JP3970602B2 - 微生物の測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に多糖を有する微生物の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医学検査や食品検査、または環境測定において微生物検査は重要な検査項目となっている。近年、歯科領域においても、「齲蝕は感染症である」との認識が広がり、齲蝕の治療や予防のために口腔内の齲蝕関連菌の測定が実施されるようになった。
【0003】
被検体中の微生物の測定は、従来培養法によって実施されており、結果が判明するまで長時間かかるという問題があったが、免疫学的測定方法が開発され検査時間が大幅に短縮された。免疫学的測定方法は微生物が有する特異的な抗原に対する抗体を利用して該微生物を検出するという方法である。微生物細胞の表面に存在する抗原に対する抗体を利用すれば、検査に際して該微生物に処理を施さなくても測定できると考えられ検査が簡便になる。更に、一般的に、微生物細胞は抗原性が高いので、微生物細胞を免疫するという簡単な方法で高力価の微生物細胞表面抗原に対する抗体が得られるという利点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、口腔内の齲蝕関連菌のように表面に多糖を有する微生物を測定する場合、上記微生物細胞表面抗原に対する抗体を用いた免疫学的測定方法では高感度に測定できないという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、被検体中に含まれる表面に多糖を有する微生物を高感度で測定する微生物の測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した目的を達成するため鋭意検討した結果、微生物の免疫学的測定において、微生物の表面に存在する多糖が抗体の微生物への接触を阻害していることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1) 表面に多糖を有する微生物を免疫学的測定方法により測定するに際して、予め、該微生物をグリカナーゼ処理することを特徴とする微生物の測定方法。
(2)上記微生物は、齲触関連菌である(1)記載の微生物の測定方法。
(3)上記グリカナーゼ処理では、上記微生物をデキストラナーゼで処理することを特徴とする(1)記載の微生物の測定方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る微生物の測定方法について詳細に説明する。
【0008】
微生物とは、一般に、細菌、放線菌、菌類(酵母、糸状菌および担子菌を含む)、藻類、原生動物およびウィルス(Virus)を意味する。本発明に係る微生物の測定方法においては、これらの微生物のうち、表面に多糖を有するものを対象としている。
【0009】
ここで多糖とは、単糖類が10個以上脱水結合した糖類を意味する。多糖としては、糖類のみから構成されるものに限定されず、糖鎖がタンパク質と結合した糖タンパク質も含まれる。このような多糖は、例えば、生化学実験講座4 糖質の化学(上)(東京化学同人 第一版 1976年)81−237ページに記載されている。具体例を表示すると、糖鎖のみから構成されるものとして、グルコースから構成されるグルカン、マンノースから構成されるマンナン、フルクトースから構成させるフルクタン、グルコースとマンノースから構成されるグルコマンノグリカン、ガラクトースとマンノースからなるガラクトマンノグリカン、ヘキソサミンとウロン酸からなるムコ多糖等が挙げられる。また、糖タンパク質としては、顎下腺ムチン、グリコホリン等が表示できる。
【0010】
上記の糖類のみから構成される多糖として例示した名称は、その多糖を構成する単糖から分類したものの総称で、構成単糖の結合様式により更に細分化することができる。グルカンを例としてさらに細分化すると、グルカンを構成するグルコースの結合様式により、α1→4結合から成るアミロース、α1→6結合から成るデキストラン、α1→3結合から成るムタン、α1→4とα1→6結合から成るプルラン、アミロペクチン、β1→4結合からなるセルロース等が表示できる。
【0011】
特に、本発明に係る微生物の測定方法では、表面に多糖を有する微生物のなかでも齲蝕関連菌を対象とすることが好ましい。齲蝕関連菌は、表面が多糖で強固に覆われており、免疫学的測定を行った際に高感度な検査を行うことが困難である。したがって、本発明に係る微生物の測定方法は、齲蝕関連菌を対象とするのに適している。ここで、齲蝕関連菌は、口腔内に存在し齲蝕との関連性が指摘されている細菌を指す。具体例に、齲蝕関連菌としては、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリヌス(Streptococcus sobrinus)等のミュータンスレンサ球菌群に属する細菌、ラクトバチラス属(Lactobacillus)、アクチノミセス属(Actinomyces)等の細菌を挙げることができる。
