JP3968388B2 - 膵炎治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インスリン抵抗性改善物質を有効成分とする膵炎の予防剤または治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
膵炎はその発症の様式より、急性膵炎と慢性膵炎とに大別される。
急性膵炎は突発する上腹部の急性腹痛発作を主症状とする疾患であり、急性腹症の代表的疾患のひとつである。本症は種々の原因と機序による膵酵素の活性化と、それによる膵の自己消化が本態であるが、重症になると漏出した膵酵素が周辺臓器、引いては遠隔臓器を障害し、多臓器不全を引き起こす。急性膵炎の成因の40%はアルコール多飲であり、次いで特発性、胆石性、過食、外傷が続くが、上位3成因で70〜80%を占める(「’95医療用医薬品データブック(上)」、第125−144頁(1995年)、(株)富士経済編集発行参照)。
【0003】
一方、慢性膵炎は膵機能障害で外分泌機能の低下した病態をいい、病理組織学的には慢性炎症による膵の繊維化、膵実質の破壊および消失であり、最終的には膵重量の減少を伴う。膵実質の破壊は膵腺房細胞に始まり、やがては膵島にまで及ぶ。慢性膵炎の臨床経過は、反復する腹痛を起こす代償期と、膵の荒廃が進展し膵内外の分泌不全による糖尿病および消化障害を引き起こす非代償期に大別され、代償期から非代償期へと進展する間に移行期がある。更に、代償期は急性再燃期と間歇期に細分類される(「’95医療用医薬品データブック(上)」、第125−144頁(1995年)、(株)富士経済編集発行参照)。慢性膵炎の成因としてはアルコール多飲、続いて胆石症、急性膵炎、特発性(特に女性に多い)が挙げられる。近年のアルコール摂取量、蛋白、脂肪摂取量の増加に伴って、慢性膵炎は増加の一途をたどっており、特にアルコール多飲による慢性膵炎が増加している(「慢性膵炎全国集計調査報告」、厚生省特定疾患、難治性膵疾患調査研究班、昭和60年度研究報告書より)。
【0004】
急性膵炎の治療では、原因の除去、膵の保護、膵の自己消化防止、疼痛のコントロール、感染対策、栄養管理等の内科的保存療法が優先される。
一方、慢性膵炎の治療では、膵病変の進行を阻止し、膵組織を再生修復することが望ましいが、そのような根本的治療法はない。
【0005】
従って、急性膵炎、慢性膵炎とも症状に対応した対症療法が一般に行われている。このうち、薬物による膵炎治療では、その症状に対応して鎮痛鎮静剤、胃液分泌抑制剤、消化酵素剤、抗生物質などが用いられるが、本邦では蛋白分解酵素阻害剤の使用が最も多い(「’95医療用医薬品データブック(上)」、第125−144頁(1995年)、(株)富士経済編集発行参照)。蛋白分解酵素阻害剤は、膵の自己消化を促進するトリプシンの作用を抑制すると考えられており、加えてフィードバック機構により膵外分泌組織の再生(膵重量の増加)および機能改善を促す作用を有するとの報告もある(「治療学」、第21巻、第75−79頁(1988年);「胆と膵」、第8巻、第297−308頁(1987年))。しかしながら、この評価はまだ確立されていない。本邦で用いられている蛋白分解酵素阻害剤には、メシル酸ガベキサート(「医療薬日本医薬品集」、1994年8月版、第296−297頁、日本医薬情報センター編、薬業時報社発行参照)、メシル酸ナファモスタット(「医療薬日本医薬品集」、1994年8月版、第871−872頁、日本医薬情報センター編、薬業時報社発行参照)、ウリナスタチン(「医療薬日本医薬品集」、1994年8月版、第188−189頁、日本医薬情報センター編、薬業時報社発行参照)、アプロチニン(「医療薬日本医薬品集」、1994年8月版、第47頁、日本医薬情報センター編、薬業時報社発行参照)等があるが、唯一の経口剤であるメシル酸カモスタットが多用されている(「治療学」、第21巻、第75−79頁(1988年);「医療薬日本医薬品集」、1994年8月版、第297−298頁、日本医薬情報センター編、薬業時報社発行参照)。
【0006】
チアゾリジンジオン誘導体はインスリン作用を増強し、糖尿病状態を改善する薬物である(藤原ら、Diabetes、第37巻、第1549頁(1988年);
Hofmann C.A. et al.,Diabetes Care、第15巻、第1075−1078頁(1992年))。
しかしながら、チアゾリジン誘導体が膵炎に効果があるという報告はされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、膵炎の治療の重要性をかんがみて種々研究を重ねた結果、インスリン抵抗性改善物質が膵炎(好適には慢性膵炎)を有意に改善することを見出し本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インスリン抵抗性改善物質を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤に関する。
【0009】
ここに、「膵炎」とは「慢性膵炎」および「急性膵炎」の両者を含む。
【0010】
インスリン抵抗性改善物質は、通常、糖尿病等の予防または治療に使用され、多様な範囲の化合物が包含される。代表的なものとしては、チアゾリジンジオン化合物、オキサゾリジンジオン化合物、イソキサゾリジンジオン化合物およびオキサジアゾリジンジオン化合物であり、好適にはチアゾリジンジオン化合物またはイソキサゾリジンジオン化合物である。
【0011】
例えば、一般式(I)
【0012】
【化3】
【0013】
[式中、R1 およびR2 は、同一または異なって、水素原子またはC1 −C5 アルキル基を示し、
R3 は、水素原子、C1 −C6 脂肪族アシル基、C6 −C8 シクロアルキルカルボニル基、置換されてもよいベンゾイル若しくはナフトイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、アミノ、モノ−C1 −C4 アルキルアミノ、ジ−C1 −C4 アルキルアミノまたはニトロ基である。)、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなるヘテロ原子群から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含有する4乃至7員複素環アシル基、フェニルアセチル基、フェニルプロピオニル基、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたフェニルアセチル若しくはフェニルプロピオニル基、シンナモイル基、C2 −C7 アルコキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基を示し、
R4 およびR5 は、同一または異なって、水素原子、C1 −C5 アルキル基若しくはC1 −C5 アルコキシ基を示すか、またはR4 およびR5 が一緒になってC1 −C4 アルキレンジオキシ基を示し、
YおよびZは、同一または異なって、酸素原子またはイミノ基を示し、
nは、1乃至3の整数を示す。]
を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤に関する。
【0014】
