JP3975063B2 - 表示履歴記録方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、列車におけるコマーシャル表示の表示履歴を記録する表示履歴記録方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コマーシャル表示の履歴をログに記録する各種の装置は、実用化されている。例えば、特開平8−44379号公報は、通信カラオケ装置でコマーシャル表示の履歴をログとして記録する方式を開示している。ここでは、ハードディスク等の記録媒体にコマーシャル表示履歴の記録を保持する技術が使用されている。また、特開昭61−285490号公報では、列車車両の客室内に設置された表示パネルに画像で情報を表示するシステムが開示されている。このシステムでは表示履歴の情報管理については触れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、コマーシャル情報(以下CMと呼ぶ)の表示にあたっては、スポンサーより広告料を得ていることから、スポンサーに対して、CM表示履歴の報告義務がある。一方、スポンサーとしては、CM表示のコストパフォーマンスを把握したいという点から、視聴者数の情報に対するニーズがあった。テレビ放送における番組の視聴率調査では、視聴者にアンケートをとったり、任意抽出した視聴者のテレビ受信器にチャンネル番号情報を送信する装置を取り付けたりすることにより実施していた。これらの視聴率調査は、おおがかりであり、多くの人件費を必要とする。
【0004】
ところで、列車車両内で放送されるCM表示に関しては、視聴者数を測る指標として、車両の乗客数を用いることが有効である。
図8は、従来の表示履歴情報の出力例を示す図である。
ところが、図8の従来の表示履歴情報の出力例に見られるように表示情報中に乗客数は含まれていなかった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、車両客室内での商業用表示の表示履歴を、車両の乗車人数情報と共に記録する表示履歴記録方式を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる表示履歴記録方式においては、車両内に配置され、商業用表示を画面に表示する表示装置と、
車両内に配置され、表示装置に商業用表示を配信するとともに、商業用表示の配信を開始したときに商業用表示の表示内容の情報と表示開始を示す情報とを伝送路を介して送信し、商業用表示の表示が終了したときに表示終了を示す情報を伝送路を介して送信する表示制御装置と、
この表示制御装置と伝送路を介して車両内に配置され、表示制御装置からの表示内容の情報と表示開始を示す情報とを受信したときの時刻を表示開始日と表示開始時刻として記憶し、表示終了を示す情報を受信したときの時刻を表示終了時刻として記憶し、表示開始を示す情報を受信した時点での車両内の乗客人数を算出して記憶するとともに、表示開始日と表示開始時刻と表示終了時刻と表示内容と乗車人数とを表示履歴情報として記憶する列車情報装置とを備え、
表示終了を示す情報は受信していないが、新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信した場合は、商業用表示の表示が終了する前に表示が中断されたとみなして、新たに表示開始を示す情報を受信した時刻を商業用表示の表示終了時刻として記憶して1件の表示履歴情報を作成するとともに、新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信したときの時刻を新たな商業用表示の表示開始日と表示開始時刻として列車情報装置に記憶するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
車両の乗客数は、列車情報装置が通常取得しているAS圧情報から算出することが可能である。ここで得た乗客数の情報をコマーシャル表示履歴情報の中に含めることにより、簡単に視聴者数の情報を得ることができる。実施の形態1は、これを基にした視聴者数の情報を表示履歴記録に含めるようにしたものである。
図1は、この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式を示すシステム構成図である。
1は、計算部1A(乗客数算出部)と記憶部1Bを有し、乗車人員の算出処理や表示履歴を記録する列車情報装置で、各車両に設けられ、トレインバス1Cにより互いに接続されている。列車情報装置1による乗車人数の算出処理は、各車両個別に行われる。2はコマーシャルや商業用番組等の情報(商業用表示)を配信する表示制御装置、3は表示制御装置2によって配信された情報を画面に表示する表示装置で、各車両に設けられている。4は列車情報装置1に、AS圧(Air Spring圧力値)情報Gaを送信するブレーキ装置である。
【0010】
