JP3973318B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを照射することにより相変化材料からなる記録層に光学的な変化を生じさせることにより、情報の記録・再生を行う書換え可能な光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム照射による情報の記録、再生及び消去可能な光情報記録媒体の一つとして、結晶‐非結晶相間、或いは、結晶‐結晶相間の転移を利用する、いわゆる相変化光ディスクがよく知られている。これは、単一ビームによるオーバライトが可能であり、ドライブ側の光学系もより単純で済むため、コンピュータ関連や映像・音響に関する記録媒体として応用されている。
【0003】
その記録材料としては、GeTe,GeTeSe,GeTeS,GeSeS,GeSeSb,GeAsSe,InTe,SeTe,SeAs,Ge‐Te‐(Sn,Au,Pd),GeTeSeSb,GeTeSb,Ag‐In‐Sb‐Teなどがある。特に、Ag‐In‐Sb‐Teは、高感度でアモルファス部分の輪郭が明確な特長を有し、マークエッジ記録用の記録層として開発されている(特開平3−231889号公報、特開平4−191089号公報、特開平4−232779号公報、特開平4−267192号公報、特開平5−345478号公報、特開平6−166266号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−231889号公報によれば、IをI族元素、 IIIを III族元素、VをV族元素、VIをVI族元素として、I・(III1- γVγ)・VI2型の一般組成式で表される記録層が開示されている。しかし、このような記録層では繰返し記録特性に課題がある。
【0005】
特開平4−191089号公報に開示された情報記録媒体に使用されている記録層による場合、消去比の向上と高速記録とは達成されるが、繰返し記録特性に課題がある。
【0006】
特開平4−232779号公報に開示された情報記録媒体に使用されている記録層の未記録部分(結晶化部分)の構造は、安定相(AgSbTe2 )とこの安定相の周囲に存在するアモルファス相とが混在したものとなっている。このため、繰返し記録特性は向上するものの、結晶化部に微細な結晶粒界が存在することになり、ノイズ発生の原因となる。これは、記録再生波長が780nm程度のレーザ光を使用するCD‐RW(Compact Disk‐Rewritable) 等のように比較的低い記録密度を有する光記録媒体の記録特性には重大な悪影響を与えないが、波長680nm以下のレーザ光を使用し、記録密度がCD‐RWの約4倍であるDVD(Digital Versatile Disk)‐RAMやさらに高密度なDVD‐RW等の高密度記録を実現する上では障害となる。さらに繰返し記録特性においても問題が残っている。
【0007】
特開平4−267192号公報に使用されている記録相の結晶化部分の構造は、一様なアモルファス相から相分離したAgSbTe2 とその他の相(安定相又はアモルファス相)との混相状態である。その他の相がアモルファス相である場合には前述した特開平4−232779号公報に開示された情報記録媒体の場合と同様な問題点があり、その他の相が安定結晶相である場合には、後述するように、良好な記録特性が得られない課題がある。
【0008】
特開平5−345478号公報、特開平6−166268号公報による場合も上記の場合と同様な課題がある。
【0009】
即ち、Ag‐In‐Sb‐Te系で、或いは、これらを拡張したIb族元素、 IIIb族元素、Vb族元素及びVI族元素を有する相変化光記録材料を記録相とする光記録媒体において、空間群Fm3mに属する単数又は複数の準安定結晶相を有する記録媒体に関する知見は従来なく、さらに、この準安定結晶相が存在可能であり、繰返し記録時の熱衝撃に対し、耐久性を持った組成領域を明確にした従来技術はない。このため、 (Ib)(IIIb)(Vb)(VIb)記録層の組成と繰返し記録との関係、或いは、組成と結晶構造との関係、さらには、結晶構造と繰返し記録特性との関係は明確ではなく、高記録密度、例えばDVD‐ROMと同等の記録密度を有し、良好なる記録特性を有する光記録媒体はない現状にある。また、繰返し記録が良好な組成領域と記録線速との関係も従来は明確ではなかった。
【0010】
さらには、繰返し記録の良好性が維持された状態で、結晶化速度を制御するための組成に関する知見も従来はなく、CAV(Constant Anguler Velocity)記録など、記録線速が場所により変化する相変化光ディスクにおいて、高記録密度で全面に渡って繰返し記録特性が良好な光記録媒体は従来はなかった。
【0011】
