JP3973856B2 - カード発行装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード発行装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、PIN(Personal Identification Number)を用いたセキュリティ機能を備えるカード発行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレジットカード等を発行するカード発行装置を一構成装置とし、その他必要な装置を備えて構成されるカード発行システムには、不正なカード発行を防止するために、PINまたはID及びパスワード等の鍵データを用いたセキュリティ機能が備えられているものがある。カード発行装置では、正しい鍵データが入力されない限りはカード発行を行わない。
【0003】
鍵データを用いてセキュリティを高める技術は、特開平5−40864号、特開平9−204472号、特開昭60−220489号にも開示されている。例えば特開平5−40864号には、ICカードのメモリ内データの改ざん防止のため、入力されたPINデータとICカードのメモリ内に格納されているPINデータとが一致しない場合には所定処理を実行しないようにし、更にセキュリティを高めるべく二つのPINデータの照合を行う内容が開示されている。また、特開平9−204472号には、作業者不在時の不正者による不正発行を防止するようにした証明カード作成システムが開示されている。この証明カード作成システムは、証明カード作成システムを稼動するための照合媒体に記憶されている照合情報を読取る読取手段と、この読取手段で読取った照合情報を予め定められた情報と照合して処理する照合処理手段と、この照合処理手段による照合した結果に応じて証明カード作成システムの稼動開始の可否を判定する判定手段と、この判定手段で証明カード作成システムの稼動開始可と判定された際、読取手段で読取った照合情報を一時記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている照合情報を消去する消去手段と、この消去手段で照合情報が消去された際、証明カード作成システムの稼動を停止する停止手段とを具備している。また、特開昭60−220489号には、カードリーダにて読み取ったオペレータカードのパスワードと、キーボードで入力されたパスワードの一致を条件として、マシンロック手段をオン・オフ制御する取引処理装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカード発行装置における鍵データを用いたセキュリティ技術では、鍵データを入手した不正者による不正カード発行の事実が発覚し難いという問題がある。
【0005】
また、PINは不正者の盗用を防止するために比較的頻繁に変更することが運用上行われる。一方、使用者が変更したパスワードを忘れてしまったときのために、変更不可のマスターPINが用意される場合がある。このような場合、マスターPINが盗用されてしまうと、正当使用者のPIN変更にかかわらず、不正者はカード発行が自由に行えてしまう。
【0006】
また、特開平5−40864号、特開昭60−220489号、特開平9−204472号に開示されているセキュリティ技術は、カード発行装置を一構成装置とするカード発行システム全体としてセキュリティ機能を持たせたものである。インテリジェント化した最近のカード発行装置では、カード発行システムから切り離してカード発行装置単体の動作をさせることも可能になっており、オフラインで操作された場合、即ちカード発行装置単体に対して操作された場合には、システム全体としてのセキュリティ機能が働かず無防備となってしまうという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、不正カード発行を防ぐとともに、不正カード発行の事実を容易かつ早期に発見できるカード発行装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、多数のカードをストックするカードストック部と、カードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行のための処理を行う位置に移動させるカード取り出し移動手段と、カード取り出し移動手段により取り出されたカードに対してカード発行に必要な処理を行うカード発行処理手段と、カード発行装置を動作させるためのコマンド及び該コマンドの実行に必要なPINを入力するための入力手段と、コマンドに基きカード発行装置の動作を制御する制御手段とを備えたカード発行装置において、変更可能な作業用PINと変更不可能なマスターPINとを格納した記憶手段とを備え、制御手段は、入力手段に入力されたコマンドがPIN照合命令である場合は、入力手段に入力された入力PINが作業用PIN又はマスターPINと一致しているか否か判断するPIN照合処理を実行し、入力手段に入力されたコマンドがカード発行命令である場合は、カード取り出し移動手段によりカードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行処理を行う位置まで移動させるように制御した後に、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されている場合にはカード発行処理手段によるカード発行処理を実行し、一致していると判断されていない場合には当該カード発行命令に関わる処理を終了させ、入力手段に入力されたコマンドが作業用PINの変更命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致している場合に作業用PINの変更処理を実行するようにしている。