図2は、この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示履歴情報の出力例を示す図である。
図3は、この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示履歴情報作成処理を示すフローチャートである。
図4は、この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示情報Gbのデータフォーマットの例を示す図である。
【0011】
次に、動作について説明する。
図1のシステムでは、表示制御装置2が、コマーシャルや商業用番組等の情報を、表示装置3に配信する。表示装置3は、車両客室内に設置されていて、配信された情報を画面に表示する。表示制御装置2は、表示装置3に対して、情報配信をした時に、表示情報Gbを列車情報装置1に対して伝送路を介して通知する。表示情報Gbは、図4に示されるように、「表示開始通知ビット」(開始情報)、「表示終了通知ビット」(終了情報)及び「表示内容」にて構成される。表示装置3で、表示が開始された時には、表示情報Gbの「表示開始通知ビット」が有効の状態で、かつ「表示内容」情報が設定された状態で、表示制御装置2から送信され、列車情報装置1内の記憶部1Bに記憶される。
【0012】
一方、ブレーキ装置4は、列車情報装置1に対して、常にAS圧情報Gaを伝送により送信している。列車情報装置1内の計算部1Aは、表示情報Gbを受信すると、その時点でのAS圧情報Gaを取得し、所定の計算式を使用して乗車人数を算出し、その情報が記憶部1Bに記録される。
さらに、表示中の番組等が終了したことを、表示制御装置2が認識すると、表示情報Gbに「表示終了通知ビット」が有効な状態で送信され、表示終了時刻情報が、記憶部1Bに記憶される。なお、ある表示内容が終了される前に中断するような形で、新たに表示を開始した場合には、中断された時点を表示終了時刻として記録する。
「表示開始日」「表示開始時刻」「表示内容」「乗車人数」及び「表示終了時刻」の5つの情報がそろった段階で、1件の表示履歴情報Gが作成されたこととなり、以後表示開始の回数分、表示履歴情報Gとして、記憶部1B内に記憶される。
【0013】
図2は、記憶部1Bの情報を読み出し、パソコン等を使用して最終的に表示履歴情報Gを表現した出力例である。表示の開始日、開始時刻、終了時刻、表示内容と共に乗車人数が記録されているのが、特徴である。一方、図8の従来方式における表示履歴情報Gでは、乗車人員の情報を付加することができなかった。
【0014】
次に、列車情報装置1内の計算部1Aで実施される表示履歴情報Gを作成する処理を、図3に示すフローチャートに基づき説明する。
STARTで、計算部1Aの処理回路が可動状態となり、表示制御装置2から送信される表示開始指定の受信待ち状態(ステップS1)となる。表示開始通知を受信すると(ステップS1のYESの分岐)、列車情報装置1内部の時計データから、表示開始日、開始時刻を取得し、記憶部1Bに記録させ(ステップS2)、表示内容の情報を記憶部1Bに記録させる(ステップS3)、その処理の直後に常時取得しているAS圧情報Gaからその車両の乗車人数を算出して、記憶部1Bへ記憶させる(ステップS4)。
【0015】
この後は、表示終了指定の受信待ち状態(ステップS5)となる。表示終了通知を受信すると(ステップS5のYESの分岐)、終了時刻情報を記憶部1Bに記憶させ(ステップS6)、ここで1件の表示履歴情報Gが完成されて、次の表示の開始待ち状態(ステップS1)になる。また、表示終了指定の受信待ち状態(ステップS5)において、表示終了指定は受信していないが(ステップS5のNoの分岐)、新たに表示開始通知を受信すると(ステップS7のYesの分岐)、表示が中断されたとみなして、この時点の時刻情報を表示終了時刻として記憶部1Bに記憶すると共に(ステップS8)、新しく開始された表示内容の開始日、開始時刻を記録する(ステップS2)。
【0016】
さらに、データ収集の簡便性向上のため、この方式において作成した各車列車情報装置1の中に記憶された表示履歴情報Gを、トレインバス1Cを経由することにより、いずれかの車両に集中させてもよい。ここで集中させたデータのまとまりは様々な方法で車外に搬送できる。何らかの記録媒体、例えばPCMCIAカードや、ICメモリカードを介して車外に持ち出すことも可能である。また、例えば、無線により地上局へデータ伝送することも可能である。
また、途中で表示が中断した場合の履歴情報も自動的に記憶することができるので、この計測方法は一度システムを構築してしまえば、後は自動的にCM表示(商業用表示)時の表示内容、開始日、開始時刻、終了時刻、車両内人数を計測でき、ほとんどコストをかけずに商業用表示の履歴を記録できる。
【0017】
実施の形態1によれば、AS圧情報から乗車人数を算出し、表示情報と共に記憶部に記憶させることにより、表示履歴情報に乗車人数を付加して記録することができる。
【0018】
実施の形態2.
