JP3974030B2 - 車両用通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された各種装置間において、各種信号を送受信するための車両用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載された各種制御装置間において制御データ等の各種信号を送受信する際には、車両内に設けられると共に各種制御装置間を接続する車内ネットワーク(車内LAN:Local Area Network)を用いた通信が行われる。この時、各種制御装置に接続され、あるいは各種制御装置に包含されて、車内ネットワークを用いた通信に利用される通信装置には、例えば自動車の走行状態に応じたノイズ耐性を考慮して適切な通信速度を設定するものがある。
【0003】
この通信装置では、システム起動時や自動車の加減速時に、マスター装置からスレーブ装置に通信速度確認コマンドを送信すると共に、スレーブ装置からの応答速度を検出し、その結果に応じてネットワーク混雑状況を把握して通信速度を決定する(例えば、特許文献1参照。)。
また、受信した信号を判定する方法には、同一の信号が複数回受信されると、この信号は、送信側で出力された信号と等しく、正しいものであると判定する方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−307592号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載されているような従来の通信装置では、自動車の走行状態に応じたノイズ耐性を考慮して適切な通信速度を設定することはできるものの、設定された通信速度はノイズ耐性を考慮しただけであって、通信装置自体が受信した信号を保証するものではなく、誤った信号を複数回受信してしまう可能性がある。しかし、自動車における制御では、誤った信号による制御を行うことは許されないため、従来の通信装置をそのまま利用することはできず、何らかの方法により、通信時に誤った信号を効率的に排除し、正しい制御を行う必要があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両に搭載された各種装置が各種信号を送受信する際に利用する車両用通信装置であって、受信した信号の正誤を正しく判定して適切な処理を実行可能な車両用通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る車両用通信装置は、自動車内に複数配置されると共に、多重ライン(例えば実施の形態の多重ライン2)を介して接続されることにより、車両に係わる信号を送受信する車両用通信装置であって、受信した前記信号が正常に通信されたか否かを判定する第1の判定手段(例えば実施の形態のステップS1)と、同一内容の信号を受信した回数を累積すると共に、累積回数が所定回数以上か否かを判定し、前記累積回数が所定回数以上であった場合には、該信号は送信側で出力された信号と等しく正常な信号であると判定する第2の判定手段(例えば実施の形態のステップS4からステップS6)と、所定時間以上の間、前記第1の判定手段により、受信した前記信号は正常に通信されなかったと連続して判定された場合には、前記第2の判定手段の判定結果を用いずに、該信号は送信側で出力された信号と異なり誤った信号であると判定する第3の判定手段(例えば実施の形態のステップS7からステップS10、ステップS13、ステップS15、ステップS17)を備え、前記第2の判定手段が、受信した前記信号は正常に通信されたと前記第1の判定手段により判定された場合にのみ、同一内容の信号を受信した累積回数を計数し、前記第3の判定手段は、受信した前記信号が誤っていると判定するための判定時間を、前記信号の種類に応じて設定可能であることを特徴とする。
また、第2の判定手段により信号の正誤を判定するまでもなく、第1の判定手段の判定結果に基づいて、第3の判定手段が信号の正誤を判定することで、短時間で信号の正誤を判定することができる。
さらに、第3の判定手段における信号の判定時間を、信号の種類に応じて変更することで、信号の種類に応じて適切な正誤の判定を行うことができる。
【0008】
以上の構成を備えた車両用通信装置は、第2の判定手段において、同一内容の信号を受信した回数を累積する際に、受信した信号が第1の判定手段により正常に通信されたと判定された場合にのみ、その累積回数の計数を行い、受信した信号が通信異常であると判定された場合には、同一内容の信号を受信した累積回数の計数を行わない。従って、正常に通信されなかった信号が複数回受信され、これが同一内容を示していても、この信号を複数回累積して正しい信号であると判定することを防止することができる。
【0009】
請求項2の発明に係る車両用通信装置は、請求項1に記載の車両用通信装置において、前記信号の種類は走行系データまたはステアリング系データまたはブレーキ系データであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の車両用通信装置を用いて構成する車内LANを示すブロック図である。
図1において、車両用制御装置A1は、本実施の形態の車両用通信装置を含む車両用制御装置(ECU:Electronic Control Unit )であって、車内LANを構成する多重ライン2により、同様に本実施の形態の車両用通信装置を含む車両用制御装置B3、車両用制御装置C4、車両用制御装置D5と接続されており、各車両用制御装置間では、車両の各部の制御に係わる各種信号を多重ライン2を介して相互に送受信し、それぞれ担当する車両各部の制御を行う。
