JP3969648B2 - グラインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の軸する技術分野】
本発明はグラインダー、すなわち挽肉機(チョッパー)に関する。より詳しくは、本発明は、肉を細かく挽く機械であり、ソーセージ製造等において用いられるグラインダーに関する。
【0002】
グラインダーにおいては、内壁に凹溝を有する円筒形の本体と、その中で回転する螺旋状のロータ、幾通りもの大きさにに孔を開けてあるプレート、十字型の片刃または両刃のナイフ等から構成されている。
【0003】
グラインダーにおいては、本体の上部から挽肉とする原料の肉を投入する。この肉は通常−30℃程度の低温で冷凍保存されていたものであり、この肉を挽肉とする際に、−5乃至−10℃程度の温度まで解凍し、グラインダーの本体上部から投入する。
【0004】
【従来の技術】
このようなグラインダーにおいて、特に、緊急に挽肉を挽く必要が生じた場合には、充分に解凍されていない肉を挽くことがあって、負荷が増大し、駆動モータが焼損するという事故が発生する。
【0005】
このような始動時等に生じる一時的な過大電流やサーマルリレーが働く程の過大電流ではなく、モータは一応回転するが、定常状態の定格電流に比較し、過大な電流が流れた状態で相当時間に亘り運転することにより発生するグラインダーの駆動モータの焼損事故を防止し、グラインダーの運転効率を高め、また、焼損時のモータ交換時の損失をなくすものとして特許文献1(実公平5−15949号公報)に開示されたグラインダーがある。
【0006】
特許文献1においては、原料肉を投入するタンク、該タンクの底部位置に設けられた螺旋状のチャージングスクリュー、該チャージングスクリューの一方の端部付近の前記タンクの底部に連通したシリンダー、該シリンダー内部に回転可能に設けられた螺旋状のフィードスクリュー、前記チャージングスクリューおよび前記フィードスクリューに連結された駆動モータ、並びに該駆動モータの駆動電源回路に設けられ、該駆動モータへ供給される電流値を検出し表示する電流計を具備するとともに該駆動モータに設定電流を越える異常電流が予め設定した時間を越えて流れると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ電流リレーからなっている。
【0007】
【特許文献1】
実公平5−15949号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたグラインダーにおいては、駆動モータの駆動電源回路に電流計を具備した電流リレーを接続しており、駆動電源に供給される電流が設定値を越えて、予め設定した所定時間を越えて流れた場合には、電流リレーにより駆動モータを停止する。
【0009】
その場合には、駆動モータを停止させた上でタンクに投入した冷凍肉が運転に支障のない温度まで上昇することを待つか、またはタンク内の肉を問題のない肉に入れ替えて運転を再開する。これにより、上述した駆動モータの焼損事故を防止することができる。
【0010】
上述した焼損事故は生じていないにも拘らず、実際の作業においてプレートとナイフとの隣接部が発熱したり、ナイフの刃先に発生した異常な損耗を観測することがある。
【0011】
この場合に、ナイフの鋭利な刃先が欠損した場合には、細かい欠片が混入する可能性のあるミンチ肉を目視および金属探知機などを用いて入念に調査して送り出されるミンチの中に混入することを完全に防止する必要がある。
【0012】
上述の異常の発生直後にその異常の発生を知ることができれば、調査対象とするミンチ肉は絞れるが、それでも細かい欠片は、金属探知機などを用いても、なかなか検出できない。ましてや、発見が遅れた場合には、調査対象が拡大し、最悪の場合には細かい欠片が検出できないために、そのグラインダーによる一日分の加工品を全て廃棄せざるを得ないという事態も生じる。
【0013】
【発明の目的】
本発明は、グラインダーにおいて、上述したような、プレートとナイフとの隣接部が発熱したり、ナイフの刃先に異常な損耗が生じたりすることを防止することを目的とする。
【0014】
更に、本発明は、グラインダーのナイフの刃先に異常な損耗が生じることを防止し、欠損したナイフの刃先がミンチ肉に混入することを防止し、ミンチ肉に混入した欠損ナイフの刃先の調査に要する手間や、その調査の間の機械停止損失をなくすことを目的とする。
【0015】
上記の目的を達成するために本発明者は鋭意検討した。その結果、本発明者は、上述したプレートとナイフとの隣接部の発熱やナイフの刃先に生じる異常な損耗の発生機構を次のように推測する。
【0016】
