JP3966761B2 - 水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水を電解処理して、滅菌作用を付与するための新規な水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば屋内外に設置された水泳プールや公衆浴場の浴槽などの大型の水槽は、その水質を維持するために定期的に、カルキ(サラシ粉、高度サラシ粉)や次亜塩素酸ソーダ(NaClO)などを投入して滅菌処理をする必要がある。
しかし従来は、この作業を、施設の従業者などが営業時間外(早朝や深夜など)に手作業で行う必要があり、しかもカルキや次亜塩素酸ソーダは刺激性を有するため十分に注意しながら作業を行わなければならないという問題がある。
【0003】
また、カルキは通常、粉末状やそれを固めたタブレット状であるため、水槽に投入後、溶解して濃度が均一になるまでに長時間を要し、その間、水槽を使用できないという問題もある。
また、ビルの屋上などに配置される給水槽や、あるいは一般家庭用の浴槽などの、小型の水槽の場合は、水道水中に含まれる塩素の滅菌力のみに頼っているのが現状であり、特に給水槽の場合には、内部に藻が繁殖するなどして水質が悪化することがある。
【0004】
また、一般家庭用の浴槽の場合は通常、ほぼ1〜2日ごとに水を入れ替えるため水質の点で問題はないように思われがちであるが、浴槽に接続されたボイラー内は頻繁に清掃できないために雑菌やかびなどが繁殖しやすく、やはり水質の悪化が懸念される。
そこで近時、電解処理手段において、塩素イオンを含む水を、塩素イオンから次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)、塩素(Cl2)などの有効塩素成分を生成させる機能を有する、白金−イリジウム電極などの電極(以下「DSA電極」とする)を少なくともアノード側に用いた電極対に直流電流を流して電解処理することで、上記有効塩素成分を含む、滅菌作用を有する状態として、上記水槽に供給して滅菌処理する装置が開発された(例えば特開2001−170638号号公報等)。
【0005】
すなわち上記装置においては、例えば水道水などのあらかじめ塩素イオンを含む水や、あるいは必要に応じて食塩(塩化ナトリウム、NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩酸(HCl)などを加えた水などに、電極対を通して直流電流を流す。
そうすると水は、アノード側のDSA電極の表面の、白金−イリジウムなどの触媒作用によって下記の電気化学反応をして、上述した各種の有効塩素成分を含む、滅菌作用を有する状態となる。
【0006】
そこでこの状態の水を水槽に供給すると、水槽内の水が滅菌される。
(アノード側)
4H2O−4e-→4H++O2↑+2H2O (1)
2Cl-→Cl2+2e- (2)
2O+Cl2⇔HClO+H++Cl- (3)
(カソード側)
4H2O+4e-→2H2↑+4OH- (4)
(アノード側+カソード側)
++OH-→H2O (5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記水処理装置においては、電解槽の水位を検知する水位センサとして、電解槽の上方に設けた基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、平常運転時の、所定の水位の位置に配置した棒状電極からなる少なくとも1つの水位検知電極と、上記基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、水位検知電極の先端より下方に配置した棒状電極からなる基準電極とを有するものを用いるのが一般的である。
【0014】
かかる水位センサは、水位検知電極と基準電極との間に電圧を印加しておき、電解槽の水位が上昇して水位検知電極の先端が水と接触したことを、当該水位検知電極と基準電極との間の、水を介した導通によって検出し、また水位が低下して水位検知電極の先端が水と接触しなくなったことを、両電極間の導通の停止によって検出することで、電解槽内の水位を検知するものである。
ところが、検知電極の表面が絶縁物などで覆われたり、あるいは検知電極と基準電極との間に紐状物などが引っかかったりすると、正確な水位を検知することができなくなる。そして電解槽内の水位が上昇しすぎて水が溢れたり、逆に水位が低下しすぎて電極対が異常発熱したりするおそれがある。
【0015】
また電解槽には、電極対より下流側に、前記の電解反応によって発生する水素ガスや酸素ガスなどの気泡を水から除去するフィルターを設ける場合があるが、このフィルターに目詰まりが発生すると、やはり電解槽から水が溢れるおそれがある。
また、電解槽から水を送出する送水手段のポンプにエア噛みの異常が発生した場合も、電解槽から水が溢れるおそれがある。またポンプのエア噛みが生じたままで運転を続けると、ポンプに悪影響を及ぼすだけでなく、例えば水泳プール等に、多量の気泡を含む水が吐出されて、水が汚れたように見えるという問題もある。
【0016】
また、例えば電解槽に水を供給する給水手段の弁に異物が挟まるなどすると、水泳プールの営業時間外などの、装置の停止時間帯にも、電解槽に水が流れ込みつづけることになるため、やはり電解槽から水が溢れるおそれがある。
したがってこれらの異常が発生したことを検知して、未然に電解槽の水漏れを防止することが求められる。
【0020】
この発明は、上述したような電解処理手段にかかわる種々の問題を生じることなしに水を滅菌処理することができる、新規な水処理装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、電極対と、当該電極対を収容し、水を導入して電極対と接触させるための電解槽とを有し、電解槽に導入した水に、電極対を介して直流電流を流すことで電解処理するための電解処理手段と、
電極対に直流電流を供給するための電源回路と、
電解槽に水を供給するための給水手段と、
電解槽の上方に設けた基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、平常運転時の、所定の水位の位置に配置した少なくとも1つの水位検知電極と、上記基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、水位検知電極の先端より下方に配置した基準電極とを有し、水位検知電極と基準電極との間の、水を介した導通の有無をもとに電解槽の水位を検知するための水位センサと、
水位センサによって検知した水位に基づいて給水手段を制御するための給水制御部を含む制御手段とを備えるとともに、
水位センサは、基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、水位検知電極の先端より上の所定の位置に配置した上限水位検知電極をも有し、
制御手段は、基準電極と水位検知電極とが導通していない状態で、基準電極と上限水位検知電極とが導通した際に、水位検知電極に異常が発生したことを検知するセンサ異常検知部を含むことを特徴とする水処理装置である。
【0038】
上記のように水位センサの水位検知電極と基準電極とが導通していない状態で、上限水位検知電極と基準電極とが導通した場合、それは水位検知電極の先端が水に浸っているにもかかわらず、水位検知電極と水とが導通していないことを意味する。したがって請求項1の構成によれば、水位検知電極の表面に絶縁物が付着するなどの異常が発生したことを検知して、電解槽の水漏れなどを事前に防止することができる。
【0039】
なおここでいう電解槽には、電解槽からの電解処理済の水を収容、貯留して、必要に応じて水泳プール等に供給するための貯水槽をも含む。つまり貯水槽の水位を水位センサで検知して給水手段等を制御してもよい。貯水槽の水位を水位センサで検知した結果は、間接的に電解槽の水位を示すからである。以下の請求項2〜5でいう電解槽も、同様に貯水槽を含む。
請求項2記載の発明は、制御手段は、センサ異常検知部が異常を検知した際に報知を行う報知部と、この際に、基準電極と、水位検知電極とによる水位制御を停止し、基準電極と上限水位検知電極との間の導通の有無によって水位を検知し、制御する異常時制御を開始する制御切換部とを含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置である。
【0040】
請求項2の構成では、前記のように絶縁物が付着したりする異常を生じた水位検知電極による水位の検知を停止して、その異常を報知部によって装置のオペレータなどに知らせて解決を促しながら、装置を完全に停止してしまうのでなく、上限水位検知電極を用いて臨時に水位を検知しながら装置の運転を続けることができる。
請求項3記載の発明は、電解槽から水を送出するための送水手段を備えるとともに、電解槽の、電極対および水位センサより下流側には電解反応によって発生した気泡を水から除去するフィルターを設けてあり、制御手段は、基準電極と上限水位検知電極との間の導通が一定時間、継続した時点で送水手段の異常、またはフィルターの目詰まりが発生したことを検知する送水側異常検知部を含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置である。
【0041】
請求項3の構成によれば、水位センサの上限水位検知電極を用いて、フィルターの目詰まりや、あるいは送水手段のポンプのエア噛みなどの異常をも検知することができ、電解槽の水漏れをさらに確実に防止することができる。またポンプのエア噛みを無くして、ポンプへの悪影響を排除しつつ、例えば水泳プール等に多量の気泡を含む水が吐出されて、水が汚れたように見える現象が発生するのを防止することもできる。
【0042】
請求項4記載の発明は、制御手段は、送水側異常検知部が異常を検知した際に報知を行う報知部と、異常を検知して装置の運転を停止するとともに、運転停止から一定時間、経過した時点で運転を再開する運転待機部を含むことを特徴とする請求項3記載の水処理装置である。
請求項4の構成では、フィルターの目詰まりやポンプのエア噛みの異常を検知した際に、その異常を報知部によって装置のオペレータなどに知らせて解決を促することができる。またポンプのエア噛みの場合は、ポンプの運転を停止してしばらく放置すると自然に解消されるので、オペレータなどがフィルターの目詰まりでなくポンプのエア噛みであると判断した場合、なにもせずに放置しておけば、運転待機部が機能して装置の運転を自動的に再開することができ、操作の手間を省くことができる。
