JP3975540B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラッキング制御系を有する光ディスク装置に関し、特に、トラッキング制御性能を向上させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアへの関心が高まるにつれて、光ディスク(例えばコンパクトディスク(CD)のようなディスク状の光学的記録媒体)にも動画像の映像データのような大量のデータを記録させたいという要求が高まっている。この要求を満たすためには、光ディスクの一層の大容量化と高速化とを実現することが必要である。
【0003】
その一方で、CDに代表されるように、光ディスクではハンドリングの容易さ(持ち運び時や光ディスク装置への着脱時に手で持ちやすいこと)が大切である。従って、大容量化を実現するために記録エリアを拡大することは、ディスクの直径を大きくすることにつながってハンドリングの容易さを損ねるので、あまり歓迎されない。
【0004】
従って、光ディスクでは、記録密度を高めるという方向で大容量化を実現することが主流となっている。その結果、今日の光ディスクは高密度化の一途をたどっている。
【0005】
このような背景のもとで、光ディスク装置におけるトラッキング制御系には、安定性及び速応性を損なうことなくますます制御性能を向上させる(高い制御精度を実現する)ことが要求されるようになっている。
【0006】
ところで、従来の光ディスク装置(例えば、古典制御の分野で有名であり且つ比較的設計が簡単な方法である位相補償法を用いて設計したトラッキング制御系を有する光ディスク装置)では、トラッキングエラーの検出を光ディスク上のメインスポットにおいて行い(即ち、メインスポットからの戻り光に基づいて非点収差法等によりトラッキングエラー信号を作成し)、このメインスポットにおけるトラッキングエラーの検出のみに基づいてトラッキング制御を行うようにしていた。
【0007】
尚、メインスポットとは、光ディスクに照射されるレーザービームの本数が1本である場合にはそのレーザービームが照射されている光ディスク上の位置のことを呼び、他方、例えばトラッキングエラーの検出を3スポット法で行うこと等によりメインビーム(0次回折光)とサイドビーム(+1次回折光,−1次回折光)との合計3本のレーザービームが光ディスクに照射される場合には、メインビームが照射されている光ディスク上の位置のことを呼ぶ。
【0008】
このようにメインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する理由は、光ディスクの記録データの再生はメインスポットからの戻り光に基づいて行われるので、記録データを正確に再生するためにはこのメインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する必要があるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした従来の光ディスク装置のトラッキング制御方式には、次のような不都合があった。
【0010】
(a)トラッキング制御系のうち、トラッキングエラー信号に基づいてトラッキングアクチュエータ等に対する制御指令値を算出するディジタルシステムでは、トラッキングエラー信号が入力されてから制御指令値を出力するまでの間に、ディジタル演算処理に要する時間だけ遅れが生じる。従って、この遅れ時間の間にディスクが回転することにより、制御指令値が出力されるときのメインスポットが、トラッキングエラーが検出されたときのメインスポットとは異なる位置になってしまう(即ち、現在の回転位置におけるトラッキング制御が、過去の回転位置におけるトラッキングエラーの検出結果に基づいて行われてしまう)。そして、トラッキングエラー信号に定常的に混入する外乱は回転に同期したディスクの面振れに起因するものなので、回転位置が異なると、検出されるトラッキングエラーの度合いも変化する。その結果、このディジタルシステムにおける時間遅れによってトラッキング制御性能が劣化してしまい、更に、この時間遅れが甚だしい場合にはトラッキング制御系の安定性さえも失われてしまう。
【0011】
(b)トラッキング制御系のうち、アナログシステム(特にトラッキングアクチュエータ)には、システム自体の無駄時間(位相遅れ)の影響により、制御指令値が印加されてからその効果を発揮し始めるまでに或る程度の時間を要するという本質的な問題がある。そのため、システムを安定化させるために、トラッキング制御性能を或る程度犠牲にしなければならなかった。
【0012】
