JP3972626B2 - 車両用排気消音装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載エンジンの排気系から発する騒音を低減するための車両用排気消音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用排気消音装置としては従来、例えば国際公開第WO95/13460号公報に記載されたごとく、排気消音装置の排気管の開口部にこれを開閉するよう、該開口部に対し接近する方向および遠ざかる方向へ回動可能な弁体を回動軸に支持して設け、この弁体を排気管の上記開口部に接近する方向に回動付勢してこの開口部を閉塞したものが知られている。
【0003】
この排気消音装置は、エンジンの排気圧に応じて上記の弁体を回動させることで排気管の開口部を開閉することにより、排気消音装置内に設けた複数の排気流路を切り換えるようになし、もって排気流量が少ない低エンジン回転時の排気騒音低減、および排気流量が多い高エンジン回転時の排気騒音低減ならびに排気損失低減の両立を狙ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排気消音装置にあっては、弁体を支持する回動軸が排気管の開口部よりも排気流方向下流側に設置されているため、排気流量が比較的少ない低エンジン回転数のもとでは弁体が開きかけた状態となり、弁体と開口部との間にできる隙間は狭くなる。それゆえ、かかる従来の排気消音装置では、エンジン回転数の上昇で排気流量が増大しても弁体がなかなか開かなかったり、開いても開度が十分でないこととなり、高エンジン回転数のもとで高速排気により排気損失が大きくなったり排気流騒音が大きくなるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、上記問題点を有利に解決した車両用排気消音装置を提供することを目的とするものであり、請求項1に記載の発明の車両用排気消音装置は、車両に用いられる排気消音装置の排気管の開口部に弁体を、該開口部に対し接近する方向および遠ざかる方向へ所定回動軸線周りに回動可能に支持して設け、該弁体を前記排気管の開口部に接近する方向に回動付勢して該開口部を閉塞するようにした車両用排気消音装置において、前記排気管の開口部に、排気管の内径より大きい拡径部を設けると共に、前記弁体に、該拡径部の形状に対応したシート面を設け、前記回動軸線を前記排気管の軸線に直交する仮想平面に対して所定角度で傾斜するように配置したことを特徴とするものである。
【0006】
この発明にあっては、エンジン回転数が上昇して排気流量が増えると、その流速により排気管の開口部に支持された弁体が回動付勢力に抗して開回動される処、弁体の回動軸線を排気管の軸線に直交する仮想平面に対して所定角度で傾斜するように配置したから、弁体がその開回動に伴い、排気管の軸線と直交する方向へ変位する。それゆえ、本発明と従来技術とを弁体の同一回動角度で比較した場合、本発明の方が、拡径部と弁体のシート面との間の隙間が部分的に広くなる。このため、エンジン回転数の上昇により排気流量が増大した時に、弁体が開回動を始めると直ちに、拡径部と弁体のシート面の間の隙間の広い部分で、排気流速が低下して弁体に閉弁力を与える流体力(負圧)がなくなり弁体が開き易くなることから、これにより弁体を一気に開くことができる。
【0007】
従って、この発明の車両用排気消音装置によれば、排気流量の少ない低エンジン回転中は強い閉弁力で弁体を閉じておくが、エンジン回転数の上昇(排気流量の増大)に伴い弁体がわずかに開いた状態から、弁体が一気に開いて充分な弁体開度を確保できるようになり、低エンジン回転時の静粛性を図るために弁体の閉弁方向回動付勢力を大きく設定しておいても、高エンジン回転時の排気損失や排気流騒音の改善が可能であり、低エンジン回転時の静粛性と高エンジン回転時の排気損失や排気流騒音の改善とを両立させることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明の車両用排気消音装置は、前記弁体の回動軸線を閉状態の弁体の位置よりも排気流方向上流側に配置したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の車両用排気消音装置にあっては、弁体の回動軸線を閉状態の弁体の位置よりも排気流方向上流側に配置したため、請求項1に記載の発明の作用及び効果に加えて、弁体がその開回動に伴い、シート面を、弁体の排気管の軸線に接近する方向へ変位させつつ回動することとなる。
【0010】
