JP3976572B2 - 回路液体充填・排出装置並びに回路のプライミング方法及びドレイン方法 - Google Patents

回路液体充填・排出装置並びに回路のプライミング方法及びドレイン方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回路液体充填・排出装置並びに回路のプライミング方法及びドレイン方法に関し、さらに詳しくは、例えば医療用の回路への液体の充填及び前記回路からの液体の排出を無菌的に、確実に、安全に、また容易に行うことのできる回路液体充填・排出装置、並びにそのような装置を用いたプライミング方法及びドレイン方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工心肺の回路のような、チューブ、熱交換器、限外濾過膜や血漿分離膜などの膜等から構成される医療用回路においては、その回路から空気を排除し、その回路に液体を充填する操作、すなわちプライミング、及びその回路から液体を排出する操作、すなわちドレインを行うことが必要になる。
【0003】
このような回路のプライミングにおいては、(1)患者等の感染がないように無菌的にそれを行うことができること、(2)処理液の充填後に回路に気泡等が残存していると、患者や医療機器に悪影響を及ぼすので、回路に気泡等の残存がないように確実にそれを行うことができること、(3)頻繁に行う操作であるので、容易にその操作をすることができることが要求される。
【0004】
しかし従来のプライミング方法においては、これらの要求を満たした操作をすることが困難であった。
【0005】
上記(1)については、従来のプライミングにおいては、自由落下又はポンプによって回路に液体を送り込むので、大気に開放される部分が回路内にあることが必要になり、その開放される部分から回路内に菌が混入する可能性があり、無菌的に行うことは困難であった。
【0006】
このような場合、回路の空気溜まりになる部分にエアベントフィルターを取り付ければ、無菌的にプライミングすることは可能になるが、そのようにすると、その取り付け箇所の回路内部が陰圧になったときに、エアベントフィルターを通して回路外から回路内に空気が吸引される場合がある。そのような場合、患者と回路とが接続されている場合には、患者の体内に空気が流入する可能性が大きく、危険であり、患者と回路とが直接接続されていない場合でも、間接的に患者の体内に空気が混入する可能性があり、危険である。その回路が医療用でない場合であっても、回路内への空気の吸引は、熱交換効率の低下などの弊を招く。またエアベントフィルターは、チューブ等とは通常その材質が異なるので、リサイクル性に欠け、エアベントフィルターを使用すると、廃棄物が多くなる。このような理由から、特に医療用ディスポーザブル回路の自動プライミングを考慮した場合には、エアベントフィルターの使用は実質的に不可能である。
【0007】
また回路を無菌的にプライミングするために、回路に弁を取り付けて回路を閉回路にしたとしても、弁を開放したときには大気開放になって、回路内に弁から雑菌が混入する可能性があり、またそのような方法は、チューブへの弁の装着操作が必要になって、操作が煩雑になる。
【0008】
上記(2)については、従来のプライミングでは、単に自由落下又はポンプによって回路に液体を送り込むだけであるので、回路の複雑に湾曲した部分などに存在する空気を排出することは困難であり、確実に空気を排出することはできなかった。
【0009】
上記(3)については、上記(2)に対して示した理由から、従来のプライミングでは、前記のような部分に存在する空気を追い出すために、プライミング中に回路を構成する膜や熱交換器などを逆さまにしたり、これらに鉗子等で衝撃を与えたりする操作が必要であり、その結果作業が煩雑であった。特に医療用回路では、構成が複雑であるので、前記操作の実施に困難が伴った。その操作を実施しやすくするために前記膜や熱交換器をつなぐチューブを長くすると、回路内のプライミングボリュームが大きくなる欠点が生じた。
【0010】
また前記回路のドレインにおいては、(4)処理液の排出後に液体が回路に残存していると、衛生等の問題があることから、回路に処理液の残存がないように確実に行うことができること、(5)頻繁に行う操作であるので、容易に操作をすることができること、(6)作業者が処理液を浴びることなどにより、作業者が被害を受けることがないように安全に操作をすることができることが要求される。
【0011】