(c)トラッキングアクチュエータの操作量は、当然のことながら有限である。従って、ディスクの傷等の欠陥や外部振動に起因する突発的な外乱(非定常的な外乱)により過大なトラッキングエラーが検出されたときには、それに応じて過大な制御指令値が出力されることにより、トラッキングアクチュエータの操作量が飽和してしまう。
【0013】
(d)更に、トラッキング制御系に積分要素が含まれている場合には、こうした過大な制御指令値が出力されたとき、ワインディングと呼ばれる現象が生じることによりトラッキング制御性能が劣化してしまう。ワインディングは、過大な制御指令値がリミッタで制限されたとき、リミッタで制限された値によるトラッキングアクチュエータの実際の操作量が元の制御指令値による操作量よりも小さくなる(従って元の制御指令値どおりの制御効果が得られない)ことから、制御指令値の出力側が、このように思った通りの制御効果が得られない原因が自己の出力値が小さすぎることにあるといわば誤解して、リミッタの存在によりトラッキングアクチュエータには伝わらないにもかかわらず、更に過大な制御指令値を出力するようになる現象である。このワインディング現象が生じると、トラッキング制御系の応答が振動的になってしまう。
【0014】
上記のように、従来の光ディスク装置のトラッキング制御方式には様々な不都合が存在していた。従って、本発明の目的は、これらの不都合を解消してトラッキング制御系を向上させた光ディスク装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る光ディスク装置は、トラッキング制御系を有する光ディスク装置において、光ディスクの回転方向と逆の方向を前方として、メインスポットよりも前方の位置におけるトラッキングエラーを検出する第1の検出手段と、メインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する第2の検出手段と、この第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの低周波数成分を取り出す第1のフィルタと、この第2の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの高周波数成分を取り出す第2のフィルタとを備え、第1のフィルタで取り出された低周波数成分の信号及び第2のフィルタで取り出された高周波数成分の信号を用いてトラッキング制御を行うようにしたことを特徴としている。
【0016】
この光ディスク装置では、第1の検出手段により、光ディスクの回転方向と逆の方向を前方として、メインスポットよりも前方の位置(即ち、ディスクの回転によってこれからメインスポットになるはずの位置)におけるトラッキングエラーが検出される。従って、当該前方の位置がメインスポットとなったときのトラッキングエラーが事前に検出される(いわば未来のトラッキングエラー信号が得られる)ことになる。
【0017】
このような未来のトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行うことにより、トラッキング制御系の遅れ時間をキャンセルして時間遅れのないトラッキング制御を行う(仮想的に時間遅れのないトラッキング制御系を構成する)ことができる。これにより、上記(a),(b)の不都合が解消されるので、トラッキング制御系の安定性の向上とトラッキング制御性能の向上が実現される。
【0018】
そして、このように未来のトラッキングエラー信号が得られるので、これからメインスポットになるはずの位置においてディスクの欠陥や外部振動に起因する突発的な外乱の混入により過大なトラッキングエラーが検出される場合にも、事前にそのことを知ることができる。これにより、過大な制御指令値が出力されないような処置を事前に施す(例えば、過大なトラッキングエラーが検出された位置がメインスポットになるよりも前から、予め小さな制御指令値を出力してトラッキングアクチュエータを駆動し始める)ことが可能になるので、上記(c),(d)の不都合も解消にもつながる。
【0019】
このように過大な制御指令値が出力されない処置を事前に施すための具体的手段としては、第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの低周波数成分を取り出す第1のフィルタを更に備え、この第1のフィルタで取り出された低周波数成分の信号を用いてトラッキング制御を行うようにしている
【0020】
