JP3967927B2 - 信用格付けシステム - Google Patents

信用格付けシステム Download PDF

Info

Publication number
JP3967927B2
JP3967927B2 JP2002014710A JP2002014710A JP3967927B2 JP 3967927 B2 JP3967927 B2 JP 3967927B2 JP 2002014710 A JP2002014710 A JP 2002014710A JP 2002014710 A JP2002014710 A JP 2002014710A JP 3967927 B2 JP3967927 B2 JP 3967927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
credit rating
unit
authority
data
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002014710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003216800A (ja
Inventor
洋二郎 鷹野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2002014710A priority Critical patent/JP3967927B2/ja
Publication of JP2003216800A publication Critical patent/JP2003216800A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3967927B2 publication Critical patent/JP3967927B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、財務データ、非財務データ、取引実績データなど、取引先や債務者に関する基礎データを用いて、当該取引先や債務者の信用を格付けする信用格付けシステムおよび方法に関する。特に、基礎データから一律に計算する信用格付け処理に対して、取引先、債務者の個別事情を柔軟に反映した信用格付け処理の修正ができ、当該修正における偏りを的確に把握できる信用格付けシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金融取引、商取引において、取引先の信用リスク管理の重要性が高まりつつある。取引先の信用リスクを客観的に把握するため、取引先の財務データなどを分析し、その信用を評価して格付けする信用格付けが広く行なわれている。信用格付けは大手金融機関のみならず、地域の地場産業などと密接な取引を行なっている地域中小金融機関でも導入されつつある。
【0003】
大手金融機関では、取引先の財務データ(決算書)などを中心に評価し、さらに、外部の格付機関の評価も参考とし、取引先の信用の格付けを行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
地域の地場産業などに密着した地域中小金融機関が上記の大手金融機関における信用格付け処理手法をそのまま用いた場合、取引先である中小企業の経営実態をかならずしも正しく反映することができず、不適切な信用格付けとなってしまう場合も少なくない。従来の大手金融機関向けの信用格付けシステムを中小金融機関が中小企業の信用格付け処理に適用した場合には以下の問題点がある。
【0005】
第1に、従来の大手金融機関向けの信用格付けシステムでは、取引先の中小企業の経営実態をかならずしも正しく反映していない財務データを中心に信用格付け処理を行なうケースがあるという問題点がある。
【0006】
財務データを中心に分析することによる取引先の信用の格付け処理は、基礎データとなる財務データが取引先の信用の大きさを正しく評価する上で十分なデータであることが前提となっており、基礎データとなる財務データが取引先の信用の大きさを正しく評価する上で十分ではない場合であれば、計算された信用格付け処理自体が、正しく当該取引先の信用を評価したものとはならない。特に、地域中小金融機関の取引先である中小企業では、創業時で財務内容が悪くても、財務データには含まれない商品の独創性や将来性、技術開発力などのファクターが当該中小企業の信用の大きさに占める割合が大きいため、それらのファクターを評価する必要がある。
【0007】
第2に、中小企業の場合、入手可能な財務データの項目では、取引先の経営実態を正しく評価するには十分ではないという問題点がある。大手金融機関の主たる事業資金の貸出先は株式市場に上場された法人などであり、入手可能な財務データの項目も多い。しかし、地域中小金融機関の主たる事業資金の貸出先は地場に密着した個人事業主などであり、法人の決算書に相当するものとして「青色申告書」があるが、青色申告書は、法人の決算書である貸借対照表、損益計算書と比較すると、項目(財務指標)が細分化されていないため、法人用の信用格付け処理のアルゴリズムをそのまま適用することができない場合もある。
【0008】
第3に、信用格付けを調整せざるを得ない場合、従来の信用格付けシステムでは柔軟に対応できず、また、調整が適切なものか否か客観的に把握することが困難であるという問題点がある。取引先がいわゆる不良債権を持っている場合、不良債権整理の観点から当該取引者の債務者区分が与えられている場合がある。本来、この与えられている債務者区分と当該取引者の信用格付け処理の結果は整合する、つまり、破綻懸念の大きな債務者区分にある取引者の信用格付け処理結果は低く、破綻懸念が小さな債務者区分にある取引者の信用格付け処理結果は高いものとなるのが理想であるが、実態としては、各金融機関で不良債権の定義が異なるため、かならずしも整合していない事例が多数ある。このように両者が不整合である場合、柔軟な調整が必要である。ただし、その調整があまりにも主観的、恣意的なものであれば、調整後の信用格付け処理結果が不適切なものとなってしまう。当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できることが重要な課題となってくる。
【0009】
第4に、地域中小金融機関と中小企業との密接な取引実態を適切に反映した信用格付け処理結果が得られないという問題点がある。地域中小金融機関は、取引先の将来も踏まえ、地場産業育成という観点から財務データには反映されない非財務データを加味して取引先を評価して自己査定を行なうケースが多い。非財務データとしては、例えば、経営者の個人資質、業界の動向、設備内容、技術力などが挙げられる。企業の信用度を評価する際に、大企業に比べて中小企業の方がこの非財務データの重要性が大きくなる傾向がある。さらに、地域中小金融機関と中小企業との間の取引状況も加味されることが多い。地域密着型の信用金庫などにおいては、取引実績が大きく評価されることも多い。一方、大手金融機関における信用格付けは、財務状況と延滞状況のマトリックスから決まる財務データを中心に一律に算定される場合が通常である。このような従来の大手金融機関の信用格付け処理手法で算出された「格付け」と、地域中小金融機関の評価した「格付け」では不整合が発生する。大手金融機関の信用格付手法を適用した従来の信用格付けシステムをそのまま地域中小金融機関に適用すると、中小金融機関において適切な信用格付けができず、従来の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果と地域中小金融機関が本当に得たい信用格付け処理結果との間で乖離が生じる。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決し、取引先の従来型の財務データのみならず、非財務データ、取引先の個別事情も加味し、信用格付け処理結果の調整を行なう権限を有するものによる調整を受けつつ、柔軟に信用格付け処理結果の調整を行なうことができる信用格付けシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、信用格付け処理結果に対する調整を行なう場合、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できる信用格付けシステムおよび方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の信用格付けシステムは、信用格付け対象の信用を評価して信用格付けを行なう信用格付けシステムにおいて、前記信用格付け対象に関する基礎データを入力する入力部と、前記入力部から入力された前記基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行なう一次信用格付け部と、一次信用格付け処理結果を調整・承認する権限を有する一又は複数の権限者の端末に対して、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信する配信部と、前記一又は複数の権限者の端末から、前記権限者により入力された前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する調整データ受信部と、受信した前記調整データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行なう二次信用格付け部と、前記一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、信用格付け対象に対する信用格付け処理を一次信用格付け処理と二次信用格付け処理の二段階で実行するので、一次信用格付け処理において基礎データに基づく処理を実行し、さらに、二次信用格付け処理において一又は複数の権限者に対して必要なデータを配信し、当該権限者による基礎データに対する重み付け、他の追加項目の参酌など柔軟な調整を加えることができる。つまり、取引先の従来型の財務データのみならず、非財務データ、取引先の個別事情も加味し、信用格付け処理結果の調整を行なう権限を有するものによる調整を受けつつ、柔軟に信用格付け処理結果の調整を行なうことができる。
【0014】
