JP3972798B2 - タイヤ圧力監視システム及びタイヤ圧力監視システムにおけるidコードの登録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の各タイヤ圧力の状態を監視するタイヤ圧力監視システム及びそのタイヤ圧力監視システムにおいて、各タイヤ圧力を測定してその測定結果の送信を行なうセンサユニットに付与された固有のIDコードを、監視ユニットに登録する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両に設けられた各タイヤ圧力を監視するシステムが種々、提案されている。その1つとして、タイヤ圧力を検出するセンサ及びそのタイヤ圧力の検出値を送信する送信機からなるセンサユニットを各タイヤに取り付けるとともに、そのセンサユニットから送信された信号を受信して、各タイヤの圧力検出値が所定値以下の場合、警告を行なう監視ユニットを車体側に設けたタイヤ圧力監視システムがある。
【0003】
このタイヤ圧力監視システムにおいては、送信された信号が、自車両に取り付けられたタイヤのセンサユニットから送信されたものであるか否かを判別するために、各センサユニットに固有のIDコードを付与し、このIDコードをタイヤの圧力検出値とともに送信させる。監視ユニットには、予め車両に取り付けられた各タイヤのセンサユニットのIDコードが登録されており、各センサユニットからの送信信号に含まれるIDコードと登録IDコードとが一致した場合、その送信信号に含まれる圧力検出値が適正な値であるか否かを判別する。このようにして、各センサユニットに付与したIDコードを用いることにより、各タイヤの圧力監視の信頼性を確保している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、各タイヤに設けられるセンサユニットのIDコードの監視ユニットへの登録は、以下のような手順で行なわれる。
【0005】
まず、所定のスイッチ操作等を行なうことによって監視ユニットを監視モード(ノーマルモード)から登録モードに切り換える。そして、例えば、各タイヤの圧力を急速に減圧して強制的に各センサユニットからIDコードを含む送信信号を送信させる。監視ユニットが登録モードのとき、各センサユニットからIDコードを含む送信信号を受信すると、そのIDコードが監視ユニットに登録される。
【0006】
ここで、例えば1本のタイヤにパンク等の不具合が生じて、そのタイヤを交換する場合、交換後のタイヤに設けられたセンサユニットのIDコードを監視ユニットに登録する必要がある。
【0007】
しかしながら、従来のタイヤ圧力監視システムにおいては、1本のタイヤのIDコードのみを登録することはできず、この場合、その交換後のタイヤを含む全てのタイヤに関して、センサユニットのIDコードを再登録することが必要となる。このため、センサユニットのIDコードの登録作業負荷が大きいとの問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、タイヤ交換時等、一部のタイヤのセンサユニットのIDコードのみを登録すべき場合における、登録作業の作業負荷を軽減することが可能なタイヤ圧力監視システム及びタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のタイヤ圧力監視システムは、車両の各タイヤに設けられて、それぞれのタイヤ圧力を測定するとともに、その圧力測定値と固有のIDコードを含む送信信号を送信する複数のセンサユニットと、
複数のセンサユニットからの送信信号を受信し、その送信信号に含まれるIDコード及び圧力測定値に基づいて、各タイヤ圧力の状態を監視する監視ユニットとを備えたタイヤ圧力監視システムにおいて、
監視ユニットの動作モードを、各タイヤ圧力の状態を監視する監視モードと、各タイヤに設けられたセンサユニットに付与された固有のIDコードを登録する登録モードとのいずれかに切り換える切換手段と、
監視ユニットの動作モードが前記登録モードに切り換えられたときに、IDコードの登録対象となるセンサユニットのタイヤの取付け位置を選択する選択手段と、
選択手段によって選択された、IDコードを登録すべきセンサユニットのタイヤ取付け位置を表示する表示手段とを備え、
監視ユニットは、登録モードにおいて、車両に取り付けられる各タイヤのセンサユニットに対し、その取付け位置に応じて、IDコードの登録順序を予め定めており、選択手段は、その登録順序に従って、登録対象となるセンサユニットのタイヤ取付け位置を変更することにより、任意のタイヤ取付け位置を選択するとともに、センサユニットのIDコードが与えられたとき、そのIDコードを選択手段によって選択されたタイヤ取付け位置に関連付けて登録することを特徴とする。