グラインダーの使用にあたってはナイフの刃面とプレートの表面が接触する状態になるように調整する。このナイフの刃面とプレートの表面とは、筋の多い肉であっても確実に切断し能率よくプレートの小孔から押し出すために、通常、やや強めの接触具合とする。しかし、連続的に肉が供給されている限りは、ナイフの刃面とプレートの表面との接触面に肉が介在しているので、ナイフの刃面やプレートの発熱、ナイフ刃先の異常な損耗等は発生しない。
【0017】
しかしながら、大型のグラインダーによる実際の作業を見ると、グラインダーに至る前の工程であるフローズンカッタなどによるブロッタ肉の小割作業や、後工程のミキシング作業などと関連させてのロット作業であり、通常一人の作業者が小割作業、グラインダー作業およびミキシング作業を一緒に担当している。このため、作業者は、前後の小割作業やミキシング作業に気を取られ、ついつい、肉が途切れたままでグラインダーを運転するようである。
【0018】
こうなると、前述のナイフの刃面とプレートの表面との接触面に肉が介在しなくなるので、金属同士の直接触となり、発熱や異常損耗が起こるのであろうと本発明者は推測する。
【0019】
上記推測に基づき、本発明者が更に検討したところ、前述した特許文献1における駆動モータの焼損防止時には、フィードスクリューに連結された駆動モータへ流れる電流が定常運転時よりも大きくなっているのに対して、肉が途切れたままでグラインダーを運転すると、フィードスクリューに連結された駆動モータへ流れる電流が空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常運転時よりも小さくなることを見出だした。これは肉が途切れるためにナイフの刃面とプレートの表面間での切断が行なわれないためと思われる。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の知見に基き、本発明においては、原料肉を投入するタンク、該タンクの底部に連通したシリンダー、該シリンダー内部に回転可能に設けられた螺旋状のフィードスクリュー、該フィードスクリューの先端に止着されたナイフ、該ナイフに隣接して前記シリンダーの端部に設けられ多数の小孔を具備したプレート、前記フィードスクリューに連結された駆動モータ、並びに該駆動モータの駆動電源回路に設けられ、該駆動モータに設定最大電流を越える過大電流が予め設定した時間を越えて流れると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ過負荷運転防止用電流リレーおよび前記駆動モータへ流れる電流が、空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常負荷電流よりも小さい設定最低負荷電流以下になると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ無負荷運転防止用電流リレーからなることを特徴とするグラインダーが提供される。
【0021】
この発明によれば、前述した特許文献1と同様に、始動時等に生じる一時的な過大電流やサーマルリレーが働く程の過大電流ではなく、モータは一応回転するが、定常状態の定格電流に比較し、過大な電流が流れた状態で相当時間に亘り運転することにより発生するグラインダーの駆動モータの焼損事故を防止し、グラインダーの運転効率を高め、また、焼損時のモータ交換時の損失をなくすことができるとともに、プレートとナイフとの隣接部が発熱したり、ナイフの刃先に異常な損耗が生じたりすることを防止し、欠損したナイフの刃先がミンチ肉に混入することを防止し、ミンチ肉に混入した欠損ナイフの刃先の調査に要する手間や、その調査の間の機械停止損失をなくすことができる。
【0022】
この場合に、過負荷運転防止用電流リレーおよび無負荷運転防止用電流リレーがそれぞれ一つの電流計に設けられていてもよいが、両電流リレーが一つの電流計に設けられていることがより好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。図1において、本発明のグラインダー本体1は直方体形状をしており、その上部にタンク2が設けられている。タンク2は図3に示すように、下方に行くにつれて互いに接近する傾斜側面2aと側面2aに連なり、タンクの底部に設けられた円柱状のトラフ(溝部)2bからなっている。
【0024】
図1において、トラフ2bの内部には、螺旋状のスクリュー6aを具備したチャージングスクリュー6が回転可能に、軸受7により支承されている。なお、本実施例では、チャージングスクリュー6の螺旋の向きは左ねじとしている。
【0025】
チャージングスクリュー6の、図1で左端に示している先端部分には、トラフ2bに連結してチャージングボックス8が形成されている。トラフ2bはチャージングボックス8の底面に形成された投入口9aを介してグラインダーの円柱状のシリンダー9に連通している。
【0026】
シリンダー9内には、左ねじのチャージングスクリュー6と同じく左ねじのフィードスクリュー10が回転可能に支承されている。
【0027】