上記に於て、R1 、R2 、R4 およびR5 の定義に於ける「C1 −C5 アルキル基」は、炭素数1乃至5個の直鎖若しくは分枝鎖であるアルキル基を示し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル基である。R1 においては、好適にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはペンチル基であり、更に好適にはC1 −C4 アルキル基であり、特に好適にはメチル基であり、R2 およびR5 においては、好適にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはペンチル基であり、更に好適にはC1 −C3 アルキル基であり、特に好適にはメチル基であり、R4 においては、好適には
C1 −C4 アルキル基であり、更に好適にはメチル基またはt−ブチル基であり、特に好適にはメチル基である。
【0015】
上記に於て、R3 の定義に於ける「C1 −C6 脂肪族アシル基」は、水素原子または飽和若しくは不飽和のC1 −C5 鎖状炭化水素基にカルボニル基が結合した基を示し、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロリル、ヘキサノイル基であり、好適にはC1 −C4 脂肪族アシル基であり、特に好適にはアセチル基である。
【0016】
上記に於て、R3 の定義に於ける「C6 −C8 シクロアルキルカルボニル基」は、炭素数5乃至7個の環状炭化水素基にカルボニル基が結合した基を示し、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル基であり、好適にはシクロヘキサンカルボニル基である。
【0017】
上記に於て、R3 の定義に於ける「置換されてもよいベンゾイル若しくはナフトイル基」は、該置換基であるC1 −C4 アルキル(前記C1 −C5 アルキル基のうち、炭素数1乃至4個のアルキル基を示し、好適にはメチルまたはt−ブチル基である。)、C1 −C4 アルコキシ(前記C1 −C4 アルキル基が酸素原子に結合した基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ基であり、好適にはメトキシ基である。)、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例えば、弗素、塩素、臭素、沃素であり、好適には弗素原子または塩素原子である。)、アミノ、モノ−C1 −C4 アルキルアミノ(アミノ基に1個の前記C1 −C4 アルキル基が結合した基を示し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ基であり、好適にはメチルアミノ基である。)、ジ−C1 −C4 アルキルアミノ(アミノ基に2個の前記C1 −C4 アルキル基が結合した基を示し、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−s−ブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、N−メチル−N−イソプロピルアミノ、N−メチル−N−ブチルアミノ、N−メチル−N−イソブチルアミノ、N−メチル−N−s−ブチルアミノ、N−メチル−N−t−ブチルアミノ、N−エチル−N−プロピルアミノ、N−エチル−N−イソプロピルアミノ、N−エチル−N−ブチルアミノ、N−エチル−N−イソブチルアミノ、N−エチル−N−s−ブチルアミノ、N−エチル−N−t−ブチルアミノ、N−プロピル−N−イソプロピルアミノ、N−プロピル−N−ブチルアミノ、N−プロピル−N−イソブチルアミノ、N−プロピル−N−s−ブチルアミノ、N−プロピル−N−t−ブチルアミノ、N−イソプロピル−N−ブチルアミノ、N−イソプロピル−N−イソブチルアミノ、N−イソプロピル−N−s−ブチルアミノ、N−イソプロピル−N−t−ブチルアミノ、N−ブチル−N−イソブチルアミノ、N−ブチル−N−s−ブチルアミノ、N−ブチル−N−t−ブチルアミノ、N−イソブチル−N−s−ブチルアミノ、N−イソブチル−N−t−ブチルアミノ、N−s−ブチル−N−t−ブチルアミノ基であり、好適にはジメチルアミノ基である。)またはニトロ基により置換されてもよいベンゾイルまたはナフトイル基である。置換基を少なくとも1個有するベンゾイル若しくはナフトイル基を示す場合、置換基の数に限定はなく(置換基が複数の場合、それらは同一または異なってもよいが、ベンゾイル基の場合は最大5個であり、ナフトイル基の場合は最大7個である。)、好適には1乃至3個である。そのような置換されてもよいベンゾイル若しくはナフトイル基は、例えば、ベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、3−フルオロベンゾイル、2−クロロベンゾイル、3,4−ジクロロベンゾイル、4−アミノベンゾイル、3−ジメチルアミノベンゾイル、2−メトキシベンゾイル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基であり、好適には置換基を有さないベンゾイルまたは1−ナフトイル基であり、特に好適にはベンゾイル基である。
【0018】
上記に於てR3 の定義における「窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなるヘテロ原子群から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含有する4乃至7員複素環アシル基」は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなるヘテロ原子群から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含有する4乃至7員複素環にカルボニル基が結合した基を示し、好適には窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなるヘテロ原子群から選択される3個(更に好適には1乃至2個、特に好適には1個)のハロゲン原子を含有する5乃至6員複素環アシル基(好適には芳香族アシル基)である。複素環が3個のヘテロ原子を含有する場合、好適には、全てが窒素原子であるかまたは窒素原子を少なくとも1つ含有し相応じて酸素原子および/または窒素原子を1若しくは2個含有する。そのような複素環アシル基としては、例えば、フロイル(好適には2−フロイル)、テノイル(好適には3−テノイル)、ニコチノイル基またはイソニコチノイル基である。
【0019】