【0010】
このように、請求項1に記載のタイヤ圧力監視システムでは、IDコードの登録対象となるセンサユニットを備えたタイヤの取付け位置を選択する手段を設けた。このため、登録すべきIDコードが、車両の一部のタイヤのセンサユニットに関するものである場合であっても、そのセンサユニットが装着されたタイヤの取付け位置を選択することができるので、IDコードを登録すべきセンサユニットに関してのみ登録作業を行なうことが可能になる。
さらに、選択手段によって選択された、IDコードを登録すべきセンサユニットのタイヤ取付け位置を表示する表示手段を備えるので、作業者は、一見して登録対象となっているセンサユニットのタイヤ取付け位置を把握することができる。なお、この表示手段は、タイヤ圧力の異常報知を行なう表示手段と兼用することができる。
また、上述したように、選択手段による1回の操作毎に、その登録順序に従って登録対象となるセンサユニットのタイヤ取付け位置を変更するように構成することにより、簡単な構成で任意のタイヤ取付け位置を選択することができる。
【0011】
そして、IDコードの登録に関して、監視ユニットは、IDコードをタイヤ取付け位置と関連付けて登録することが可能になるので、監視モードにおいてタイヤ圧力の低下等の異常を検出した場合に、異常が発生したタイヤの位置も含めて報知することができる。これにより、タイヤ圧力の監視におけるサービス性を向上することが可能になる。
【0014】
請求項2に記載したように、監視ユニットは、IDコードの登録が完了する毎に、登録順序に従って、登録対象となるセンサユニットを有するタイヤの取付け位置を更新することが好ましい。予めIDコードの登録順序を定めておき、登録が完了する毎に、登録対象となるセンサユニットのタイヤ取付け位置が更新されれば、全てのタイヤに関してセンサユニットの登録を行なう場合に、その作業効率を向上できるためである。
【0015】
請求項3に記載したように、監視ユニットは、IDコードを登録すべき対象となるセンサユニットを備えたタイヤの本数分のIDコードの登録を完了した場合、登録モードを監視モードに切り換えることが好ましい。
【0016】
例えば、1本のタイヤを交換した場合に、その交換したタイヤの取付け位置におけるセンサユニットを登録対象としてIDコードの登録が行なわれる。この場合、他のタイヤについては既にセンサユニットのIDコードの登録はなされているので、交換タイヤに関してセンサユニットのIDコードの登録が完了した時点で、登録モードが終了される。これにより、必要なセンサユニットのIDコードの登録が完了すれば自動的に登録モードが終了するので、登録作業の作業性を向上することができる。
請求項4に記載したように、監視ユニットに接続されたバーコードリーダーにより、登録すべきIDコードに相当するバーコードを読み込むことによって、前記監視ユニットに前記センサユニットのIDコードが与えられても良い。
【0017】
請求項5〜請求項8に記載した発明は、上述したタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法に関するものである。ただし、各請求項に記載した発明の作用・効果については、上述したタイヤ圧力監視システムの作用・効果と同様であるため、説明を省略する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、タイヤ圧力監視システムを4輪乗用車に適用した例について説明するが、本発明によるタイヤ圧力監視システムは、トラックやバス等にも適用することができる。
【0019】
図1は、本実施形態によるタイヤ圧力監視システムの概略の構成を示す構成図である。また、図2は、タイヤ圧力監視システムの機能ブロック図を示す。図1及び図2に示すように、タイヤ圧力監視システム1においては、タイヤ圧力を測定する圧力センサ11,21,…と測定した圧力及び固有のIDコードを含む送信信号を電波にて送信する送信機12,22,…とからなるセンサユニット10,20,30,40が、前後左右輪の各タイヤ15,25,35,45に設けられている。このセンサユニット10,20,30,40は、例えば、タイヤバルブと一体的に構成され、タイヤのディスクホイールに取り付けられる。なお、センサユニット10,20,30,40として、圧力センサに加えて、温度を測定する温度センサを設けても良い。これにより、タイヤ圧力の状態を判定する際に、温度変化によるタイヤ圧力の変動を考慮することが可能になる。
【0020】