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のカード発行装置において、 入力手段に入力されたコマンドが作業用PINの変更命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されている場合は、作業用PINの変更処理を実行し、一致していると判断されていない場合は、入力PINがマスターPINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されている場合は、作業用PINの変更処理を実行するようにしている。
【0009】
したがって、不正使用者はマスターPINを知得しても、マスターPINではカード発行命令は実行できない。また、不正使用者がマスターPINを用いて作業用PINを変更し、当該変更した作業用PINで不正にカード発行を行った場合は、正当使用者は、自身の作業用PINではカード発行命令の実行ができないことから、不正使用者によって不正なカード発行が行われたことを認識できる。また、正当使用者は作業用PIN変更命令により作業用PINを例えば定期的に変更することで、不正使用者による作業用PINの盗用を防止し、カードの不正発行を防止できる。
【0011】
また、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されていない場合でも、PINの再入力の機会は与えられずカード発行命令に関わる処理は終了する。したがって、不正使用者が多数の入力PINを順次入力して作業用PINの解読を図ろうとした場合、カード発行命令の都度カードの取り出し・移動という機械的な動作が行われることになる。これにより、PIN入力のやり直しに長時間を要するようにして、不正使用者による多数回の不正PINの入力を防ぎ、作業用PINの不正解読を防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2に本発明のカード発行装置の実施の一形態を示す。このカード発行装置は、多数のカードをストックするカードストック部と、カードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行のための処理を行う位置に移動させるカード取り出し移動手段4と、カード取り出し移動手段4により取り出されたカードに対してカード発行に必要な処理を行うカード発行処理手段5と、カード発行装置を動作させるためのコマンド及び該コマンドの実行に必要なPINを入力するための入力手段3と、コマンドに基きカード発行装置の動作を制御する制御手段1とを備えたものであり、変更可能な作業用PINと変更不可能なマスターPINとを格納した記憶手段2とを備えている。
【0014】
そして、カード発行装置の制御手段1は、入力手段3に入力されたコマンドがPIN照合命令である場合は、入力手段3に入力された入力PINが作業用PIN又はマスターPINと一致しているか否か判断するPIN照合処理を実行するようにしている。また、制御手段1は、入力手段3に入力されたコマンドがカード発行命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致している場合にカード発行処理手段5によるカード発行処理を実行するようにしている。また、制御手段1は、入力手段3に入力されたコマンドが作業用PINの変更命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致している場合に作業用PINの変更処理を実行するようにしている。
【0015】
カード発行装置は、例えばクレジットカードや各種証明カード等のカードを発行するための装置である。カード発行処理手段5は、新規に発行されるカードに対してエンボスや裏インデント等の加工を施す機構や、必要な情報をカードの磁気ストライプやICチップに記録する装置等を備える。カード取り出し移動手段4は、カードストック部から一枚のカードを取り出して、当該取り出したカードを、カード発行処理手段5によりエンボス等の加工が行なわれる所定位置、または必要な情報をカードに記録するための所定位置に移動するための機構である。カードストック部は、多数の未加工のカードを積み重ねてストックしておくもので、カード取り出し移動手段4がカードを一枚ずつ取り出せるようにカード供給部が形成される。
【0016】
入力手段3は、カード発行装置の使用者(以下、単に使用者と呼ぶ)がコマンド及びコマンドの実行に必要なPINをカード発行装置に入力するための手段である。入力手段3の形態は特に限定されるものではない。例えば、キーボードやタッチパネル等既知のインタフェースを利用しても良い。また、入力手段3として例えばカードリーダを備えるようにして、PINまたはコマンドが記録されたIDカード等を当該カードリーダにより読み取るように構成しても良い。
