JP3969509B2 - 三相配電系統における負荷分布推定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三相配電系統の線路電圧及び線電流を測定し、これらの測定値から電灯負荷のみならず高圧需要家も含んだ状態での各線間の負荷分布を高精度に推定するための負荷分布推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
三相配電系統の稼動効率を向上させるため、電灯負荷用変圧器の接続相を相接続替えによりバランスさせ、線路電流のバランスを改善する方法が実施されている。
しかしながら、実際の系統には、電灯負荷以外にも高圧配電線に直接接続されている需要家が存在するため、電灯負荷のみをバランスさせても期待どおりの効果が得られないことがある。
【0003】
また、配電線の各線間の負荷分担を推定する場合、三相の線路電流に着目して不平衡率を求め、その値が設定値以上であればアンバランスと判定して変圧器の相接続替えを行うのが一般的である。しかるに、接続替えは主に高所での作業が中心となり、多くの労力を費やして相接続替えを行ったとしても、前述のような理由でアンバランスが解消されないことが多々あるため、効率が悪いという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、三相配電系統の負荷分布を高精度かつ簡単に推定し、電灯負荷用変圧器の相接続替え作業を効率よく行えるようにした配電系統における負荷分布推定方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、三相配電系統の線路電圧,線電流の測定値,線間の負荷アドミタンスの関係を、α−β−0座標法に従ってある相を基準相としてα−β変換し、その結果から求めたβ相アドミタンスを3で除算することにより、ある線間の負荷アドミタンスを推定し、以後、基準相を順次変更してα−β変換及び線間の負荷アドミタンス推定を行い、これらの負荷アドミタンスから各線間の負荷分布を推定するものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、線路電圧の測定を不要としたものであり、三相平衡状態にあると仮定したときの三相配電系統の線路電圧算出値,線電流の測定値,線間の負荷アドミタンスの関係を、α−β−0座標法に従ってある相を基準相としてα−β変換し、その結果から求めたβ相アドミタンスを3で除算することにより、ある線間の負荷アドミタンスを推定し、以後、基準相を順次変更してα−β変換及び線間の負荷アドミタンス推定を行い、これらの負荷アドミタンスから各線間の負荷分布を推定するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態が適用される等価負荷モデル及び測定量を示している。図において、a,b,cは三相の各相、va,vb,vcは測定点における各相の対地電圧、ia,ib,icは各相の線電流、11,12,13は各線間に接続された負荷である。ここでは、負荷をΔ形負荷であると仮定しており、それぞれの等価アドミタンスをYab,Ybc,Ycaとする。
なお、測定電圧は、対地電圧ではなく線間電圧としてもよい。図1から、次の関係が得られる。
【0008】
【数1】
【0009】
数式1から、3つのアドミタンスYab,Ybc,Ycaを計算で求めようとしても、良く知られているように解くことができず、推定しかできない。
そこで発明者は、推定すべきYが線間にあることに着目し、次の数式2で定義されるα−β−0座標変換のβ相を利用することを考えた。
ここで、α−β−0座標法は周知のように、次式で定義される。
【0010】
【数2】
【0011】
数式2において、Fは電圧vまたは電流iである。
数式2からわかるように、β相電圧vβとb,c相間の線間電圧vbcとの間には、数式3のような関係がある。
【0012】
【数3】
【0013】
このようにvβはb,c相間の性質を持ち、同様にしてβ相電流iβにもそれに良く似た性質があると考えられるため、β相にはb,c相間のアドミタンスYbcが強く現れることが期待できる。
そこで、前述の数式1をα−β変換すれば、iβに関する以下の数式4が得られる。
【0014】
【数4】
【0015】
数式4からβ相アドミタンスYβ(=iβ/vβ)を求めると、数式5のようになる。
【0016】
【数5】
【0017】
数式5の右辺の中で、最大係数は求める線間負荷アドミタンスYbcにかかる4である。
