JP3970746B2 - エコーキャンセラ性能評価試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エコーキャンセラの性能評価試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の公衆網のように伝搬遅延時間のごく小さいネットワークでは、ネットワーク内の4線2線変換部で、或いは通話者のハンドセットにおける受話側から発話側への回り込みでエコーが発生しても、遅延が数ms単位であるため通話に支障が生ずることはなかった。しかしながら、昨今、インターネットのネットワークを利用した音声通信(VoIP;Voice over Internet Protocol)(以下、単に“VoIP通信”と称する)が普及しつつある。かかるネットワークにおいては、伝搬遅延時間が100ms単位で発生するおそれがあり、エコーによる通話品質の劣化が大きな問題となる。
【0003】
このため、VoIP通信に用いられる通信端末装置においては、エコーを除去するためのエコーキャンセラが必須となり、その性能がVoIP通信用の端末装置の通話品質を左右するものとなっている。そして、エコーキャンセラ単体の性能はもちろんのこと、通信端末装置内に組み込まれたエコーキャンセラの性能を装置全体として、客観的かつ定量的に評価し得る評価試験装置が必要となる。
【0004】
しかし、従来は、エコーキャンセラの性能を通信端末装置全体として評価が可能な評価試験装置、或いは評価方法が確立されていなかった。従来、エコーキャンセラ単体の性能評価に関しては、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector;国際電気通信連合・電気通信標準化部門)が勧告しているG.165やG.168等の方式を用いて測定・評価する方法がある。しかしながら、かかる方式では評価用の試験信号として実際の音声信号を用いることができない。さらに、通信端末装置内に組み込まれたエコーキャンセラの性能を客観的に評価する評価試験装置も存在していない。それ故、エコーキャンセラ単体の性能、或いは通信端末装置内におけるエコーキャンセラの性能を、実際の音声信号を用いて客観的に評価できる評価試験装置が望まれていた。
【0005】
なお、従来から行われていたエコーキャンセラ単体の性能評価方法に関しては、前述の如く、ITU−TのG.165やG.168等の勧告によって、いわゆる当業者の間で公然に知られており、かつ公然に実施されているものである。それ故、本明細書においては、かかる従来技術を特定するための先行技術文献等の情報資料の開示を省略する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エコーキャンセラ単体の性能、或いは通信端末装置に内蔵されたエコーキャンセラの性能を客観的に評価できる評価試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第1の試験信号をエコーキャンセラの遠端入力に供給して、前記エコーキャンセラの遠端出力信号を用いて前記エコーキャンセラの性能を評価する評価手段を含むエコーキャンセラ性能評価試験装置であって、エコーリターンパス遅延量とエコーリターンパス・インパルス応答特性を調整自在に設定する設定手段と、前記エコーリターンパス・インパルス応答特性からインパルス応答を生成し、生成したインパルス応答に対して前記エコーリターンパス遅延量を付加し、得られた遅延インパルス応答と前記エコーキャンセラの近端出力信号との畳み込み演算を行い疑似エコーを生成してこれを前記エコーキャンセラの近端入力に供給するエコー生成手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明による実施の形態の概略を説明する。
本発明による実施の形態は、評価試験に供せられるエコーキャンセラに接続されたエコーリターンパスのインパルス応答を明らかなものとし、これに基づいて遠端側に回り込むエコーを求め、エコーキャンセラを通過させるべき近端側話者の音声信号と、除去すべきエコーとを識別する。そして、エコーキャンセラにとって遠端側話者からの音声信号のみが入力されている状態(以下、単に“シングルトークモード”と称する)におけるエコーキャンセラの性能を、明らかとなったエコーとエコーキャンセラの遠端出力からの音声信号との電力相対比によって客観的かつ定量的に評価するものである。
【0009】
また、本発明による他の実施の形態は、エコーキャンセラにとって遠端側話者からの音声信号と、近端側話者からの音声信号が同時に入力されている状態(以下、単に“ダブルトークモード”と称する)におけるエコーキャンセラの性能を、近端側話者からの音声信号とエコーキャンセラの遠端出力からの音声信号を、ITU−T勧告P.861等の公知評価方法の入力信号として用いることでエコーキャンセラの性能を客観的かつ定量的に評価するものである。
【0010】
本発明の実施の形態による第1の実施例を以下に説明する。
第1の実施例によるエコーキャンセラ性能評価試験装置の構成を図1に示す。また、同図中の性能評価対象となる供試エコーキャンセラ単体の概略構成を図2に示す。