【0012】
齲蝕関連菌の表面を覆う多糖は、測定対象の微生物が合成する場合と、測定対象微生物以外のものにより合成される場合とがある。前者の例として、ムタン、デキストラン等の多糖(歯垢)に表面を覆われた、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ソブリヌス等のミュータンスレンサ球菌群に属する細菌を例示でき、後者の例として、ミュータンスレンサ球菌群に属する細菌により合成された歯垢によって覆われているラクトバチラス属、アクチノミセス属等が表示できる。
【0013】
本発明に係る微生物の測定方法において、測定対象の微生物を含む被検体としては、例えば、微生物の培養液、微生物の懸濁液、食品およびその懸濁液、または、唾液、血漿、血清、尿等の体液、或いは歯垢等が挙げられる。齲蝕関連菌を測定する場合には、唾液、歯垢が特に好適に使用される。なお、唾液及び歯垢は、被検体中にそれぞれ単独で含まれていてもよいし、混合物として含まれていてもよい。すなわち、本発明に係る微生物の測定方法を適用して、唾液及び歯垢に含まれる齲蝕関連菌を測定することが好ましい。
【0014】
例えば歯垢のみを含む被検体は、口腔内をうがい等により洗浄し唾液成分を除去した後に採取した歯垢を用いて調製すればよい。歯垢の採取は、口腔内の特定部位の歯垢を爪楊枝、綿棒、スパチュラ等の従来公知の方法で採取することも出来るし、口腔内より無作為に採取することも出来る。このように採取された歯垢を緩衝液等の液体に懸濁し被検体とすればよい。
【0015】
例えば、歯垢と唾液の混合物を被検体とする場合は、パラフィンペレット等の咀嚼物を30秒〜10分間噛ませ、分泌された唾液を吐き出させることにより採取できる。また、唾液のみを含む被検体液は、例えば、スポイト、ピペット等の従来公知の方法で採取された唾液を用いて調製することが出来る。採取された唾液は、そのまま或いは、緩衝液等の液体で適宜希釈して被検体とすればよい。
【0016】
本発明に係る微生物の測定方法では、このようにして調製された被検体中に含まれる、前記微生物を、免疫学的測定に先立って、グリカナーゼ処理する。かかるグリカナーゼ処理により、微生物の表面に存在する多糖または微生物の表面を覆う多糖の大部分を分解することができる。その結果、多糖に埋もれていた抗原が表面に露出するようになる。従って、その後の免疫学的測定では、表面に露出した抗原によって微生物を極めて高感度に測定することが可能になる。
【0017】
本発明に係る微生物の測定方法おいて、微生物のグリカナーゼ処理は、公知の各種のエンド型、エキソ型グリカナーゼにより実施することができる。ここでグリカナーゼとは、多糖のグリコシド結合を加水分解する酵素を意味する。具体例に、グリカナーゼとしては、グルカンを加水分解するグルカナーゼ、マンナンを加水分解するマンナーゼ、フルクタンを分解するフルクタナーゼ等を例示できる。
【0018】
これらのグリカナーゼは、分解するグリコシド結合の結合様式によりさらに細分化できる。グルカナーゼを例にさらに細分化すると、α1→4結合を切断するα1,4グルカナーゼ(アミラーゼ)、α1→3結合を切断するα1,3グルカナーゼ(ムタナーゼ)、α1→6結合を切断するα1,6グルカナーゼ(デキストラナーゼ)等が例示できる。
【0019】
微生物の表面に存在するムコ多糖は、例えば、コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ等により分解できる。また、微生物の表面に存在する糖タンパク質は、例えば、グリコシダーゼにより分解できる。グリコシダーゼは、低分子量のオリゴ糖を分解する酵素として知られていたが、現在では、より複雑な糖タンパク質の糖鎖部分にも作用することが広く知られている。このため、本発明に係る微生物の測定方法において、グリカナーゼ処理はグリコシダーゼによる処理も含む意味である。グリコシダーゼとしては、例えば、グルコシド結合を分解するグルコシダーゼ、マンノシド結合を分解するマンノシダーゼ、ガラクトシド結合を分解するガラクトシダーゼ等が例示できる。
【0020】
本発明に係る微生物の測定方法において、グリカナーゼ処理は、これらグリカナーゼを単独で使用しても良いし、複数のものを混合して使用しても良い。また、例えば、Biosci.Biotechnol.Biochem.64巻(2000年)223−228ページに記載されているDXAMaseのように、複数の酵素活性(DXAMsaeはデキストラナーゼとアミラーゼ活性を持つ)を持つ酵素も使用できる。