フィードスクリュー10の先端にはナイフ30が取着され、該ナイフ30の外側のシリンダー9の端部には多数の小孔を具備したプレート11を取着するようにしている。なお、フィードスクリュー10のスクリューは投入口9aに臨む部分のピッチを大きくして投入口9aから供給される肉がシリンダー9内に円滑に供給されるようにしている。
【0028】
図2はグラインダーの切断部の拡大断面図である。シリンダー9内に回転可能に支承されたフィードスクリュー10の左側先端は角軸部10aおよびその先端は丸軸部10bとなっている。角軸部10aには、十字形の片刃80aを備えたナイフ80の角穴が嵌合され、ナイフ80がフィードスクリュー10と一体的に回転できるようになっている。
【0029】
このナイフ80の片刃80aに接して、多数の小孔1laを具備したプレート11を取着けている。このプレート11は円盤状であり、中心部に丸孔1lbが明けられている。プレート11の丸孔1lbをフィードスクリュー10の先端丸軸部10bに遊嵌合させて、プレート11の外周面をシリンダー9の内径先端部に緩く嵌め込む。この場合、プレート11がフイードスクリュー10と共回りしないように、シリンダー9の内壁との間にピンなどによる回り止め(図示省略)を施している。
【0030】
段付リンダ60をシリンダー9に螺着している。すなわち、シリンダー9の先端部外周に雄ネジ9aを設けている。段付リンダ60は内周に雄ネジ9aと螺合する雌ネジを具備するとともに、プレート11の外周部側面に接当する押さえ面60aを具備している。この段付リンダ50の外周には、段付リンダ50をシリンダー9に捩込むための取手50bが形成されている。
【0031】
グラインダーの使用にあたっては、取手60bにより段付リンダ50を回転させて、ナイフ80の刃面とプレート11の表面が接触する状態になるように調整する。
【0032】
本実施例の駆動系を図1および図4を参照して説明する。本実施例においては、チャージングスクリュー6およびフィードスクリュー10は、以下の説明のようにして、全て1台の駆動モータ12により駆動されるように構成しているが、比較的軽負荷のチャージングスクリューは別の駆動モータ12により駆動してもよい。
【0033】
駆動モータ12の駆動軸12aにプーリ13が取着されており、プーリ13と減速機構のプーリ15との間にベルト14が張架されている。減速機構においては、プーリ15と同軸に歯車16が取付けられ、歯車16はフィードスクリュー10の軸22に取付けられた歯車17に噛合している。歯車17と同じく軸22にスプロケット18が設けられ、チェーン26を介して駆動力がスプロケット19に減速されて伝達される。スプロケット19は軸23に設けられており、軸23にはスプロケット27が取着されている。スプロケット27の回転はチエーン25を介してチャージングスクリュー6の端部に取着されたスプロケット24に伝達され、チャージングスクリュー6を回転させる。
【0034】
タンク2内に肉を投入し、駆動モータ12を回転させると、チャージングスクリュー6、フィードスクリュー10およびナイフ30は図3および図4において反時計方向に回転する。従って、チャージングスクリュー6によりトラフ2内の肉がチャージングボックス8へ移送され、投入口9aからシリンダー9へ供給される。前述のように、取手60bにより段付リンダ50を回転させてナイフ80の刃面とプレート11の表面が接触する状態になるように調整している。このナイフ30の刃面とプレート11の表面とは筋の多い肉であっても確実に切断し能率よくプレート11の小孔から押し出すために、やや強めの接触具合にする。
【0035】
シリンダー9内では、フィードスクリュー10により肉はプレート11に押圧されつつナイフ30により切断され、プレート11の小孔から所定の大きさで押出される。
【0036】
本発明の駆動モータの配線の一例を図5を参照して説明する。なお、この配線は一例であり、本発明の機能を奏することができれば、他の配線とすることができることはいうまでもない。
【0037】
図5の左側においては、駆動モータ12を駆動する三相電源R、S、Tが連結されている。なお、配線T内に設けられているTHRはサーマルリレーであり、過大電流が流れることによりバイメタルが作動し回路が切れるようになっている。すなわち、過大電流が流れることによりリレーTHRの端子42が切れるようになっている。
【0038】
CTは電流リレーの電流検出部であり、配線R、S、Tの何れかを流れる電流を非接触状態で検出し、電流計Aに表示するとともに無負荷運転防止用電流リレー(図5ではRAS1として示している)および過負荷運転防止用電流リレー (図5ではRAS2として示している)を作動させる。電流計Aは後述する押しボタンスイッチ43、44の近くの作業者が容易に見ることができる位置(例えば、図3に示すように本体1の外面)に設けることが好ましい。
【0039】
