JP3968862B2 - 照度計、照度計測方法及び露光装置 - Google Patents

照度計、照度計測方法及び露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照度計、照度計測方法及び露光装置に関し、さらに詳しくは、複数の露光装置間でそれぞれの相対的な照度を計測するために使用される照度計、照度計測方法及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶表示装置等の製造に際して、マスク又はレチクル(以下、総称して「マスク」ともいう)等の原版に描かれたパターンを、レジストが塗布された半導体ウエハや透明基板等の感光基板上に転写するために、投影露光装置が用いられる。半導体装置や液晶表示装置等の製造ラインでは、単一の投影露光装置のみが使用されるわけではなく、一般に、複数の投影露光装置が併用して使用される。
【0003】
このような場合において、各露光装置で製造される製品のばらつき等を低減するために、各露光装置間の露光量をマッチングさせる必要がある。そのために、露光装置内には内部光センサが常設してあり、間接的に像面上の照度を計測し、その計測結果に基づき、各露光装置間の露光量をマッチングさせている。しかしながら、各露光装置毎に設けられた内部光センサが、常に正確な照度を検出しているとは限らず、経時変化等により誤差が生じることがあり、該内部光センサの較正を行う必用がある。
【0004】
また、各露光装置による処理のスループットを整合させる等のために、それぞれの相対照度を集中的に管理する必用もある。
【0005】
そこで、各露光装置間での相対照度を計測するための号機間照度計が用いられる。この照度計は、ウエハステージ上のウエハホルダの近傍に設けられた専用の装着部(アダプタ部)に対して着脱自在に構成されており、作業者は手作業により照度計を装着部に装着し(差し込み)、像面上の照度を直接計測する。作業者は、照度計測の終了後に照度計を装着部から取り外し、他の露光装置について順次同様に作業することにより、各露光装置の照度の計測を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウエハステージの近傍には投影光学系その他の部材が存在するため、照度計の着脱作業は非常に限られたスペースに手を入れて行わなければならず、また、露光装置の構成上、作業者の位置からウエハステージの位置まではある程度の距離があるため、その作業は容易でなく、着脱作業に長時間を要するとともに、ウエハステージ上あるいはその近傍に存在する精密部材等に接触して傷つけたり、ゴミを落下させて障害を発生させることがある等の問題があった。
【0007】
また、照度計による照度の計測は、一連の露光処理の途中で該露光処理を中断して実施される場合があるが、照度計の着脱作業に伴う装置本体が収容されたチャンバの扉等の開閉により、チャンバ内の温度が乱れ、作業終了後にチャンバ内の温度が安定するまでに長時間を要し、その間露光処理の再開ができないという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、露光装置の投影光学系の結像面における照明光の照度計測に伴う作業を簡略し、照度計測に要する時間を短縮することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応つけて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
【0010】
本発明に係る照度計は、照明光学系により照明されたマスク(11)からのパターンの像を、基板ステージ(28)上に保持される感光基板(14)上に投影光学系(13)により投射するようにした露光装置の該投影光学系の結像面近傍における照明光の照度を計測する照度計(50)において、前記感光基板と同様に搬送可能なように薄板状に形成され照度検知部(52)が一体的に設けられたたダミー基板(51)を含むことを特徴とする。本発明に係る照度計において、さらに、前記照度検知部で計測された結果データを無線発信する無線通信装置を有することができる。この場合において、前記無線通信装置を、前記ダミー基板上に前記照度検知部とともに一体的に設けることができる。
【0011】
本発明に係る照度計は、感光基板と同様に搬送可能なように薄板状に形成されているから、この照度計を感光基板の搬送系(103)により搬送して、基板ステージ上に搬入・保持させ、この状態で照度の計測を行い、照度の計測後、基板ステージから搬出することができる。
【0012】
従って、従来のように照度計を基板ステージに対して着脱する作業が不要であり、照度計測に伴う作業が極めて簡略となる。また、照度の計測に伴いチャンバの扉等の開閉の必用が無いから、チャンバ内の空調等との関係で露光処理の再開までに長時間を要することが無いばかりか、極めて短時間で照度の計測を行うことができるので、照度計測に伴う露光処理の中断時間を短縮することができ、極めて高効率的に照度の計測を行うことができる。
【0013】
本発明に係る照度計測方法は、露光対象としての感光基板(14)と同様に搬送可能なように薄板状に形成され照度検知部(52)が一体的に設けられたダミー基板(51)を含む照度計(50)を用い、複数の露光装置(30a,30b,30c,30d)間で該照度計を前記感光基板と同様に基板ステージ(28)上に順次搬入及び搬出しつつ、各露光装置の投影光学系(13)の結像面近傍における照明光の照度を計測するようにしたことを特徴とする。本発明に係る照度計測方法において、前記照度計は前記照度検知部で検知された結果データを無線発信する無線通信装置を備え、前記照度計を用いて計測された結果データを無線発信するようにできる。
【0014】
本発明に係る照度計測方法によると、感光基板と同様に搬送可能なように薄板状に形成された照度計を用い、この照度計を感光基板と同様に基板ステージ上に搬入及び搬出しつつ各露光装置の照度を計測するようにしたから、従来のように照度計を基板ステージに対して着脱する作業が不要となり、照度計測に伴う作業が極めて簡略となる。
【0015】
また、照度の計測に伴いチャンバの扉等の開閉の必用が無いから、チャンバ内の空調等との関係で露光処理の再開までに長時間を要することが無いばかりか、極めて短時間で照度の計測を行うことができるので、複数の露光装置等を備えたリソグラフィ・システム(半導体装置等の製造ライン)における各露光装置において、非常に短時間で照度計測を行うことができ、露光処理の中断時間を短くすることができ、各露光装置の照度の管理も容易になる。
【0016】
本発明に係る露光装置は、照明光学系により照明されたマスク(11)からのパターンの像を、基板ステージ(28)上に載置された基板ホルダ(151)に保持される感光基板(14)上に投影光学系(13)により投射するようにした露光装置において、前記基板ホルダは、前記基板ステージに対して着脱自在に構成され、かつ前記感光基板に対する保持面に一体的に照度検知部(52)を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る露光装置は、基板ステージに対して着脱自在に構成され、かつ照度検知部を有する基板ホルダを備えているから、例えば、基板ホルダを搬送系(103)により搬送して、基板ステージ上に搬入・載置し、この状態で照度の計測を行い、照度の計測後、基板ステージから搬出することが可能である。従って、従来のように照度計を基板ステージに対して着脱する作業が不要であり、照度計測に伴う作業が極めて簡略となる。また、照度の計測に伴いチャンバの扉等の開閉の必用も無くすことができるから、チャンバ内の空調等との関係で露光処理の再開までに長時間を要することが無いばかりか、極めて短時間で照度計測を行うことができるので、露光処理の中断時間を短くすることができ、高効率的に照度の計測を行うことができる。