上記に於て、R3 の定義に於ける「少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたフェニルアセチル若しくはフェニルプロピオニル基」は、少なくとも1個の前記ハロゲン原子(置換数は1乃至5個であり、好適には1乃至3個であり、特に好適には1個である。)で置換されたフェニルアセチル若しくはフェニルプロピオニル基である。そのようなハロゲン原子で置換されたフェニルアセチル若しくはフェニルプロピオニル基としては、例えば、p−クロロフェニルアセチル、p−フルオロフェニルアセチル、p−ブロモフェニルアセチル、p−ヨ−ドフェニルアセチル、o−クロロフェニルアセチル、o−フルオロフェニルアセチル、o−ブロモフェニルアセチル、o−ヨ−ドフェニルアセチル、m−クロロフェニルアセチル、m−フルオロフェニルアセチル、m−ブロモフェニルアセチル、m−ヨ−ドフェニルアセチル、2,4−ジクロロフェニルアセチル、2,4−ジフルオロフェニルアセチル、2,4−ジブロモフェニルアセチル、2,4−ジヨ−ドフェニルアセチル、3−(p−クロロフェニル)プロピオニル、3−(p−フルオロフェニル)プロピオニル、3−(p−ブロモフェニル)プロピオニル、3−(p−ヨ−ドフェニル)プロピオニル、3−(o−クロロフェニル)プロピオニル、3−(o−フルオロフェニル)プロピオニル、3−(o−ブロモフェニル)プロピオニル、3−(o−ヨ−ドフェニル)プロピオニル、3−(m−クロロフェニル)プロピオニル、3−(m−フルオロフェニル)プロピオニル、3−(m−ブロモフェニル)プロピオニル、3−(m−ヨ−ドフェニル)プロピオニル、3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオニル、3−(2,4−ジフルオロフェニル)アセチル、3−(2,4−ジブロモフェニル)プロピオニル、3−(2,4−ジヨ−ドフェニル)プロピオニル基であり、好適にはp−クロロフェニルアセチル基である。
【0020】
上記に於て、R3 の定義に於ける「C2 −C7 アルコキシカルボニル基」は、C1 −C6 アルコキシ基(炭素数1乃至6個の直鎖または分岐鎖のアルキル基が酸素原子に結合した基を示す。)にカルボニル基が結合した基を示し、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシリルオキシカルボニル基であり、好適にはC2 −C4 アルコキシカルボニル基であり、特に好適にはエトキシカルボニル基である。
【0021】
上記に於て、R4 およびR5 の定義に於ける「C1 −C5 アルコキシ基」は、前記C1 −C5 アルキル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ基であり、好適にはC1 −C4 アルコキシ基であり、更に好適には、メトキシ基またはt−ブトキシ基であり、特に好適にはメトキシ基である。
【0022】
上記に於て、R4 およびR5 の定義に於ける「C1 −C4 アルキレンジオキシ基」は、炭素数1乃至4個の直鎖または分岐鎖のアルキレン基に2個の酸素原子が結合した基を示し、例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、トリメチレンジオキシ、テトラメチレンジオキシ基であり、好適にはメチレンジオキシ基またはエチレンジオキシ基である。
【0023】
上記に於て、YおよびZは、同一または異なって、酸素原子またはイミノ基を示し、好適には共に酸素原子である。
【0024】
上記に於て、nは、1乃至3の整数を示し、好適には1である。
【0025】
本発明に於て、好適には一般式(II)
【0026】
【化4】
【0027】
[式中、R1 、R2 、R4 およびR5 は、同一または異なって、水素原子またはC1 −C5 アルキル基を示し、
R3 は、水素原子、C1 −C6 脂肪族アシル基、置換されてもよいベンゾイル若しくはナフトイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、アミノ、モノ−C1 −C4 アルキルアミノ、ジ−C1 −C4 アルキルアミノまたはニトロ基である。)またはC2 −C7 アルコキシカルボニル基を示す。]
を有する化合物またはその薬理上許容される塩である。
【0028】
本発明の前記一般式(I)および(II)を有する化合物は、常法に従って薬理上許容される塩にすることができる。前記一般式(I)および(II)を有する化合物の塩としては、前記一般式(I)および(II)を有するチアゾリジン誘導体に比べて医学的に使用され、薬理上受け入れられるものであれば特に限定はない。そのような塩として、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸のようなハロゲン化水素酸の塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩のような無機酸塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸のような低級アルカンスルホン酸の塩;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のようなアリールスルホン酸の塩;グルタミン酸、アスパラギン酸のようなアミノ酸の塩;酢酸、フマール酸、酒石酸、蓚酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マンデル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸のようなカルボン酸等の塩を挙げることができ、好適には酸付加塩である。
【0029】
更に、前記一般式(I)および(II)を有する化合物は、常法に従って金属塩にすることができる。そのような塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属の塩;カルシウム、バリウム、マグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩;アルミニウム塩;リジン、アルギニンのような塩基性アミノ酸;等の塩を挙げることができる。
【0030】
なお、前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその塩は、種々の異性体を有する。即ち、クロマン環の2位およびチアゾリジン環の5位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、前記一般式(I)および(II)においては、これら不斉炭素原子に基づく立体異性体およびこれら異性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示されている。従って、本発明は、これらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0031】
更に、前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその塩において、2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル環には、種々の互変異性体の存在が考えられる。前記一般式(I)および(II)においては、その互変異性体およびその異性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示されている。従って、本発明は、これらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0032】
更に本発明において、前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその塩が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場合には、これらもすべて含むものである。例えば、前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその塩が大気中に放置されたり、または再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成する場合がある。本発明にはこのような溶剤和物も含まれる。
【0033】