従って、この発明の車両用排気消音装置によれば、弁体の開回動時における拡径部と弁体のシート面との間の隙間の拡大変化割合が大きくなり、弁体がより開き易くなることから、高エンジン回転時の排気損失や排気流騒音を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の車両用排気消音装置の第1実施例の要部を示す断面図、図2は、図1に示す車両用排気消音装置の要部のa−a線に沿う断面図、図3〜図5は、この実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【0012】
図1に示すこの実施例の車両用排気消音装置では、排気消音装置の図示しない筐体内における排気管1の開口部に弁座2を設け、この弁座2に、排気管1の内径より大きいテーパ形状の拡径部3を設定する。弁座2には更にその先端に設けられた支持部s1で回動軸4に回動自在に支持され、その弁座2を拡径部3において開閉するよう、弁体5に設けられた支持部s2で回動軸4に回動自在に支持して対設する。これにより、弁体5が、拡径部3に対し接近する方向および遠ざかる方向へ所定回動軸線c1周りに回動自在に弁座2に支持される。
【0013】
ここでの弁体5は、拡径部3の形状に対応して形成されたテーパ状のシート面6を有し、シート面6が拡径部3に接してその拡径部3を閉塞可能なものとしている。また、ここでの回動軸4は、排気管1の側端部(即ち、閉じた状態の弁体5の位置)よりも排気流A方向下流側であって排気管1の外部に位置するとともに、上記回動軸線c1を排気管1の中心軸線c2に直交する仮想平面PLに対して所定角度αで傾斜するように配置する。これにより、回動軸4は、排気管1の開口端縁を含みその排気管1の中心軸線c2に直交する仮想平面PLに対して傾斜することとなる。なお、図1中PL’は仮想平面PLに平行な面を示している。
【0014】
そして、かかる弁体5を図示しない周知のリターンスプリングにより弁座2の拡径部3に接近する方向に回動付勢し、これにより通常は拡径部3を図1及び図2に示すように弁体5で閉塞しておくものとする。
【0015】
上記のリターンスプリング力による弁体5の閉弁方向回動付勢力は、排気ガス流量の少ない所定の低エンジン回転域では排気流Aからの動圧によっても弁体5が開回動されることのない力を持つものとし、排気流量が多くなるそれ以外の比較的高いエンジン回転域では排気流Aからの動圧によって弁体5がリターンスプリング力に抗し開回動されるものとする。これにより、弁体5には、図1及び図2に示す排気ガスの流れ(圧力)に抗するようにリターンスプリングによる閉弁力が作用する。なお弁体5のリターンスプリング力は、当該静粛性のために弁体5を閉じておく必要がある低エンジン回転域で弁体5が確実に閉位置を保つようなバネ力に決定する。
【0016】
次に、この実施例の車両用排気消音装置における弁体5の作動を図3〜図5に基づいて説明する。排気ガス流量が少ない低エンジン回転数のもとでは、排気流の動圧が弁体5をリターンスプリングによる閉弁力に抗して開くことができない。それゆえ、弁体5はリターンスプリングより図3の閉弁位置(閉塞状態)を保ち、低エンジン回転域で要求される静粛性を所定通りに確保することができる。なお、図3〜図5に示す座標軸では、排気管1の軸線方向にZ軸をとり、排気管1の軸線に直角する方向にX軸をとっている。
【0017】
そして、エンジン回転数の上昇で排気ガス流量が増大すると、図4に示すように、排気流Aの動圧が弁体5がリターンスプリング(図示せず)による閉弁力に抗して開き始める。その際、前述のように、回動軸4が排気管1の開口端縁を含む仮想平面PLに対して斜め(図4ではX軸に対して斜め左下がり)に配置されているため、弁体5はZ軸方向に開くとともにX軸方向(図4では左方向)に変位することとなる。
【0018】
それゆえ、弁体5の開き始めの状態では、図4に示すように、弁体5の開回動に伴い、拡径部3とシート面6との間の隙間は、図4中左側の隙間7が狭くなる一方、図4中右側の隙間8が広くなる。このため、隙間7を流れる排気ガスの流量は少ないので、隙間7に発生する流体力(負圧)も小さくなる。一方、隙間8を流れる排気ガスの流量は多く流速Vも大きくなることから、隙間8に発生する流体力(負圧)Bは大きくなって弁体5を閉じようとする方向に作用する。
【0019】