【0012】
なお、車内LANにおいて、多重ライン2に接続される車両用制御装置は、上述の車両用制御装置A1、車両用制御装置B3、車両用制御装置C4、車両用制御装置D5の4つに限らず、複数接続されるものとする。
【0013】
次に、本実施の形態の車両用通信装置の動作について、図面を参照して説明する。本実施の形態では、一例として図1に示す車両用制御装置A1が、車両用制御装置B3、車両用制御装置C4、車両用制御装置D5から、それぞれ車両の走行に係わる走行系データ、車両の操舵に係わるステアリング系データ、車両の制動に係わるブレーキ系データを受信する際の、車両用制御装置A1に含まれる車両用通信装置の動作について説明する。
【0014】
図2は、本実施の形態の車両用通信装置の動作を示すフローチャートである。
図2において、まず車両用制御装置A1の車両用通信装置は、通信データ異常が発生したか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において、通信データ異常が発生していない場合(ステップS1のNO)、車両用通信装置は、フィルタ処理不要データの読み込みを行う(ステップS2)。なお、フィルタ処理不要データとは、例えばナビゲーション装置のためのデータのように、同一内容の信号を複数回受信したか否かを確認する必要がないデータのことを言う。
また、フィルタ処理不要データの読み込みを行ったら、フィルタ処理不要データの異常を判定するためのフィルタ処理不要データ異常判定タイマの計数値をセットする(ステップS3)。
【0015】
次に、車両用制御装置A1の車両用通信装置は、同一内容の信号を複数回受信したか否かを確認する必要があるフィルタ処理必要データとして、例えば、まず、車両用制御装置B3が送信した走行系データの読み込み(フィルタ処理)を行う(ステップS4)。
同様に、車両用制御装置C4が送信したステアリング系データの読み込み(フィルタ処理)を行う(ステップS5)。
更に、車両用制御装置D5が送信したブレーキ系データの読み込み(フィルタ処理)を行う(ステップS6)。
【0016】
また、各フィルタ処理必要データの読み込みを行ったら、次に、走行系データの異常を判定するための走行系データ異常判定タイマの計数値をセットする(ステップS7)。
同様に、ステアリング系データの異常を判定するためのステアリング系データ異常判定タイマの計数値をセットする(ステップS8)。
更に、ブレーキ系データの異常を判定するためのブレーキ系データ異常判定タイマの計数値をセットする(ステップS9)。
【0017】
そして、各異常判定タイマ、すなわち上述のフィルタ処理不要データ異常判定タイマ、走行系データ異常判定タイマ、ステアリング系データ異常判定タイマ、ブレーキ系データ異常判定タイマのカウントダウンを行う(計数値を1つデクリメントする)(ステップS10)。
従って、通信データ異常が発生していなければ、各異常判定タイマは、必ずカウントダウン(ステップS10)と再セット(ステップS3、ステップS7、ステップS8、ステップS9)とを繰り返すため、その場合は、各異常判定タイマがカウントダウン終了(=0)になることはない。
【0018】
一方、ステップS1において、通信データ異常が発生している場合(ステップS1のYES)、車両用制御装置A1の車両用通信装置は、まず、フィルタ処理不要データとしては、前回の値を入力する(ステップS11)。
次に、フィルタ処理不要データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS12)。
【0019】
もし、ステップS12において、フィルタ処理不要データ異常判定タイマのカウントダウンが終了していない場合(ステップS12のNO)、次に、走行系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS13)。
もし、ステップS12において、フィルタ処理不要データ異常判定タイマのカウントダウンが終了している場合(ステップS12のYES)、所定のフィルタ処理不要データ異常処理を実行してから(ステップS14)、ステップS13へ進み、走行系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS13)。
【0020】
また、ステップS13において、走行系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了していない場合(ステップS13のNO)、次に、ステアリング系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS15)。
もし、ステップS13において、走行系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了している場合(ステップS13のYES)、所定の走行系データ異常処理を実行してから(ステップS16)、ステップS15へ進み、ステアリング系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS15)。
【0021】
更に、ステップS15において、ステアリング系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了していない場合(ステップS15のNO)、次に、ブレーキ系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS17)。
