JP3973596B2 - シート状物の延伸機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状物、例えば熱可塑性樹脂フィルム等を延伸する同時二軸延伸機やテンター方式の横延伸機等のシート状物の延伸機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の掴み装置として、例えば特公昭45−39478公報に支持腕に枢着されたレバーの上部にばねを取り付け、該レバーの下端に上側掴み子を枢着して下側掴み子との間にフィルムを掴む如くなし、レバーのテコ比およびフィルム掴み位置におけるレバーの角度を適当に選定する。かつ、フィルム掴み時に上側掴み子の先端を上向きに規制するようにすることが開示されている。
【0003】
本従来例によれば、ばねの働きによる倍力機構及びフィルム引張力による自緊作用によって多方向の引張力に耐え得るほか、フィルム掴み時にフィルムをフィルムの幅方向に移動させることがないものと考える。
【0004】
また、横延伸機用クリップ装置としては、特開平8−25474号公報において知られている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭45−39478公報
【特許文献2】
特開平8−25474号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の掴み装置は、レバー運動方向に対し、垂直な面方向、即ち、自緊作用が働かない方向(以下、レバー未動作方向と記す)に対してや、シート状物の厚さが異なるものに対しての配慮がされていなかった。
【0007】
レバー未動作方向のシート掴み力は、自緊力が働かないため、ばね力のみが掴み力となる。例えば、横延伸機において、シートの進行方向に垂直にシートを掴んだ場合、延伸部では、末広がり状のレール軌跡となるため、リンクは進行方向に傾き動作する。このため、掴み装置に作用するシート力がレバーの未動作方向に近い側に働く。この場合、自緊作用が働き難くなるため、シート応力に匹敵するばね力が必要となる。従って、シート力より大きい力を有するばねを用いることは、極論すれば自緊作用がない掴み装置でも良いことを示唆する。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑みて、シート状物の把持および取り外しを確実にすることのできる掴み装置を備えたシート状物の延伸機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、一対の無端リンク装置をシート状物の両側に配置し、前記一対の無端リンク装置を入口側スプロケットにより駆動して進行方向に末広がり状に配置されたガイドレールに沿って案内し、出口側スプロケットにより駆動して前記入口側スプロケットに戻るように構成され、前記シート状物を少なくとも横方向に延伸するシート状物の延伸機であって、前記一対の無端リンク装置の各々のシート状物側の先端部に設けられ、前記シート状物の両側端部の各々を把持する掴み装置は、前記無端リンク装置に繋がった本体部と、該本体部の先端部に固定された下掴み子と、前記本体部に一体的に取り付けられた支持腕と、該支持腕の先端部に、ばね力によって前記シート状物の横方向に回動可能に枢着されたレバーと、該レバーの下端部に回動可能に支持され、前記ばね力による前記レバーの回動によって前記下掴み子との間で前記シート状物の端部を挟み込む上掴み子とを備え、前記上掴み子と前記下掴み子との間の把持面において少なくとも平坦面を有し、さらに前記レバーの未動作方向の端部に下方に傾斜した面を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、一対の無端リンク装置をシート状物の両側に配置し、前記一対の無端リンク装置を入口側スプロケットにより駆動して進行方向に末広がり状に配置されたガイドレールに沿って案内し、出口側スプロケットにより駆動して前記入口側スプロケットに戻るように構成され、前記シート状物を少なくとも横方向に延伸するシート状物の延伸機であって、前記一対の無端リンク装置の各々のシート状物側の先端部に設けられ、前記シート状物の両側端部の各々を把持する掴み装置は、前記無端リンク装置に繋がった本体部と、該本体部の先端部に固定された下掴み子と、前記本体部に一体的に取り付けられた支持腕と、該支持腕の先端部に、ばね力によって前記シート状物の横方向に回動可能に枢着されたレバーと、該レバーの下端部に回動可能に支持され、前記ばね力による前記レバーの回動によって前記下掴み子との間で前記シート状物の端部を挟み込む上掴み子とを備え、前記上掴み子と前記下掴み子との間の把持面において少なくとも平坦面を有し、さらに前記レバーの動作方向の外側である反シート状物側の端部に下方に傾斜した面を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記掴み装置において、把持するシート状物の厚さの変化に対応させて前記上掴み子の把持面と前記下掴み子の把持面との相対距離を調整できる調整機構を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記シート状物の延伸機を、同時二軸延伸機で構成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る掴み装置を備えたシート状物の延伸機の実施の形態について図1〜図4を用いて説明する。
【0014】
図1は本発明に係るシート状物の延伸機の一実施の形態である同時二軸延伸機を示す平面図、図2は図1に示す掴み装置を備えた等長リンク機構を示す断面図、図3は図1に示す掴み装置を備えた等長リンク機構を示す平面図である。
【0015】
次に、その構成及び動作について説明する。
【0016】
同時二軸延伸機の場合、熱可塑性樹脂フィルム等のシート状物1の両側に設置された一対の無端リンク装置3(図中リンクの一部並びに片側の無端リンクは省略)は、先端部にシート状物1の端部を把持する掴み装置2を備え、折尺状に形成された等長リンク機構31を多数繋げて構成される。さらに、無端リンク装置3は、入口側スプロケット4で駆動される。そして、入口に設けられた開閉ガイド10により掴み装置2が開閉されてシート状物1の端を掴み、予熱区間で延伸に必要な温度に加熱される。さらに、無端リンク装置3は、延伸区間において、進行方向に末広がり状に配置されたガイドレール5〜7に案内されて掴み装置2を特にTD方向(横方向)に徐々に拡大し(この際掴みピッチをP1からP2に徐々に拡大しても良い。)、シート状物1を横方向にまたは縦横二方向同時に延伸し、その後熱処理区間において所定の温度で熱固定し、冷却区間で急冷し、開閉ガイド11により掴み装置2を開閉してシート状物1を外し、外されたシート状物1はそのまま進行することになる。さらに、無端リンク装置3は、出口側スプロケット8により駆動されて、入口側スプロケット4に戻るように構成される。
【0017】
上記ガイドレール5〜7は一対の組になった案内溝16a、16bを形成する。シート状物1に近いほうのシート側ガイド5と中間ガイド6より形成される案内溝16aにはシート状物1を把持する掴み装置2が連結されたリンク軸12(図2及び図3)が軸受けローラ9aを介して保持される。他方の反シート側ガイド7と中間ガイド6より形成される案内溝16bには掴み装置2を有さないリンク軸13(図2及び図3)が軸受けローラ9bを介して保持される。上記リンク軸12および13は、一対のリンクプレート14及び一対のリンクプレート15によって折尺状に連結される。このため、掴み装置2は、等長リンク機構31の折尺部に一つおきに連結される構成となる。なお、無端リンク装置3における等長リンク機構31の最大ピッチを制限するチェーンリンク17a、17bは、隣接したリンク軸13の間に設けられる。
【0018】
次に、掴み装置2の構成及び動作について図4を用いて説明する。
【0019】
等長リンク機構31の構成部材であるリンクプレート15の先端部には掴み装置2を有する。該掴み装置2は、リンクプレート15の延長部(本体部)151と、該延長部(本体部)151に一体的に取付けられた支持腕152と、該支持腕152に横方向に回動可能に枢着されたレバー201と、該レバー201の下端に回動可能に支持された上掴み子202と、上記延長部(本体部)151に固着された下掴み子203とを備え、ばね205の力により上記レバー201を反時計方向に回動させることにより回動可能に支持された上掴み子202を降下させて上記下掴み子203との間でシート状物1の端を挟み込んで掴む(把持する)ように構成される。
【0020】