【0043】
請求項5記載の発明は、制御手段は、装置の運転時間帯、および停止時間帯にあわせて装置の運転と停止を自動的に制御する時間帯制御部と、装置の停止時間帯に、基準電極と上限水位検知電極との間が導通した際に送水手段を作動させて電解槽から水を送出する漏水防止制御部とを含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置である。
請求項5の構成では、オペレータなどのいない、あるいはオペレータなどによる確認が手薄になる夜間等に水漏れが発生するのを防止することができる。また請求項5の構成は、例えば少量の水を常時、流しつづける必要のある残留塩素センサを組み込むとともに、その捨て水を電解槽に供給するようにした装置などにおいて、電解槽から水が溢れるのを防止するために機能させることもできる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態にかかる水処理装置1の要部である、電解処理手段11の構造を簡略化して示す断面図である。
図に見るように電解処理手段11は、
給水手段12を通して連続的に供給される水Wを段階的に電解処理するための、第1および第2の2つの電解室111a、111bを備えた電解槽111と、両電解室111a、111b内にそれぞれ配設した電極対110、110と、
電解槽111で電解処理した水Wを貯えるための貯水槽112と、
を備える。
【0050】
このうち第1の電解室111aと第2の電解室111bは、図に見るように前者の水面が後者の水面より高くなるように設置してあるとともに、両電解室111a、111b間を仕切る仕切り板111cの上縁の高さを、第1の電解室111aの水面より低く、かつ第2の電解室111bの水面より高くすることで、第1の電解室111aから水Wを溢れ出させる水の溢出口111dを形成してある。
【0051】
また第2の電解室111bと貯水槽112とは、やはり図に見るように前者の水面が後者の水面より高くなるように設置してあるとともに、両者の間を仕切る仕切り板111eの上縁の高さを、第2の電解室111bの水面より低く、かつ貯水槽112の水面より高くすることで、第2の電解室111bから水Wを溢れ出させる水の溢出口111fを形成してある。
そして、給水手段12を通して第1の電解室111aに連続的に水Wを供給すると、当該水Wが、溢出口111dを通して第1の電解室111aから溢れ出して、第2の電解室111bに連続的に供給され、ついで溢出口111fを通して第2の電解室111bから溢れ出して、貯水槽112に連続的に供給される。
【0052】
したがって水Wの、第2の電解室111bから第1の電解室111aへの逆流、および貯水槽12から第2の電解室111bへの逆流をともに防止しつつ、両電解室111a、111bでの2段階の電解処理によって、水Wを効率よく処理することが可能となる。
貯水槽112に供給された電解処理済の水Wは、あらかじめ設定した水位の上限値に達した時点で、図示しない送水手段によって送出されて、水泳プールなどに供給される。またこの時点で、電解処理手段11による水の電解処理を一時的に停止し、送出手段による水の送出が進んで、貯水槽112の水Wが、これもあらかじめ設定した水位の下限値まで減少した時点で、電解処理手段11による水の電解処理を再開するようにしてもよい。水位は、図示しない水位センサによって測定する。
【0053】
両電解室111a、111b内に配設した電極対110は、それぞれ一定間隔をあけて配設した板状の電極110a、110bを備える。
なお図では、電極対110を構成する電極110a、110bを、わかりやすいように2枚だけ記載しており、この2枚でも電解反応は十分に可能である。ただし、電解反応の効率などを考慮すると、実際には例えば図3(a)に示すように3枚以上の板状の電極110a、110bを交互に、かつ互いに平行に配列して電極対110を構成するのが好ましい。
【0054】
電極110a、110bはそれぞれ、配線13a、13bを介して、電解槽111a、111bごとの個別の電源回路13、13の正極(+)および負極(−)に接続してあり、それによって電極110aはアノード側、電極110bはカソード側の電極とされる。なお、前述したように電極110a、110bの極性を定期的に入れ替えて電解処理をするようにしてもよい。
また第1の電解室111a側の電極対110と電源回路13とを繋ぐアノード側の配線13aには、電源回路13から電極対110に供給する直流電流の出力電流値を測定するための電流センサS1を設けている。
【0055】
電極110a、110bとしては、前述したように白金−パラジウム電極などを使用する。具体的には例えば、チタニウム(Ti)製の基板の表面全面に金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−イリジウム(Pt−Ir)などの、電解反応の際に触媒として機能する貴金属の薄膜を、めっき法や焼成処理によってコーティングしたものを使用することができる。
給水手段12は、図示しない水源から、定量ポンプP1を介して第1の電解室111aに至る、水を給水するための配管121aを備える。
【0056】
また給水手段12は、図示しない電解促進剤の貯水槽などから、定量ポンプP2を介して上記配管121aに合流する、食塩水等の電解促進剤の配管122aを備えた促進剤供給手段122を有する。
図において符号30は制御手段である。制御手段30内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ31と、各種の初期値などを登録したメモリ32とを設けている。
【0057】
図中二点鎖線の矢印で示すように、電流センサS1によって測定した電流値は、制御手段30に入力される。
制御手段30は、電流センサS1からの入力、タイマ31によって規定したタイミング、並びにメモリ32に登録した初期値に基づいて種々の演算を行い、それに基づいて、図中一点鎖線の矢印で示すように電源回路13、13、および定量ポンプP1、P2の駆動を、それぞれ個別に制御する。
【0058】
制御手段30による制御のうち、電流センサS1によって測定した電流値に基づいて、促進剤供給手段122から供給する電解促進剤の供給量を調整する工程を図2に示す。
まずステップSP1で装置の運転が開始されると、制御手段30は、ステップSP2で定量ポンプP1を駆動して水の供給を開始するとともに、ステップSP3で電源回路13、13を駆動して、それぞれの電源回路13、13から、あらかじめ設定した電流値の直流電流を、それぞれの電極対110、110に供給して、第1および第2の電解室111a、111b内の水Wの電解を開始する。またステップSP4で、電流センサS1による、第1の電解室111a側の電源回路13から電極対110に供給する直流電流の電流値の測定を開始する。
【0059】
次にステップSP5で、電流センサS1の測定値Iが、ポンプP2の運転を開始して、促進剤供給手段122からの電解促進剤の供給を開始しなければならない下限側のしきい値I1以下であるか否かを確認する。
そして電流値Iがしきい値I1以下(I≦I1)である場合はステップSP6に進み、定量ポンプP2を駆動させて、促進剤供給手段122からの電解促進剤の供給を開始したのち、ステップSP7に進む。
【0060】
一方、ステップSP5で塩素イオン濃度Iがしきい値I1を超える(I>I1)場合は、ステップSP6をスキップして、定量ポンプP2を駆動させずにステップSP7に進み、今度は電流センサS1の測定値Iが、ポンプP2の駆動を停止して、促進剤供給手段122からの電解促進剤の供給を停止しなければならない上限側のしきい値I2以上であるか否かを確認する。
そして電流値Iがしきい値I2以上(I≧I2)である場合はステップSP8に進んで定量ポンプP2の駆動を停止したのち、また電流値Iがしきい値I2未満(I<I2)である場合はステップSP8をスキップして、それぞれステップSP9に進む。
【0061】
ステップSP9で、制御手段30は、装置の運転停止が選択されたか否かを判定し、選択されない場合はステップSP5に戻って、ステップSP5〜SP9の操作を、ステップSP9で装置の運転停止が選択されるまで繰り返し行う。またこの間、前述したように貯水槽112の水位等に応じて、電解処理手段11による上記の操作を断続させても良い。
そしてステップSP9で装置の運転終了が選択された時点で、ステップSP10に進んで、電源回路13、13、定量ポンプP1、P2の駆動を停止し、一連の操作を終了する。
【0062】
上記の構成によれば、促進剤供給手段122による電解促進剤の供給を、かかる供給による塩素イオン濃度の変化が最も早く表れる第1の電解室111aの、電源回路13から電極対110に至る配線13a上に設置した電流センサS1によって測定した直流電流の電流値の変化に基づいて制御している。このため、電解促進剤の供給からのタイムラグをできるだけ短くし、電解促進剤の供給過剰などによる塩素イオン濃度の大きな振れをなくして、水の塩素イオン濃度を安定させた状態で電解処理することができ、水処理の効率をより一層、向上することができる。
【0063】
上記のうち電解槽111の第1の電解室111aには、例えば図3(a)に示すように、当該第1の電解室111aで電解処理した水Wを、第2の電解室111bをも通過させてさらに電解処理した、貯水槽112内の水Wとは別個に、独立して取り出すことのできる取水口111gを設けてもよい。なお図において符号V1は、上記取水口111gを手動で開閉するための開閉弁を示している。
また電解槽111は、上流側の第1の電解室111aと下流側の第2の電解室111bとで水の流路の断面積を違えたり、あるいは上流側と下流側とで電極対110のセル定数Kを違えたりしてもよい。セル定数Kは、電極対110を構成する電極110a、110bの、水に対する露出面積Sと、隣り合う互いに極性の異なる電極110a、110b間の間隔Lとの比L/Sで表される。
【0064】
例えば図3(b)の例の場合は、上流側の第1の電解室111aよりも、下流側の第2の電解室111bの、水の流路の断面積を大きくしているとともに、上流側の電極対110よりも下流側の電極対110を構成する電極110a、110bの間隔Lを大きくして、電極対110のセル定数Kを大きくしている。
そしてこの2つの構成の組み合わせによって図の例では、それぞれの電極対110を構成する電極110a、110bの寿命を、ほぼ同程度に揃えることができる。