事実、バランス負荷であれば数式6が成り立つので、数式5は数式7のようになる。
【0018】
【数6】
【0019】
【数7】
【0020】
いま、数式2から、β相に関わりのない相はa相であることがわかるが、以後の説明を容易にするためβ相に関わりのない相を基準相と呼ぶこととする。
従って、線間負荷アドミタンスYbcは、a相を基準相とする数式2のα−β変換により、数式8のように推定することができる。
【0021】
【数8】
【0022】
また、他の線間負荷アドミタンスYca,Ybcについても、基準相をb相、c相とする数式9、数式10のα−β変換により、同様の手順で容易に求めることができる。すなわち、負荷アドミタンスYcaについてはb相を基準とする数式9に基づき、負荷アドミタンスYbcについてはc相を基準とする数式10に基づいて推定する。
【0023】
【数9】
【0024】
【数10】
【0025】
上記のように、この実施形態では、三相配電系統の測定点で各相の線路電圧及び線電流を測定し、これらの測定値と線間の負荷アドミタンスとの関係をα−β−0座標法に基づきある相を基準相としてα−β変換し、β相アドミタンスからある線間の負荷アドミタンスを推定する。同様にして基準相をアダプティブに変更してα−β変換を行うことにより、各線間の負荷アドミタンスを順次推定していくものである。
このようにして三相の各線間の負荷アドミタンスを知ることができれば、負荷分布を推定することは容易である。
【0026】
なお、本発明では配電系統における電圧の測定が必要であり、その測定作業自体が煩雑な場合がある。
そこで、請求項2に示すように簡易な推定方法として、系統の電圧はバランスしていると仮定すると、周知のように次の数式11が成立するため、各相の電圧測定を省略することができる。
【0027】
【数11】
【0028】
上記数式11において、Vは定格電圧、aは数式12に示すとおりである。
【0029】
【数12】
【0030】
この場合、各相を基準としたβ相電圧は数式13のようになり、これらのβ相電圧vβをβ相アドミタンスYβの算出に用いれば良い。
【0031】
【数13】
【0032】
数式13におけるθの値は、系統の力率を0.9〜1.0というように適宜仮定して求める。これらの数式と実測した各相の線電流とを用いて線間の負荷アドミタンスひいては線間の負荷分布を推定すればよい。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、各相の線路電圧及び線電流の測定値にα−β変換を施してβ相アドミタンスを求めるとともに、これに基づいてある基準相における線間負荷アドミタンスを推定し、以後、基準相を順次変更して同様の処理を行うことにより、各線間の負荷アドミタンスを推定することができる。これにより、高圧需要家も含めた各線間の負荷分布を高精度に推定することが可能になる。
従って、推定した負荷分布に基づく変圧器の相接続替え作業を適切に行うことができ、労力の軽減が期待できる。
【0034】
また、請求項2に記載した簡易な推定方法によれば、各相の電圧測定が不要になるので、負荷分布推定作業の簡略化、効率向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される等価負荷モデル及び測定量を示す図である。
【符号の説明】
11,12,13 負荷アドミタンス
va,vb,vc 対地電圧
ia,ib,ic 線電流
Claims (2)
- 三相配電系統の線路電圧,線電流の測定値,線間の負荷アドミタンスの関係を、α−β−0座標法に従ってある相を基準相としてα−β変換し、その結果から求めたβ相アドミタンスを3で除算することにより、ある線間の負荷アドミタンスを推定し、以後、基準相を順次変更してα−β変換及び線間の負荷アドミタンス推定を行い、これらの負荷アドミタンスから各線間の負荷分布を推定することを特徴とする三相配電系統における負荷分布推定方法。
- 三相平衡状態にあると仮定したときの三相配電系統の線路電圧算出値,線電流の測定値,線間の負荷アドミタンスの関係を、α−β−0座標法に従ってある相を基準相としてα−β変換し、その結果から求めたβ相アドミタンスを3で除算することにより、ある線間の負荷アドミタンスを推定し、以後、基準相を順次変更してα−β変換及び線間の負荷アドミタンス推定を行い、これらの負荷アドミタンスから各線間の負荷分布を推定することを特徴とする三相配電系統における負荷分布推定方法。
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