JP3972015B2 - 薬液装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の成分からなるエッチング液などの薬液の濃度を管理する技術に関し、特に成分毎の濃度を管理する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、エッチング液の濃度が一定になるように管理する技術として、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このものでは、エッチング液の下限値と上限値とを予め設定しておき、エッチング液を用いてエッチング処理を行う処理槽と、エッチング液を濾過するフィルタとを結ぶ循環回路の途中で、エッチング液の濃度をセンサにより検出し、その濃度が下限値になったときには電磁バルブを開いて、所定の濃度に調合されてなるエッチング新液を薬液補充槽から処理槽に供給する一方、濃度が上限値になったときには電磁バルブを閉じて薬液補充槽から処理槽へのエッチング新液の上記供給を停止し、これらのことで、処理槽内のエッチング液の濃度を略一定に保つことができるようになされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−278847号公報(第3頁,図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、エッチング対象が複数類の材料からなっていて、各材料に対するエッチング量を異ならせるなど場合には、エッチング液として、複数の成分が混合されてなるものが用いられる。
【0006】
したがって、このような場合には、特定のエッチング対象部位のエッチング量を大きくするための成分の濃度が、他の成分よりも早く低下することになる。
【0007】
また、同じエッチング液を用いていても、エッチング対象が変わると、濃度の低下量も成分毎に異なるようになる。
【0008】
さらに、各成分の濃度の変化の程度は、その成分が蒸発しやすいものであるか否かによっても異なる。
【0009】
しかしながら、上記従来の場合には、成分毎の濃度変化に対応することができず、このために、エッチング液成分の濃度変化に起因するエッチング性能の劣化を招きやすく、よって、安定したエッチング処理を行うことが困難であるという問題がある。
【0010】
尚、上記のエッチング性能の劣化を嫌うならば、下限値と上限値との間の許容範囲を狭く設定すればよいことになるが、そのようにすると、今度は、頻繁にエッチング新液を補充せざるを得なくなり、実質的に、エッチング液の交換サイクルを縮めることになる。
【0011】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、複数の成分からなるエッチング液などの薬液の濃度が一定になるように管理する際に、各成分の濃度変化に対応できるようにすることで、薬液の交換サイクルを短くすることなく、安定した薬液処理が行えるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明では、薬液の濃度を成分毎に検出し、その検出結果に基づき、必要な成分だけ上記薬液に添加するようにした。
【0013】
具体的には、本発明では、複数の成分からなる薬液を用いた薬液処理を行うとともに該薬液の濃度を管理するようにした薬液装置として、上記の薬液を貯留するための薬液部と、上記薬液の複数の成分のうち、上記の薬液処理に伴って濃度の変化する成分を有する原液を個別に貯留するための複数の原液部と、これら複数の原液部の各原液を上記薬液部に添加する添加手段と、上記薬液部の薬液の成分毎の濃度を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて、上記薬液部の薬液の各成分の濃度が該成分以外の成分を有する原液の添加量を勘案してそれぞれ所定値になるような添加量を原液毎に演算し、各原液が該原液の上記添加量の分だけ添加されるように上記添加手段を制御する制御手段とを備えるようにする。
【0014】
そして、上記の薬液が、少なくともリン酸,硝酸および酢酸の各成分からなるものである場合に、上記制御手段は、上記薬液処理に伴って濃度の上昇するリン酸を基準にして、上記硝酸および酢酸の成分のうち、上記リン酸に対して相対的に濃度の低下する成分を有する原液の添加量を演算し、該添加量に基づいて上記添加手段を制御するように構成されているものとする。
【0015】
尚、上記の構成において、制御手段を、リン酸に対して相対的に濃度の低下する成分の該リン酸に対する相対濃度比が該成分の所定濃度のリン酸の所定濃度に対する比率になるように、該成分を有する原液の添加量を演算する構成とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るエッチング装置の全体構成を、ブロック図として示しており、このエッチング装置は、液晶表示パネルに使用する電極基板のエッチング工程において、リン酸と硝酸と酢酸と純水とを混合してなるエッチング液を用いて行うエッチング処理に使用される。
