JP3965683B2 - 冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法 - Google Patents

冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックに搭載された被冷却要素を冷却する冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法に関し、特に被冷却要素の側面から冷却する冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラックに搭載された被冷却要素である装置の冷却方法として、次のようなものがある。(1)ラック天井に排気用ファンを付ける。(2)被冷却装置の下のスペースに吸気用ファンを付ける。(3)ラック側面に吸排気用ファンを付ける。また、特開平7−202464号公報等に記載のある、ファンによる送風がラック内に搭載された各被冷却装置に均一かつ効率的に行き渡るように、ダクトで送風経路を制御することも行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
EIA(Electronic Industries Alliance)規格の19インチラックに搭載する装置として、例えば、サーバやネットワーク装置がある。サーバにおいては、通常、装置の正面から吸気し背面から排気することによって冷却が行なわれる。一方、ネットワーク装置においては、装置の側面から吸排気が行なわれることが多い。側面から吸排気が行なわれる装置では、ラック側面を塞がれると吸排気がうまくできず、さらに、背面から排気する装置の近くに配置されると、その装置からの温められた排気を吸うことにより冷却できなくなる可能性がある。
【0004】
上述の(1)の冷却方法では、ラックの上部に搭載した装置しか効果的に冷却されない。(2)の方法では、空気が正面から背面に流れていってしまい、装置の横にまでは十分な空気が送り込まれず、側面から吸排気が行なわれる装置には十分な効果が得られない。(1)の方法と(2)の方法を組み合わせたとしても、空気はほとんどラックの前後方向および上下方向に流れるだけである。(3)の方法では、複数のラックを側面を接して連結した場合にはファンを取り付けることが困難であり、たとえ取り付けたとしても、1つのラックに搭載された装置からの排気が隣接するラックに搭載された装置にはいりこむことになり、効果的な冷却が行なわれない。また、ダクトも、ラックの前後方向および上下方向に空気を効果的に流すために用いられているだけである。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラックに搭載された被冷却要素を、その側面から効果的に冷却できる冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、冷却ファンと、該冷却ファンから送り込まれる空気を導くダクトとを有し、前記冷却ファンから送り込まれる空気の流れる方向が前記ダクトによって少なくとも3回変更される冷却ユニットであって、前記ダクトが、前記冷却ファンによって送られる空気を前記冷却ファンの送風方向に流す直行ダクト部と、直行ダクト部から送られてくる空気を前記冷却ファンの送風方向と直交する方向に流す直交ダクト部と、前記直行ダクト部と前記直交ダクト部とを繋ぐ連結ダクト部とを有し、前記直交ダクト部が、前記直行ダクト部から送られてくる空気を前記冷却ファンの送風方向および前記直交ダクト部内を空気が流れる方向と直交する方向に排出し、かつ、前記直行ダクト部の空気の流れる方向の長さが可変であるすることを特徴とする冷却ユニット、が提供される。
そして、好ましくは、前記冷却ユニットが、EIA規格またはJIS規格のラックの前面に取り付け可能になっている。
さらに、好ましくは、前記直交ダクト部における長さが可変である。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明によれば、ラックにその被冷却要素が搭載されている電子機器であって、前記冷却ユニットで前記被冷却要素が冷却されることを特徴とする電子機器、が提供される。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明によれば、ラックに搭載された被冷却要素を冷却する冷却方法であって、ダクトを用いて、ラック前面に取り付けた冷却ファンからの空気をラックの前後方向に流す過程と、空気の流れる方向を変更する過程と、空気をラックの上下方向に流す過程と、ラック側面において前記被冷却要素に空気を供給する過程と、を有し、空気をラックの前後方向に流す距離が可変であることを特徴とする冷却方法、が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る冷却ユニットの斜視図である。図1に示すように、本発明の冷却ユニットは、ファン部10と、ダクト部20とを有している。