【0021】
これらグリカナーゼは、例えば、シグマ アルドリッチジャパン株式会社総合カタログ2001〜2002 No.1(2001年3月発行)1513〜1551ページに記載されているような市販されているものが制限無く使用できる。また、酵素ハンドブック(丸尾文治ら監修.第1版.朝倉書店.1982年)493−524、706−709ページや、う蝕細菌の分子生物学(武笠英彦監修.第1版.クインテッセンス出版.1997年)226―238ページに記載されているように、例えば、アミラーゼは、Aspergillus oryzae、Buttilus subtilis等の生産菌より、デキストラナーゼはPenicillium luteum、Chaetomium gracile、Aspergillus carneus等の生産菌より、ムタナーゼはAspergillus niduians、Trichoderma harzianum、Pseudomonas sp.NRRL−B−12324等の生産菌より、コンドロイチナーゼはFlavobacterium heparoum、Arthrobactor auressens等の生産菌より、ヒアルロニダーゼはStreptomyces hyalurolyticus等の生産菌またはウシ睾丸より、公知の方法で分離精製し得ることができる。また、例えばDXAMsaeは、生産菌であるLipomyces starkeyiの培養上清よりBiosci.Biotechnol.Biochem.64巻(2000年)223−228ページに記載されている方法により精製できる。
【0022】
本発明に係る微生物の測定方法において、グリカナーゼ処理は、使用する酵素の至適pH付近(一般的にはpH4.0から9.0の範囲)の緩衝液に被検体と酵素を懸濁し、15〜60℃に保温することで実施できる。
【0023】
以下、齲蝕関連菌を例にして、本発明に係る微生物の測定方法におけるグリカナーゼ処理を具体的に説明する。
【0024】
口腔内の齲蝕関連菌、即ち、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ソブリヌス等のミュータンスレンサ球菌に属する細菌、ラクトバチラス属(Lactobacillus)、アクチノミセス属(Actinomyces)等の菌は歯垢で覆われている。歯垢は主に、α1→3グルカン(ムタン)とα1→6グルカン(デキストラン)から構成されている(武笠英彦監修.う蝕細菌の分子生物学−研究の成果と展望−.104―111ページ.第1版.クインテッセンス出版.1997年)。
【0025】
齲蝕関連菌を検出するには、後述する検査に先立ちムタン、デキストランを分解する。ムタンとデキストランの分解は、例えば、ムタナーゼ、またはデキストラナーゼにより実施できる。デキストラナーゼとしては市販のデキストラナーゼ(シグマアルドリッジ ジャパン カタログNo.D8144)、Chaetomium gracileのデキストラナーゼ、またはデキストラナーゼとアミラーゼの両方の活性を持つDXMAase等のα1→6グルカンを分解できる酵素が使用できる。ムタナーゼとしてはAspergillus niduiansのムタナーゼ、Trichoderma virideのムタナーゼ等α1→3グルカンを分解できる酵素が使用できる。これらの酵素は単独で用いてもよいし、複数の酵素を混合して使用しても良い。
【0026】
微生物を覆っているムタンとデキストランの分解は、被検体をpH4.0〜9.0の範囲、更に好適にはpH5.0〜8.0の範囲の0.01M〜0.5Mの緩衝液に懸濁するか、または被検体に上記のpH、緩衝液濃度となるように緩衝液を加え、酵素を反応液1mlあたり0.1〜2000単位、さらに好適には1〜1000単位、最も好適には1〜500単位添加し、15℃〜60℃で10分〜24時間保温することで実施するのが好ましい。なお、1単位とは、1分間にグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じる酵素量である。
【0027】