【0018】
本エッチング装置は、図2に示すように、エッチング液を用いてエッチング処理を行うエッチング部10と、このエッチング部10で用いられるエッチング液の濃度管理を行う制御ユニット50とを備えており、エッチング部10は、図1に示したように、エッチング液を循環使用してエッチング処理を行う複数の処理部20(図1には、処理部として第1処理部(第1槽)のみを示し、第2処理部(第2槽)は図示を省略する)からなっている。
【0019】
上記各処理部20は、エッチング液を貯留する薬液槽21と、この薬液槽21のエッチング液を用いて実際のエッチング処理を行う処理槽22とを有する。処理槽22には、該処理槽22内において、エッチング対象物Wを支承する支承部23と、この支承部23上のエッチング対象物Wにエッチング液を散布するための複数のノズル24,24,…とが配置されている。また、薬液槽21と処理槽22との間には、薬液槽21のエッチング液を処理槽22のノズル24,24,…に供給するための供給配管25と、処理槽22から排出されたエッチング液を薬液槽21に戻すための戻し配管26とが設けられており、これらにより、薬液槽21のエッチング液が処理槽22に供給される一方、処理槽22から排出されたエッチング液が薬液槽21に戻されるようになっている。
【0020】
また、上記の供給配管25には、薬液槽21から処理槽22に向かって、薬液槽21のエッチング液を吸引して処理槽22側に送り出すポンプ27と、エッチング液を濾過して異物を除去するフィルタ28と、開閉バルブ29とが介設されている。尚、供給配管25における開閉バルブ29の上流側部位からは、処理槽22を経由しないで直接に薬液槽21にエッチング液を戻すためのバイパス配管30が分岐して設けられている。
【0021】
上記のエッチング処理部10には、所定の濃度に調整されたエッチング液、つまり、上記の各成分(リン酸,硝酸,酢酸,純水)が所定の混合比に混合されてなる未使用のエッチング新液を貯留する新液補充槽40が設けられている。この新液補充槽40と、各処理部20の薬液槽21との間には、それぞれ、補充配管41が設けられている。各補充配管41の途中には開閉バルブ42が介設されており、この開閉バルブ42を開くことで、新液補充槽40のエッチング新液が各薬液槽21に補充される一方、開閉バルブ42を閉じることで薬液槽21に対するエッチング新液の補充が停止するようになっている。また、各薬液槽21には、下限用センサ43と、上限用センサ44と、オーバフロー用センサ45とが設けられている
本実施形態では、上記の制御ユニット50は、エッチング液の各成分を一定割合の純水が混合されてなる原液の状態で貯留する複数の原液槽と、純水を供給する純水供給部54とを備えている。尚、図示する例では、上記複数の原液槽とは、成分がリン酸である原液を貯留する原液槽51と、成分が硝酸である原液を貯留する原液槽52と、成分が酢酸である原液を貯留する原液槽53との3つであるが、以下の説明では、純水供給部54の純水も原液の1つとし、その純水供給部54も原液槽の1つとして扱っている。
【0022】
上記原液槽51〜53および純水供給部54と薬液槽21との各間には、それぞれ、各原液(便宜的に、純水も原液という)を薬液槽21に添加するための添加配管55が設けられている。各添加配管55の途中には、薬液槽21に向かって、添加配管55を流れる原液の流量が調整されるようにその流路面積を絞るオリフィス56と、流量を計測してその積算値を出力する流量計57と、開閉バルブ58とが順に介設されている。一方、原液槽51〜53は気密状に設けられており、各原液槽51〜53には、該原液槽51〜53の内圧が高くなるように原液槽51〜53に不活性ガス(ここでは、N2 ガス)を供給するためのガス配管59が接続されている。各ガス配管59の途中には、開閉バルブ60が介設されている。このことで、対応する添加配管55の開閉バルブ58が開いたときに、原液槽51〜53の原液が各々の添加配管55を経由して薬液槽21側に圧送されるようになっている。また、純水供給部54についても、開閉バルブ58が開くことで、該純水供給部54の純水が添加配管55を経由して薬液槽21に添加されるようになっている。
【0023】
また、上記の制御ユニット50には、薬液槽21のエッチング液の各成分毎の濃度を測定する光学式の濃度計70が設けられている。この濃度計70には、各処理部20の供給配管25におけるポンプ27とフィルタ28との間からエッチング液の一部を取り出すために設けられた取出配管71が接続されている。さらに、濃度計70の入口側には、取出配管71の他、新液補充槽40のエッチング新液を該濃度計70に供給する新液配管72と、純水を濃度計70に供給する純水配管73とが接続されている。これら取出配管71,新液配管72および純水配管73には、それぞれ、開閉バルブ74,75,76が介設されている。一方、濃度計70の出口側には、該濃度計70により濃度の測定されたエッチング液を廃液として排出する排出配管77が接続されている。
