JP3971617B2 - 真空処理装置用の被処理体温度検出装置、及び該被処理体温度検出装置を備える真空処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空処理装置用の被処理体温度検出装置、及び該被処理体温度検出装置を備える真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマエッチング処理装置等の従来の各種真空処理装置は、半導体ウェハ等の製造に用いられる。これらの真空処理装置は、半導体ウェハ等の被処理体をその内部において処理する真空容器室を有する。この真空容器室は、被処理体の下部に位置するように配設され、被処理体を静電気力によって吸着するチャックと、該チャックを載置する載置台としてのサセプタと、サセプタの内部であって、被処理体の直下近傍に配設される冷媒用通路と、処理ガスを導入する処理ガス導入路とを有する。
【0003】
被処理体の処理工程において、サセプタに高周波電力が印加されると、内部に拡散された処理ガスがプラズマ化し、斯かるプラズマによって被処理体の表面にエッチング処理が施される。
【0004】
この被処理体がエッチング処理される際に、高周波電力の印加の繰り返しやイオン照射により被処理体に熱が蓄積されて、被処理体の温度は上昇する。
【0005】
一方、エッチング処理工程では、その重要性のために、被処理体の温度を、冷媒用通路を循環する冷媒によってチャック及びサセプタを介して被処理体の熱を除去すること等により制御するので、被処理体の温度を正確に測定する必要がある。
【0006】
従来、被処理体の温度を正確に測定する方法として、被処理体に直接、温度によって色が変化するサーモラベルを貼り付け、該貼り付けられたサーモラベルの色の変化度合から被処理体の温度を推定する方法や、被処理体の裏面に直接、蛍光剤を塗布し、該塗布された蛍光剤の放射光の強度をサセプタ等に埋め込まれた放射温度計で測定する方法や、被処理体に直接、温度センサを埋め込み、温度センサの出力値を読取る方法や、先端に温度センサが埋め込まれたプローブを被処理体に押し当て、温度センサの出力値を読取る方法や、熱が伝達された被処理体が放射する赤外線を測定する方法等が用いられていた。
【0007】
しかしながら、サーモラベルを貼り付ける方法では、被処理体毎にサーモラベルを貼り付けることが煩雑であり、また、サーモラベルの温度測定誤差も±5℃程度と正確でなく、さらにエッチング処理工程中の最高温度しか測定できないという問題があった。
【0008】
また、被処理体の裏面に直接、蛍光剤を塗布する方法では、被処理体毎に裏面に蛍光剤を塗布することが煩雑であるという問題があった。
【0009】
さらに、被処理体に直接、温度センサを埋め込む方法及びプローブの先端に温度センサを埋め込む方法では、温度センサの出力がエッチング処理工程における高周波の印加に起因するノイズの影響を受け易く、特に、ゲート電極材を再現性高く形成でき、B、P等の不純物をドープして抵抗値を制御可能なポリシリコン(in-situ doped polysilicon等)を使用するエッチング処理工程中に正確な温度を測定できないという問題があった。
【0010】
また、被処理体から放射された赤外線を測定する方法では、被処理体がシリコンで形成されるとき、放射される波長の性質上、該赤外線の測定が困難であるという問題があった。
【0011】
上述した問題を解決するため、近年ではチャック及びサセプタを貫通し、エッチング処理工程において被処理体と接触するように配設された蛍光式光ファイバを使用する方法が用いられる。
【0012】
蛍光式光ファイバを用いる方法として、例えば、特開平6−112303号公報では、通常の蛍光式光ファイバ温度計から成るウェハの温度を測定する温度測定手段と、当該温度測定手段がウェハの裏面に確実に接触するように、温度測定手段をウェハに向かって付勢する板ばねを備えるウェハ処理装置において、温度測定手段によりウェハの温度を測定する方法が開示され、また、特開平6−37057号公報では、中央処理装置及び測定子駆動制御器によりその設置位置が制御され且つ基板に接触する蛍光式光ファイバ方式の温度測定子を有するプラズマエッチング装置において、当該温度測定子により基板の温度を測定する方法が開示されている。