【0065】
すなわち水は、電解されることによって有効塩素成分を生成するとともに、温度上昇する結果、電解前よりも電流が流れやすい状態となる傾向がある。このため通常は、上流側の電極対110を介してよりも、下流側の電極対110を介しての方が電流が流れやすくなり、結果として下流側の電極対110の方が電極110a、110bの寿命が短くなる傾向がある。
ところが図の例では、上流側よりも下流側の電極対110を構成する電極110a、110bの間隔Lを大きくして、下流側の電極対110のセル定数Kを大きくしているため、例えば定電圧制御をすると、上流側の電極対110によって電解されて電流が流れやすくなった水に対して、下流側の電極対110を介して電流が流れすぎるのを防止することができる。しかも第2の電解室111bの水の流路の断面積を、第1の電解室111aよりも大きくして、その水量を多くしているため、電解による水の温度上昇それ自体を抑えることもできる。
【0066】
したがってこの両方の効果によって図の例では、上流側よりも下流側の電極対110の電極110a、110bが早期に消耗するのを防止して、電極110a、110bの寿命を、両者間でほぼ同程度に揃えることができ、電極交換のメンテナンスなどを容易化することが可能となる。また、下流側の電極対110を介して電流が流れすぎるのを防止して、装置の安全性を向上することもできる。
ただし図の例と反対に、上流側の第1の電解室111aよりも、下流側の第2の電解室111bの、水の流路の断面積を小さくしたり、あるいは上流側の電極対110よりも下流側の電極対110を構成する電極110a、110bの間隔Lを小さくして、電極対110のセル定数Kを小さくしてもよい。
【0067】
このように構成すると、上流側よりも下流側の電極対110を構成する電極110a、110bの寿命が短くなるため、それによって電極対110ごとに電極110a、110bの寿命に意図的に大きな差をつけて、それぞれの電極対110において電極110a、110bを交換する時期が重ならないようにずらすことができるため、やはり電極交換のメンテナンスなどを容易化することが可能となる。
【0068】
図4(a)は、電解槽111のうち下流側の第2の電解室111bの底部に排水口111hを設けるとともに、第1および第2の電解室111a、111b間を仕切る仕切り板111cに、両電解室111a、111bの底部を繋ぐように通孔を形成して、第1の電解室111aから第2の電解室111bに水を送る水路111iを形成したものである。
なお図において符号V2は、上記排水口111hを手動で開閉するための開閉弁を示している。
【0069】
開閉弁V2を開くと、第2の電解室111bの水Wが、排水口111hを通して排水されるだけでなく、第1の電解室111aの水Wも、水路111iと、排水口111hとを通して同時に排水される。したがって清掃などのメンテナンス時に水を抜く手間を簡略化できる。
また開閉弁V2を閉じた通常運転時に、給水手段12の配管121aを通して、第1の電解室111aに上方から水を供給すると、当該水Wは、図中に実線の矢印で示すように、電極対110を構成する電極110a、110bの表面に沿って電解室111aの底部まで移動し、当該底部に設けた水路111iを通して第2の電解室111bに流入する。そして電極対110を構成する電極110a、110bの表面に沿って電解室111bの上部まで移動して、仕切り板111eの上縁に形成した水の溢出口111fを通して溢れ出して、貯水槽112に供給される。
【0070】
このように構成すると、水Wの、電極対110を構成する電極110a、110bの表面との接触距離を長くして、処理の効率を向上することができる。
同様の効果を得るために、図5(a)に示す構成を採用してもよい。すなわち第1の電解室111aの、給水手段12の配管121aの出口側と、電極対110との間を仕切り板111jで仕切るとともに、当該仕切り板111jに通孔111kを形成し、また第2の電解室111bの、水の溢出口111d側と、電極対110との間を、同様に仕切り板111mで仕切るとともに、当該仕切り板111mに通孔111nを形成する。
【0071】
そして、給水手段12の配管121aを通して、第1の電解室111aに上方から水を供給すると、当該水Wは、図中に実線の矢印で示すように、まず仕切り板111jに沿って電解室111aの底部まで移動し、通孔111kを通過したのち、電極対110を構成する電極110a、110bの表面に沿って電解室111aの上部まで移動して、仕切り板111cの上縁に形成した水の溢出口111dを通して溢れ出して、第2の電解室111bに流入する。そして仕切り板111mに沿って電解室111bの底部まで移動し、通孔111nを通過したのち、電極対110を構成する電極110a、110bの表面に沿って電解室111aの上部まで移動して、仕切り板111eの上縁に形成した水の溢出口111fを通して溢れ出して、貯水槽112に供給される。
【0072】
このように構成しても、水Wの、電極対110を構成する電極110a、110bの表面との接触距離を長くして、処理の効率を向上することができる。
かかる構成は、電解室が1つだけの電解槽に適用することもできる。
すなわち図5(b)に示すように、1つだけの電解室111aの、給水手段12の配管121aの出口側と、電極対110との間を仕切り板111jで仕切るとともに、当該仕切り板111jに通孔111kを形成する。
【0073】
そして、給水手段12の配管121aを通して、電解室111aに上方から水を供給すると、当該水Wは、図中に実線の矢印で示すように、まず仕切り板111jに沿って電解室111aの底部まで移動し、通孔111kを通過したのち、電極対110を構成する電極110a、110bの表面に沿って電解室111aの上部まで移動して、仕切り板111eの上縁に形成した水の溢出口111fを通して溢れ出して、貯水槽112に供給される。
【0074】
このように構成した場合、1つだけの電解室111aを有する電解処理手段11においても、水Wの、電極対110を構成する電極110a、110bの表面との接触距離を長くして、処理の効率を向上することができる。
図4(b)は、第1および第2の電解槽111a、111b間を2枚の仕切り板111p、111qで仕切り、かつ両仕切り板111p、111q間を配管111rで繋いで、第1の電解室111aから第2の電解室111bに水を送る水路を形成するとともに、この水路を形成する配管111rの周りを、例えば熱交換器の放熱部などの冷却手段113で囲んだものである。
【0075】
上記の構成によれば、第1の電解室111aでの電解反応によって温度が上昇した水Wを、配管111rを通過させることで冷却して、第2の電解室111bに供給できるため、電解室111bで電解処理を行う際に電流が流れすぎるのを防止して、安全性を向上することができる。また電極110a、110bの寿命を延長する効果もある。
図6(a)は、この発明の他の実施形態にかかる水処理装置1の要部である、電解処理手段11の構造を簡略化して示す断面図である。また図6(b)は、上記電解処理手段11の平面図、図6(c)は右側面図である。
【0076】
図に見るように電解処理手段11は、電極対を構成する個々の電極114を、それぞれ1枚の金属板を折り曲げることで、互いに平行な2枚の平板部114a、114aと、その一辺で両者の間を繋ぐ基部114bとを有する断面略コ字状に形成し、かつ極性の異なる一対の電極114、114を、それぞれの平板部114aが交互に、かつ互いに平行になるように互い違いに組み合わせたものを2組、密閉式の電解槽1115に収容したものである。
【0077】
かかる構成によれば、平板部114aと基部114bとの折り目の部分での補強効果によって、従来の板状の電極に相当する平板部114aの強度を向上して、当該平板部114aを、電解反応時の発熱などによって反ったり歪んだりしにくくすることができる。したがって各平板部114aの平行を維持できるため、電解性能が変化したり、極性の異なる電極114間で短絡が発生したりするのをより確実に防止することができる。
【0078】
なお図において符号116は、各電極114を電解槽1115に固定するとともに、当該各電極114を電解槽1115の外部に設けた図示しない電源回路と電気的に接続するための段付ネジ、115aは、電解槽1115への水の入口および出口を形成する口金である。
また各電極114は、図では表れていないが、電解槽1115の内法幅と一致する幅を有しており、それによって電解槽1115内を、図(a)に示すようにジグザグ状に仕切っている。これにより一方の口金115aを通して電解槽1115内に導入された水を、図中に実線の矢印で示すように、ジグザグ状の仕切りを構成する電極114の表面に沿わせて電解槽1115内を流して、他方の口金115aを通して電解槽1115外に流出させることができる。したがって水の、電極114の表面との接触距離を長くして、処理の効率を向上することができる。
【0079】
図7は、この発明の他の実施形態にかかる水処理装置1の構造を簡略化して示す図である。
図に見るようにこの例の水処理装置1は、水泳プールなどの水槽2に組み込んで用いるタイプのものである。
水槽2には、砂ろ過装置21を組み込んだ、循環ポンプ22によって水Wを常時、循環させるための主循環水路20を設置している。
【0080】
そして水処理装置1は、主循環水路20の、砂ろ過装置21より下流側の分岐点J1から分岐して、それよりも下流側の合流点J2で再び主循環水路20に合流する、給水手段としての水路10aを備えている。
水路10a上には順に、
当該水路10aをメンテナンス時などに手動で開閉するための開閉弁V3と、
水を、主循環水路20から水路10aに取り込むための循環ポンプP3と、
水路10aを流れる水に混入した浮遊物などを除去するためのストレーナSTと、
水路10aを流れる水に混入した微細な鉄粒などを吸着して除去するための磁石MGと、
電磁弁V4と、
電解処理手段11と、
電解処理手段11内の水を吸い出して、主循環水路20に戻すための循環ポンプP4と、
逆流防止のための逆止弁V5と、
をこの順に配設している。
【0081】
上記のうち電解処理手段11は、水路10aから供給した水Wを貯留するための電解槽111と、この電解槽111内に一定間隔をあけて配設した、電極対110を構成する電極110a、110bとを有する。
磁石MGは、図の例では、水路10aを形成する配管の外側に、バンドBDを用いて固定している。