【0018】
本発明に係る照度計測方法は、基板ステージ(28)に対して着脱自在に構成され、かつ一体的に照度検知部(52)を有する基板ホルダ(151)を、複数の露光装置(30a,30b,30c,30d)の基板ステージ上に順次載置しつつ、各露光装置の投影光学系の結像面近傍における照度を計測するようにしたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る照度計測方法によると、基板ステージに対して着脱自在に構成され、かつ照度検知部を有する基板ホルダを用い、この基板ホルダを基板ステージ上に搬入及び搬出しつつ各露光装置の照度を計測するようにしたから、従来のように照度計を基板ステージに対して着脱する作業が不要であり、照度計測に伴う作業が極めて簡略となる。
【0020】
また、照度の計測に伴いチャンバの扉等の開閉の必用が無いから、チャンバ内の空調等との関係で露光処理の再開までに長時間を要することが無いばかりか、極めて短時間で照度の計測を行うことができるので、複数の露光装置等を備えたリソグラフィ・システム(半導体装置等の製造ライン)における各露光装置において、非常に短時間で照度計測を行うことができ、露光処理の中断時間を短くすることができ、各露光装置の照度の管理も容易になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
一実施形態
図1は本発明の一実施形態に係る照度計の回路構成の概略を示すブロック図、図2は図1に示す照度計における主要回路の特性を示す概略図、図3はリソグラフィ・システムを示す概略図、図4は露光装置の一例を示す概略図、図5はウエハステージの概略斜視図、図6は照度計の較正方法の一例を示す概略図、図7は露光装置のウエハの搬送系等の構成を示す平面断面図、図8はウエハステージ及びウエハホルダの要部構成を示す断面図、図9はダミーウエハに一体的に光センサを設けてなるウエハ型照度計の外観構成を示す斜視図である。
【0022】
(1)リソグラフィ・システム
本発明が適用されるリソグラフィ・システムは、マイクロデバイスとしての半導体装置を製造するシステムであり、図3に示すように、KrFエキシマレーザを露光用照明光源とする露光装置30aと、ArFエキシマレーザを露光用照明光源とする露光装置30b〜30dとが混在されて構成されている。これら二種類の露光装置30a〜30dは、同一のホストコンピュータ76に接続されており、それぞれの稼働状況等がモニターされ、生産管理されている。これらの各露光装置30a〜30dの照度は、号機間照度計としてのウエハ型照度計50により計測され、露光装置間の露光量をマッチング等させるために使用される。なお、この一実施形態では、光源が異なる二種類の露光装置が混在したシステムについて説明するが、単一種類の複数の露光装置から構成されるシステムでも、あるいはさらに複数種類の露光装置から構成されるシステムでもよい。
【0023】
(2)露光装置の光学系
まず、図4に基づき、一つの露光装置30aの主として光学系について説明する。図3に示す他の露光装置30b〜30dについての説明は省略するが、基本的な構成は、図4に示すものと同様であり、露光用照明光のための光源の種類が異なるのみである。
【0024】
図4に示すように、本実施形態に係る露光装置30aは、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であり、マスクとしてのレチクル11上のパターンの一部を投影光学系13を介して基板としてのレジストが塗布されたウエハ14上に縮小投影露光した状態で、レチクル11とウエハ14とを、投影光学系13に対して同期移動させることにより、レチクル11上のパターンの縮小像を逐次ウエハ14の各ショット領域に転写し、ウエハ14の上に半導体装置を製造するようになっている。
【0025】
本実施形態の露光装置30aは、露光用光源1としてKrFエキシマレーザ(発振波長248nm)を有する。露光用光源1からパルス発光されたレーザビームLBは、ビーム整形・変調光学系2へ入射するようになっている。本実施形態では、ビーム整形・変調光学系2は、ビーム整形光学系2aと、エネルギー変調器2bとから成る。ビーム整形光学系2aは、シリンダレンズやビームエキスパンダ等で構成してあり、これらにより、後続のフライアイレンズ5に効率よく入射するようにビームの断面形状が整形される。
【0026】
図4に示すエネルギー変調器2bは、エネルギー粗調器及びエネルギー微調器等で構成してあり、エネルギー粗調器は、回転自在なレボルバ上に透過率(=(1−減光率)×100(%))の異なる複数個のNDフィルタを配置したものであり、そのレボルバを回転することにより、入射するレーザビームLBに対する透過率を100%から複数段階で切り換えることができるようになっている。なお、そのレボルバと同様のレボルバを2段配置し、2組のNDフィルタの組み合わせによってより細かく透過率を調整できるようにしてもよい。一方、エネルギー微調器は、ダブル・グレーティング方式、又は傾斜角可変の2枚の平行平板ガラスを組み合わせた方式等で、所定範囲内でレーザビームLBに対する透過率を連続的に微調整するものである。ただし、このエネルギー微調器を使用する代わりに、エキシマレーザ光源1の出力変調によってレーザビームLBのエネルギーを微調整してもよい。
【0027】
図4において、ビーム整形・変調光学系2から射出されたレーザビームLBは、光路折り曲げ用のミラーMを介してフライアイレンズ5に入射する。
【0028】
フライアイレンズ5は、後続のレチクル11を均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。図4に示すように、フライアイレンズ5の射出面には照明系の開口絞り(いわゆるσ絞り)6が配置してあり、その開口絞り6内の2次光源から射出されるレーザビーム(以下、「パルス照明光IL」と呼ぶ)は、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ7に入射し、ビームスプリッタ7を透過した露光用照明光としてのパルス照明光ILは、リレーレンズ8を介してコンデンサレンズ10へ入射するようになっている。
【0029】
リレーレンズ8は、第1リレーレンズ8Aと、第2リレーレンズ8Bと、これらレンズ8A,8B間に配置される固定照明視野絞り(固定レチクルブラインド)9A及び可動照明視野絞り9Bとを有する。固定照明視野絞り9Aは、矩形の開口部を有し、ビームスプリッタ7を透過したパルス照明光ILは、第1リレーレンズ8Aを経て固定照明視野絞り9Aの矩形の開口部を通過するようになっている。また、この固定照明視野絞り9Aは、レチクルのパターン面に対する共役面の近傍に配置してある。可動照明視野絞り9Bは、走査方向の位置及び幅が可変の開口部を有し、固定照明視野絞り9Aの近くに配置してあり、走査露光の開始時及び終了時にその可動照明視野絞り9Bを介して照明視野フィールドをさらに制限することによって、不要な部分(レクチルパターンが転写されるウエハ上のショット領域以外)の露光が防止されるようになっている。
