JP3969137B2 - 粉体離型剤塗布装置および鋳造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粉体離型剤塗布装置及び鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト鋳造において、離型剤は金型の焼付き防止、製品の離型性向上などの目的で使用され必要不可欠なものである。これまでは、固体潤滑を含んだ水溶性離型剤を多く使用されているが、その特性上、生産性の低下やガス巻込み巣発生による品質低下、離型剤飛散による環境悪化といった問題点があった。最近、これらの問題点を解決するために、溶媒に水を用いず、型を閉めた状態で塗布することができる粉体離型剤の塗布技術が開発されている。
【0003】
従来技術として、特開2001−170748号公報に、キャビティの長手方向の一端に配設された粉体離型剤の供給路より粉体離型剤を導入して、他端に配設された排出路より排気するようにした粉体離型剤塗布方法が開示されている。本従来技術では、供給路および排出路は、キャビティに隣接された、それぞれのオーバーフロー溝に連通している。供給路、排出路のオーバーフロー溝近傍には、供給路、排出路を開閉するためのシャットオフピンが設けられている。供給路は圧縮空気により粉体離型剤を供給する粉体供給装置に連通され、排出路は真空タンクに連通されている。こうして、従来技術は、粉体離型剤をキャビティ内に確実に、かつ効率よく塗布できるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術は、シャットオフピンの摺動部にバリ等の異物が入り込んだり、シャットオフピンを駆動する油圧シリンダの故障等が発生した場合に、シャットオフピンが所定のタイミングで開閉せず、溶湯が供給路や排出路に入り込んで詰まりが発生する問題点があった。そのため、キャビティ面に所定量の粉体離型剤が付着していないまま、気づかずに外観不良品を多く発生させてしまう問題点があった。また、キャビティ内の空気が十分に抜ききれず、製品内に巻込んでしまい、ガス巻込み巣不良が発生する問題点があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決したもので、製品不良の発生を抑制できる粉体離型剤塗布システムおよび鋳造装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1において講じた技術的手段(以下、第1の技術的手段と称する。)は、 固定金型と可動金型により形成されるキャビティに離型剤供給管路を介して連通された粉体離型剤供給機と、前記離型剤供給管路を開閉する第1開閉器と、粉体離型剤を供給する所定のタイミングで第1開閉器が開状態となっていることを検知するとともに、キャビティ内に鋳造金属を供給する所定のタイミングで前記第1開閉器が閉状態となっていることを検知する開閉状態検出手段と、前記キャビティに減圧管路を介して連通された減圧装置と、前記減圧管路を開閉する第2開閉器とが設けられていることを特徴とする粉体離型剤塗布装置である。
【0007】
上記第1の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0008】
すなわち、開閉状態検知手段により第1開閉器の閉状態を検知できるので、第1開閉器が所定のタイミングで閉状態にならなかったとき鋳造動作を中断できるため、製品不良の発生を抑制できる。また、開閉状態検知手段により第1開閉器の開状態を検知できるので、第1開閉器が所定のタイミングで開状態にならなかったとき鋳造動作を中断できるため、製品不良の発生を抑制できる。
【0009】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技術的手段と称する。)は、前記開閉状態検知手段が、前記第1開閉器の全開状態を検知する第1検知器と、前記第2開閉器の全開状態を検知する第2検知器とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体離型剤塗布装置である。
【0010】
上記第2の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0011】
すなわち、第1検知器により第1開閉器の全開状態を検知できるので、所定のタイミングで第1検知器が全開状態を検知できなかったとき不良と判断し鋳造動作を中断できるため、製品不良の発生を抑制できる。第2検知器により第1開閉器の全閉状態を検知できるので、所定のタイミングで第2検知器が全閉状態を検知できなかったとき不良と判断し鋳造動作を中断できるため、製品不良の発生を抑制できる。
