JP3969857B2 - 結像素子アレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体走査書込方式のデジタル書込光学系に用いられる結像素子アレイに関するもので、デジタル複写機、プリンタ、デジタルファクシミリなどに適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機やプリンタ等の光書込方式は、光源から出射したレーザ光を偏向器によって偏向走査するラスタースキャン方式と、発光ダイオードアレイ(LEDA)光源のように複数の発光部を主走査方向にアレイ状に配列した光源部とこの光源部の各発光部に対応するようにレンズがアレイ状に配列されたレンズアレイとから構成された固体走査書込方式との2種類に分類することができる。
【0003】
上記固体走査書込方式には、特開昭57−37326号公報に記載されているようにレンズアレイとルーフミラーアレイから構成されたルーフミラーレンズアレイ(RMLA)を用いたものや、特公昭61−2929号公報に記載されているようにレンズ部とルーフプリズム部が一体的にアレイ状に形成されたルーフプリズムレンズアレイ(RPLA)を用いたものなど様々なタイプがある。この固体走査書込方式は、偏向器等の機械的な駆動部品を必要とせず、また、光路長を短くすることができるため、上記ラスタースキャン方式に比べて、装置全体を小型化することができる等の利点がある。
【0004】
光書込方式の分野においては、近年、装置の高密度化に伴って、光スポットの小径化が進んできており、小径でかつ安定した光スポットが要求されていると共に、高速化も同時に求められている。高速化の要求に対しては、固体走査方式は、上述のように機械的な駆動部品を必要としないため、ラスタースキャン方式に比べて有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、固体走査書込方式は、複数の光源と長尺の結像素子を有しているため、光源および結像素子のばらつきによって像面上における光スポットがばらつきやすい。また、固体走査書込方式では、縦スジと呼ばれる画像上のスジが発生しやすく、画像劣化の問題がある。この問題は、光源のアレイ配列方向、すなわち主走査方向における光スポットの安定性に起因しており、この画像劣化の問題を解決する上でも、安定した光スポットを得ることは不可欠である。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、球面収差を補正過剰にして意図的に発生させることにより、安定した光スポットを得ることができる結像素子アレイを提供することを目的とする。また、歪曲収差をゼロに補正して光スポットの位置ズレをなくし、もって、光スポットの安定化を図ると共に、良好な画像を得ることができる結像素子アレイを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子アレイにおいて、各結像素子の球面収差を補正過剰とすることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記各結像素子に対し、物体高さを配列ピッチと等しくしたときの光線高さをhとしたとき、0.75h<h’<hとなるh’において、球面収差がゼロとなることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差で調整することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差を調整して近軸結像位置よりもマイナス側に持ってくることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、像面位置でのアレイ配列方向の光スポット径をBm、上記アレイ配列方向に対して直交する方向の光スポット径をBsとしたとき、B=max(Bm、Bs)として、|(Bm−Bs)/B|≦0.2を満足することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記結像素子アレイは、アレイ配列方向において正立等倍系であることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記各結像素子は、対称系であることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記各結像素子は、レンズ面を有し、少なくともその一面の面形状は、
X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}]+AY4+BY6+CY8+DY10
ただし、R:近軸曲率半径,K:円錐定数,A、B、C、D:定数