【0030】
図4に示すように、固定照明視野絞り9A及び可動照明視野絞り9Bを通過したパルス照明光ILは、第2リレーレンズ8B及びコンデンサレンズ10を経て、レチクルステージ15上に保持されたレチクル11上の矩形の照明領域12Rを均一な照度分布で照明する。レチクル11上の照明領域12R内のパターンを投影光学系13を介して投影倍率α(αは例えば1/4,1/5等)で縮小した像が、フォトレジストが塗布されたウエハ(感光基板)14上の照明視野フィールド12Wに投影露光される。以下、投影光学系13の光軸AXに平行にZ軸を取り、その光軸AXに垂直な平面内で照明領域12Rに対するレチクル11の走査方向(即ち、図4の紙面に平行な方向)をY方向、その走査方向に垂直な非走査方向をX方向として説明する。
【0031】
このとき、レチクルステージ15はレチクルステージ駆動部18によりY方向に走査される。外部のレーザ干渉計16により計測されるレチクルステージ15のY座標がステージコントローラ17に供給され、ステージコントローラ17は供給された座標に基づいてレチクルステージ駆動部18を介して、レチクルステージ15の位置及び速度を制御する。
【0032】
一方、ウエハ14は、後述するウエハホルダWHを介してウエハステージ28上に載置される。ウエハステージ28は、Zチルトステージ19と、Zチルトステージ19が載置されるXYステージ20とを有する。XYステージ20は、X方向及びY方向にウエハ14の位置決めを行うと共に、Y方向にウエハ14を走査する。また、Zチルトステージ19は、ウエハ14のZ方向の位置(フォーカス位置)を調整すると共に、XY平面に対するウエハ14の傾斜角を調整する機能を有する。Zチルトステージ19上に固定された移動鏡、及び外部のレーザ干渉計22により計測されるXYステージ20(ウエハ14)のX座標、及びY座標がステージコントローラ17に供給され、ステージコントローラ17は、供給された座標に基づいてウエハステージ駆動部23を介してXYステージ20の位置及び速度を制御する。
【0033】
また、ステージコントローラ17の動作は、不図示の装置全体を統轄制御する主制御系によって制御されている。そして、走査露光時には、レチクル11がレチクルステージ15を介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR で走査されるのに同期して、XYステージ20を介してウエハ14は照明視野フィールド12Wに対して−Y方向(又は+Y方向)に速度α・VR (αはレチクル11からウエハ14に対する投影倍率)で走査される。
【0034】
また、Zチルトステージ19上のウエハ14の近傍に光変換素子からなる照度むらセンサ21が常設され、照度むらセンサ21の受光面はウエハ14の表面と同じ高さに設定されている。照度むらセンサ21としては、遠紫外で感度があり、且つパルス照明光を検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフォトダイオード等が使用できる。照度むらセンサ21の検出信号が不図示のピークホールド回路、及びアナログ/デジタル(A/D)変換器を介して露光コントローラ26に供給されている。
【0035】
なお、図4に示すビームスプリッタ7で反射されたパルス照明光ILは、集光レンズ24を介して光変換素子よりなるインテグレータセンサ25で受光され、インテグレータセンサ25の光電変換信号が、不図示のピークホールド回路及びA/D変換器を介して出力DSとして露光コントローラ26に供給される。インテグレータセンサ25の出力DSと、ウエハ14の表面上でのパルス照明光ILの照度(露光量)との相関係数は予め照度計を用いて求められて露光コントローラ26内に記憶されている。露光コントローラ26は、制御情報TSを露光用光源1に供給することによって、露光用光源1の発光タイミング、及び発光パワー等を制御する。露光コントローラ26は、さらにエネルギー変調器2bでの減光率を制御し、ステージコントローラ17はステージ系の動作情報に同期して可動照明視野絞り9Bの開閉動作を制御する。
【0036】
(3)ウエハの搬送系
次に、この露光装置のウエハの搬送系について説明する。この露光装置はウエハの自動搬送装置を備えている。このウエハの自動搬送装置としては、例えば、特開平7−240366号公報に開示されているようなものを採用することができる。この自動搬送装置を、図7を参照して説明する。
【0037】
図4に示したような露光装置の光学系100は、空調された第1の独立チャンバ101内に収納・設置されている。ウエハステージ28(Zチルトステージ19)上にはウエハホルダWHが真空吸着により保持されており、露光対象としてのウエハ14はウエハホルダWH上に真空吸着により保持される。
【0038】
ウエハ14の円形の外周の一部にオリエンテーションフラット(又はノッチ)と呼ばれる切欠き部が形成してあり、この切欠き部が所定の方向を向くように、且つウエハ14の中心がウエハホルダWHに対して所定の位置関係になるように、ウエハホルダWH上にウエハ14をロードする。本実施形態では、そのウエハホルダWH上への搬入(ロード)、及びそのウエハホルダWHからのウエハの搬出(アンロード)を行うためのウエハ自動搬送装置(搬送系)103を、第1の独立チャンバ101に隣接する第2の独立チャンバ102内に設置している。
【0039】
ウエハ自動搬送装置103のガイド部を、X方向に延びた横スライダ本体104、及びY方向に延びた縦スライダ本体105より構成し、横スライダ本体104上にX方向に摺動自在にスカラー型ロボットハンド106を配置する。スカラー型ロボットハンド106は、ウエハ14を真空吸着する吸着部を有するハンド部107を備えた多関節ロボットであり、横スライダ本体104に沿ってX方向に移動されるとともに、ハンド部107をθ及びR方向に自在に移動できる。
【0040】
横スライダ本体104の近傍には、ウエハ14を保管するための保管棚108,109が固定されている。また、ウエハ14を一次的に載置するための仮置き台110,111が設置されている。仮置き台110,111上には、ウエハ載置用の複数個(4個)のピンが装着されている。保管棚108,109の近傍、並びに仮置き台110,111の近傍の独立チャンバ102の側面には、それぞれ外部から保管棚108,109等を交換するための開口112,113が設けられている。これら開口112,113には、図示省略してある開閉扉が装着された扉枠ユニットが装着される。
【0041】
スカラー型ロボットハンド106のハンド部107を独立チャンバ102の左側面の開口114から突き出すことにより、外部装置(外部のフォトレジストのコータ、又は現像装置等)に対するウエハ14の受け渡しを行うことができ、別の位置Q1でもウエハ14の受け渡しを行うことができる。さらに、スカラー型ロボットハンド106を位置Q7に移動させて、独立チャンバ102の右側面の開口115からハンド部107を突き出すことにより、外部装置とウエハ14の受け渡しを行うことができ、別の位置Q8でもウエハ14の受け渡しを行うことができる。同様に、スカラー型ロボットハンド106を位置Q3、Q5又はQ6に移動させることにより、それぞれの保管棚108、仮置き台110又は仮置き台111に対するウエハ14の受け渡しを行うことができる。
【0042】