なお、一般的に、多糖の分解処理としては、本発明の方法で実施されるグリカナーゼによる酵素処理の他に、化学的方法が知られている。化学的方法としては、例えば、生化学実験講座4 糖質の化学(上)(東京化学同人 第一版 1976年)81−258ページに記載されている不溶性多糖の可溶化法(抽出法)に従って実施できる。化学的方法の具体例として、アルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、変性剤処理等が表示でき、具体的な操作方法として、アルカリ処理の場合には、0.05〜5Mの水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム溶液中で、酸処理としては0.1M〜5Mの塩酸、または酢酸溶液中で、界面活性剤処理の場合は、0.01%〜10%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルコール酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤、またはトリトンX−100、ツイーン20等の非イオン性界面活性剤の溶液中で、変性剤処理の場合は1〜8Mの塩酸グアニジン、または尿素溶液中で、4℃〜120℃にて5分〜24時間放置するという方法等が例示できる。
【0028】
しかし、これらの化学的方法は、処理条件が過酷であるために、微生物を覆っている多糖類を分解すると同時に、微生物表面の抗原にも作用し抗原性を低下させる。
【0029】
これに対して、酵素反応により多糖を分解する場合には、処理条件が微生物にとって過酷ではなく、微生物表面の抗原性を低下させることがない。したがって、本発明に係る微生物の測定方法において、グリカナーゼ処理は酵素反応により行うことが好ましい。
【0030】
また、口腔内の齲蝕関連菌であるストレプトコッカス・ミュータンスを免疫学的方法により測定する際に、被検体中に含まれる夾雑物を溶解させる目的で、予め、唾液をアルカリ処理することも知られている。この場合、該アルカリ処理の目的は、微生物を覆っている多糖を分解する目的ではないため、かかる処理による表面抗原への影響は確認されていない。しかしながら、アルカリ処理では、表面抗原の抗原性が低下し、高感度に微生物を測定できない虞がある。したがって、本発明に係る微生物の測定方法においては、被検体中に含まれる夾雑物を溶解させる目的でアルカリ処理を行わないほうが好ましい。
【0031】
本発明に係る微生物の測定方法では、上記のように微生物をグリカナーゼ処理した後に、免疫学的測定方法によって該微生物を測定する。以下、該免疫学的測定方法について説明する。
【0032】
免疫学的測定方法では、測定対象の微生物に特異的に結合するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体を使用する。該抗体におけるグロブリンクラスは特に限定されず、現在知られている全てのグロブリンクラスが使用できる。更に、通常の抗体分子のみならず、該抗体の部分分解物(Fab、Fab’、Fab’2等)、及び該抗体の活性フラグメント(抗体の抗原認識部位)も使用できる。
【0033】
例えば、齲蝕関連菌の検査のためには、齲蝕関連菌に対する抗体を使用する。このような抗体は公知であり、具体例としてストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗体としては、特開平10−36400号公報に記載のモノクローナル抗体、ストレプトコッカス・ソブリヌスに対する抗体としては、阪大医学雑誌(1990年)35巻93−109ページに記載のポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が例示できる。しかし、齲蝕関連菌に対して特異的に結合する抗体であれば特に限定されず、公知の方法で作製したポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が何ら制限無く使用できる。
【0034】
例えば、ポリクローナル抗体は、免疫動物に齲蝕関連菌の菌体または菌体から得られる抗原抽出液を免疫することにより得ることができる。得られたポリクローナル抗体は、他の微生物との交差反応性を有する抗体の除去等の精製処理により、さらに特異性をあげて使用するのが好ましい。
【0035】
免疫学的測定方法の具体的手法は、免疫凝集法、光学免疫測定法、標識免疫測定法、およびこれらの組合わせ等の従来公知の方法が制限無く採用出来る。
【0036】
以下、これら免疫学的測定方法について説明する。
【0037】
[免疫凝集法]
免疫凝集法は、抗原抗体反応に基づく不溶性担体の凝集反応を利用して、被検体中の微生物を検出、定量する方法である。半定量的方法としてはラテックス凝集法、マイクロタイター法等が、定量的測定法としてはラテックス定量法等がある。
【0038】
例えば、ラテックス凝集法を利用して被検体中の微生物を免疫学的に測定する場合には、ラテックスビーズに抗体を固定化した抗体感作粒子からなる測定試薬を作製後、該測定試薬と被検体を混合し、抗原抗体反応後における感作粒子の凝集の度合を、目視、或いは光学的測定法等により検出することで測定することが出来る。
