/nk・・・(2)
但し、nは正の整数である。
回転円板1は、一秒あたりの回転数f1が条件(2)を満たすような所定の速度で、メイン制御部20によって、回転制御される。すなわち回転円板1は、マイク40で検出された声帯の動きに同期した速度で回転制御されている。
【0032】
スリット2aは、可動スリット2に入射する光束の一部を透過する(図3B参照)。そして回転円板1が回転することでギャップ1aがスリット2aを通過する時間だけ、白色光源3からの光は、可動スリット2、回転円板1を順に透過し集光レンズ5に入射する。
【0033】
集光レンズ5は、入射光束を、ライトガイド口金6(およびライトガイド80)内に入射するように光束を収束する。また、ライトガイド口金6は、ライトガイド80の一端と接続されており、入射する光束をライトガイド80の他端(すなわち、スコープ部100bの先端)に導く(図2参照)。
【0034】
以下、光源システム10の発光制御を詳説する。複数のギャップ1aを備え、条件(2)を満たす速度で回転する回転円板1とスリット幅を変更できかつ可動状態にある可動スリット2を用いてシャッタ構造を形成することにより、以下の発光制御が可能になる。
【0035】
まず、第一の実施例として声帯の振動周波数の高低に対応した発光制御が可能になる。図5は、声帯の振動周波数が高い場合の発光制御を示し、図6は、声帯の振動周波数が低い場合の発光制御を示す。図5、図6とも、(A)はギャップ1aがスリット2aを横切る様子を表し、(B)はマイク40からの出力波形およびストロボ発光時間を示す。
【0036】
なお、図5、図6中(A)は、スリット2aの中心とスリット2aを通過するギャップ1aの中心とが略一致した瞬間を図示している。声は、声帯の振動によって発生するため、同図中(B)におけるマイク出力波形は、声帯の形状の変化に対応する。つまり、マイク40によって検出された波形が山であるとき、モニタ60に表示された声帯は略開放状態である。ストロボ発光時間とは、ギャップ1aがスリット2aを完全に通過するまでの時間と一致する。後述する図7におけるマイクの出力波形やストロボ発光時間も同様である。
【0037】
メイン制御部20には、予め基準となる周波数の値および基準値のときに設定される基準スリット幅が入力されている。そして、メイン制御部20は、マイク40から検出される声帯の振動周波数と上記基準値とを比較し、比較結果に基づいて、次の制御を行う。
【0038】
図5(B)に示すようにマイク40から検出される声帯の振動周波数が高い場合、メイン制御部20は駆動部8の第1モータ8aを駆動し、基準スリット幅よりもスリット幅を狭く設定する(図5(A))。スリット幅が狭いため、ギャップ1aのスリット2a通過時間、つまりストロボ発光時間(図5(B))も短い。つまり、患部を照射する時間(いわゆる露光時間)が短くなり、高い周波数で振動する声帯の一形状をぶれのない状態でストロボ静止撮影することができる。
【0039】
一方、図6(B)に示すようにマイク40から検出される声帯の振動周波数が低い場合、メイン制御部20は駆動部8の第一モータ8aを駆動し、基準スリット幅よりもスリット幅を広く設定する(図6(A))。スリット幅を広げると、ストロボ発光時間(図6(B))が長くなる。つまり、露光時間が長くなり、低い周波数で振動する声帯の一形状をより明るくストロボ静止撮影することができる。
【0040】
声帯の振動周波数と基準値との差が大きければ大きいほど、スリット幅も基準スリット幅よりもより広く、またはより狭く設定される。
【0041】
なお現在、モニタ60に表示される形状とは異なる形状の声帯を静止撮影したい場合には、発光タイミングの位相を声帯の振動の波形に対してずらせばよい。具体的には、パネルスイッチ50を操作して、可動スリット2を移動させて任意の位置で固定させる。これにより異なる形状の声帯を静止撮影できる。さらにストロボ動画撮影を行いたい場合には、可動スリット2の移動を所定のタイミング、例えばメイン制御部20からの垂直同期信号の立ち上がりに対応させて自動的に行う。これにより、発光タイミングの位相が声帯の振動の波形に対して定期的にずれることになるため、声帯の振動周波数に対応した状態にあり、かつ観察に適した速度の動画をモニタ60上で得ることができる。
【0042】
また、上記では、声帯の振動周波数と基準値との差に対応してスリット幅も随時変化する構成を説明したが、所定の値ずつ区切られた複数の周波数のブロックを設定しておき、振動周波数が該当するブロックに対応するスリット幅を設定する構成でも良い。
【0043】
以上が第一実施例である。第一実施例の発光制御を行い、発光時間を調整することにより、撮影者は各患者の声帯の振動周波数に対応した最適な状態にある撮影内容を得ることができる。つまり、光源システム10を備えた内視鏡100を用いれば、患者の性別の違いや年齢の違い等が原因で生じる声帯の振動周波数の高低差による影響をなくして撮影することができる。