【0013】
これらの蛍光式光ファイバを用いる方法では、測定値が高周波の印加に起因するノイズの影響を受けることがないため、正確な温度の測定が可能である一方、温度測定手段や温度測定子の先端の突き出しの寸法を正確に調整し設定する作業が非常に困難であるという問題がある。
【0014】
この問題を解決する温度検出装置として、特開平6−31457号公報は、被測定物側の端部に蛍光体と該蛍光体を覆い保護する保護キャップを有した被測定物側の光ファイバと、該被測定物側の光ファイバを被測定物が静電吸着される面に対して進退させるアクチュエータと、中継部で光ファイバの軸心線を前記被測定物側の光ファイバの軸心線と合致させた測定器側の光ファイバと、該測定器側の光ファイバが接続されている蛍光温度計の測定器とで構成され、前記アクチュエータは、被測定物側の光ファイバに同心状に固定され光ファイバと共に被測定物側に進退可能な円板状の鍔と、該鍔と作動空間の床面とを接続した二重ベローズとで構成され、二重ベローズ内のガス圧により被測定物に対して被測定物側の光ファイバを進退させる温度検出装置(以下「従来の温度検出装置」という。)を開示する。
【0015】
従来の温度検出装置では、先端の温度検出端の取付精度を要しないため、先端の突き出しの調整及び設定作業を容易にすることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の温度検出装置では、蛍光式光ファイバは、被測定物側の光ファイバと、測定器側の光ファイバとの2つに分割され、これらの光ファイバ間が不連続となり、特に、エッチング処理工程において光ファイバは移動するため、被測定物側の光ファイバと測定器側の光ファイバとの間に間隔が生じやすい一方、光ファイバの情報伝達能力は当該間隔に起因する光量の減少に敏感であり、例えば、当該間隔が0.25mm程度開いただけで、情報伝達が困難になるという性質を有する。
【0017】
これにより、従来の温度検出装置では、エッチング処理工程中の被測定物の温度を正確に測定することができないという問題がある。
【0018】
また、従来の温度検出装置では、二重ベローズ内のガス圧により被測定物に対して光ファイバを進退させるため、所定の量だけ進退させる際に、真空容器室内が大気圧か真空かによってガス圧を変化させねばならず、光ファイバの進退の調整が困難であり、その結果、エッチング処理工程中の被測定物の温度を正確に測定することができないという問題もある。
【0019】
本発明の目的は、エッチング処理工程中の被処理体の温度を正確に測定することができる真空処理装置用の被処理体温度検出装置、及び該被処理体温度検出装置を備える真空処理装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の被処理体温度検出装置は、被処理体を処理する真空処理装置に設けられ、前記被処理体の温度を検出する真空処理装置用の被処理体温度検出装置において、前記被処理体から熱を受容する円筒状体の接触子と、該接触子を前記被処理体に向けて付勢する付勢手段と、前記受容された熱に応じて光を放射する発光剤層と、前記付勢手段を内部に収容する断熱容器と、前記断熱容器に固定され且つ受光面を有し、前記接触子の中心軸と前記受光面の中心が一致するように配設される光ファイバと、他の光ファイバと、石英、サファイアからなる群から選択された1の材料からなる柱状体とを備え、前記他の光ファイバは、前記光ファイバと対向するように配設され、前記柱状体は、前記光ファイバと前記他の光ファイバの間に介在し、放射光を受光した前記光ファイバは、前記柱状体を介して前記他の光ファイバへ前記放射光を伝達することを特徴とする。
【0021】