しかし従来のドレイン方法においては、これらの要求を満たした操作をすることが困難であった。
【0012】
上記(4)及び(5)については、それぞれ前記プライミングについての(2)及び(3)で示したことと同様のことがいえる。
上記(6)については、従来のドレイン法では、回路内に充填されている処理液を排出するには、チューブ等の接続を変更する必要があるので、チューブを膜や熱交換器等から切り離さなければならず、そのときに回路内の処理液が外部に飛び散り、作業者がその処理液を浴び、作業者が感染するなどの危険があった。
【0013】
このような事情から、上記要件を満足するようなプライミング及びドレイン等の回路液体充填・排出技術の開発が望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前述のような事情からなされたものであり、無菌的に、確実に、また容易に行うことのできるプライミング方法、及び確実に、容易に、また安全に行うことのできるドレイン方法を提供することであり、そのようなプライミング方法及びドレイン方法を実施することのできる回路液体充填・排出装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためのこの発明は、液体の充填又は排出の対象となる回路であって、該回路に液体を循環させることのでき、停止時に液体の流通が可能な循環ポンプを備えて成る回路に結合する第一流路及び第二流路と、前記第一流路により前記回路に接続され、前記回路に充填される液体及び前記回路から排出された液体を収容することのできる密封式容器と、前記第二流路に設けられ、前記密封式容器内の液体を吸引してその液体を前記回路に充填することができ、また前記回路内の液体を押し出して前記密封式容器内に排出することができる充填・排出ポンプとを有して成ることを特徴とする回路液体充填・排出装置であり、
前記回路液体充填・排出装置の好適な態様として、前記充填・排出ポンプは、停止時に第二流路を閉鎖することができ、気体の輸送が可能であり、逆転運転が可能であり、
前記第二流路は、前記回路の実質的な最上位点に結合する。
【0016】
また他の発明は、前記回路液体充填・排出装置を使用して、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記密封式容器に収容された液体を前記回路に充填し、前記充填・排出ポンプを停止させ、前記循環ポンプを駆動させて、前記回路に充填された液体を前記回路に循環させ、前記回路に残存する空気を前記回路の最上位部に集め、前記循環ポンプを停止させ、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記集められた空気を前記回路から前記第二流路へ排出することを特徴とする回路のプライミング方法であり、
前記回路液体充填・排出装置を使用して、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記回路に充填された液体を、前記第一流路に移行させ、前記密封式容器内に排出することを特徴とする回路のドレイン方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る回路液体充填・排出装置の一具体例である回路液体充填・排出装置1の概略図である。
【0018】
回路液体充填・排出装置1は、回路2、密封式容器3、第一流路4、液切れセンサー5、第二流路6、充填・排出ポンプ7及び液面検知器8を有して成る。
【0019】
回路2は、液体の充填又は排出の対象となる回路である。回路2は、機器要素9とチューブ10とで環状の流路を形成することによって作られている。回路2の種類は、液体の充填及び排出を行うことができれば特に制限はなく、例えば医療用回路を挙げることができる。機器要素9は、回路の目的に応じて適宜決定することができ、例えば回路2が人工心肺回路である場合には、熱交換器又は限外濾過膜若しくは血漿分離膜などの膜である。
【0020】
回路2は、この発明に係る回路液体充填・排出装置をわかりやすく説明するために、前記のように1つの機器要素とチューブとで全体を一重の環状構造に形成された回路とされているが、この発明に係る回路液体充填・排出装置の回路においては、液体の充填及び排出を行うことができれば回路2のような構造に制限されることはなく、例えば前記機器要素の数が2以上であってもよく、また単純な環状構造でなくてもよい。前記回路としては、例えば複数の機器要素を直列又は並列に配列し、これらをチューブで接続することによって得られる回路であってもよい。前記回路が人工心肺回路である場合には、機器要素として熱交換器及び前記膜を用い、これらをチューブで直列に接続することによって形成することができる。