図1に示されるブロック図において、先ず、スイッチSW1及びSW2は、共にオフに設定されている。スイッチSW1、SW2は、例えば、バイポーラトランジスタやFET等の半導体素子で構成されたスイッチング素子である。
【0011】
図1において、性能評価対象となるエコーキャンセラ100の遠端側入力端子Rinには、音声信号Aが入力される。また、エコーキャンセラ100の近端側出力端子Routからは、音声信号A’が出力され、同信号は、エコー生成計算回路103に入力される。
一方、エコーリターンパス遅延量設定回路101は、エコーリターンパスにおける遅延量Tを設定する回路であり、同回路で設定された遅延量Tがエコー生成計算回路103に入力される。また、インパルス応答波形入力回路102は、図3Aに示すような、エコーリターンパスにおける任意のインパルス応答波形が入力される回路であり、かかる応答波形に対応するインパルス応答Hを生成してこれをエコー生成計算回路103に出力するものである。
【0012】
エコーリターンパス遅延量設定回路101、インパルス応答波形入力回路102、及びエコー生成計算回路103から成る部分は、エコーキャンセラ100の遠端側に回り込むエコーを擬似的に生成するものである。即ち、エコー生成計算回路103は、音声信号A’から、遅延量T、インパルス応答Hなる入力条件に基づいて擬似的なエコーEを生成する。
【0013】
エコー生成計算回路103は、図3Bに示す如く、先ず、図3Aのインパルス応答Hについて遅延量Tを付加してインパルス応答H’を生成する。そして、音声信号A’とインパルス応答H’について、以下の第1式に示す畳み込み演算を行うことにより擬似的なエコーEを算出する。
【0014】
【数1】
Figure 0003970746
因みに、第1式において、Mはインパルス応答の全サンプル数を示すものであり、nはサンプリングデータの番号(時刻に相当)を示すものである。
かかる畳み込み演算によって求められたエコーEは、加算回路104及びメモリ回路105へ供給される。加算回路104は、本来エコーキャンセラ100を通過する音声信号に相当する音声信号Bに上記のエコーEを加算して、音声信号BにエコーEが重畳された音声信号Cを生成する回路である。この音声信号Cは、エコーキャンセラ100の近端側入力端子Sinに入力され、その内部でエコーキャンセル処理が施された後、エコーキャンセラ100の遠端側出力端子Soutから音声信号Dとして出力される。
【0015】
また、メモリ回路105は、例えば、RAM等の半導体メモリやHDD等のディスクメモリなどの記憶媒体から構成されており、前述のエコーEに関するデータを記憶しておく部分である。
レベル測定回路106は、音声信号Bの信号レベルを測定して、その測定値に応じてスイッチSW1、SW2に対する制御信号を生成する回路である。即ち、レベル測定回路106は、その測定値が予め定めたダブルトークモードと、シングルトークモードとのモード判別閾値(例えば、−40dBm0)よりも大きな場合、ダブルトークモードと判定して、スイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフとする制御信号を各スイッチへ供給する。これによって、音声信号Bと音声信号Dが客観的通話品質評価計算回路107に供給される。一方、上記測定値がモードの判別閾値よりも小さな場合、レベル測定回路106は、シングルトークモードと判定してスイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンとする制御信号を各スイッチへ供給する。これによって、音声信号Dとメモリ回路105に記憶されたエコーEがシングルトークモード通話品質評価計算回路108に供給される。
【0016】
すなわち、客観的通話品質評価計算回路107は、ITU−T勧告P.861等の客観的通話品質評価方法を用いて、エコーキャンセラ100を用いた場合の通話品質を評価する。この場合、ITU−T勧告P.861の参照音声信号に音声信号B、被評価音声信号として音声信号Dが用いられることは言うまでもない。即ち、客観的通話品質評価計算回路107は、上記の評価方法によって評価値WQを求め、かかる評価値WQがダブルトークモードにおける供試エコーキャンセラの性能を表す指標となる。
【0017】
一方、シングルトークモード通話品質評価計算回路108は、エコーEと、エコーキャンセラ100におけるエコー除去処理後の音声信号Dを入力信号として、かかる2つの信号の電力の相対比を以下に示す第2式に基づいて算出する。
【0018】
【数2】
Figure 0003970746
因みに、第2式において、Lは、会話形式が判断可能な時間長(例えば、3秒間程度)に亘る音声信号のサンプル数を示すものであり、nはサンプリングデータの番号(時刻に相当)を示すものである。
【0019】