そこで、本発明は、幅広い記録線速領域における記録密度、繰返し記録特性に優れた高記録密度な光情報記録媒体を提供すること、及び、CAV方式やMCAV方式で記録再生を行うタイプの相変化光ディスクのように、記録線速が媒体の部位により異なり、ランダムアクセス性に優れた光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、CAV方式あるいはMCAV方式により記録再生が行われ、635nmの波長のレーザ光を用いて記録が行われ、円盤状の基板上に相変化材料からなる記録層を設けた光情報記録媒体において、前記記録層が、下記の一般式の組成で、かつ、空間群Fm3mに属する準安定相の記録材料からなり、IIb族の元素濃度が内周部側よりも外周部側が小さく、かつ該元素濃度を半径位置に応じて略連続的に異ならせる。
一般式;(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x
(式中、IbはIb族元素、IIIbはIIIb族元素を表し、a,b,xは0.72≦x+2a+7b/6≦0.82である)。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記記録材料は、前記一般式の組成に、さらにBi、Se、C、B、N、Pb、Sn、Zn、および遷移金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、該添加元素は全体の5at%以下である。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、a,b,xは0.75≦x+2a+7b/6≦0.76である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体におけるIb族元素がAg又はAuである。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.05≦a≦0.09である。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.03≦a≦0.07である。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.02≦a≦0.06である。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.01≦a≦0.05である。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体における前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.005≦a≦0.04である。
【0023】
まず、請求項1記載の発明の光情報記録媒体における記録層は、その記録材料として、Sb及びTeを必須元素として、Ib族元素、 IIIb族元素、Vb族元素及びVIb族元素を有する。特に、Ib族元素としてはAg,Cu及び/又はAu、 IIIb族元素としてはIn,Ga,Ti及び/又はAl、Vb族元素としてはSb,As及び/又はBi、VIb族元素としてはTe,S及び/又はSe系の記録材料であって、記録層が少なくとも準安定相を含む単数又は複数の結晶相と準安定アモルファス相との間の相転移において光学的性質が変化する特性を有するものである。その組成は、Sb及びTeを必須元素として、記録層の原子比率での組成を(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x で表す一般式において0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲内に設定されている。同時に、このような記録層は空間群Fm3mに属している。このような準安定相は、Sb及びTeを必須元素として、Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体、 IIIb‐Vb‐VIb固溶体、Vb‐VIb固溶体、(Vb)3(VIb)結晶相の中の少なくとも1つである。このような準安定相の具体的な材料としては、例えば、Ag‐In‐Sb‐Te系においては、Ag‐In‐Sb‐Te固溶体、Ag‐Sb‐Te固溶体、In‐Sb‐Te固溶体、Sb‐Te固溶体、Sb3Te の中の少なくとも1つである。これらの準安定相は、空間群Fm3mに属しており、格子定数が0.615±0.02nmの結晶相である。これらの準安定相が存在する領域は、上記組成を示す一般式によれば、
4a+2b<1
a>0 かつ b>0
なる条件が成立する領域である。
【0024】
ここに、記録層の結晶化部が単相の準安定結晶相で構成されたものは、請求項2記載の発明のものであって、Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体である。これは、例えば、Ag‐In‐Se‐Te,Au‐Al‐Sb‐Te,Au‐Ag‐In‐Sb‐Bi‐Te‐Se,(Au,Ag,Cu)‐(In,Al,Ga,Tl)‐(Sb,Bi,As)‐(Te,Se,S)である。
【0025】
これ以外に、上記の準安定結晶相の任意の組合せで、準安定相のみからなる複数の結晶相からなる混相状態でもよい。
