JP3965725B2 - 廃棄物の選別方法、廃棄物の選別システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築廃材その他廃材を種類別に分別して廃棄あるいは再生処理するための選別方法に関し、特に機械選別に不向きな粗大廃材を人手により選別する方法の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、コンクリートガラなどの建築廃材を解体処理したものは更に分別処理する必要がある。これら建築廃材に含まれる成分は、コンクリート片、石、土砂、鉄筋あるいはその他の非鉄金属などの資源回収可能な不燃物と、木片、段ボール等の資源回収可能な可燃物と、プラスチックシートなど廃棄処分される可燃物に大別される。
【０００３】
これら廃材を廃材処理工場で分別するには、一般に図１に示すように、トラック１などにより持込まれた廃棄物を粗大廃棄物の選別場２に撒き出し、機械処理に適さない粗大廃棄物Ａを手選別により、工場最下階に設けられた段ボール、プラスチック、木、鉄、非鉄金属などの種類別ストックヤード３に分別して収集し、残りのものは運搬車４などにより回収してフィーダ５に投入し、このフィーダ５を通じて人手選別可能な廃棄物Ｂと、人手選別不能な廃棄物Ｃとに分別し、それぞれをコンベア６、７により搬送する。
【０００４】
このうち選別可能廃棄物Ｂはコンベア６の側部に待機している複数の種類別選別作業員による手選別あるいは、磁選機８（鉄）により分別回収され、同じく各ストックヤード３に分別収集される。
【０００５】
前記手選別可能廃棄物Ｂのうちの回収されなかった廃棄物、手選別不能廃棄物Ｃは、一緒にコンベア６，７の終端に位置するシュレッダー９に投入され、ここで細かく粉砕され、更に図示しない風力式比重選別機など機械式選別装置に送られ、ここで更に選別されて可燃物と不燃物とに分離回収される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、粗大廃棄物Ａの選別場２における実際の分別処理形態は、従来では図３に示すように、前記トラック１により搬入排出された未処理廃棄物の山の上で複数人の作業員の選別作業により粗大物、重量物をそれぞれの種類に分別し、これを種類毎に分けて別の場所に一時ストックしておき、これを前記ストックヤード３に向けて運搬車４により一括搬送するようにしているため、作業員にとっては労力のかかる作業であり、また作業員は未処理の山の上と、分別された各種の山との間を往復移動しなければならず、非能率的であった。
【０００７】
さらには作業員は下向きの作業が多く、頻繁に腰を曲げのばしするため、疲労が大きいほか、粉塵などによる問題も大きかった。
【０００８】
この発明は、以上の問題を解決するものであり、その目的は、粗大廃棄物の手選別を流れ作業で行えるようにすることで、能率を向上するとともに、作業員の労力の低減を図ることのできる廃棄物の選別方法及びシステムを提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明に係る廃棄物の選別方法は、搬入された廃棄物を、大型ふるい機によりオーバサイズ廃棄物とアンダーサイズ廃棄物とに分離し、それぞれを、オーバサイズ用搬送コンベアと、前記オーバーサイズ用搬送コンベアの直下に配置されたアンダーサイズ用搬送コンベアとにより搬送し、オーバサイズ廃棄物から、前記オーバサイズ用搬送コンベアの搬送路に待機している作業員により粗大物を種類別に手選別処理することを特徴とするものである。
また、本発明に係る廃棄物の選別システムは、搬入された廃棄物を、オーバサイズ廃棄物とアンダーサイズ廃棄物とに分離するための大型ふるい機と、前記大型ふるい機により分離されたオーバサイズ廃棄物を搬送するためのオーバサイズ用搬送コンベアと、前記オーバーサイズ用搬送コンベアの直下に配置され、前記大型ふるい機により分離されたアンダーサイズ廃棄物を搬送するためのアンダーサイズ用搬送コンベアと、前記オーバサイズ用搬送コンベアの側部に設けられ、前記オーバサイズ用搬送コンベアで搬送されるオーバサイズ廃棄物を選別する作業を行うための作業床と、を備えることを特徴とするものである。
【００１０】
従って、この発明では、個々の作業員は、所定位置で各種類毎にコンベア上を流れてくる自己の担当の種類のみを選分けて選別すればよい。
【００１１】
また、作業員の待機位置にはそれぞれ廃棄物の種類別ストックヤードに連通する投入用シュートが配置され、手選別された粗大物をこの投入用シュートに投入することで、運搬車などの集配手段を用いることなく、直接種類別ストックヤードに搬送できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図２を参照して詳細に説明する。なお、図における廃棄物処理工場は基本的には図１と同じであり、従って共通する箇所は共通する符号を付し、異なる箇所あるいは新たに付加された部材のみ異なる符号を用いて説明する。
【００１３】
図において、選別場２には従来と同様にトラック１により廃棄物が搬入排出され、その搬入量に応じて山をなしている。この未選別廃棄物はショベルカー１０により順次取崩され、ショベルカー１０によって大型の振動ふるい機１２の上部開口面に連続的に供給される。
【００１４】