そして、第2式に示す電力相対比Xが、シングルトークモードにおける供試のエコーキャンセラの性能を間接的に表す指標となる。つまり、統計的な経験則を用いて相対比Xが、αdB程度であれば十分な通話品質が確保されるものとし、βdB程度あればエコーキャンセラの機能が不十分であると判定するのである。例えば、図4の表に示すような数値設定を行って、かかる判定を行うようにしても良い。なお、図4に示される表では、α=35dB、β=0dBなる設定とされているが、本発明の実施の形態は、かかる事例に限定されるものではない。また、電力相対比Xとエコーキャンセラの状態との関係についても、図4の表に示す事例に限定されるものではない。
【0020】
以上説明した如く、本実施例では、エコーキャンセラに既知のインパルス応答を供給することにより、エコーキャンセラ単体の性能を信号電力相対比Xと、ITU−T勧告P.861等で標準化されているの客観的通話品質評価方法から、客観的かつ定量的に評価することができる。また、ITU−T勧告G.165やG.168では困難であった実際の音声信号を用いたエコーキャンセラの評価試験も可能となる。
【0021】
次に、本発明の実施の形態による第2の実施例を以下に説明する。
第2の実施例によるエコーキャンセラ性能評価試験装置の構成を図5に示す。
同図からも明らかな如く、本実施例においては、エコーキャンセラ単体のみならず、エコーリターンパスを含んだ通信端末装置全体の性能評価試験を行うことができる。なお、同図中の性能評価対象となるエコーキャンセラ単体の概略構成は、前述した第1の実施例における図2に示すものと同様とする。
【0022】
先ず、図5に示されるブロック図において、スイッチSW1はオン、スイッチSW2乃至SW4はオフに設定されているものとする。なお、スイッチSW1乃至SW4は、例えば、バイポーラトランジスタやFET等の半導体素子で構成されたスイッチング素子である。
また、図5において、白色雑音発生回路201は、例えば、ダイオードの逆方向電流に重畳される熱雑音を利用した白色雑音発生回路であり、スイッチSW1を介して、白色雑音wを後述する音声符号化器設定回路202に供給する。
【0023】
音声符号化器設定回路202は、供試の通信端末装置200に用いられている音声符号化器22と同じ符号化規格の機能を備えており、通信端末装置200に用いられているものと同規格の符号化器が設定される。即ち、音声符号化器設定回路202は、入力された信号を通信端末装置200に受入可能な信号形式に符号化してこれを同装置に供給する働きを担う。
【0024】
図5に示される事例の場合、音声符号化器設定回路202は、白色雑音発生回路201からスイッチSW1を介して入力された白色雑音wに所定の符号化を施し、パケット信号PRを生成するとこれを通信端末装置200の音声復号化器21に供給する。なお、白色雑音wが音声符号化器設定回路202に入力されている期間は、エコーリターンパスにおける正確なインパルス応答を測定すべく、図5における2線側の電話器からの音声信号bの入力が禁止されることは言うまでもない。
【0025】
インパルス応答測定回路203は、上記の白色雑音wが通信端末装置200を通過してエコーキャンセラ20のRoutに出力された白色雑音w’と、本実施例による評価試験装置に接続された4線−2線変換回路23を経由して回り込んでくる白色雑音w’のエコーew’とを入力として、エコーリターンパスにおけるインパルス応答Hを求める回路である。従って、インパルス応答測定回路203は、白色雑音を用いてインパルス応答を求めるものであれば如何なる形式のものでも良く、例えば、上記の白色雑音w’とエコーew’とを入力として、これらに公知の相互相関演算を行う回路であれば良い。
【0026】
インパルス応答測定回路203で算出されたインパルス応答Hは、メモリ回路204に記憶される。メモリ回路204は、RAM等の半導体メモリでも良いし、HDDメモリ等のディスク記憶媒体でも良い。
次に、図5に示されるブロック図において、スイッチSW1がオフとされ、スイッチSW2はオンにされる。なお、スイッチSW3、SW4に関してはオフの状態が維持される。
【0027】
かかる動作に伴って、音声符号化器設定回路202には白色雑音wに替わって音声信号aが入力され、この音声信号aが音声符号化器設定回路202によって符号化されたパケット信号PRとして通信端末装置200に供給される。そして、かかる信号が通信端末装置200に内蔵されたエコーキャンセラ20の近端側出力端子Routから音声信号a’として出力される。
【0028】
一方、畳み込み演算回路205は、メモリ回路204に記憶されているインパルス応答Hと、通信端末装置200から出力された音声信号a’とを入力として以下の第3式に示す畳み込み演算を行う回路である。
【0029】
【数3】
Figure 0003970746
因みに、第3式において、Mはインパルス応答の全サンプル数を示すものであり、nはサンプリングデータの番号(時刻に相当)を示すものである。
かかる畳み込み演算を行うことによって、エコーキャンセラの遠端側に回り込むエコーeが生成される。
【0030】
畳み込み演算回路205において算出されたエコーeは、減算回路206及びメモリ回路207に供給される。ここで、減算回路206は、4線−2線変換回路23の2線側に接続された、例えば、電話器等の端末機器からの音声信号bに音声信号a’のエコーが重畳された信号ebから、畳み込み演算回路205で生成されたエコーeを減算する回路である。因みに、4線−2線変換回路25は、例えば、3巻線変成器と平衡回路網とから成るいわゆるハイブリット回路であり、信号をその伝送方向に応じて4線−2線に変換する回路である。減算回路206における減算処理によって、本来、遠端側話者に伝送されるべき音声信号bのみを抽出することができる。