受信アンテナ13,23,33,43は、車両の各ホイールハウスに設けられ、送信機12,22,…からの送信信号を受信する。受信アンテナ13,23,33,43によって受信された受信信号は、それぞれの受信機52,53,…に送られ、受信信号の増幅等の処理が行なわれる。その後、各受信信号は、タイヤ圧力モニターECU50に送られ、受信信号に含まれる圧力測定値に基づいて各タイヤ15,25,35,45の圧力の状態が判定される。なお、図1においては、簡略化のため、受信機52,53の表示が省略されている。
【0021】
また、受信アンテナ13,23,33,43及び受信機52,53は、各センサユニット10,20,30,40に対して個別に設けずに、共通の受信アンテナ及び受信機を設け、その共通の受信アンテナ及び受信機によって各センサユニット10,20,30,40からの送信信号を受信するようにしても良い。
【0022】
タイヤ圧力モニターECU50における、各タイヤ15,25,35,45の圧力の状態の判定結果は、車室内のインストルメンタルパネルに設けられた表示器(ディスプレイ)70に表示される。この表示器70は、図2に示すように、各タイヤ15,25,35,45の取付け位置に応じた、LED等からなる表示部71を備えている。そして、タイヤ圧力モニターECU50によってタイヤ圧力が所定圧以下に低下している等、タイヤ圧力異常と判定した場合には、その異常判定されたタイヤに対応する表示部71を点灯させ、ドライバーにタイヤの圧力の異常を報知する。
【0023】
本実施形態におけるタイヤ圧力監視システムは、さらにモード切換スイッチ(SW)60を備えている。このモード切換SW60は、車体側に設けられた監視ユニットの中心的役割を果たすタイヤ圧力モニターECU50の動作モードを、各タイヤ15,25,35,45の圧力の状態を監視する監視モードから、各センサユニット10,20,30,40に付与された固有のIDコードを登録する登録モードへ切り換えるものである。
【0024】
次に、上記の構成を備えるタイヤ圧力監視システムにおいて実行される演算処理の流れについて、図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
まず、図3のステップS10にて、タイヤ圧力モニターECU50の動作モードの判定が行なわれる。例えば、モード切換SW60がプッシュスイッチとして構成された場合、そのモード切換SW60が押下されることにより、タイヤ圧力モニターECU50の動作モードが登録モードに切り換えられる。ステップS10では、このようなモード切換SW60によって、動作モードが登録モードに切り換えられたか否かを判定する。
【0026】
ステップS10において、動作モードが登録モードに切り換えられていない、すなわち、圧力モニターECU50の動作モードが監視モードであると判定されると、ステップS20において公知のタイヤ圧力監視ルーチンが実行される。すなわち、各圧力センサ11,21,…が各タイヤ15,25,35,45の圧力を測定するとともに、各送信機12,22,…が、各センサユニット10,20,30,40に付与された固有のIDコードと圧力測定値とを含む送信信号を所定の時間間隔で送信する。送信された信号が受信アンテナ13,23,33,43及び受信機52,53,…を介してタイヤ圧力モニターECU50に入力されると、タイヤ圧力モニターECU50はまず、受信したIDコードと自身に登録されているIDコードとを照合して、両者が一致する等所定の関係を満足しているか否か判定する。この判定により、自車両に取り付けられたタイヤ15,25,35,45のセンサユニット10,20,30,40から送信されたものであることが確認された場合、その受信信号に含まれる圧力検出値が適正な値であるか否かを判定する。このように、各センサユニット10,20,30,40に付与したIDコードを用いることにより、他車両からの信号等に基づいて誤ったタイヤ圧力の判定を行なうことが防止でき、タイヤ圧力の監視の信頼性を向上できる。
【0027】
さらに、各センサユニット10,20,30,40に付与されたIDコードは、それらセンサユニット10,20,30,40が配置されたタイヤの取付け位置と関連付けてタイヤ圧力モニターECU50に登録されている。このため、タイヤ圧力モニターECU50が受信信号に含まれる圧力検出値が所定圧よりも低い等、タイヤ圧力異常と判定した場合には、IDコードからそのタイヤ圧力異常が生じたタイヤの取付け位置を特定し、そのタイヤ取付け位置に対応する表示部71を点灯させる。これにより、ドライバーは、車両のどのタイヤの圧力が異常であるのか即座に把握することができる。
【0028】