振動ふるい機１２は、それ自体が振動することによって、手選別用のオーバサイズ廃棄物（粗大選別可能物）とアンダーサイズ廃棄物（粗大選別不能物）に分離するものであって、それぞれの排出口、すなわち上部側のシュート式排出口下部にはオーバサイズ用大型コンベア１４及び下部側排出口下部にはこれと平行してアンダーサイズ用コンベア１６が配置され、それぞれのコンベア１４，１６により処理位置まで搬送される。また、振動ふるい機１２では、例えばファンを用いて粉塵の原因となるものをおおかた吸引し、集塵機で処理した後に大気中に放出する。
【００１５】
なお、コンベア１４、１６の搬送終端位置における処理形態は、この実施形態では、図１とほぼ同一とする。すなわち、コンベア１４、１６による搬送物は、合流した後、図１に示すフィーダ５によって更に手選別可能廃棄物Ｂと手選別不能廃棄物Ｃに分別して手選別処理を行う。
【００１６】
また、図２に示されるように、振動ふるい機１２とコンベア１４、１６とは、例えば透明なビニールカーテン２５を仕切り壁として仕切られているので、ショベルカー１０による廃棄物の投入時に生ずる粉塵が作業員側に流れるのを防止することができる。
【００１７】
さらに、アンダーサイズ用コンベア１６が、オーバサイズ用コンベア１４の直下にあり、オーバサイズ用コンベア１４における作業位置が高所となるため、オーバサイズ用コンベア１４の一側部にあって、選別場２の床面には作業床としてのグレーチング１８、及び柵２０によって仕切られた作業員用選別作業エリアが設けられており、この選別作業エリアには複数の作業員が所定間隔をおいて配備され、更に各作業員の傍らには、前記種類別に分別収集される種類別ストックヤード３に連通する排出用シュート２２の上端が開口されている。
【００１８】
以上の構成において、各作業員はコンベア１４上を流れるオーバサイズ廃棄物のうちからそれぞれに割当てられた種類の粗大物のみを選別し、排出シュート２２に投入する作業を繰返せばよい。
【００１９】
例えば、段ボールであるならば段ボール専用の選別作業員がその待機位置に割当てられ、この作業員はコンベア１４の流れの中から粗大段ボールのみを見つけだし、これを専用のシュート２２に投入すればよく、その他の作業員も同様の動作を行えばよいため、全ての作業が専門分化され、作業の重複や錯綜がなく、順次流れ作業により処理されることになる。
【００２０】
なお、以上の説明ではこの発明を建築廃材の分別処理に適用した場合を示したが、その他の一般廃棄物の分別処理にも適合できることはもちろんである。
【００２１】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、作業員は、アンダーサイズ廃棄物と分離されてコンベア上を流れてくるオーバサイズ廃棄物から、自己の担当の粗大廃棄物の種類のみを選分けて選別すればよいものとなり、作業が分業化されるとともに、流れ作業で行えるために、能率が向上し、しかも作業員にとっては腰をかがめたり、他の場所への移動を繰返すこともないため、疲労も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】廃棄物処理工場における分別処理の流れを示す説明図である。
【図２】本発明にかかる粗大廃棄物の分別処理工程を示す説明図である。
【図３】従来の粗大廃棄物の分別処理工程を示す説明図である。
【符号の説明】
２ 選別場
３ ストックヤード
１２ 大型振動ふるい機
１４ オーバサイズ用大型コンベア
１６ アンダーサイズ用コンベア
２２ 排出用シュート
Claims (3)
- 搬入された廃棄物を、大型ふるい機によりオーバサイズ廃棄物とアンダーサイズ廃棄物とに分離し、それぞれを、オーバサイズ用搬送コンベアと、前記オーバーサイズ用搬送コンベアの直下に配置されたアンダーサイズ用搬送コンベアとにより搬送し、オーバサイズ廃棄物から、前記オーバサイズ用搬送コンベアの搬送路に待機している作業員により粗大物を種類別に手選別処理することを特徴とする廃棄物の選別方法。
- 作業員の待機位置にはそれぞれ廃棄物の種類別ストックヤードに連通する投入用シュートを配置し、手選別された廃棄物をこの投入用シュートに投入することを特徴とする請求項１記載の廃棄物の選別方法。
- 搬入された廃棄物を、オーバサイズ廃棄物とアンダーサイズ廃棄物とに分離するための大型ふるい機と、
前記大型ふるい機により分離されたオーバサイズ廃棄物を搬送するためのオーバサイズ用搬送コンベアと、
前記オーバーサイズ用搬送コンベアの直下に配置され、前記大型ふるい機により分離されたアンダーサイズ廃棄物を搬送するためのアンダーサイズ用搬送コンベアと、
前記オーバサイズ用搬送コンベアの側部に設けられ、前記オーバサイズ用搬送コンベアで搬送されるオーバサイズ廃棄物を選別する作業を行うための作業床と、
を備えることを特徴とする廃棄物の選別システム。
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1997
- 1997-07-04 JP JP17967597A patent/JP3965725B2/ja not_active Expired - Fee Related
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