更に本発明は、生体内で代謝されることにより、前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。
【0034】
本発明の前記一般式(I)および(II)を有する化合物またはその薬理上許容される塩において、好適な化合物は、
(1)R1 が、C1 −C4 アルキル基である化合物、
(2)R1 が、メチル基である化合物、
(3)R2 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物、
(4)R2 が、水素原子またはメチル基である化合物、
(5)R3 が、水素原子、C1 −C4 脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2 −C4 アルコキシカルボニル基である化合物、
(6)R3 が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基である化合物、
(7)R3 が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基である化合物、
(8)R4 が、C1 −C4 アルキル基である化合物、
(9)R4 が、メチルまたはt−ブチル基である化合物、
(10)R5 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物、
(11)R5 が、水素原子またはメチル基である化合物
を挙げることができる。
【0035】
また、上記(1)−(2)、(3)−(4)、(5)−(7)、(8)−(9)および(10)−(11)から成る群から任意に選択されたものを組み合わせたものも好適な化合物であり、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0036】
(12)R1が、C1−C4アルキル基であり、
R2が、水素原子またはC1−C3アルキル基であり、
R3が、水素原子、C1−C4脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2−C4アルコキシカルボニル基であり、
R4が、C1−C4アルキル基であり、
R5が、水素原子またはC1−C3アルキル基である化合物、
(13)R1が、C1−C4アルキル基であり、
R2が、水素原子またはC1−C3アルキル基であり、
R3が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4が、C1−C4アルキル基であり、
R5が、水素原子またはC1−C3アルキル基である化合物、
(14)R1が、メチル基であり、
R2が、水素原子またはメチル基であり、
R3が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4が、メチルまたはt−ブチル基であり、
R5が、水素原子またはメチル基である化合物。
【0037】
本発明の前記一般式(II)を有する化合物の具体例としては、例えば表1に記載する化合物を例示することができるが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0038】
表中の略記は、以下の通りである。
Ac:アセチル基
iBu :イソブチル基
tBu :t−ブチル基
Byr :ブチリル基
Bz:ベンゾイル基
EtC :エトキシカルボニル基
Et:エチル基
Me:メチル基
Pn:ペンチル基。
【0039】
【化5】
【0040】
【表1】
【0041】
上記例示化合物のうち、好適な化合物は、
例示化合物番号1:5−[4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
例示化合物番号4:5−[4−(6−ヒドロキシ−2−メチル−7−t−ブチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
例示化合物番号5:5−[4−(6−ヒドロキシ−2−エチル−5,7,8−トリメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
例示化合物番号6:5−[4−(6−ヒドロキシ−2−イソブチル−5,7,8−トリメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
例示化合物番号8:5−[4−(6−アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたは
例示化合物番号10:5−[4−(6−エトキシカルボニルオキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンの化合物であり、
更に好適には、例示化合物番号1、4または10の化合物であり、
特に好適には、例示化合物番号1の化合物(以下、トログリタゾンという。)である。
【0042】
本発明の前記一般式(I)を有する化合物およびその薬理上許容される塩は公知であり、例えば、特開昭60−51189号公報、米国特許第4572912号、ヨーロッパ特許公開公報第0139421号等に記載されている。
【0043】
更に前記一般式(I)を有するチアゾリジン誘導体に加えて、公知のインスリン抵抗性改善物質が膵炎の治療剤または予防剤において有用であることを見い出した。そのような公知のインスリン抵抗性改善物質としては、例えば、
(1)Diabetes,45,Suppl.2 ,141A(1996)およびヨ−ロッパ特許公開公報第604983号に、糖尿病治療薬および脂血症治療薬として記載されている、
5−[6−(2−フルオロベンジルオキシ)−2−ナフチルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「MCC−555」という)、
(2)特公昭62−42903号公報、特公平5−66956号公報、米国特許第4287200、4340605、4438141、4444779および4725610号に、インスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−{4−[2−(5−エチルピリジン−2−イル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「ピオグリタゾン」という)、
(3)特公平5−86953号公報および米国特許第4703052号に、インスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−(2−ベンジル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン−6−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「エングリタゾン」という)、
(4)特開平1−131169号公報および米国特許第5002953、5194443、5232925および5260445号に、インスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−[4−{2−[N−メチル−N−(ピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「BRL−49653」という)、