【0044】
光源システム10の第2の実施例として、振動する声帯の形状に対応した発光制御が可能になる。図7は、マイク40からの出力波形およびストロボ発光時間そして発光時の可動スリット2の状態を図示したものである。また、図7中(A)、(B)は、それぞれ可動スリット2の状態を示す。
【0045】
図7に示すように、マイク出力波形が山や谷近傍のとき(つまり声帯が開放または閉塞しているとき)と、山から谷または谷から山へ推移するとき(つまり声帯が開放と閉塞の中間形状にあるとき)とでは、声帯の形状変化の度合いに差がある。つまり、山や谷のときよりも山から谷または谷から山へ推移するときの方が、単位時間あたりの声帯の形状変化が速い。そこで、第二の実施例では、マイク40から出力される波形に基づき、メイン制御部20が、声帯の形状に適した露光が行われるように、スリット2aのスリット幅を変化させる。なお第一実施例同様、メイン制御部20には、予め基準となるスリット幅が入力されている。
【0046】
メイン制御部20は、マイク出力波形が山(谷)近傍の時には、図7(A)に示すように、遮光板2bを矢印Dw方向に移動させ、基準スリット幅よりもスリット2aの幅を広げる。スリット2aの幅を広げることにより、患部の露光時間が長くなり、形状変化の比較的ゆっくりな時期にある声帯の一形状をより明るくストロボ静止撮影することができる。
【0047】
一方、メイン制御部20は、マイク出力波形が山から谷または谷から山へ推移する時には、図7(B)に示すように遮光板2bを矢印Dn方向に移動させ、基準スリット幅よりもスリット2aの幅を狭める。スリット2aの幅を狭めることにより、患部の露光時間が短くなり、形状変化の速い時期にある声帯の一形状をぶれることなくストロボ静止撮影することができる。
【0048】
第二の実施例の発光制御を行いつつ、ストロボ動画撮影を行うことも可能である。ストロボ動画撮影時には、メイン制御部20がさらに所定のタイミング、例えばメイン制御部20からの垂直同期信号の立ち上がりに対応させて可動スリット2の移動を制御し、発光タイミングの位相を声帯の振動の波形に対して徐々にずらせばよい。これにより、声帯の形状変化の速度に即した発光制御のもと、観察に適した速度で動く動画を得ることができる。以上が第二実施例である。なお、第一実施例と第二実施例とに記す発光制御は、それぞれ単独で行ってもよいが、両者を併せた状態で発光制御することも可能であり、そのほうがより好ましい実施例といえる。
【0049】
なお、光源システム10を搭載する内視鏡100の場合、通常撮影は以下のようにして行われる。通常撮影モードが設定されると、回転円板1は、図示しない駆動手段によって光路上から退避する方向(図3A中、左右方向)へ移動されている。そして白色光源3からの光がスリット2を介して、直接集光レンズ5に入射する構成にする。これにより、白色光源3からの光によって、体内は常時照明され、通常撮影を行うことができる。
【0050】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0051】
上述した実施形態では、患部を声帯と仮定して説明したが、内視鏡100は、声帯を撮影するときのみ使用されるものではない。例えば、鼓動を続ける心臓等、他の振動する患部を撮影するときにも使用できるほか、常に静止状態にある患部も当然撮影可能である。声帯以外の振動する患部を撮影するとき、場合によっては、マイク40以外の他の振動検出手段を用いることができる。
【0052】
また、上記実施形態における可動スリット2は、2枚の遮光板2bとその間に形成されるスリット2aとから形成されているが、この形状に限るものではない。例えば、開口を有する円板を二枚使用して、該開口の重ね具合により、スリット幅を可変にすることも可能である。また、可動スリット2と同一構造であっても、一方の遮光板2bのみにカムおよびモータを設けて可動状態にし、もう一方は、指示レール2cに固定してしまうことも可能である。
【0053】
また、上記実施形態では、スリット2aのスリット幅の変更は、マイクからの出力波形に基づいてメイン制御部20が自動的に制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、撮影者自らパネルスイッチ50等を用いてスリット幅を変更することも可能である。
【0054】
さらに本実施形態ではギャップ1aを複数備えた回転円板1を回転させているが、可動スリット2と組み合わせることによりシャッタとしての効果を奏することができる部材であれば、上記形状に限定されるものではない。例えば、回転円板1に設けるギャップ1aは、長方形状であると説明したが、上記条件(2)を満たしていれば、円形状等他の形状であってもよい。
【0055】