【0039】
[光学免疫測定法]
光学免疫測定法は、抗体と被検体とを接触させて抗原抗体反応を行った場合に、抗原抗体反応の結果生じる凝集物の濁度の変化を検出する方法、抗体を透明な支持体上に固定化した測定試薬に被検体を接触させ、抗原抗体反応の結果粒子状の菌体が透明支持体上に結合することによる透過度の変化を検出する方法、又は抗体を固定化した薄層(以下、抗体層ともいう。)に被検体を接触させ、抗原抗体反応の結果生じる抗体層の屈折率の変化を透過光や表面プラズモン波等の変化として検出する方法等、抗原抗体反応の有無を光学的に検出する方法のことである。
【0040】
[標識免疫測定法]
標識免疫測定法は、抗体に放射性物質、酵素、各種色素類、コロイド類、各種粒子等の各種標識物質を結合させて得た標識抗体を含む測定試薬と、被検体とを接触させて抗原抗体反応を行った後に、被検体中の抗原に結合した標識物質の量、すなわち標識物質に由来する放射活性、酵素活性、蛍光強度、着色等を測定することによって、被検体中の微生物を検出、定量する方法である。
【0041】
該方法では、例えば抗体を固定化した不溶性担体(粒子、メンブレン、イムノプレート等)からなる測定試薬と被検体とを接触させて抗原抗体反応を行った後に、抗体を標識物質で標識した標識抗体を含む別の測定試薬を接触させて更に抗原抗体反応を行った後に、標識物質の量を測定することによって、又は被検体と標識物質で標識した微生物の菌体または菌体表面抗原とを混合し、抗体を固定化した不溶性担体からなる測定試薬に接触させて抗原抗体反応を行った後に、抗体に結合した標識物質の量を測定することによって被検体中の微生物を検出、定量することができる。
【0042】
標識物質としては、放射性物質として放射性ヨード、放射性炭素等が、酵素としてペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ガラクトシダーゼ等が、各種色素類として、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミン等の蛍光色素類が、コロイドとして金コロイド、炭素コロイド等が、各種粒子としては着色ラテックス粒子等が使用出来る。なお、酵素標識を行う場合は、チオール基とマレイミド基、アミノ基とアルデヒド基等の共有結合により直接標識する、或いはビオチン−アビジン複合体を介し標識する等の方法が使用可能である。また、標識酵素としてアルカリホスファターゼ及びパーオキシダーゼを使用し、さらに前者の酵素の場合にはジオキセタン誘導体等の化学発光物質を、また後者の酵素の場合にはルミノール誘導体等の化学発光物質を酵素の基質として使用した場合には、該基質の発光を検出することも出来る。
【0043】
これら各種標識免疫測定法における操作、手順等は一般に採用されているそれらと特に異ならず、公知の非競合法や競合法、サンドイッチ法等に準じることが出来る。また、抗体と共に、上記の各標識物質で標識した二次抗体、プロテインA等の抗体に結合可能な物質を使用して微生物の検出・定量に用いることもできる。
【0044】
該標識免疫測定法では、用いる標識に応じて従来使用されている方法が特に限定無く使用できるが、中でも放射性物質を標識として使用する放射免疫測定法、酵素を標識として使用する酵素免疫測定法(以下ELISA法と略すことがある)、色素、特に蛍光色素を標識として利用する蛍光免疫測定法、酵素の基質としての化学発光物質を標識として利用する化学発光免疫測定法等は定量性が高いので、高精度の定量測定を行なう場合にはこれら測定方法を採用するのが好適である。また、コロイドまたは各種粒子を標識として使用するフロースルー免疫測定法、免疫クロマト法、並びにラテックス凝集法は、操作が簡便であるという特徴がある。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
製造例1[ストレプトコッカス・ミュータンスに対するポリクローナル抗体と酵素標識抗体の作製]
(1)〔ストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗血清の作製〕
ブレインハートインフージョン(以下、「BHI」と略することもある;DIFCO社)3.7gを100mlの超純水に溶解後、オートクレーブ処理し、BHI液体培地を調製し、Ingbritt(ストレプトコッカス・ミュータンス)を37℃、18時間、嫌気条件下で培養した。培養液を4000g、5分遠心処理し、上清の培地成分を除去し菌体沈殿を回収した。次いで、沈殿物を100mlのリン酸生理食塩緩衝液(pH7.4)(以下、「PBS」と略すこともある)に懸濁させて、同様の遠心分離をする操作を3回行い、沈殿物を洗浄した。