また、縦スライダ本体105は、独立チャンバ101の側面の開口及び独立チャンバ102の側面の開口を通して独立チャンバ101内に突き出しており、縦スライダ本体105の側面に長手方向に摺動自在に、ウエハ14の接触部がコの字型の2個のスライダ(搬送アーム)116,117が取り付けられている。これらの2個のスライダ116,117は、それぞれの真空吸着部によりウエハ14を保持した状態で、独立チャンバ101内と独立チャンバ102内との間を独立に移動する。そして、スカラー型ロボットハンド106は、例えば、保管棚108からウエハ14を取り出した後、位置Q4において、上下動可能なターンテーブル118を介してスライダ116又は117にウエハ14を渡す。その後、スライダ116又は117から露光後のウエハ14を同様にターンテーブル118の上下動を介して受け取ったスカラー型ロボットハンド106は、そのウエハ14を例えば保管棚108に戻す。
【0043】
また、スカラー型ロボットハンド106のハンド部107、スライダ116、スライダ117のようにウエハ14と接触する部分は、表面が緻密な導電性セラミック等で形成する。ただし、そのウエハ14との接触部の表面に緻密な導電性セラミックをコーティング等により被着してもよい。
【0044】
横スライダ本体104と縦スライダ本体105とが交差する領域付近、即ち位置Q4の近傍には、ターンテーブル118及びウエハ14の中心位置や姿勢を検出するセンサ等を有するプリアライメント装置119等が設置されている。
【0045】
スカラー型ロボットハンド106は、ウエハ14の中心位置がターンテーブル118の回転中心に合致するように、ターンテーブル118上にウエハ14を載置する。この際にウエハ14の裏面にスライダ116を移動させておく。ターンテーブル118上でウエハ14は真空吸着される。
【0046】
その状態でターンテーブル118を回転させ、ウエハ14の切欠き部をセンサにより検出し、この検出結果に応じて、ウエハ14の切欠き部が、例えば横スライダ本体104に対向する位置でターンテーブル118の回転を停止させる。その後、ターンテーブル118によるウエハ14の吸着を解除し、ターンテーブル118が下降し、スライダ116の上面にウエハ14を真空吸着する。次いで、そのスライダ116を縦スライダ本体105に沿って独立チャンバ101側に移動させ、後述する複数の上下動可能なピン等から構成されるウエハ上下動機構(受渡し手段)によりそのスライダ116からウエハホルダWH上にウエハ14を移す。この際に、ウエハ14の中心及び切欠き部の位置が正確に所定の状態になってウエハ14がウエハホルダWHの上に載置される。
【0047】
次に、ウエハステージ及びウエハホルダの要部構成を、図5及び図8を参照してさらに詳細に説明する。ウエハホルダWHは、ウエハステージ28(Zチルトステージ19)上に吸着保持される。ウエハステージ28には、ウエハホルダWHの底部小径部121が嵌合可能な丸穴122が形成されており、この丸穴122の内底面の中央部に円形のガイド穴123が上下方向に穿設されている。このガイド穴123の内部には、このガイド穴123に沿って上下動可能なホルダ支持部材124が挿入されており、このホルダ支持部材124は、図示しない駆動機構によって上下動されるようになっている。即ち、ガイド穴123、ホルダ支持部材124及び図示しない駆動機構によってホルダの着脱機構が構成されている。
【0048】
ホルダ支持部材124の上端には断面略U字状の切欠き125が形成されており、これにより、ウエハホルダWHの交換時にこの切り欠き125を介して、後述するホルダ自動搬送装置のホルダ搬送アームの先端が挿入できるようにされている。さらに、丸穴122の内底面上には、ウエハ交換時にウエハを3点で支持するとともに、上下動させるウエハ上下動機構を構成する3つの上下動ピン126が上下方向に設けられている。これらの上下動ピン126は、ウエハホルダWHがウエハステージ28に吸着固定された状態では、それぞれの先端部がこれらの上下動ピン126に対応して設けられた図示しない丸孔を介してウエハホルダWHを貫通状態で上下動するようになっている。なお、ウエハホルダWH上には一般に同心円状の凸部127があり、これらの同心円状の凸部上にウエハ14が載置される。
【0049】
(4)ウエハホルダの搬送系
この実施形態における露光装置は、図示は省略するが、上述のウエハ14の自動搬送装置に加えて、ウエハホルダWHを自動搬送する搬送装置を備えている。ホルダ自動搬送装置としては、例えば、特開平8−250409号公報に開示されているようなものを採用することができる。
【0050】
このホルダ自動搬送装置は、ウエハホルダWHを吸着保持するハンド部を有する多関節ロボットや搬送アーム等を備え、ウエハテーブル28上に吸着保持されているウエハホルダWHを取り外して搬送し、ウエハホルダ用の保管棚に収納するとともに、ウエハホルダ用の保管棚から清浄なウエハホルダWHを取り出し、ウエハステージ28の近傍まで搬送して、ウエハステージ28に吸着保持させる装置である。その構成等については、上述のウエハ14の自動搬送装置とほぼ同様であるので、その詳細な説明は省略することにする。
【0051】
(5)ウエハ型照度計
本実施形態では、上述したようなKrFエキシマレーザを露光用照明光として用いたステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置30aと、ArFエキシマレーザを露光用照明光として用いたステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置30b〜30dとが混在するリソグラフィ・システムを用いた半導体装置の製造方法において、各露光装置30a〜30dの照度を検出し、露光装置間の露光量をマッチング等させるために、図1にその回路構成を、図9にその外観構成を示す号機間照度計としてのウエハ型照度計50が使用される。
【0052】
この照度計50は、光センサ(照度検知部)52と、照度計回路部54とを有する。光センサ52は、図9に示すように、露光対象としてのウエハ(感光基板)14と略同一形状に形成されたダミーウエハ51の概略中央部に設けられている。なお、ここではダミーウエハ51の外形は円形板状のものを示しているが、このような形状に限定されるものではなく、例えば、液晶表示素子を製造する露光装置にあっては、その露光対象としてのガラス基板と略同一形状、即ち、矩形板状に形成されたものであってもよい。
【0053】
光センサ52には、光変換素子が内蔵してあり、光センサ52に照射された露光用照明光の入射エネルギーに応じて、電気信号を出力するようになっている。本実施形態において用いることができる光変換素子としては、特に限定されず、光起電力効果、ショットキー効果、光電磁効果、光導電効果、光電子放出効果、焦電効果等を利用した光変換素子が例示されるが、本実施形態では、所定の波長帯域にそれぞれ発振スペクトルを有する複数の露光用照明光を検出可能な広帯域光センサ素子が好ましい。KrFとArFとの双方の波長の光を検出するためである。このような観点からは、焦電効果を利用した光変換素子である焦電センサ素子が好ましい。
【0054】
照度計回路部54は、特に限定されないが、この実施形態では光センサ52と同様にダミーウエハ51に一体的に設けられている。照度計回路部54は、図1に示すように、配線(パターン)53を介して光センサ52からの出力信号(照度信号)が入力する増幅回路(アンプ)56を有する。増幅回路56は、増幅率記憶装置64に接続してあり、増幅率記憶装置64に記憶してある増幅率で、光センサ52からの照度信号を増幅するようになっている。