三相電源中の配線ST間に駆動回路が連結されている。駆動回路において、サーマルリレーTHRの端子42と直列に駆動モータ12の電磁リレーMCが接続されており、この電磁リレーMCと直列に(押すとオンする)始動用押ボタンスイッチ43および駆動モータ12を停止するための(押すとオフする)押ボタンスイッチ44が押ボタンスイッチ43と直列に接続されている。
【0040】
電流値が予め設定した設定最低負荷電流値(空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常負荷電流よりも小さい電流であり、定常運転時の30〜35%程度)を越えると、無負荷運転防止用電流リレーRAS1の(リレー作動時にオンする所謂a)接点41はオンする(すなわち、接点41は駆動モータへの電流が設定最低負荷電流値以下ではオフする)。接点41、タイマーTMの接点45および電磁リレーMCの接点46が直列に接続され、前述した押ボタンスイッチ43と並列に接続されている。
【0041】
電流値が予め設定した最大電流値(定常状態の定格値、または定格値の例えば1.5倍に設定する)を越えると、過負荷運転防止用電流リレーRAS2は接点48をオンする。上述の設定最大電流値を越える過大電流が流れた場合にオンする過負荷運転防止用電流リレーRAS2の接点48が配線RS間に設けられ、電流リレーRAS2の接点48と直列にTMで示すタイマーが設けられている。タイマーTMは予め設定した時間(始動電流の流れる時間以上)に亘り励磁されるとオンする。
【0042】
もし始動電流を越えた過大電流が駆動モータ12に流れた場合には、サーマルリレーTHRの接点42が切れて、それにより上記駆動回路はオフするようになっている。
【0043】
以上の構成からなっている本発明の装置においては、始動に際して、作業者が駆動モータ12の始動スイッチ43を押すと、電磁リレーMCが励磁され、駆動モータ12が回転を開始するとともに電磁リレーMCのa接点46がオンする。駆動モータ12へ流れる電流が、無負荷運転防止用電流リレーRAS1に予め設定した設定最低負荷電流値を越えると、無負荷運転防止用電流リレーRAS1のa接点41がオンし、自己保持回路が入り、駆動モータ12が回転し続ける。
【0044】
このような運転状態において何等かの理由により過大電流が流れるとサーマルリレーTHRが作動し、駆動モータ12はオフされる。
【0045】
このようなサーマルリレーTHRが作動するような状態ではない運転状態においては、駆動モータ12に流れる電流は電流計Aによってチェックすることができる。
【0046】
この電流計Aに流れる電流が設定した最大電流値(定常状態の定格値、または定格値の例えば1.5倍に設定する)を越える異常状態では、電流リレーRAS2の接点48がオンするようになっている。この電流リレーRAS2がオンした状態が、予めタイマー45に設定した時間を越えた時間に亙り作動すると、前述した自己保持回路が切れて駆動回路を切る。駆動回路を切ると同時にブザー(図示せず)を鳴らして作業者に警告することが好ましい。
【0047】
なお、電流計Aに流れる電流が設定した値(定常状態の定格値、または定格値の例えば1.5倍に設定する)を越える異常状態であり、それがある時間以上続いた場合には、作業者は駆動モータ12のオフスイッチ44を押すことにより、駆動モータ12を停止させることもできる。
【0048】
一方、前述のように、通常、ナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触具合は、筋の多い肉であっても確実に切断でき且つ能率よくプレート11の小孔から押し出されるようにするために、やや強めとしている。しかし、ナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触部を途切れることなく肉が通過している限り、接触面に肉が介在しているので、ナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触部の発熱やナイフの刃先の異常な損耗は発生しない。
【0049】
しかしながら、大型のグラインダーによる実際の作業は、グラインダーに至る前の工程であるフローズンカッタなどによるブロッタ肉の小割作業や、後工程のミキシング作業などと関連させてのロット作業である。このため、作業者は前後の作業に気を取られ、ついつい、ナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触部で肉が途切れたままの運転になることがある。こうなると前述のナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触面に肉が介在しなくなるので、金属同士の直接接触となり発熱や異常損耗が起こる。
【0050】