ここで、権限者とは、金融機関の組織において定められた信用格付け処理結果の調整・承認を行なう権限を与えられている者であり、例えば、上席の査定者や、当該信用格付け対象企業の営業担当者で経営実態を良く知る者、当該信用格付け対象企業の属する業界について深い知識を有する担当者などである。
【0015】
次に、本発明の第2の信用格付けシステムは、さらに、前記権限者ごとに前記一次信用格付け処理結果を調整する権限の内容を制御する権限制御部を備え、前記権限制御部が各権限者ごとに権限レベルを与え、当該権限レベルに応じて前記基礎データの項目および前記追加項目ごとに前記調整データの入力の可否を設定した権限情報を生成し、前記配信部が、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データに加え、前記権限情報も各権限者に配信し、前記調整データ受信部は、前記権限情報に応じた調整データのみを受信することもできる。
【0016】
上記構成によれば、権限者ごとに調整する権限のレベル、内容を制御することができる。各金融機関において、組織上、権限者の権限の内容に制限や優劣が定められている場合が多い。また、権限者が信用格付け処理に用いるすべての財務データ、非財務データの項目について精通しているとは限らず、専門とする項目が定められている場合もある。上記構成であれば、このような運用上の実状も加味した形の適切な調整データの受信が実行できる。
【0017】
なお、本発明の信用格付けシステムにおいて、前記信用格付け対象の債務者区分があらかじめ与えられており、前記配信部が前記信用格付け対象の債務者区分情報も併せて配信し、権限者端末において表示すれば、権限者は、金融機関独自査定の債務者区分と一次信用格付け処理の結果としての債務者区分とを比べることが容易にでき、両者の乖離の大きさなどを考慮して調整データを入力することができる。
【0018】
次に、本発明の第3の信用格付けシステムは、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できるように、二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、前記二次信用格付け部から複数の前記二次信用格付け処理結果を受け取り、前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差と、各々の前記二次信用格付け処理結果についての偏差値を含む統計特性量を計算する統計特性量算出部を備える。例えば、以下のようなバリエーションがある。
【0019】
第1のバリエーションは、前記権限者が複数であり、前記二次信用格付け部が、各権限者から入力された前記調整データに基づいて、各権限者ごとに前記二次信用格付け処理結果を出力し、前記統計特性量算出部が、前記各権限者ごとに求められた前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示す権限者間標準偏差と、前記各権限者ごとの前記二次信用格付け処理結果の偏差値を含む権限者間の統計特性量を計算し、前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記二次信用格付け処理結果と、前記権限者間の統計特性量を併せて表示する構成である。
【0020】
この構成によれば、調整データを入力する複数の権限者の判断のばらつきを数値として把握でき、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できる。
【0021】
第2のバリエーションは、前記二次信用格付け部が複数の信用格付け処理アルゴリズムを備え、各アルゴリズムごとに二次信用格付け処理結果を出力し、前記統計特性量算出部が、前記アルゴリズムごとに求められた前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示すアルゴリズム間標準偏差と、前記各アルゴリズムごとの前記二次信用格付け処理結果の偏差値を含むアルゴリズム間の統計特性量を計算し、前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記二次信用格付け処理結果と、前記アルゴリズム間の統計特性量を併せて表示する構成である。
【0022】
この構成によれば、一つのアルゴリズムのみではなく、複数のアルゴリズムを用いることができ、かつ、信用格付け対象に対するアルゴリズム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0023】
第3のバリエーションは、前記入力部が、他の信用格付けシステムによる前記信用格付け対象の信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、前記統計特性量算出部が、前記二次信用格付け部による前記二次信用格付け処理結果と、前記入力部から入力された他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果とを受け付け、それらのばらつきを示す信用格付けシステム間標準偏差と、それらの偏差値を含む信用格付けシステム間の統計特性量を計算し、前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果と、前記二次信用格付け処理結果と、前記他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果と、前記信用格付けシステム間の統計特性量を併せて表示する構成である。
【0024】
この構成によれば、他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果を参照することができ、かつ、信用格付け対象に対する各システム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0025】
第4のバリエーションは、前記入力部が、前記信用格付け対象の過去の二次信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、前記統計特性量算出部が、前記二次信用格付け部により算出した現時点の前記二次信用格付け処理結果と、前記入力部から入力された過去の二次信用格付け処理結果とを受け付け、それらのばらつきを示す経時標準偏差と、それらの偏差値を含む経時統計特性量を計算し、前記表示部が、前記現時点および過去の二次信用格付け処理結果と、前記経時統計特性量を併せて表示する構成である。
【0026】
この構成によれば、同じ信用格付け対象の過去から現在に至るまでの信用格付けの経時変化を参照することができ、かつ、信用格付け対象に対する信用度合いの経時的ばらつきを数値として把握することができる。
【0027】
なお、本発明の信用格付けシステムにおいて、前記表示部による表示の後、前記調整データ受信部が再調整データの入力の受け付けを行い、前記二次信用格付け部が、前記再調整データを基に二次信用格付け処理を再実行し、前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記再実行された二次信用格付け処理結果を表示することとすれば、調整を再実行することも可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の信用格付けシステムおよび方法の実施形態を説明する。
【0029】
(実施形態1)
本発明の実施形態1にかかる、第1の信用格付けシステムとして、信用格付け処理として、一次信用格付け処理と二次信用格付け処理の二段階の処理を持ち、基礎データに基づいて一次信用格付け処理を行い、一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する権限者の端末から受信した調整データに基づいて、二次信用格付け処理を行なう信用格付けシステムを説明する。
【0030】
図1は、実施形態1にかかる、本発明の第1の信用格付けシステム100の構成を説明する図である。
【0031】
10は入力部、20は一次信用格付け部、30は配信部、40は調整データ受信部、50は二次信用格付け部、60は表示部である。
【0032】
また、70は権限者端末である。この例では、権限者端末70は権限者の環境に置かれており、ネットワークにより配信部30、調整データ受信部40と接続されている。
【0033】
図1の構成例では、一次信用格付け部20と二次信用格付け部50を別々の構成部分として独立して設けているが、一次信用格付け処理と二次信用格付け処理の両処理において同じアルゴリズムを用いる場合、一つの構成部分により、一次信用格付け部20と二次信用格付け部50を兼用させることができる。なお、この場合、当該アルゴリズムは一次信用格付け部20として用いられる場合、調整データを受け付けることなく一次信用格付け処理を実行し、二次信用格付け部50として用いられる場合、後述するように調整データ受信部40により受信した調整データにより二次信用格付け処理を実行することとなる。
【0034】
入力部10は、信用格付け対象に関する基礎データを入力する部分である。
【0035】
一次信用格付け部20は、入力部10から入力された基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行なう部分である。
【0036】
ここで、本発明の信用格付けシステムにおいて利用し得る基礎データは、本発明の技術思想上特に限定されないが、財務状況を表わす各種財務データと金融機関の借入れ返済の延滞状況を表わすデータなどが挙げられる。財務データの項目の例としては、信用格付け対象が法人であれば、図2(a)に示すような流動比率、固定長期適合率、自己資本比率などの項目が挙げられる。信用格付け対象が個人事業主であれば、図3(a)に示すような正味資産、借入比率、償還能力などの項目が挙げられる。基礎データはこれらデータのマトリックスとして与えられる。
【0037】
配信部30は、一又は複数の権限者端末70に対して、入力部10から得た基礎データと一次信用格付け部20から得た一次信用格付け処理結果を含む配信データを生成し、権限者端末70に対して当該配信データを配信する部分である。これら配信データは、後述するように、各権限者端末70の利用者である権限者によって参照される。権限者端末への配信は、例えば、電子メールを用いて行ない、メールに二次信用格付け用のホームページのアドレスを添付しておき、権限者がそのアドレス先にアクセスし、二次信用格付け処理を行なうようにしても良い。なお、この場合、セキュリティを考慮し、権限者のアクセスに対してID、パスワードなどのチェックを行なうことが好ましい。