【0017】
記憶手段2は、例えばRAMやROM等のメモリである。例えば、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリ6に作業用PIN及びマスターPINを記憶しておくようにする。なお、ワーク用のRAM7を備えるようにして、電源オン時に、書き換え可能な不揮発性メモリに格納されている作業用PIN及びマスターPINをワーク用RAM7にコピーするようにし、制御手段1が当該ワーク用RAM7から高速に作業用PINまたはマスターPINを参照できるように構成しても良い。
【0018】
制御手段1は、例えばマイクロコンピュータ等で構成され、記憶手段2、入力手段3、カード取り出し移動手段4、カード発行処理手段5と接続されている。制御手段1は、入力手段3に入力されたコマンドに基いて、記憶手段2、またはカード取り出し移動手段4、或いはカード発行処理手段5に制御信号を送り、これら手段に当該コマンドに従った処理若しくは動作を実行させる。カード発行装置に所期の動作をさせるためのコマンドとして、例えば本実施形態では、PIN照合命令、カード発行命令、作業用PIN変更命令、その他の必要な命令がある。その他必要な命令とは、例えば、カード取り込み命令や、磁気データの読み込み又は書込み命令、カード排出命令等である。
【0019】
PIN照合命令は、入力手段3に入力された入力PINと記憶手段2に格納されている作業用PINまたはマスターPINとが一致するか否か判断するPIN照合処理を実行するコマンドである。カード発行命令は、新規カードを発行するカード発行処理を実行するコマンドである。作業用PIN変更命令は、記憶手段2に格納されている作業用PINを、使用者が入力手段3から入力する変更希望PINに書き換える作業用PIN変更処理を実行するコマンドである。
【0020】
PINは、特定の正当使用者だけが特定のコマンドを実行できるようにするための鍵データであり、いわゆるパスワードと同様の働きをする。本実施形態では、作業用PINとマスターPINとの二種類のPINがある。
【0021】
作業用PINは、カード発行命令を実行するためのPINである。本実施形態では、PIN照合処理によって予め入力PINと作業用PINとの一致が確認されている場合にのみ、カード発行命令により新規カードの発行処理が実行可能であるようにする。従って、使用者は、カード発行命令を実行するためには、予めPIN照合命令を実行しておく必要がある。また、PIN照合処理によって入力PINと作業用PINとが不一致と判断された場合は勿論、たとえ入力PINがマスターPINと一致していると判断されていたとしても、入力PINと作業用PINとの一致が確認されていない場合には、カード発行装置は新規カードの発行処理を実行しない。
【0022】
また、作業用PINは、作業用PIN変更命令によって変更可能である。そして、本実施形態では、PIN照合処理によって予め入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致していると判断されている場合にのみ、作業用PIN変更処理が実行可能であるようにする。従って、使用者は、作業用PIN変更命令を実行するためには、予めPIN照合命令を実行しておく必要がある。
【0023】
マスターPINは、例えば本実施形態では、作業用PINの変更のためにのみ用いられ、使用者が変更不可能であるものとしている。マスターPIN及び作業用PINは、例えばカード発行装置の製造時若しくは修理時に、製造者によって記憶手段2に格納される。
【0024】
また、本実施形態では、作業用PIN及びマスターPINを参照できるコマンドは、存在しないものとしている。即ち、隠しコマンドを含めて作業用PIN及びマスターPINを参照できるコマンドを意図的に用意しないようにしている。これにより、不正使用者がいかなるコマンドを使用しても作業用PIN及びマスターPINを参照できないようにする。また、本実施形態では、他の命令(カード取り込み命令や、磁気データの読み込み又は書込み命令、カード排出命令等)においては、PIN照合処理の有無または結果に関係無く、常時実行可能であるものとする。
【0025】
また、本実施形態では、入力手段3より入力されたコマンドがカード発行命令である場合に、制御手段1は、カード取り出し移動手段4によりカードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行処理を行う位置、特に本実施形態ではカードにエンボス又は裏インデントを施す位置まで移動させるように制御した後に、即ちエンボス又は裏インデントを実行する直前に、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されているか否か確認するようにしている。そして、一致していると判断されていない場合は、何らエラー応答は返さずに当該カード発行命令に関わる処理を終了させるようにしている。また、本実施形態では、PIN照合命令、カード発行命令、作業用PIN変更命令において、PIN照合処理の結果等より命令を実行できない場合であっても、エラー応答は返さずに当該命令に関わる処理を終了させるようにしている。
【0026】