上記の水処理装置1においては、電磁弁V4を開き、かつ循環ポンプP3、P4を動作させて水路10a内に水Wを循環させながら、図示しない電源回路から電極対110に直流電流を供給して、循環する水Wに、電極対110を通して直流電流を流すことで、水Wを連続的に電解処理することができる。
【0082】
またこの際、水路10aを流れる水に混入した鉄粒などは、磁石MGの磁力によって、当該磁石MGが固定された配管の内面に吸着、固定されるため、その下流側の電磁弁V4に挟まって電磁弁V4を閉じることができなくなったり、電極対110を構成する電極110a、110b間を短絡させたりすることがない。
吸着した鉄粒などは、装置1の清掃時などに磁石MGを配管から外すと、自由に移動できる状態となるので、例えば電解槽111に接続したドレン配管(図示せず)などから装置1の外に排出することができる。
【0083】
なお磁石MGは、ストレーナST内に配置してもよい。かかる磁石MGは、ストレーナSTを清掃したり交換したりすべく装置外に取り出した際に、吸着した鉄粒などを除去することができる。
図8(a)は、この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置1の要部である、電解処理手段11の構造を簡略化して示す断面図である。
図の電解処理手段11は、電解槽111内に、電極対110を構成するそれぞれ複数枚(図では2枚ずつ計4枚)の平板状の電極110a、110bを互いに交互に、かつ互いに平行になるように配列するとともに、各電極110a、110b間を、当該電極110a、110bと平行に配置した、選択的に有効塩素成分を透過させない隔膜DPによって隔てることで、陽極室111sおよび陰極室111tを形成したものである。図において符号111uは、電解槽111への水の入口、111vは、電解槽111からの水の出口である。
【0084】
また上記陽極室111s、陰極室111tの下流側の出口は、電解反応によって発生する水素ガスや酸素ガスなどの気泡を水から除去するためのフィルターFT1によって閉じてあり、それより下流側の領域を、電解処理後の陽極室111s内および陰極室111t内の水を混合して中和するための混合部111wとしている。
水の入口111uから水を供給すると、電解槽111内に、図中に実線の矢印で示すように、供給された水が、隔膜DPによって仕切られた陽極室111s内、および陰極室111t内にそれぞれ流入した後、フィルターFT1を通過して混合部111wで再び混合、合流して、水の出口111vから排出される水流を生じる。
【0085】
この状態で、電源回路13から、電極対110を構成する各電極110a、110bに直流電流を供給すると、陽極室111s内では前記式(1)〜(3)の反応が進行して有効塩素成分が生成し、陰極室111t内では式(4)の反応が進行する。
そして水流によってフィルターFT1を通過する際に、式(1)の反応で生成した酸素ガスや、式(4)の反応で生成した水素ガスの気泡が除去されたのち、両室111s、111tの水が混合部111wで混合、合流して前記式(5)の反応によって中和される。
【0086】
またこの際、陽極室111sで発生した有効塩素成分は、隔膜DPによって隔てられているとともに、水流によって強制的にフィルターFT1の下流側に送られる。このため有効塩素成分は、陰極室111tに流入して、カソード側の電極110bと接触して逆反応によって塩素イオンに戻されることなく、出口111vから送出されて、水泳プール等に供給される。
したがって上記の構成によれば、例えば定期的に電極対110に供給する直流電流の極性を逆転させることで、カソード側の電極表面にスケールが付着するのを防止するために、電極110a、110bをともにDSA電極とした際に、カソード側での逆反応によって有効塩素成分の生成効率が低下するのを防止して、水処理の効率をより一層、向上することができる。
【0087】
なお隔膜としては、陽イオン交換膜が挙げられる他、水素イオンや水酸化イオンは通すが次亜塩素酸イオンは通さない微細な孔径の孔を多数、有する物理膜を使用することもできる。
またフィルターFT1は、水は通過させるが気泡は通過させずに貯留する機能を有しており、この機能によってフィルターFT1の上流側に貯留された気泡は、それまで径が小さすぎて水と分離できなかったものが、貯留によってその多数個が結合して大径化することで浮力を生じて水中から水面に上昇して、水面上の気相側に移動して水から分離、除去される。
【0088】
かかるフィルターFT1としては、天然あるいは化学繊維製の不織布などが使用できる。ただしフィルターFT1は、電極対110による電解反応の直後に配設して使用するため、電解反応によって発生する有効塩素成分や活性酸素等に対して十分な耐性を有するポリプロピレン繊維などで形成し、しかも気泡を容易に透過させないために目の細かい不織布状とするのが好ましい。
通孔のサイズは、平均径が1〜100μm程度であるのが好ましく、10〜50μm程度であるのがさらに好ましい。この範囲未満では、水流に対するフィルターFT1の抵抗が大きくなりすぎて、電解処理の効率が低下するおそれがあり、逆にこの範囲を超える場合には、気泡を透過させずに貯留する効果が不十分となるために、気泡除去の効率が低下するおそれがある。
【0089】
なお電極対110は、図8(b)に示すように、少なくとも3枚(図では4枚)の板状の電極110a〜110cを互いに平行になるように配列するとともに、両端の2枚の電極110a、110bをそれぞれ電源回路13のアノード側およびカソード側に接続して直流電流を供給することで、中間の電極110cの表裏両面を、バイポーラ現象によって分極させて電解処理に利用するバイポーラ型の構成を有していてもよい。
【0090】
この場合には、図に見るように各電極110a〜110c間と、バイポーラ現象によって分極する中間の電極110cの表裏両面とを、それぞれ隔膜DPによって隔てることで、陽極室111sと陰極室111tとを形成することができる。
そこで、水の入口111uから出口111vへの水流を生じさせた状態で、電源回路13から両端の電極110a、110bに直流電流を供給して、中間の電極110cの表裏両面をバイポーラ現象によって分極させると、陽極室111s内では前記式(1)〜(3)の反応が進行して有効塩素成分が生成し、陰極室111t内では式(4)の反応が進行する。
【0091】
そしてフィルターFT1を通過する際に、式(1)の反応で生成した酸素ガスや、式(4)の反応で生成した水素ガスの気泡が除去されたのち、両室111s、111tの水が混合部111wで混合、合流して前記式(5)の反応によって中和される。
またこの際、陽極室111sで発生した有効塩素成分は、隔膜DPによって隔てられているとともに、水流によって強制的にフィルターFT1の下流側に送られるため、陰極室111tに流入して、カソード側の電極110bと接触して逆反応によって塩素イオンに戻されることなく、出口111vから送出されて、水泳プール等に供給される。
【0092】
したがって上記の構成によれば、例えば定期的に電極110a、110bに供給する直流電流の極性を逆転させることで、カソード側の電極表面にスケールが付着するのを防止するために、電極110a〜110cをいずれもDSA電極とした際に、カソード側での逆反応によって有効塩素成分の生成効率が低下するのを防止して、水処理の効率を向上することができる。
図9は、この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置1の構造を簡略化して示す図である。
【0093】
図に見るようにこの例の水処理装置1も、水位プールなどの水槽2に組み込むタイプである。
水槽2には、砂ろ過装置21を組み込んだ、循環ポンプ22によって水Wを常時、循環させるための主循環水路20を設置している。
そして水処理装置1は、主循環水路20の、砂ろ過装置21より下流側の分岐点J1から分岐して、電解処理手段11の電解槽111を経由して、分岐点J1よりも下流側の合流点J2で再び主循環水路20に合流する、給水手段としての水路10aを備えている。
【0094】
水路10aの、分岐点J1から電解槽111に至る途上には順に、開閉弁V3、流量調整のための調整弁V6、調整弁V6による流量調整の際にこの位置に挿入して使用する流量計S2、水をろ過して有機物などを除去するためのフィルターFT2、水流の有無を検知するためのフローセンサS3、および電磁弁V4を配設している。
また電解槽111には、前記主循環水路20の、循環ポンプ22と砂ろ過装置21との間の分岐点J3で分岐して、開閉弁V7、減圧弁V8、ストレーナST、定流量弁V9、電磁弁V10、調整弁V11、および水中の残留塩素濃度を測定するための残留塩素センサS4を介して電解槽111に至る水路10bを接続している。
【0095】
残留塩素センサS4は、その構造上、測定時に、水路10aを流れる水量よりも少ない、ごく少量の水を常時、流しつづける必要があるため、上記のような配置とされる。
水路10aの、電解槽111から合流点J2に至る途上には順に、水流の有無を検知するためのフローセンサS5、電解槽111内から水Wを送出することで、当該水Wを水路10a内で循環させるためのための循環ポンプP5、逆流防止のための逆止弁V5、次の、調整弁V12による流量調整の際にこの位置に挿入して使用する流量計S6、流量調整のための調整弁V12、および開閉弁V13を配設しており、また逆止弁V5と流量計S6との間には水圧測定のための圧力計S7を接続している。
【0096】
また水路10aには、前記流量計S2とフィルターFT2との間の分岐点J4で分岐して、常時閉じられている調整弁V14を介して、逆止弁V5と圧力計S7との間の合流点J5に至るバイパス水路10cを接続している。バイパス水路10cは、例えば電解処理手段11のメンテナンス時などに、電磁弁V4を閉じ、かつ調整弁V14を開くことで、水を、電解槽111を通さずに流通させるために用いる。
【0097】
また水路10aの、上記合流点J5と圧力計S7との間には、水を滅菌する作用を有する滅菌液としての次亜塩素酸ソーダの水溶液Lを、滅菌液槽15から、定量ポンプP6を介して、合流点J6で水路10aに供給するための分岐水路10dを接続している。
電解槽111内には、上流側から順に、当該電解槽111内の水位を検出するための水位センサS8、水Wを電解反応するための電極対110、および電解によって水中に発生した気泡を除去するための、2枚のフィルターFT3、FT3を配設している。また電解槽111の天板側には、ブロワBMを備えた排気管16を接続している。