一方、ステップS10において、タイヤ圧力モニターECU50の動作モードが登録モードに切り換えられたと判定された場合には、ステップS30に進み、IDコード登録ルーチンを実行する。以下、このIDコード登録ルーチンについて、図4及び図5に基づいて詳細に説明する。なお、このIDコード登録ルーチンは、車両の工場出荷前やタイヤの交換時に、各センサユニット10,20,30,40に付与されたIDコードを、監視ユニットを構成するタイヤ圧力モニターECU50に登録するために実施されるものである。
【0029】
まず、ステップS31では、IDコードの登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置を、表示器70のいずれかの表示部71を点滅させることによって表示する。登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置は、登録が完了する毎に所定の順序(例えば、左前輪→右前輪→右後輪→左後輪)で更新されるように予め設定されている。従って、この例の場合、まずは左前輪のタイヤ25のセンサユニット20が登録対象となり、FLと表示された表示部71が点滅することになる。
【0030】
ステップS31における登録待状態において、モード切換SW60が所定時間以上継続して操作されたとき、図5に示す割込ルーチンが実行される。この割込ルーチンは、IDコードの登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置の変更処理を行なうものである。以下、この割込ルーチンについて説明する。
【0031】
上述したように、IDコードの登録対象となるセンサユニット10,20,30,40に対し、そのタイヤ15,25,35,45の取付け位置に応じて登録順序が定められており、割込みルーチンが開始された直後は、左前(FL)輪のセンサユニット20が登録対象となっている。
【0032】
その登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置は、割込ルーチンが開始されたときに、モード切換SW60を操作することによって変更することができる。すなわち、図5のステップS40に示すように、モード切換SW60の操作があったか否かを判定し、モード切換SW60が操作された場合には、ステップS41において、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置を、登録順序に従って更新する。この場合、更新後の取付け位置に対応する表示部71が点滅するとともに、その更新後の取付け位置が内部のメモリに記憶される。
【0033】
具体的には、ステップS40においてモード切換SW60の1回の操作に応じて、上述した所定の順序に従って、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置が1つ進む(FL輪→FR輪→RR輪→RL輪)。そして、所望のタイヤ取付け位置となるまでモード切換SW60の操作を繰り返すことにより、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40のタイヤ取付け位置を任意の位置に変更することができる。このとき、取付け位置が進む毎に、点滅する表示部71の位置も対応して進む。これにより、操作者は、登録対象となっているタイヤ取付け位置を常に確認することができる。
【0034】
IDコードの登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤ15,25,35,45の取付け位置が、所望の位置に変更されて、モード切換SW60の操作が終了されると、ステップS40において、SW操作なしと判定され、ステップS42に進む。ステップS42では、モード切換SW60が操作されない状態が所定時間経過したか否かを判定する。そして、モード切換SW60が何ら操作されないまま所定時間が経過すると、割込ルーチンを終了する。
【0035】
上述した割込ルーチンは、少なくとも1本のタイヤ15,25,35,45を交換する際に、その交換すべきタイヤ取付け位置に、登録対象位置を更新して、その交換タイヤのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録を可能とするものである。
【0036】
なお、ステップS40、S41の処理において、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40のタイヤ取付け位置を変更するスイッチとして、モード切換SW60を利用した。しかしながら、IDコードの登録対象となるタイヤ取付け位置の変更に、他のスイッチを使用しても良いことは言うまでもない。また、モード切換SW60の操作が所定時間継続して行なわれない場合に割込ルーチンを終了させたが、他のスイッチ操作に基づいて割込みルーチンを終了させても良い。