(5)特開平9−48779号公報およびヨ−ロッパ特許公開公報第708098号にインスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−(4−{2−[1−(4−2’−ピリジルフェニル)エチリデンアミノオキシ]エトキシ}ベンジル)チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「化合物A」という)、
(6)WO95/18125に高脂血症治療薬および糖尿病治療薬として記載されている、
4−{4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−ル−4−イル)エトキシ]ベンジル}イソキサゾリジン−3,5−ジオン(以下、「化合物B」という)、
(7)特開平7−330728号公報およびヨ−ロッパ特許公開公報第676398号に、インスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−{4−(5−メトキシ−3−メチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオンおよびその塩酸塩(以下、「化合物C」という)、
(8)ヨ−ロッパ特許公開公報第745600号にインスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(9)ヨ−ロッパ特許公開公報第745600号にインスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−[4−(1−メチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(10)ヨ−ロッパ特許公開公報第745600号にインスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−[4−(5−ヒドロキシ−1,4,6,7−テトラメチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン、
(11)特開平7−330728号公報およびヨ−ロッパ特許公開公報第676398号にインスリン抵抗性改善物質として記載されている、
5−[4−(1−メチルインドリン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン2,4−ジオン、
(12)特開平1−272574号公報およびヨ−ロッパ特許公開公報第332332号に血糖低下剤およびコレステロ−ル低下剤として記載されている、
5−{4−[3−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−ル−4−イル)プロピオニル]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン(以下、「ダルグリタゾン」という)
である。
【0044】
本発明において使用されるインスリン抵抗性改善物質は、種々の形態で投与される。その投与形態としては特に限定はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には、単独で或はぶどう糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下若しくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。好適には経口投与である。
【0045】
これらの各種製剤は、常法に従って主薬に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶解剤、矯味矯臭、コーティング剤等既知の医薬製剤分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン糖の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に、錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或は二重錠、多層錠とすることができる。
【0046】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば、ぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。
【0047】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0048】
注射剤として調製される場合には、液剤および懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するに十分な量の食塩、ぶどう糖、或はグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよい。
【0049】
上記医薬製剤中に含まれる有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好適には、1〜30重量%含まれる量とするのが適当である。
その投与量は、症状、年令、体重、投与方法および剤形等によって異なるが、通常は、成人に対して1日、上限として5、000mg(好適には1000mg、特に好適には500mg)であり、下限として0.5mg(好適には10mg、特に好適には50mg)を投与することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
慢性膵炎では膵実質の減少により膵重量が減少するので、膵実質の減少をひとつの指標として、膵炎の改善の程度を判断できる。また、慢性膵炎では膵実質の変性壊死とその結合組織への置換が起こるため、膵実質が結合組織に置き換わった領域(瘢痕化領域)を病理組織学的に計測することにより、膵炎の重症度を判定できる。加えて慢性膵炎では、消化酵素の分泌機能が障害され消化酵素の十二指腸への排出量が減退するが、その一方で消化酵素が血中に逸脱し、血液および尿中の酵素量が増量する。従って血中に逸脱した消化酵素を測定することにより膵炎の程度を評価することができる(臨床検査法提要:金原出版発行)。
【0051】
膵重量の測定は、例えば、採血することにより実験動物を屠殺した後、常法により行われる。即ち、インスリン分泌細胞である膵島B細胞を特異的に破壊することにより実験動物の膵重量を減少させることを目的として、実験動物にストレプトゾトシン(STREPTOZOTOCIN=N-[Methylnitrosocarbamoyl]-D-glucosamine 、Bennett R.A.ら、Cancer Res.,第41巻、第2786−2790頁(1981年);SIGMA社より市販されている)を静脈内投与した後、薬物を混合した粉末飼料を投与する(以下、薬物投与群という)。その対照群には粉末飼料のみを投与する。また、実験動物の対照として用いる正常実験動物には粉末飼料のみを投与する。各々一定期間投与した後、実験動物を屠殺し膵重量を測定する。
【0052】
膵瘢痕化領域の計測は、常法により行われる。例えば、慢性膵炎の自然発症モデル動物であるWBN/Kob雄性ラットに、薬物を混合した粉末飼料を一定期間投与した後、膵臓を全摘しその重量を測定し、更にその膵臓の横断組織片の総横断面積および瘢痕化領域を、画像解析装置で計測する。
【0053】
血中に逸脱した消化酵素の測定は、常法により行われる。例えば、WBN/Kob雄性ラットに、薬物を混合した粉末飼料を一定期間投与した後採血し、消化酵素の一つであるリパ−ゼの血中での活性を自動分析装置で測定する。