【0047】
菌体沈殿をPBSに懸濁しA600=1.0に調整し、Ingbrittの菌体懸濁液を調製した。なお、該菌体懸濁液を超音波処理後、適宜希釈した後にBHI培地プレート上に添加し、生じたコロニー数を計数し菌体懸濁液の希釈倍率を乗じることで該菌体懸濁液の菌体濃度を求めたところ、約1×109個/mlであった。
【0048】
免疫は以下のように実施した。
第1週は菌体懸濁液0.5mlを、5日連続で5回ウサギに対し耳介静脈注射した。第2週は該菌体懸濁液1.0mlを、5日連続で5回ウサギに対し耳介静脈注射した。第3週は菌体懸濁液2.0mlを、5日連続で5回ウサギに対し耳介静脈注射した。第4週は第3週と同様に免疫した。力価の上昇をスライドグラスを利用した菌体の凝集反応の程度により確認後、最終免疫より1週間後に、定法に従い採血してストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗血清を得た。
【0049】
(2)〔ストレプトコッカス・ミュータンスに対するポリクローナル抗体の精製〕
BHI培地にて、上記(1)と同様の方法でChallis(ストレプトコッカス・ゴルドニイ)、IFO13956(ストレプトコッカス・サリバリウス)、ATCC35037(ストレプトコッカス・オラリス)を培養した後、PBSで洗浄し、それぞれ2×1012個/ml含む菌体懸濁液30mlを調製した。次いで該菌体懸濁液と、抗血清0.5mlを混合し4℃、60分反応した。混合液を4000g、5分遠心処理後上清を分取し、0.22μmフィルターで濾過した。
【0050】
次いで、あらかじめPBSで平衡化した1mlのプロテインA−セファロース(ファルマシア社)を充填したカラムに上清試料を添加し、5mlのPBSでカラムを洗浄後、5mlの0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.0)にて溶出し、直ちに1Mトリス−塩酸(pH9.0)を添加しpH7.4に調整した。IgGの溶出画分は、A280を測定することで確認した。0.5mlの抗血清より、約5mgのIgGを回収した。
【0051】
(3)[ポリクローナル抗体のアルカリホスファターゼによる標識]
10mgのアルカリフォスファターゼ(和光純薬社)に1.25%グルタルアルデヒドを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)を0.2ml加え、室温で18時間反応させた。次いでPBSで平衡化したSephadex G−25(アマシャムファルマシアバイオテク社)を充填したカラムによるゲル濾過でアルカリホスファターゼ画分を回収した。1mlのアルカリホスファターゼ画分と1mlの抗ストレプトコッカス・ミュータンスポリクローナル抗体(5mg/ml)とを混合し、0.2mlの1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)を加え、4℃で24時間反応させた。反応後、0.1mlの0.2Mリジンを加え、PBSに対し透析した。
【0052】
実施例1[グリカナーゼ処理により多糖を分解した被検体のサンドイッチELISAによる測定]
(1)[菌体懸濁液の調製]
BHI液体培地または0.5%スクロースと0.5%グルコースを含むBHI液体培地2ml中でIngbritt(ストレプトコッカス・ミュータンス)を37℃、18時間、嫌気条件下(N2:H2:CO2=80:10:10)でそれぞれ培養した後、培養液を4000g、5分遠心処理し、上清の培地成分を除去し菌体沈殿をそれぞれ回収した。次いで、沈殿物を5mlのPBSに懸濁し、同様の遠心分離をする操作を3回行い、沈殿物をそれぞれ洗浄した。
【0053】
IngbrittはBHI液体培地中で培養した場合、菌体外多糖を殆ど産生しないが(多糖非産生菌体)、0.5%スクロースと0.5%グルコースを含む培地中で培養すると菌体外多糖を産生し、菌体が多糖で覆われた状態となる(多糖産生菌体)。上記操作で得られた沈殿物をそれぞれPBSに懸濁し、多糖非産生菌体懸濁液と多糖産生菌体懸濁液を調製した。
【0054】
(2)[多糖で覆われた菌体の多糖分解処理]
多糖産生菌体を20mM酢酸緩衝液(pH5.5)に懸濁して109個/mlとし、ここに5、10、50、100単位のデキストラナーゼ(シグマ アルドリッチジャパン社 D8144)を加え、40℃にて6時間転倒混和し、多糖の分解を行った。
【0055】
(3)[サンドイッチELISA]