【0098】
上記のうちフィルターFT3は、先のフィルターFT1と同様に、水Wは通過させるが気泡は通過させずに貯留する機能を有しており、この機能によってフィルターFT3の上流側に貯留された気泡は、それまで径が小さすぎて水と分離できなかったものが、貯留によってその多数個が結合して大径化することで浮力を生じて水W中から水面に上昇する。そして、水面上の気相側に移動して水Wから分離、除去される。
【0099】
このため、電解処理後の水を再び水槽2に還流する際に、上記気泡に起因して、水槽2内の水が白濁化するのを防止でき、常に澄んだ、見た目もきれいな水を供給することが可能となる。
フィルターFT3によって水Wから分離されたガスは、ブロワBMの排気力によって、排気管16を通して装置外へ排出される。
電解槽111の下側には、漏れた水の受け皿17を配設しており、万が一、電解槽111で水漏れが発生したとしても、漏れた水による短絡や漏電などのおそれを、最小限に抑えることができる。
【0100】
符号10dは、受け皿17で受けた水を、流量調整のための調整弁V15を介して図示しないドレン口へ送るための排水路である。
また符号10eは、水路10aの、電解槽111と循環ポンプP5との間の分岐点J7から分岐し、流量調整のための調整弁V16を介して、合流点J8で上記排水路10dに接続された排水路である。この排水路10eは、装置のメンテナンス時などに、電解槽111から水を抜く際などに使用する。
【0101】
図10は、上記装置1のうち、電解槽111の水位を検知するための水位センサS8を拡大した図である。
水位センサS8は、絶縁性の基部S8aから下方へ突出させた、それぞれ長さの異なる複数本(図では5本)の棒状電極E1〜E5を備える。
このうち棒状電極E2は、その先端を、平常運転時の、所定の水位の上限位置に設定した水位検知電極、棒状電極E3は、その先端を、平常運転時の、所定の水位の下限位置に設定した水位検知電極である。
【0102】
また棒状電極E1は、その先端を、水位検知電極E2の先端より上の所定の位置に配置した上限水位検知電極、棒状電極E4は、その先端を、水位検知電極E3の先端より下の所定の位置に配置した下限水位検知電極である。
そして最も長い棒状電極E5は基準電極である。
図11は、図9の水処理装置1の、電気的な構成を示すブロック図である。
図に見るように水処理装置1は、電極対110に通電制御しつつ各部を作動させる制御手段30を備えている。
【0103】
フローセンサS3、S5、残留塩素センサS4、圧力計S7、および水位センサS8の出力は制御手段30へ与えられる。制御手段30内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ31と、各種の初期値などを登録したメモリ32と、種々の異常が発生した際などに、装置のオペレータに報知するための報知部34とを設けている。
なお報知部34は、例えば無線、あるいは有線の電話回線やコンピュータネットワークなどを介して、装置1から離れた場所にいるオペレータや、あるいは遠隔地にいるメンテナンスサービスなどに自動的に、異常が発生したことを知らせる機能を有していてもよい。
【0104】
制御手段30は、上記各センサS3〜S5、S7、S8の出力、タイマ31によって規定したタイミング、並びにメモリ32に記録した初期値に基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ33へ与える。そしてドライバ33は、与えられる信号に基づいて電極対110への通電出力(通電電流)、通電時間等の通電制御を行い、かつ電磁弁V4、V10の開閉、ブロアBM、ポンプP5、P6の駆動制御を行う。
【0105】
上記のうち、水位センサS8を用いた水位制御の流れを図12に示す。
まずステップSP11で装置の運転が開始されると、制御手段30は、ステップSP12で電磁弁V4を開くとともに循環ポンプP5を駆動して、水路10a内への水の循環を開始する。
そしてステップSP13で、水位センサS8のうち水位検知電極E2が「on」、すなわち電解槽111内の水位が、図10の水位検知電極E2の横に矢印で示したように、当該水位検知電極E2の先端より上まで上昇して、基準電極E5と水位検知電極E2とが水を介して導通したか否かを判定する。
【0106】
そして水位検知電極E2が「on」であった場合、制御手段30は、電解槽111内の水位が平常運転時の上限に達したと判断して、ステップSP14で水位の上昇を抑制する操作を行う。具体的には、電磁弁V4を閉じて、電解槽111への水の流入をストップする。
ところがその間も、循環ポンプP5は作動しつづけており、通常であれば電解槽111内の水位は徐々に低下する。
【0107】
しかしフィルターFT3の目詰まりや循環ポンプP5のエア噛みなどの異常が発生した場合は、電磁弁V4を閉じるまでの間、逆に水位が上昇しつづけるので、制御手段30は、ステップSP15で、水位センサS8のうち上限水位検知電極E1が「on」、すなわち電解槽111内の水位が、図10の上限水位検知電極E1の横に上向きの矢印で示したように、当該上限水位検知電極E1の先端より上まで上昇して、基準電極E5と上限水位検知電極E1とが水を介して導通したか否かを判定する。
【0108】
そして上限水位検知電極E1が「on」でなかった場合、異常がなく、予定通り水位が下がりつづけていると判断して、制御手段30は、次にステップSP16で、水位センサS8のうち水位検知電極E3が「off」、すなわち電解槽111内の水位が、図10の水位検知電極E3の横に矢印で示したように、当該水位検知電極E3の先端より下へ低下して、基準電極E5と水位検知電極E3との水を介した導通が遮断されたか否かを判定する。
【0109】
そして水位検知電極E3が「off」であった場合、制御手段30は、電解槽111内の水位が平常運転時の下限に達したと判断して、ステップSP17で、水位を上昇させる操作を行う。具体的には、電磁弁V4を開いて、電解槽111への水の流入を再開したのち、ステップSP18に進む。
またステップSP13で、水位検知電極E2が「on」でなかった場合、制御手段30は、電解槽111内の水位が平常運転時の上限に達していないか、あるいは水位検知電極E2の表面に絶縁物が付着するなどの異常が発生したと判断してステップSP19に進み、上限水位検知電極E1が「on」であるか否かを判定する。
【0110】
そして上限水位検知電極E1が「on」でない場合は、電解槽111内の水位が平常運転時の上限に達していないと判断してステップSP16に進む。
またステップSP16で、水位検知電極E3が「off」でなかった場合、制御手段30は、電解槽111内の水位が平常運転時の下限に達していないか、あるいは水位検知電極E3と基準電極E5との間に紐状物が引っかかるなどの異常が発生したと判断してステップSP20に進み、下限水位検知電極E4が「off」、すなわち電解槽111内の水位が、図10の下限水位検知電極E4の横に下向きの矢印で示したように、当該下限水位検知電極E4の先端より下へ低下して、基準電極E5と下限水位検知電極E4との水を介した導通が遮断されたか否かを判定する。
【0111】
そして下限水位検知電極E4が「off」でない場合は、電解槽111内の水位が平常運転時の下限に達していないと判断してステップSP18に進む。
ステップSP18で、制御手段30は、装置の運転停止が選択されたか否かを判定し、選択されない場合はステップSP13に戻って、以上で説明したステップSP13〜SP20の操作を、ステップSP18で装置の運転停止が選択されるまで繰り返し行う。
【0112】
そしてステップSP18で装置の運転終了が選択された時点で、ステップSP21に進んで、各部の駆動を停止し、一連の操作を終了する。これが、水位センサS8を用いた平常時の水位制御である。
また前記ステップSP19で、上限水位検知電極E1が「on」である場合、制御手段30は、水位検知電極E2の表面に絶縁物が付着するなどの異常が発生したと判断して図13のステップSP22に進む。
【0113】
また同様にステップSP20で、下限水位検知電極E4が「off」である場合、制御手段30は、水位検知電極E3と基準電極E5との間に紐状物が引っかかるなどの異常が発生したと判断して図13のステップSP22に進む。
そしてステップSP22で、制御手段30は、水位検知電極E2、E3のいずれかに異常が発生したことを報知部34によって報知するとともに、上限水位検知電極E1による異常時の水位制御に切り換える。
【0114】
そしてステップ23で、上限水位検知電極E1が「on」であるか否かを判定し、「on」である場合はステップSP24に進んで、水位の上昇を抑制する操作を行う。具体的には、電磁弁V4を閉じて、電解槽111への水の流入をストップする。
ところがその間も、循環ポンプP5は作動しつづけており、通常であれば電解槽111内の水位は徐々に低下する。
【0115】
そこで制御手段30は、ステップSP25で、今度は上限水位検知電極E1が「off」、つまり電解槽111内の水位が、図10の上限水位検知電極E1の横に下向きの矢印で示したように、当該上限水位検知電極E1の先端より下へ低下して、基準電極E5と上限水位検知電極E1との水を介した導通が遮断されたか否かを判定する。
そして上限水位検知電極E1が「off」である場合はステップSP26に進んで、水位を上昇させる操作を行う。具体的には、電磁弁V4を開いて、電解槽111への水の流入を再開する。そしてステップSP27に進む。
【0116】
またステップSP23で上限水位検知電極E1が「on」でない場合、制御手段30は、ステップSP24の操作をスキップしてステップSP25に進む。
またステップSP25で上限水位検知電極E1が「off」でない場合は、制御手段30は、ステップSP26の操作をスキップしてステップSP27に進む。
ステップSP27で、制御手段30は、装置の運転停止が選択されたか否かを判定し、選択されない場合はステップSP23に戻って、以上で説明したステップSP23〜SP27の操作を、ステップSP27で装置の運転停止が選択されるまで繰り返し行う。
【0117】
またステップSP27で装置の運転終了が選択された時点で、図12のステップSP21に進んで、各部の駆動を停止し、一連の操作を終了する。これが、水位センサS8を用いた水位検知電極異常時の水位制御である。
