JP3975475B2 - モニター設置架台およびそれを用いたモニター設置架台システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像診断システムに係り、特にモニター設置架台の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、X線画像やX線CT画像、MRI画像等の医用画像をデジタル化してコンピュータに取込み、これを複数の観察モニターに画面表示し、その表示画像を読影して所見を所見モニターより入力できるように構成した医用画像診断システムがある。
【0003】
この種の医用画像診断システムでは、複数の観察用モニターと1個の所見モニターを架台に並べて設置している。通常、それらのモニターは平面的に並べられるかまたは上下に立体的に並べられる。
【0004】
図5はモニターを上下に立体的に並べた場合の一例で、モニター架台1に5個の観察用モニター2と1個の所見入力用モニター3が載置され、作業テーブル4上には入力デバイスとしてのキーボード5やマウス6が置かれる。
【0005】
なお、医用画像診断システムに必要なCPUや記憶装置およびその接続状態等については簡略化のために図示を省略してある。CPUは、プログラムを実行し、前記キーボード5やマウス6からの入力に基づいて各部を適宜に制御することができる。記憶装置にはプログラムや各モニターに表示する画像データ並びに文字データ等が格納されると共に、入力された所見データが適宜格納される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような医用画像診断システムにおいて作業者は観察用モニター2に表示された画像を読解してその所見を所見入力用モニターの画面表示に従って入力するが、次のような課題があった。
【0007】
作業者は観察用モニターの画面を参照しながら所見入力用モニターの画面上に所見を入力する。しかし、所見入力用モニターと参照する観察用モニターの画面とが離れているため、視点を大きく移動させる必要があった。
【0008】
また、観察用モニターでの画像参照時に画像展開や階調処理、拡大縮小等を行うことがあるが、この場合観察用モニター画面上のポインタ操作等を観察用モニターに近づいて操作するために、入力デバイスを所見入力用モニターのところから当該観察用モニターの近くまで大きく移動させる必要がある。そして所見を入力する際は入力デバイスを再び所見入力用モニターのところまで戻す必要がある。
【0009】
このように、従来のモニター架台では作業者の視点の移動距離と入力デバイスの移動距離が大きくなり、作業者の負担が大きくなるという課題があった。
【0010】
この問題を解決するために所見入力用にラップトップ型のコンピュータを用いる解決策も採られたが、しかし観察用モニター制御用に使用する入力デバイスと所見データ入力に使用する入力デバイスが個別に必要となり、返って煩雑になるという欠点があった。
【0011】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、作業環境に応じて任意の位置に所見入力用モニターを移動できるように構成し、作業者の視点の移動距離を少なくすると共に作業時のマウス等の入力デバイスの移動距離も極力少なくすることのできるモニター設置架台を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1の発明は、
作業テーブルのモニター設置台上に載置された複数の観察用モニターと、
アームの一端に固定された上下位置、左右回転角および仰角がそれぞれ設定できるモニター保持機構と、
このモニター保持機構に係止された所見入力用モニターと、を備え、
前記アームの一部を前記モニター設置台に枢支して、前記所見入力用モニターを水平方向に回転させ、前記観察用モニターのそれぞれと前記所見入力用モニターが上下方向に且つ、前後に並列になるように手動調整自在に構成したことを特徴とする。
【0013】
このように所見入力用モニターを水平方向に回転させ、前記観察用モニターのそれぞれと前記所見入力用モニターが上下方向に且つ、前後に並列になるように構成し、所見入力用モニターが観察用モニターの手前で任意の上下位置、左右回転角および仰角となるように手動調整自在に構成することにより、参照する観測用モニターの前面に所見入力用モニターを移動させて作業することができ、作業者の視点の移動距離、入力デバイスの移動距離を極力少なくすることができる。
【0014】
この場合、請求項2のように所見入力用モニターとして液晶モニターを使用するとモニター保持機構への取付けが容易になる。
【0016】
ームは、請求項3のようにその長手方向に伸縮自在に構成し、所見入力用モニターの前後位置を適宜調節できるようにすることも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係るモニター設置架台の一実施例について詳しく説明する。図1は正面図、図2は上面図である。
図において、10は架台、11は架台10に設けられた作業テーブル、2は観察用モニター、12は所見入力用モニターである。
【0021】
13は作業テーブル11の奥に設けられたモニター設置台であり、その上面には観察用モニター2が載置されている。また、このモニター設置台13には所見入力用モニター4を移動自在に保持するモニター保持機構20が取り付けられている。所見入力用モニター4としては液晶モニターが使用される。
なお、モニター保持機構20の詳細については後述する。
【0022】
40はCPUや記憶装置等が収納されたタワーである。CPUは、所定のプログラムを実行し、入力デバイス(図示せず)からの入力に基づいて各部を適宜制御する。記憶装置には、所定のプログラムの他、各モニターに表示する画像データや文字データ等が格納され、また入力した所見データ等も格納できるようになっている。
【0023】
なお、入力デバイスであるキーボードやマウス等は作業テーブル11上に置かれるが、煩雑を避けるために図示を省略してある。
【0024】
図3はモニター保持機構部の斜視図、図4はモニター保持機構20の側面図である。モニター保持機構20において、21はアームであり、その一部が凸状に形成された回転軸22を介してモニター設置台13に枢支(枢支とは、凸部分と凹部分で回転自在に支持されること)され、作業テーブル面に沿って回転自在となっている。23はアーム21の端に立てられた円柱状の棒である。
【0025】