【0055】
増幅率記憶装置64には、露光用照明光の種類に応じて予め設定された増幅率が記憶してあり、本実施形態では、KrF露光用照明光のためのKrF用増幅率と、ArF露光用照明光のためのArF用増幅率とが記憶してある。これら増幅率の設定の仕方については後述する。
【0056】
増幅回路56には、ピークホールド(P/H)回路58が接続してあり、増幅回路56で増幅された照度信号のピーク値をホールドするようになっている。このピークホールド回路58は、アナログ・デジタル変換(A/D)回路60に接続してあり、ピークホールド回路58でホールドされた照度信号のピーク値(アナログ信号)は、デジタル信号に変換される。
【0057】
アナログ・デジタル変換回路60は、較正回路62に接続してあり、アナログ・デジタル変換回路60により変換されたデジタル信号(照度信号)は、較正回路62により較正される。この較正回路62による較正は、較正回路62に接続してある較正値記憶装置66に記憶してある較正値に基づき行われる。較正値記憶装置66には、露光用照明光の種類に応じて予め設定された較正値が記憶してあり、本実施形態では、KrF露光用照明光のためのKrF用較正値と、ArF露光用照明光のためのArF用較正値とが記憶してある。これら較正値の設定の仕方については後述する。
【0058】
較正回路62による較正が必要な理由を次に示す。即ち、較正回路62へ入力される前のデジタル信号は、光センサ52へ入射された光の照度に対応した量のデジタル信号ではあるが、そのデジタル信号から照度を計算するためには、増幅回路56での増幅率や、光センサ52で用いたセンサ素子の波長依存性等を考慮して補正を行う必要があるからである。このような較正を行わない場合には、正確な照度を算出して表示することはできない。なお、本実施形態では、光センサ52には、KrFとArFとの二種類の露光用照明光が照射されるので、較正回路62で行う較正値としては、KrF露光用照明光のためのKrF用較正値と、ArF露光用照明光のためのArF用較正値との二種類の較正値が必要となる。
【0059】
較正回路62の出力端には、結果データを記憶保持するための記憶装置74が接続してあり、較正回路62により較正されて照度(入射エネルギー)に換算されたデータが、結果データ記憶装置74に記憶保持されるようになっている。結果データ記憶装置74に記憶保持された結果データ(較正回路62により較正されて照度に換算されたデータ)は、データ読出装置(図示せず)やホストコンピュータ76等を入出力端子72に必用に応じて接続することにより読み出すことができるようになっている。なお、照度計回路部54に無線通信装置を具備させて、結果データを無線通信により読み出すようにすることができる。
【0060】
また、この例では、光センサ52と照度計回路部54をそれぞれ一体的にダミーウエハ51に設けているが、ダミーウエハ51上には光センサ52のみを設け、照度計回路部54をダミーウエハ51とは独立に構成して、これらの間を柔軟性を有する接続ケーブル53で接続するようにしてもよい。また、ダミーウエハ51上に光センサ52と無線通信装置を設け、照度計回路部54をダミーウエハ51とは独立に構成して、光センサ52による検出値を無線通信により照度計回路部54に転送するようにしてもよい。なお、これらの場合においては、結果データ記憶部74に記憶された結果データを表示装置に表示させるようにするとよい。
【0061】
この照度計50は、ダミーウエハ51として本物のウエハ14を用い、光センサ52及び照度計回路部54を該ウエハ上にリソグラフィ技術によって直接的に形成することにより構成することができ、あるいはダミーウエハ51としてプリント配線板若しくはプリント配線板を有する薄板部材(例えば、セラミックス板)を用い、該プリント配線板上に光センサ52及び照度計回路部54を形成する等して構成することができる。
【0062】
増幅率記憶装置64及び較正値記憶装置66には、必要に応じて切換回路68が接続してある。切換回路68は、増幅回路56で用いられる増幅率と、較正回路62で用いられる較正値とを、光センサ52へ入力される露光用照明光の種類に応じて切り替えるように、記憶装置64,66及び/又は増幅回路56及び較正回路62へ切換信号を出力する。
【0063】
切換回路68からの切換信号は、入力装置70からマニュアルで入力された選択信号に基づき発生させても良いし、入出力端子72から入力された選択信号に基づき発生させても良い。また、無線通信装置によって遠隔操作するようにしても良い。入力装置70としては、特に限定されないが、ディップスイッチ等を例示することができる。作業者は、このような入力装置70からマニュアル式に、照度が測定されるべき露光用照明光の種類(本実施形態では、KrF又はArF)を選択する。入力装置70を用いて、露光用照明光の種類(本実施形態では、KrF又はArF)を選択することで、切換回路68から切換信号が出力し、増幅回路56で用いる増幅率と、較正回路62で用いる較正値が決定し、各記憶装置64及び66から読み出される。
【0064】
図1に示す入出力端子72には、例えば、光センサ52が設置されるべき露光装置30a〜30dの各制御装置や図3に示すホストコンピュータ76等を接続することができ、このような機器に接続することで、これらの機器から、照度の計測を行うべき露光装置30a〜30dで用いる露光用照明光の種類(本実施形態では、KrF又はArF)を示す選択信号を入力することもできるようになっている。
【0065】
次に、図1に示す増幅率記憶装置64へ記憶すべき増幅率と、較正値記憶装置66に記憶すべき較正値とを設定する方法について説明する。
ArFエキシマレーザ露光装置では、使用するレジストが、KrFエキシマレーザ露光装置に用いるレジストに比較して、一般に高感度である。また、KrFエキシマレーザよりエネルギー安定性の良くないArFエキシマレーザでは、積算露光量制御の精度を向上させるために、積算パルス数が多くなる。そのために、1パルスあたりのエネルギーが、KrFエキシマレーザ露光装置の場合に比較して小さくなる。典型的には、照度計の入射エネルギーレベルで数倍〜10倍程度の差異がある。
【0066】
したがって、従来では、KrFエキシマレーザ露光装置で最適化した照度計を用いて、ArFエキシマレーザ露光装置の照度を計測しようとしても、センサの出力信号が低下し、直線性を持つ十分に広い計測レンジが得られない可能性が高い。
【0067】
また、使用波長が異なると、センサの感度が多少変化するため、KrFエキシマレーザの場合と同様な較正値では、正確な照度の絶対値の計測が困難である。
【0068】
そこで、本実施形態では、図1に示す増幅率記憶装置64には、KrF用増幅率とArF用増幅率との二種類の増幅率を記憶し、露光波長に応じて切り換えて使用している。また、較正値記憶装置66には、KrF用較正値とArF用較正値との二種類の増幅率を記憶し、露光波長に応じて切り換えて使用している。
【0069】
まず、増幅率記憶装置64に記憶すべきKrF用増幅率とArF用増幅率との設定について説明する。
図2に示すように、ピークホールド回路58では、その入力信号(入力電圧)と出力信号(出力電圧)との関係において、その入力電圧V0がV1よりも大きくV2よりも小さい場合に、良好な直線関係(比例関係)を持つ領域が存在する。別の言い方をすれば、照度計50による測定の直線性は、ピークホールド回路58の追随性に依存する。そのため、正確な照度を算出するためには、増幅回路56において、その出力電圧V0(ピークホールド回路58への入力電圧)が、V1<V0<V2の関係となるように、増幅率を設定する必要がある。