また図12のステップSP15で、上限水位検知電極E1が「on」であった場合、制御手段30は、フィルターFT3の目詰まりや循環ポンプP5のエア噛みの異常が発生したと判断して、図14のステップSP28に進む。
【0118】
そしてこのステップSP28で、制御手段30は、タイマ31をリセット(t=0)して計時を開始し、ステップSP29で、上限水位検知電極E1が「on」か否かを判定する操作を、ステップSP30で、計時を開始してから所定の時間t1が経過するまで継続する。
そして時間t1が経過する間、上限水位検知電極E1が「on」のままであった場合、制御手段30は、前記の異常が解消されないと判断し、ステップSP31に進んで、装置の送水側に異常が発生したことを報知部34によって報知するとともに、ステップSP32で、装置の運転を停止する。
【0119】
またステップSP33で、タイマ31を再びリセット(t=0)して計時を開始する。
装置のオペレータなどは、上記の報知を受けると、その異常がフィルターFT3の目詰まりであるか、あるいは循環ポンプP5のエア噛みであるかを、例えば目視にて判定する。その結果、循環ポンプP5のエア噛みである場合は、前記のようにしばらく放置すると解消されるので、オペレータは何もしなくてよい。
【0120】
制御手段30は、ステップSP34で、循環ポンプP5のエア噛みが解消されるのに十分な時間t2が経過するまで待機し、時間t2が経過した時点で図12のステップSP12に戻って、再び通常の水位制御を再開する。
またオペレータが、異常はフィルターFT3の目詰まりであると判断した場合、装置の運転を停止して目詰まりを解消するための清掃作業を開始すればよい。
また前記ステップSP29において、時間t1が経過する前に上限水位検知電極E1が「on」でなくなった場合、異常が自然に解消されたことになるので、制御手段30は、図12のステップSP16に戻って、通常の水位制御を再開する。
【0121】
以上が、水位センサS8を用いた、送出側異常時の水位制御である。
次に、水位センサS8を用いた、例えば夜間等の装置の停止時間帯における、水漏れ防止操作の流れを図15に示す。
ステップSP35で、装置の運転時間帯が終了し、停止時間帯であることが、例えば内蔵した時計の現在時刻などによって確認されると、制御手段30は、装置を昼間モードから夜間モードに切り換える。この際、制御手段30は、図示していないが、循環ポンプP5を駆動して、電解槽111内の水位を、夜間モードの基準水位(例えば水位検知電極E3が「off」の水位など)に調整する。
【0122】
そして、ステップSP36でタイマ31をリセットして計時を開始し、ステップSP37で、水位センサS8のうち上限水位検知電極E1が「on」になったか否かを判定する。
そして上限水位検知電極E1が「on」でない場合、制御手段30は、ステップSP38で、夜間モードが終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップSP37に戻って、このステップSP37で上限水位検知電極E1が「on」になるか、あるいはステップSP38で夜間モードが終了するまで待機する。
【0123】
ステップSP37で上限水位検知電極E1が「on」になったとき、制御手段30は、ステップSP39に進んで、計時を開始してから上限水位検知電極E1が「on」になるまでに要した時間が所定の時間t3未満であるか否かを判定する。
時間t3は、装置の給水側、すなわち電磁弁V4などに異常が無く、水路10bを流れる残留塩素センサS4用の水だけで、前記の基準水位から、上限水位検知電極E1が「on」になるまで水位が上昇するのに要する時間である。
【0124】
したがって計時時間tが時間t3未満(t<t3)である場合は、電磁弁V4などの給水側に水漏れの異常が発生していることになるので、制御手段30は、ステップSP40に進んで給水側に異常が発生したことを報知部34によって報知したのち、ステップSP41に進む。
また計時時間tが時間t3以上(t≧t3)である場合は、給水側に異常が無いことになるので、制御手段30はステップSP40をスキップして、異常報知をせずにステップSP41に進む。
【0125】
そしてステップSP41で、制御手段30は、循環ポンプP5を作動させて、電解槽111内の水を排水する操作を行う。
排水は、電解槽111内の水位が、前述した基準水位(例えば図の例では、前述したように水位検知電極E3が「off」の水位)の水位まで行う(ステップSP42→ステップSP43)。
そしてステップSP43で排水操作を停止した後、制御手段30は、ステップSP44に進んで夜間モードが終了したか否かを判定し、終了していない場合はステップSP36に戻って、以上で説明したステップSP36〜SP44の操作を、ステップSP44で夜間モードの終了を確認するまで繰り返し行う。
【0126】
またステップSP44で夜間モードの終了を確認した時点で、制御手段30はステップSP45に進んで、各部の駆動を停止し、装置の運転時間帯である昼間モードに切り換える。
また前記ステップSP38で夜間モードの終了を確認した場合も、同様に制御手段30はステップSP45に進んで、各部の駆動を停止し、装置の運転時間帯である昼間モードに切り換える。以上が、水位センサS8を用いた、装置の停止時間帯における水漏れ防止操作時の水位制御である。
【0127】
図16は、この発明のさらに他の実施形態にかかる、バッチ式の水処理装置1の構造を簡略化して示す図である。
図の例の水処理装置1は、
電極対110を有し、この電極対110を通して直流電流を流すことで、水Wを電解処理するための電解処理手段11と、
第1および第2の給水部121、122を備え、第2の給水部122から供給する水Wに、必要に応じて、第1の給水部121で調製した電解促進剤SLWを加えて電解処理手段11に供給するための給水手段12と、
電極対110に直流電流を供給するための電源回路13と、
を備えている。
【0128】
上記のうち電解処理手段11は、給水手段12から供給した水Wを貯留するための電解槽111と、この電解槽111内に一定間隔をあけて配設した、電極対110を構成する一対の電極110a、110bとを有する。
なお図では、電極対110を構成する電極110a、110bを、わかりやすいように2枚だけ記載しており、この2枚でも電解反応は十分に可能である。ただし、電解反応の効率などを考慮すると、実際には先の各例のように3枚以上の電極で電極対を構成するのが好ましい。
【0129】
電極110a、110bはそれぞれ、配線13a、13bを介して、電源回路13の正極(+)および負極(−)に接続してあり、それによって電極110aはアノード側、電極110bはカソード側の電極となる。またカソード側の配線13bには、電源回路13から電極対110に供給する直流電流の出力電流値を測定するための電流センサS1を設けている。
給水手段12を構成する第1の給水部121は、水道や井戸などの水源(図示せず)から、上記電解槽111に水を供給するための供給水路121aの途中に、
当該供給水路121aをメンテナンス時などに手動で開閉するための開閉弁V17と、
食塩等の、塩素イオンを含む水溶性でかつ固形の、電解促進剤SLWのもとになる化合物SLをその内部に収容しておき、供給水路121aを通して供給した水によって化合物SLを溶解して、飽和濃度もしくはそれに近い高濃度の電解促進剤SLWを生成、貯留するための水槽121bと、
電解促進剤SLWを、水槽121bから電解槽111に供給するための定量ポンプP7と、
をこの順に配設したものである。
【0130】
また水槽121b内の、供給水路121aの出口には、当該水槽121b内の電解促進剤SLWの水位を一定に保つべく開閉するフロートスイッチFS1を配設している。
一方、第2の給水部122は、同じく図示しない水源から、上記供給水路121aの、定量ポンプP1より下流側の合流点J9に至る供給水路122aの途中に、
当該供給水路122aをメンテナンス時などに手動で開閉するための開閉弁V18と、
供給水路122aを通して供給した水Wを貯留するための水槽122bと、
水Wを、水槽122bから電解槽111に供給するための定量ポンプP8と、をこの順に配設したものである。
【0131】
また水槽122b内の、供給水路122aの出口には、当該水槽122b内の水Wの水位を一定に保つべく開閉するフロートスイッチFS2を配設している。
電解処理手段11の電解槽111には、例えば図示しない水泳プールなどへ、電解処理した後の水Wを供給するための供給水路10fを接続しており、この供給水路10fの途中に、
処理後の水Wを貯留するための貯水槽14と、
水Wを、上記貯水槽14から水泳プール等に供給するための定量ポンプP9と、
をこの順に配設している。
【0132】
また貯水槽14には、当該貯水槽14内の水Wの水位を検知するための水位センサS8を設けている。
水位センサS8としては、先の図10のものを用いる。すなわち水位センサS8は、絶縁性の基部S8aから下方へ突出させた、それぞれ長さの異なる複数本(図では5本)の棒状電極E1〜E5を備える。
このうち棒状電極E2は、その先端を、平常運転時の、所定の水位の上限位置に設定した水位検知電極、棒状電極E3は、その先端を、平常運転時の、所定の水位の下限位置に設定した水位検知電極である。
【0133】
また棒状電極E1は、その先端を、水位検知電極E2の先端より上の所定の位置に配置した上限水位検知電極、棒状電極E4は、その先端を、水位検知電極E3の先端より下の所定の位置に配置した下限水位検知電極である。
そして最も長い棒状電極E5は基準電極である。
図17は、図16の水処理装置1の、電気的な構成を示すブロック図である。
図に見るように水処理装置1は、電源回路13によって電極対110に通電制御しつつ、装置を構成する各部を作動させる制御手段30を備えている。
【0134】
電流センサS1、および水位センサS8の出力は制御手段30へ与えられる。
制御手段30内には、各種動作のタイミングを規定するためのタイマ31と、各種の初期値などを登録したメモリ32と、種々の異常が発生した際などに、装置のオペレータに報知するための報知部34とを設けている。報知部34は、例えば無線、あるいは有線の電話回線やコンピュータネットワークなどを介して、装置1から離れた場所にいるオペレータや、あるいは遠隔地にいるメンテナンスサービスなどに自動的に、異常が発生したことを知らせる機能を有していてもよい。
【0135】