【0012】
上記技術的課題を解決するためには、本発明の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技術的手段と称する。)は、前記キャビティの内部圧力を検知する圧力検知器が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体離型塗布装置である。
【0013】
上記第3の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0014】
すなわち、圧力検知器でキャビティ内の圧力を検知できるので、キャビティ内の圧力が所定圧以下にならない場合、鋳造動作を中断できるため、キャビティ面への粉体離型剤の付着むらを防止でき、ガス巻き込み巣の発生を防止でき、製品不良の発生を抑制できる。
【0015】
上記技術的課題を解決するためには、本発明の請求項4において講じた技術的手段は、前記第1開閉器及び前記第2開閉器は、シャットピンを備え、該シャットピンの先端部により、前記供給管路及び前記減圧管路を開閉することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の粉体離型剤塗布装置である。
上記技術的課題を解決するためには、本発明の請求項5において講じた技術的手段は、前記開閉状態検知手段により第1開閉器が開状態と判断され、かつ前記圧力検知器により、前記キャビティ内の圧力が所定圧以下であると判断される場合に、前記粉体離型剤を前記キャビティ内に供給することを特徴とする請求項3記載の粉体離型剤塗布装置である。
【0018】
上記技術的課題を解決するためには、本発明の請求項6において講じた技術的手段(以下、第6の技術的手段と称する。)は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体離型剤塗布システムと、固定金型と可動金型により形成されるキャビティに金属溶湯を供給する溶湯射出装置と、前記金属溶湯がキャビティに供給され前記第2開閉器に到着する直前の前記溶湯射出装置のプランジャ位置を検知するプランジャ位置検知器が設けられていることを特徴とする鋳造装置である。
【0019】
上記第6の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0020】
すなわち、プランジャ位置検知器により鋳造時にキャビティに供給された金属溶湯が第2開閉器に到着する直前に第2開閉器を閉めることができるので、キャビティ内の空気除去が十分できるため、ガス巻き込み巣の発生を低減でき、製品不良の発生を抑制できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例の鋳造装置の説明図である。本鋳造装置はアルミダイカスト鋳造に用いられるもので、金型1、溶湯射出装置2、粉体離型剤塗布装置100、制御装置29、表示器30などが設けられている。粉体離型剤塗布装置100には、固定金型5と可動金型6からなる金型1により形成されるキャビティ7に離型剤供給管路8を介して連通された粉体離型剤供給機3、離型剤供給管路8をキャビティ7近傍で開閉する第1開閉器10、第1開閉器10の全開状態を検知する第1検知器27と、第1開閉器10の全閉状態を検知する第2検知器28、キャビティ7に減圧管路9を介して連通された減圧装置4、減圧管路9をキャビティ7近傍で開閉する第2開閉器12などが設けられている。
【0022】
本実施例では、第1検知器27と第2検知器28で第1開閉器10の開閉状態を検知する開閉状態検知手段を構成している。図2は第1開閉器10の断面図である。第1開閉器10は、油圧シリンダ10aとその内部を摺動するシャットピン10bから構成されている。シャットピン10bの摺動部10cには磁性体部10dが埋め込まれている。油圧シリンダ10a内部の第1油室10fと第2油室10gはシールリングにより遮断されいる。油口10hから第1油室10fに、油口10jから第2油室10gに送られる油圧によりシャットピン10bが油圧シリンダ10a内部を摺動するすることによって、シャットピン10bの先端部10kにより離型剤供給管路8が開閉される。
【0023】
第1検知器27と第2検知器28は、油圧シリンダ10aの外周部に設けられいる。第1検知器27は、磁性体部10dが対向する位置に来たことを磁気検知する近接センサで、第1開閉器10が全開状態となったことを検知する。第1検知器28は、磁性体部10dが対向する位置に来たことを磁気検知する近接センサで、第1開閉器10が全閉状態となったことを検知する。