以上のように構成されるカード発行装置の処理の一例を図2に示すフローチャートに従って説明する。使用者が入力手段3にコマンドを入力すると、その入力コマンドに基いて制御手段1は各手段の制御を行う。
【0027】
入力コマンドがPIN照合命令の場合は(ステップ1;Yes)、制御手段1はPIN照合処理を実行する(ステップ2)。即ち、入力手段3に入力された入力PINと記憶手段2に格納されている作業用PINまたはマスターPINとが一致するか否か判断する。なお、使用者が入力PINを入力するタイミングは、PIN照合命令と同時に入力手段3に入力するようにしても良く、またはPIN照合命令の入力後、例えばディスプレイ等のカード発行装置が備える出力装置にメッセージを出力することで使用者に入力PINの入力を促すようにしても良い。
【0028】
PIN照合処理の結果は、「作業用PINと一致」、「マスターPINと一致」、「作業用PINとマスターPINのいずれとも不一致」との三つの結果のうちいずれかとなる。制御手段1は、当該結果を例えばコード化してワーク用RAM7の所定作業エリアに記録しておく。これにより、他の命令における処理において当該作業エリアを参照することで、PIN照合処理が実行されたか否か、PIN照合処理が実行されていれば結果はどうであったか、が分かるようにする。また、ワーク用RAM7の当該作業エリアは、カード発行装置の電源オフ時にクリアされる他、カード発行処理後、または定期的にクリアするようにしても良い。
【0029】
また、PIN照合処理の結果の如何を問わず、エラー応答は返さないで当該PIN照合命令は終了する。したがって、使用者は、例えばエラー応答に対する再トライ(PINの再入力)はできないことになる。また、使用者が入力した入力PINが「作業用PINとマスターPINのいずれとも不一致」であったとしても、その結果は現段階では使用者には分からない。
【0030】
また、入力コマンドがカード発行命令の場合は(ステップ1;No、ステップ3;Yes)、制御手段1は先ずカード取り出し移動機構に制御信号を送って、カードストック部からカードを取り出し、取り出したカードをエンボス又は裏インデント動作を実行する位置まで移動するようにする。そして、エンボス又は裏インデント動作を実行する前に、予め行われているはずであるPIN照合処理において入力PINと作業用PINと一致していると判断されているか否か、例えばワーク用RAM7の作業エリアを参照して確認する(ステップ4)。そして、入力PINと作業用PINとの一致が確認できれば(ステップ4;Yes)、新規カードを発行すべく、制御手段1はカード発行処理手段5に制御信号を送ってエンボス又は裏インデント動作を実行する(ステップ5)。そして、新規カードが発行されて、当該カード発行命令は終了する。
【0031】
一方、PIN照合処理において入力PINと作業用PINと一致していると判断されていない場合、例えば未だPIN照合処理が行われていない場合、またはPIN照合処理で入力PINと作業用PINとが不一致と判断されている場合、或いはPIN照合処理で入力PINとマスターPINとが一致すると判断されている場合は(ステップ4;No)、エンボス又は裏インデント動作を実行せず、取り出し移動したカードを回収等して、当該カード発行命令を終了する。この際、エラー応答は返さないで当該カード発行命令を終了する。
【0032】
また、入力コマンドが作業用PIN変更命令であった場合は(ステップ1;No,ステップ3;No、ステップ6;Yes)、予め行われているはずであるPIN照合処理において入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致していると判断されているか否か、例えばワーク用RAM7の作業エリアを参照して確認する。入力PINが作業用PINと一致していると判断されている場合は(ステップ7;Yes)、作業用PIN変更処理を実行する(ステップ9)。また、入力PINが作業用PINと一致していないが(ステップ7;No)、マスターPINと一致していると判断されている場合は(ステップ8;Yes)、作業用PIN変更処理を実行する(ステップ9)。作業用PIN変更処理では、記憶手段2に格納されている作業用PINを、使用者が入力手段3から入力する変更希望PINに書き換える。なお、使用者が変更希望PINを入力するタイミングは、作業用PIN変更命令と同時であっても良く、または作業用PIN変更命令の入力後、例えばディスプレイ等のカード発行装置が備える出力装置にメッセージを出力することで使用者に変更希望PINの入力を促すようにしても良い。
【0033】
一方、PIN照合処理において入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致しているとは判断されていない場合、例えば未だPIN照合処理が行われていない場合、またはPIN照合処理で入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれとも不一致と判断されている場合は(ステップ7;No、ステップ8;No)、作業用PIN変更処理を実行せず、エラー応答も返さないで当該作業用PIN変更命令は終了する。
【0034】