制御手段30は、上記両センサS1、S8の出力、タイマ31によって規定したタイミング、並びにメモリ32に登録した初期値に基づいて種々の演算を行い、それに基づいて制御信号をドライバ33へ与える。
そしてドライバ33は、与えられる信号に基づいて電源回路13を制御して電極対110への通電出力(通電電流)、通電時間等の通電制御を行い、かつ定量ポンプP7〜P9の駆動制御を行う。
【0136】
また制御手段30は、内蔵した発振回路の発振信号を積分して、各水位検知電極E1〜E4と、基準電極E5との間に印加する電圧を、各水位検知電極E1〜E4ごとに個別に、なおかつ段階的に変更することで、それぞれの水位検知電極E1〜E4の感度を段階的に変更する機能を有する。
制御手段30による、感度変更の機能を利用した水位検出の流れを図18(a)〜図19(b)に示す。
【0137】
まず図18(a)のステップSP51で装置の運転が開始されると、制御手段30は、ステップSP52で、各水位検知電極E1〜E4の感度を最高レベルにリセットするとともに、ステップSP53で、最も上側の上限水位検知電極E1の、この時点での感度SE1をメモリ32に登録する。
これにより、上記上限水位検知電極E1の感度を装置の運転中、最も高感度に維持して、貯水槽14および電解槽111の水漏れを確実に防止できる。
【0138】
また現時点では、水位検知電極E2〜E4の感度も最高感度に設定しているため、次のステップで貯水槽14に導入する導電率の低い水Wでも正確に水位を検知することができる。
次にステップSP54で、制御手段30は、第2の給水部122の定量ポンプP8を作動させて、電解槽111を通して貯水槽14への水Wの供給を開始し、貯水槽14内の水位が上昇して下限水位検知電極E4が「on」になった時点で定量ポンプP8を停止する(ステップSP55〜SP56)。
【0139】
そして水位検知電極E2〜E4の感度を1段、低下させた状態で、下限水位検知電極E4が「on」であるか「off」であるかの判定を、下限水位検知電極E4が「off」になるまで繰り返して、水Wに対する、下限水位検知電極E4の感度のしきい値を求めた後、例えば水質が多少、変化するなどしても確実に水位を検知するために、水位検知電極E2〜E4の感度を2段、向上させ、その結果としての各水位検知電極E2〜E4の感度SE2〜SE4を、メモリ32に登録する(ステップSP57〜SP60)。
【0140】
次に図18(b)のステップSP61に進んで電解を開始する。すなわち第2の給水部122の定量ポンプP8を作動させて、電解槽111に水Wを供給しながら、また必要に応じて第1の給水部121の定量ポンプP7を作動させて、上記水Wに電解促進剤SLWを加えながら、電源回路13から、電極対110を介して水に直流電流を流して電解反応させる。そして電解処理後の水を、上記定量ポンプP7、P8の水流によって貯水槽14に供給して、当該貯水槽14に貯留する。
【0141】
定量ポンプP7の作動による電解促進剤SLWの供給は、電流センサS1によって測定した、電源回路13から電極対110に供給する直流電流の電流値に基づいて断続させる。すなわち電流センサS1によって測定した電流値が所定の値以下である場合、塩素イオン濃度が低下して十分な電流を流せず、電解処理が不十分になるので、定量ポンプP7を作動させて、電解促進剤SLWを供給する。
一方、電流センサS1によって測定した電流値が所定の値以上である場合、塩素イオン濃度が増加して電流が流れすぎることになるので、定量ポンプP7を停止して、電解促進剤SLWの供給を終了する。
【0142】
制御手段30は、電解槽111における電解処理が進んで貯水槽14の水位が上昇するのを水位検知センサE2によって監視しており、ステップSP62において、水位検知センサE2が「on」になったか否かを判定し、「on」であると判断した場合はステップSP63に進んで電解を停止する。
また一方、ステップSP62において、水位検知センサE2が「on」になっていないと判断した場合、制御手段30は、次にステップSP64に進んで、水位検知センサE2の表面に絶縁物が付着するなどの異常が発生していないことを確認するために、上限水位検知センサE1が「on」になったか否かを判定する。
【0143】
そして「on」になっていない場合はステップSP62に戻って、当該ステップSP62で、水位検知センサE2が「on」になるまで電解処理を継続する。
次に制御手段30は、ステップSP65に進んで、水位検知センサE2、E3の感度を、メモリ32に登録した現在の感度SE2、SE3から2段、低下させる。これは、貯水槽14に貯留された水Wが、電解処理後の導電率の高い状態となっているためである。
【0144】
そして制御手段30は、上記水Wに適した感度を求めるべく、次にステップSP66で、感度を2段低下させた水位検知センサE2が「on」のままであるか否かを判定し、「on」でなくなった場合には、2段の感度低下は大きすぎることになるので、次にステップSP67で、水位検知センサE2、E3の感度を1段ずつ上昇させる。
そしてステップSP68で、水位検知センサE2が「on」であるか否かを判定し、「on」である場合には感度設定を終了して、ステップSP69で、メモリ32に登録したもとの感度SE2、SE3を、新たに求めた感度に登録しなおす。つまり登録感度SE2、SE3を1段ずつ低下させることになる。
【0145】
またステップSP66で、感度を2段低下させているにもかかわらず、水位検知センサE2が「on」のままである場合は、2段の感度低下では十分でないことになるので、次にステップSP70に進んで感度をさらに1段、低下させたのち、ステップSP69に進んで、ステップSP69で、メモリ32に登録したもとの感度SE2、SE3を、新たに求めた感度に登録しなおす。つまり登録感度SE2、SE3を3段ずつ低下させたことになる。
【0146】
さらにステップSP68で、水位検知センサE2が「on」でない場合には、次にステップSP71に進んで、水位検知センサE2、E3の感度を1段ずつ上昇させたのち、ステップSP69に進んで、ステップSP69で、メモリ32に登録したもとの感度SE2、SE3を、新たに求めた感度に登録しなおす。つまり感度を、メモリ32に登録したもとの感度SE2、SE3に戻したことになる。
次に制御手段30はステップSP72に進み、定量ポンプP9を作動させて、貯水槽14に貯留した電解処理済の水Wの、水泳プール等への供給を開始する。
【0147】
そして図19(a)のステップSP73に進んで、水位検知センサE3が「off」になるまで水Wの供給を続け、E3が「off」になった時点でステップSP74に進んで、定量ポンプP9を停止して給水を終了する。
そしてステップSP75で、装置の運転終了が選択されたか否かを判定し、終了でない場合は図18(b)のステップSP61に戻って、ステップSP61〜SP75の操作を、ステップSP75で装置の運転終了が選択されるまで繰り返し行う。
【0148】
そしてステップSP75で装置の運転終了が選択された時点でステップSP76に進んで、装置の運転を終了する。
また図18(b)のステップSP64で、上限水位検知電極E1が「on」であった場合、制御手段30は、先にも述べたように水位検知電極E2の表面に絶縁物が付着するなどの異常が発生したと判断し、ステップSP77に進んで、報知部34によって異常報知を行う。
【0149】
次に制御手段30は、図19(b)のステップSP78に進んで電解を停止するとともに、上限水位検知電極E1による異常時の水位制御に切り換える。
そしてステップSP79で、定量ポンプP9を作動させて、貯水槽14に貯留した電解処理済の水Wの、水泳プール等への供給を開始し、ステップSP80に進んで、上限水位検知センサE1が「off」になるまで水Wの供給を続け、E1が「off」になった時点でステップSP81に進んで、定量ポンプP9を停止して給水を終了する。
【0150】
そしてステップSP82で、装置の運転終了が選択されたか否かを判定し、終了でない場合は図18(b)のステップSP61に戻って、ステップSP61〜SP82の操作を、ステップSP82で装置の運転終了が選択されるまで繰り返し行う。
そしてステップSP82で装置の運転終了が選択された時点でステップSP83に進んで、装置の運転を終了する。
【0151】
以上が、水位センサS8の感度を変更しながら行う水位制御である。
図20は、この発明のさらに他の実施形態にかかる、バッチ式の水処理装置1の構造を簡略化して示す図である。
図の例の水処理装置1は、先の図16の例と同様に、
電極対110を有し、この電極対110を通して直流電流を流すことで、水Wを電解処理するための電解処理手段11と、
第1および第2の給水部121、122を備え、第1の給水部121からは電解促進剤SLWを、また第2の給水部122からは水Wを、それぞれ電解処理手段11に供給するための給水手段12と、
電極対110に直流電流を供給するための電源回路13と、
を備えている。
【0152】
上記のうち電解処理手段11は、給水手段12から供給した水Wを貯留するための電解槽111と、この電解槽111内に一定間隔をあけて配設した、電極対110を構成する一対の電極110a、110bとを有する。
電極110a、110bはそれぞれ、配線13a、13bを介して、電源回路13の正極(+)および負極(−)に接続してあり、それによって電極110aはアノード側、電極110bはカソード側の電極となる。
【0153】
給水手段12を構成する第1の給水部121は、水道や井戸などの水源(図示せず)から、上記電解槽111に水を供給するための供給水路121aの途中に、
当該供給水路121aをメンテナンス時などに手動で開閉するための開閉弁V17と、
食塩等の、塩素イオンを含む水溶性でかつ固形の、電解促進剤SLWのもとになる化合物SLをその内部に収容しておき、供給水路121aを通して供給した水によって化合物SLを溶解して、飽和濃度もしくはそれに近い高濃度の電解促進剤SLWを生成、貯留するための水槽121bと、
電解促進剤SLWを、水槽121bから電解槽111に供給するための定量ポンプP7と、
供給水路121aを構成する配管内への空気の流入を防止するためのチャッキ弁V19と、
をこの順に配設したものである。
【0154】
また水槽121b内の、供給水路121aの出口には、当該水槽121b内の電解促進剤SLWの水位を一定に保つべく開閉するフロートスイッチFS1を配設している。
さらに供給水路121aには、定量ポンプP7とチャッキ弁V19との間の分岐点J10から分岐して、電磁弁V20を介して水槽121bに至る、供給配管121a中の電解促進剤SLVを排出するための排出配管121cを接続している。
