JP3975468B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気コネクタに係る。より詳細には、本発明は、複数のピンを有するデバイス、例えば、CPU等を挿入して、電気回路に適用するための電気コネクタに係る。
【0002】
【従来の技術】
TW特許出願第488570号及び第474510号は、複数のピンをもつデバイス、例えば、CPUを挿入して、電気回路に適用するZIF(ゼロ挿入力)ソケットコネクタであって、図1の絶縁ハウジング10aと、カバー20aと、複数の通路21aと、複数の電気端子30aと、操作器具40aとを備えたソケットコネクタを開示している。絶縁ハウジング10aは、ピンに各々対応する複数のスルーホールを有している。カバー20aは、開位置とロック位置との間で移動するように絶縁ハウジング10aに配置され、開位置では、CPUをZIFソケットコネクタに挿入することができ、そしてロック位置では、CPUが絶縁ハウジング10aに対してZIFソケットコネクタ内に保持される。電気端子30aは、カバー20aに形成された通路21aに配置される。操作器具40aは、カバー20aに平行に接続されるスピンドル41aと、カバー20aと絶縁ハウジング10aとを接続する偏心カムシャフト42aとを備えている。カバー20aは、偏心カムシャフト42aを回転することにより絶縁ハウジング10aに対して開位置とロック位置との間で移動できる。
【0003】
電気コネクタの電気端子30aに接触するCPUのような上記デバイスのピンは、次の式に基づき、力(F)と、力に対応する接触抵抗(R)とを発生する。
但し、R、F、W、R及びIは、各々、接触抵抗、力、電力、抵抗及び電流を表わす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記式により、接触抵抗(R)は、力(F)に逆比例し、電力(W)は、抵抗(R)との直接的な比である。CPUのピンにより電気端子に与えられる力(F)が減少するにつれて、接触抵抗(R)及び電力(W)が対応的に増加し、温度が上昇して、CPU等のデバイスの正常動作を妨げることになる。
従って、ZIFソケットコネクタの電気端子とCPUとの間の接触抵抗の増加により生じる温度上昇の有害な影響を防止しないまでも最小にする努力において公知技術の欠点を克服する改良された電気コネクタが必要とされる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の目的は、ZIFソケットコネクタに設置されたデバイスと、ZIFソケットコネクタの電気端子との間の接触抵抗を減少することである。この接触抵抗は、電気コネクタ絶縁ハウジングの通路の壁から延びる突起で電気端子のコンタクト部材に予荷重をかけることにより減少できる。コンタクト部材には、予荷重という1つの力と、デバイスのピンがZIFソケットコネクタに挿入される間にそのピンが電気端子に接触することから生じる別の力との両方が課せられる。コンタクト部材に課せられる全ての力が増加すると、接触抵抗及び電力が対応的に低下し、接触抵抗により発生される熱を減少することで、デバイスの正常の動作が妨げられないようにする。
【0006】
本発明によれば、この目的は、複数のスルーホールを含む絶縁ハウジングと、
上記絶縁ハウジングに配置されたカバーであって、開位置とロック位置との間で移動でき、そして複数の通路を有しているカバーと、
上記スルーホールに各々受け入れられる複数の電気端子であって、弾力性部材を含み、この弾力性部材の遠方端付近にコンタクト部材が配置された電気端子とを備える電気コネクタにおいて、
上記スルーホールは上記移動の方向に傾斜して延びる壁部と、該壁部に突設される突起であって、上記コンタクト部材が接することで該コンタクト部材を該壁部の壁面から離間した位置に押圧し該コンタクト部材に予荷重をかける突起とを備え、
上記コンタクト部材は上記突起に接する一端部と、該一端部から上記移動の方向手前側に離間した位置に設けられ該突起に接しない他端部と、該他端部端面の上記壁面の側に設けられた略直角の角部であって上記一端部が上記突起に接した状態のときに対向壁からの距離が電気部品のピン径より小さくなる角部と、該他端部における該角部の無い側の一端からある角度で延びるガイド部材とを備え、