請求項1記載の被処理体温度検出装置によれば、光ファイバは、断熱容器に固定され且つ受光面を有し、接触子の中心軸と受光面の中心が一致するように配設され、被処理体から接触子を介して受容された熱に応じて発光剤層が放射する光を静止して受光するので、光ファイバが移動する必要をなくすことができ、もってエッチング処理工程中の被処理体の温度を正確に測定することができる。また、放射光を受光した光ファイバは、柱状体を介して他の光ファイバへ放射光を伝達するので、光ファイバと他の光ファイバの軸心線のずれを吸収することができ、エッチング処理工程中の被処理体の温度をさらに正確に測定することができることに加え、温度検出装置のメンテナンスを容易にすることができる。さらに、付勢手段は断熱容器の内部に収容されるため、付勢手段の熱膨張を防止することができ、もって接触子は被処理体に確実に接触することができ、エッチング処理工程中の被処理体の温度をより正確に測定することができる。
【0024】
請求項2記載の被処理体温度検出装置は、請求項1記載の被処理体温度検出装置において、前記断熱容器の内部は真空であることを特徴とする。
【0025】
請求項2記載の被処理体温度検出装置によれば、断熱容器の内部は真空であるので、真空容器室内が大気圧か真空かによってガス圧を変化させる必要をなくすことができ、もって接触子の進退の調整を容易にすることができるため、エッチング処理工程中の被処理体の温度をさらに正確に測定することができる。
【0028】
請求項3記載の被処理体温度検出装置は、請求項1又は2記載の被処理体温度検出装置において、前記円筒状体の接触子は、一端が閉鎖され且つ前記被処理体に接触し、前記発光剤層は前記一端の内側に形成されることを特徴とする。
【0029】
請求項3記載の被処理体温度検出装置によれば、発光剤層は、円筒状体の接触子における閉鎖された一端の内側に形成されるので、被処理体と発光剤層との距離を小さくすることができ、もってエッチング処理工程中の被処理体の温度をより正確に測定することができる。
【0030】
請求項4記載の被処理体温度検出装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被処理体温度検出装置において、前記真空処理装置は、前記被処理体を吸着すると共に前記円筒状体の接触子をその一端が所定の量だけ突出するように進退自在に収容する吸着台を備え、前記付勢手段は、前記被処理体が吸着されたときに前記一端が前記所定の量だけ埋没するように前記円筒状体の接触子を付勢することを特徴とする。
【0031】
請求項4記載の被処理体温度検出装置によれば、円筒状体の接触子は、被処理体が吸着されたときにその一端が所定の量だけ埋没するように付勢されるので、エッチング処理工程において接触子が被処理体に接触したまま、吸着台は被処理体を確実に吸着することができ、被処理体の浮き等に起因するエッチング不良を防止することができる。
【0032】
請求項5記載の被処理体温度検出装置は、請求項4記載の被処理体温度検出装置において、前記付勢手段はバネから成ることを特徴とする。
【0033】
請求項5記載の被処理体温度検出装置によれば、付勢手段はバネから成るので、埋没する所定の量の再現性が高く、被処理体を繰り返し処理する際に、被処理体の温度を正確に測定することができる。
【0034】
上記目的を達成するために、請求項6記載の真空処理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被処理体温度検出装置を備えることを特徴とする。
【0035】
請求項6記載の真空処理装置によれば、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被処理体温度検出装置を備えるので、エッチング処理工程中の被処理体の温度を正確に測定することができる。
【0036】
請求項7記載の真空処理装置は、請求項6記載の真空処理装置において、前記被処理体温度検出装置を複数備え、当該複数の前記被処理体温度検出装置は前記被処理体を支えるように配設されることを特徴とする。
【0037】
請求項7記載の真空処理装置によれば、複数の被処理体温度検出装置が被処理体を支えるように配設されるので、エッチング処理工程における被処理体の姿勢が安定し、吸着台は被処理体を確実に吸着することができ、エッチング処理工程における被処理体の浮き等に起因するエッチング不良を防止すると共に搬送ずれの発生を防止することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る被処理体温度検出装置を図面を参照して詳述する。