【0155】
一方、第2の給水部122は、同じく図示しない水源から、電解槽111に水を供給するための供給水路122aの途中に、
当該供給水路122aをメンテナンス時などに手動で開閉するための開閉弁V18と、
供給水路122aを通して供給した水Wを貯留するための水槽122bと、
水Wを、水槽122bから電解槽111に供給するための定量ポンプP8と、
供給水路122aを構成する配管内への空気の流入を防止するためのチャッキ弁V21と、
をこの順に配設したものである。
【0156】
供給水路122aの先端は、電極対110の上方で開放しており、当該先端から出た水Wを、電極対110を構成する電極110a、110bの表面を伝わらせて電解槽111に供給している。
また水槽122b内の、供給水路122aの出口には、当該水槽122b内の水Wの水位を一定に保つべく開閉するフロートスイッチFS2を配設している。
電解処理手段11の電解槽111には、例えば図示しない水泳プールなどへ、電解処理した後の水Wを供給するための供給水路10fを接続しており、この供給水路10fの途中に、
処理後の水Wを貯留するための貯水槽14と、
水Wを、上記貯水槽14から水泳プール等に供給するための定量ポンプP9と、
をこの順に配設している。
【0157】
また貯水槽14には、当該貯水槽14内の水Wの水位を検知するための水位センサS8を設けている。
上記の水処理装置1において、水Wを、電極対110を構成する電極110a、110bの表面を伝わらせて電解槽111に供給する構造としては、例えば供給水路122aの先端にシャワーノズルを接続し、それを電極電極110a、110bの上方に配置した構造などを採用することができる。
【0158】
供給水路122aからの水を、上記のように電極110a、110bの表面を伝わらせて電解槽111に供給した場合には、電極110a、110bの、特に水面より上の部分を、水を補給するたびに水洗できるため、かかる部分に、電解促進剤に含まれる食塩等の成分が析出するのを防止して、電流集中による端子部の温度上昇や、電極間の短絡によるトラッキングの発生を防止することができる。
【0159】
なお供給水路122aからの水を、電極110a、110bの表面を伝わらせて電解槽111に供給する構造としては、たとえば電解槽111に蓋を設け、この蓋を貫通させて電極110a、110bを配置するとともに、蓋の上面の、それぞれ電極110a、110bが貫通した部分に別個に、供給水路122aからの水を電解槽111内に導く水路を設けた構造を採用してもよい。
かかる構造では、水路を流れる水の一部が、電極110a、110bと蓋との隙間から、電極110a、110bの表面を伝わって電解槽111内にしみ込む水の流れを生じる結果、先のものと同様の水洗効果を生じて、電流集中による端子部の温度上昇やトラッキングの発生を防止できる。
【0160】
なお水路を流れる水よりも電解槽111内の水の方が、電解促進剤SLWの供給によって導電率が高い状態となっているため、電極110a、110bを介して電解槽111内の水に電流を流している状態で、水路に水を供給しても、この水によって電極110a、110b間が短絡するおそれはない。
また電磁弁V20は、定量ポンプP7が作動して、水槽121bから電解促進剤SLWが供給されている間は閉じているが、定量ポンプP7が停止して、電解促進剤SLWの供給が停止すると開かれて、共給水路121a内の電解促進剤SLWを、排出配管121cを通して水槽121bに戻すために機能する。これにより、電解槽111に、サイフォン現象によって電解促進剤SLWが流入しつづけて水の塩素イオン濃度が上昇するのを防止することができる。
【0161】
なお排出配管121cは、図示しないドレン口に接続しておいてもよい。
この発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものでなく、各請求項記載の範囲内において、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる水処理装置の要部である、電解処理手段の構造を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1の水処理装置を用いて、電流センサによって測定した電流値に基づいて、促進剤供給手段から供給する電解促進剤の供給量を調整する制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】同図(a)(b)はそれぞれ、電解処理手段の変形例を示す平面図である。
【図4】同図(a)(b)はそれぞれ、電解処理手段の変形例を示す断面図である。
【図5】同図(a)は、電解処理手段の変形例を示す断面図、同図(b)は、図(a)の構成を単独の電解室を有する電解処理手段に適用した例を示す断面図である。
【図6】同図(a)は、この発明の他の実施形態にかかる水処理装置1の要部である、電解処理手段の構造を簡略化して示す断面図、同図(b)は、上記電解処理手段の平面図、同図(c)は右側面図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかる水処理装置の構造を簡略化して示す図である。
【図8】同図(a)(b)はそれぞれ、この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置の要部である、電解処理手段の構造を簡略化して示す断面図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる水処理装置の構造を簡略化して示す図である。
【図10】上記装置のうち、電解槽の水位を検知するための水位センサを拡大した図である。
【図11】図9の水処理装置の、電気的な構成を示すブロック図である。
【図12】図9の水処理装置のうち、水位センサを用いた水位制御の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートの、サブルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】図12のフローチャートの、別のサブルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】図9の水処理装置の停止時間帯における、水位センサを用いた水漏れ防止制御の流れを示すフローチャートである。
【図16】この発明のさらに他の実施形態にかかる、バッチ式の水処理装置の構造を簡略化して示す図である。
【図17】図16の水処理装置の、電気的な構成を示すブロック図である。
【図18】同図(a)(b)は、図16の水処理装置の、感度変更の機能を利用した水位検出制御の流れを示すフローチャートである。
【図19】同図(a)(b)は、図18(a)(b)の制御の続きを示すフローチャートである。
【図20】この発明のさらに他の実施形態にかかる、バッチ式の水処理装置の構造を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1 水処理装置
11 電解処理手段
110 電極対
110a、110b、110c 電極
111 電解槽
111a、111b 電解室
13 電源回路
30 制御手段

Claims (5)

  1. 電極対と、当該電極対を収容し、水を導入して電極対と接触させるための電解槽とを有し、電解槽に導入した水に、電極対を介して直流電流を流すことで電解処理するための電解処理手段と、
    電極対に直流電流を供給するための電源回路と、
    電解槽に水を供給するための給水手段と、
    電解槽の上方に設けた基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、平常運転時の、所定の水位の位置に配置した少なくとも1つの水位検知電極と、上記基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、水位検知電極の先端より下方に配置した基準電極とを有し、水位検知電極と基準電極との間の、水を介した導通の有無をもとに電解槽の水位を検知するための水位センサと、
    水位センサによって検知した水位に基づいて給水手段を制御するための給水制御部を含む制御手段とを備えるとともに、
    水位センサは、基部から槽内の下方へ突出させ、その先端を、水位検知電極の先端より上の所定の位置に配置した上限水位検知電極をも有し、
    制御手段は、基準電極と水位検知電極とが導通していない状態で、基準電極と上限水位検知電極とが導通した際に、水位検知電極に異常が発生したことを検知するセンサ異常検知部を含むことを特徴とする水処理装置。
  2. 制御手段は、センサ異常検知部が異常を検知した際に報知を行う報知部と、この際に、基準電極と、水位検知電極とによる水位制御を停止し、基準電極と上限水位検知電極との間の導通の有無によって水位を検知し、制御する異常時制御を開始する制御切換部とを含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  3. 電解槽から水を送出するための送水手段を備えるとともに、電解槽の、電極対および水位センサより下流側には電解反応によって発生した気泡を水から除去するフィルターを設けてあり、制御手段は、基準電極と上限水位検知電極との間の導通が一定時間、継続した時点で送水手段の異常、またはフィルターの目詰まりが発生したことを検知する送水側異常検知部を含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  4. 制御手段は、送水側異常検知部が異常を検知した際に報知を行う報知部と、異常を検知して装置の運転を停止するとともに、運転停止から一定時間、経過した時点で運転を再開する運転待機部を含むことを特徴とする請求項3記載の水処理装置。
  5. 制御手段は、装置の運転時間帯、および停止時間帯にあわせて装置の運転と停止を自動的に制御する時間帯制御部と、装置の停止時間帯に、基準電極と上限水位検知電極との間が導通した際に送水手段を作動させて電解槽から水を送出する漏水防止制御部とを含むことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
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