【0054】
【実施例】
以下に実施例、試験例および製剤例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例1.膵重量の減少抑制効果
(1)ストレプトゾトシン投与による膵重量の減少
体重約200gのWistar-Imamichi ラット(各群5匹)に、ストレプトゾトシンを各々20mg/kg、40mg/kg静脈内投与し、1週間後にラットを屠殺し膵重量を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
表2から明かなように、ストレプトゾトシン投与により膵重量は減少した。
【0056】
(2)膵重量の減少抑制効果
体重約200gのWistar-Imamichi ラット(各群12匹)にストレプトゾトシンを25mg/kg静脈内に単回投与した。次いでA群のラットには1週間後から14日間、F2粉末飼料(船橋農場)にトログリタゾン(化合物名:5−[4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン)を0.2%混合した飼料を投与した(以下、薬物投与群という)。この間の平均投与量は170mg/kg/dayであった。B群のラットにはこの間、F2粉末飼料のみを投与した(以下、対照群という)。一方、ストレプトゾトシンを投与した実験動物の対照としてストレプトゾトシン無投与ラットを用い、同期間F2粉末飼料のみを投与した(以下、正常ラットという)。期間経過後、各ラットを屠殺し膵重量を測定した。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3から明らかなように、トログリタゾンはストレプトゾトシン投与による膵重量の減少に対して、優れた改善作用を示した。浮腫のような変化も認められず、膵臓の97−98%は膵外分泌組織より成ることから、トログリタゾン投与による膵重量の増加は膵外分泌組織の増加と考えられる。
【0059】
実施例2.膵重量の増加
慢性膵炎の自然発症モデル動物であるWBN/Kob雄性ラット(膵実質の変性壊死とその結合組織への置換のため、膵重量の減少と外分泌組織の機能低下をもたらす;土谷ら、Laboratory Animals,第19(3) 巻,第200-207 頁,1985年)である4匹に、12週齢より3か月間、F2粉末飼料にトログリタゾンを0.2%混合した飼料を投与した(以下、薬物投与群という)。この間の平均薬物投与量は140mg/kg/dayであった。同期間、対照群のラット(4匹)にはF2粉末飼料のみを投与した。3か月間投与した後、膵臓を全摘しその重量を測定した。結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
表4から明らかなように、薬物投与群の膵重量は対照群に比べて有意な増加を示した。浮腫のような変化も認められず、膵臓の97−98%は外分泌組織より成ることから、トログリタゾン投与による膵重量の増加は膵外分泌組織の増大を意味していると考えられる。
【0062】
実施例3.膵重量減少抑制効果
実施例2と同様に行われた。12週齢のWBN/Kob雄性ラットに3か月間、F2粉末飼料にピオグリタゾンを0.05%、BRL−49653を0.005%、化合物Aを0.005%各々混合した飼料を投与した(以下、ピオグリタゾン投与群、BRL−49653投与群、化合物A投与群という)。この間の平均薬物投与量は、各々25、2.5、3.0mg/kg/dayであった。同期間、対照群のラット(5匹)にはF2粉末飼料のみを投与した。また、実験動物の対照としてWistarラット(4匹)を用い、同期間F2粉末飼料のみを投与した(以下、正常ラットという)。3か月間投与した後、膵臓を全摘しその重量を測定した。結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】
表5から明らかなように、ピオグリタゾン投与群、BRL−49653投与群および化合物A投与群の膵重量は対照群に比べて有意な増加を示した。浮腫のような変化も認められず、膵臓の97−98%は外分泌組織より成るので、ピオグリタゾン、BRL−49653および化合物A投与による膵重量の増加は膵外分泌組織の増大を意味していると考えられる。
【0065】
実施例4.膵組織の瘢痕化領域
実施例2の結果を病理組織学的に評価するため、実施例2で重量測定した膵臓を10%中性ホルマリンに固定した後、膵臓を脾臓側および十二指腸側に分け、それぞれを3mm間隔で切断し横断組織片とした。全ての横断組織片について常法に従いパラフィン切片を作製した後、ヘマトキシリン・エオジン染色およびマッソントリクロ−ム染色を施して2枚の組織プレパレ−トを作製し、病理組織検索に供した。プレパレ−ト上の膵組織片総横断面積を画像解析装置(SPICCAII,オリンパス光学(株)社製)にて計測した。結果を表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】
表6から明らかなように、薬物投与群の膵組織片総横断面積は、対照群と比較して有意な増大を示した。この時、浮腫のような膵の重量増加の原因となる組織の変化も認められなかったことから、実施例2の膵重量の増加は、膵外分泌組織の増大(単純肥大)を示していると考えられる。
また、膵外分泌組織内の変性壊死領域が結合組織に置換された領域の面積(瘢痕化領域)を、画像解析装置を用いて計測した。結果を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
表7から明らかなように、薬物投与群が対照群と比較して有意に低値を示したことから、膵外分泌組織の変性壊死が抑制されていることが明らかとなった。
【0070】
実施例5.膵組織の瘢痕化領域
実施例3の結果を病理組織学的に評価するため、実施例4と同様の方法によって、実施例3で重量測定した膵臓の膵組織片総横断面積と外分泌組織の瘢痕化領域を測定した。結果を表8および表9に示す。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】
表8から明らかなように、ピオグリタゾン、BRL−49653および化合物A投与群の膵組織片総横断面積は、対照群と比較して有意な増大を示した。この時、浮腫のような膵の重量増加の原因となる組織の変化も認められなかったことから、実施例3の膵重量の増加は、膵外分泌組織の増大(単純肥大)を示していると考えられる。
また、表9から明らかなように、各投与群の膵外分泌組織内の変性壊死領域が結合組織に置換された領域の面積(瘢痕化領域)を測定した結果、対照群と比較して有意に低値を示したことから、本発明の化合物を投与した群では、膵外分泌組織の変性壊死が抑制されていることが明らかとなった。
【0074】
実施例6.トログリタゾンの長期投与による血中リパ−ゼ低下作用および膵重量増加効果
WBN/Kob雄性ラット(各群6匹)に、12週齢より9.5か月間、F2粉末飼料にトログリタゾンを0.2%および0.05%混合した飼料を各々投与した(以下、0.2%投与群および0.05%投与群という)。この間の平均薬物投与量は各々120および30mg/kg/dayであった。同期間、対照群のラットにはF2粉末飼料のみを投与した。9.5月間投与した後、各々のラットを断頭採血し血清を採取後、血中リパ−ゼ活性値を自動分析装置(7250型:(株)日立製作所製)にて測定した。更に採血後、膵臓を全摘しその重量を測定した。結果を表10に示す。