製造例1で製造した抗ストレプトコッカス・ミュータンスポリクローナル抗体をPBSで希釈し、30μg/mlとした。この抗体溶液を96穴イムノプレート(Nunc社、Maxisorp)の各ウェルに100μlずつ添加し、4℃、18時間放置し固定した後、イムノプレートから溶液を除去し、各ウェルを300μlのPBSで3回洗浄した。
【0056】
次いで、イムノプレートの各ウェルに、2%BSA−0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)を300μl添加し、37℃、2時間放置した後、イムノプレートから2%BSA−炭酸緩衝液(pH9.0)を除去し、300μlの0.05%Tween20−PBS(pH7.4)で3回洗浄した。
【0057】
次いで、106個/mlとなるようPBSで希釈した多糖非産生菌体懸濁液、多糖産生菌体懸濁液、デキストラナーゼ処理多糖産生菌体懸濁液を各100μlずつイムノプレートのウェルに分注し、37℃にて1時間保温した後、イムノプレートから溶液を除去し、300μlの0.05%Tween20−PBS(pH7.4)で3回洗浄した。
【0058】
次いで、製造例1で作製したアルカリホスファターゼ標識ポリクローナル抗体を、1%BSA−0.05%Tween20−PBS(pH7.4)にて2μg/mlとなるよう希釈し、イムノプレートの各ウェルに100μl添加し、37℃、1時間放置した後、イムノプレートから溶液を除去し、300μlの0.05%Tween20−PBS(pH7.4)で3回洗浄した。
【0059】
次いで、発色基質溶液として、p−ニトロフェニルリン酸の2−エタノールアミン水溶液(バイオラッド社)を各ウェルに100μlずつ添加し、室温下20分反応した。反応後、0.4MのNaOHを各ウェルに100μlずつ添加し反応を停止し、405nmの吸光度を測定した。結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
Figure 0003970602
【0061】
多糖産生菌体懸濁液を測定した場合、405nmの吸光度は多糖非産生菌体懸濁液を測定した場合の1/10以下であり、多糖産生菌体においては抗体の結合が阻害されたことが分かった。
【0062】
また、表1から分かるように、デキストラナーゼ処理により多糖が分解された多糖生産菌体懸濁液を測定した場合、吸光度の値が多糖生産菌体懸濁液より上昇していた。このことから、デキストラナーゼ処理によって多糖を分解することによって、多糖生産菌体に対する抗体の結合の効率が大幅に回復することが分かった。さらに、酵素添加量に比例した405nmの吸光度の上昇も観察されており、これはデキストラナーゼ処理の程度を高めることにより、菌体を覆っている多糖の分解も比例して高まり、多糖生産菌体に対する抗体の結合の効率がさらに回復することが分かった。
【0063】
比較例1[化学的方法により多糖を分解した被検体のサンドイッチELISAによる測定]
多糖産生菌体懸濁液をアルカリ処理することによって、多糖生産菌体を覆ってる多糖を分解した。すなわち、1mlの多糖産生菌体懸濁液(109個)に0.5、1.0、3.0、5.0M水酸化ナトリウム溶液を0.1ml添加し(終濃度0.05、0.1、0.3、0.5M)、10分間室温で放置した後、0.5、1.0、3.0、5.0M塩酸溶液を0.1mlそれぞれ添加し中和した。
【0064】
実施例1と同様の方法により、多糖非産生菌体、多糖産生菌体、アルカリ処理菌体をサンドイッチELISAにより測定した。
【0065】
【表2】
Figure 0003970602
【0066】
表2から明らかなように、アルカリ処理菌体を測定した場合、吸光度の値が多糖生産菌体懸濁液より上昇していた。このことから、アルカリ処理によって多糖を分解することによって、多糖生産菌体に対する抗体の結合の効率が回復することが分かった。しかしながら、実施例1と比較すると、アルカリ処理では、デキストラナーゼ処理ほど多糖生産菌体に対する抗体の結合効率を回復させることができなかった。
【0067】
また、0.1Mを超える水酸化ナトリウム溶液でアルカリ処理を行った場合は、無処理の多糖生産菌体懸濁液を測定した吸光度よりは高い吸光度を観察できたが、吸光度の減少が認められる。これは微生物表面抗原に水酸化ナトリウムが作用し、抗原性が低下したためと推察された。
【0068】
【発明の効果】
本発明に係る微生物の測定方法によれば、簡便な方法により、表面に多糖を有する微生物を感度良く測定することが可能となる。

Claims (1)

  1. ムタン又はデキストランに覆われた齲蝕関連菌を免疫学的測定方法により測定するに際して、予め、該微生物をムタナーゼ又はデキストラナーゼにより処理することを特徴とする微生物の測定方法。
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