【0038】
調整データ受信部40は、一又は複数の権限者端末70から、権限者による基礎データに対する重み付けスコアと前記二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する部分である。
【0039】
ここで、本発明の信用格付けシステムにおいて利用し得る調整データの項目は特に限定されないが、例えば、権限者の参照のために配信された財務データの各項目に対する重み付けスコアや、財務データ以外の非財務データ、取引実績データが挙げられる。
【0040】
非財務データの項目の例としては、信用格付け対象が法人であれば、図2(b)に示すような業界の動向、設備内容、技術力、開発力、仕入販売先などの項目が挙げられる。信用格付け対象が個人事業主であれば、図3(b)に示すような業歴、業界の動向、設備内容、技術力、開発力、仕入販売先、さらには、経営者の人柄、経営能力、後継者の有無などの項目が挙げられる。
【0041】
取引実績データの項目の例としては、信用格付け対象が法人、個人事業主とも、図2(c)、図3(c)に示すような保全率、流動性平残、預貸率などの項目が挙げられる。
【0042】
基礎データはこれらデータのマトリックスとして与えられる。さらに、これら調整データの項目は信用格付けシステムの運用により柔軟に変更することも可能である。
【0043】
二次信用格付け部50は、調整データ受信部40より受信された調整データに基づいて、二次信用格付け処理を行なう部分である。上述したように、当該二次信用格付け部50のアルゴリズムとして、一次信用格付け部20のアルゴリズムを兼用することもでき、また、一次信用格付け部20のアルゴリズムとは異なるアルゴリズムとすることも可能である。
【0044】
表示部60は、信用格付け処理結果を表示する部分である。第1の信用格付けシステムでは、一次信用格付け部20から得た一次信用格付け処理結果および二次信用格付け部50から得た二次信用格付け処理結果を表示する。信用格付け対象の債務者区分情報も併せて表示しても良い。
【0045】
権限者端末70は、一次信用格付け部20による一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者が利用する端末である。当該権限者端末70は、配信部30から一次信用格付け部20による一次信用格付け処理結果および基礎データの配信を受ける受信部71を持ち、当該内容を権限者に表示する表示部72を持つ。さらに、権限者による基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データの入力を受け付ける入力部73と当該調整データを調整データ受信部40に対して送信する送信部74を備えている。
【0046】
次に、本発明の信用格付けシステムの処理の流れをフローチャートを参照しつつ説明を続ける。
【0047】
まず、入力部10を介して基礎データを入力する(ステップS401)。金融機関が個別に持つまたは共同事務センターのような共同利用のデータベースシステムが持つ顧客元帳データベース、融資情報データベース、財務情報データベースなどからあらかじめ選ばれている項目のデータが入力される。この例ではさらに、信用格付け対象の債務者区分情報も併せて入力される。
【0048】
次に、入力部10から入力された基礎データが一次信用格付け部20に渡され、一次信用格付け部20が基礎データを基に一次信用格付け処理を実行する(ステップS402)。
【0049】
図5は、一次信用格付け処理例を簡単に示したものである。
【0050】
図5(a)が各項目のスコアを示したスコアリングテーブルの例である。各項目のスコアは、所定のアルゴリズムに従い、基礎データを用いて所定の演算を実行して得られる。ここでは、信用格付け対象が法人であるとして、図2に示した財務データ項目、非財務データ項目、取引実績データ項目のそれぞれの項目についてのスコアの例を示している。各項目の点数は、基礎データより10点満点で評価されたスコアが入力されている。この例では、単純に各項目10点満点としたが、このように限定する必要はなく、アルゴリズムに従い、項目ごとに軽重を付けても良い。
【0051】
なお、図5(a)は法人の例であるが、個人事業主の場合も同様に図3に示した財務データ項目、非財務データ項目、取引実績データ項目のそれぞれの項目についてのスコアを与えれば良い。
【0052】
図5(b)が、スコアと信用格付けランクと債務者区分との対応テーブルである。この対応テーブルは、信用格付けシステム運用者によりあらかじめ与えておく。なお、対応テーブルは、法人向けと個人事業主向けとを別に設けても良い。この対応テーブルは適宜変更が可能である。
【0053】
図5(c)が、一次信用格付け処理の結果である。まず、図5(a)のスコアリングテーブルの各項目に与えられたスコアを基に信用格付け対象の総合点が算出される。この例では、単純に各項目のスコアが合算されるものとする。ここでは信用格付け対象の総合点が“57点”となっている。この総合点を基に図5(b)の対応テーブルを参照すると、当該信用格付け対象の信用格付けランクは“D1”であり、債務者区分は“要注意先”となる。
【0054】
次に、入力部10から基礎データと一次信用格付け部20から一次信用格付け処理結果が配信部30に渡され、配信部30は基礎データと一次信用格付け処理結果を含む配信データを生成し、権限者端末70に対して配信データを配信する(ステップS403)。
【0055】
権限者端末70は受信部71を介して、当該配信データを受信し、表示部72は配信データを基に調整データ入力画面を表示する。この調整データ入力画面には、権限者による調整データの入力の便宜を図るべく、配信部30から配信された基礎データおよび一次信用格付け処理結果である信用格付けランクと債務者区分の表示も含まれており、さらに、基礎データである財務データの各項目に対する重み付けスコア入力セル、非財務データ入力欄、取引実績データ入力欄が設けられている。さらにこの例では金融機関の独自査定による債務者区分も表示される。
【0056】
図6は、調整データ入力画面の例である。この例では、財務データとして“流動比率”などの項目が表示され、非財務データ入力欄には“業界の動向”などの項目が表示され、取引実績データ入力欄には“保全率”などの項目が表示されている。さらに、信用格付けシステムによる一次信用格付け処理結果と債務者区分が表示されている。また、金融機関の独自査定における債務者区分も併せて表示することが好ましい。このように信用格付けシステムによる一次信用格付け処理結果と債務者区分に加え、金融機関の独自査定における債務者区分も併せて表示されるので両者の乖離の状況が容易に把握することができ、調整データ入力の際の参考となる。この例では、信用格付けシステムによる一次信用格付け処理結果として信用格付けが“D1”であり、債務者区分が“要注意先”であるが、本信用格付けシステムの利用者である金融機関の独自査定による当該信用格付け対象の債務者区分が“正常先”となっている。
【0057】
権限者は、調整データ入力画面を見て入力部73を介して調整データを入力する。この調整データ入力画面の例では、財務データ、非財務データ、取引実績データの各項目について、重み付けづけデータを入力することができるものとなっている。この例では、図6の各項目の右欄に設けられているバーに付されたポインタ(三角マーク)の位置に応じて各項目に対する重み付けが入力される。ポインタの位置をマウスなどのポインティングデバイスで左右に移動することにより当該項目への重み付けを調整する。例えば、バーの左端にポインタがある場合の重み付けを“0.0”、バーの中央部にポインタがある場合の重み付けを“1.0”、バーの右端にポインタがある場合の重み付けを“2.0”とし、ポインタのバー上の位置に応じて“0.0”〜“2.0”の値を与える。なお、ポインタのバー上の位置に応じた重み付けの値は上記に限定されるものではなく、上記の“0.0”〜“2.0”に代え“0.0”〜“10.0”などであっても構わない。
【0058】
図6の例では、当該信用格付け対象の非財務データの「設備内容、技術力、開発力」の項目や取引実績データの各項目などの重み付けが大きくなるようにポインタ位置を移動した画面となっている。
【0059】
なお、調整データの入力は、図6のようなバー上のポインタ位置による入力に限られない。例えば、各項目に対して重み付けの値を数値として与えても良いし、また、各項目について、“特に重要”、“重要”、“普通”、“重要でない”、“まったく重要でない”などの属性を選択してもらうアンケート方式としても良い。この場合、信用格付けシステムの運用者があらかじめ「重み付けスコアとして、“特に重要”に対して“2.0”、“重要”に対して“1.5”、“普通”に対して“1.0”、“重要でない”に対して“0.5”、“まったく重要でない”に対して“0.1”にする」などの重み付けのルールを決めておけば良い。
【0060】
次に、権限者端末70の送信部74から調整データが調整データ受信部40に対して送信される(ステップS404)。
【0061】
調整データは調整データ受信部40から二次信用格付け部50に渡され、二次信用格付け部50において基礎データおよび調整データに基づいて二次信用格付け処理が実行される(ステップS405)。
【0062】
図7は、二次信用格付け処理例を簡単に示したものである。この例では、財務データ、非財務データ、取引実績データの各項目に対する重み付けが調整され、図7(a)のようにスコアリングテーブルが書き換えられ、図7(c)のように、二次信用格付け処理結果として、当該信用格付け対象の総合点が“70点”、信用格付けランクが“C1”となり、債務者区分は“正常先”となる。
【0063】
次に、表示部60において、一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果を表示する(ステップS406)。
【0064】