【0039】
このとき、本発明の実施の形態に係る被処理体温度検出装置を備える真空処理装置における真空容器室の概略構造は、後述する被処理体温度検出装置の配置以外、従来の真空処理装置と全く同じである。
【0040】
図1は、本発明の実施の形態に係る被処理体温度検出装置を備える真空処理装置の主要部の概略構造を示す断面図である。
【0041】
図1において、真空容器室100は、被処理体Wの下部に位置するように配設され、被処理体Wを静電気力によって吸着し且つ後述の図2における温度モニタ200(被処理体温度検出装置)を内蔵するチャック101と、チャック101を載置するサセプタ102と、サセプタ102の内部において被処理体Wの直下近傍に配設される冷媒用通路103と、不図示の処理ガス供給装置から処理ガスを導入する処理ガス導入路104とを備える。
【0042】
図2は、図1におけるチャック101に内蔵された温度モニタ200の概略構成を示す断面図である。
【0043】
図2において、温度モニタ200は、チャック101の表面101aから厚み方向に穿孔されたガイド穴201に配設され、一端202aが球面状であり且つ他端202bがフランジ面形状である円筒状体のプローブ202(接触子)と、プローブ202のフランジ面の下面に当接し、プローブ202を被処理体Wに向けて付勢するバネ203(付勢手段)と、両端が開放された光ファイバであって、一端204aがプローブ202の他端202bと対向し且つ他端204bがチャック101の裏表面101bに露出し、プローブ202の中心軸と受光面の中心が一致するように配設され且つチャック101に固定された光ファイバ204(受光手段)と、プローブ202の他端202b、バネ203及び光ファイバ204の一端204aを内部に収容するポリアミドイミドからなる断熱容器205と、チャック101の裏表面101bにおいて、光ファイバ204の他端204bと対向するように配設され、不図示の蛍光式温度測定器に接続される光ファイバ206と、光ファイバ204及び光ファイバ206の間に介在し、これらを直列に連結する石英柱207とを備える。尚、この温度モニタ200は、石英柱207の代わりにサファイアからなる柱状体を備えていてもよい。
【0044】
プローブ202は、その材質がアルミニウム、ステンレスからなる群から選択された1つであり、図3の断面図に示すように、一端202aが閉鎖され且つ他端202bが開放されている円筒状体であり、その長さは10mmであり、その外径は2mmである。また、プローブ202における一端202aの内部空間202c側に蛍光剤層300が形成される。
【0045】
プローブ202は、ガイド穴201に沿って進退自在であり、バネ203の付勢力によって一端202aを介して、エッチング処理工程中に熱を含有する被処理体Wに接触し、該接触した被処理体Wから熱を受容する。この受容された熱は蛍光剤層300に伝達され、該熱を伝達された蛍光剤層300の温度は上昇する。このとき、当該温度が上昇した蛍光剤層300に波長957nmの光を照射すると、該光を照射された蛍光剤層300はその温度に応じた波長の光を放射する。
【0046】
光ファイバ204は、その一端204aで蛍光剤層300から放射された放射光をプローブ202の内部空間202cを介して受光し、受光した放射光を他端204bへ伝達する。放射光を伝達された他端204bは、石英柱207を介して光ファイバ206へ当該放射光を伝達し、該放射光を伝達された光ファイバ206は不図示の蛍光式温度測定器へ当該放射光を伝達する。
【0047】
該放射光を伝達された蛍光式温度測定器は、当該放射光の強度に基づいて被処理体Wの温度を測定する。
【0048】
バネ203のバネ定数は、チャック101に被処理体Wが吸着されないときは、一端202aがチャック101の表面101aから0.1〜0.5mm(所定の量)だけ突出し、チャック101に被処理体Wが吸着されたときは、一端202aがチャック101の表面101aと同一面上まで埋没するように設定されている。
【0049】
