JP3971649B2 - 乳濁液形成方法及び樹脂粒子形成方法 - Google Patents

乳濁液形成方法及び樹脂粒子形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂粒子の製造方法の技術に関し、特に、懸濁重合法により樹脂粒子を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、疎水性モノマーを水に液滴分散して乳濁液(エマルジョン)を形成した後、該モノマーを液滴中で重合させ、ミクロン単位の樹脂粒子を製造する懸濁重合法が用いられている。
乳濁液を形成する方法としては、分散安定剤(界面活性剤)を添加した水に、疎水性モノマーを添加し、機械的に攪拌してモノマーを液滴分散させる機械的攪拌方法が用いられている。
【0003】
しかし、機械的攪拌方法では、液滴の粒径が不揃いであり、得られる樹脂粒子の粒径が不均一になる。
そこで、機械的攪拌法に代わり、特開平2−95433号に記載された膜乳化法が注目されている。
【0004】
膜乳化法はSPG(Shirasu Porous Glass)膜のような親水化処理された多孔質膜を用い、該多孔質膜を介して疎水性モノマーを水に圧入する方法であって、多孔質膜の細孔を通って水に圧入されたモノマーは、細孔径に応じた粒径の液滴となって水中に分散される。
【0005】
SPG膜は細孔分布が極めて狭いという特徴があるので、形成される液滴の粒径分布は均一なものになる。
しかし、膜乳化法により多量のモノマーを連続して処理する場合、SPG膜の表面積に対する乳化量が0.4g/cm2を超えたあたりから、目的粒径よりも大きな液滴が除々に発生し、結果として得られる樹脂粒子の粒径が不揃いになるという問題があった。
【0006】
特に、全分子量中におけるカルボキシル基、アクリロイル基、エーテル基等の親水性置換基が占める割合が大きなモノマーを用いた場合、液滴粒径の不揃いが著しく、そのようなモノマーを用いて液滴粒径の均一な乳濁液を形成することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、粒径分布の均一な樹脂粒子を形成する技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、多孔質膜に対する濡れ性がモノマーよりも高い溶液(補助液)を予めモノマーに添加しておけば、細孔内がモノマーで濡れる現象が防止され、結果として乳濁液中の液滴粒径が均一になることを見出した。
【0009】
かかる知見にもとづいてなされた請求項1記載の発明は、1,6 - ヘキサンジオールジアクリレート、又は1,6 - ヘキサンジオールジアクリレートとウレタンアクリレートの混合物とからなる疎水性モノマー100重量部に対し、3重量部以上50重量部以下の水を分散し、前記疎水性モノマー中に粒径が1nm以上10mm以下の水からなる液滴が形成された原料液を作成し表面が親水化処理された多孔質膜の片面に前記原料液を接触させ、反対側の面に水を接触させ、前記原料液を前記多孔質膜を通して前記水に圧入し、前記疎水性モノマーの液滴を形成する乳濁液形成方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の乳濁液形成方法であって、前記多孔質膜の細孔の粒径に対し、前記疎水性モノマー中に分散されたの粒径が1/1000倍以上10000倍以下の範囲なるように分散する乳濁液形成方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の乳濁液形成方法であって、前記多孔質膜の細孔の粒径に対し、前記疎水性モノマー中に分散された前記の粒径が1/800倍以上200倍以下の範囲なるように分散する乳濁液形成方法である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の乳濁液形成方法によって乳濁液を形成した後、前記液滴中の前記疎水性モノマーを重合させて、前記疎水性モノマーの重合体からなる樹脂粒子を製造する樹脂粒子の形成方法である。
【0010】
本発明は上記のように構成されており、処理液に添加された補助液によって多孔質膜が濡れるという現象が防止されるので、多量の処理液を連続して処理しても、形成される液滴の粒径が大きくならず、液滴粒径が均一な乳濁液が得られる。
乳濁液中の液滴の密度を高くする場合には、予め媒体液に界面活性剤を添加しておけば、液滴同士の結合が防止され、液滴の粒径分布が均一なまま保つことができる。
【0011】
処理液の主成分として重合性モノマーを用いた場合、処理液に予め重合開始剤を添加しておけば、乳濁液を加熱することで該モノマーが重合し、モノマーの重合体からなる樹脂粒子が得られる。
重合性モノマーの多くは疎水性が高く、水との相溶性が低いので、媒体液から水中に分散され液滴が形成される。
【0012】