図8は表示部60における表示画面の例である。一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果が明瞭に示されており、本信用格付けシステム100の運用者は、調整の具合、両者の乖離について容易に把握することができる。この例では、権限者によりどのような重み付けが施されたのか参照できるように、調整データである各項目とその重み付けについても併せて表示する画面となっている。
【0065】
上記ステップS401〜ステップS406が基本のフローである。なお、オプションとして、このステップS406の表示処理の後に、二次信用格付け処理の再調整も可能である。図4のフローチャートは当該オプションのステップを含んだものとなっている。信用格付けシステムの操作者が、再調整処理が必要であると判断した場合(ステップS407:Y)、権限者に対して再調整の実行を依頼する(ステップS403にループする)。再調整においては、権限者から入力された再調整データが送信部74を介して調整データ受信部40に送信され(ステップS404)、二次信用格付け部50が、再調整データを基に二次信用格付け処理を再実行し(ステップS405)、表示部60が、一次信用格付け処理結果および再実行された二次信用格付け処理結果を表示する(ステップS406)。
【0066】
以上、本実施形態1の信用格付けシステムによれば、一次信用格付け処理において基礎データに基づく処理を実行し、さらに、二次信用格付け処理において一又は複数の権限者に対して必要なデータを配信し、当該権限者による基礎データに対する重み付け、他の追加項目の参酌など柔軟な調整を加えることができる。また、信用格付け対象に関する金融機関独自査定の債務者区分情報も併せて権限者に対して通知されるので、各権限者は、金融機関独自査定の債務者区分と、一次信用格付け処理の結果としての債務者区分を容易に比べることができ、両者の乖離の大きさなどを考慮して調整データを入力することができる。
【0067】
(実施形態2)
本発明の実施形態2にかかる第2の信用格付けシステムとして、権限者ごとに一次信用格付け処理結果を調整する権限の内容やレベルを制御する権限制御部を備えた構成のものを説明する。
【0068】
図9は、本発明の実施形態2にかかる第2の信用格付けシステム100aの構成を示す図である。図9の構成は、図1に示した第1の信用格付けシステム構成に比べ、さらに権限制御部80を備えている。
【0069】
入力部10、一次信用格付け部20、二次信用格付け部50、表示部60、権限者端末70は、実施形態1と同様であるので説明は省略する。
【0070】
権限制御部80は、一次信用格付け処理結果を調整する権限内容を制御する部分である。権限制御部80はあらかじめ記憶されている権限情報生成ルールに従い、各権限者ごとに与えられた権限レベルに応じ、基礎データの項目および追加項目ごとに調整データの入力の可否を設定した権限情報を生成する。
【0071】
権限制御部80が権限情報を生成するルールは、あらかじめ当該信用格付けシステム運用者が与えておく。例えば、組織上、各ポスト別、職制別に定められている権限の内容やレベルと信用格付け調整項目の入力可否およびその重み付けのルール、業界に対する専門知識の深さと信用格付け調整項目の入力可否およびその重み付けのルールなどである。当該ルールは権限制御部80が参照可能な形でデータとして記憶しておく。例えば、権限制御部80が内蔵する記憶部や権限制御部80がアクセス可能な記憶装置に記憶しておく。
【0072】
各権限者は権限制御部80が生成する権限情報に従って自らの持つ権限レベルに応じた項目に対してのみ重み付けスコアを調整したり、追加項目を入力したりすることが許される。
【0073】
配信部30aは、実施形態1と同様、各権限者端末70に対して一次信用格付け部20による一次信用格付け処理結果および基礎データを含む配信情報を配信するが、本実施形態2では、権限制御部80が生成した権限情報を付加して配信情報を生成して配信する。
【0074】
権限者端末70の表示部72は調整データ入力画面を表示するが、本実施形態2では、配信された権限情報に従い、調整データの入力が許されている項目が把握しやすいように工夫された調整データ入力画面を表示することが好ましい。例えば、図10に示すような調整データ入力画面を表示する。図10の調整データ入力画面例では、入力が許されていない個所にはハッチングが施され、マスクされている。このように調整データ入力画面を工夫することにより、各権限者は自分に入力が許されている調整データの項目を容易に把握することができる。
【0075】
調整データ受信部40aは、調整データ入力画面を介して入力された調整データを受信するが、権限情報に従って入力された項目のみ受け付け、入力が許されていない調整データの項目は受け付けない。調整データ受信部40aは受信した調整データを二次信用格付け部50に渡す。
【0076】
二次信用格付け部50は、調整データ受信部40aから得た調整データに基づいて二次信用格付け処理を実行する。二次信用格付け部50は、権限情報を反映した二次信用格付け処理を行なう。つまり、権限情報に従い、権限者に入力が許されている項目の調整データのみが用いられ、また、権限情報において、権限者ごとに調整に対する軽重が付けられている場合、当該軽重を反映する。例えば、権限者Aの持つ権限が権限者Bの持つ権限よりも2倍大きい場合、前者による調整データに2.0の係数を掛け、後者による調整データには1.0の係数を掛ける。
【0077】
なお、本実施形態2の構成においても、実施形態1で説明した再調整処理は可能である。再調整処理にあたって、権限制御部80が権限情報を変更することも可能である。つまり、権限者の権限レベルを変更し、ある権限者に対して、より大きな重み付けを可能としたり、許していなかった項目に対する重み付けを可能としたり、許していなかった追加項目について入力を可能としたり、逆に入力を許していた項目の一部について入力を許さないように変更することも可能である。このように権限情報を変更した後、配信部30aに変更後の権限情報を渡し、配信部30aによる権限者端末70へのデータの再配信、権限者端末70の表示部72による調整データ入力画面の再表示、調整データ受信部40による調整データの再入力、二次信用格付け部50による二次信用格付け処理の再実行を行なう。
【0078】
実施形態2の第2の信用格付けシステムによれば、権限者ごとに調整する権限のレベル、内容を制御することができ、運用上の実状も加味した形の適切な調整データの入力が実行できる。
【0079】
(実施形態3)
本発明の信用格付けシステムは、一次信用格付け処理に対する調整を行ない、二次信用格付け処理を行なう場合、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できるように工夫したものである。本発明の第3の信用格付けシステムは、二次信用格付け部による二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差と、二次信用格付け処理結果それぞれの偏差値を含む統計特性量を計算する統計特性量算出部を備える構成である。
【0080】
統計特性量算出部を備える構成のバリエーションとして、以下に第1のバリエーションから第4のバリエーションの4つの構成を示す。以下、実施形態1、実施形態2と同様の部分の説明は省略する。
【0081】
第1のバリエーションは、権限者が複数であり、二次信用格付け部50が、各権限者から入力された調整データに基づいて、各権限者ごとに二次信用格付け処理結果を出力するものである。この場合、統計特性量算出部90が、各権限者ごとに求められた二次信用格付け処理結果のばらつきを示す権限者間の標準偏差と、各権限者ごとの前記二次信用格付け処理結果の偏差値を含む権限者間の統計特性量を計算する。
【0082】
図11は、統計特性量算出部を備える第1のバリエーションの構成100bを示す図である。
【0083】
図11の構成は、図1に示した第1の信用格付けシステム構成に比べ、さらに統計特性量算出部90を備えている。
【0084】
統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50による二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差σと、二次信用格付け処理結果それぞれの偏差値D(i)を含む統計特性量を計算する部分である。
【0085】
標準偏差σは、以下の(数1)により与えられる。
【0086】
【数1】
Figure 0003967927
【0087】
ここで、nは二次信用格付け部50から得た二次信用格付け処理結果の数、x(i){i=1…n}はn個ある各々の二次信用格付け処理結果、μはそれら二次信用格付け処理結果の平均値である。
【0088】
各々の二次信用格付け処理結果の偏差値D(i){i=1…n}は、標準偏差σを用いて(数2)により計算する。
【0089】
【数2】
Figure 0003967927
【0090】
第1のバリエーションでは、統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50において算出された各権限者ごと個別に求められた二次信用格付け処理結果を受け、当該二次信用格付け処理結果のばらつきを示す権限者間の標準偏差σと、各権限者ごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を含む権限者間の統計特性量を計算する。
【0091】
表示部60は、一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果と、権限者間の統計特性量である標準偏差σと各権限者ごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を併せて表示する。
【0092】
この第1のバリエーションによれば、調整データを入力する複数の権限者の判断のばらつきを数値として把握でき、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できる。
【0093】
次に、第2のバリエーションの構成は、二次信用格付け部50aが複数の信用格付け処理アルゴリズムを備え、各アルゴリズムごとに二次信用格付け処理結果を出力する場合であり、この場合、統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50aから得た、アルゴリズムごとに求められた二次信用格付け処理結果のばらつきを示すアルゴリズム間の標準偏差σと、各アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を含むアルゴリズム間の統計特性量を計算する。