【0037】
ステップS31において、上述した割込ルーチンが実行され、IDコードの登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤの取付け位置が更新されていると、その更新後のタイヤ取付け位置が内部メモリに記憶され、かつ、その変更後のタイヤ取付け位置に対応した表示部71が点滅することになる。一方、登録対象とするセンサユニット10,20,30,40のタイヤ取付け位置が変更されていない場合には、上述した所定の順序に従って、最初に登録対象となるセンサユニット10,20,30,40のタイヤ取付け位置に対応する表示部71が点滅される。
【0038】
なお、ステップS31は、表示器70に登録対象位置を表示しつつ、後述するステップS32,S33の処理を待機するものであるが、その待機を開始した時点からの経過時間が所定時間よりも長くなった場合には、ステップS32,S33の処理を行なうことなく、ステップS34に処理を進める。
【0039】
ステップS31に続いて実行されるステップS32では、登録対象となっているタイヤ位置におけるセンサユニット10,20,30,40に対して所定の動作を行なうことにより、そのセンサユニット10,20,30,40からIDコードを含む信号を送信させる。つまり、所定の動作として、センサユニット10,20,30,40が検出するタイヤ15,25,35,45の圧力を急激に変化(急増、急減)させたり、センサユニット10,20,30,40に対して、無線による所定のトリガ信号を与えることで、センサユニット10,20,30,40からIDコードを含む送信信号を送信させる。
【0040】
なお、タイヤ圧力モニターECU50に登録すべきIDコードを与えるためには、上述したような各センサユニットからIDコードを含む送信信号を送信させる以外にも、種々の手段を採りえる。例えば、バーコードリーダー(図示せず)とタイヤ圧力モニターECU50とを有線または無線にて接続し、登録すべきIDコードに相当するバーコードをバーコードリーダーによって読み込み、その読込信号をタイヤ圧力モニターECU50に与えても良い。
【0041】
圧力モニターECU50の動作モードが登録モードに切り換えらた状態で、上述したように、センサユニット10,20,30,40等からIDコードを与えられると、タイヤ圧力モニターECU50は、そのセンサユニット10,20,30,40を備えたタイヤ取付け位置と関連付けて、その受信したIDコードを内部のメモリ等に格納して、当該IDコードの登録を行なう。このように、タイヤ圧力モニターECU50が、センサユニット10,20,30,40に付与されたIDコードを、そのセンサユニット10,20,30,40が設けられたタイヤ15,25,35,45の取付け位置に関連付けて記憶することにより、タイヤ圧力の異常が生じた場合に、どのタイヤ15,25,35,45に異常が生じたかを即座に特定することができる。
【0042】
ステップS33では、表示器70において、IDコードの登録が完了したセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤの取付け位置に対応した表示部71を、例えば所定時間点灯することによって、そのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録完了を報知する。
【0043】
ステップS34では、上述した所定の順序に従って、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40のタイヤ取付け位置を1つ更新する。このように、登録が完了する毎に、登録対象となるセンサユニット10,20,30,40を有するタイヤ取付け位置が自動的に更新されるので、IDコードの登録作業の作業効率を向上することができる。
【0044】
ステップS35では、全てのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録が完了したか否かを判定する。そして、全てのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録が完了していない場合には、ステップS31からステップS34までの処理を繰り返す。このようにして、全てのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録が全て完了すると、ステップS36に処理が進む。なお、例えば1輪のタイヤを交換した場合等は、そのタイヤのセンサユニットのIDコードを登録した時点で、残りのセンサユニットのIDコードは登録済みであるため、全てのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録が完了したと判断され、それ以上の登録作業は不要である。