その理由は、次の通りである。ディスクの面振れに起因する定常的外乱はトラッキングエラー信号の比較的低周波数帯に存在するのに対し、ディスクの欠陥や外部振動に起因する突発的な外乱はトラッキングエラー信号の比較的高周波数帯に存在する。従って、第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの低周波数成分の信号(高周波数成分を除去した信号)を用いてトラッキング制御を行うことにより、未来のトラッキングエラー信号から突発的な外乱の混入による成分を除去した信号を用いてトラッキング制御が行われるようになるので、突発的な外乱の混入による過大な制御指令値の出力が防止されるようになる。これにより、上記(c),(d)の不都合も解消されるので、この点からもトラッキング制御系の安定性の向上とトラッキング制御性能の向上が実現される。
【0022】
た、第2の検出手段により、現在のトラッキングエラー信号が得られ、第2のフィルタによりこの現在のトラッキングエラー信号の高周波数成分が取り出されることにより、定常的外乱の混入による成分を除去した現在のトラッキングエラー信号が得られる。そして、第1のフィルタで取り出された低周波数成分の信号及び第2のフィルタで取り出された高周波数成分の信号を併用してトラッキング制御が行われる。
【0023】
このように、突発的な外乱の混入による成分を除去した未来のトラッキングエラー信号だけでなく、突発的な外乱の混入による成分を含むが定常的外乱の混入による成分を除去した現在のトラッキングエラー信号をも用いてトラッキング制御を行うことにより、低周波数帯に存在する定常的外乱による偏差と高周波数帯に存在する突発的な外乱による偏差とをそれぞれ良好に減衰させることができるようになるので、トラッキング制御性能が一層向上する。
【0024】
また、前述のように過大な制御指令値が出力されない処置を事前に施すための具体的手段の別の例として、本発明の請求項に係る光ディスク装置のように、メインスポットよりも前方の位置におけるトラッキングエラーを検出する第1の検出手段と、メインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する第2の検出手段と、光ディスク装置の外部振動を検出する振動検出手段と、この振動検出手段で検出された外部振動の大きさに応じた割合で、第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号と第2の検出手段により得られたトラッキングエラー信号とを重み付けする重み付け手段とを備え、この重み付け手段で重み付けされた信号を用いてトラッキング制御を行うようにしてもよい。
【0025】
この光ディスク装置では、第1の検出手段により得られた未来のトラッキングエラー信号と、第2の検出手段により得られた現在のトラッキングエラー信号とが、振動検出手段で検出された光ディスク装置の外部振動の大きさに応じた割合で、重み付け手段により重み付けされる。そして、この重み付け手段で重み付けされた信号を用いてトラッキング制御が行われる。
【0026】
このように、外部振動の大きさに応じた割合で未来のトラッキングエラー信号と現在のトラッキングエラー信号とを重み付けして得た信号を用いてトラッキング制御を行うことにより、外部振動に起因する突発的な外乱が未来のトラッキングエラー信号に混入する場合にも、その外部振動による過大な制御指令値の出力が防止されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る光ディスク装置(トラッキングエラーの検出方法にプッシュプル法を採用した光ディスク装置に本発明を適用したもの)の光ピックアップの光路系の一例を示す。この光ピックアップには、光源である半導体レーザー1から発生したレーザービームLをメインビームL0(0次回折光)とサイドビームL1,L2(+1次回折光,−1次回折光)とに分光する回折格子2が設けられており、これらのビームL0,L1,L2が、ハーフミラー3で反射され、コリメータレンズ4で平行光束化された後、対物レンズ5で集光されて光ディスク6の記録面に照射される。
【0030】
この記録面からのビームL0,L1,L2の戻り光L0’,L1’,L2’は、再び対物レンズ5及びコリメータレンズ4を経た後、今度はハーフミラー3を透過し、非点収差を発生させるシリンドリカルレンズ(図示せず)を経て、光検出器(フォトディテクタ)8に受光される。
【0031】
尚、半導体レーザー1から発生したレーザービームLを分光する手段として、回折格子2の代わりに、回折格子としての機能を持たせたホログラフィック光学素子や、液晶パネルや、電気化学素子や、シリンドリカルレンズや、光学的に透明な平行平板(例えば板ガラス)をレーザービームLの光軸方向に対して斜めに傾けたものを設けるようにしてもよい。
【0032】