もし、ステップS15において、ステアリング系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了している場合(ステップS15のYES)、所定のステアリング系データ異常処理を実行してから(ステップS18)、ステップS17へ進み、ブレーキ系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了したか(計数値が「0」になったか)否かを判定する(ステップS17)。
【0022】
また、ステップS17において、ブレーキ系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了していない場合(ステップS15のNO)、ステップS10へ進み、各異常判定タイマのカウントダウンを行う(ステップS10)。
もし、ステップS17において、ブレーキ系データ異常判定タイマのカウントダウンが終了している場合(ステップS15のYES)、所定のブレーキ系データ異常処理を実行してから(ステップS19)、ステップS10へ進み、各異常判定タイマのカウントダウンを行う(ステップS10)。
【0023】
従って、ステップS1において通信データ異常が発生していて、これがステップS4、ステップS5、ステップS6において設定された各異常判定タイマの計数値で決定される期間以上連続する場合は、ステップS4の走行系データの読み込み(フィルタ処理)、ステップS5のステアリング系データの読み込み(フィルタ処理)、更に、ステップS6のブレーキ系データの読み込み(フィルタ処理)を行わずに、ステップS13、ステップS15、ステップS17における各異常判定タイマの判定のみで、受信した信号の正誤を判定することができる。
【0024】
次に、本実施の形態の車両用通信装置のフィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作について、図面を参照して説明する。なお、ステップS4の走行系データの読み込み(フィルタ処理)も、ステップS5のステアリング系データの読み込み(フィルタ処理)も、更に、ステップS6のブレーキ系データの読み込み(フィルタ処理)も、対象となるデータの内容が異なるだけで、全て以下に示すフィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作に従って実行される。
図3は、本実施の形態の車両用通信装置のフィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作を示すフローチャートである。
【0025】
図3において、まず、車両用通信装置は、受信した信号の判定結果を示すフラグ「F_SWF」が「0」であるか否かを判定する(ステップS21)。
もし、ステップS21において、受信した信号の判定結果を示すフラグ「F_SWF」が「0」でない場合(ステップS21のNO)、受信した信号の生データ「F_SW」が「0」であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0026】
ステップS22において、受信した信号の生データ「F_SW」が「0」でない場合(ステップS22のNO)、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」に計数値「5」を設定する(ステップS23)。
そして、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
【0027】
また、ステップS22において、受信した信号の生データ「F_SW」が「0」である場合(ステップS22のYES)、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、カウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」である場合(ステップS25のYES)、フラグ「F_SWF」に「0」を設定すると共に、カウンタ「CT_SWF」に「5」を設定する(ステップS26)。
【0028】
そして、ステップS24へ進み、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
更に、ステップS25において、カウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」でない場合(ステップS25のNO)、何もせずステップS24へ進み、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
【0029】
このように、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作は、受信した信号の判定結果を示すフラグ「F_SWF」が「1」である状態では、受信した信号の生データ「F_SW」が「0」である限り、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」が、ステップS24においてカウントダウンされ続け、カウンタ「CT_SWF」が5回カウントされると、受信した信号の判定結果としてフラグ「F_SWF」が「0」に設定される。