【0026】
何れの場合も、格子定数0.615nm近傍の面心立方格子を基本とする結晶構造である。良好なマーク形状を得る上では、記録層の結晶化部が、単相の準安定Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体のみからなることが好ましい。初期結晶化時の過大な熱衝撃が避けられず、やむを得ず混相の結晶相を生成する場合でも、上述したように互いに格子整合関係にある空間群Fm3mに属する結晶相を主として生成し、空間群Fm3mの結晶相以外が存在しないか、例えば、Sb,Sb2Te3、InSb、又は、結晶相中にアモルファス相が存在せずに、準安定相を含む空間群Fm3mに属する結晶相が生成するような初期結晶化過程が好ましい。なお、本発明には、膜厚方向や面内方向に組成の勾配があってもよく、上記の相の積層膜も含まれる。
【0027】
本発明においては、その特徴の1つとして、記録層の記録材料に関して、所定の記録線速に応じた結晶化速度を得るため、記録層の組成に面内分布を生じさせている。例えば、この記録層の結晶化速度は、Ib族元素及び/又はVIb族元素が増えるほど遅くなり、 IIIb族元素及び/又はVb族元素が増えるほど速くなる傾向にある。また、原子半径依存性もあり、比較的原子半径の大きなInでは、その濃度の増加とともに結晶化速度が速くなる傾向にある。
【0028】
特に、Ag及び/又はAuを含む (Ag,Au)‐(IIIb)‐(Sb)‐(Te)記録材料系では、Ag及び/又はAuの濃度依存性が顕著であり、記録線速の高い領域のAg及び/又はAuの元素濃度を低くする。即ち、請求項6記載の発明のように、記録層の外周部側のAg及び/又はAuの元素濃度を内周部側のAg及び/又はAuの元素濃度に比較して小さくすれば、内周部分の記録線速が遅いCAV記録などに対応することができる。この場合、組成は、全面にわたる良好な繰返し記録特性を維持するため、0.72≦x+2a+7b/6≦0.82が成立する範囲に設定される。
【0029】
即ち、請求項1記載の発明に関連して、Sb及びTeを必須元素とするIb族元素‐ IIIb族元素‐Vb族元素‐VIb族元素からなる記録材料の結晶相が混相となる場合、単体や2元、3元系の化合物や合金相・固溶体の中では、Ib‐Vb‐VIb, IIIb‐Vb‐VIb, IIIb‐VIb,Ib‐ IIIb‐VIb, IIIb‐Vb,Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体,Vb、例えば、AgSbTe2 ,In3SbTe2,AlSbTe2,In4Sb1.2Te2.8,InTe,準安定Ag‐In‐Te固溶体,準安定In‐Sb‐Te固溶体,準安定Ag‐In‐Sb‐Te固溶体,準安定Sb3Te ,準安定Sb‐Te固溶体,Sb2Te3,InSb,Sbが好ましい。この中で、AgSbTe2 ,In3SbTe2,AlSbTe2,In4Sb1.2Te2.8,InTe,準安定Ag‐In‐Te固溶体,準安定In‐Sb‐Te固溶体,準安定Ag‐In‐Sb‐Te固溶体,準安定Sb3Te ,準安定Sb‐Te固溶体等のように、一般式IbVbVIb2,IIIb3VbVIb2, IIIbVIb,準安定Vb3VIb ,準安定Vb‐VIb固溶体,準安定Ib‐Vb‐VIb固溶体,準安定 IIIb‐Vb‐VIb固溶体,準安定Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体で表される結晶の構造は空間群Fm3mに属し、格子定数も0.615nmの近傍にあるため、これらの結晶は互いに格子整合関係にあるものが特に好ましい。まず、記録層の結晶化部が単相の準安定Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体のみからなる場合、粒界が存在しないか、仮に結晶粒界が存在したとしても、この結晶粒界は比較的良好な格子接合となっており、結晶粒界に大きな空隙は存在せず、熱伝導率にむらを生じない。この場合には、光ビームの強度分布と時間的プロファイルを忠実に反映した滑らかなアモルファス化部‐結晶化部の境界が得られ、高記録密度領域で良好なジッタ値が得られる。この準安定結晶相の記録時の熱衝撃に対する安定性が高い組成領域は、(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x なる一般式の組成において0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲内にあり、かつ、4a+2b<1を満たす場合であって、これは、準安定Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb固溶体が混相状態の場合でも、上述した互いに格子整合関係にある準安定相を含む複数の結晶相となるため、比較的良好な記録特性を維持し得る組成領域である。
【0030】
なお、複数の結晶相間、例えば、Ib‐Vb‐VIb安定結晶相とVb‐VIb準安定結晶相では、結晶化速度に差異があるため、主要部は準安定相が占めることが好ましく、上記組成式では、4a+2b<0.5、かつ、a≦0.09の範囲が好ましい。特に、Ag‐In‐Sb‐Te系の記録材料で、4a+2b=1として、準安定相が存在し難い組成領域では、In3SbTe2とAgSbTe2との結晶化速度の差異のために、高記録密度領域では良好なる特性は得られない。
【0031】
そして、従来技術のように、記録層の結晶化部が格子整合関係にない複数の結晶相からなる場合、結晶粒界での面の整合性がよくない場合には、粒界に空孔や偏析が生じ、この粒界部分で熱伝導率にむらが生じる。さらに、結晶化速度は一般的に粒毎に異なるため、結晶‐アモルファス部分の境界もこの結晶粒界を反映したものとなりやすく、アモルファス化部‐結晶化部の境界に乱れが生じ、高記録密度領域では良好な特性が得られない。また、結晶粒径を数nmオーダの微結晶にした場合には、結晶粒界の滑らかさは得られるが、なお、高記録密度の実現には問題がある。そして、互いに格子整合関係にない粒界面では、界面部分の歪みや界面エネルギーが増加し、結晶化速度の低下や粒界からの腐食など、好ましくない現象を生ずるため、結晶粒の微細化は高記録密度には適さない。この点、本発明においては、記録層の結晶化部が複数の結晶相からなる場合であっても、生成する結晶相は同一の空間群Fm3mに属し、格子定数が近接することが好ましく、粒界は単相の場合と同様に良好なる接合となっている。このため、結晶化速度に差異はあるものの、熱伝導の不均一性は比較的小さく、単相の場合に準じた記録特性を有することとなる。
【0032】
本発明による光情報記録媒体の初期結晶化では、準安定相の析出に適した初期化方法、例えば、レーザビームによる初期化方法等が採用される。特に好ましい構造は、(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x 準安定固溶体単相である。
【0033】
Ib‐ IIIb‐Vb‐VIb系記録層の結晶化速度には、組成依存性がある。記録層中のIb族元素やVIb族元素の濃度が増えるほど低記録線速側に好適な記録層となり、 IIIb族元素やVb族元素の濃度が増えるほど高記録線速側に好適な記録層となる。この結晶化速度と組成との間には一定の対応関係がある。特に、Ag,Au或いはAg+Auの濃度は結晶化速度に大きな影響を与える。即ち、Ag+Au濃度が増えるほど、結晶化速度は遅くなる。
【0034】
請求項7ないし11記載の発明では、特に、CD‐RWなどに使用されるストラテジ(レーザダイオードの発光パターン)を使用した場合の記録線速と記録層の組成との適正な組合せを開示している。即ち、記録層中にAg及び/又はAuを含み、記録層の原子比率での組成が(Ag,Au)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x なる一般式で表され、a,b,xが0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲内にあることを前提とした場合、記録線速1〜2m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.05≦a≦0.09の範囲内に設定され(請求項7)、記録線速2〜3m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.03≦a≦0.07の範囲内に設定され(請求項8)、記録線速3〜4m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.02≦a≦0.06の範囲内に設定され(請求項9)、記録線速4〜6m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.01≦a≦0.05の範囲内に設定され(請求項10)、記録線速6〜8m/sに対応する媒体半径方向の部位に属する記録層の組成としては0.005≦a≦0.04の範囲内に設定されている(請求項11)。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。本発明の相変化型の光情報記録媒体は、その層構成が特に限定されるものでなく、公知の任意構造のものに適用し得るが、一例として図1に示す構造例で説明する。図1は光情報記録媒体である相変化光記録媒体1の層構成の一例を示す概念図である。この相変化光記録媒体1では、案内溝を有するポリカーボネイト基板2上に、ZnS・SiO2からなる160nmの第1保護層3、20nmのAgInSbTe記録層4、ZnS・SiO2 からなる20nmの第2保護層5、100nmのAl・Ti反射放熱層6、5μmのUV硬化樹脂による環境保護層7が順次積層されている。本実施の形態の記録層4は、基本的に記録材料を製膜した後、その媒体を80℃に加熱し、その後、初期化することにより形成することができる。なお、記録層の結晶構造の特定はX線回折スペクトルをもとに行った。以下の表におけるf.c.cとは空間群Fm3mにおける結晶構造を記したものである。このような相変化光記録媒体1は、例えば、その記録線速が媒体半径方向の位置により異なるCAV方式により行われる仕様とされている。