掴み装置2へのシート状物1の着脱方法は、次に説明するように行われる。即ち、等長リンク機構31が入口スプロケット4側に設置された開閉ガイド10に入り込むと、開閉ガイド10により掴み装置2のローラ204をシート側(図中矢印側)に押すことで、上掴み子202と下掴み子203の間隔が図中破線のように広がり、シート状物1の端部を挟み込める状態となる。続いて、等長リンク機構31が開閉ガイド10を通過するに従って、開閉ガイド10からローラ204への押し付け力が徐々に開放されて、レバー201と等長リンク機構31との間に懸架されたばね205の力により、もとの状態(図中実線)に復元する。この一連の動作中に、シート状物1の端部を挿入することで、各掴み装置2によりシート状物1の端部を進行方向にP1のピッチで挟み込んで掴む(把持する)ことになる。一方、出口スプロケット5側に設置された開閉ガイド11に等長リンク機構31が通過すると、上記と同様に開閉ガイド11によりローラ204をシート側に押してレバー201を回動させて上下掴み子を開放することで、シート状物1がはずれ、等長リンク機構31が開閉ガイド11を通過後、もとの状態に復元される。
【0021】
次に、本発明の特徴とするシート状物の延伸機における掴み装置の第1の実施例について図5を用いて具体的に説明する。図5は本発明に係る掴み装置の第1の実施例における上下掴み子の一実施例を示す図で、(a)が横断面図、(b)が下掴み子と上掴み子の接触面を示した図である。
【0022】
本実施例は、各掴み装置2の上下掴み子202、203の接触部横断面において、少なくともシート側領域では水平面2031で形成し、反シート側領域では下方に傾斜させた2つの傾斜面部2032a、2032bで形成することを特徴としたものである。なお、図5(b)には、2つの傾斜面部2032a、2032bを、レバー201を反時計方向に回動させた際掴み易くするために三日月形状にした場合を示したが、この形状に限定されるものではない。要するに、シート状物を上下掴み子から外れ難くするためには、レバー201の未動作方向の領域に第1の傾斜面部2032bを形成すれば良い。また、第1の傾斜面部2032bは、図5(b)に示すように、上下掴み子のレバー動作方向の中心線を対称に形成しても良い。
【0023】
ところで、シート状物1の厚さは対象物により千差万別で、数十μmから数mmとなる。例えば、掴み装置2の上下掴み子202、203がシートがない状態で合致するように設置した場合、シート厚さが増加するに従い、レバー201は反シート側の位置でシートを掴む状態となり、上掴み子202と下掴み子203の相対面積が減少し、シートが掴み装置より外れることが予想される。また、シートが外れないまでも次に示す(1)式からも分かるように、図4に示すシート掴み位置におけるレバー201の中心線と垂直線のなす角度φが増加すると、シート掴み力Pcは減少し、所定の掴み力をえられない場合があり得る他、前記相対面積の減少により、レバー未動作方向の自緊作用が低下することになる。
【0024】
Pc=(a/(btanφ))P+(1/(2tanφ))P (1)
但し、Pはばね力、Pはシート力である。
【0025】
さらに、予熱区間から延伸区間に掴み装置2が移行する際、図6に示すようなシート力が掴み装置2の上下掴み子202、203に作用することになる。
【0026】
しかしながら、図5に示したようにレバー未動作方向の領域に第1の傾斜面部2032bを形成する(持たせる)ことで、第1の傾斜面部2032bでシート状物1の端部を挟むことになり、その結果としてレバー未動作方向のシート掴み力を増強させることが可能となり、予熱区間から延伸区間に掴み装置2が移行する際はもとより、シート状物1の厚さが多少変化する場合でも自緊作用が維持でき、シート状物1の掴み装置2からの外れを防止することが可能となる。
【0027】
その他、本実施例の特有の効果としては以下が挙げられる。一般的にシート状物1は掴み子よりシート状物1の端部がリンク本体側に数mm出るよう挿入されるが、上記端部は延伸部での加熱及び自重により垂れ下がる。このため、垂直エッジを有する掴み子では、エッジ部分にシートがひかかり、シートを取外すのに困窮する場合がある(シートの物性により異なる)。しかしながら、本実施例のように下側に傾斜した第2の傾斜面部2032aを有することで、エッジ部の角度が鈍角となるため、上記のようなひかかりが抑制される効果を奏する。
【0028】