【0094】
図12は、第2のバリエーションの構成100cを示す図である。
【0095】
図12の構成は、図11に示した第1のバリエーションと同様、統計特性量算出部90を備えており、二次信用格付け部50aが複数の二次信用格付け処理のアルゴリズムを備えている。
【0096】
二次信用格付け部50aは、複数の信用格付け処理アルゴリズムを備えており、基礎データおよび調整データ受信部40から得た調整データに基づき、それぞれの信用格付け処理アルゴリズムを用いて二次信用格付け処理が実行される。
【0097】
二次信用格付け部50aは算出したそれぞれの信用格付け処理アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果を統計特性量算出部90に渡す。
【0098】
統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50aからそれぞれの信用格付け処理アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果を受け、当該二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差σと、各アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を含むアルゴリズム間の統計特性量を計算する。
【0099】
標準偏差σは、上記(数1)により与えられるが、ここでは、nは二次信用格付け部50aが備えるアルゴリズムの数となり、x(i){i=1…n}は各アルゴリズムの二次信用格付け処理結果、μは各アルゴリズムの二次信用格付け処理結果の平均値となる。
【0100】
各アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i){i=1…n}は、標準偏差σを用いて同様に(数2)により計算される。
【0101】
表示部60は、一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果と、アルゴリズム間の統計特性量である標準偏差σと各アルゴリズムごとの二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を併せて表示する。
【0102】
この第2のバリエーションによれば、一つのアルゴリズムのみではなく、複数のアルゴリズムを用いることができ、かつ、信用格付け対象に対するアルゴリズム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0103】
次に、第3のバリエーションは、入力部が、他の信用格付けシステムによる信用格付け対象の信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果を参照できるものである。この場合、統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50による二次信用格付け処理結果と、入力部10aから入力された他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果とを受け取り、それら信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差σと、それら信用格付け処理結果の偏差値D(i)を含む信用格付けシステム間の統計特性量を計算する。
【0104】
図13は、第3のバリエーションの構成100dを示す図である。
【0105】
図13の構成は、図11に示した第1のバリエーションと同様、統計特性量算出部90を備えており、さらに、入力部10aが、他の信用格付けシステムによる信用格付け対象の信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備えている。ここで、他の信用格付けシステムとは、特に種類を限定する必要はなく、どのプロバイダにより供給された信用格付けシステムであっても、入力部10aが受け付け可能な形式で信用格付け処理結果を出力できるものであれば良い。
【0106】
二次信用格付け部50による本信用格付けシステムの二次信用格付け処理結果と、入力部10aより入力された他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果は、統計特性量算出部90に渡される。
【0107】
統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50から本信用格付けシステムによる二次信用格付け処理結果と、入力部10aから他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果を受け付け、本信用格付けシステムによる二次信用格付け処理結果と他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果とのばらつきを示す信用格付けシステム間標準偏差σと、それらの偏差値D(i)を含む信用格付けシステム間の統計特性量を計算する。
【0108】
信用格付けシステム間の標準偏差σは、同様に(数1)により与えられる。ここでは、nは本信用格付けシステムおよび他の信用格付けシステムの数、x(i){i=1…n}は本信用格付けシステムの二次信用格付け処理結果および他の信用格付けシステムの信用格付け処理結果、μはそれらの平均値となる。
【0109】
本信用格付けシステムの二次信用格付け処理結果及び他の信用格付けシステムの信用格付け処理結果の偏差値D(i){i=1…n}は、標準偏差σを用いて(数2)により計算される。
【0110】
表示部60は、一次信用格付け処理結果と、二次信用格付け処理結果と、他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果と、信用格付けシステム間の統計特性量である信用格付けシステム間の標準偏差σと、それらの偏差値D(i)を併せて表示する。
【0111】
この第3のバリエーションによれば、他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果を参照することができ、かつ、信用格付け対象に対する各システム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0112】
次に、第4のバリエーションは、入力部が、信用格付け対象の過去の二次信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、過去からの経時変化を参照できるものである。この場合、統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50により算出した現時点の二次信用格付け処理結果と、入力部10bから入力された過去の二次信用格付け処理結果とのばらつきを示す経時標準偏差σと、現時点および過去の二次信用格付け処理結果の偏差値D(i)を含む経時統計特性量を計算する。
【0113】
図14は、第4のバリエーションの構成100eを示す図である。
【0114】
図14の構成は、図11に示した第1のバリエーションと同様に統計特性量算出部90を備え、さらに、入力部10bは、信用格付け対象の過去の二次信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備えている。ここで、過去の二次信用格付け処理結果は、当該信用格付けシステムの履歴データとして格納されており、入力部10bはこれら履歴データにアクセスし、該当するデータを取得する。
【0115】
二次信用格付け部50による信用格付けシステムの現在の二次信用格付け処理結果と、入力部10bより入力された過去の二次信用格付け処理結果は、統計特性量算出部90に渡される。
【0116】
統計特性量算出部90は、二次信用格付け部50からの現時点の二次信用格付け処理結果と、入力部10bから入力された過去の二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差σと、現時点および過去の二次信用格付け処理結果の偏差値を含む統計特性量を計算する部分である。
【0117】
標準偏差σは、上記の(数1)により与えられる。ここでは、nは現時点および過去の二次信用格付け処理結果の数、x(i){i=1…n}はそれら現時点および過去の二次信用格付け処理結果、μはそれら現時点および過去の二次信用格付け処理結果の平均値となる。
【0118】
それぞれの現時点および過去の二次信用格付け処理結果の偏差値D(i){i=1…n}は、標準偏差σを用いて(数2)により計算される。
【0119】
表示部60は、現時点および過去の二次信用格付け処理結果と、これら経時統計特性量を併せて表示する。
【0120】
この第4のバリエーションによれば、同じ信用格付け対象の過去から現在に至るまでの信用格付けの経時変化を参照することができ、かつ、信用格付け対象に対する信用度合いの経時的ばらつきを数値として把握することができる。
【0121】
(実施形態4)
本発明の信用格付けシステムは、上記に説明した処理を実現するステップを記述したプログラムとして記述することができ、当該プログラムをコンピュータに読み取らせることにより、本発明の信用格付け処理を実行することができる。本発明の信用格付けシステムを実現する処理ステップを備えたプログラムは、図15に図示した例のように、CD−ROM1002やフレキシブルディスク1003等の可搬型記録媒体1001だけでなく、ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体1000や、コンピュータのハードディスクやRAM等の記録媒体1005に格納して提供することができ、ネットワークからダウンロードすることもできる。プログラム実行時には、プログラムはコンピュータ1004上にローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0122】
さらに、本発明の信用格付けシステムに関し、以下の項を開示する。
【0123】