更に排気ガスの流量が増大すると、弁体5は図5に示すような状態になる。ここに示すように、排気ガスの流量が増大してZ方向への弁体5の移動量が多くなると、従来例の車両用消音装置における弁体と同一回動角度で比較した場合、隙間8が大きくなることから、拡径部3と弁体5のシート面6との間の隙間が部分的に広くなる。これにより、エンジン回転数の上昇により排気流量が増大した時に、弁体5が開回動を始めると直ちに、拡径部3と弁体5のシート面6の間の隙間の広い部分(隙間8)での排気ガスの流れが、図4に矢印Cで示すようにシート面6に沿った流れから、図5に矢印Cで示すように、シート面6から離れる流れに変化し、シート面6の周辺に排気のよどみDが発生する。このようにして、隙間8では、シート面6の周辺を流れる排気の流速が低下して弁体5に閉弁力を与える流体力(負圧)Bが急激に小さくなり、この負圧による弁体5への閉弁力が急速になくなる結果、弁体5が開き易くなるので、排気流からの動圧で弁体5は一気に大きく開かれることとなる。
【0020】
即ち、この実施例における弁体5と従来技術における弁体とが、同一の所定回動角度の状態にある場合、従来における弁体では小さい開度のままでその弁体を全開にすることは困難であるが、この実施例の車両用排気消音装置における弁体5によれば、開回動に伴い拡径部3とシート面6との間の隙間を部分的に大きくできるから、その部分で弁体に閉弁力を与える流体(負圧)がなくなり弁体5が開き易くなって、弁体5を一気に全開の状態にすることができる。
【0021】
以上によりこの実施例においては、排気流量の少ない低エンジン回転中は強い閉弁力で弁体5を閉じておくが、エンジン回転数の上昇(排気流量の増大)に伴い弁体5がわずかに開いた状態から、弁体5が一気に開いて充分な弁体開度を確保することができるようになり、低エンジン回転時の静粛性を図るために弁体の閉弁方向回動付勢力を大きく設定しておいても、高エンジン回転数のもとでの高速排気により排気損失が大きくなったり排気流騒音が大きくなったりする問題を回避し得て、高エンジン回転時の排気損失や排気流騒音の改善と低エンジン回転時の静粛性とを両立させることができる。
【0022】
そして、図6は、この実施例の車両用排気消音装置を自動車用デュアルテールタイプのマフラに適用した場合の適用例を一部断面にて示す正面図である。ここでは、排気消音装置の筐体であるメインマフラ20内が二枚の端板21,22で仕切られて、第1室23、第2室24及び第3室25を画成されている。そのメインマフラ20には、インレットチューブ26、第1のテールチューブ27、第2のテールチューブ28及びパスチューブ29が配設されている。なお、メインマフラ20は左側が自動車の車体内側に、右側が大気側に向くように示しており、また、図6中に仮想線で示す矢印は、排気流の流れを示している。
【0023】
ここでのインレットチューブ26は、その軸線方向中間部に一体で設けられた多孔管26aを介して左側部26bと右側部26cとを形成されており、多孔管26aが第2室24内に位置するように、車体内側に向く壁部20a、端板21及び端板22に挿通されて、これにより、インレットチューブ26の左側部26bは多孔管26aで第2室24に連通している。
【0024】
そして、第1のテールチューブ27は、端板22とメインマフラ20の大気側に向く壁部20bとに挿通されて、第2室24が第1のテールチューブ27を介して大気に開放される。また、第2のテールチューブ28は、端板21と端板22とメインマフラ20の壁部20bとに挿通されて、第1室23が第2のテールチューブ28を介して大気に開放される。
【0025】
また、パスチューブ29は、その第1室23側の端部に、この実施例の要部として上記図1〜図5に示したように、弁座2と拡径部3と回動軸4を介して弁座2に支持されたシート面6を有する弁体5とを具えたバルブ30が溶接等により固設されている。そして、パスチューブ29内の圧力が一定値に達するまで、図示しないリターンスプリングによりバルブ30の弁体5は閉塞されている。なお、ここでは、低周波の排気騒音を充分に低減させるためにリターンスプリングの閉弁力を大きくしている。
【0026】
かかる構成の自動車用デュアルテールタイプのマフラにあっては、上述のようにバルブ30の弁体5の閉弁力を強くしているから、例えば、エンジン回転数が2000〜3000rpmの低エンジン回転時においては、排気ガス流量が少ないので、バルブ30の弁体5は開かず、また排気ガスの漏れ等も発生しない。しかも、インレットチューブ26から第2室24を経由して第1のテールチューブ27に至る経路から形成される消音要素と、インレットチューブ26と第3室25との経路から形成される共鳴要素とにより、低周波の排気騒音が充分に消音される。
【0027】
そして、例えば、エンジン回転数が4000rpm程度の中エンジン回転時においては、バルブ30の弁体5が開き始めて、第2のテールチューブ28から大気への排気ガスの流れが追加されるので、気流騒音が低減されるようになる。さらに、例えば、エンジン回転数が6000rpm以上の高エンジン回転時においては、バルブ30の弁体5が一定の開度に達すると、前述の図5に示すように弁体5に作用していた流体力(負圧)Bが、弁体5のシート面6と拡径部3との間の隙間の一部で急激に減少して弁体5が一気に開き、排気ガスが第2のテールチューブ28から大気へさらに多く流れるようになり、その結果、排気損失を大幅に低減することができる。