30は前記棒23に嵌合する角度調整機構であり、嵌合部材31と、所見入力用モニター取付け部材32と、これら2つの部材を連結するネジ33から構成されている。
【0026】
嵌合部材31は、その一部が棒23に嵌合し、水平方向に回転可能であると共に棒23の長手方向に(上下方向に)スライドできるように形成されている。これにより、作業者が架台の前で椅子に座ったとき所見入力用モニターの画面が観察用モニターの画面に重なり合わないようにすることができ、所望の上下位置で図示しないネジ等の係止機構により固定することができる。
また、水平方向回転角度についても図示しないネジ等の係止機構により所望の角度に固定することができる。
【0027】
所見入力用モニター取付け部材32は、T字状に形成された部材で、その端部に所見入力用モニターを取り付けることができるように構成されている。このモニター取付け部材32の一端は嵌合部材31の一端と連結しネジ止めされ、その連結ネジ33を軸として垂直方向に回転可能になっていて、ネジ33を締め付けることにより所見入力用モニターを所望の角度(仰角)に固定することができる。
【0028】
このような構成において、作業者は手動でアーム21を回動させ、所見入力用モニター12を、参照する観察用モニターの直下に近づけ、更に必要に応じて上下方向、水平方向の回転角度および仰角を適宜に調節し、参照画像の読解と所見の入力を行う。
【0029】
このとき、所見入力用の液晶モニターと観察用モニターは作業者の前面から見てほぼ前後に並列することとなる。したがって、参照画像の解読と所見入力の作業期間中は、作業者の視点は奥の方の観察用モニターと近くの所見入力用モニターとの間を往復するだけの最小移動となり、従来の場合に比べ視点移動は極端に少なくなる。
【0030】
またマウス等の入力デバイスは、解読と所見入力の作業期間中はその位置をほとんど移動させる必要がなく、従来の場合に比べて移動距離が格段に改善されていることが分かる。
【0031】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0032】
例えば、アーム21の下面にキャスターを取り付け、アーム21、嵌合部材31、所見入力用モニター12の重さを支えると共に作業テーブル11上を自在に転がるように構成してもよい。また、アーム21はその長手方向に伸縮自在な構成としてもよい。
【0033】
更に、実施例では、アーム21は回転軸22を中心に水平方向に(作業テーブル面に沿って)回転する構造となっているが、例えばレール等を用いて観察用モニターと並行して横方向にスライドする構造にしても構わない。
【0034】
また、所見入力用モニターには、所見データの入力だけでなく、文書記載のエディター画面と、観察用モニターの画像展開や、階調処理、拡大縮小機能、画像検索等の制御を行う画面をマルチタスクとして展開することができるように構成することもできる。なお、CPUにこのような制御ができる機能が必要である。
【0035】
このようなシステムにすれば、わざわざ観察用モニター上に赴いて指示しなくても所見入力用モニター画面上ですばやく当該観察用モニター画面の画像展開や、階調処理、拡大縮小、画像検索を指示することができ、操作性の向上を容易に図ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば次のような効果がある。
(1)観察用モニターの下方の任意の位置に所見入力用モニターが移動自在となり、作業状況に応じて適切な環境を構築でき、作業者の視点並びに入力デバイスの移動距離を最小とすることができる。
【0037】
(2)また、所見入力用モニター上に、文書記載のエディター画面と、観察用モニターの画像展開や、階調処理、拡大縮小、画像検索機能等の制御を行う画面をマルチタスクとして展開できるシステムを実現することにより、所見入力用モニター上で所見記載と画像処理制御を行うことができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモニター設置架台の一実施例を示す正面図である。
【図2】本発明に係るモニター設置架台の一実施例を示す上面図である。
【図3】モニター保持機構部の斜視図である。
【図4】モニター保持機構の側面図である。
【図5】従来のモニター設置架台の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
2 観測用モニター
10 架台
11 作業テーブル
12 所見入力用モニター
13 モニター設置台
20 モニター保持機構
21 アーム
22 回転軸
23 棒
30 角度調整機構
31 嵌合部材
32 所見入力用モニター取付け部材
33 ネジ
40 タワー

Claims (4)

  1. 作業テーブルのモニター設置台上に載置された複数の観察用モニターと、
    アームの一端に固定された上下位置、左右回転角および仰角がそれぞれ設定できるモニター保持機構と、
    このモニター保持機構に係止された所見入力用モニターと、を備え、
    前記アームの一部を前記モニター設置台に枢支して、前記所見入力用モニターを水平方向に回転させ、前記観察用モニターのそれぞれと前記所見入力用モニターが上下方向に且つ、前後に並列になるように構成したことを特徴とするモニター設置架台。
  2. 前記所見入力用モニターとして液晶モニターを使用したことを特徴とする請求項1記載のモニター設置架台。
  3. 前記アームは、その長手方向に伸縮自在に構成されたことを特徴とする請求項1記載のモニター設置架台。
  4. 作業テーブルのモニター設置台上に載置された複数の観察用モニターと、アームの一端に固定された上下位置、左右回転角および仰角がそれぞれ設定できるモニター保持機構と、このモニター保持機構に係止された所見入力用モニターと、を備え、
    前記アームの一部を前記モニター設置台に枢支して、前記所見入力用モニターを水平方向に回転させ、前記観察用モニターのそれぞれと前記所見入力用モニターが上下方向に且つ、前後に並列になるように構成したモニター設置架台と、
    前記観察用モニターに画像を表示し、その画像の制御を行うと共に、前記所見入力用モニター上に所見記載のエディターを開き所見を入力することのできる手段を備え、前記所見入力用モニターにおいて、前記観察用モニターの制御を行う画面と前記所見記載のエディター画面を選択的に切り替えることができるように構成したことを特徴とするモニター設置架台システム。
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