温度モニタ200によれば、接触した被処理体Wから熱を受容するプローブ202と、プローブ202を被処理体Wに向けて付勢するバネ203と、プローブ202の内部空間202c側に形成された蛍光剤層300と、蛍光剤層300の放射光を受光すべくプローブ202の他端202bと対向するように配設され且つチャック101に固定された光ファイバ204とを備えるので、温度モニタ200は、被処理体Wの熱をプローブ202の先端102aを介して蛍光剤層300に伝達し、該伝達された熱を当該熱に応じて蛍光剤層300により放射光に変換し、該変換された放射光をプローブ202の内部空間202cを介してチャック101に固定された光ファイバ204に伝達することができるため、光ファイバが移動する必要がなく、従来の温度検出装置のように光ファイバを分割する必要もない。その結果、光ファイバ間における間隔の発生を考慮する必要をなくすことができるため、エッチング処理工程中の被処理体Wの温度モニタ200を正確に測定することができる。
【0050】
温度モニタ200における蛍光剤層300は、プローブ202の一端202aの裏側に形成されることになるので、被処理体Wと蛍光剤層300との距離を小さくすることができ、伝達される熱の損失は殆ど発生せず、もってエッチング処理工程中の被処理体Wの温度モニタ200をより正確に測定することができる。
【0051】
温度モニタ200における断熱容器205は、ポリアミドイミドからなるので、バネ203の断熱を確実に行うことができ、もってバネ203の熱膨張を確実に防止することができる。これにより、バネの収縮不良によりプローブ202と被処理体Wとの接触不良の発生を防止することができる。
【0052】
また、断熱容器205の内部は真空であるので、従来の温度検出装置の如く、真空容器室100内が大気圧か真空かによって二重ベローズ内のガス圧を変化させる必要をなくすことができ、真空容器室100内が大気圧又は真空のどちらかであろうともプローブ202の進退の調整はバネ203によって容易に行うことができるため、エッチング処理工程中の被処理体Wの温度モニタ200をさらに正確に測定することができる。
【0053】
温度モニタ200における光ファイバ204及び光ファイバ206は、チャック101の裏表面101bにおいて石英柱207を介して直列に連結するので、連結箇所における光ファイバの軸心線のずれを吸収することができ、もってエッチング処理工程中の被処理体Wの温度モニタ200をさらに正確に測定することができることに加え、チャック101を脱着する際に、光ファイバを折損する危険性を排除することができ、もって温度モニタ200のメンテナンスを容易にすることができる。
【0054】
温度モニタ200におけるバネ203のバネ定数は、プローブ202の一端202aが、被処理体Wがチャック101に吸着されないときは、チャック101の表面101aから0.1〜0.5mmだけ突出し、被処理体Wがチャック101に吸着されたときは、チャック101の表面101aと同一面上まで埋没するように設定されているので、エッチング処理工程においてプローブ202が被処理体Wに接触したまま、吸着台は被処理体Wを確実に吸着することができ、エッチング処理工程における被処理体Wの浮き等に起因するエッチング不良を防止することができる。
【0055】
温度モニタ200におけるプローブ202は、その材質がアルミニウム、ステンレスからなる群から選択された1つであるので、COとプローブ202の材質との反応により毒ガスが発生する虞をなくすことができる。
【0056】
上述した温度モニタ200におけるプローブ202として、円筒状体のものについて説明したが、プローブ202は細い針状のものであってもよく、このとき蛍光剤層300は、針における被処理体Wと接触する一端とは反対の他端に形成される。このとき、針の質量は小さいので、針が被処理体Wに接触すると直ちにその温度が被処理体Wの温度と均一になるので、被処理体Wの温度測定を迅速に行うことができる。
【0057】
図4は、図1におけるチャック101の概略構成を示す斜視図である。
【0058】
図4において、チャック101は、5つの温度モニタ200a〜eを有し、温度モニタ200aは、チャック101に被処理体Wが載置されたときに、被処理体Wの中心に対応する位置に配設され、温度モニタ200b〜eは、チャック101に被処理体Wが載置されたときに、被処理体Wの外周部(以下「エッジ」という。)に対応する位置に、円周方向に互いに等間隔で配設される。