【0028】
また、図7は、この実施例の車両用排気消音装置を自動車用シングルテールタイプのマフラに適用した場合の適用例を一部断面にて示す正面図である。ここでは、図6に示す自動車用デュアルテールタイプのマフラの構成と同様に、排気消音装置の筐体としてのメインマフラ20内が二枚の端板21,22で仕切られて、第1室23、第2室24及び第3室25を画成されている。そして、ここでのメインマフラ20には、インレットチューブ26、パスチューブ29及びテールチューブ31が配設されている。なお、図6と同様、ここでのメインマフラ20も左側が自動車の車体内側に、右側が大気側に向くように示しており、また、図7中に仮想線で示す矢印は、排気流の流れを示している。
【0029】
ここでのインレットチューブ26及びパスチューブ29は図6に示すデュアルテールタイプのマフラと同様に構成されている。また、ここでのテールチューブ31はその軸線方向中間部に一体で設けられた多孔管31aを介して左側部31bと右側部31cとを形成されており、多孔管31aが第2室24内に位置するように、端板21と端板22とメインマフラ20の壁部20bとに挿通されて、これにより、テールチューブ31の左側部31bは多孔管31aで第2室24に連通するとともに、第1室23がテールチューブ31を介して大気に開放される。
【0030】
なお、ここでのパスチューブ29も、その第1室23側の端部に、この実施例の要部として上記図1〜図5に示したように、弁座2と拡径部3と回動軸4を介して弁座2に支持されたシート面6を有する弁体5とを具えたバルブ30が溶接等により固設されており、パスチューブ29の内圧力が一定値に達するまで図示しないリターンスプリングによりバルブ30の弁体5は閉塞されている。なお、ここでも自動車用デュアルテールタイプのマフラの適用例と同様に、低周波の排気騒音を充分に低減するためにそのリターンスプリングの閉弁力を大きくしている。
【0031】
かかる構成の自動車用シングルテールタイプのマフラにあっては、上述のようにバルブ30の弁体5の閉弁力を強くしているから、低エンジン回転時においては、排気ガス流量が少ないので、バルブ30の弁体5は開かず、また排気ガスの漏れ等も発生しない。しかも、インレットチューブ26から第2室24を経由してテールチューブ31に至る経路から形成される消音要素と、インレットチューブ26と第3室25との経路から形成される共鳴要素とにより、低周波の排気騒音が充分に消音される。
【0032】
そして、高エンジン回転時においては、バルブ30の弁体5が一定の開度に達すると、前述の図5に示すように弁体5に作用していた流体力(負圧)Bが弁体5の一部で急激に減少して、その弁体5が一気に開き、排気ガスが第3室25からパスチューブ29を経由してテールチューブ31から大気へさらに多く流れるようになり、その結果、先に述べたデュアルテールタイプのマフラの適用例と同様に、排気損失を大幅に低減することができる。
【0033】
図8は、本発明の車両用排気消音装置の第2実施例の要部を示す断面図、図9は、図8に示す車両用排気消音装置の要部のb−b線に沿う断面図であり、図10〜図13は、この実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図、図14は、図11に示すこの実施例の作用及び効果と上記第1実施例の作用及び効果とを比較するための説明図である。なお、図8〜図14中、上記第1実施例の構成と同様の構成を有するものには同一の符号を付している。
【0034】
先の第1実施例では、図1〜図5に示すように、回動軸4が、排気管1の側端部(即ち、閉じた状態の弁体5の位置)よりも排気流A方向下流側に位置して設けられていたが、第2実施例では、図8及び図9に示すように、回動軸4が、排気管1の側端部(即ち、閉じた状態の弁体5の位置)よりも排気流A方向上流側であって排気管1の外部に位置するとともに、回動軸線c1を排気管1の中心軸線c2に直交する仮想平面PLに対して所定角度αで傾斜するように配置する。これにより、回動軸4は、排気管1の開口端縁を含みその排気管1の中心軸線c2に直交する仮想平面PLに対して傾斜することとなる。なお、図8中PL’は仮想平面PLに平行な面を示し、また、この実施例では、弁座2の先端の支持部s1及び弁座5の支持部s2を下方に向くように構成して回動軸4を回動自在に支持しているが、それ以外の構成は上記第1実施例と同様である。
【0035】