【0024】
上記の濃度計70の内部では、取出配管71,新液配管72および純水配管73の濃度計70側の各端部は互いに接続されており、その接続部の下流側には、該接続部から流れてきた液を冷却する冷却部78と、この冷却部78にて冷却された液の成分濃度を測定する測定部79とが設けられている。
【0025】
上記の測定部79は、図示は省略するが、液を通過させるサンプリング管と、このサンプリング管に向かって近赤外線を照射する光源と、この光源からの近赤外線を濾波する干渉フィルタと、この干渉フィルタを通過した近赤外線の周波数分布を検出するセンサとからなっており、その周波数分布に基づいて、液成分の濃度を検出するようになされている。尚、このような測定部79としては、例えば、倉敷紡績株式会社製の「ケミカライザー(登録商標)」が挙げられる。
【0026】
また、本実施形態では、上記測定部79による各成分の濃度検出を、新液およびエッチング液の両方に対して行い、その差分値に基づいて、エッチング液の各成分の濃度を管理するようになされており、このことで、エッチング液の成分毎の濃度のみを測定してその測定結果を濃度として出力する場合に比べて、測定精度の向上を図っている。さらに、測定対象を切り換える際には、純水をサンプリング管に導入して濃度計70を校正するようになされている。
【0027】
そして、本実施形態では、上記のエッチング処理装置は、上記濃度計70の測定部79の測定結果と、各流量計57による各原液の流量とに基づいて、エッチング液の成分毎の濃度が所定値になるように原液槽51〜53および純水供給部54の対応する開閉バルブ58,58,…を開閉制御する制御手段としてのコントローラ80を備えている。
【0028】
具体的には、コントローラ80は、所定時間(例えば、2時間)毎に、新液配管72の開閉バルブ75を開いてエッチング新液の成分濃度を検出した後、各処理部20の取込配管71の開閉バルブ74を開いてエッチング液を順に濃度計70に取り込む。そして、濃度計70により、上記エッチング液の各成分の濃度が差分値として出力されると、その差分値に基づいて各原液の添加量を演算し、その添加量だけ原液が薬液槽21に添加されるようになっている。尚、一般には、上記の添加は、1日に1回程度で収まる。
【0029】
ここで、図3のフローチャート図に基づいて、制御ユニット50におけるエッチング液の濃度管理の処理を説明する。
【0030】
ステップS1は、純水により濃度計70を校正するステップであり、このステップでは、純水配管73の開閉バルブ76がコントローラ80により所定時間だけ開かれ、これにより、所定量の純水が濃度計70に導入される。その後、ステップS2に移る。
【0031】
ステップS2では、新液配管72の開閉バルブ75がコントローラ80により所定時間だけ開かれる。これにより、新液補充槽40のエッチング新液が濃度計70に所定量だけ導入され、そのエッチング新液により濃度計70を校正する。つまり、基準値を得るために、エッチング新液の成分濃度測定を測定する。そして、次の、ステップS3に移る。
【0032】
このステップS3では、第1処理部(第1槽)20の取出配管71の開閉バルブ74がコントローラ80により所定時間だけ開かれる。これにより、第1処理部20のエッチング液が所定量だけ濃度計70に導入され、そのエッチング液の各成分の濃度を測定部79により測定する。その後、ステップS4に移る。
【0033】
ステップS4では、エッチング新液の各成分の測定濃度値を基準値としてエッチング液の各成分の濃度の差分値を演算し、次いで、各成分の差分値について、それぞれ、所定値に達しているか否かを判定する。そして、判定がYESであるとき、つまり、濃度が所定値に達せず添加が必要な濃度(要添加濃度)であるときには、原液を添加する必要があると見做し、ステップS5に移る。一方、判定がNOであるときには、原液を添加する必要はないと見做し、ステップS7に移る。
【0034】
上記のステップS5では、各成分の差分値に基づき、各原液の添加量を演算する。そして、次のステップS6では、添加すべき原液に対応する添加配管55の開閉バルブ58が開かれて原液を添加する。そして、流量計57からの信号に基づき、添加量が上記演算値に達したときに開閉バルブ58を閉じる。これで、第1処理部20のエッチング液に対する濃度管理の処理は終了する。
【0035】
次いで、第2処理部(第2槽)20のエッチング液に対する濃度管理に移り、ステップS7〜S10の処理を行う。尚、これらステップS7〜S10は、それぞれ、上記したステップS4〜S6の処理と同じであるので、説明は省略する。
【0036】