図2は、図1のビームL0,L1,L2の光ディスク6の記録面上での照射位置の一例を示す。同図のように、メインビームL0の照射位置であるメインスポットMSと、サイドビームL1,L2の照射位置であるサイドスポットSS1,SS2とが、ピットpにより形成されるトラックに平行な線上に並び、且つ、光ディスクの回転方向と逆の方向を前方として、サイドスポットSS1がメインスポットMSよりも前方にあり、サイドスポットSS2がメインスポットMSよりも後方にあるように、回折格子2の取り付け角度等の調整によりスポットMS,SS1,SS2の位置関係が設定されている。
【0033】
従って、サイドスポットSS1からのサイドビームL1の戻り光L1’に基づいてプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出すれば、メインスポットMSよりもサイドスポットSS1・メインスポットMS間の距離xだけ前方の位置におけるトラッキングエラーを検出すること(即ち、距離xとディスクの回転数nとで決定される時間tだけ未来のトラッキングエラー信号を得ること)ができる。
【0034】
そこで、図1の光検出器8上には、例えば図3に示すように、メインスポットMSからの戻り光L0’を受光する2分割の受光素子(フォトダイオード)8A,8Cの他に、サイドスポットSS1からの戻り光L1’を受光する2分割の受光素子8E,8Fが設けられている。(更に、この例ではサイドスポットSS2からの戻り光L2’を受光する2分割の受光素子8G,8Hも設けられているが、この受光素子8G,8Hを設ける意味については後述する。)
【0035】
この光ディスク装置のトラッキング制御系は、次に〔処理例1〕〜〔処理例4〕として挙げる処理のうちのいずれかの処理によって得た信号を用いてトラッキング制御を行うようになっている。
【0036】
〔処理例1〕
図4に示すように、サイドスポットSS1からの戻り光L1’を受光する受光素子8E,8Fの出力信号E,Fからプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出するために、TE1=E−Fを算出する。プッシュプル法は、周知の通り、光ディスクの記録面でトラックに直交する方向に回折した戻り光の2分割の受光素子上での光量分布が、この方向上でトラックからのスポットの偏位に応じて変化することを利用したものであり、受光素子8E,8Fに関していえば、この信号TE1がトラッキングエラー信号となる。そして、このトラッキングエラー信号TE1を用いてトラッキング制御を行う。
【0037】
このトラッキングエラー信号TE1は、前述のように、サイドスポットSS1・メインスポットMS間の距離xとディスクの回転数nとで決定される時間tだけ未来のトラッキングエラー信号である。
【0038】
そして、この距離xは、例えば光ピックアップの光路系(図1)において、半導体レーザー1から発生するレーザーの波長や、半導体レーザー1と回折格子2との間の距離や、回折格子2のピッチや、対物レンズ5の焦点距離等を変化させることによって調整することができるので、この距離xの調整により、時間tを所望の長さに設定することが可能である。
【0039】
従って、例えばこの時間tをトラッキング制御系のディジタル回路の演算時間に一致させた上でこのトラッキングエラー信号TE1を用いてトラッキング制御を行うことにより、この演算による遅れ時間をキャンセルする(仮想的に演算による時間遅れのないトラッキング制御系を構成する)ことができるようになる。
【0040】
また、例えばこの時間tをトラッキング制御系のトラッキングアクチュエータで生じる遅れ時間に一致させた上でトラッキングエラー信号TE1を用いてトラッキング制御を行うことにより、この遅れ時間の分だけ早めにトラッキングアクチュエータに制御指令値を印加することができるので、トラッキングアクチュエータの遅れ時間をキャンセルすることができるようになる。
【0041】
また、例えばこの時間tをディジタル回路の演算による遅れ時間とトラッキングアクチュエータの遅れ時間を合わせた時間に一致させた上でトラッキングエラー信号TE1を用いてトラッキング制御を行うことにより、これら両方の遅れ時間をキャンセルすることができるようになる。
【0042】
尚、このようにしてトラッキングエラー信号TE1を求めると共に、サイドスポットSS2からの戻り光L2’を受光する受光素子8G,8Hの出力信号G,Hからプッシュプル法によりトラッキングエラー信号TE3(過去のトラッキングエラー信号)を求め、下記式のように信号TE1に係数k(0≦k≦1)を乗算した信号と信号TE3に係数(1−k)を乗算した信号とを加算した信号TEを求め、この信号TEを用いてトラッキング制御を行うと共に、係数kを適宜調整するようにしてもよい。
【0043】
TE=kTE1+(1−k)TE3
【0044】