【0024】
第2開閉器12も、第1開閉器10と同様の油圧シリンダとシャットピンで構成され、シャットピンの先端部により減圧管路9を開閉するものであるが、開閉状態検知手段は設けられていない。
【0025】
離型剤供給管路8はキャビティ7の長手方向の一端でキャビティ7に接続され、減圧管路9はキャビティ7の長手方向の他端でキャビティ7に接続されている。減圧管路9は粉体離型剤を排出する排出路である。
【0026】
減圧装置4は、真空ポンプ21、真空タンク22、3方電磁弁32の順で連通されて構成され、減圧管路9に連通されている。減圧装置4は、キャビティ7内を減圧して空気の流れをつくるためのものである。、減圧管路9の途中には、余剰の粉体離型剤や異物が真空ポンプ21と真空タンク22に混入して故障が起きないように、粉体離型剤や異物を回収するためのサイクロン式分離器26が設けられている。図3はサイクロン式分離器26の断面図である。導入口26dからサイクロン式分離器26内に導かれた粉体離型剤は、分離部26aにおいて、遠心力の作用により比重の大きい粉体離型剤26fと、比重の小さい空気とに分離され、粉体離型剤は自重により落下し排出口26bに導かれた後、回収容器26c収容されて、回収される。一方、サイクロン式分離器26で分離された比重の小さい空気は、排出口26eを介して真空ポンプ21により吸引される。
【0027】
キャビティ7とサイクロン式分離器26の間の減圧管路9には、ステンレスダイヤフラム式(電子式)の真空センサ25が設けられている。真空センサ25は、第2開閉器12が開状態のとき、キャビティ7の内部圧力を検知する圧力検知器である。
【0028】
固定金型5には、キャビティ7にアルミ溶湯を供給する溶湯射出装置2が設けられている。溶湯射出装置2には、固定金型5を貫通したスリーブ14とスリーブ14内を摺動するプランジャ15とが設けられており、溶湯口16からスリーブ14に供給された溶湯をプランジャ15のチップ17によって押して、湯道18を通してキャビティ7に供給するようになっている。溶湯射出装置2には、プランジャ15の位置を検出する位置検知器であるリミットスイッチ41〜43が設けられている。リミットスイッチ41はプランジャ15の前進端を検知する位置検知器であり、リミットスイッチ43はプランジャ15の後退端を検知する位置検知器である。リミットスイッチ42は粉体離型剤供給開始時のプランジャ15位置を検知する位置検知器である。同時にリミットスイッチ42は、鋳造時に溶湯が第2開閉器12の直前に達するときのプランジャ15位置を検知するプランジャ位置検知器である。なお、図示されていないが、プランジャ15のカップリング部31上部のプランジャ15側にはリミットスイッチ41〜43に当接し、リミットスイッチ41〜43をオンするための接触子が設けられている。以後、リミットスイッチがプランジャ15のカップリング部31に当接するとは、この接触子に当接することを意味している。
【0029】
粉体離型剤供給機3は、粉体離型剤収納部19と粉体離型剤供給部20から構成されている。図4は粉体離型剤供給機3の説明図である。粉体離型剤収納部19内に収納されている粉体離型剤は、エア供給口19aからエアをオン・オフして送ることにより弾性体で形成された下部タンク壁19bを振動させて粉体離型剤収納部19の下部に設けられたピストン20aの計量空間20bに送られる。ピストン20aが前方に移動されると、粉体離型剤は供給管20cに落とし込まれる。このとき、エア供給口20gより供給されているエアによりゴム製の第2ピンチバルブ20hは閉じられており、粉体離型剤は空間部20d内に収容される。供給管20cの空間部20d内に所定量の粉体離型剤が収容されるまでピストン20aによる計量動作を繰り返す。空間部20dに所定量の粉体離型剤が収容されたら、エア供給口20eよりエアを供給してゴム製の第1ピンチバルブ20fを閉め、エア供給口20gに供給されているエアをオフし第2ピンチバルブ20hを開ける。この状態でエア供給口20jより加圧エアを吹き付け、粉体離型剤をあらかじめ減圧されたキャビティ7に離型剤供給管路8を介して供給する。なお、エア供給口20mは、粉体離型剤収納部19内に収容された粉体離型剤を一旦浮遊させて、その落下を助けるためにエアを供給するものである。またエア供給口20nは、計量空間20b中の粉体離型剤を供給管20cに完全に落とすためにエアを供給するものである。粉体離型剤は、黒鉛、タルクなどの無機物粉体に、ワックス、樹脂、金属石鹸などの有機物粉体とで構成され、実施例では、平均粒径25μm、嵩比重0.28のものを使用した。
【0030】