【0070】
その際に、KrFの場合の1パルスあたりの照射エネルギーと、ArFの場合の1パルスあたりの照射エネルギーとは、異なることから、それぞれについて、出力電圧がV0程度になるように、KrF用増幅率gKrF とArF用増幅率gArF とを決定する。これらのKrF用増幅率gKrF とArF用増幅率gArF とが、図1に示す増幅率記憶装置64に記憶される。記憶させるための操作は、図1に示す入力装置70をマニュアルで操作することにより行っても良いし、入出力端子72からデータを送信することにより記憶させても良い。
【0071】
なお、KrFの場合の1パルスあたりの照射エネルギーと、ArFの場合の1パルスあたりの照射エネルギーとは、コンピュータの解析プログラムによるシュミレーションにより求めても良いし、実測により求めても良い。
【0072】
次に、図1に示す較正値記憶装置66に記憶すべきKrF用較正値とArF用較正値との設定について説明する。
これらの較正値を求めるための一方法としては、例えば、図6に示すように、まず、KrFレーザ装置78を用い、同じレーザ装置78から出射される光を、同時に、反射率、及び透過率が既知のビームスプリッタ80を介してKrF用基準照度計50aの光センサ52aと、較正すべき照度計50の光センサ52とに照射する。その際には、較正すべき照度計50の増幅回路56で用いる増幅率は、KrF用増幅率となるように切換回路68を用いて設定しておく。次に、較正すべき照度計50による検出値が、KrF用基準照度計50aによる検出値と同じ値となるように、ビームスプリッタ80の反射率、及び透過率も用いてKrF用較正値を決定し、その決定されたKrF用較正値を、照度計50中の図1に示す較正値記憶装置66に記憶させる。KrF用較正値の決定及び記憶は、マニュアルで行っても良いが、基準照度計50aと較正すべき照度計50とを直接又は他の機器を介して間接的に接続し、自動的に行うようにしても良い。
【0073】
ArF用較正値の決定及び記憶は、図6に示すレーザ装置78をArF用のものとすると共に、基準照度計50aもArF用のものと交換し、さらに、較正すべき照度計50の増幅回路56で用いる増幅率を、ArF用増幅率となるように切換回路68を用いて設定しておき、前記と同様な操作を行えば良い。
【0074】
(6)照度計測方法
本実施形態において、照度の測定に際しては、ダミーウエハ51を照度計測すべき露光装置のウエハ保管棚108,109又は仮置き台110,111にウエハ14と同様に収容又は載置しておき、ウエハ自動搬送装置(搬送系)103により、通常のウエハ14と同様に搬送して、ウエハホルダWH上に真空吸着させる。次いで、ウエハステージ28を、X及びY方向に駆動制御し、図4に示す投影光学系13を通過した露光用照明光を、ダミーウエハ51上の光センサ52の光変換素子へ入射させ、投影光学系13の結像面(又はその近傍)における照明光の照度を計測する。
【0075】
なお、ダミーウエハ51に一体的に設けられた光センサ52の受光面は、アパーチャ板の直下に近接して設けられており、照度測定時にはそのアパーチャ板の下面、即ち光センサ52の受光面が投影光学系13の結像面とほぼ一致するようにダミーウエハ51の位置がZチルトステージ19により調整される。
【0076】
照度の計測が終了したならば、ウエハ自動搬送装置103は、ダミーウエハ51をウエハホルダWHから受け取り、通常のウエハ14と同様に搬送して、ウエハ保管棚108,109に戻し、又は仮置き台110,111上に載置させる。次いで、作業者はダミーウエハ51をチャンバ102内から取り出し、ホストコンピュータ76等に接続して、結果データ記憶装置74に記憶保持された結果データを読み出す。なお、結果データの読み出しは、1台の露光装置の照度計測が終了した時点で行ってもよいが、複数台の露光装置の照度計測が終了した後に行ってもよい。また、前後の露光装置間でダミーウエハ51を自動的に受け渡すようにして、複数台の露光装置の照度計測を全自動で行うようにすることもできる。
【0077】
なお、本実施形態では、単一の照度計50を用い、照度計測すべき露光装置が採用している光源に応じて、増幅回路56で用いる増幅率と、較正回路62で用いる較正値とを、KrF用とArF用とに切り換えて照度を計測するようにしたから、単一の照度計50を用いて、KrF露光装置とArF露光装置との双方の照度を計測することができる。
【0078】
照度計50を用いて計測された照度出力信号は、露光装置に装着してあるインテグレータセンサ25や照度むらセンサ21等の光センサの較正に用いたり、各露光装置30a〜30d間の露光量をマッチングさせたりすることに用いられる。
【0079】
他の実施形態
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図10はダミーホルダに一体的に光センサを設けてなるホルダ型照度計又は光センサを一体的に有するウエハホルダの外観斜視図である。上述した一実施形態と実質的に同一の構成部分については、同一の番号を付し、その説明は省略することにする。
【0080】
即ち、この実施形態のホルダ型照度計150は、図10に示すように、光センサ52をウエハホルダWHと略同一形状に形成されたダミーホルダ(ウエハホルダとしての機能の有無は問わない)151の概略中央部に設けて構成した以外は、前記一実施形態のウエハ型照度計50とほぼ同様である。ダミーホルダ151の外形は、図8に示したウエハホルダWHと同一形状のものを採用している。
【0081】
本実施形態において、照度の測定に際しては、ダミーホルダ151を照度計測すべき露光装置のホルダ保管棚又は仮置き台にウエハホルダWHと同様に収容又は載置しておき、上述したウエハホルダWHの自動搬送装置(ウエハの自動搬送装置103とほぼ同様の構成)により、通常のウエハホルダWHと同様に搬送して、ウエハステージ28上に真空吸着により保持させる。次いで、ウエハステージ28を、X及びY方向に駆動制御し、図4に示す投影光学系13を通過した露光用照明光を、ダミーホルダ151上の光センサ52の光変換素子へ入射させ、投影光学系13の結像面(又はその近傍)の照度を計測する。
【0082】
なお、ダミーホルダ151に一体的に設けられた光センサ52の受光面は、アパーチャ板の直下に近接して設けられており、照度測定時にはそのアパーチャ板の下面、即ち光センサ52の受光面が投影光学系13の像面とほぼ一致するようにダミーホルダ151の位置がZチルトステージ19により調整される。
【0083】
照度の計測が終了したならば、ホルダ自動搬送装置はダミーホルダ151をウエハステージ28から受け取り、通常のウエハホルダWHと同様に搬送して、ホルダ保管棚に戻し、又は仮置き台上に載置させる。次いで、ダミーホルダ151をチャンバ102内から取り出し、ホストコンピュータ76等に接続して、結果データ記憶装置74に記憶保持された結果データを読み出す。なお、結果データの読み出しは、1台の露光装置の照度計測が終了した時点で行ってもよいが、複数台の露光装置の照度計測が終了した後に行ってもよい。また、前後の露光装置間でダミーホルダ151を自動的に受け渡すようにして、複数台の露光装置の照度計測を全自動で行うようにすることもできる。
【0084】