そうすることにより、時間tだけ未来のトラッキングエラー信号と過去のトラッキングエラー信号とを任意の割合で重み付けした信号を用いてトラッキング制御が行われるようになるので、サイドスポットSS1・メインスポットMS間の距離xを一定に保ったまま、どれだけの長さの時間だけ未来のトラッキングエラー信号を用いてトラッキング制御を行うかを時間t以内で任意に変化させることができるようになる。(逆に、このように時間を任意に変化させる必要がない場合には、図3における受光素子8G,8Hの設置は省略するようにしてもよい。)
【0045】
〔処理例2〕
図5に示すように、〔処理例1〕で求めたトラッキングエラー信号TE1の低周波成分をローパスフィルタで取りだし、このローパスフィルタで取り出した低周波成分の信号TE11を用いてトラッキング制御を行う。
【0046】
この信号TE11は、トラッキングエラー信号TE1から高周波数成分を除去した信号である。そして、前述のように、ディスクの面振れに起因する定常的外乱はトラッキングエラー信号の比較的低周波数帯に存在するのに対し、ディスクの欠陥や外部振動に起因する突発的な外乱はトラッキングエラー信号の比較的高周波数帯に存在する。
【0047】
従って、この信号TE11を用いることにより、これからメインスポットになるはずの位置においてディスクの欠陥や外部振動に起因する突発的な外乱の混入により過大なトラッキングエラーが検出される場合にも、未来のトラッキングエラー信号から突発的な外乱の混入による成分を除去した信号を用いてトラッキング制御が行われるようになるので、突発的な外乱の混入による過大な制御指令値の出力が防止されるようになる。
【0048】
〔処理例3〕
図6に示すように、〔処理例2〕と同じ信号TE11を求める。それと共に、メインビームL0の戻り光L0’を受光する受光素子8A〜8Dの出力信号A〜Dからプッシュプル法によりトラッキングエラー信号TE2(現在のトラッキングエラー信号)を求め、このTE2の高周波成分をハイパスフィルタで取りだす。そして、信号TE11とこのハイパスフィルタで取り出した高周波成分の信号TE21を併用してトラッキング制御を行う。
【0049】
この信号TE21は現在のトラッキングエラー信号TE2の高周波数成分を含む信号である。従って、信号TE21を信号TE11と併用することにより、低周波数帯に存在する定常的外乱による偏差と高周波数帯に存在する突発的な外乱による偏差とがそれぞれ良好に減衰させることができるようになる。
【0050】
〔処理例4〕
図7に示すように、〔処理例3〕と同じトラッキングエラー信号TE1,TE2を求める。そして、信号TE1に係数k(0≦k≦1)を乗算した信号TE12と、信号TE2に係数(1−k)を乗算した信号TE22とを求め、これらの信号TE12,TE22を併用してトラッキング制御を行う。
【0051】
また、この例では、光ディスク装置に加わる外部振動を検出するための加速度センサ(図示せず)を光ディスク装置に搭載している(但し、こうした外部振動を検出することのできる加速度センサ以外の適宜の振動検出手段を設けるようにしてもよい)。そして、この加速度センサで検出した外部振動が大きいときには、kの値を小さくし(例えば0.5未満にし)、逆にこの外部振動が小さいときには、kの値を大きくする(例えば0.5以上にする)。
【0052】
これにより、光ディスク装置に加わる外部振動が大きいときには現在のトラッキングエラー信号TE2のほうを未来のトラッキングエラー信号TE1よりも大きな割合で重み付けした信号を用いてトラッキング制御が行われ、逆にこの外部振動が小さいときには未来のトラッキングエラー信号TE1のほうをよりも大きな割合で重み付けした信号を用いてトラッキング制御が行われるようになる。
【0053】
従って、外部振動に起因する突発的な外乱が未来のトラッキングエラー信号に混入する場合にも、その外部振動による過大な制御指令値の出力が防止されるようになる。
【0054】
以上の例では、トラッキングエラーの検出方法にプッシュプル法を採用した光ディスク装置に本発明を適用しているが、それ以外のトラッキングエラー検出方法を採用した光ディスク装置に本発明を適用してよいことはもちろんである。そこで次に、3スポット法,ヘテロダイン法(DPD(DifferentialPush−Pull Detection)法)を採用した光ディスク装置に本発明を適用する例について、以上の例との相違点を中心にして説明する。
【0055】
3スポット法は、周知の通り、次のような原理でトラッキングエラーを検出するものである。半導体レーザーから発生したレーザービームを、回折格子で、メインビームL0(0次回折光)とサイドビームL1,L2(+1次回折光,−1次回折光)とに分光する。そして、メインビームL0の照射位置であるメインスポットMSと、サイドビームL1,L2の照射位置であるサイドスポットSS1,SS2との位置関係を、図8に示すように、各スポットMS,SS1,SS2がトラック方向に対して斜めの線上に並び、且つ、サイドスポットSS1とサイドスポットSS2とがメインスポットMSを挟んで対称な位置になる(サイドスポットSS1・メインスポットMS間の距離とサイドスポットSS2・メインスポットMS間の距離とが等しくなる)ように設定する。