また、受信した信号の生データ「F_SW」が「0」でないと、カウンタ「CT_SWF」が「5」にリセットされるので、同一内容の信号が5回受信できないと、フラグ「F_SWF」は変更されない。
【0030】
一方、ステップS21において、受信した信号の判定結果を示すフラグ「F_SWF」が「0」である場合(ステップS21のYES)、受信した信号の生データ「F_SW」が「1」であるか否かを判定する(ステップS27)。
ステップS27において、受信した信号の生データ「F_SW」が「1」でない場合(ステップS27のNO)、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」に計数値「5」を設定する(ステップS28)。
そして、ステップS24へ進み、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
【0031】
また、ステップS27において、受信した信号の生データ「F_SW」が「1」である場合(ステップS27のYES)、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップS29)。
ステップS29において、カウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」である場合(ステップS29のYES)、フラグ「F_SWF」に「1」を設定すると共に、カウンタ「CT_SWF」に「5」を設定する(ステップS30)。
【0032】
そして、ステップS24へ進み、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
更に、ステップS29において、カウンタ「CT_SWF」の計数値が「0」でない場合(ステップS29のNO)、何もせずステップS24へ進み、カウンタ「CT_SWF」を1つカウントダウン(計数値を1つデクリメントする)し(ステップS24)、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)を終了する。
【0033】
このように、フィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作は、受信した信号の判定結果を示すフラグ「F_SWF」が「0」である状態では、受信した信号の生データ「F_SW」が「1」である限り、同一内容の信号を受信した累積回数をカウントするカウンタ「CT_SWF」が、ステップS24においてカウントダウンされ続け、カウンタ「CT_SWF」が5回カウントされると、受信した信号の判定結果としてフラグ「F_SWF」が「1」に設定される。
また、受信した信号の生データ「F_SW」が「1」でないと、カウンタ「CT_SWF」が「5」にリセットされるので、同一内容の信号が5回受信できないと、フラグ「F_SWF」は変更されない。
【0034】
なお、上述の実施の形態では、図2のステップS7からステップS8において、受信した信号が誤っていると判定するための判定時間を形成する各信号の異常判定タイマの計数値、すなわち走行系データの異常を判定するための走行系データ異常判定タイマの計数値、ステアリング系データの異常を判定するためのステアリング系データ異常判定タイマの計数値、更にブレーキ系データの異常を判定するためのブレーキ系データ異常判定タイマの計数値は、それぞれ個別の値に設定できる。
【0035】
この場合、一例としては、ブレーキ系データ異常判定タイマの計数値を、ステアリング系データ異常判定タイマの計数値より小さく(判定時間を短く)、更に、ステアリング系データ異常判定タイマの計数値を、走行系データ異常判定タイマの計数値より小さく(判定時間を短く)設定することで、車両を制御する各種信号の中で、より重要な信号を重点的に監視することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、車両用制御装置A1の車両用通信装置が、第1の判定手段と、第2の判定手段と、第3の判定手段とを含んでいる。より具体的には、図2のステップS1が第1の判定手段に相当し、図2のステップS4からステップS6(それぞれの詳細は図3のステップS21からステップS30)が第2の判定手段に相当し、図2のステップS7からステップS10、ステップS13、ステップS15、ステップS17が第3の判定手段に、それぞれ相当する。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態の車両用通信装置は、まず図2に示すステップS1の処理において、受信した信号が正常に通信されたか否かを判定する。
そして、受信した信号が正常に通信されていた場合には、図2に示すステップS4、ステップS5、ステップS6の処理において、それぞれの信号について、同一内容の信号を受信した回数を累積すると共に、累積回数が所定回数以上か否かを判定し、累積回数が所定回数以上であった場合には、該信号は送信側で出力された信号と等しく正常な信号であると判定する。
【0038】
また、受信した信号が正常に通信されていない場合には、図2に示すステップS10、ステップS13、ステップS15、ステップS17の処理において、それぞれの信号に対して独立に通信が正常でなかった回数をカウントし、通信の異常が所定期間以上続く場合は、その信号は誤っていると判断する。
更に、ステップS13、ステップS15、ステップS17の各処理では、受信した信号が誤っていると判定するための判定時間を、信号の種類に応じて設定可能とする。
【0039】