【0045】
なお、全てのタイヤではないが、2本以上のタイヤを交換等して、同時に複数のセンサユニットのIDコードの登録を行なう場合には、登録作業を行なうべきタイヤ取付け位置に関連づけて記憶されているIDコードを消去するステップを設け、その後、図4のステップS31以降の処理を実施すれば良い。これにより、消去されたIDコードが新たに登録されるまで、ステップS31からステップS34の処理が繰り返されるので、複数のIDコードを登録することができる。
【0046】
また、ステップS35にて、登録モードが開始されてからの経過時間を所定時間(例えば10分間)と比較する処理を追加しても良い。これにより、タイヤ圧力モニターECU50が登録モードに切り換えられながら、何らかの理由で、登録作業が中断されたままとなる状態を回避することができる。なお、経過時間が所定時間よりも長くなったと判定した場合には、以後のステップS36に示す処理を実行することなく、図4に示す登録ルーチンを終了する。
【0047】
ステップS36では、表示器71に全てのセンサユニット10,20,30,40のIDコードの登録が完了した旨を表示する。例えば、表示器70において、タイヤの取付け位置に対応した全ての表示部71を、例えば所定時間点灯することによって、全センサユニット10,20,30,40のIDコードの登録の完了を報知する。これにより、車両に取り付けられた全てのタイヤ15,25,35,45のセンサユニット10,20,30,40に関して、それらのIDコードの登録が全て完了したことを容易に確認できる。
【0048】
なお、登録対象とするセンサユニット10,20,30,40を備えるタイヤとして、スペアタイヤを含んでも含まなくても良い。
【0049】
また、表示器70における表示部71は、単に点滅や点灯を行なうものではなく、各種の状態に応じて表示色が変わるものであっても良い。例えば、タイヤ空気圧の異常時には赤色、IDコードの登録対象となっている場合には黄色、登録が完了した場合には緑色等で表示しても良い。
【0050】
さらに、表示器70として各タイヤ15,25,35,45の測定した圧力を直接表示可能なディスプレイを用いても良い。この場合、IDコードの登録時には、例えば、図6に示すように、各タイヤ15,25,35,45の取付け位置を一覧表示させ、センサユニットのIDコードの登録状態を表示するようにしても良い。この場合、登録対象位置となるタイヤ取付け位置を示す記号が点滅表示されたり、強調表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態によるタイヤ圧力監視システムの概略の構成を示す構成図である。
【図2】タイヤ圧力監視システムの機能ブロック図である。
【図3】タイヤ圧力モニターECU50が実行する制御内容を示すフローチャートである。
【図4】センサユニット10,20,30,40に付与されたIDコードの登録ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】登録対象となるセンサユニット10,20,30,40が装着されたタイヤの取付け位置を更新するための割込ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】表示器70における他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 タイヤ圧力監視システム
10,20,30,40 センサユニット
11,21 圧力センサ
12,22 送信機
13,23,33,43 受信アンテナ
15,25,35,45 タイヤ
50 圧力モニターECU
52,53 受信機
60 モード切換スイッチ
70 表示器
Claims (8)
- 車両の各タイヤに設けられて、それぞれのタイヤ圧力を測定するとともに、その圧力測定値と固有のIDコードを含む送信信号を送信する複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットからの送信信号を受信し、その送信信号に含まれるIDコード及び圧力測定値に基づいて、各タイヤ圧力の状態を監視する監視ユニットとを備えたタイヤ圧力監視システムにおいて、
前記監視ユニットの動作モードを、各タイヤ圧力の状態を監視する監視モードと、前記各タイヤに設けられたセンサユニットに付与された固有のIDコードを登録する登録モードとのいずれかに切り換える切換手段と、