この対策として、本発明においては、無負荷運転防止用電流リレーRAS1を設けている。上述のように、ナイフ30の刃面とプレート11の表面との接触部で肉が途切れたままの運転になると、駆動モータ12へ流れる電流が、定常運転時の30〜35%程度と、空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常運転時の負荷電流よりも小さくなることを本発明者は見出した。
【0051】
そこで、本発明においては、肉が途切れて、駆動モータ12へ流れる電流が、無負荷運転防止用電流リレーRAS1に設定した最低負荷電流値(空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常負荷電流よりも小さく設定し、一例として、定常運転時の30〜35%程度とする)を下回ると、無負荷運転防止用電流リレーRAS1の接点41がオフし、これにより前述した自己保持回路がオフされ、電磁リレーMCが消磁され、駆動モータ12への電流の供給が断たれ、駆動モータ12が停止する。また、駆動モータ12への電流の供給を断つと同時にブザー(図示せず)を鳴らして作業者に警告することが好ましい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、従来、過大電流下に所定時間を越えて運転することによって生じていたグラインダーの駆動モータの焼損事故を防止することができる。従って、駆動モータの焼損事故によるモータ交換等の手間も省けてグラインダーの運転効率が良くなる。
【0053】
更に、本発明によれば、肉の供給が途切れることにより、プレートとナイフとの隣接部が発熱したり、ナイフの刃先に異常な損耗が生じたりすることを防止できる。そのため、ナイフの刃先が欠損することがなく、欠損したナイフの刃先がミンチ肉に混入することを防止でき、ミンチ肉に混入した欠損ナイフの刃先の調査に要する手間や、その調査の間の機械停止損失をなくすことができ、グラインダーの運転効率が良くなる。
【0054】
これらにより、本発明によれば、グラインダーの運転を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面側面図である。
【図2】グラインダーの切断部の拡大断面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図1の駆動系の線図である。
【図5】駆動モータの配線図である。
【符号の説明】
2 タンク
6 チャージングスクリュー
6a6b スクリュー
9 シリンダー
9a 投入口
10 フィードスクリュー
11 プレート
12 駆動モータ
30 ナイフ
41 電流リレーRAS1の接点
48 電流リレーRAS2の接点
A 電流計
CT 電流リレーの検出部。
RAS1 無負荷運転防止用電流リレー
RAS2 過負荷運転防止用電流リレー
TM タイマー

Claims (3)

  1. 原料肉を投入するタンク、該タンクの底部に連通したシリンダー、該シリンダー内部に回転可能に設けられた螺旋状のフィードスクリュー、該フィードスクリューの先端に止着されたナイフ、該ナイフに隣接して前記シリンダーの端部に設けられ多数の小孔を具備したプレート、前記フィードスクリューに連結された駆動モータ、並びに該駆動モータの駆動電源回路に設けられ、該駆動モータに設定最大電流を越える過大電流が予め設定した時間を越えて流れると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ過負荷運転防止用電流リレーおよび前記駆動モータへ流れる電流が、空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常負荷電流よりも小さい設定最低負荷電流以下になると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ無負荷運転防止用電流リレーからなることを特徴とするグラインダー。
  2. 前記過負荷運転防止用電流リレーおよび無負荷運転防止用電流リレーが共に一つの電流計に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のグラインダー。
  3. 原料肉を投入するタンク、該タンクの底部に連通したシリンダー、該シリンダー内部に回転可能に設けられた螺旋状のフィードスクリュー、該フィードスクリューの先端に止着されたナイフ、該ナイフに隣接して前記シリンダーの端部に設けられ多数の小孔を具備したプレート、前記フィードスクリューに連結された駆動モータ、並びに該駆動モータの駆動電源回路に設けられ、該駆動モータへ流れる電流が、空運転時の負荷電流よりも大きく且つ定常負荷電流よりも小さい設定最低負荷電流以下になると作動し前記駆動モータへの電流の供給を断つ無負荷運転防止用電流リレーからなることを特徴とするグラインダー。
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