なお、この実施形態では、ウエハホルダWHと略同一の形状に形成されたダミーホルダ(ウエハホルダとしての機能の有無は問わない)に光センサ52を一体的に設けてなるホルダ型照度計を用いて、照度計測を行うようにしているが、このようなダミーホルダ151ではなく、ウエハホルダWH自体に光センサ52を一体的に付加したウエハホルダ(光センサ付きウエハホルダ)153により、各露光装置30a〜30dの照度計測を行うようにしてもよい。照度計測を行わない場合には、通常のウエハホルダとして使用することができ、より効率的である。
【0085】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0086】
例えば、上述した実施形態では、ウエハ型照度計50,ホルダ型照度計150又は光センサ付き基板ホルダとして、KrF用とArF用の二種類について切り換えて照度を計測できるものを説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、切り換えできないタイプでも勿論良い。また、二種類の波長の組み合わせも上述のものに限定されることはなく、その他の波長の組み合わせに対しても用いることができる。さらに、異なる波長の組み合わせは、二つのみでなく、三つ以上であっても良い。さらにまた、波長が同じでも、異なる入射エネルギー範囲を持つ露光用照明光の照度を高精度で検出するために、入射エネルギー範囲で切り換えて用いることもできる。
【0087】
また、図1に示した照度計回路部54を構成する各回路又は装置は、その機能を実現するための電気回路(ハード)のみで構成しても良いが、その一部又は全部をマイクロコンピュータ及びソフトウェア・プログラムによって実現しても良い。
【0088】
さらにまた、上述した実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型走査露光装置(スキャニング・ステッパー)について説明したが、例えばレチクル11とウエハ14とを静止させた状態でレチクルパターンの全面に露光用照明光を照射して、そのレチクルパターンが転写されるべきウエハ14上の1つの区画領域(ショット領域)を一括露光するステップ・アップ・リピート方式の縮小投影型露光装置(ステッパー)、さらにはミラープロジェクション方式やプロキシミティ方式等の露光装置にも同様に適用することができる。
【0089】
なお、図4に示した投影光学系13はその全ての光学素子が屈折素子(レンズ)であるものとしたが、反射素子(ミラー等)のみからなる光学系であってもよいし、あるいは屈折素子と反射素子(凹面鏡、ミラー等)とからなるカタディオプトリック光学系であってもよい。また、投影光学系13は縮小光学系に限られるものではなく、等倍光学系や拡大光学系であってもよい。
【0090】
さらに、本発明は、光源として軟X線領域に発振スペクトルを有するEUV(Extreme Ultra Violet)を発生するSOR、又はレーザプラズマ光源等を用いた縮小投影型走査露光装置、又はプロキシミティー方式のX線走査露光装置にも適用可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によると、照明光の照度を計測する照度計(又は照度計の一部若しくは全部の機能を有する基板ホルダ)を露光装置が備える感光基板の搬送系(又は基板ホルダの搬送系)により基板ステージ上に搬入し又は搬出できるようにしたから、照度計等を該基板ステージ上に取り付ける等の作業が不要となり、照度の計測作業が非常に簡略化されるとともに、基板ステージ上あるいはその近傍に存在する精密部材等を傷つけたり、ゴミの落下等による障害の発生を防止することができる。また、照度の計測を短時間で高効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る照度計の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す照度計における主要回路の特性を示す概略図である。
【図3】 本発明の一実施形態のリソグラフィ・システムの構成を示す概略図である。
【図4】 本発明の一実施形態の露光装置の一例を示す概略図である。
【図5】 本発明の一実施形態の露光装置のウエハステージの概略斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態の照度計の較正方法の一例を示す概略図である。
【図7】 本発明の一実施形態の露光装置の要部を示す平面断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態の露光装置のウエハステージ及びウエハホルダの要部を示す断面図である。
【図9】 本発明の一実施形態の照度計の外観斜視図である。
【図10】 本発明の他の実施形態の照度計又は基板ホルダの外観斜視図である。
【符号の説明】
1… 露光用光源
11… レチクル(マスク)
13… 投影光学系
14… ウエハ(感光基板)
17… ステージコントローラ
19… Zチルトステージ
28… ウエハステージ
30a〜30d… 露光装置
50… ウエハ型照度計
51… ダミーウエハ
52… 光センサ
54… 照度計回路部
56… 増幅回路
58… ピークホールド回路
60… アナログ・デジタル変換回路
62… 較正回路
64… 増幅率記憶装置
66… 較正値記憶装置
68… 切換回路
70… 入力装置
72… 入出力端子
74… 結果データ記憶装置
101,102… 独立チャンバ
103… ウエハ自動搬送装置(ホルダ自動搬送装置)
106… スカラー型ロボットハンド
108,109… 保管棚
150… ホルダ型照度計
151… ダミーホルダ
153… 光センサ付きウエハホルダ

Claims (22)

  1. 感光基板を露光する露光装置内部で露光用照明光を受光して当該露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    その外形が前記感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部を含み、
    さらに、前記センサ部で生成されたデータを無線送信する無線通信装置と、前記センサ部で生成されたデータを読み出し可能に記憶する記憶装置との少なくとも一方を備えることを特徴とする照度計。
  2. 請求項1に記載の照度計であって、前記無線通信装置を備える照度計と、
    前記照度計の無線通信装置から無線送信されるデータを受信する受信装置とを含む計測システム。
  3. 請求項1に記載の照度計であって、前記記憶装置を備え、さらに前記記憶装置に記録されたデータを読み出すための端子を備える照度計と、
    前記照度計の端子と接続可能な端子を含み、前記照度計の前記記憶装置に記録されたデータを読み出すデータ読出装置を含む計測システム。
  4. 感光基板を露光する露光装置内部で露光用照明光を受光して前記露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    その外形が前記感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部を含み、
    さらに、無線信号を受信する受信装置で受信可能なように前記センサ部で生成されたデータを無線送信する無線通信装置を備えることを特徴とする照度計。