【0021】
回路2は、循環ポンプ11を有する。循環ポンプ11は、回路2に充填された液体を回路2内で循環させるポンプである。回路2が循環ポンプ11を有すると、回路への液体の充填時に、回路2に供給された液体を回路2内で循環させることにより、回路2内の様々な部分に残存する空気を強制的にその場所から追い出すことができ、さらにその空気を回路2外に排出することができる。循環ポンプ11が液体を循環させる方向はどちらでもよく、目的に応じて適宜決定することができる。
【0022】
循環ポンプ11は、その停止時において液体が循環ポンプ11を通ってチューブ10の内部流路を流通することができるタイプのポンプである。このタイプのポンプを使用するのは、循環ポンプ11がその停止時においてチューブ10の内部流路を閉鎖するタイプのポンプであると、液体の回路2への充填及び液体の回路2からの排出が困難になるからである。循環ポンプ11に使用するこのタイプのポンプとしては、例えば遠心ポンプを挙げることができる。
【0023】
密封式容器3は、回路2に充填される液体を収容し、また回路2から排出された液体を収容する容器である。密封式容器3は、第一流路4により回路2に接続されている。密封式容器3は、その底部に、その内部空間が第一流路4と連通する接続口12を有する。また密封式容器3は、その中に液体を注入することのできる注入口(図示せず)を有するが、その注入口は密閉可能である。したがって前記注入口を閉じた状態では、密封式容器3は、接続口12以外には外部の空間と連通する開口を有していない。
【0024】
密封式容器3は、可撓性材料で形成され、その内部にある液体の量の増減に伴って形状を変化させることのできるバッグである。すなわち密封式容器3は、回路2の充填時には、初めは充填に必要な量の液体を収容して、膨らんだ状態であるが、密封式容器3から回路2への前記液体の供給に伴ってその内部の液体の量が減少すると、それに応じてその内部容積が縮小し、凹んだ状態になる。また回路2の排出時には、初めは液体を収容せず、凹んだ形状であるが、回路2から密封式容器3への液体の排出に伴ってその内部の液体の量が増大すると、それに応じてその内部容積が膨大し、膨らんだ状態になる。
【0025】
密封式容器3の材料は、密封式容器3の前記機能が発揮されれば特に制限はなく、例えば合成樹脂を挙げることができる。
密封式容器3の大きさは、回路2に充填される液体を収容し、また回路2から排出された液体を収容するのに充分な大きさであれば制限はなく、回路2に大きさ等に応じて適宜決定することができる。
【0026】
密封式容器3は、前記のように可撓性のバッグであるが、この発明に係る回路液体充填・排出装置における密封式容器は、密封式容器3のような容器には制限されず、前記機能を有していれば、その内部に存在する液体の量にかかわらず一定の形状を有する密封式容器であってもよい。
【0027】
第一流路4は、密封式容器3と回路2とを接続する流路であり、密封式容器3内の液体を回路2に充填するときに前記液体が流通する流路であり、また回路2内の液体を密封式容器3内に排出するときに前記液体が流通する流路である。
【0028】
第一流路4は、その一端が密封式容器3の接続口12に結合し、他端が回路2のチューブ10の接続部13に結合する。接続部13は、密封式容器3から第一流路4を通って回路2に供給された液体が、回路2全体を流通して第二流路6に移行することができるように、回路2の流路抵抗を考慮してその位置が決定され、チューブ10の、機器要素9と循環ポンプ11とで挟まれた部分に設けられている。
【0029】
第一流路4の径は、回路2への液体の充填及び回路2からの液体の排出の好適な実施のために、液体又は空気が第一流路4内を好適に流通することができるように、液体の粘度及び回路2の流路径等に応じて適宜決定される。
【0030】
液切れセンサー5は、回路2から排出された液体が第一流路4を通過し、密封式容器3内に収容されたことを確認する機器である。液切れセンサー5は、第二流路4における密封式容器3直下に設けられている。
液切れセンサー5としては、前記の機能を発揮することができれば特に制限はなく、公知の液切れセンサーを使用することができる。
【0031】