制御装置29は、点線で図示する信号線を介して、溶湯射出装置2、粉体離型剤供給機3、第1開閉器10、第2開閉器12、真空ポンプ21、真空センサ25、第1検知器27、第2検知器28、3方電磁弁32、リミットスイッチ41〜43に連結されている。表示器30は、制御装置29の制御状態などを表示するものである。
【0031】
次に、動作について説明する。図5、6は実施例の鋳造装置の動作を説明するフローチャート図である。スタート時には、金型1は開いた状態で、プランジャ15のチップ17を給湯口16より右側の位置すなわちプランジャ15が後退しリミットスイッチ43がオンになった位置で停止している。
【0032】
まず可動金型6を動かして金型1を閉じる(S1)。次にプランジャ15を前進させる(S2)。リミットスイッチ42がオンかどうか判断し(S3)、プランジャ15のカップリング部31に当接しリミットスイッチ42がオンになるとプランジャ15を停止させる(S4)。この状態は図7に示すように、プランジャ15のチップ17を給湯口16より射出側前方に位置し、キャビティ7と給湯口16が遮断された状態となる。
【0033】
次に、第1開閉器10、第2開閉器12を開き全開させ(S5)、3方向電磁弁32を32aと32bのみが連通するように切り替える(S6)。第1検知器27がオンされているか判断し(S7)、第1検知器27がオンされていない場合は、制御装置29が表示器30に信号を送りブザーを鳴らし異常ランプを点灯し、かつ鋳造サイクルを停止させる(S30)。第1検知器27がオンされていれば、第1開閉器10が正常に開かれていると判断でき、真空ポンプ21を起動しキャビティ7を減圧する(S9)。第1検知器27により第1開閉器10の開状態を検知できるので、第1開閉器10が所定のタイミングで開状態にならなかったとき鋳造動作を中断できるため、第1開閉器10が十分開かずに粉末離型剤のキャビティ面への塗布不良のまま鋳造することはなく、製品不良の発生を抑制できる。
【0034】
続いて、排出路9内の圧力を真空センサ25で測定し、それが設定値(−0.8MPa)以下になっているかどうか判断し(S9)、圧力が設定値より高い場合は、制御装置29が表示器30に信号を送りブザーを鳴らし異常ランプを点灯し、かつ鋳造サイクルを停止させる(S30)。その圧力が設定値以下の場合は、第2開閉器12が正常に開かれていると判断でき、粉体離型剤供給機3の第2ピンチバルブ20hを開き、
粉体離型剤を減圧されているキャビティ7に離型剤供給管路8を介して供給する(S10)。真空センサ25でキャビティ内の圧力が所定圧以下にならない場合、鋳造動作を中断できるため、ガス巻き込み巣の発生を防止でき、製品不良の発生を抑制できる。また、第1検知器27によって第1開閉器10が正常に開かれていることを判断でき、真空センサ25によって第2開閉器12が正常に開かれていることを判断できる
ので、粉体離型剤の供給・排出経路が確実に開かれ、キャビティ7が確実に減圧されているので、キャビティ7の内面に確実に粉体離型剤を付着させることができる。
【0035】
キャビティ7に供給された余剰の粉体離型剤は、排出路9を介してサイクロン式分離器26に到達する。サイクロン式分離器26に入った粉体離型剤は、回収容器26cで回収され、空気のみが排出口26eを介して真空ポンプ21により吸引される。粉体離型剤の回収率は99.5%以上で、真空ポンプ21側に流れる粉体離型剤はほとんどなかった。
【0036】
粉体離型剤の供給が終了した後、粉体離型剤供給機3の第2ピンチバルブ20hを閉じ、真空ポンプ21を停止し、第1開閉器10を全閉する(S11)。次に、第2検知器28がオンされているか判断し(S12)、第1検知器28がオンされていない場合は、制御装置29が表示器30に信号を送りブザーを鳴らし異常ランプを点灯し、かつ鋳造サイクルを停止させる(S30)。第1検知器28がオンされていれば、第1開閉器10が全閉になっていると判断でき、鋳造工程に移る。第1検知器28により第1開閉器の閉状態を検知できるので、第1開閉器が所定のタイミングで閉状態にならなかったとき鋳造動作を中断できるため、鋳造金属が第1開閉器内に侵入し、異常なバリを発生させたり、以後の粉末離型剤供給不良を未然に防ぐことができ、製品不良の発生を抑制できる。
【0037】
続いて、3方向電磁弁32の32aと32cのみを連通させ、キャビティ7の減圧を解除するとともに、キャビティ7を大気に連通させる(S13)。次に、プランジャ15を後退させる(S14)。リミットスイッチ43がオンかどうか判断し(S15)、プランジャ15のカップリング31に当接しリミットスイッチ43がオンになるとプランジャ15を停止させる(S16)。この状態では、プランジャ15は図1のように溶湯口16が開き、スリーブ14と連通した状態となっている。