(付記1) 信用格付け対象の信用を評価して信用格付けを行なう信用格付けシステムにおいて、
前記信用格付け対象に関する基礎データを入力する入力部と、
前記入力部から入力された前記基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行なう一次信用格付け部と、
一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者の端末に対して、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信する配信部と、
前記一又は複数の権限者の端末から、前記権限者により入力された前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する調整データ受信部と、
受信した前記調整データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行なう二次信用格付け部と、
前記一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする信用格付けシステム。
【0124】
(付記2) さらに、前記権限者ごとに前記一次信用格付け処理結果を調整する権限の内容を制御する権限制御部を備え、
前記権限制御部が各権限者ごとに権限レベルを与え、当該権限レベルに応じて前記基礎データの項目および前記追加項目ごとに前記調整データの入力の可否を設定した権限情報を生成し、
前記配信部が、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データに加え、前記権限情報も各権限者に配信し、
前記調整データ受信部は、前記権限情報に応じた調整データのみ受信する付記1に記載の信用格付けシステム。
【0125】
(付記3) 前記信用格付け対象の債務者区分があらかじめ与えられており、前記配信部が前記信用格付け対象の債務者区分情報も併せて配信する付記1または2に記載の信用格付けシステム。
【0126】
(付記4) さらに、前記二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、前記二次信用格付け部から複数の前記二次信用格付け処理結果を受け取り、前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差と、各々の前記二次信用格付け処理結果についての偏差値を含む統計特性量を計算する統計特性量算出部を備えた付記1から3のいずれかに記載の信用格付けシステム。
【0127】
(付記5) 前記権限者が複数であり、前記二次信用格付け部が、各権限者から入力された前記調整データに基づいて、各権限者ごとに前記二次信用格付け処理結果を出力し、
前記統計特性量算出部が、前記各権限者ごとに求められた前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示す権限者間標準偏差と、前記各権限者ごとの前記二次信用格付け処理結果の偏差値を含む権限者間の統計特性量を計算し、
前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記二次信用格付け処理結果と、前記権限者間の統計特性量を併せて表示する付記4に記載の信用格付けシステム。
【0128】
(付記6) 前記二次信用格付け部が複数の信用格付け処理アルゴリズムを備え、各アルゴリズムごとに二次信用格付け処理結果を出力し、
前記統計特性量算出部が、前記アルゴリズムごとに求められた前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示すアルゴリズム間標準偏差と、前記各アルゴリズムごとの前記二次信用格付け処理結果の偏差値を含むアルゴリズム間の統計特性量を計算し、
前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記二次信用格付け処理結果と、前記アルゴリズム間の統計特性量を併せて表示する付記4に記載の信用格付けシステム。
【0129】
(付記7) 前記入力部が、他の信用格付けシステムによる前記信用格付け対象の信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、
前記統計特性量算出部が、前記二次信用格付け部による前記二次信用格付け処理結果と、前記入力部から入力された他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果とを受け付け、それらのばらつきを示す信用格付けシステム間標準偏差と、それらの偏差値を含む信用格付けシステム間の統計特性量を計算し、
前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果と、前記二次信用格付け処理結果と、前記他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果と、前記信用格付けシステム間の統計特性量を併せて表示する付記4に記載の信用格付けシステム。
【0130】
(付記8) 前記入力部が、前記信用格付け対象の過去の二次信用格付け処理結果を入力するインタフェースを備え、
前記統計特性量算出部が、前記二次信用格付け部により算出した現時点の前記二次信用格付け処理結果と、前記入力部から入力された過去の二次信用格付け処理結果とを受け付け、それらのばらつきを示す経時標準偏差と、それらの偏差値を含む経時統計特性量を計算し、
前記表示部が、前記現時点および過去の二次信用格付け処理結果と、前記経時統計特性量を併せて表示する付記4に記載の信用格付けシステム。
【0131】
(付記9) 前記表示部による表示の後、前記調整データ受信部が再調整データの入力の受け付けを行い、
前記二次信用格付け部が、前記再調整データを基に二次信用格付け処理を再実行し、
前記表示部が、前記一次信用格付け処理結果および前記再実行された二次信用格付け処理結果を表示する付記1から7のいずれかに記載の信用格付けシステム。
【0132】
(付記10) 信用格付け対象の信用を評価して格付けを行なう信用格付け方法において、
前記信用格付け対象に関する基礎データを取得し、
前記入力部から入力された前記基礎データに基づいて、前記一次信用格付け処理を行ない、
一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者に対して、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信し、
前記一又は複数の権限者から、前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを取得し、
取得した前記調整データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行ない、
前記一次信用格付け処理結果および二次信用格付け処理結果を得ることを特徴とする信用格付け方法。
【0133】
(付記11) 信用格付け対象の信用を評価して格付けを行なう信用格付け処理を実行する信用格付けプログラムであって、
前記信用格付け対象に関する基礎データを入力する入力処理ステップと、
前記入力処理ステップにおいて入力された前記基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行なう一次信用格付け処理ステップと、
前記一次信用格付け処理の結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者の端末に対して、前記一次信用格付け処理の結果および前記基礎データを配信する配信処理ステップと、
前記一又は複数の権限者の端末から、前記権限者による、前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する調整データ受信処理ステップと、
前記調整データ受信処理ステップにおいて入力された前記調整データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行なう二次信用格付け処理ステップと、
前記一次信用格付け処理の結果および二次信用格付け処理の結果を表示する表示処理ステップを備えたことを特徴とする信用格付けプログラム。
【0134】
【発明の効果】
本発明の第1の信用格付けシステムによれば、信用格付け対象に対する信用格付け処理を一次信用格付け処理と二次信用格付け処理の二段階で実行するので、一次信用格付け処理において基礎データに基づく処理を実行し、さらに、二次信用格付け処理において一又は複数の権限者に対して必要なデータを配信し、当該権限者による基礎データに対する重み付け、他の追加項目の参酌など柔軟な調整を加えることができる。つまり、取引先の従来型の財務データのみならず、非財務データ、取引先の個別事情も加味し、信用格付けの調整を行なう権限を有するものによる調整を受けつつ、柔軟に信用格付けの調整を行なうことができる。
【0135】
また、本発明の第2の信用格付けシステムによれば、権限者ごとに調整する権限のレベル、内容を制御することができ、運用上の実状も加味した形の適切な調整データ取得が可能となる。
【0136】
また、本発明の第3の信用格付けシステムによれば、二次信用格付け部による二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、それら二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差と、二次信用格付け処理結果それぞれの偏差値を含む統計特性量を表示することができ、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できる。
【0137】
例えば、第1のバリエーションとして、調整データを入力する複数の権限者の判断のばらつきを数値として把握でき、当該調整が妥当であるか否かを客観的に把握できる。
【0138】
また、第2のバリエーションとして、複数のアルゴリズムを用いた場合、信用格付け対象に対するアルゴリズム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0139】