【0075】
【表10】
【0076】
表10から明らかなように、0.2%および0.05%投与群の血中リパ−ゼの活性値は、ともに対照群に比べ有意に低下した。更に0.2%および0.05%投与群の膵重量は、対照群に比べて有意な増加を示した。浮腫のような変化も認められず、膵臓の97−98%は外分泌組織より成るので、トログリタゾン投与による膵重量の増加は膵外分泌組織の増大を意味していると考えられる。
【0077】
実施例7.膵組織の瘢痕化領域
実施例6の結果を病理組織学的に評価するため、実施例4と同様の方法によって、実施例6で重量測定した膵臓の膵組織片総横断面積と外分泌組織の瘢痕化領域を測定した。結果を表11および表12に示す。
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
表11から明らかなように、0.05%投与群および0.2%投与群の膵組織片総横断面積は、対照群と比較して増大を示した。この時、浮腫のような膵の重量増加の原因となる組織の変化も認められなかったことから、実施例6の膵重量の増加は、膵外分泌組織の増大(単純肥大)を示していると考えられる。
また、表12から明らかなように、各投与群の膵外分泌組織内の変性壊死領域が結合組織に置換された領域の面積(瘢痕化領域)を測定した結果、対照群と比較して有意に低値を示したことから、本発明の化合物を投与した群では、膵外分泌組織の変性壊死が抑制されていることが明らかとなった。
【0081】
試験例1.急性毒性
急性毒性を常法に従って測定した。即ち、ddYマウス(雄)3匹に、トログリタゾンを300mg/kg量経口投与した後、5日間観察したが、いずれも生存した。同様に、例示化合物番号2、3、4および10の化合物の急性毒性を測定した結果、経口投与でいずれも300mg/kg以上であった。
【0082】
上記処方の粉末を混合し、20メッシュのふるいを通した後、この粉末をゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とする。
【0083】
【発明の効果】
本発明のインスリン抵抗性改善物質は、膵炎(好適には慢性膵炎)の予防剤または治療剤として有用である。
Claims (49)
- 一般式(I)
R3 は、水素原子、C1 −C6 脂肪族アシル基、C6 −C8シクロアルキルカルボニル基、置換されてもよいベンゾイル若しくはナフトイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、アミノ、モノ−C1−C4 アルキルアミノ、ジ−C1 −C4 アルキルアミノまたはニトロ基である。)、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなるヘテロ原子群から選択される1乃至3個のヘテロ原子を含有する4乃至7員複素環アシル基、フェニルアセチル基、フェニルプロピオニル基、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたフェニルアセチル若しくはフェニルプロピオニル基、シンナモイル基、C2−C7 アルコキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基を示し、
R4 及びR5 は、同一または異なって、水素原子、C1 −C5 アルキル基若しくはC1−C5 アルコキシ基を示すか、またはR4 及びR5 が一緒になってC1−C4 アルキレンジオキシ基を示し、
Y及びZは、同一または異なって、酸素原子またはイミノ基を示し、
nは、1乃至3の整数を示す。]
を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 一般式(II)
R3 は、水素原子、C1 −C6 脂肪族アシル基、置換されてもよいベンゾイル
若しくはナフトイル基(該置換基は、C1 −C4 アルキル、C1 −C4アルコキ
シ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、アミノ、モノ−C1 −C4 アルキルアミノ、
ジ−C1 −C4 アルキルアミノまたはニトロ基である。)またはC2 −C7 アル
コキシカルボニル基を示す。]
を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項1において、R1 が、C1 −C4 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R2 が、水素原子またはC1 −C3アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R3 が、水素原子、C1 −C4 脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2−C4 アルコキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R4 が、C1 −C4 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R5 が、水素原子またはC1 −C3アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、
R1 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R2 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基であり、
R3 が、水素原子、C1 −C4 脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2−C4 アルコキシカルボニル基であり、
R4 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R5 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項1において、R3 が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、
R1 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R2 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基であり、
R3 が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R5 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項1において、R1 が、メチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R2 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R3 が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、R4 が、メチル基またはt−ブチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1おいて、R5 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項1において、
R1 が、メチル基であり、