【0036】
このような相変化光記録媒体1に関し、本実施の形態では、その記録層4の組成等を明らかにするものである。即ち、この記録層4はSb及びTeを必須元素としてIb族元素、 IIIb族元素、Vb族元素及びVIb族元素を有する相変化記録材料により形成されることを基本とする。そして、少なくとも1つの準安定結晶相を含む単数又は複数の結晶相を有する結晶化状態とアモルファス化状態との間の相転移における光学的性質の変化を利用するものとされている。ここに、記録層4の原子比率での組成を(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x で表す一般式において0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲内に設定されており、単数又は複数の結晶相が空間群Fm3mに属する結晶相とされている。加えて、相変化光記録媒体1の記録線速の変化に対応して記録層4の組成に媒体半径方向で差異をもたらされている。
【0037】
本実施の形態では、このような組成等を採る根拠を具体的測定例に基づき明らかにするものである。即ち、記録層4の組成と記録線速と繰返し記録回数(記録可能回数)との関係を図1に示す層構造の相変化光記録媒体1について具体的に測定したものであり、記録層1〜記録層14なる14種類の記録層サンプルについてその結果を表1及び表2に示す。ここに、記録ストラテジ(記録時のレーザダイオードの発光パターン)は、CD‐RWで採用されているものを使用した。また、記録可能回数は、ウインドウ幅Twで規格化したジッタの値σ/Twが13%を上回らない最大繰返し記録回数で判定したものである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
表1及び表2で、記録可能回数が1000回以上であることが確認された記録線速は、Ag濃度a=0.09に対しては1〜2m/s(記録層1)、Ag濃度a=0.07に対しては1〜3m/s(記録層2)、Ag濃度a=0.06に対しては1〜4m/s(記録層3)、Ag濃度a=0.05に対しては1〜6m/s(記録層4)、Ag濃度a=0.04及びa=0.03に対しては2〜8m/s(記録層5,6,10〜14)、Ag濃度a=0.02に対しては3〜8m/s(記録層7)、Ag濃度a=0.01に対しては4〜8m/s(記録層8)、Ag濃度a=0.005に対しては6〜8m/s(記録層9)となる。即ち、記録線速1〜2m/s,2〜3m/s,3〜4m/s,4〜6m/s,6〜8m/sの各々に対応するAg濃度aは、各々、0.05≦a≦0.09,0.03≦a≦0.07,0.02≦a≦0.06,0.01≦a≦0.05,0.005≦a≦0.04の範囲である。Agの一部又は全部をAuに置換しても同様な結果が得られる。
【0041】
なお、表1及び表2の記録層の初期結晶化は、サンプル記録層14を除き、レーザビーム照射により行った。サンプル記録層1の初期結晶化はランプアニールにより行った。サンプル記録層5,10〜13の測定結果によれば、前述した(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x で表す一般式(ここでは、AgaInbSbxTe1-a-b-x)において、0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲内では繰返し記録回数が良好であることが分かる。繰返し記録特性の全面にわたる均一性を確保する上では、パラメータx+2a+7b/6の値が一定であることが好ましく、特に、この値が±0.02であることが好ましいといえる。
【0042】
ちなみに、本発明と同一の組成を有する記録層組成であっても、サンプル記録層14では、準安定相が分解した場合の析出物であるSbやSb2Te3等の析出が起こり、高記録密度には不適となる。準安定相は長時間の高温アニールにより安定相へ相分離する。
【0043】
【実施例】
図1に示した層構成の相変化光記録媒体1を用い、その記録層4の組成に半径方向の分布を持たせた場合の繰返し記録回数と記録層4の組成及び初期化後の結晶構造との関係の実施例を表3及び表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
実施例1では、Ib元素であるAg濃度に半径位置rに依存する組成勾配を設け、これに応じて繰返し記録回数が最適となるように、Vb族元素であるSb及びVI族元素であるTe濃度に勾配を持たせている。これにより、900rpmでのCAV記録において、全面にわたる高繰返し記録が可能となったものである。
【0047】
実施例2では、Agの一部がAuで置換され、Inの一部がAlで置換されているが、結果は実施例1の場合と同様である。
【0048】