以上のようにして、第1および第2処理部20,20の各エッチング液の濃度管理が行われる。尚、ここでは、処理部20が2つである場合について説明したが、処理部20が3つ以上である場合には、ステップS4〜S6の処理をその都度繰り返して行うことになる。また、その繰返しの都度に、ステップS1〜S3の処理を行うようにしてもよい。さらに、上記の例では、全ての処理部20,20,…に対し、順に原液を添加するようにしているが、一斉に添加するようにしてもよい。
【0037】
ここで、上記ステップS5で行われる添加量の演算の一例を、次表に基づいて詳細に説明する。尚、本例では、エッチング液の全成分(リン酸,硝酸,酢酸,純水)のうち、エッチング処理に伴って濃度が上昇しかつその上昇率の最も高くなる成分であるリン酸を基準にして、つまり、リン酸の濃度が所定値になるように、硝酸,酢酸,純水の各原液の添加量を演算することとする。つまり、本例では、エッチング液の全成分のうち、本発明における要添加成分に該当するのは、硝酸,酢酸,純水であり、したがって、この場合には、リン酸原液の添加は不要であり、よって、リン酸の原液槽51を省略することもできる。
【0038】
【表1】
【0039】
先ず、リン酸,硝酸,酢酸,純水の各比重が、それぞれ、1.692,1.4159,1.0517,1であり、処理部20におけるエッチング液のリン酸,硝酸,酢酸,純水の各成分の濃度(w%)の初期比率が、
60.00:10.00:10.00:20.00
であり、そのエッチング液の総量が、200リットルであるとする。
【0040】
このとき、リン酸,硝酸,酢酸の各成分の濃度を各々の比重で割って(残りは純水)得られる各成分の体積(リットル)の比率は、
49.23:9.80:13.20:27.77
であるので、各成分の体積は、それぞれ、98.46リットル,19.61リットル,26.40リットル,55.53リットルである。
【0041】
一方、原液槽51〜54での各成分の濃度を、それぞれ、85w%,70w%,99w%,100w%である(残りは純水)とすると、原液中における各成分の体積の比率は、それぞれ、77%,62%,99%,100%である。
【0042】
そして、1日後のエッチング液の各成分の濃度の変化量が、それぞれ、+1.80%,−0.30%,−1.60%,+0.10%であったとすると、このときの各成分の濃度の比率は、
61.80:9.70:8.40:20.10
である。
【0043】
これを、体積の比率にすると、
51.11:9.59:11.18:28.13
となり、このときの各体積は、それぞれ、102.22リットル,19.17リットル,22.35リットル,56.25リットルである。
【0044】
ここで、体積の比率が、エッチング新液のとき(各成分の体積が、それぞれ、98.46リットル,19.61リットル,26.40リットル,55.53リットルであるとき)と同じになるように、リン酸を基準にして、その他の各成分の体積を演算すると、硝酸については、
19.61×102.22÷98.46=20.36
酢酸については、
26.40×102.22÷98.46=27.41
純水については、
55.53×102.22÷98.46=57.65
となる。
【0045】
次に、上記を実現するために必要な各成分の添加量(リットル)を演算すると、硝酸については、
20.36−19.17=1.19
酢酸については、
27.41−22.35=5.06
純水については、
57.65−56.25=1.40
となる。
【0046】
ここで、原液中での各成分の体積比率を考慮して、各原液の体積を演算すると、硝酸原液については、
1.19÷0.62=1.91
酢酸原液については、
5.06÷0.99=5.11
純水原液については、
1.40÷1=1.40
となる。
【0047】
但し、純水については、硝酸および酢酸の各原液にも含まれているので、その分だけ、差し引く必要がある。
【0048】
つまり、各原液に含まれる純水の体積は、硝酸原液では、
1.91−1.19=0.72
酢酸原液では、
5.11−5.06=0.05
である。
【0049】
したがって、原液としての純水の添加量は、
1.40−(0.72+0.05)=0.63
である。
【0050】
これらにより、原液添加後の各成分の体積は、それぞれ、102.22リットル,20.36リットル,27.41リットル,57.65リットル(総量は207.64リットル)となり、その体積の比率は、
49.23:9.80:13.20:27.77
であるので、各成分の濃度の比率は、エッチング新液の場合と同じく、
60.00:10.00:10.00:20.00
となる。
【0051】
すなわち、この場合には、200リットルのエッチング液に対し、硝酸,酢酸,純水の各原液を、それぞれ、1.91リットル,5.11リットル,0.63リットルずつ(合計で7.64リットル)添加することにより、エッチング液の各成分の濃度の比率は、エッチング新液と同じになる。
【0052】