第二流路6は、回路2に液体を充填するときには、回路2内の空気を回路2外に流出させる流路であり、回路2から液体を排出するときには、回路2内の液体を第一流路4に押し出すために回路2内に送り込む空気を流通させる流路である。
【0032】
第二流路6は、その一端が回路2のチューブ10の接続部14に結合する。接続部14の位置は、回路2の実質的な最上位点である。接続部14がこのような位置であると、回路2への液体の充填時に、回路2内に残存する気泡が回路2内を上昇して、接続部14付近に集まり、これを第二流路6から吸引除去することが可能になる。
【0033】
また第二流路6は、その他端が開放されており、その他端に開放口15を有する。第二流路6は、接続部14側から開放口15側に向かって漸次高くなっていることが好ましい。このようにすれば、回路2の接続部14に集まった空気が、接続部14に残留することなく、第二流路6に移行することが容易になる。
【0034】
第二流路6の径は、液体の回路2への充填及び回路2からの排出の好適な実施のために、液体又は空気が第二流路6内を好適に流通することができるように、液体の粘度及び回路2の流路径等に応じて適宜決定される。
【0035】
充填・排出ポンプ7は、第二流路6に設けられる。充填・排出ポンプ7は、回路2への液体の充填時には、回路2、第一流路4及び第二流路6内を排気し、密封式容器3内の液体を第一流路4から回路2内に引き込むポンプである。また充填・排出ポンプ7は、回路2からの液体の排出時には、第二流路6の開放口15から空気を吸引し、その空気を第二流路6から回路2内に送り込み、回路2内の液体を第一流路4に押し出すポンプである。すなわち充填・排出ポンプ7は、空気の輸送が可能で、逆転運転が可能なポンプである。
【0036】
また充填・排出ポンプ7は、停止時に第二流路6を閉鎖することのできるポンプである。すなわち充填・排出ポンプ7は、弁作用を有し、停止時においては、その弁作用により、第二流路6内の、充填・排出ポンプ7を通過する物質の流通を阻止する。充填・排出ポンプ7がこのような機能を有することによって、回路2への液体の充填時において、充填・排出ポンプ7を駆動させているときには、充填・排出ポンプ7が回路2内等の空気を開放口15から回路液体充填・排出装置1外に排出しているので、雑菌が開放口15から回路液体充填・排出装置1内に混入することは実質的になく、充填・排出ポンプ7の駆動を停止されているときには、充填・排出ポンプ7が第二流路6を閉鎖しているので、開放口15から第二流路6に雑菌が入り込んでも、その雑菌は充填・排出ポンプ7で遮断され、回路2に混入することはない。
【0037】
充填・排出ポンプ7としては、前記機能を有していれば特に制限はなく、例えばローラポンプを使用することができる。
【0038】
液面検知器8は、第二流路6の、充填・排出ポンプ7と開放口15との間に設けられている。液面検知器8は、回路2への液体の充填時に、回路2から排出された液体を検知し、回路2から空気が除去されたことを確認する機器である。
液面検知器8としては、前記の機能を発揮することができれば特に制限はなく、公知のセンサーを使用することができる。
【0039】
回路液体充填・排出装置1は、前記のような構成を有することから、回路2への液体の充填及び回路2からの液体の排出を次のようにして行うことができる。ここでは、回路2への液体の充填を、医療用回路のプライミングを例にして説明し、回路2からの液体の排出を医療用回路のドレインを例にして説明する。
【0040】
まず回路液体充填・排出装置1を用いた医療用回路のプライミングを説明する。
プライミングしようとする回路2に、第一流路4及び第二流路6を接続し、さらに密封式容器3、液切れセンサー5、充填・排出ポンプ7及び液面検知器8を所定の部位に取り付けて、図1に示される回路液体充填・排出装置1を形成させる。
【0041】
回路2の機器要素9の中に液体を充填したときに、その中に存在していた空気が機器要素9外に移行しやすい設置角度が機器要素9にある場合には、そのような角度になるように機器要素9を設置する。
【0042】
回路2に充填する液体を密封式容器3内に、その注入口から、回路液体充填・排出装置1を用いて回路2をプライミングするのに充分な量、つまり回路2、第一流路4及び第二流路6を充填するのに充分な量だけ注入する。密封式容器3の前記注入口を閉じる。この状態において密封式容器3には、前述のように接続口12以外の開口はなく、また充填・排出ポンプ7は、駆動停止時には第二流路6を閉鎖するので、密封式容器3、第一流路4、回路2、及び第二流路6の、接続部14から充填・排出ポンプ7までの部分の内部空間は密封空間になっている。したがってこの状態においては密封式容器3内に収容された液体は、密封された状態にあり、回路液体充填・排出装置1外の空気と接触することがないので、この液体に外部から雑菌が混入することはない。