次に、この実施例の車両用排気消音装置における弁体5の作動を図8〜図13に基づいて説明する。排気ガス流量が少ない低エンジン回転数のもとでは、上記第1実施例と同様に、排気流Aの動圧が弁体5をリターンスプリングによる閉弁力に抗して開くことができない。それゆえ、弁体5は図示しないリターンスプリングにより図8の閉弁位置(閉塞状態)を保ち、低エンジン回転域で要求される静粛性を所定通りに確保することができる。なお、図8及び図10に示す座標軸では、排気管1の軸線方向にZ軸をとり、排気管1の軸線に直角する方向にX軸をとっている。
【0036】
そして、エンジン回転数の上昇で排気ガス流量が増大して、図12に示すように、排気流Aの動圧が弁体5がリターンスプリング(図示せず)による閉弁力に抗して開き始める。その際、図8に示すように、回動軸4が排気管1の開口端縁を含む仮想平面PLに対して斜め(図8ではX軸に対して斜め左下がり)に配置されているため、弁体5はZ軸方向に開くとともにX軸方向(図8では左方向)に変位することとなり、図10及び図13に示すように、拡径部3とシート面6との間の隙間が隙間9で部分的に広くなる。このため、第1実施例の作用及び効果と同様に、隙間9側のシート面6の周辺に排気のよどみDが発生し、シート面6に作用していた流体力(負圧)Bが急激に小さくなり、この負圧による弁体5への閉弁力が急速になくなる結果、排気流からの動圧で弁体5は一気に大きく開かれることとなる。
【0037】
即ち、この実施例の車両用排気消音装置にあっては、上記第1実施例の車両用排気消音装置と同様に、図12に示すように、弁体5が開き始めの時は隙間9は狭くて排気ガスの流速Vが大きいため弁体5には流体力(負圧)Bが作用して弁体5を閉じようとする向きに力が働く。そして、エンジンの高回転に伴い排気ガス流量が増大して弁体5がある一定の開度に達すると、図13に示すように、拡径部3とシート面6との間の隙間は隙間9でより大きく広がるので、その隙間9での排気ガスの流れが、図12にCで示すごとく排気の流れがシート面6に沿った流れから、シート面6から離れる流れに変化する。これにより、隙間9側のシート面6の周辺に排気のよどみDが発生し、シート面6の周辺を流れる排気の流速が遅くなるため、シート面6に作用していた流体力(負圧)Bが急激に小さくなり、この負圧による弁体5への閉弁力が急速になくなる結果、排気流からの動圧で弁体5は一気に大きく開かれることとなる。
【0038】
ところで、上記第1実施例では、図14に示すように、回動軸4を排気管1の側端部よりも排気ガス下流側に設けたため、シート面6は弁体5の回動に伴い、シート面6の下縁は、図14に軌跡γで示すように、排気管1の中心軸線c2から離間する方向へ変位するような軌跡を描く。この一方、第2実施例では、回動軸4を排気管1の側端部よりも排気ガス上流側に設ているため、シート面6は弁体5の回動に伴い、シート面6の下縁は、図11に軌跡βで示すように、排気管1の中心軸線c2に接近する方向へ変位するような軌跡を描く。
【0039】
このことから、図11に示す本実施例における弁体5と図14に示す第1実施例の弁体5とを同一回動角度で比較した場合、この実施例におけるシート面6の下縁は排気管1の中心軸線c2に接近する方向へ変位する分、図11及び図14に矢印Eで示すように、隙間9を、第1実施例における隙間8よりもさらに大きくすることができるので、弁体5を閉じようとする流体力(負圧)の作用を軽減させ得て、弁体5をより開き易くすることができる。
【0040】
従って、この実施例の車両用排気消音装置によれば、弁体5の回動軸4を閉状態の弁体5の位置よりも排気流方向上流側に配置したため、上記第1実施例の車両用排気消音装置における作用及び効果に加えて、弁体5がその開回動に伴いシート面6を、弁体5の回動軸4に接近する排気管1の中心軸線c2に接近する方向へ変位させつつ回動することとなるので、弁体5の開回動時における拡径部3と弁体5のシート面6との間の隙間8の拡大変化割合が大きくなり、弁体5がより開き易くなるので、高エンジン回転時の排気損失や排気流騒音を低減することができる。しかも、この実施例の車両用排気消音装置よりもさらに、弁体5の開回動時における弁体5に作用する流体力を(負圧)をさらに小さくできるという効果があり、低開度にて弁体5が一気に開くような特性を有するものとなる。
【0041】
なお、この実施例の車両用排気消音装置についても、上記第1実施例の適用例として示したデュアルテールタイプのマフラやシングルテールタイプのマフラに適用することができる。
【0042】
以上、この発明の車両用排気消音装置を実施例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではなく、例えば、上記実施例では、拡径部3をテーパ面で構成するとともに、シート面6をこの拡径部3に対応したテーパ形状に構成しているが、拡径部3及びシート面6の形状はこれに限られず、例えば、拡径部3をラッパ状の凸曲面で構成するとともに、シート面6をこの拡径部3に対応した凹曲面形状に構成しても良い。
【0043】
また、上記第1実施例及び第2実施例では、図1及び図8に示すように左右方向に位置する支持部s1,s2に一本の回動軸を介挿して弁体5を弁座2に支持しているため、回動軸4の軸線が回動軸線c1とされているが、かかる構成に限られず、例えば、図1又は図8中左右の支持部s1,s2を別々の部材で支持しても良く、また、軸部材を用いずに、例えば、支持部s1,s2に設けた凹凸の嵌合により、支持部s1に支持部s2を枢支しても良い。
【0044】
また、上記第1実施例及び第2実施例では、排気管1はその開口部を含む平面が排気管1の軸線に直角になるようにされているが、本発明の車両用排気消音装置は、排気管1の開口部がスラッシュカットされて形成されたもの、即ち、開口部を含む平面が排気管1の軸線に対して傾いているものにも適用することができ、その場合には、その傾斜線と回動軸線とを平行にならないように構成すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の車両用排気消音装置の第1実施例の要部を示す断面図である。
【図2】 図1に示す車両用排気消音装置の要部のa−a線に沿う断面図である。
【図3】 第1実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図4】 第1実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図5】 第1実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図6】 第1実施例の車両用排気消音装置を自動車用デュアルテールタイプのマフラに適用した場合の適用例を一部断面にて示す正面図である。
【図7】 この実施例の車両用排気消音装置を自動車用シングルテールタイプのマフラに適用した場合の適用例を一部断面にて示す正面図である。
【図8】 この発明の車両用排気消音装置の第2実施例の要部を示す断面図である。
【図9】 図8に示す車両用排気消音装置の要部のb−b線に沿う断面図である。
【図10】 第2実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図11】 第2実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図12】 第2実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図13】 第2実施例の車両用排気消音装置の作用及び効果を排気管の開口部付近に支持された弁体の作動状態にて示す説明図である。
【図14】 図11に示す第2実施例の作用及び効果と第1実施例の作用及び効果とを比較するための説明図である。
【符号の説明】
1 排気管
2 弁座
3 拡径部
4 回動軸
5 弁体
6 シート面
7,8,9 隙間
20 メインマフラ
20a,20b 壁部
21,22 端板
23 第1室
24 第2室
25 第3室
26 インレットチューブ
26a,31a 多孔管
26b,31b 左側部
26c,31c 右側部
27 第1のテールチューブ
28 第2のテールチューブ
29 パスチューブ
30 バルブ
31 テールチューブ
A 排気流
B 流体力(負圧)
C,E 矢印
D よどみ
V 流速
PL,PL’ 平面
c1 回動軸線
c2 排気管の中心軸線
s1,s2 支持部
α 所定角度
β,γ 軌跡

Claims (2)

  1. 車両に用いられる排気消音装置の排気管の開口部に弁体を、該開口部に対し接近する方向および遠ざかる方向へ所定回動軸線周りに回動可能に支持して設け、該弁体を前記排気管の開口部に接近する方向に回動付勢して該開口部を閉塞するようにした車両用排気消音装置において、
    前記排気管の開口部に、排気管の内径より大きい拡径部を設けると共に、前記弁体に、該拡径部の形状に対応したシート面を設け、前記回動軸線を前記排気管の軸線に直交する仮想平面に対して所定角度で傾斜するように配置したことを特徴とする車両用排気消音装置。
  2. 前記弁体の回動軸線を閉状態の弁体の位置よりも排気流方向上流側に配置したことを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気消音装置。
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