また、第3のバリエーションとして、他の信用格付けシステムによる信用格付け処理結果を参照することもでき、かつ、信用格付け対象に対する各システム間のばらつきを数値として把握でき、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【0140】
また、第4のバリエーションとして、同じ信用格付け対象の過去から現在に至るまでの信用格付けの経時変化を参照することができ、かつ、信用格付け対象に対する信用度合いの経時的ばらつきを数値として把握することができ、信用格付け処理結果の妥当性を客観的に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の信用格付けシステムの構成を説明する図
【図2】 本発明の信用格付けシステムにおいて利用し得る、法人の場合の基礎データの例を示す図
【図3】 本発明の信用格付けシステムにおいて利用し得る、個人事業主の場合の基礎データの例を示す図
【図4】 本発明の第1の信用格付けシステムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】 本発明の信用格付けシステムの一次信用格付け処理例を簡単に示した図
【図6】 本発明の第1の信用格付けシステムの調整データ入力画面の例を示す図
【図7】 本発明の信用格付けシステムの二次信用格付け処理例を簡単に示した図
【図8】 本発明の第1の信用格付けシステムの表示部60における表示画面の例を示す図
【図9】 本発明の第2の信用格付けシステムの構成を示す図
【図10】 本発明の第2の信用格付けシステムの調整データ入力画面例を示す図
【図11】 本発明の第3の信用格付けシステムの第1のバリエーションの構成を示す図
【図12】 本発明の第3の信用格付けシステムの第2のバリエーションの構成を示す図
【図13】 本発明の第3の信用格付けシステムの第3のバリエーションの構成を示す図
【図14】 本発明の第3の信用格付けシステムの第4のバリエーションの構成を示す図
【図15】 実施形態4にかかる、本発明の信用格付けシステムを実現する処理ステップを記録した記録媒体の例を示す図
【符号の説明】
10,10a,10b 入力部
20 一次信用格付け部
30,30a 配信部
40,40a 調整データ受信部
50,50a 二次信用格付け部
60 表示部
70 権限者端末
71 受信部
72 表示部
73 入力部
74 送信部
80 権限制御部
90 統計特性量算出部
100,100a,100b,100c,100d,100e 信用格付けシステム
1000 回線先のハードディスク等の記録媒体
1001 CD−ROMやフレキシブルディスク等の可搬型記録媒体
1002 CD−ROM
1003 フレキシブルディスク
1004 コンピュータ
1005 コンピュータ上のRAM/ハードディスク等の記録媒体

Claims (5)

  1. 一又は複数の権限者の端末とネットワーク経由で接続され、信用格付け対象の信用を評価して信用格付けを行なう信用格付けシステムであって、
    前記信用格付け対象に関する基礎データを入力する入力部と、
    前記入力部から入力された前記基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定する一次信用格付け部と、
    一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者の端末に対して、前記信用格付け対象のスコアと信用格付けランクと債務者区分とを含む前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信する配信部と、
    前記一又は複数の権限者の端末から、前記権限者の端末で入力された前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する調整データ受信部と、
    受信した前記調整データとそれに対応する前記基礎データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定する二次信用格付け部と、
    前記一次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分と、二次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分とを表示する表示部と、
    信用格付け運用者から、前記権限者への再調整の実行依頼を受けた場合に、前記権限者の端末へ再調整の実行を依頼する再調整依頼部とを備え、
    前記調整データ受信部は、再調整データを前記権限者の端末から受信し、前記二次信用格付け部は、前記再調整データを基に二次信用格付け処理を再実行することを特徴とする信用格付けシステム。
  2. さらに、前記権限者ごとに前記一次信用格付け処理結果を調整する権限の内容を制御する権限制御部を備え、
    前記権限制御部が権限者ごとに権限レベルを与え、当該権限レベルに応じて前記基礎データの項目および前記追加項目ごとに前記調整データの入力の可否を設定した権限情報を生成し、
    前記配信部が、前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データに加え、前記権限情報も各権限者に配信し、
    前記調整データ受信部は、前記権限情報に応じた調整データのみ受信することを特徴とする請求項1に記載の信用格付けシステム。
  3. さらに、複数の権限者により前記二次信用格付け処理結果が複数得られた場合、前記二次信用格付け部から複数の前記二次信用格付け処理結果を受け取り、前記二次信用格付け処理結果のばらつきを示す標準偏差と、各々の前記二次信用格付け処理結果についての偏差値を含む統計特性量を計算する統計特性量算出部を備え
    前記表示部は、さらに、前記標準偏差と偏差値を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の信用格付けシステム。
  4. 一又は複数の権限者の端末とネットワーク経由で接続されたコンピュータが、信用格付け対象の信用を評価して格付けを行なう信用格付け方法であって
    前記コンピュータの入力部が、前記信用格付け対象に関する基礎データを取得し、
    前記コンピュータの一次信用格付け部が、前記入力部から入力された前記基礎データに基づいて、前記一次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定し、
    前記コンピュータの配信部が、一次信用格付け処理結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者に対して、前記信用格付け対象のスコアと信用格付けランクと債務者区分とを含む前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信し、
    前記コンピュータの調整データ受信部が、前記一又は複数の権限者の端末から、前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを取得し、
    前記コンピュータの二次信用格付け部が、前記調整データ受信部が取得した前記調整データとそれに対応する前記基礎データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定し
    前記コンピュータの表示部が、前記一次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分と、二次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分とを表示し、
    前記コンピュータの再調整依頼部が、信用格付け運用者から、前記権限者への再調整の実行依頼を受けた場合に、前記権限者の端末へ再調整の実行を依頼し、
    前記調整データ受信部は、再調整データを前記権限者の端末から受信し、前記二次信用格付け部は、前記再調整データを基に二次信用格付け処理を再実行することを特徴とする信用格付け方法。
  5. 一又は複数の権限者の端末とネットワーク経由で接続されたコンピュータに、信用格付け対象の信用を評価して格付けを行なう信用格付け処理を実行させる信用格付けプログラムであって、
    前記信用格付け対象に関する基礎データを入力する入力処理と
    前記入力処理において入力された前記基礎データに基づいて、一次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定する一次信用格付け処理と
    前記一次信用格付け処理の結果を調整する権限を有する一又は複数の権限者の端末に対して、前記信用格付け対象のスコアと信用格付けランクと債務者区分とを含む前記一次信用格付け処理結果および前記基礎データを配信する配信処理と
    前記一又は複数の権限者の端末から、前記権限者の端末で入力された、前記基礎データに対する重み付けスコアと二次信用格付け処理に用いる追加項目およびそのスコアを含む調整データを受信する調整データ受信処理と
    前記調整データ受信処理において受信された前記調整データとそれに対応する前記基礎データに基づいて、前記二次信用格付け処理を行ない、前記信用格付け対象のスコアを算出し、信用格付けランクと債務者区分を決定する二次信用格付け処理と
    前記一次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分と、二次信用格付け処理結果に含まれる前記信用格付け対象のスコア、信用格付けランクおよび債務者区分とを表示する表示処理と、
    信用格付け運用者から、前記権限者への再調整の実行依頼を受けた場合に、前記権限者の端末へ再調整の実行を依頼する再調整依頼処理とをコンピュータに実行させ、
    前記調整データ受信処理において、再調整データが前記権限者の端末から受信され、前記二次信用格付け処理において、前記再調整データを基に二次信用格付け処理が再実行されることを特徴とする信用格付けプログラム。