を満足する非球面形状であることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項1、2、3、4、または5記載の発明において、発光素子アレイと、上記発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子とからなる画像出力ユニットを構成し、光スポットによる画像書き込みにより静電潜像を形成する画像出力装置における上記結像素子として用いられていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる結像素子アレイの実施の形態について説明する。本発明は、前述の通り、固体走査書込方式のデジタル書込光学系に用いられる結像素子アレイに関するものである。固体走査書込方式の光学系は、複数の発光素子が主走査方向にアレイ状に配列された光源部としての発光素子アレイと、この発光素子アレイの各発光素子に対応するように複数の結像素子が主走査方向にアレイ状に配列された結像素子アレイとから主に構成されている。この結像素子アレイは、上記発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するためのものである。本発明は、この結像素子アレイの各結像素子の球面収差を補正過剰にして意図的に発生させることにより、安定した光スポットを得ることを特徴としている。
【0017】
上記球面収差とは、周知の通り、光軸上の1点から出る光線が光学系に入射したとき、入射点の光軸からの距離によって光線が光軸と交わる位置が異なる収差をいい、レンズの焦点距離が半径方向に不均一なために起こる収差のことである。図3は、本発明の実施例の球面収差とその光線図を示していて、図1、図2および図4は、本発明と比較するための例であり、それぞれ球面収差とその光線図を示している。
【0018】
図1には、比較例として球面単レンズの一例を示している。図1(b)に示すように、この場合の球面収差は、光軸上の光線から周辺の光線まで常にマイナス側にあるため、光線の集光点、すなわち光スポットが最小になる点は、図1(a)に示すように近軸像面に対しマイナス側に生じてしまう。従って、この場合は球面収差の補正が不足していることになる。
【0019】
図2には、比較例として物体高さを配列ピッチと等しくしたときの光線の球面収差がゼロとなるように完全補正された非球面単レンズの一例を示している。図2(b)に示すように、この場合の球面収差は、図1に示す例と同様に、光軸上の光線から周辺の光線まで常にマイナス側にあるため、光線の集光点は、図2(a)に示すように近軸像面に対しマイナス側に生じてしまう。
【0020】
図4には、比較例として、どの光線高さにおいても球面収差がゼロとなる非球面単レンズの一例を示している。図4(b)に示すように、この場合の球面収差は、光軸上の光線から周辺の光線まで常にゼロであるため、光線の集光点は、図4(a)に示すように近軸像面上に一致する。しかし、この場合は、光スポットが近軸像面上で絞られすぎているため、光スポットの小径化を図ることはできても、光スポット径が小さくなる分、近軸像面近傍におけるデフォーカスに対する光スポットのばらつきが大きくなってしまいがちである。
【0021】
図3には、本発明の実施例を示しており、球面収差を意図的に補正過剰に発生させた非球面単レンズの一例を示している。図3(b)に示すように、光軸上およびその近傍の光線の球面収差はマイナス側にあり、一方、周辺の光線の球面収差はプラス側にある。従って、光線の集光点は、球面収差がマイナス側にある光線と、球面収差がプラス側にある光線のバランスによって決定され、図4(a)に示すように近軸像面上における光スポットの径が近軸像面上に一致しているものに比べて、数μm〜10μm程度に若干大きくなっている。
【0022】
このように、球面収差を意図的に補正過剰に発生させて、近軸像面上における光スポットに若干の広がりを持たせることにより、光スポットの径が小さいことにより生じる、近軸像面近傍におけるデフォーカスに対する光スポットのばらつきを抑えることができ、光スポットの安定化の向上を図ることができる。特に、物体高さを配列ピッチと等しくしたときの光線の高さをhとしたとき、
0.75h<h’<h
となる高さh’において、球面収差がゼロとなるようにすれば、より光スポットの安定化の向上を図ることができる。図3(b)に示すように、この実施例では、上記範囲h’内で球面収差がゼロとなるようになっている。なお、上述では、0.75h<h’<hとなる高さh’において球面収差がゼロとなるようにしているが、好ましくは、0.75h<h’<0.95hとなる高さh’において球面収差がゼロとなるようにしたほうがよい。
【0023】
また、球面収差がマイナス側にある光線と、球面収差がプラス側にある光線のバランスを調整することにより、軸像面上における光スポットに若干の広がりを持たせると共に、少なくともアレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値である集光点の位置を近軸像面上に一致させることができる。
【0024】