因みに、エッチング液の寿命は、最長で、該エッチング液により溶解した被エッチング材が析出するまでであり、被エッチング材料がAlである場合には、その濃度が3000ppmに達するまでであるが、図4(a)に示すように、例えば、エッチング処理の基本となる硝酸成分の濃度がその下限値に達する(例えば、10w%から9.2w%へ0.8w%低下)まで使用したとすると、一般には、Alの濃度は200ppm程度であるにも拘わらず、所定のエッチング性能が得られなくなるため、エッチング液を交換する必要がある。これに対し、本実施形態の場合には、同図(b)に示すように、1日毎に各成分の濃度がそれぞれ所定値に再調整されるので、硝酸成分の濃度を10w%から9.7w%程度へ0.3w%程度の低下に止めることができる。このため、図4(a)の場合でエッチング液の交換サイクルが6日であるとすれば、Alの析出濃度についての安全率を3分の2(2000ppm)に見込んだとしても、交換サイクルを、その10倍の60日程度に延ばすことができ、しかも、エッチング性能を高いレベルに維持することができる。
【0053】
尚、上記の演算例において、純水を、その濃度がエッチング処理に伴って上昇するにも拘わらず添加するようにしているのは、基準としているリン酸に比べると、相対的には濃度が低下するからである。また、本演算例では、リン酸の濃度を基準にして、他の成分原液の添加量を算出するようにしているが、任意の成分を基準にして各成分原液の添加量を演算するようにしてもよい。
【0054】
したがって、本実施形態によれば、リン酸と硝酸と酢酸と純水とが混合されてなるエッチング液を用いてエッチング処理を行うようにしたエッチング装置において、所定時間毎に各処理部20のエッチング液の各成分の濃度を測定し、その測定結果に基づいて、それら各成分の原液の添加量を演算し、各処理部20の薬液槽21に添加するようにしたので、高いレベルのエッチング処理を安定して行うことができ、しかも、エッチング液の交換サイクルを実質的に長くすることができる。
【0055】
尚、上記の実施形態では、薬液がエッチング液である場合について説明したが、本発明は、エッチング液以外の薬液の濃度管理に適用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の成分からなるエッチング液などの薬液の濃度を管理する際に、その薬液の各成分の濃度を測定し、該測定結果に基づいて、該当する成分の原液を添加することで、各成分の濃度を所定値にすることができるので、薬液の交換サイクルを短くすることなく、安定したエッチング処理などの薬液処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るエッチング装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 エッチング装置の基本構成を示す説明図である。
【図3】 制御ユニットにおけるエッチング液の濃度管理の処理を示すフローチャート図である。
【図4】 本実施形態の濃度管理を行わない場合(a)の各成分の変化を本実施形態の濃度管理を行う場合(b)と対比して示す特性図である。
【符号の説明】
21 薬液槽(薬液部)
51,52,53 原液槽(原液部)
54 純水供給部(原液部)
55 添加配管(添加手段)
56 開閉バルブ(添加手段)
70 濃度計(検出手段)
80 コントローラ(制御手段)
Claims (2)
- 複数の成分からなる薬液を用いた薬液処理を行うとともに該薬液の濃度を管理するようにした薬液装置であって、
上記薬液を貯留するための薬液部と、
上記薬液の複数の成分のうち、上記薬液処理に伴って濃度の変化する成分である複数の要添加成分に対応するように設けられ、該要添加成分を有する原液を個別に貯留するための複数の原液部と、
上記複数の原液部の各原液を上記薬液部に添加する添加手段と、
上記薬液部の薬液の成分毎の濃度を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に基づき、上記薬液部の薬液の各成分の濃度が該成分以外の成分を有する原液の添加量を勘案してそれぞれ所定値になるような添加量を原液毎に演算し、各原液が該原液の上記添加量の分だけ添加されるように上記添加手段を制御する制御手段とを備え、
上記薬液は、少なくともリン酸,硝酸および酢酸の各成分からなり、
上記制御手段は、上記薬液処理に伴って濃度の上昇するリン酸を基準にして、上記硝酸および酢酸の成分のうち、上記リン酸に対して相対的に濃度の低下する成分を有する原液の添加量を演算し、該添加量に基づいて上記添加手段を制御するように構成されている
ことを特徴とする薬液装置。 - 制御手段は、リン酸に対して相対的に濃度の低下する成分の該リン酸に対する相対濃度比が該成分の所定濃度のリン酸の所定濃度に対する比率になるように、該成分を有する原液の添加量を演算する構成とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の薬液装置。
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