【0038】
この状態でアルミ溶湯を溶湯口16からスリーブ14に供給した後(S17)、プランジャ15を前進させ、アルミ溶湯を湯道18を介してキャビティ7に供給する(S18)。リミットスイッチ42がオンかどうか判断し(S19)、プランジャ15のカップリング31に当接しリミットスイッチ42がオンになったとき、第2開閉器12を全閉する(S20)。リミットスイッチ42は、鋳造時に溶湯が第2開閉器12の直前に達するときオンになるので、キャビティ内の空気除去が十分できるため、ガス巻き込み巣の発生を低減でき、製品不良の発生を抑制できる。またアルミ溶湯が第2開閉器12に入る前に第2開閉器12を全閉でき、第2開閉器12がアルミで詰まることを防止できる。
【0039】
プランジャ15は前進し続けており、リミットスイッチ41がオンかどうか判断し(S21)、プランジャ15のカップリング31に当接しリミットスイッチ41がオンになったとき、プランジャ15を停止する(S22)。このとき、プランジャ15は図8の位置にあり、アルミ溶湯が完全にキャビティ7に供給されている。あらかじめ決められた所定時間(アルミ溶湯が固化する時間)の後(S23)に、可動金型7を開いて鋳造製品を取り出す(S24)。
【0040】
その後、プランジャ15を後退させる(S25)。リミットスイッチ43がオンかどうか判断し(S26)、リミットスイッチ43がオンになるとプランジャ15を停止させる(S27)。これで鋳造の1サイクルが終了し、スタートの状態に戻っている。
【0041】
本実施例では、排出路9に入った粉体離型剤を分離回収するためにサイクロン式分離器26が設けられているが、特に限定されず、排出路9に入った粉体離型剤を分離し、空気のみを真空ポンプ21で吸引できればよい。例えば、図9の変形例の鋳造装置説明図に示すように、サイクロン式分離器26の代わりにバックフィルタ式回収器40を使用することができる。図10はバックフィルタ式回収器の説明断面図である。バックフィルタ式回収器40は、排気口40fを備えたハウジング胴体40b内に袋状のフィルタエレメント40dが設けてあり、吸気口40eを備えたハウジング蓋40aを上側に取付けて、Vバンドカップリング40cで締め付けて一体になっている。バックフィルタ式回収器40は排出路9の途中に設けられ、吸気口40eはキャビティ7側に連結され、排気口40fは減圧装置4側に連結されている。吸気口40eから取り入れられた粉体離型剤を含む気流が、フィルターエレメント40dの前面で濾過された後、排気口40fから排出される。この場合も粉体離型剤を回収できるが、フィルターエレメント40dが粉体離型剤で詰まるたびに交換が必要であるので、ランニングコストがかかり不経済である。また、フィルターエレメント40dの交換時期が遅くなると、減圧装置4によるキャビティ減圧能力が低下し、キャビティ7内の空気が十分抜けきれず、ガス巻き込み巣が製品に発生し、製品不良が発生する。サイクロン式分離器26は、下降ら旋気流(遠心力)を発生させ、粉体離型剤を自重と気流で下部の容器に落し込み、回収する構造になっているので、鋳造装置を止めることなく連続的に回収でき、鋳造コストを低コスト化できる。また、エレメント等の交換が必要ないので、ランニングコストが低下できる。また、空気の通過抵抗が小さく、粉体離型剤で詰まる恐れもないので、ガス巻き込み巣を発生させることがない。
【0042】
以上のように、本発明は、万一、第1開閉器や第2開閉器の摺動や供給路および排出路の溶湯や異物が入り込んで、キャビティ面に粉体離型剤が定量供給できなかった時は、異常を知らせ鋳造サイクルを停止させることにより、外観不良品の多発を未然に防止することができる。また、キャビティ内の空気ができる限り多く除去することができることにより、製品内のガス巻き込み巣を低減でき、製品品質を向上できる。
【0043】
なお、実施例では、第1開閉器の開閉状態検出手段として、全開状態を検知する第1検知器と全閉状態を検知する第2検知器を使用したが、特に限定されず、光や音波の走行距離によって位置を検知する一つの検知器を用いる方法など、様々な検出手段が利用できる。開閉状態検出手段は第1開閉器のみに設けられているが、第2開閉器にも設けてもよい。そうすれば、第2開閉器に異常も直接検出できる。
【0044】
また、鋳造時に溶湯が第2開閉器の直前に達するときのプランジャ位置を検知するプランジャ位置検知器と粉体離型剤供給開始時のプランジャ位置を検知する位置検知器として、共通のリミットスイッチ42を使用したが、それぞれ別の検知器を使用してもよい。共通で使用すれば部品点数を低減でき、別々の検知器を使用すればプランジャ制御の自由度が上がる。スイッチの種類もプランジャの位置を検知できれば、どの種類の検知器も利用できる。さらに真空センサは減圧管路上に設けられているが、キャビティに連通する別の管路上に設けてもよい。