上記カバーに載せられた上記電気部品のピンが上記通路を介して上記スルーホールに挿入された状態で該カバーが上記ロック位置に移動されたとき、該カバーと共に移動する該ピンを、上記角部の位置を通過させて上記壁面と上記コンタクト部材との間に挟み込み、該ピンが該コンタクト部材を押圧して上記突起から離間させるように構成されることで、達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図2の分解図、図2A、及び図3の斜視図を参照すれば、複数のピンをもつデバイス、例えば、CPU等を挿入して電気回路に適用する本発明によるZIF型のソケットコネクタは、絶縁ハウジング10と、カバー20と、複数の電気端子30と、操作器具40とを備えている。絶縁ハウジング10は、複数のピン50を各々収容するための複数の対応するスルーホール11を備えている。
【0008】
カバー20は、開位置とロック位置との間で移動できるように絶縁ハウジング10に配置される。カバー20は、ピン50を各々通すための複数の対応する通路21を有する。
電気端子30は、スルーホール11に配置される。操作器具40は、カバー20に平行に接続されるスピンドル41と、カバー20と絶縁ハウジング10とを接続する偏心カムシャフト42とを備え、従って、カバー20は、偏心カムシャフト42を回転することにより絶縁ハウジング10に対して開位置(図5に示す)とロック位置(図6に示す)との間で移動できる。
【0009】
本発明は、電気端子30と、絶縁ハウジング10のスルーホール11との改良に係る。電気端子30(図4)は、導電性材料で作られ、上方にまっすぐ延びる固定部材31と、この固定部材31の下部に接続されたテール部材32と、固定部材31の下部から上方に延びてそれと同じ高さを有する弾力性部材33とを備えている。L字型に折り曲げられたテール部材32は、電気回路に半田付けされて電気的接続される。弾力性部材33と、固定部材31は、異なる要求に応じて半径R36が増加するU字型を画成する。弾力性部材33は、その上部にコンタクト部材34が接続されている。このコンタクト部材34は、その端付近にガイド部材35を含み、このガイド部材は、ピン50とコンタクト部材34とを接触させるようにピン50をガイドするためにコンタクト部材34に対してある角度にされる。
【0010】
図7及び図8を参照すれば、スルーホール11は、電気端子30を固定するために内側に固定スロット12を有する。電気端子30は、固定部材31が固定スロット12に埋め込まれた状態でスルーホール11に設置される。スルーホール11は、更に、電気端子30のコンタクト部材34に対して予荷重を与えるようにその内壁に突き出た突起13を備えている。
【0011】
図5、図6及び図9を参照すれば、ピン50は、ゼロ挿入力でカバー20の通路21を経て絶縁ハウジング10のスルーホール11へ挿入され、その後、操作器具40がカバー20を開位置(図5)からロック位置(図6及び図9)へ駆動し、スルーホール11内のピン50はガイド部材35に沿って移動してコンタクト部材34に電気的接触し、デバイスのピン50が電気回路に電気的接続される。
【0012】
本発明の絶縁ハウジング10のスルーホール11では、突起13がコンタクト部材34に当たって力F1で事前に予荷重を与え(図5及び図7に示す)、そして各ピン50がコンタクト部材34に接触して別の力F2を課する(図6及び図9に示す)。それ故、コンタクト部材34には、突起13の予荷重の力F1と、ピン50の力F2との両方が課せられる。
【0013】
電気端子30のコンタクト部材34に課せられる合計力(F)が増加するにつれて、接触抵抗(R)及び電力(W)が対応的に減少し、温度を低下することで、デバイスの通常動作を妨げることが防止される。
公知のZIFソケットコネクタは、予荷重の機構がなく、各電気端子は、製造プロセス中に余裕度を与えるが、各電気端子のコンタクト部材は、組み立て中に相対的に所定の位置を向くことが困難である。これに対して、本発明は、各電気端子30を組み立て中に相対的に所定の位置に向けるための予荷重機構を有し、合計力(F)を増加し、接触抵抗(R)を減少し、その結果、電力(W)及び熱を低下させる。
【0014】
更に、本発明は、半径R36を変化させることにより予荷重の力を調整する。これは、半径R36が大きいほど、予荷重の力が大きいことを意味する。
以上に述べたように、本発明は、コンタクト部材に接触するピンにより発生される小さな力で大きな接触抵抗となる公知のコネクタに対して顕著な改善を与える。接触抵抗が大きいと、電力が増加し、それに対応して温度が上昇し、コネクタに取り付けられるデバイス、例えば、CPUの正常動作を妨げることになる。
【0015】