また、環境変化を考慮して球面収差のバランスを調整しておけば、光線の集光点の位置を調整することができる。例えば、樹脂で成形された結像素子アレイを用いる場合、装置を設置した室内の温度が上昇すると、結像素子アレイのレンズは膨張し、その結果、焦点距離が伸びて結像位置がずれてしまう場合があるが、このような場合は、温度の上昇変化をあらかじめ考慮して球面収差を調整し、少なくともアレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値である集光点の位置を近軸像面位置よりもマイナス側に持ってくるように補正過剰にしておけば、装置を設置した室内の温度が上昇しても、結像位置ずれなどを防止することができる。
【0025】
また、球面収差を補正過剰に発生させる際に、アレイ配列方向と、アレイ配列方向に対して直交する方向との光スポット径の偏差を20%以下とすることにより、より良好な画像を得ることができる。すなわち、像面位置でのアレイ配列方向の光スポット径をBm、アレイ配列方向に対して直交する方向の光スポット径をBsとしたとき、B=max(Bm、Bs)として、
|(Bm−Bs)/B|≦0.2 ・・・(1)
を満足するように、球面収差を補正過剰に発生させることにより、より良好な画像を得ることができる。
【0026】
また、結像素子アレイを、アレイ配列方向である主走査方向において正立等倍系にすることにすることができる。結像素子アレイが正立等倍系である場合、ある発光素子Aから出射された光束は、複数の結像素子を介して感光体面上のA’点に到達する。しかし、結像素子アレイが正立等倍系でない場合は、複数の結像素子を介したとしても感光体面上のA’点に各光束が到達することができない。従って、結像素子アレイを、アレイ配列方向である主走査方向において正立等倍系にすることにより、伝達効率を高めることができる。
【0027】
また、各結像素子を対称系とすることにより、すなわち、入射側の光学系と出射側の光学系とが対称系の光学系とすることにより、結像系の歪曲収差をゼロに補正することができる。発光素子アレイは、各発光素子が等間隔でアレイ状に配列されているものであり、上記のようにして結像系の歪曲収差を抑えることにより、上記各発光素子における光スポットの位置ズレをなくすことができ、光スポットの位置精度を向上させることができる。
【0028】
また、各結像素子は、レンズ面を有していて、少なくともその一面の面形状を、
ただし、R:近軸曲率半径,K:円錐定数,A、B、C、D:定数
を満足する非球面形状にすることができる。このように各結像素子の一面を非球面形状にし、この非球面形状を適宜設計することにより、球面収差を補正過剰に容易に発生させることができる。
【0029】
また、結像素子アレイは、発光素子アレイと組み合わせて、画像出力ユニットとして用いることができる。すなわち、発光素子アレイと、上記発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子とからなる画像出力ユニットを構成し、光スポットによる画像書き込みにより静電潜像を形成する画像出力装置において、上記結像素子として結像素子アレイを用いることができる。
【0030】
次に、ルーフプリズムレンズアレイ(RPLA)、またはルーフミラーレンズアレイ(RMLA)とを用いた本発明の実施例とについて具体的に説明する。
【0031】
図5には、ルーフプリズムレンズアレイ(RPLA)の一例を示している。ルーフプリズムレンズアレイは、一方の側にプリズム面が形成され、他方の側にレンズ面が形成され、このプリズム面とレンズ面がともに主走査方向にアレイ状に配列された光学結像素子である。図5の例では、ダハプリズム面3が入射光軸および反射光軸に対し45度傾斜させて形成されると共に、このダハプリズムと一体に入射レンズと出射レンズが形成されている。
【0032】
図5に示すように、このルーフプリズムレンズアレイは、入射側と出射側の二つのレンズ面4が上記(2)式を満足する非球面形状となっていて、球面収差が補正過剰されたものである。また、ダハプリズム面3は結像に作用せず、通常の単レンズと同様の構成となっている。ルーフプリズムレンズアレイは、このダハプリズム面3を基準にして入射側と出射側とが対称系となっていて、アレイ配列方向(紙面に対して直交方向)において正立等倍系となっている。このルーフプリズムレンズアレイの光学データを以下に示す。
λ(波長)=755nm
P(素子ピッチ)=1.8mm
L(光源からレンズ面4までの距離)=12mm
D(レンズ面4の中心からダハプリズム面3の中心までの距離)=3.2mm
n(屈折率)=1.525
R(レンズ面4の近軸曲率半径)=6.3mm
k(円錐定数)=−1.4
A=0.0
B=0.0
C=−1.0E−3
D=0.0
【0033】