【0045】
実施例では、アルミダイカスト鋳造装置で説明したが、ダイカスト鋳造以外の鋳造装置としても、またマグネシウムなどアルミニウム以外の金属の鋳造装置としても使用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、固定金型と可動金型により形成されるキャビティに離型剤供給管路を介して連通された粉体離型剤供給機と、前記離型剤供給管路を開閉する第1開閉器と、粉体離型剤を供給する所定のタイミングで第1開閉器が開状態となっていることを検知するとともに、キャビティ内に溶湯を供給する所定のタイミングで前記第1開閉器が閉状態となっていることを検知する開閉状態検出手段と、前記キャビティに減圧管路を介して連通された減圧装置と、前記減圧管路を開閉する第2開閉器とが設けられていることを特徴とする粉体離型剤塗布装置、または、この粉体離型剤塗布装置と、固定金型と可動金型により形成されるキャビティに金属溶湯を供給する溶湯射出装置と、前記金属溶湯がキャビティに供給され前記第2開閉器に到着する直前の前記溶湯射出装置のプランジャ位置を検知するプランジャ位置検知器が設けられていることを特徴とする鋳造装置であるので、製品不良の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の鋳造装置の説明図
【図2】第1開閉器の断面図
【図3】サイクロン式分離器の断面図
【図4】粉体離型剤供給機の説明図
【図5】実施例の鋳造装置の動作を説明するフローチャート図
【図6】実施例の鋳造装置の動作を説明するフローチャート図
【図7】実施例の鋳造装置の減圧開始時の説明図
【図8】実施例の鋳造装置の溶湯供給終了時の説明図
【図9】変形例の鋳造装置説明図
【図10】バックフィルタ式回収器の説明断面図
【符号の説明】
1…金型
2…溶湯射出装置
3…粉体離型剤供給機
4…減圧装置
5…固定金型
6…可動金型
7…キャビティ
8…離型剤供給管路
9…減圧管路
10…第1開閉器
12…第2開閉器
15…プランジャ
21…真空ポンプ
25…真空センサ(圧力検知器)
26…サイクロン式分離器
27…第1検知器
28…第2検知器
42…プランジャ位置検知器
100…粉体離型剤塗布装置
Claims (6)
- 固定金型と可動金型により形成されるキャビティに離型剤供給管路を介して連通された粉体離型剤供給機と、前記離型剤供給管路を開閉する第1開閉器と、粉体離型剤を供給する所定のタイミングで第1開閉器が開状態となっていることを検知するとともに、キャビティ内に鋳造金属を供給する所定のタイミングで前記第1開閉器が閉状態となっていることを検知する開閉状態検出手段と、前記キャビティに減圧管路を介して連通された減圧装置と、前記減圧管路を開閉する第2開閉器とが設けられていることを特徴とする粉体離型剤塗布装置。
- 前記開閉状態検知手段が、前記第1開閉器の全開状態を検知する第1検知器と、前記第1開閉器の全閉状態を検知する第2検知器とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の粉体離型剤塗布装置。
- 前記キャビティの内部圧力を検知する圧力検知器が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の粉体離型剤塗布装置。
- 前記第1開閉器及び前記第2開閉器は、シャットピンを備え、該シャットピンの先端部により、前記供給管路及び前記減圧管路を開閉することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の粉体離型剤塗布装置。
- 前記開閉状態検知手段により第1開閉器が開状態と判断され、かつ前記圧力検知器により、前記キャビティ内の圧力が所定圧以下であると判断される場合に、前記粉体離型剤を前記キャビティ内に供給することを特徴とする請求項3記載の粉体離型剤塗布装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体離型剤塗布装置と、固定金型と可動金型により形成されるキャビティに金属溶湯を供給する溶湯射出装置と、前記金属溶湯がキャビティに供給され前記第2開閉器に到着する直前の前記溶湯射出装置のプランジャ位置を検知するプランジャ位置検知器が設けられていることを特徴とする鋳造装置。
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