【0056】
そして、光検出器上に、例えば図9に示すように、メインスポットMSからの戻り光L0’を受光する2分割の受光素子8A,8Cと、サイドスポットSS1からの戻り光L1’を受光する受光素子8Eと、サイドスポットSS2からの戻り光L2’を受光する受光素子8Fとを設ける。
【0057】
すると、トラックに直交する方向上でのメインスポットMSのトラックからの偏位量vtに応じて、受光素子8Eの受光量と受光素子8Fの受光量との関係が変化するので、このことを利用して、信号Eと信号Fとの差動をとることにより、この偏位量vtに依存したトラッキングエラー信号を求める(即ちメインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する)。
【0058】
ところで、この3スポット法を採用した場合、周知の通り、受光素子8Eの出力信号Eは、メインスポットMSからの戻り光L0’の検出信号(受光素子8A,8Cの出力信号)に対し、トラックに直交する方向上でのサイドスポットSS1のメインスポットMSからの偏位量+Δvに応じた角度だけ位相が進む。また、受光素子8Fの出力信号Fは、メインスポットMSからの戻り光L0’の検出信号に対し、トラックに直交する方向上でのサイドスポットSS2のメインスポットMSからの偏位量−Δvに応じた角度だけ位相が遅れる。
【0059】
そこで、3スポット法を採用したトラッキング制御系を有する光ディスク装置に本発明を適用する場合には、図10に示すように、信号Eに係数k(0≦k≦1)を乗算した信号kEと、信号Fに係数(1−k)を乗算した信号(1−k)Fとの差動信号TE=kE−(1−k)Fを求め、この差動信号TEをトラッキングエラー信号として用いるようにする。
【0060】
すると、メインスポットMSからの戻り光の検出信号よりも位相の進んだ信号と位相の遅れた信号とが重み付けされることにより、偏位量+Δv,−Δvと係数kとの大きさに応じた距離だけメインスポットMSよりも前方の位置におけるトラッキングエラーを検出する(未来のトラッキングエラー信号を得る)ことができるようになる。
【0061】
また、このようにトラッキングエラーの検出方法に3スポット法を採用した光ディスク装置に本発明を適用した場合には、3スポット法用に設けられている回折格子2をそのまま利用して未来のトラッキングエラー信号を得ることができるので、部品点数の増加を一層少なくすることができる。
【0062】
次に、ヘテロダイン法は、周知の通り、プッシュプル法と同様に光ディスクの記録面での回折光を利用するものであるが、プッシュプル法がトラックに直交する方向のみへの1次元的な回折光を利用するのに対し、トラック方向にも回折した2次元的な回折光を利用するようにしたものである。そのために、ヘテロダイン法では、光検出器上に4分割の受光素子を設けて、各受光素子の出力信号からトラッキングエラー信号を算出するようにしている。
【0063】
そこで、ヘテロダイン法を採用したトラッキング制御系を有する光ディスク装置に本発明を適用する場合には、メインスポットMS,サイドスポットSS1,SS2の位置関係を、プッシュプル法について図2に示したのと同じに設定した上で、光検出器8上に、例えば図11に示すように、メインスポットMSからの戻り光L0’を受光する4分割の受光素子8A〜8Dの他に、サイドスポットSS1からの戻り光L1’を受光する4分割の受光素子8E〜8H(更に、サイドスポットSS2からの戻り光L2’を受光する4分割の受光素子8I〜8L)を設けるようにする。
【0064】
これにより、受光素子8E〜8Hの出力信号から未来のトラッキングエラー信号を算出することができるようになる。
【0065】
尚、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る光ディスク装置によれば、いわば未来のトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行うことにより、トラッキング制御系の遅れ時間をキャンセルして時間遅れのないトラッキング制御を行うことができるので、トラッキング制御系の安定性の向上とトラッキング制御性能の向上とを実現することができる。
【0068】
また、未来のトラッキングエラー信号のうちの低周波数成分の信号を用いてトラッキング制御を行うことにより、未来のトラッキングエラー信号から突発的な外乱の混入による成分を除去した信号を用いてトラッキング制御が行われる。これにより、突発的な外乱の混入による過大な制御指令値の出力が防止されるという効果も得られるので、この点からもトラッキング制御系の安定性の向上とトラッキング制御性能の向上が実現される。