乳濁液中の液滴密度が高い場合は、乳濁液を加熱する前に高分子分散安定剤を乳濁液に添加しておけば、モノマーが重合する工程で液滴同士の凝集が防止されるので、結果として、粒径が均一な樹脂粒子が得られる。
本発明により製造された樹脂粒子の表面に導電層を形成すれば、導電性接着剤の導電性粒子として用いることができる。また、樹脂粒子をそのままスペーサ粒子として接着剤に添加することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の乳濁液の形成方法について詳細に説明する。
図1の符号10は本発明に用いる乳化装置を示している。乳化装置10は乳化槽20と、媒体液タンク11と、処理液タンク12とを有している。
図2を参照し、乳化槽20は円筒状の外筒21と、円筒状の内筒22とを有している。内筒22の径は外筒21よりも小さく、内筒22は外筒21内に隙間を持って挿入されている。
【0014】
図3(a)を参照し、内筒22は円筒状に成形された多孔質膜で構成されており、内筒22と外筒21との隙間と、内筒22の内部空間とは多孔質膜の細孔29によって接続されている。
図3(a)の符号25は外筒21と内筒22との間の隙間からなる第一の空間を示しており、同図の符号26は内筒22の内部空間からなる第二の空間を示している。
【0015】
図1を参照し、乳化槽20には、外筒21の上端と内筒22の上端とを塞ぐ上蓋27と、外筒21の下端と内筒22の下端とを塞ぐ下蓋28とが取り付けられており、第一の空間25と、第二の空間26は上蓋27と下蓋28によってそれぞれ密閉されている。
媒体液タンク11は配管15によって上蓋27と下蓋28に接続され、処理液タンク12は配管16によって下蓋28に接続されている。
【0016】
媒体液タンク11に液体を配置し、媒体液タンク11の循環ポンプを起動すると、媒体液タンク11に配置された液体が第二の空間26を循環するようになっている。他方、処理液タンク12に液体を配置し、窒素ガス圧により押し出すと、処理液タンク12に配置された液体が第一の空間25に供給されるようになっている。
【0017】
この乳化装置10を用いて乳濁液を形成する場合には、内筒22を構成する多孔質膜に対して濡れ性の低いモノマーを主成分とする処理液100重量部に対し、該多孔質膜に対して処理液よりも濡れ性の高い補助液を3重量部以上50重量部以下添加した後、処理液を機械的に攪拌し、処理液中に補助液を分散させる。その状態の処理液を処理液タンク12に配置し、それとは別に多孔質膜に対する濡れ性が処理液よりも高い媒体液を媒体液タンク11に配置し、媒体液を第二の空間26に循環させると共に、処理液を第一の空間25に供給する。
【0018】
図3(b)は処理液32が第一の空間25に供給され、媒体液31が第二の空間26を循環した状態を示しており、第一の空間25に供給される処理液32の圧力を、多孔質膜の細孔径に依存したある一定の圧力よりも高くすると、処理液32が細孔29を通過して第二の空間26に圧入され、細孔29を通過した処理液が第二の空間26を流れる媒体液31中に分散され、処理液32からなる液滴33が形成される。
【0019】
例えば、処理液32中のモノマーを疎水性モノマーで構成し、補助液や媒体液を水で構成する場合、該モノマーは全体としては疎水性であってもその構造中に親水基を有することが多く、該モノマーはわずかではあるが媒体液である水に相溶性を示するので、モノマーをそのまま媒体液31に圧入すると、内筒22を構成する多孔質膜はモノマーで除々に濡れてしまう。
【0020】
しかし、本願発明では、処理液32が媒体液31に圧入される前に、処理液32中に補助液が分散されており、補助液である水がモノマーに接触することで、モノマーと水との相溶性が飽和状態になっている。従って、モノマーはこれ以上水との相溶性を示さないので、処理液32が多孔質膜を介して媒体液31に圧入されても、多孔質膜が濡れることがなく、媒体液31中に形成される処理液の液滴33が大径にならない。
【0021】
媒体液31中に所定密度の液滴33が形成されたところで、媒体液31と処理液32の循環を止めて乳化装置10から媒体液31を取り出す。
図4(a)の符号35は、媒体液31中に所定密度の液滴33が形成されてなる乳濁液を示している。
ここでは、処理液は液状のモノマーで構成され、該処理液には重合開始剤が添加されている。
従って、乳濁液35を加熱すると、液滴33中のモノマーの重合反応が進み、図4(b)に示すようにモノマーの重合体からなる樹脂粒子30が形成される。
【0022】
尚、処理液32が媒体液31に分散される際には、処理液32と共に細孔29を通過した補助液が媒体液31に添加されることになる。従って、媒体液31を循環させて処理液32の分散を行うと、第二の空間26を通過し補助液が添加された媒体液31は、再び同じ第二の空間26を通過するときに更に補助液が添加され、繰り返し第二の空間26を通過することで媒体液31中の補助液の濃度が除々に高くなり、媒体液31の組成が変化してしまう。このような場合には、補助液として媒体液31と同じものを用いれば、媒体液31の組成が変化することがない。