当業者であれば、上記説明は、本発明の特定の実施形態を例示するものに過ぎないことが明らかであろう。それ故、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内で本発明の上記構造及び動作に種々の変更及び修正がなされ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 公知の電気コネクタの分解図である。
【図2】 本発明の電気コネクタの分解図である。
【図2A】 図2の部分Aの詳細な斜視図である。
【図3】 本発明の電気コネクタの斜視図である。
【図4】 本発明の電気端子の斜視図である。
【図5】 本発明の電気端子を開位置においてピンと共に示す拡大上面図である。
【図6】 本発明の電気端子をロック位置においてピンと共に示す拡大上面図である。
【図7】 各スルーホールに受け入れられた本発明の電気端子の平面図である。
【図8】 各スルーホールに受け入れられた本発明の電気端子の斜視図である。
【図9】 本発明の電気端子をピンと共に示す平面図である。
Claims (13)
- 複数のスルーホールを含む絶縁ハウジングと、
上記絶縁ハウジングに配置されたカバーであって、開位置とロック位置との間で移動でき、そして複数の通路を有しているカバーと、
上記スルーホールに各々受け入れられる複数の電気端子であって、弾力性部材を含み、この弾力性部材の遠方端付近にコンタクト部材が配置された電気端子とを備える電気コネクタにおいて、
上記スルーホールは上記移動の方向に傾斜して延びる壁部と、該壁部に突設される突起であって、上記コンタクト部材が接することで該コンタクト部材を該壁部の壁面から離間した位置に押圧し該コンタクト部材に予荷重をかける突起とを備え、
上記コンタクト部材は上記突起に接する一端部と、該一端部から上記移動の方向手前側に離間した位置に設けられ該突起に接しない他端部と、該他端部端面の上記壁面の側に設けられた略直角の角部であって上記一端部が上記突起に接した状態のときに対向壁からの距離が電気部品のピン径より小さくなる角部と、該他端部における該角部の無い側の一端からある角度で延びるガイド部材とを備え、
上記カバーに載せられた上記電気部品のピンが上記通路を介して上記スルーホールに挿入された状態で該カバーが上記ロック位置に移動されたとき、該カバーと共に移動する該ピンを、上記角部の位置を通過させて上記壁面と上記コンタクト部材との間に挟み込み、該ピンが該コンタクト部材を押圧して上記突起から離間させるように構成された電気コネクタ。 - 上記電気端子は、更に、電気端子をスルーホール内に保持するための固定部材を含む請求項1に記載の電気コネクタ。
- 上記固定部材と弾力性部材との間に半径RのU字型部が形成される請求項2に記載の電気コネクタ。
- 上記固定部材及び弾力性部材の各々は、上記U字型部の両端から上記遠方端の方に延びる請求項3に記載の電気コネクタ。
- 上記固定部材及び弾力性部材の各々は、上記U字型部の両端から等距離だけ上記遠方端の方に延びる請求項3に記載の電気コネクタ。
- 上記スルーホールは、上記固定部材を受け入れるための固定スロットを有する請求項2に記載の電気コネクタ。
- 上記電気端子は、固定部材を更に含み、上記弾力性部材及び固定部材が半径RのU字型部を画成する請求項1に記載の電気コネクタ。
- 上記カバーに平行に接続されるスピンドルと、上記カバーと絶縁ハウジングとを接続する偏心カムシャフトとを含む操作器具を更に備え、この偏心カムシャフトを回転することにより上記カバーを絶縁ハウジングに対して開位置とロック位置との間で移動できる請求項1に記載の電気コネクタ。
- 上記U字型部の半径Rを増加すると、上記突起によりコンタクト部材にかかる予荷重が増加する請求項3に記載の電気コネクタ。
- 上記U字型部の半径Rを増加すると、上記突起によりコンタクト部材にかかる予荷重が増加する請求項7に記載の電気コネクタ。
- 上記電気端子は、上記コンタクト部材から最も離れた位置にテール部材を含む請求項1に記載の電気コネクタ。
- 上記テール部材は、上記U字型部から、上記コンタクト部材から離れる方向に延びる請求項11に記載の電気コネクタ。
- 上記電気端子は、上記コンタクト部材から最も離れた位置にテール部材を含み、該テール部材は、上記U字型部から、上記コンタクト部材から離れる方向に延びる請求項7に記載の電気コネクタ。
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