【0059】
このとき、「n」を温度モニタ200の数、「x」を一端202aの突出量、及び「w」を被処理体Wの重量としたときに、バネ203のバネ定数である「k」は、下記式を満足するのが好ましい。
【0060】
n≦3のとき k=w/(3x) ……(1)
n>3のとき k=w/(nx) ……(2)
これにより、エッチング処理工程においてチャック101が被処理体Wを吸着する際に、プローブ202は必ず被処理体Wに接触することができ、もって被処理体Wの温度とプローブ202の温度を均一にすることができるので、エッチング処理工程中の被処理体Wの温度を正確に測定することができる。
【0061】
例えば、φ8inchのウェハは、その厚みが0.675mm、その比重は2.33g/cm3であり、このφ8inchのウェハのプロセスにおけるプローブ202の一端202aの突出量を0.5mmとするならば、バネ203のバネ定数は上記(2)式より、
k=19.8g/mm
であるのが好ましい。これにより、エッチング処理工程においてチャック101が被処理体Wを吸着する際に、プローブ202は必ず被処理体Wに接触することができ、もって被処理体Wの温度とプローブ202の温度を均一にすることができるので、エッチング処理工程中の被処理体Wの温度モニタ200をさらに正確に測定することができる。
【0062】
チャック101を有する真空処理装置によれば、4つの温度モニタ200b〜eが被処理体Wを安定して支えるように、被処理体Wのエッジに対応する位置に、円周方向に互いに等間隔で配設されるので、エッチング処理工程における被処理体Wの姿勢が安定し、エッチング処理工程における被処理体Wの浮き等に起因するエッチング不良を防止すると共に搬送ずれの発生を防止することができる。また、温度モニタ200b〜eを利用して4探針法による抵抗率の測定等も行うことができ、これにより、被処理体Wの温度を正確に測定することができ、レジスト焼け及びプロセスシフトを未然に防止することができ、NGウェハの発生を1枚のみに留めることができる。
【0063】
上述したチャック101として、5つの温度モニタ200を有するものについて説明したが、チャック101は2つだけの温度モニタ200を有するものであってもよく。このとき、一の温度モニタ200は被処理体Wの中心に対応する位置に配設され、他の温度モニタ200は被処理体Wのエッジに対応する位置に配設されるのがよい。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1記載の被処理体温度検出装置によれば、光ファイバは、断熱容器に固定され且つ受光面を有し、接触子の中心軸と受光面の中心が一致するように配設され、被処理体から接触子を介して受容された熱に応じて発光剤層が放射する光を静止して受光するので、光ファイバが移動する必要をなくすことができ、もってエッチング処理工程中の被処理体の温度を正確に測定することができる。また、放射光を受光した光ファイバは、柱状体を介して他の光ファイバへ放射光を伝達するので、光ファイバと他の光ファイバの軸心線のずれを吸収することができ、エッチング処理工程中の被処理体の温度をさらに正確に測定することができることに加え、温度検出装置のメンテナンスを容易にすることができる。さらに、付勢手段は断熱容器の内部に収容されるため、付勢手段の熱膨張を防止することができ、もって接触子は被処理体に確実に接触することができ、エッチング処理工程中の被処理体の温度をより正確に測定することができる。
【0066】
請求項2記載の被処理体温度検出装置によれば、断熱容器の内部は真空であるので、真空容器室内が大気圧か真空かによってガス圧を変化させる必要をなくすことができ、もって接触子の進退の調整を容易にすることができるため、エッチング処理工程中の被処理体の温度をさらに正確に測定することができる。
【0068】
請求項3記載の被処理体温度検出装置によれば、発光剤層は、円筒状体の接触子における閉鎖された一端の内側に形成されるので、被処理体と発光剤層との距離を小さくすることができ、もってエッチング処理工程中の被処理体の温度をより正確に測定することができる。