【0023】
【実施例】
水からなる媒体液9994重量部に対し、アニオン界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、SDBS)を6重量部添加、混合した。疎水性モノマーである1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(以下1,6HDDAと略記する)と、疎水性モノマーであるウレタンアクリレート(共栄社化学(株)社製の商品名AH600)とを、下記表1に示した割合で配合して疎水性モノマーからなる処理液を作製した。
【0024】
これらの処理液に、重合開始剤であるラウロリルパーオキサイドと、補助液である水を下記表1に示す配合割合で添加した後、回転数1400rpm、攪拌時間1時間の条件で機械的に攪拌を行い、疎水性の原料液を5種類作成した。
【0025】
【表1】
Figure 0003971649
【0026】
この原料液の一例の光学顕微鏡写真を図5、6に示す。尚、図5、6中の目盛りは、1目盛りが50μmを示している。図5、6から明かなように、機械的攪拌によって、モノマー中には水からなる液滴が分散されており、その液滴の粒径は1nm以上10mm以下程度になっている。
次に、上述した媒体液と、5種類の原料液とを用い、上述した乳化装置10によって、使用するSPG膜の細孔径に応じた適当な乳化圧力で、O/W(Oilin Water)エマルションである実施例1〜5の乳濁液を作製した。
【0027】
ここでは、多孔質膜として円筒状のSPG膜(内径:8.2mm、外径:10.0mm、長さ125mm、表面積37.5cm2、SPGテクノ(株)社製)を用いた。このSPG膜は親水化処理がされているので、水からなる補助液と媒体液は、疎水性モノマーからなる処理液に比べSPG膜に対する濡れ性が非常に高くなっている。また、このSPG膜の平均細孔径を、多孔度測定器(島津製作所(株)社製の商品名「ポアサイザー9320」)を用いて測定したところ、その平均細孔径は1.4μmであった。
【0028】
また、実施例1〜5のうち、実施例1、3〜5のエマルジョン濃度(原料液重量÷媒体液重量×100)は約1.1重量%であり、実施例2のエマルジョン濃度は約2.5重量%であった。
【0029】
次に、各乳濁液100重量部に対し、高分子分散安定剤であるポリビニルアルコールを0.5重量部添加した後、乳濁液を攪拌しながら75℃に加熱し、液滴分散された疎水性モノマーと重合開始剤とを反応させて、実施例1〜5の樹脂粒子を形成した。
【0030】
実施例1〜5の樹脂粒子について、シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置(シスメックス社製の商品名「SD-2000」)を用いて粒度分布を測定し、体積平均粒子径および変動係数をそれぞれ算出した。
尚、変動係数とは樹脂粒子の粒径の分散を、粒径の平均値で除したものであり、変動係数が小さい程粒径のばらつきが小さいことを示している。
【0031】
得られた体積平均粒子径と、変動係数の値を上記表1に記載した。また、実施例1〜5の樹脂粒子の粒径分布を図9〜図13に示す。尚、図9〜図13に示すグラフの横軸は粒径(μm)を示し、縦軸は樹脂粒子の頻度を示している。
【0032】
<比較例1、2>
疎水性モノマーからなり、補助液が添加されていない原料液を作製し、該原料液と、実施例1〜5で用いた水相液とを用いて実施例1〜5と同じ条件で比較例1、2の乳濁液を作製した後、これら乳濁液を用いて実施例1〜5と同じ条件で樹脂粒子を作製した。
【0033】
比較例1、2の樹脂粒子について、実施例1〜5と同じ条件で粒度分布を測定し、体積平均粒子径および変動係数をそれぞれ算出した
得られた値を上記表1に記載すると共に、比較例1、2の樹脂粒子の粒径分布をそれぞれ図14、図15にそれぞれ示す。
【0034】
上記表1及び図9〜図13から明かなように、処理液に補助液である水を添加した実施例1〜5は体積平均粒子径が小さいだけではなく、樹脂粒子の粒径ばらつきが小さいなっている。
特に、実施例2はSPG膜の単位面積当たりの乳化量が、他の実施例よりも非常に大きいにもかかわらず、体積平均粒子径や変動係数の値が小さく、本発明によれば、多量なモノマーを処理する場合でも、粒径の均一な樹脂粒子が得られることが確認された。
【0035】
また、実施例1の乳濁液を加熱した後に撮影した光学顕微鏡写真を図7に、比較例1の乳濁液を加熱した後に撮影した光学顕微鏡写真を図8に示す。尚、図7、8中の目盛りは、1目盛りが20μmを示している。図7、8を見ると、実施例1では媒体液中に粒径の均一な樹脂粒子が分散されているのに対し、比較例1では粒径の大きい樹脂粒子が混ざり、樹脂粒子の粒径が不揃いなことがわかる。
【0036】
以上のことから、多孔質膜に対して濡れ性の高い補助液を処理液に添加することで、処理液の液滴の粒径が均一になり、結果として粒径分布が均一な樹脂粒子が得られることがわかる。