JP2002014710A 2002-01-23 2002-01-23 信用格付けシステム Expired - Fee Related JP3967927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002014710A JP3967927B2 (ja) 2002-01-23 2002-01-23 信用格付けシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002014710A JP3967927B2 (ja) 2002-01-23 2002-01-23 信用格付けシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003216800A JP2003216800A (ja) 2003-07-31
JP3967927B2 true JP3967927B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=27651312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002014710A Expired - Fee Related JP3967927B2 (ja) 2002-01-23 2002-01-23 信用格付けシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3967927B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4879528B2 (ja) * 2005-08-26 2012-02-22 株式会社日立製作所 マルチラテラルネッティング決済方法、システム及びプログラム
JP2008033468A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Hitachi Ltd 信用力評価方法、評価能力算出方法、これらの実行装置、これらを実行するためのプログラム
JP5107819B2 (ja) * 2008-08-01 2012-12-26 株式会社デンソー サーバ、車載装置、及び、評価システム
JP5788673B2 (ja) * 2010-12-20 2015-10-07 トヨタホーム株式会社 建物販売システム
JP5847915B1 (ja) 2014-11-14 2016-01-27 ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
JP5931266B2 (ja) * 2015-11-25 2016-06-08 ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
JP6023379B2 (ja) * 2016-04-26 2016-11-09 ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
JP6062100B1 (ja) * 2016-10-06 2017-01-18 ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
JP6400067B2 (ja) * 2016-12-13 2018-10-03 ヤフー株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム
JP2018169873A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 株式会社 みずほ銀行 格付評価システム、格付評価方法及び格付評価プログラム
JP6403360B1 (ja) * 2018-02-05 2018-10-10 有限会社 アドリブ 財務諸表解釈支援装置、コンピュータプログラム
CN112330440B (zh) * 2020-11-06 2023-10-27 新华中经信用管理有限公司 一种基于区块链去中心化的信用体系构建方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003216800A (ja) 2003-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10984016B2 (en) Apparatuses, systems and methods for processing, acknowledging, transferring and custody of assets or rights on a distributed ledger
US11823089B2 (en) System and method for managing transactions in dynamic digital documents
US20200334648A1 (en) Interactive account management system and method
US7877320B1 (en) System and method for tracking and facilitating analysis of variance and recourse transactions
Cruz et al. Fundamental aspects of operational risk and insurance analytics: A handbook of operational risk
US7536340B2 (en) Compliance monitoring method and apparatus
Lambert Discussion of “Implications for GAAP from an analysis of positive research in accounting”
US7379910B2 (en) Apparatus, systems and methods for transacting and managing like-kind exchanges
KR20200106438A (ko) 투자상품을 관리하기 위한 전자플랫폼
US20010056398A1 (en) Method and system for delivering foreign exchange risk management advisory solutions to a designated market
US20070294119A1 (en) System, method and computer program product for evaluating and rating an asset management business and associate investment funds using experiential business process and performance data, and applications thereof
KR20020016769A (ko) 신청 장치 및 방법
Inderst et al. Securitization and compensation in financial institutions
JP3967927B2 (ja) 信用格付けシステム
Osuagwu et al. Measuring technical efficiency and productivity change in the Nigerian banking sector: A comparison of non‐parametric and parametric techniques
KR20030017485A (ko) 여신 기능을 구비한 익명 전자상거래 시스템 및 방법
Moosa Quantification of operational risk under Basel II: the good, bad and ugly
RU2630169C1 (ru) Автоматизированная вычислительная система для формирования и мониторинга инвестиционных портфелей акций
Høyland et al. Analyzing legal regulations in the Norwegian life insurance business using a multistage asset–liability management model
JP4279542B2 (ja) 資産運用状況監視システム、証券取引システム、及び、コンピュータプログラム
WO2023033708A1 (en) Method of assessing credit risk of a company and supply chain financing platform hosted on a blockchain network
CN108805690A (zh) 用于比较和推荐合适的借款业务的系统和方法
TWI249115B (en) Methods, systems, computer-readable mediums and apparatuses for implementing a profitability model
US20180040067A1 (en) Device, system, method, and computer medium for providing price evaluation on fixed-income securities in odd lot market and improving market confidence regarding the same
Wanyoike A survey of internal Auditors risk management practices in the banking industry in Kenya

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110608

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120608

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130608

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140608

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees