JP3974982B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機に関し、特に、回転子が固定子の外側において回転するように構成されているアウタロータ形の発電機または電動機に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯用発電機は回転子がエンジンのクランクシャフトに連結されており、エンジンによって駆動される回転子が固定子に対して回転することにより発電するように構成されている。アウトドアー・レジャーの流行に伴って、携帯用発電機が広く普及して来ている。このため、携帯用発電機においてはエンジンの始動を自動的に実行させるためのスタータモータの搭載が必須になって来ている。そこで、本発明者は、携帯用発電機としてエンジンに直結した発電装置の回転子および固定子をスタータモータの界磁子および電機子に兼用することを考えた。
【0003】
一方、固定子の外側に永久磁石(以下、マグネットという。)を有する回転子が配設されたアウタロータ形の電動機または発電機(以下、アウタロータ形回転電機という。)が、従来から種々提案されている。これらのアウタロータ形回転電機としては、巻線を三相とし半導体スイッチを用いて制御するように構成されているブラシレス電動機がある。ブラシレス電動機において、半導体スイッチを制御するためには、回転子の位置を検出する位置検出装置が必要になる。そこで、回転子のマグネットの位置をホール素子によって検出する位置検出装置の採用が試みられている。
【0004】
また、アウタロータ形回転電機が電動機として使用される場合において、界磁電流を変更制御する界磁巻線を付設することによって電動機の特性を変更することが試みられている。また、発電機として使用される場合において、界磁巻線を付設して発電電圧の低下に対し界磁巻線を励磁する界磁電流を増加させて発電電圧を増加させることにより、負荷の増加に伴う発電電圧の低下を防止することが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
携帯用発電機において、固定子のエンジンケース側の端面に界磁巻線が配設された場合には、界磁巻線の結線部は固定子の他端面側に配置する必要が有り、そのための配線が複雑になり配線作業が面倒になってしまう。すなわち、固定子の発電巻線の側面に界磁巻線が配設される状態になるため、発電巻線の端末が界磁巻線側に引き出しずらく、発電巻線と界磁巻線とを相反する方向に引き出して内部において配線する状態になる。このため、大きな配線スペースが必要になり、同じ場所から引き出すことが困難になる。
【0006】
本発明の目的は、固定子巻線の端末の配線および界磁巻線の端末の配線を簡単化することができる回転電機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)回転軸により回転される有底円筒形状のヨークを有する回転子と、
前記ヨーク内に同心円に配置された固定子と、
該固定子の前記ヨーク底壁側端面に配設された界磁巻線と、
を備えている回転電機であって、
前記固定子には給電部挿通孔が軸方向に貫通するように開設されており、
前記界磁巻線の前記固定子側端面に給電部が突設されているとともに、該給電部は前記給電部挿通孔に挿通されており、
前記給電部は絶縁性を有する樹脂が使用されて前記給電部挿通孔に挿通する棒状に形成されたホルダと、該ホルダに軸方向に挿通されて保持された端子部材とを備えており、
前記端子部材の前記界磁巻線側端部には前記界磁巻線が電気的に接続されており、
前記端子部材の他端部には相手側端子部材が前記給電部挿通孔の内部において電気的に接続されていることを特徴とする回転電機。
【0008】
(2)前記端子部材は雄端子部材として構成されており、前記相手側端子部材は雌端子部材として構成されており、前記雌端子部材は前記給電部挿通孔の内部において前記雄端子部材に結合されていることを特徴とする前記(1)に記載の回転電機。
【0009】
前記(1)の手段によれば、界磁巻線の電気的端末が固定子における界磁巻線配置側と反対側に電気的に引き出されているため、界磁巻線に対する電気的接続を当該反対側において実施することができる。その結果、界磁巻線に対する電気的接続と、固定子巻線に対する電気的接続とを固定子の同一端面側において実施することができる。
また、固定子に開設された給電部挿通孔内において、界磁巻線側の端子部材と電源側の端子部材とが電気的に接続されているため、余分な結線スペースを必要とせずに、界磁巻線を電源に電気的に接続することができる。
【0010】
前記(2)によれば、雌端子部材を給電部挿通孔に嵌入することにより、雌端子部材と雄端子部材とを嵌合させることができるので、ワンタッチ操作で、雌端子部材と雄端子部材とを給電部挿通孔の内部で電気的に接続することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態である携帯用発電機の主要部を示す正面断面図である。図2は位置検出装置の取付部分を示す分解斜視図である。
【0012】
本実施形態において、本発明に係る回転電機は、携帯用発電機の発電装置として構成されており、携帯用発電機においてエンジンと一体的に組み合わされている。そして、この発電装置はエンジンを始動し得るように構成されている。つまり、この発電装置は電動機兼用発電機として構成されている。
【0013】
すなわち、エンジンケース1には発電装置2が図1に示されているように組み付けられている。エンジンのクランクシャフト3のエンジンケース1から外側に突出した端部には、発電装置2の回転子4が一体回転するように組み付けられている。回転子4は鉄等の磁性材料が用いられて有底の短尺円筒形状に形成されたヨーク4aと、ヨーク4aの底壁の内面に同心的に配されて一体的に突設されている円筒形状のボス部材4bとを備えており、ボス部材4bがクランクシャフト3にテーパ結合されてナット4cによってねじ結合されている。ヨーク4aの円筒壁の内周面には回転子4の磁極を構成するためのマグネット5が複数個、周方向に配されて固定されている。そして、回転子4の全体としての慣性マスはエンジンに対してのフライホイール機能を充分に発揮し得るように設定されている。
【0014】
電動機兼用発電機である発電装置2のエンドブラケット6はエンジンケース1におけるクランクシャフト3の外側に被せ付けられて、ボルト1aによって締結されている。発電装置2の固定子9は始動巻線7および発電巻線8を備えており、全体的に大略ドーナッツ形状に形成されている。固定子9はエンドブラケット6の内部において回転子4と同心円に配置されて、エンドブラケット6に締結部材としてのボルト10によって締結されている。固定子9の内周面は回転子4のボス部材4bの外周面に近接した状態になっており、固定子9の外周面は回転子4のマグネット5群の内周面に近接した状態になっている。すなわち、回転子4は中央部のボス部材4bが固定子9の中央部に挿入された状態で、エンジンのクランクシャフト3に駆動されて、ヨーク4aの内周に配されたマグネット5群が固定子9の周囲を回転し得るように構成されている。
【0015】
固定子9におけるヨーク4aの底壁に対向する側の端面には、円形リング形状の凹部13が固定子9の中心と同心円に形成されており、凹部13には界磁巻線11のコイルボビン12が収容されてボルト10によって締結されている。すなわち、固定子9のヨーク底壁側端面において、凹部13は始動巻線7および発電巻線8のコイルボビン14と固定子コア15とにわたって形成されており、凹部13の穴底にはボルト挿通孔17が複数本、周方向に間隔を置かれて軸方向に貫通するように開設されている。他方、界磁巻線11のコイルボビン12における凹部13への収容側端面にはナット部16が複数、各ボルト挿通孔17にそれぞれ対応するように配設されている。そして、界磁巻線11のコイルボビン12が凹部13に嵌合されて仮保持された状態で、各ボルト挿通孔17にボルト10がエンドブラケット6の外側から挿入されて、各ナット部16にねじ込まれることにより、界磁巻線11は固定子9と共にエンドブラケット6に締結される。
【0016】
界磁巻線11のコイルボビン12の凹部13への収容側端面の一部には給電部18が突設されている。給電部18は絶縁性を有する樹脂が使用されて棒状に形成されたホルダ19と、界磁巻線11に電気的に接続された雄端子部材20とを備えており、雄端子部材20はホルダ19を軸方向に挿通されて保持された状態になっている。給電部18はホルダ19が固定子コア15に開設された給電部挿通孔18aを挿通されることにより、固定子9のエンドブラケット6側の端面に引き出されており、この引き出し側端部において雄端子部材20には雌端子部材21が電気的に接続されている。雌端子部材21は携帯用発電機の電源(図示せず)に電気的に接続されている。
【0017】
ちなみに、組み付けに際しては、固定子9に界磁巻線11が仮保持された状態で、固定子9の固定子コア15における開口縁辺部がエンドブラケット6の内側端面における中央部に円柱形状に突設された取付部22に印籠結合され、エンドブラケット6の外側から各ボルト挿通孔17に挿入されて、各ナット部16にねじ込まれることにより、界磁巻線11は固定子9と共にエンドブラケット6に据え付けられる。
【0019】
本実施形態において、始動巻線7および発電巻線8は三相ブラシレス電動機および発電機を構成するようになっており、半導体スイッチによって制御されるように構成されている。したがって、本実施形態に係る発電装置2には半導体スイッチをON・OFF制御するのに必要な回転子位置検出装置23が組み込まれている。回転子位置検出装置23は被検出側ユニット24と検出側ユニット27とを備えており、被検出側ユニット24は回転子4側に組み付けられ、検出側ユニット27はエンドブラケット6側に組み付けられている。
【0020】
被検出側ユニット24はスペーサ25および被検出マグネット26を備えており、スペーサ25は回転子4のボス部材4bにおけるエンドブラケット6側の端面に据え付けられている。スペーサ25は非磁性材料を使用されて円形リング形状に形成されており、ボス部材4bの端面に当接されてピン25aによって回り止めされた状態で、回転子4をクランクシャフト3に固定したナット4cによってボス部材4bに共締めされている。被検出マグネット26は複数の磁極が周方向に間隔をおいて着磁された円形リング形状に形成されており、スペーサ25のエンドブラケット6側端面における外周辺部に同心円に嵌合されて、接着法や一体成形法等によって固定されている。
【0021】
検出側ユニット27は絶縁性を有する材料が使用されて円盤形状に形成されたホルダ28を備えている。ホルダ28はエンドブラケット6の中心部に開設された取付孔6aに嵌入されており、取付孔6aに嵌着されたサークリップ6bに突き当てられて位置決めされた状態で、取付孔6aの開口縁辺部に形成されたかしめ加工部6cによって固定されている。ホルダ28の内側端面にはホール素子取付筒部28aが同心円に突設されており、ホール素子取付筒部28aの内周面にはホール素子29が3個、周方向に等しい位相差をもって配置されている。
【0022】
ホルダ28の外側端面には回路基板収納穴30が形成されており、回路基板収納穴30の底には半導体スイッチを構成した電子部品や配線(図示せず)が搭載された回路基板31が収納されている。回路基板31の半導体スイッチには3個のホール素子29が、リード線29aを回路基板収納穴30に引き込まれて電気的に接続されている。回路基板収納穴30の内部には絶縁性を有する樹脂が充填されることにより、樹脂封止体32が形成されている。ちなみに、エンドブラケット6がエンジンケース1に据え付けられると、各ホール素子29が被検出マグネット26に外周方において所定のエアギャップをもって対向するように各部が設定されている。
【0023】
次に作用を説明する。
電動機兼用発電機である発電装置2によってエンジンが始動される際には、固定子9の始動巻線7へ携帯用発電機の制御回路(図示せず)に搭載されたドライバからブラシレス電動機の駆動信号に相当する通電信号が印加される。この始動巻線7への通電によって形成される回転磁界が回転子4のマグネット5群の磁界を相対的に切るため、回転子4は回転される。この回転する回転子4の位置は、ボス部材4bに固定された被検出マグネット26の位置がエンドブラケット6に固定されたホール素子29によって検出されることによって時々刻々と計測され、回路基板31の半導体スイッチに送信されるため、ドライバは回転子4の回転を継続かつ安定させることができる。
【0024】
この際、界磁巻線11には回転子4のマグネット5と異なる磁極になるように通電される。すなわち、エンジン始動時には固定子9の発電巻線8に作用する界磁の有効磁束が減少する方向に界磁巻線11が励磁される。したがって、固定子9の発電巻線8に鎖交する界磁の磁束は回転子4のマグネット5による磁束と界磁巻線11による磁束とが差動的に鎖交されたものとなり、界磁巻線11に通電する電流に応じて磁束が減った分だけ磁束変化が小さくなる。つまり、本実施形態によれば、回転子4に連結されたエンジンのクランクシャフト3を回転駆動する際に、発電機の負荷を減少させることができるため、本来、発電に使用される発電装置2であってもエンジンを確実に始動させることができる。
【0025】
エンジンが始動されると、ホール素子29による被検出マグネット26の検出信号等に基づいて、ドライバが駆動信号の発信を自動的に停止する。そして、エンジンが始動されると、クランクシャフト3に連結された回転子4が固定子9の周囲を回転する状態になるため、回転子4のマグネット5の磁束が回転磁界を形成して固定子9の発電巻線8を切る状態になり、発電巻線8において起電力が発生する。発電巻線8の起電力はこれに接続されたリード線によって外部に取り出され所望の負荷に供給される。
【0026】
エンジンが始動された後は、ドライバによる始動巻線7への通電は断たれ、電動機から発電機に切り換える。
【0027】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0029】
前記実施形態においては、携帯用発電機の発電装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、アウタロータ形のファンモータ等のアウタロータ形の回転電機全般に適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定子に給電部挿通孔を軸方向に開設するとともに、この給電部挿通孔に内部に端子部材が挿通された絶縁性を有するホルダを挿通し、この端子部材の一端には固定子の一端面に配設された界磁巻線を電気的に接続するとともに、端子部材の他端に界磁巻線への給電配線を電気的に接続することにより、界磁巻線の電気的端末を固定子における界磁巻線配置側と反対側の端面に引き出すことができるため、界磁巻線に対する電気的接続を当該反対側端面において実施することができる。その結果、界磁巻線に対する電気的接続と、固定子巻線に対する電気的接続とを固定子の同一端面側において実施することができる。
【0031】
また、界磁巻線への給電配線が接続された相手側端子部材を給電部挿通孔の内部において端子部材に結合させることにより、余分な結線スペースを必要とせずに、界磁巻線を電源に電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である携帯用発電機の主要部を示す正面断面図である。
【図2】位置検出装置の取付部分を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…エンジンケース、1a…ボルト、2…発電装置(電動機兼用発電機、回転電機)、3…クランクシャフト、4…回転子、4a…ヨーク、4b…ボス部材、4c…ナット、5…マグネット(界磁子磁極)、6…エンドブラケット、6a…取付孔、6b…サークリップ、6c…かしめ加工部、7…始動巻線、8…発電巻線、9…固定子、10…ボルト(締結部材)、11…界磁巻線、12…コイルボビン、13…凹部、14…コイルボビン、15…固定子コア、16…ナット部、17…ボルト挿通孔、18…給電部、18a…給電部挿通孔、19…ホルダ、20…雄端子部材、21…雌端子部材、22…取付部、23…回転子位置検出装置、24…被検出側ユニット、25…スペーサ、25a…ピン、26…被検出マグネット、27…検出側ユニット、28…ホルダ、28a…ホール素子取付筒部、29…ホール素子、29a…リード線、30…回路基板収納穴、31…回路基板、32…樹脂封止体。
Claims (2)
- 回転軸により回転される有底円筒形状のヨークを有する回転子と、
前記ヨーク内に同心円に配置された固定子と、
該固定子の前記ヨーク底壁側端面に配設された界磁巻線と、
を備えている回転電機であって、
前記固定子には給電部挿通孔が軸方向に貫通するように開設されており、
前記界磁巻線の前記固定子側端面に給電部が突設されているとともに、該給電部は前記給電部挿通孔に挿通されており、
前記給電部は絶縁性を有する樹脂が使用されて前記給電部挿通孔に挿通する棒状に形成されたホルダと、該ホルダに軸方向に挿通されて保持された端子部材とを備えており、
前記端子部材の前記界磁巻線側端部には前記界磁巻線が電気的に接続されており、
前記端子部材の他端部には相手側端子部材が前記給電部挿通孔の内部において電気的に接続されていることを特徴とする回転電機。 - 前記端子部材は雄端子部材として構成されており、前記相手側端子部材は雌端子部材として構成されており、前記雌端子部材は前記給電部挿通孔の内部において前記雄端子部材に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
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| JPH11127564A (ja) | 1999-05-11 |
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