尚、本実施例で示した上下掴み子202、203の接触面の外形形状は円形であるが、矩形形状や楕円形状でも良く、平面と傾斜面の境界線は外形形状に依存する構造でも、しない構造でも良い。また、水平面と傾斜面の関係は、基本的にはシートを水平に維持させる観点から、本実施例の組合せが好ましく、水平面2031の面積Ahと傾斜面2032a、2032bの面積Asの関係はAh>Asであることが好ましい。
【0029】
ところで、シートの厚さtはt=b(1−cosφ)で概ね計算でき、図4に示すレバー中心線と垂直線のなす角度φの好適範囲(φ=5〜15度)より、t=0.0038b〜0.034bで、対象シートの最小厚さが0.1mm(b≒26mm相当)とすれば、大凡0.1〜1mmにシートが延伸できる計算となる。実質は延伸時の過熱、シート掴み力などにより、シート厚さは若干減少すると予測できる他、上下掴み子の相対面が合致するようにセッティングされることから、1.5mm以下程度のシートであれば、延伸可能となる。
【0030】
以上説明した本発明に係るシート状物の延伸機における掴み装置の第1の実施例では、折尺状の等長リンク機構31を有する無端リンク装置3でシート状物を縦横同時に延伸する延伸機の掴み装置として説明したが、等長リンク機構31と掴み装置2とが分離可能な構成でも適用でき、さらにテンター方式の横延伸機でも適用可能である。なお、等長リンク機構31と掴み装置2とが分離可能な構成の場合、ばね205をリンク201と例えば支持腕152の延長部151との付け根との間に懸架できるようにすれば、容易に掴み装置2を等長リンク機構31と分離可能となる。
【0031】
次に、本発明に係るシート状物の延伸機における掴み装置の第2の実施例について図7を用いて説明する。図7は本発明に係る掴み装置の第2の実施例である下掴み子と延長部との関係の実施例を示す図で、(a)、(b)は下掴み子の設置高さが異なる状態を示す横断面図、(c)、(d)は(a)、(b)に対してシート方向から見た図である。
【0032】
ところで、最近は、延伸するシート(フィルム)の用途も多岐にわたり、特に特殊な用途に使用されるシートは多品種少量生産に移行する傾向が強く、生産設備も頻繁にシート厚さを変更することが予想される他、自由度が高い装置が求められている。
【0033】
そこで、本第2の実施例は、これらの要求を満たすことができるように、掴み装置2においてシート状物1の膜厚変更に対応できるように上掴み子202の把持面と下掴み装置203の把持面との相対距離を調整できる調整機構を設けたことにある。第2の実施例は、テンター方式のシート状物の横延伸機および掴み装置2を折尺状に形成された等長リンク機構31を構成するリンクプレート15に一体的に取付けられたシート状物の延伸機に適用することが可能である。
【0034】
第2の実施例は、図7に示すように、下掴み子203と延長部(掴み装置2の本体部)151との間隙に段差を有する矩形形状のスペーサ206を設け、該延長部(本体部)151の固着面と垂直な面を基軸に上記スペーサ206を回転させて図7(a)(c)に示すように下掴み子203の溝160と交差させたり、図7(b)(d)に示すように下掴み子203の溝160内に挿入したりすることで、上掴み子202と下掴み子203の相対距離を変化させて上掴み子203の軸部2032にナットなどの固定手段161で固定するものである。尚、下掴み子203とスペーサ206とは分離可能な構造を有し、上下掴み子202、203の接触部横断面が、シート側が水平面で、反シート側が傾斜面に維持可能な構成となっている。
【0035】
ところで、シート状物の膜厚変更に対応できる調整機構を下掴み子203に設けたのは、下掴み子203が延長部(掴み装置2の本体部)151の先端部に固定されるためである。いずれにしても、調整機構は、シート状物の膜厚変更に対応できれば良い。
【0036】
従って、本第2の実施例のように、簡便に上下掴み子の相対距離を変化させることで、広範囲なシート厚さに対応が可能となる他、図5に第1の実施例として示す上下掴み子202、203と組合せることにより、レバー未作動方向の自緊作用が向上し、多方向の引張力に耐え得る掴み装置が実現することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状物の延伸機における掴み装置において、シート状物の把持面にレバー未動作方向の傾斜面を設けることにより、多方向の引張力に耐え得る効果がある。また、これにより、シート状物の厚さが異なって把持力が変わっても、多方向の引張力に耐え得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート状物の延伸機の一実施の形態を示す同時二軸延伸機の平面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例の掴み装置を具備した無端リンク装置の部分を示す断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の掴み装置を具備した無端リンク装置の部分を示す平面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例の掴み装置の近傍を示す図である。