実施例1〜5の中でも、処理液100重量部に対する補助液の添加量が2重量部である実施例4は、変動係数の値が実施例1〜3に比べて大きく、また、処理液100重量部に対する補助液の添加量が60重量部である実施例5も、実施例1〜3に比べて変動係数が大きく、粒径のばらつきが大きいことがわかる。これらのことから、処理液100重量部に対する補助剤の添加量が3重量部以上50重量部以下であれば、粒径のばらつきが小さい樹脂粒子が得られることがわかる。
【0037】
実施例1〜5に対し、比較例1、2は変動係数の値が大きく、処理液に補助剤を添加しない場合は樹脂粒子の粒径ばらつきが大きいことがわかる。
特に、全分子量中における親水性置換基が占める割合が大きな1,6−HDDAで処理液を構成した比較例2は、体積平均粒子径が他に比べて非常に大きかった。しかし、比較例2と同様に、1,6−HDDAで処理液を構成した実施例3では、体積平均粒子径だけではなく変動係数の値も小さく、このことから、本発明の製造方法によれば、親水性の置換基を有する疎水性モノマーで処理液を構成した場合であっても、粒径のばらつきが小さく、かつ、粒径の小さい樹脂粒子が得られることがわかる。
【0038】
以上は処理液として、ウレタンアクリレートと、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(1,6-HDDA)を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、重合性モノマーである多官能アクリレート、単官能アクリレート、メタクリレート等種々のものを用いることができ、これらは単独で用いても混合して用いても良い。
【0039】
処理液に用いるモノマーの具体例としては、1,4-ブタンジオールジアクリレ−ト、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオぺンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、1,9-ノナンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等のメタクリレートを用いることができる。
【0040】
また、本発明でモノマーとは、反応して重合体を生成しうる低分子化合物を意味し、重合可能なものであれば、例えば、モノマーが重合してなるオリゴマーを処理液に用いることができる。そのようなオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエン等の重合性オリゴマーがある。
【0041】
処理液に添加する重合開始剤としては、ラウロイルパーオキサイド以外にも、例えば、1,1、3,3、−テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサンエート、t−ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサンエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサンエート、2,2’-アゾビス(2-メチルプチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)など種々のものを用いることができる。
【0042】
以上は補助液と媒体液を水で構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、処理液を構成するモノマーよりも親水性の高いものであれば、種々の親水性溶媒を用いることができ、媒体液を2種類以上の親水性溶媒液で構成したり、媒体液を親水性溶媒と水との混合物で構成することもできる。また、補助液と媒体液としてそれぞれ違う種類のもので構成することもできる。
【0043】
補助液や媒体液に用いることができる親水性溶媒としては低級アルコールや、水に低級アルコールを添加したものがある。
以上は処理液に疎水性のモノマーを用い、補助液と媒体液を親水性の液体で構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、処理液を親水性のモノマーで構成し、補助液と媒体液を疎水性の溶媒で構成することもできる。この場合、多孔質膜として疎水化処理されたものを用いれば、処理液の多孔質膜に対する濡れ性が、補助液や媒体液よりも低くなる。
【0044】
処理液に用いる親水性のモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、N- ビニルラクタム、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、アクリルアミド等を用いることができる。また媒体液や補助液として用いる有機溶媒としては、アセトニトリル、ノルマルパラフィン、トルエン、イソプロピルアルコール等種々のものを用いることができる。
【0045】