【0043】
密封式容器3を設置する位置は、収容している液体を回路2に充填することができれば特に制限はないが、高いほど、その位置エネルギーを利用して効率的に液体の充填を行うことができるので好ましい。
【0044】
充填・排出ポンプ7を駆動させて、第一流路4、回路2及び第二流路6内の空気を開放口15から回路液体充填・排出装置1外に排出する。密封式容器3内の液体は、第一流路4を通り、回路2内に流入する。循環ポンプ11は、前述のようにその駆動停止時には液体が循環ポンプ11を通ってチューブ10の内部流路を流通することができるタイプのポンプであるので、第一流路4を通り、回路2の接続部13に至った液体は、回路2の、接続部13から機器要素9を経て接続部14に至る流路及び接続部13から循環ポンプ11を経て接続部14に至る流路の両方を通って接続部14に至る。したがって回路2内に存在していた空気は、この液体によって押し出され、接続部14から第二流路6に移行する。接続部14は、回路2における実質的に最上位点に設けられているので、前記空気は速やかに接続部14に移動させることができ、そして接続部14から回路2外に効率的に排出することができる。また充填・排出ポンプ7の駆動時においても、第二流路6の開放口15から回路液体充填・排出装置1外に空気又は液体が流出しているので、開放口15から回路液体充填・排出装置1内に雑菌が混入することは実質的にない。
【0045】
前記両経路を通って接続部14に至った液体は、接続部14から第二流路6に流入し、充填・排出ポンプ7を通って、液面検知器8に至る。液面検知器8により、第二流路6の、液面検知器8を設置した箇所を通過する液体中に気泡が混入していないことが確認されたら、充填・排出ポンプ7の駆動を停止させる。充填・排出ポンプ7の駆動の停止は、気泡の除去を完全に行うために、気泡が混入していないことの確認がなされた後、10秒程度経過してから行うことが好ましい。
【0046】
循環ポンプ11を駆動させて、回路2に充填された液体を循環させる。回路2に滞留している液体を回路2内に循環させることにより、単に第一流路4から回路2を通過させて第二流路6に流出させるだけでは排出することができないような、回路2内のチューブ10や機器要素9の特定箇所に残存する空気を強制的にその箇所から追い出すことができる。
【0047】
前記の回路2に残存する空気の強制的追い出しが完了するのに充分な時間が経過した後、循環ポンプ11の駆動を停止させ、回路2内の液体を静置する。循環ポンプ11の前記作用により追い出された気泡は、回路2内を上昇し、接続部14で合体する。
【0048】
液体を回路2に充填し、充填・排出ポンプ7の駆動を停止させた状態においても、前記と同様に、充填・排出ポンプ7はその駆動停止時に第二流路6を閉鎖するので、密封式容器3、第一流路4、回路2、及び第二流路6の、接続部14から充填・排出ポンプ7までの部分に収容された液体は、回路液体充填・排出装置1外の雰囲気から隔離されており、回路液体充填・排出装置1外の空気と接触することがなく、この液体に回路液体充填・排出装置1外から雑菌が混入することはない。
【0049】
再度充填・排出ポンプ7を駆動させ、回路液体充填・排出装置1の内部から外部に流体を流通させる。すると接続部14に集まった空気は、第二流路6を通って、開放口15から回路液体充填・排出装置1外に排出される。第二流路6の、液面検知器8を設置した箇所を通過する液体中に気泡が混入していないことが液面検知器8により確認されるまで、充填・排出ポンプ7を駆動させる。この充填・排出ポンプ7の駆動時においても、前記と同様に、開放口15から回路液体充填・排出装置1内に雑菌が混入することは実質的にない。
以上のようにして回路2のプライミングが完了する。
【0050】
回路液体充填・排出装置1による前記プライミングでは、前述のようにその全工程において、回路2内に雑菌が混入するおそれのない状態が維持されるので、回路液体充填・排出装置1による前記プライミングは無菌的に実施することができる。
【0051】