従って、以上の構成を備えた車両用通信装置は、同一内容の信号を受信した回数を累積する際に、受信した信号が正常に通信されたと判定された場合にのみ、その累積回数の計数を行い、受信した信号が通信異常であると判定された場合には、同一内容の信号を受信した累積回数の計数を行わない。従って、正常に通信されなかった信号が複数回受信され、これが同一内容を示していても、この信号を複数回累積して正しい信号であると判定されることを防止することができる。
【0040】
また、受信した信号の通信の正否の判定結果に基づいて、信号の正誤を判定することで、短時間で信号の正誤を判定することができる。更に、受信した信号の通信の正否から信号の判定を行う時間を、信号の種類に応じて変更することで、信号の種類に応じて適切な正誤の判定を行うことができる。
【0041】
これにより、誤った同一内容の信号が複数回受信されると、この信号が正しいと判定されて車両の各制御装置に通知されてしまう可能性を排除し、誤った同一内容の信号が複数回受信されても、受信した信号の正誤を正しく判定して適切な処理を実行可能な車両用通信装置を実現することができるという効果が得られる。そのため、自動車の走行状態に応じて車内LANの通信環境が変化しても、確実な信号の送受信を行い、信頼性の高い車両制御を行うことができるという効果が得られる。
【0042】
また、特に、車両用制御装置が、車両用通信装置を介して短時間で信号を送受信することができるので、車両制御に対する制御装置の応答が早くなり、更に確実な車両制御を実行することが可能になるという効果が得られる。
また、信号の種類によって、異なる条件での適切な信号の正誤判定を実行することで、車内LANの信号の伝送における信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載の車両用通信装置によれば、正常に通信されなかった信号が複数回受信され、これが同一内容を示していても、この信号を複数回累積して正しい信号であると判定することを防止することができる。
従って、誤った同一内容の信号が複数回受信されると、この信号が正しいと判定されて車両の各制御装置に通知されてしまう可能性を排除し、誤った同一内容の信号が複数回受信されても、受信した信号の正誤を正しく判定して適切な処理を実行可能な車両用通信装置を実現することができるという効果が得られる。また、車両の各制御装置は、通信異常が多く発生する場合でも、信頼性の高い制御を行うことができるという効果が得られる。
【0044】
また、第1の判定手段の判定結果に基づいて、第3の判定手段が信号の正誤を判定することで、短時間で信号の正誤を判定することができる。
従って、車両用制御装置が、車両用通信装置を介して短時間で信号を送受信することができるので、車両制御に対する制御装置の応答が早くなり、更に確実な車両制御を実行することが可能になるという効果が得られる。
【0045】
さらに、信号の判定時間を、信号の種類に応じて変更することで、信号の種類に応じて適切な正誤の判定を行うことができる。
従って、信号の種類によって、異なる条件での適切な信号の正誤判定を実行することで、車内LANの信号の伝送における信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の車両用通信装置を用いて構成する車内LANを示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態の車両用通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 同実施の形態の車両用通信装置のフィルタ処理必要データ読み込み(フィルタ処理)動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用制御装置A
2 多重ライン
3 車両用制御装置B
4 車両用制御装置C
5 車両用制御装置D
S1 第1の判定手段
S4、S5、S6 第2の判定手段
S7、S8、S9、S10、S13、S15、S17 第3の判定手段
Claims (2)
- 自動車内に複数配置されると共に、多重ラインを介して接続されることにより、車両に係わる信号を送受信する車両用通信装置であって、
受信した前記信号が正常に通信されたか否かを判定する第1の判定手段と、
同一内容の信号を受信した回数を累積すると共に、累積回数が所定回数以上か否かを判定し、前記累積回数が所定回数以上であった場合には、該信号は送信側で出力された信号と等しく正常な信号であると判定する第2の判定手段と、
所定時間以上の間、前記第1の判定手段により、受信した前記信号は正常に通信されなかったと連続して判定された場合には、前記第2の判定手段の判定結果を用いずに、該信号は送信側で出力された信号と異なり誤った信号であると判定する第3の判定手段とを備え、
前記第2の判定手段が、受信した前記信号は正常に通信されたと前記第1の判定手段により判定された場合にのみ、同一内容の信号を受信した累積回数を計数し、
前記第3の判定手段は、受信した前記信号が誤っていると判定するための判定時間を、前記信号の種類に応じて設定可能であることを特徴とする車両用通信装置。 - 前記信号の種類は走行系データまたはステアリング系データまたはブレーキ系データであることを特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。
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