図7には、上記ルーフプリズムレンズの球面収差特性を示し、図8には、ルーフプリズムレンズアレイの光スポットを示している。なお、光源の発光素子として、発光ダイオードアレイ(LEDA)を想定し、計算の簡略化のために単一波長光源として扱っているが、複数波長光源としても同様に計算することができる。また、図8のデータから上記(1)式より、
|(Bm−Bs)/B|=|(23.6−27.7)/27.7|
=0.15≦0.2
となり、アレイ配列方向と、アレイ配列方向に対して直交する方向との光スポット径の偏差が15%となっている。これは、上記偏差を20%以下とする条件を満足している。
【0034】
次に、別の実施例について説明する。図6には、ルーフミラーレンズアレイ(RMLA)の一例を示していて、(a)は平面図、(b)はその側面図を示している。ルーフミラーレンズアレイ(RMLA)は、多数のレンズを主走査方向にアレイ状に配列して板状に形成したレンズアレイ1と、その後方に配置された多数のダハミラーを主走査方向にアレイ状に配列して板状に形成したダハミラーアレイ5とからなり、各レンズと各ダハミラーとがそれぞれ対応している光学結像素子である。図6の例では、ダハミラーアレイ5は入射光軸に対して傾斜することなく正対していて、一つのレンズから入射した光束はダハミラーで反射されて上記一つのレンズから出射するようになっている。
【0035】
図6に示すように、このルーフミラーレンズアレイは、レンズアレイ1の二つのレンズ面が上記(2)式を満足する非球面形状となっていて、球面収差が補正過剰されたものである。また、ルーフミラー面5は結像に作用せず、従って、ルーフミラーレンズアレイは通常の2枚で構成された単レンズと実質的に同様の構成となっている。ルーフミラーレンズアレイは、このルーフミラー面5を基準にして対称系となっていて、アレイ配列方向(紙面に対して直交方向)において正立等倍系となっている。このルーフミラーレンズアレイの光学データを以下に示す。
λ(波長)=755nm
P(素子ピッチ)=1.6mm
L1(光源6からレンズ面までの距離)=11mm
D(レンズアレイ1のレンズ面の光軸方向の肉厚)=1.5mm
L2(レンズ面からルーフミラー面5までの距離)=1.5mm
n(屈折率)=1.525
R1(光源6側のレンズ面の近軸曲率半径)=2.3mm
k1(円錐定数)=0.36
R2(ルーフミラー面5側のレンズ面の近軸曲率半径)=3.306mm
k2(円錐定数)=5.947
【0036】
図9には、上記ルーフミラーレンズの球面収差特性を示し、図10には、ルーフミラーレンズアレイの光スポットを示している。なお、光源の発光素子として、発光ダイオードアレイ(LEDA)を想定し、計算の簡略化のために単一波長光源として扱っているが、複数波長光源としても同様に計算することができる。また、図10のデータから上記(1)式より、
|(Bm−Bs)/B|=|(22.9−26.9)/26.9|
=0.15≦0.2
となり、アレイ配列方向と、アレイ配列方向に対して直交する方向との光スポット径の偏差が15%となっている。これは、上記偏差を20%以下とする条件を満足している。
【0037】
以上のように、上記実施の形態によれば、結像素子アレイの各結像素子の球面収差を補正過剰にして意図的に発生させ、近軸像面上における光スポットに若干の広がりを持たせることにより、光スポットの径が小さいことにより生じる、近軸像面近傍におけるデフォーカスに対する光スポットのばらつきを抑えることができ、もって、光スポットの安定化の向上を図ることができる。また、各結像素子を対称系に配置することにより、結像系の歪曲収差をゼロに補正することができ、もって、光スポットの位置精度を向上させることができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子アレイにおいて、各結像素子の球面収差を補正過剰としたため、光スポットの径が小さいことにより生じる、近軸像面近傍におけるデフォーカスに対する光スポットのばらつきを抑えることができ、もって、光スポットの安定化の向上を図ることができる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、上記各結像素子に対し、物体高さを配列ピッチと等しくしたときの光線高さをhとしたとき、
0.75h<h’<h
となるh’において、球面収差がゼロとなるようにしたため、より光スポットの安定化の向上を図ることができる。
【0040】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差で調整するようにしたため、軸像面上における光スポットに若干の広がりを持たせると共に、デフォーカスに対する光スポット径の最小値である集光点の位置を近軸像面上に一致させることができる。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明において、少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差を調整して近軸結像位置よりもマイナス側に持ってくるようにしたため、環境温度が上昇しても、結像位置ずれなどを防止することができる。