【0069】
また、突発的な外乱の混入による成分を除去した未来のトラッキングエラー信号だけでなく、突発的な外乱の混入による成分を含むが定常的外乱の混入による成分を除去した現在のトラッキングエラー信号をも用いてトラッキング制御を行うことにより、低周波数帯に存在する定常的外乱による偏差と高周波数帯に存在する突発的な外乱による偏差とをそれぞれ良好に減衰させることができるという効果も得られるので、トラッキング制御性能を一層向上させることができる。
【0070】
次に、本発明の請求項に係る光ディスク装置によれば、外部振動の大きさに応じた割合で未来のトラッキングエラー信号と現在のトラッキングエラー信号とを重み付けして得た信号を用いてトラッキング制御を行うことにより、請求項1に係る光ディスク装置の効果に加えて、外部振動に起因する突発的な外乱が未来のトラッキングエラー信号に混入する場合にもその外部振動による過大な制御指令値の出力が防止されるという効果も得られるようになるので、この点からもトラッキング制御系の安定性の向上とトラッキング制御性能の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の光ピックアップの光路系の一例を示す図である。
【図2】図1の光ディスクの記録面へのビームの照射位置の一例を示す図である。
【図3】図1の光検出器上の受光素子の配置例を示す図である。
【図4】本発明に係る光ディスク装置のトラッキング制御系における処理の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る光ディスク装置のトラッキング制御系における処理の別の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置のトラッキング制御系における処理の別の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る光ディスク装置のトラッキング制御系における処理の別の一例を示す図である。
【図8】3スポット法での光ディスクの記録面へのビームの照射位置を示す図である。
【図9】3スポット法での光検出器上の受光素子の配置を示す図である。
【図10】3スポット法での処理を示す図である。
【図11】本発明に係る光ディスク装置の光検出器上での受光素子の別の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザー、 2 回折格子、 3 ハーフミラー、 4 コリメータレンズ、 5 対物レンズ、 6 光ディスク、 8 光検出器、 8A〜8L 受光素子

Claims (2)

  1. トラッキング制御系を有する光ディスク装置において、
    光ディスクの回転方向と逆の方向を前方として、光ディスクから記録データを読み出す位置であるメインスポットよりも前方の位置におけるトラッキングエラーを検出する第1の検出手段と、
    前記メインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの低周波数成分を取り出す第1のフィルタと、
    前記第2の検出手段により得られたトラッキングエラー信号のうちの高周波数成分を取り出す第2のフィルタと
    を備え、前記第1のフィルタで取り出された低周波数成分の信号及び前記第2のフィルタで取り出された高周波数成分の信号を用いてトラッキング制御を行うようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. トラッキング制御系を有する光ディスク装置において、
    光ディスクの回転方向と逆の方向を前方として、光ディスクから記録データを読み出す位置であるメインスポットよりも前方の位置におけるトラッキングエラーを検出する第1の検出手段と、
    前記メインスポットにおけるトラッキングエラーを検出する第2の検出手段と、
    光ディスク装置の外部振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段で検出された外部振動の大きさに応じた割合で、前記第1の検出手段により得られたトラッキングエラー信号と前記第2の検出手段により得られたトラッキングエラー信号とを重み付けする重み付け手段と
    を備え、前記重み付け手段で重み付けされた信号を用いてトラッキング制御を行うようにしたことを特徴とする光ディスク装置。
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