回路液体充填・排出装置1による前記プライミングでは、空気が抜けやすい角度に機器要素9を設置することができ、また循環ポンプ11により回路2内の液体を強制循環させることができるので、回路2内の、空気が抜けにくい箇所からも確実に空気を追い出すことができる。さらに回路液体充填・排出装置1による前記プライミングでは、接続部14が回路2の実質的な最上位点に設けられているので、回路2の各所から追い出された気泡は、すべて接続部14に集まり、そこに接続される第二流路6からその空気を効率的に追い出すことができる。したがって回路液体充填・排出装置1による前記プライミングは、空気除去を確実に実施することができる。
【0052】
回路液体充填・排出装置1による前記プライミングでは、プライミング中に機器要素9を逆さにしたり、叩いたりといった従来のプライミングで必要とされた操作が不要であるので、容易に実施することができる。
【0053】
次に回路液体充填・排出装置1を用いた医療用回路のドレインを説明する。
【0054】
ドレインしようとする、液体が満たされた回路2に、第一流路4及び第二流路6を接続し、さらに密封式容器3、液切れセンサー5、充填・排出ポンプ7及び液面検知器8を所定の部位に取り付けて、図1に示される回路液体充填・排出装置1を形成させる。密封式容器3は、回路2から排出された液体を収容することができるように、その内部から空気を抜き、凹んだ状態にしておく。
【0055】
回路2の機器要素9から液体を排出するときに、その中の液体が機器要素9外に移行しやすい設置角度が機器要素9にある場合には、そのような角度になるように機器要素9を設置する。
【0056】
密封式容器3を、密封式容器3以外の回路液体充填・排出装置1の構成要素に対して低位となるように設置する。
【0057】
充填・排出ポンプ7を、前記プライミング時とは逆方向に流体の移送をすることができるように駆動させる。第二流路6の開放口15から空気が吸引され、接続部14から回路2内に空気が送り込まれる。循環ポンプ11は、前述のようにその駆動停止時には液体が循環ポンプ11を通ってチューブ10の内部流路を流通することができるタイプのポンプであるので、第二流路6を通り、回路2の接続部14に至った空気は、回路2の、接続部14から機器要素9を経て接続部13に至る流路及び接続部14から循環ポンプ11を経て接続部13に至る流路の両方を通って接続部13に至る。したがって回路2内に存在していた液体は、この空気によって押し出され、接続部13から第一流路4に移行する。
【0058】
第一流路4に移行した液体は、第一流路4を通過し、密封式容器3に流入する。液切れセンサー5にて回路2内の液体がすべて排出するのを確認することができたら、充填・排出ポンプ7の駆動を停止させる。密封式容器3を第一流路4から切り離す。
【0059】
以上のようにして回路2のドレインが完了する。
【0060】
回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、液体が抜けやすい角度に機器要素9を設置することができ、また充填・排出ポンプ7により回路2内の液体を強制的に排出することができるので、液体の排出を確実に実施することができる。
【0061】
回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、充填・排出ポンプ7を駆動させるだけで回路2から液体を排出することができる。また回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、プライミングに使用した密封式容器3及び第一流路4をそのまま使用することができるので、ドレイン実施時に流路を組み替える必要がない。したがって回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、容易に実施をすることができる。
【0062】
回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、前述のように、改めてドレイン実施時に流路を組み替える必要がないので、チューブを膜や熱交換器等から切り離す操作が不要であり、このためそのような操作をするときに回路内の液体が外部に飛び散り、作業者がその処理液を浴び、作業者が感染するといった危険がない。また回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、回路2内の液体を回収する容器が密封式であるので、回収した液体が零れるといったおそれがない。したがって回路液体充填・排出装置1による前記ドレインでは、安全に操作をすることができる。