【図5】本発明に係る第1の実施例の掴み装置における上下掴み子を示す図で、(a)はその接触部横断面、(b)は下掴み子の把持面を示す平面図である。
【図6】同時縦横延伸機でフィルム力が掴み装置へ作用する方向を示した図である。
【図7】本発明に係る第2の実施例である掴み装置における下掴み子と延長部(本体部)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…シート状物、2…掴み装置、5…シート側ガイド、6…中間ガイド、7…反シート側ガイド、9…軸受けローラ、10、11…開閉ガイド、12…シート側リンク軸、13…反シート側リンク軸、14、15…リンクプレート、16a、16b…案内溝、31…等長リンク機構、151…延長部(掴み装置の本体部)、152…支持腕、160…溝、161…固定手段、201…レバー、202…上掴み子、203…下掴み子、2032…軸部、204…ローラ、205…ばね、206…スペーサ。

Claims (4)

  1. 一対の無端リンク装置をシート状物の両側に配置し、前記一対の無端リンク装置を入口側スプロケットにより駆動して進行方向に末広がり状に配置されたガイドレールに沿って案内し、出口側スプロケットにより駆動して前記入口側スプロケットに戻るように構成され、前記シート状物を少なくとも横方向に延伸するシート状物の延伸機であって、
    前記一対の無端リンク装置の各々のシート状物側の先端部に設けられ、前記シート状物の両側端部の各々を把持する掴み装置は、前記無端リンク装置に繋がった本体部と、該本体部の先端部に固定された下掴み子と、前記本体部に一体的に取り付けられた支持腕と、該支持腕の先端部に、ばね力によって前記シート状物の横方向に回動可能に枢着されたレバーと、該レバーの下端部に回動可能に支持され、前記ばね力による前記レバーの回動によって前記下掴み子との間で前記シート状物の端部を挟み込む上掴み子とを備え、前記上掴み子と前記下掴み子との間の把持面において少なくとも平坦面を有し、さらに前記レバーの未動作方向の端部に下方に傾斜した面を有することを特徴とするシート状物の延伸機。
  2. 一対の無端リンク装置をシート状物の両側に配置し、前記一対の無端リンク装置を入口側スプロケットにより駆動して進行方向に末広がり状に配置されたガイドレールに沿って案内し、出口側スプロケットにより駆動して前記入口側スプロケットに戻るように構成され、前記シート状物を少なくとも横方向に延伸するシート状物の延伸機であって、
    前記一対の無端リンク装置の各々のシート状物側の先端部に設けられ、前記シート状物の両側端部の各々を把持する掴み装置は、前記無端リンク装置に繋がった本体部と、該本体部の先端部に固定された下掴み子と、前記本体部に一体的に取り付けられた支持腕と、該支持腕の先端部に、ばね力によって前記シート状物の横方向に回動可能に枢着されたレバーと、該レバーの下端部に回動可能に支持され、前記ばね力による前記レバーの回動によって前記下掴み子との間で前記シート状物の端部を挟み込む上掴み子とを備え、前記上掴み子と前記下掴み子との間の把持面において少なくとも平坦面を有し、さらに前記レバーの動作方向の外側である反シート状物側の端部に下方に傾斜した面を有することを特徴とするシート状物の延伸機。
  3. 前記掴み装置において、把持するシート状物の厚さの変化に対応させて前記上掴み子の把持面と前記下掴み子の把持面との相対距離を調整できる調整機構を有することを特徴とする請求項1又は2記載のシート状物の延伸機。
  4. 前記シート状物の延伸機を、同時二軸延伸機で構成することを特徴とする請求項1、2又は3記載のシート状物の延伸機。
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