  5. 感光基板を露光する露光装置内部で露光用照明光を受光して前記露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    その外形が前記感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部と、
    前記センサ部で生成されたデータを読み出し可能に記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置と接続されており、読出装置側の接続端子と接続されることにより前記記憶装置に記憶されたデータを前記読出装置へ送信可能とする照度計側端子とを含むことを特徴とする照度計。
  6. 感光基板を露光する露光装置の露光用照明光の照度を計測する照度計測方法であって、
    その外形が感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、前記露光用照明光を受光することで、受光した露光用照明光に応じたデータを生成するセンサ部を備えた照度計を、前記露光装置内に搬入し、
    前記照度計のセンサ部で生成されたデータを無線通信により読み出すことを特徴とする照度計測方法。
  7. 前記感光基板を前記露光装置内へ搬送する搬送装置を用いて前記照度計を前記露光装置内へ搬送することを含む請求項6の照度計測方法。
  8. 感光基板を露光する露光装置の露光用照明光の照度を計測する照度計測方法であって、
    その外形が感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、前記露光用照明光を受光することで、受光した露光用照明光に応じたデータを生成するセンサ部を備えた照度計を、前記露光装置内に搬入し、
    前記照度計のセンサ部で生成されたデータを照度計の記憶装置に記憶し、
    前記照度計を前記露光装置内から取り出した後、前記照度計の記憶装置に記憶されたデータを読み出すことを特徴とする照度計測方法。
  9. 前記照度計を前記露光装置内から取り出した後、前記照度計に設けられた端子をデータ読出装置の端子に接続することを含む請求項8記載の照度計測方法。
  10. 前記感光基板を前記露光装置内へ搬送する搬送装置を用いて前記照度計を前記露光装置内へ搬送することを含む請求項8又は9記載の照度計測方法。
  11. 感光基板を露光する複数の露光装置の露光用照明光の照度を順次計測する照度計測方法であって、
    その外形が感光基板と同様に搬送可能な薄板状に形成され、前記露光用照明光を受光することで、受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部を備えた照度計を、前記複数の露光装置に順次搬入し、
    各露光装置で前記照度計のセンサ部で生成されたデータを照度計の記憶装置に記憶し、
    前記照度計を前記露光装置から取り出した後、前記照度計の記憶装置に記憶されたデータを読み出すことを特徴とする照度計測方法。
  12. 前記照度計の記憶装置に記憶されたデータの読み出しは、複数の露光装置のうち1つの露光装置の露光用照明光の照度の計測が終了する毎に実行することを特徴とする請求項11記載の照度計測方法。
  13. 前記照度計の記憶装置に記憶されたデータの読み出しは、複数の露光装置の露光用照明光の照度を計測した後に実行することを特徴とする請求項11記載の照度計測方法。
  14. 感光基板を露光する露光方法であって、請求項6から13いずれか一項に記載の照度計測方法で計測された照度に応じて、露光装置の露光用照明光の照度を調整することを含む露光方法。
  15. 基板ステージ上の基板ホルダに保持された感光基板を露光用照明光で露光する露光装置の前記露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    前記基板ステージに対して着脱自在に構成された前記基板ホルダと同様の形状を備え、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部を含み、
    さらに、前記センサ部で生成されたデータを無線送信する無線通信装置と、前記センサ部で生成されたデータを読み出し可能に記憶する記憶装置との少なくとも一方を備えることを特徴とする照度計。
  16. 請求項15に記載の照度計であって、前記無線通信装置を備える照度計と、
    前記照度計の無線通信装置から無線送信されるデータを受信する受信装置とを含む計測システム。
  17. 請求項15に記載の照度計であって、前記記憶装置を備え、さらに前記記憶装置に記録されたデータを読み出すための端子を備える照度計と、
    前記照度計の端子と接続可能な端子を含み、前記照度計の前記記憶装置に記録されたデータを読み出すデータ読出装置を含む計測システム。
  18. 基板ステージ上の基板ホルダに保持された感光基板を露光する露光装置内部で露光用照明光を受光して前記露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    その外形が前記基板ホルダと同様に形成され、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部を含み、
    さらに、無線信号を受信する受信装置で受信可能なように前記センサ部で生成されたデータを無線送信する無線通信装置を備えることを特徴とする照度計。
  19. 基板ステージ上の基板ホルダに保持された感光基板を露光する露光装置内部で露光用照明光を受光して前記露光用照明光の照度を計測する照度計であって、
    その外形が前記基板ステージに対して着脱自在に構成された前記基板ホルダと同様に形成され、
    前記受光した露光用照明光に応じてデータを生成するセンサ部と、
    前記センサ部で生成されたデータを読み出し可能に記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置と接続されており、読出装置側の接続端子と接続されることにより前記記憶装置に記憶されたデータを前記読出装置へ送信可能とする照度計側端子とを含むことを特徴とする照度計。
  20. 基板ステージ上の基板ホルダに保持された感光基板を露光する露光装置の露光用照明光の照度を計測する照度計測方法であって、
    その外形が前記基板ホルダと同様に形成され、前記露光用照明光を受光することで、受光した露光用照明光に応じたデータを生成するセンサ部を備えた照度計を、前記露光装置内に搬入し、
    前記照度計のセンサ部で生成されたデータを無線通信により読み出すことを特徴とする照度計測方法。
  21. 基板ステージ上の基板ホルダに保持された感光基板を露光する露光装置の露光用照明光の照度を計測する照度計測方法であって、
    その外形が前記基板ホルダと同様に形成され、前記露光用照明光を受光することで、受光した露光用照明光に応じたデータを生成するセンサ部を備えた照度計を、前記露光装置内に搬入し、
    前記照度計のセンサ部で生成されたデータを照度計の記憶装置に記憶し、
    前記照度計を前記露光装置内から取り出した後、前記照度計の記憶装置に記憶されたデータを読み出すことを特徴とする照度計測方法。
  22. 前記照度計を前記露光装置内から取り出した後、前記照度計に設けられた端子をデータ読出装置の端子に接続することを含む請求項21記載の照度計測方法。
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