また、入力コマンドがPIN照合命令、カード発行命令、作業用PIN変更命令以外の命令(カード取り込み命令や、磁気データの読み込み又は書込み命令、カード排出命令等)の場合は(ステップ1;No,ステップ3;No、ステップ6;No)、PIN照合処理の有無または結果に関係無く、当該コマンドを実行する(ステップ9)。なお、作業用PIN、マスターPINを参照するためのコマンドは本実施形態では存在せず、またマスターPINを変更するためのコマンドも本実施形態では存在しない。
【0035】
以上のように、本発明のカード発行装置では、例えば正当使用者が作業用PIN変更命令により作業用PINを定期的に変更することで、不正使用者による作業用PINの盗用を防止し、カードの不正発行を防止できる。また、仮に複数回の作業用PINの変更によって使用者が作業用PINを忘れてしまった場合でも、マスターPINにより作業用PINを希望のPINに変更できる。
【0036】
また、不正使用者が仮にマスターPINを知得しても、マスターPINではカード発行命令は実行できない。ここで、不正使用者がマスターPINを用いて作業用PINを変更し、当該変更した作業用PINで不正にカード発行を行う場合が考えられる。この場合、不正使用者による作業用PINの変更により、正当使用者は自身の作業用PINを用いてカード発行命令の実行ができなくなってしまうが、一方で、不正使用者によって不正なカード発行が行われたことが分かる。例えば、夜間に不正使用がなされた場合、翌朝の正当使用者のカード発行命令の実行不可により、不正カード発行が発覚する。これにより、例えば当該不正に発行されたカードを無効にする等の対策を早期にとれ、被害を最小限に抑えることができる。なお、正当使用者は、マスターPINを用いて作業用PINを変更してカード発行命令を実行することができる。また、例えばカード発行装置の製造者にマスターPINを変更するように修理を依頼することもできる。
【0037】
また、本実施形態では、PIN照合処理において入力PINが作業用PINまたはマスターPINと一致しない場合でも、エラー応答は返さず、当該PIN照合処理の中での再トライ(PINの再入力)の機会は与えないようにしている。従って、不正使用者は、自身が入力したPINが作業用PINと一致するものか否かは、カード発行命令をしてみなければ分からない。ここで、カード発行命令においては、制御手段1は、カード取り出し移動手段4によりカードストック部からカードを取り出し当該カードをカード発行処理を行う位置まで移動させた後に、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されていない場合は当該カード発行命令に関わる処理を終了させるようにしている。このため、不正使用者が多数の入力PINを順次入力して作業用PINの解読を図ろうとした場合、カード発行命令の都度カードの取り出し・移動という機械的な動作が行われることになる。即ち、PIN入力のやり直しに長時間を要するようにして、不正使用者による多数回の不正PINの入力を防ぎ、作業用PINの不正解読を防止できる。
【0038】
また、本発明は、カード発行装置自体にセキュリティ機能をもたせたものであるから、オフラインで操作された場合であっても、即ちカード発行装置単体に対して操作された場合であっても、上記のセキュリティ機能を発揮することが可能である。
【0039】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0040】
例えば、上述の実施形態では、PIN照合命令、カード発行命令、作業用PIN変更命令について、エラー応答は返さないものとしたが、必ずしもこの例に限定されるものではない。例えば、命令が実行されない理由(例えば入力PINが作業用PINと不一致である旨など)を示すエラーメッセージを、例えばカード発行装置が備えるディスプレイ等の出力装置に表示するようにしても良い。また、場合によっては、エラーメッセージを表示した後にPINの再入力を促すようにしても良い。この場合、再入力の回数を限定するようにしても良い。
【0041】
また、上述の実施形態では、一つの作業用PINと一つのマスターPINを用いた例について説明したが、必ずしもこの例に限定されるものではない。例えば、複数の正当使用者がカード発行装置を利用できるように複数の作業用PINを記憶手段2に格納するようにしても良い。この場合、PIN照合処理において、入力PINが複数の作業用PINのうちいずれかと一致すれば、入力PINと作業用PINとが一致したと判断する。また、場合によっては、複数のマスターPINを記憶手段2に格納するようにしても良い。この場合も、PIN照合処理において、入力PINが複数のマスターPINのうちいずれかと一致すれば、入力PINとマスターPINとが一致したと判断する。
【0042】
また、上述の実施形態では、作業用PIN及びマスターPINは、カード発行装置の製造時若しくは修理時に、記憶手段2に格納されるものとしたが、必ずしもこの例に限定されず、製品出荷後に格納するようにしても良い。また例えば、使用者自身が希望するマスターPINを記憶手段2に格納できるようにしても良い。また、マスターPINは変更可能であるようにしても良い。
【0043】