さらに、スコープ部100bは、電子スコープ、ファイバスコープいずれのタイプでも使用することができる。スコープ部100bに備えられるCCD70は、モノクロ、カラーいずれのタイプでも良い。
【0056】
【発明の効果】
このように本発明は、単一の通常光源を通常撮影のみならずストロボ撮影にも兼用することにより、電磁波等の操作に支障をもたらす諸原因を抑えた安価でかつ簡素な光源システムを提供することができる。さらにストロボ発光する時間を任意に変えることにより、患者ごとに異なる患部の振動周波数による影響を低減し、撮影者が必要とする映像の撮影をすることができる。例えば、声帯の振動周波数が高いとき等には、ぶれのない声帯の形状を撮影することができ、声帯の振動周波数が低いとき等には、より明るい画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光源システムを搭載する内視鏡の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態の光源システムの構成を示す概略図である。
【図3】光源システムの回転円板および可動スリットを白色光源側から見た図である。
【図4】本実施形態の光源システムの可動スリットの拡大図である。
【図5】本実施形態の光源システムの第一実施例を示す。
【図6】本実施形態の光源システムの第一実施例を示す。
【図7】本実施形態の光源システムの第二実施例を示す。
【符号の説明】
1 回転円板
1a ギャップ
2 可動スリット
2a スリット
3 白色光源
8 駆動部
10 光源システム
20 メイン制御部
40 骨伝導型マイク
70 CCD
100 内視鏡
Claims (10)
- 一つの光源と、前記光源から照射される光の光路上に設けられ、少なくとも一つの第一の開口と前記第1の開口間に形成される遮光領域とを備える第一の調光部材と、前記光源から照射される光の光路上に設けられ、第二の開口を備える第二の調光部材と、所定の周波数で振動する患部の前記周波数に同期して、前記第一の調光部材を駆動制御する制御手段と、前記第二の開口の開口幅を変更する開口幅変更手段と、を有し、前記第一の開口が前記第二の開口を通過することにより前記光源から照射される光が間欠的に発光されること、を特徴とする内視鏡用光源システム。
- 請求項1に記載の内視鏡用光源システムは、前記周波数を検出する検出手段をさらに有すること、を特徴とする内視鏡用光源システム。
- 請求項2に記載の内視鏡用光源システムにおいて、前記開口幅変更手段は、前記検出手段によって検出される前記患部の振動周波数が高くなれば前記開口幅を狭め、前記患部の振動周波数が低くなれば前記開口幅を広げることを特徴とする、内視鏡用光源システム。
- 請求項2または請求項3に記載の内視鏡用光源システムにおいて、前記開口幅変更手段は、前記検出手段によって検出される前記患部の振動周波数の一波長内において、前記患部の形状変化の速度が速いときには、前記速度に応じて前記開口幅を狭め、前記患部の形状変化の速度が遅いときには、前記速度に応じて前記開口幅を広げることを特徴とする、内視鏡用光源システム。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の内視鏡用光源システムにおいて、前記制御手段は、前記患部の振動周波数と、前記第一の開口が前記第二の開口に対応する位置を通過する周期とが所定の関係になるように前記第1の調光部材の駆動速度を制御すること、を特徴とする内視鏡用光源システム。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の内視鏡用光源システムは、前記間欠的に発光される光の発光タイミングの位相を前記患部の振動の波形に対して変更する位相変更手段をさらに有することを特徴とする内視鏡用光源システム。
- 請求項6に記載の内視鏡用光源システムにおいて、前記位相変更手段は、前記第二の開口が光束内を移動するように前記第二の調光手段を移動させることにより、前記位相を変更すること、を特徴とする内視鏡用光源システム。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡用光源システムにおいて、前記患部は、声帯であることを特徴とする内視鏡用光源システム。
- 周期性を持って振動する患部を通常観察し、ストロボ静止撮影し、あるいはストロボ動画撮影する内視鏡において、請求項1から請求項8のいずれかに記載の内視鏡用光源システムと、前記光源システムからの光を照射する先端部および照明される前記患部の光学像を撮像する撮像手段を備えるスコープ部と、を有することを特徴とする内視鏡。
- 請求項9に記載の内視鏡において、第二の調光部材は、ストロボ動画撮影時、第二の開口が光源から照射される光束内を移動するように所定のタイミングで移動されることを特徴とする内視鏡。
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