乳濁液に添加する高分子分散安定剤もポリビニルアルコールに限定されるものではなく、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルアルキルエーテルなど種々のものを用いることができる。高分子分散安定剤の添加量は特に限定されるものではないが、乳濁液100重量部に対し、0.3重量部以上1.0重量部以下が好ましい。
【0046】
以上は、液滴33中のモノマーを加熱により重合させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光重合性のモノマーを用いて紫外線照射によりモノマーを重合させることもできる。
以上は、内筒22の外側に位置する第一の空間25に処理液32を循環させ、内筒22の内側に位置する第二の空間26に循環する媒体液31に処理液32を圧入する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第一の空間25に媒体液31を、第二の空間26に処理液32をそれぞれ循環させ、処理液32を第二の空間26から第一の空間25に圧入することもできる。
【0047】
多孔質膜もSPG膜に限定されるものではなく、種々の多孔質セラミック膜、又は、PTFE(四弗化エチレン)膜等の有機系多孔質膜を用いることができる。
また、外筒21や多孔質膜の形状も円筒形状に限定されるものではなく、種々の形状のものを用いることができる。
【0048】
【発明の効果】
SPGが処理液で濡れにくくなり、従来ではSPG膜単位面積当たりの乳化可能量が0.4g/cm2だったのに対し、本願発明によれば乳化可能量が100g/cm2と飛躍的に高くなり、生産性が向上した。
【0049】
また、1,6-HDDAのように、膜乳化が困難なものでも、本発明により粒径分布の狭い粒子を作製することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる乳化装置の一例を示す断面図
【図2】乳化槽を説明するための斜視図
【図3】(a)、(b):乳濁液を形成する工程を説明するための工程図
【図4】(a)、(b):樹脂粒子を形成する工程を説明するための工程図
【図5】補助液が処理液に分散された状態の一例を示す光学顕微鏡写真
【図6】補助液が処理液に分散された状態の他の例を示す光学顕微鏡写真
【図7】実施例1の乳濁液の光学顕微鏡写真
【図8】比較例1の乳濁液の光学顕微鏡写真
【図9】実施例1の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図10】実施例2の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図11】実施例3の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図12】実施例4の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図13】実施例5の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図14】比較例1の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【図15】比較例2の樹脂粒子の粒径分布を示すグラフ
【符号の説明】
22……内筒(多孔質膜)
30……樹脂粒子
31……媒体液
32……処理液
33……処理液の液滴
34……分散された補助液(補助液の液滴)
35……乳濁液

Claims (4)

  1. 1,6 - ヘキサンジオールジアクリレート、又は1,6 - ヘキサンジオールジアクリレートとウレタンアクリレートの混合物とからなる疎水性モノマー100重量部に対し、3重量部以上50重量部以下の水を分散し、前記疎水性モノマー中に粒径が1nm以上10mm以下の水からなる液滴が形成された原料液を作成し
    表面が親水化処理された多孔質膜の片面に前記原料液を接触させ、反対側の面に水を接触させ、前記原料液を前記多孔質膜を通して前記水に圧入し、前記疎水性モノマーの液滴を形成する乳濁液形成方法。
  2. 前記多孔質膜の細孔の粒径に対し、前記疎水性モノマー中に分散されたの粒径が1/1000倍以上10000倍以下の範囲なるように分散する請求項1記載の乳濁液形成方法。
  3. 前記多孔質膜の細孔の粒径に対し、前記疎水性モノマー中に分散された前記の粒径が1/800倍以上200倍以下の範囲なるように分散する請求項記載の乳濁液形成方法。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の乳濁液形成方法によって乳濁液を形成した後、
    前記液滴中の前記疎水性モノマーを重合させて、前記疎水性モノマーの重合体からなる樹脂粒子を製造する樹脂粒子の形成方法。
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