また、上述の実施形態では、PIN照合命令とカード発行命令と作業用PIN変更命令とは各々独立した命令としたが、この例に限定されるものではない。例えば、カード発行命令にPIN照合命令を含めるようにしても良く、作業用PIN変更命令にPIN照合命令を含めるようにしても良い。この場合、カード発行命令を実行すればPIN照合処理も併せて行われる。また、作業用PIN変更命令を実行すればPIN照合処理も併せて行われる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のカード発行装置では、変更可能な作業用PINと変更不可能なマスターPINとを格納した記憶手段とを備え、制御手段は、入力手段に入力されたコマンドがPIN照合命令である場合は、入力手段に入力された入力PINが作業用PIN又はマスターPINと一致しているか否か判断するPIN照合処理を実行し、入力手段に入力されたコマンドがカード発行命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致している場合にカード発行処理手段によるカード発行処理を実行し、入力手段に入力されたコマンドが作業用PINの変更命令である場合は、PIN照合処理で入力PINが作業用PIN又はマスターPINのいずれかと一致している場合に作業用PINの変更処理を実行するようにしているので、不正カード発行を防ぐとともに、不正カード発行の事実を容易かつ早期に発見することができる。これにより、例えば当該不正に発行されたカードを無効にする等の対策を迅速にとれ、被害を最小限に抑えることができる。
【0045】
また、入力手段より入力されたコマンドがカード発行命令である場合に、制御手段は、カード取り出し移動手段によりカードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行処理を行う位置まで移動させるように制御した後に、PIN照合処理で入力PINが作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されていない場合は当該カード発行命令に関わる処理を終了させるようにしているので、不正使用者による多数回の不正PINの入力を防ぎ、作業用PINの不正解読を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード発行装置の実施の一形態を示す概略機能ブロック図である。
【図2】本発明のカード発行装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御手段
2 記憶手段
3 入力手段
4 カード取り出し移動手段
5 カード発行処理手段
Claims (2)
- 多数のカードをストックするカードストック部と、前記カードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行のための処理を行う位置に移動させるカード取り出し移動手段と、前記カード取り出し移動手段により取り出されたカードに対してカード発行に必要な処理を行うカード発行処理手段と、カード発行装置を動作させるためのコマンド及び該コマンドの実行に必要なPINを入力するための入力手段と、前記コマンドに基きカード発行装置の動作を制御する制御手段とを備えたカード発行装置において、変更可能な作業用PINと変更不可能なマスターPINとを格納した記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記入力手段に入力されたコマンドがPIN照合命令である場合は、前記入力手段に入力された入力PINが前記作業用PIN又は前記マスターPINと一致しているか否か判断するPIN照合処理を実行し、前記入力手段に入力されたコマンドがカード発行命令である場合は、前記カード取り出し移動手段により前記カードストック部からカードを取り出し該カードをカード発行処理を行う位置まで移動させるように制御した後に、前記PIN照合処理で前記入力PINが前記作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、前記PIN照合処理で前記入力PINが前記作業用PINと一致していると判断されている場合には前記カード発行処理手段によるカード発行処理を実行し、一致していると判断されていない場合には当該カード発行命令に関わる処理を終了させ、前記入力手段に入力されたコマンドが前記作業用PINの変更命令である場合は、前記PIN照合処理で前記入力PINが前記作業用PIN又は前記マスターPINのいずれかと一致している場合に前記作業用PINの変更処理を実行するようにしたことを特徴とするカード発行装置。
- 前記入力手段に入力されたコマンドが前記作業用PINの変更命令である場合は、前記PIN照合処理で前記入力PINが前記作業用PINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されている場合は、前記作業用PINの変更処理を実行し、一致していると判断されていない場合は、前記入力PINが前記マスターPINと一致していると判断されているか否か確認し、一致していると判断されている場合は、前記作業用PINの変更処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
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