車両の乗客数は、座席使用状態情報のデータベースから得ることが可能である。ここで得た乗客数の情報をコマーシャル表示履歴情報の中に含めることにより、簡単に視聴者数の情報を得ることができる。実施の形態2は、これを基にした視聴者数の情報を表示履歴記録に含めるようにしたものである。
図5は、この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式を示すシステム構成図である。
図5において、1〜3は図1におけるものと同一のものである。5は、座席の占有状況を把握し、各車の乗車人数情報を有する乗客情報管理データベースである。
図6は、この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式の表示履歴情報の出力例を示す図である。
図7は、この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式の表示履歴情報作成処理を示すフローチャートである。
【0019】
次に、動作について説明する。
実施の形態2では、乗車人数の情報を、乗客情報管理データベース5から取得する。
この方式は、特急車指定席のように乗客の座席が決まっていて、座席の占有の状況が乗客管理のシステムにより把握されている場合に適用することができる。
なお、この実施の形態2では各車両で同じ表示内容を表示している状態を想定している。実施の形態2では、表示制御装置2から列車情報装置1に表示情報Gbによって表示開始の通知があった時に、乗客情報管理データベース5から取得した各車の乗車人数情報Gcを記憶部1Bへ記憶させ、表示履歴情報Gを作成する。また、実施の形態1と異なり、編成単位で乗車人数情報を管理する。図6の表示履歴情報Gの出力例が示すように1つの表示開始通知に対して、各車両の情報が付加された形である。
【0020】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
図7は、実施の形態2における、列車情報装置1内の計算部1Aで実施する表示履歴情報Gを作成する処理を示している。図7のステップS1〜S3、ステップS5〜S8は、図3におけるものと同じ処理である。
実施の形態1の図3のフローチャートとの違いは、乗車人数を認識する処理を示すステップであるステップS9のみである。乗客情報管理データベース5は、全車両の全座席の占有状態の情報を管理しており、列車情報装置1から情報提供要求の指令があった時には、座席の占有状態の情報から各車の乗車人数情報Gcを算出して、これを伝送により送信する。ステップS9は、まず列車情報装置1から情報提供要求を乗客情報管理データベース5に送信し、これに応じて送信される乗車人数情報Gcを計算部1Aが取得し、記憶部1Bに記録させるという処理である。
この計測方法は一度システムを構築してしまえば、後は自動的にCM表示時の車両内人数を計測でき、ほとんどコストをかけずに視聴者数情報を得ることができる。
【0021】
実施の形態2によれば、乗車情報管理データベースから各車の乗車人数情報を取得し、表示情報と共に記憶部に記憶させることにより、表示履歴情報に乗車人数を付加して記録することができる。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
車両内に配置され、商業用表示を画面に表示する表示装置と、
車両内に配置され、表示装置に商業用表示を配信するとともに、商業用表示の配信を開始したときに商業用表示の表示内容の情報と表示開始を示す情報とを伝送路を介して送信し、商業用表示の表示が終了したときに表示終了を示す情報を伝送路を介して送信する表示制御装置と、
この表示制御装置と伝送路を介して車両内に配置され、表示制御装置からの表示内容の情報と表示開始を示す情報とを受信したときの時刻を表示開始日と表示開始時刻として記憶し、表示終了を示す情報を受信したときの時刻を表示終了時刻として記憶し、表示開始を示す情報を受信した時点での車両内の乗客人数を算出して記憶するとともに、表示開始日と表示開始時刻と表示終了時刻と表示内容と乗車人数とを表示履歴情報として記憶する列車情報装置とを備え、
表示終了を示す情報は受信していないが、新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信した場合は、商業用表示の表示が終了する前に表示が中断されたとみなして、新たに表示開始を示す情報を受信した時刻を商業用表示の表示終了時刻として記憶して1件の表示履歴情報を作成するとともに、新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信したときの時刻を新たな商業用表示の表示開始日と表示開始時刻として列車情報装置に記憶するので、記憶される表示履歴情報に乗車人数、商業用表示の開始情報及び終了情報を含めて記憶することができるとともに、商業用表示が途中で中断されたときも表示履歴情報を記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式を示すシステム構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示履歴情報の出力例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示履歴情報作成処理を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による表示履歴記録方式の表示情報Gbのデータフォーマットの例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式を示すシステム構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式の表示履歴情報の出力例を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による表示履歴記録方式の表示履歴情報作成処理を示すフローチャートである。
【図8】 従来の表示履歴情報の出力例を示す図である。
【符号の説明】
1 列車情報装置、1A 計算部、1B 記憶部、2 表示制御装置、
3 表示装置、4 ブレーキ装置、5 乗客情報管理データベース。
Claims (1)
- 車両内に配置され、商業用表示を画面に表示する表示装置と、
上記車両内に配置され、上記表示装置に上記商業用表示を配信するとともに、上記商業用表示の配信を開始したときに上記商業用表示の表示内容の情報と表示開始を示す情報とを伝送路を介して送信し、上記商業用表示の表示が終了したときに表示終了を示す情報を上記伝送路を介して送信する表示制御装置と、
この表示制御装置と上記伝送路を介して上記車両内に配置され、上記表示制御装置からの上記表示内容の情報と上記表示開始を示す情報とを受信したときの時刻を表示開始日と表示開始時刻として記憶し、上記表示終了を示す情報を受信したときの時刻を表示終了時刻として記憶し、上記表示開始を示す情報を受信した時点での上記車両内の乗客人数を算出して記憶するとともに、上記表示開始日と上記表示開始時刻と上記表示終了時刻と上記表示内容と上記乗車人数とを表示履歴情報として記憶する列車情報装置とを備え、
上記表示終了を示す情報は受信していないが、新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信した場合は、上記商業用表示の表示が終了する前に表示が中断されたとみなして、上記新たに表示開始を示す情報を受信した時刻を上記商業用表示の表示終了時刻として記憶して1件の表示履歴情報を作成するとともに、上記新たに表示開始を示す情報と表示内容の情報とを受信したときの時刻を新たな商業用表示の表示開始日と表示開始時刻として上記列車情報装置に記憶することを特徴とする表示履歴記録方式。
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