【0031】
また、メモリ回路207は、畳み込み演算回路205において算出されたエコーeを記憶する記憶回路であり、前述のメモリ回路204と同様に、RAM等の半導体メモリでも良いしHDDメモリ等のディスク記憶媒体でも良い。
レベル測定回路208は、減算回路206から出力される音声信号bの信号レベルを測定して、その測定値に応じて各々のスイッチSW1乃至SW4に対する制御信号を生成する回路である。即ち、レベル測定回路208は、その測定値が予め定めたダブルトークモードと、シングルトークモードとのモード判別閾値(例えば、−40dBm0)よりも大きな場合、ダブルトークモードと判定して、スイッチSW3をオン、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオン、スイッチSW4をオフとする制御信号を各スイッチへ供給する。これによって、音声信号bが客観的通話品質評価計算回路211に供給される。一方、上記測定値がモードの判別閾値よりも小さな場合、レベル測定回路208は、シングルトークモードと判定してスイッチSW4をオン、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオン、スイッチSW3をオフとする制御信号を各スイッチへ供給する。これによって、メモリ回路207に記憶されたエコーeがシングルトークモード通話品質評価計算回路212に供給される。
【0032】
一方、音声復号化器設定回路209は、供試の通信端末装置200に用いられている音声復号化器21と同じ復号化規格の機能を備えており、通信端末装置200に用いられているものと同規格の復号化器が設定される。即ち、音声復号化器設定回路209は、通信端末装置200の音声符号化器22から符号化されて出力されるパケット信号PSを復号化して、音声信号sを再生する機能を有する。
【0033】
また、レベル調整回路210は、供試の通信端末装置200内部のレベル調整器2によって調整された信号レベルを相殺すべく、再生された音声信号sを増幅させ若しくは減衰させる回路である。
前述の如く、ダブルトークモードの場合、スイッチSW3がオンとなっているので、レベル調整回路210によりレベル調整が施された音声信号s’は客観的通話品質評価計算回路211に供給される。
【0034】
客観的通話品質評価計算回路211は、上記の音声信号bを参照音声信号とし、音声信号s’を被評価音声信号として用い、ITU−Tで勧告されているP.861などの公知となっている客観的通話品質評価方法に基づいて評価値WQを算出する。そして、かかる評価値WQがダブルトークモードの場合における、供試のエコーキャンセラ20、或いは供試の通信端末装置200の性能を示す指標となる。
【0035】
一方、シングルトークモードの場合は、スイッチSW4がオンとなっているので、音声信号s’とエコーeとがシングルトークモード通話品質評価計算回路212に入力される。シングルトークモード通話品質評価計算回路212は、エコーeと、エコー除去処理後の音声信号s’を入力信号として、かかる2つの信号の電力の相対比を以下に示す第4式に基づいて算出する。
【0036】
【数4】
Figure 0003970746
因みに、第4式において、Lは、会話形式が判断可能な時間長(例えば、3秒間程度)に亘る音声信号のサンプル数を示すものであり、nはサンプリングデータの番号(時刻に相当)を示すものである。
【0037】
上記の第4式に示す電力相対比Xが、シングルトークモードにおける供試のエコーキャンセラ20、或いは通信端末装置200の性能を間接的に表す指標となる。つまり、統計的な経験則を用いて電力相対比Xが、αdB程度であれば十分な通話品質が確保されるものとし、βdB程度あればエコーキャンセラの機能が不十分であると判定するのである。
【0038】
例えば、図4の表に示すような数値設定を行って、かかる判定を行うようにしても良い。なお、図4に示される表では、α=35dB、β=0dBなる設定とされているが、本発明の実施の形態はかかる事例に限定されるものではない。また、電力相対比Xとエコーキャンセラの状態との関係についても、図4の表に示す事例に限定されるものではない。
【0039】
以上説明した如く、本実施例では、エコーキャンセラに接続されるエコーリターンパスのインパルス応答を測定することにより、エコーキャンセラ単体の性能とエコーキャンセラを組み込んだ通信端末装置の性能の両方を、信号電力相対比Xと、ITU−T勧告P.861等で標準化されている客観的通話品質評価方法から客観的かつ定量的に評価することができる。また、従来、ITU−T勧告G.165やG.168等の方式では困難であった実際の音声信号を用いた評価試験も可能となる。
【0040】