【0063】
この発明に係る回路液体充填・排出装置における回路が人工心肺等の医療用回路である場合、その回路は、熱交換器やダイアライザなどの複数個の機器要素を有する。このような場合においても、上記の機器要素を1つだけ有する回路液体充填・排出装置1におけるプライミング及びドレインと同様にして、プライミング及びドレインを行うことができる。
【0064】
この発明に係る回路のプライミング方法及び回路のドレイン方法は、上記において示した回路液体充填・排出装置を使用して、回路液体充填・排出装置1におけるプライミング及びドレインで示した説明に従って実施することができる。
【0065】
【発明の効果】
この発明に係る回路のプライミング方法及び回路のドレイン方法によれば、医療用回路、例えばチューブ、熱交換器、ダイアライザ、血漿分離膜、及びエンドトキシンカットフィルタ等から構成される回路のプライミング及びドレインを自動操作により実施することができる。
【0066】
この発明に係る回路のプライミング方法及び回路のドレイン方法によれば、プライミング及びドレインを確実に、また容易に行うことができる。
【0067】
この発明に係る回路のプライミング方法及び回路のドレイン方法によれば、ポンプにより液体の輸送を行うので、液体の自由落下に基づく従来法に比較し、短時間で実施することができる。
【0068】
この発明に係る回路のプライミング方法によれば、エアベントフィルター及び弁等を使用することなく、回路を無菌的にプライミングすることができる。
【0069】
この発明に係る回路のプライミング方法によれば、充填・排出ポンプにより回路内から空気を吸引することにより回路に液体を充填するので、液体中に残存する空気を排除しやすい。
【0070】
この発明に係る回路のドレイン方法によれば、回路のドレインを安全に行うことができる。
【0071】
この発明に係る回路液体充填・排出装置によれば、この発明に係る回路のプライミング方法及び回路のドレイン方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、回路液体充填・排出装置1の概略図である。
【符号の説明】
1・・回路液体充填・排出装置、2・・回路、3・・密封式容器、4・・第一流路、5・・液切れセンサー、6・・第二流路、7・・充填・排出ポンプ、8・・液面検知器、9・・機器要素、10・・チューブ、11・・循環ポンプ、12・・接続口、13・・接続部、14・・接続部、15・・開放口

Claims (5)

  1. 液体の充填又は排出の対象となる回路であって、該回路に液体を循環させることのでき、停止時に液体の流通が可能な循環ポンプを備えて成る回路に結合する第一流路及び第二流路と、前記第一流路により前記回路に接続され、前記回路に充填される液体及び前記回路から排出された液体を収容することのできる密封式容器と、前記第二流路に設けられ、前記密封式容器内の液体を吸引してその液体を前記回路に充填することができ、また前記回路内の液体を押し出して前記密封式容器内に排出することができる充填・排出ポンプとを有して成ることを特徴とする回路液体充填・排出装置。
  2. 前記充填・排出ポンプは、停止時に第二流路を閉鎖することができ、気体の輸送が可能であり、逆転運転が可能である請求項1に記載の回路液体充填・排出装置。
  3. 前記第二流路は、前記回路の実質的な最上位点に結合する請求項1又は2に記載の回路液体充填・排出装置。
  4. 請求項3に記載の回路液体充填・排出装置を使用して、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記密封式容器に収容された液体を前記回路に充填し、前記充填・排出ポンプを停止させ、前記循環ポンプを駆動させて、前記回路に充填された液体を前記回路に循環させ、前記回路に残存する空気を前記回路の最上位部に集め、前記循環ポンプを停止させ、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記集められた空気を前記回路から前記第二流路へ排出することを特徴とする回路のプライミング方法。
  5. 請求項3に記載の回路液体充填・排出装置を使用して、前記充填・排出ポンプを駆動させて、前記回路に充填された液体を、前記第一流路に移行させ、前記密封式容器内に排出することを特徴とする回路のドレイン方法。
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