【0042】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、像面位置でのアレイ配列方向の光スポット径をBm、上記アレイ配列方向に対して直交する方向の光スポット径をBsとしたとき、
B=max(Bm、Bs)として、|(Bm−Bs)/B|≦0.2
を満足するようにしたため、より良好な画像を得ることができる。
【0043】
請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、上記結像素子アレイは、アレイ配列方向において正立等倍系であるため、伝達効率の向上を高めることができる。
【0044】
請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、上記各結像素子は、対称系であるため、結像系の歪曲収差をゼロに補正することができ、もって、光スポットの位置精度を向上させることができる。
【0045】
請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、上記各結像素子は、レンズ面を有し、少なくともその一面の面形状は、
X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}]+AY4+BY6+CY8+DY10
ただし、R:近軸曲率半径,K:円錐定数,A、B、C、D:定数
を満足する非球面形状であるため、球面収差を補正過剰に容易に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に対する比較例の(a)は光線図、(b)は球面収差図である。
【図2】本発明に対する比較例の(a)は光線図、(b)は球面収差図である。
【図3】本発明にかかる結像素子アレイの実施の形態を示す(a)は光線図、(b)は球面収差図である。
【図4】本発明に対する比較例の(a)は光線図、(b)は球面収差図である。
【図5】本発明の別の実施の形態を示す側面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態を示す(a)は平面図、(b)はその側面図である。
【図7】図5に示す実施の形態による各収差図である。
【図8】図5に示す実施の形態の光スポットを示すグラフである。
【図9】図6に示す実施の形態による各収差図である。
【図10】図6に示す実施の形態の光スポットを示すグラフである。
【符号の説明】
1 レンズアレイ
3 ダハプリズム面
4 レンズ面
5 ルーフミラー面
6 光源
Claims (9)
- 発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子アレイにおいて、
各結像素子の球面収差を補正過剰とすることを特徴とする結像素子アレイ。 - 上記各結像素子に対し、物体高さを配列ピッチと等しくしたときの光線高さをhとしたとき、
0.75h<h’<h
となるh’において、球面収差がゼロとなることを特徴とする請求項1記載の結像素子アレイ。 - 少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差で調整することを特徴とする請求項2記載の結像素子アレイ。
- 少なくとも、アレイ配列方向の、デフォーカスに対する光スポット径の最小値の位置を、球面収差を調整して近軸結像位置よりもマイナス側に持ってくることを特徴とする請求項3記載の結像素子アレイ。
- 像面位置でのアレイ配列方向の光スポット径をBm、上記アレイ配列方向に対して直交する方向の光スポット径をBsとしたとき、
B=max(Bm、Bs)として、|(Bm−Bs)/B|≦0.2
を満足することを特徴とする請求項2記載の結像素子アレイ。 - 上記結像素子アレイは、アレイ配列方向において正立等倍系であることを特徴とする請求項1記載の結像素子アレイ。
- 上記各結像素子は、対称系であることを特徴とする請求項1記載の結像素子アレイ。
- 上記各結像素子は、レンズ面を有し、少なくともその一面の面形状は、
X=Y2/[R+R√{1−(1+K)(Y/R)2}]+AY4+BY6+CY8+DY10
ただし、R:近軸曲率半径,K:円錐定数,A、B、C、D:定数
を満足する非球面形状であることを特徴とする請求項1記載の結像素子アレイ。 - 発光素子アレイと、上記発光素子アレイからの光束を感光体上に光スポットとして集光するための結像素子とからなる画像出力ユニットを構成し、光スポットによる画像書き込みにより静電潜像を形成する画像出力装置における上記結像素子として用いられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、または5記載の結像素子アレイ。
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