【0069】
請求項4記載の被処理体温度検出装置によれば、円筒状体の接触子は被処理体が吸着されたときにその一端が所定の量だけ埋没するように付勢されるので、エッチング処理工程において接触子が被処理体に接触したまま、吸着台は被処理体を確実に吸着することができ、被処理体の浮き等に起因するエッチング不良を防止することができる。
【0070】
請求項5記載の被処理体温度検出装置によれば、付勢手段はバネから成るので、埋没する所定の量の再現性が高く、被処理体を繰り返し処理する際に、被処理体の温度を正確に測定することができる。
【0071】
請求項6記載の真空処理装置によれば、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被処理体温度検出装置を備えるので、エッチング処理工程中の被処理体の温度を正確に測定することができる。
【0072】
請求項7記載の真空処理装置によれば、複数の被処理体温度検出装置が被処理体を支えるように配設されるので、エッチング処理工程における被処理体の姿勢が安定し、吸着台は被処理体を確実に吸着することができ、エッチング処理工程における被処理体の浮き等に起因するエッチング不良を防止すると共に搬送ずれの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る被処理体温度検出装置を備える真空処理装置の主要部の概略構造を示す断面図である。
【図2】図1におけるチャック101に内蔵された温度モニタ200の概略構成を示す断面図である。
【図3】図2におけるプローブ202の概略構成を示す断面図である。
【図4】図1におけるチャック101の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 真空容器室
101 チャック
200 温度モニタ
202 プローブ
203 バネ
204,206 光ファイバ
205 断熱容器
207 石英柱
300 蛍光剤層
Claims (7)
- 被処理体を処理する真空処理装置に設けられ、前記被処理体の温度を検出する真空処理装置用の被処理体温度検出装置において、前記被処理体から熱を受容する円筒状体の接触子と、該接触子を前記被処理体に向けて付勢する付勢手段と、前記受容された熱に応じて光を放射する発光剤層と、前記付勢手段を内部に収容する断熱容器と、前記断熱容器に固定され且つ受光面を有し、前記接触子の中心軸と前記受光面の中心が一致するように配設される光ファイバと、他の光ファイバと、石英、サファイアからなる群から選択された1の材料からなる柱状体とを備え、前記他の光ファイバは、前記光ファイバと対向するように配設され、前記柱状体は、前記光ファイバと前記他の光ファイバの間に介在し、放射光を受光した前記光ファイバは、前記柱状体を介して前記他の光ファイバへ前記放射光を伝達することを特徴とする被処理体温度検出装置。
- 前記断熱容器の内部は真空であることを特徴とする請求項1記載の被処理体温度検出装置。
- 前記円筒状体の接触子は、一端が閉鎖され且つ前記被処理体に接触し、前記発光剤層は前記一端の内側に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の被処理体温度検出装置。
- 前記真空処理装置は、前記被処理体を吸着すると共に前記円筒状体の接触子をその一端が所定の量だけ突出するように進退自在に収容する吸着台を備え、前記付勢手段は、前記被処理体が吸着されたときに前記一端が前記所定の量だけ埋没するように前記円筒状体の接触子を付勢することを特徴とする請求項3記載の被処理体温度検出装置。
- 前記付勢手段はバネから成ることを特徴とする請求項4記載の被処理体温度検出装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被処理体温度検出装置を備えることを特徴とする真空処理装置。
- 前記被処理体温度検出装置を複数備え、当該複数の前記被処理体温度検出装置は前記被処理体を支えるように配設されることを特徴とする請求項6記載の真空処理装置。
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