なお、第1及び第2の実施例は、いずれもハードウェアによる構成で説明を行ったが、本発明の実施の形態は、かかる事例に限定されるものではない。即ち、前述した各実施例の構成要素の一部、或いは全部を、例えばソフトウェアを用いて機能を達成する構成要素に置き換えた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるエコーキャンセラ性能評価試験装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1のブロック図における供試エコーキャンセラの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1のブロック図におけるインパルス応答波形入力回路102の出力、及びエコー生成計算回路103で生成されるインパルス応答の概要を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、シングルトークモードにおける電力相対比Xと、エコーキャンセラ性能との対応を示す比較対応表である。
【図5】図5は、本発明によるエコーキャンセラ性能評価試験装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 エコーキャンセラ
101 エコーリターンパス遅延量設定回路
102 インパルス応答波形入力回路
103 エコー生成計算回路
104 加算回路
105,204,207 メモリ回路
106,208 レベル測定回路
107,211 客観的通話品質評価計算回路
108,212 シングルトークモード通話品質評価計算回路
200 通信端末装置
201 白色雑音発生回路
202 音声符号化器設定回路
203 インパルス応答測定回路
205 畳み込み演算回路
206 減算回路
209 音声復号化器設定回路
210 レベル調整回路

Claims (9)

  1. 第1の試験信号をエコーキャンセラの遠端入力に供給して、前記エコーキャンセラの遠端出力信号を用いて前記エコーキャンセラの性能を評価する評価手段を含むエコーキャンセラ性能評価試験装置であって、
    エコーリターンパス遅延量とエコーリターンパス・インパルス応答特性を調整自在に設定する設定手段と、
    前記エコーリターンパス・インパルス応答特性からインパルス応答を生成し、生成したインパルス応答に対して前記エコーリターンパス遅延量を付加し、得られた遅延インパルス応答と前記エコーキャンセラの近端出力信号との畳み込み演算を行い疑似エコーを生成してこれを前記エコーキャンセラの近端入力に供給するエコー生成手段と、
    を含むことを特徴とするエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  2. 第2の試験信号を前記疑似エコーに加算して前記エコーキャンセラの近端入力に供給する加算手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  3. 前記第2の試験信号の不存在時には、前記評価手段が前記エコーキャンセラの遠端出力信号と前記疑似エコーとの各々の電力を比較して前記エコーキャンセラの評価をするシングルトークモード通話品質評価計算回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  4. 前記第2の試験信号の存在時には、前記評価手段が前記エコーキャンセラの遠端出力信号と前記第2の試験信号とを所定の客観的通話品質評価方法より比較して前記エコーキャンセラの評価をする客観的通話品質評価計算回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  5. 前記設定手段は、前記エコーキャンセラの近端出力信号を外部のエコーリターンパスに中継して前記エコーリターンパスを経たエコー信号を受信し、受信したエコー信号と前記近端出力信号との相互相関演算を行うことを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  6. 前記相互相関演算の実行時に前記第1の試験信号として白色雑音を用いることを特徴とする請求項5に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  7. 前記エコーキャンセラの近端入力信号から前記疑似エコーを減算して第2の音声信号を抽出する減算手段を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  8. 前記第2の試験信号の不存在時には、前記評価手段が前記エコーキャンセラの遠端出力信号と前記疑似エコーとの各々の電力を比較して前記エコーキャンセラの評価をすることを特徴とする請求項7に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
  9. 前記第2の試験信号の存在時には、前記評価手段が前記エコーキャンセラの遠端出力信号と前記第2の試験信号とを所定の客観的通話品質評価方法より比較して前記エコーキャンセラの評価をすることを特徴とする請求項7に記載のエコーキャンセラ性能評価試験装置。
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