前記監視ユニットの動作モードが前記登録モードに切り換えられたときに、IDコードの登録対象となるセンサユニットのタイヤの取付け位置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された、IDコードを登録すべきセンサユニットのタイヤ取付け位置を表示する表示手段とを備え、
前記監視ユニットは、前記登録モードにおいて、車両に取り付けられる各タイヤのセンサユニットに対し、その取付け位置に応じて、前記IDコードの登録順序を予め定めており、前記選択手段は、その登録順序に従って、登録対象となるセンサユニットのタイヤ取付け位置を変更することにより、任意のタイヤ取付け位置を選択するとともに、前記センサユニットのIDコードが与えられたとき、そのIDコードを前記選択手段によって選択されたタイヤ取付け位置に関連付けて登録することを特徴とするタイヤ圧力監視システム。 - 前記監視ユニットは、前記IDコードの登録が完了する毎に、前記登録順序に従って、登録対象となるセンサユニットを有するタイヤの取付け位置を更新することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ圧力監視システム。
- 前記監視ユニットは、前記IDコードを登録すべき対象となるセンサユニットを備えたタイヤの本数分のIDコードの登録を完了した場合、前記登録モードを前記監視モードに切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ圧力監視システム。
- 前記監視ユニットに接続されたバーコードリーダーにより、登録すべきIDコードに相当するバーコードを読み込むことによって、前記監視ユニットに前記センサユニットのIDコードが与えられることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ圧力監視システム。
- 車両の各タイヤに設けられて、それぞれのタイヤ圧力を測定するとともに、その圧力測定値と固有のIDコードを含む送信信号を送信する複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットからの送信信号を受信し、その送信信号に含まれるIDコード及び圧力測定値に基づいて、各タイヤ圧力の状態を監視する監視ユニットとを備えたタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法であって、
前記監視ユニットの動作モードを、各タイヤ圧力の状態を監視する監視モードから、各タイヤに設けられたセンサユニットに付与された固有のIDコードを登録する登録モードに切り換える工程と、
前記監視ユニットの動作モードが前記登録モードに切り換えられたときに、IDコードの登録対象となるセンサユニットのタイヤの取付け位置を選択する工程と、
選択されたIDコードを登録すべきセンサユニットのタイヤ取付け位置を表示する工程と、
前記センサユニットのIDコードを前記監視ユニットに与えることにより、前記選択されたタイヤ取付け位置に関連付けて、前記センサユニットのIDコードを登録する工程とを備え、
前記選択工程において、車両に取り付けられる各タイヤのセンサユニットに対し、その取付け位置に応じて、前記IDコードの登録順序が予め定められており、その登録順序に 従って、登録対象となるセンサユニットのタイヤ取付け位置を変更することによって任意のタイヤ取付け位置を選択することを特徴とするタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法。 - 前記IDコードの登録工程において、前記IDコードの登録が完了する毎に、その登録順序に従って、登録対象となるセンサユニットを有するタイヤの取付け位置が更新されることを特徴とする請求項5に記載のタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法。
- 前記IDコードの登録工程において、前記IDコードを登録すべき対象となるセンサユニットを備えたタイヤの本数分のIDコードの登録を完了した場合、前記登録モードを前記監視モードに切り換えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法。
- 前記IDコードの登録工程において、前記監視ユニットに接続されたバーコードリーダーにより、登録すべきIDコードに相当するバーコードを読み込むことによって、前記監視ユニットに前記センサユニットのIDコードが与えられることを特徴とする請求項5に記載のタイヤ圧力監視システムにおけるIDコードの登録方法。
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