実施例3では、1200rpmでのCAV記録に対応するもので、Ag及びAu濃度に勾配がある。さらに、Vb族元素としてBiが、VI族元素としてSeが添加されている。実施例3の場合も全面にわたる繰返し記録特性が良好であることがわかる。
【0049】
実施例4では、Ag濃度及び IIIb族元素であるIn濃度に勾配を持たせ、これに応じて繰返し記録回数が最適となるように、Vb族元素であるSb及びVI族元素であるTe濃度に勾配を持たせている。In濃度が高いほど高記録線速での繰返し記録特性が良好となる。
【0050】
組成条件0.72≦x+2a+7b/6≦0.82の範囲から逸脱するにつれ、急激に繰返し記録回数が悪化しているのが分かる。即ち、組成条件0.72≦x+2a+7b/6≦0.82は準安定相の安定条件を示す本発明に固有のパラメータといえる。特に、不純物の影響がない場合の繰返し記録回数が良好な条件は、x+2a+7b/6=0.75である。
【0051】
一方、記録層に不純物、例えば、C,B,N,Pb,Sn,Zn,遷移金属元素等を添加する場合、不純物の結合状態や保護層界面部分での偏析の状態により上記の最適条件x+2a+7b/6=0.75は若干シフトする場合があるが、不純物が概ね5at.% 以下の微量である場合には本発明に該当する。不純物が無添加の場合や不純物の添加量の面内分布がない場合には、全面にわたる良好な繰返し記録特性を維持する上で、パラメータx+2a+7b/6の値を一定とすることが特に好ましく、このパラメータx+2a+7b/6の値を全面にわたり±0.02以内とすることが好ましい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1ないし3記載の発明の光情報記録媒体によれば、高記録密度での繰返し記録特性を向上させることができる。
また、Ib族の元素濃度を内周部側よりも外周部側の方を小さく設定しているので、記録線速の遅速と結晶化速度の遅速とを対応させることができ、高記録密度での繰返し記録特性を向上させることができる。
【0053】
請求項4記載の発明の光情報記録媒体によれば、Ag及び/又はAuの元素濃度を調整することにより、容易に高い記録線速に対応することが可能となる。
【0055】
請求項5ないし9記載の発明によれば、例えば、CD-RWなどに使用されるストラテジを使用した場合の記録線速と記録層の組成との適正な組合せを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光情報記録媒体の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
4 記録層
Claims (9)
- CAV方式あるいはMCAV方式により記録再生が行われ、635nmの波長のレーザ光を用いて記録が行われ、円盤状の基板上に相変化材料からなる記録層を設けた光情報記録媒体において、
前記記録層が、下記の一般式の組成で、かつ、空間群Fm3mに属する準安定相の記録材料からなり、Ib族の元素濃度が内周部側よりも外周部側が小さく、かつ該元素濃度を半径位置に応じて略連続的に異ならせることを特徴とする光情報記録媒体。
一般式;(Ib)a(IIIb)b(Sb)x(Te)1-a-b-x(式中、IbはIb族元素、IIIbはIIIb族元素を表し、a,b,xは0.72≦x+2a+7b/6≦0.82である) - 前記記録材料は、前記一般式の組成に、さらにBi、Se、C、B、N、Pb、Sn、Zn、および遷移金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、該添加元素は全体の5at%以下であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、a,b,xは0.75≦x+2a+7b/6≦0.76である特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
- 前記Ib族元素がAg又はAuであることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.05≦a≦0.09である特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.03≦a≦0.07である特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.02≦a≦0.06である特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.01≦a≦0.05である特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録材料の組成を示す前記一般式中、aは0.005≦a≦0.04である特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
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