R2 が、水素原子またはメチル基であり、
R3 が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4 が、メチル基またはt−ブチル基であり、
R5 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項2において、R1 が、C1 −C4 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R2 が、水素原子またはC1 −C3アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R3 が、水素原子、C1 −C4 脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2−C4 アルコキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R4 が、C1 −C4 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R5 が、水素原子またはC1 −C3アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、
R1 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R2 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基であり、
R3 が、水素原子、C1 −C4 脂肪族アシル基、置換基を有さないベンゾイル若しくはナフトイル基またはC2−C4 アルコキシカルボニル基であり、
R4 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R5 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分とする膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項2において、R3 が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、
R1 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R2 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基であり、
R3 が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4 が、C1 −C4 アルキル基であり、
R5 が、水素原子またはC1 −C3 アルキル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 請求項2において、R1 が、メチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R2 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R3 が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、R4 が、メチル基またはt−ブチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2おいて、R5 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 請求項2において、
R1 が、メチル基であり、
R2 が、水素原子またはメチル基であり、
R3 が、水素原子、アセチル基またはエトキシカルボニル基であり、
R4 が、メチル基またはt−ブチル基であり、
R5 が、水素原子またはメチル基である化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。 - 5−[4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−ヒドロキシ−2−メチル−7−t−ブチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−ヒドロキシ−2−エチル−5,7,8−トリメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−ヒドロキシ−2−イソブチル−5,7,8−トリメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−エトキシカルボニルオキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[6−(2−フルオロベンジルオキシ)−2−ナフチルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−{4−[2−(5−エチルピリジン−2−イル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−(2−ベンジル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン−6−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−{2−[N−メチル−N−(ピリジン−2−イル)アミノ]エトキシ}ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−(4−{2−[1−(4−2’−ピリジルフェニル)エチリデンアミノオキシ]エトキシ}ベンジル)チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 4−{4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−ル−4−イル)エトキシ]ベンジル}イソキサゾリジン−3,5−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−{4−(5−メトキシ−3−メチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−{4−(5−メトキシ−3−メチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその塩酸塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(1−メチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(5−ヒドロキシ−1,4,6,7−テトラメチルベンズイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−[4−(1−メチルインドリン−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
- 5−{4−[3−(5−メチル−2−フェニルオキサゾ−ル−4−イル)プロピオニル]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する膵炎の予防剤または治療剤。
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