ファン部10はファンベース12と、ファンベース12に固定されたファン11とを有している。ファンベース12には、ねじ止めあるいは溶接等でダクト部20が取り付けられている。ファンベース12には、EIA規格の19インチラック前面のフレームのねじ穴に合うように取り付け穴が形成されており、この取り付け穴によって冷却ユニットがラックフレーム30にねじで取付けられている。ファン11に通電することによりラック外の空気がダクト部20に送り込まれる。ダクト部20に送り込まれた空気は、ダクト部20の形状に沿って流れる方向を変えられてラックの側面に導かれ、ラックフレーム30に固定されている被冷却装置40の側面にある吸気口(図示せず)から吸気され、被冷却装置40を冷却する。本発明の冷却ユニットは、また、ラック前面から見て奥行き方向および高さ方向の寸法を変化できるように、ダクト部20が構成されている。
【0010】
〔実施例1〕
図2は、本発明の実施例1に係る冷却ユニットの斜視図である。図2において、図1に示した部分と同等の部分には同一の参照符号を付し重複する説明を適宜省略する。
本実施例において、直行ダクト20a、連結ダクト20b、直交ダクト20cがダクト部を構成している。ファン10から直行ダクト20aに送り込まれた空気が、連結ダクト20b、直交ダクト20cと通過してラックの側面に導かれ、ラックフレーム30に固定されている被冷却装置40の側面にある吸気口(図示せず)から吸気され、被冷却装置40を冷却する。
【0011】
図3に示すように、直行ダクト20aは、外筒21a、内筒21bを備えている。外筒21aの両側面は二重の側壁22、22’で構成されており、側壁22と22’との間、および、内側の側壁22’と上面および底面との間には隙間が空いている。それらの隙間に内筒21bの側壁、上面および底面が挿入されており、内筒21bをスライドさせることにより、直行ダクト20aの奥行き方向の長さを調節することが可能である。外筒21aの外側の側壁22には長孔24が形成されている。内筒21bの側壁に形成されているねじ穴(図示せず)に長孔24を介して螺合されている固定ねじ25を締め付けることによって、内筒21bが外筒21aに固定される。外筒21aはファンベース12に、内筒21bは連結ダクト20bにねじ止めされる。ファン11から一方の開口26aに送り込まれた空気が送り込まれた方向(奥行き方向)にそのまま直行し、他方の開口26aから連結ダクト20bに送り込まれる。
【0012】
図4に示すように、連結ダクト20bは、その上面および底面の形状が直角三角形であり、上面および底面の、直角を挟む2辺を含む2側面に開口26b、26bが形成されている。開口26bが直行ダクト20aの開口26aに連結されることによって、開口26bがラック側面の方向を向く。したがって、ファン11によって送り込まれた空気がラック側面に導かれる。図4においては、ファン11によって送り込まれた空気はラック左側面に導かれるが、右側面に導かれるようにすることも可能であることはいうまでもない。
【0013】
図5は、直交ダクト20cの分解斜視図である。図5に示すように、直交ダクト20cは、方向変換部20c1、長さ調節部20c2、空気排出部20c3より構成されている。方向変換部20c1は、互いに直交する2つの開口26c、26cを有している。開口26cが連結ダクト20bの開口26bに連結されることによって、開口26cがラック側面において上方向を向く。したがって、ファン11によって送り込まれた空気がラック側面において上方に導かれる。下方に導かれるようにすることも可能であることはいうまでもない。長さ調節部20c2は、複数の調節ダクト27より構成されている。調節ダクト27は底面と上面とが開口した直方体の形状をしており、調節ダクト27を何段積み重ねるかによって長さ調節部20c2の長さが調節される。長さ調節部20c2の最下段の調節ダクトの開口を方向変換部20c1の開口26cに連結して、方向変換部20c1から送り込まれた空気を上方に導く。長さ調節部20c2の最上段の調節ダクトの開口26cには、空気排出部20c3の一方の開口26cが連結される。空気排出部20c3は、方向変換部20c1と同様の形状をしている。空気排出部20c3の他方の開口26cは、ラックフレーム30に搭載された被冷却装置40の側面の吸気口に向けられる。
【0014】
以上の構成により、ファン11から送り込まれた空気が、直行ダクト20a、連結ダクト20b、直交ダクト20cを通り、直交ダクト20cの空気排出部20c3の開口26cから、その横の被冷却装置40の側面に形成されている吸気口に供給され、被冷却装置40を冷却する。
以上説明したように、本実施例の冷却ユニットは、ファン11より送り込まれた空気の流れる方向を変えてラック側面から排出するものであるから、ラック前面の空きスペースから空気を取り込み、被冷却装置をその側面から冷却することが可能である。本実施例の冷却ユニットは、また、奥行き方向および高さ方向にその長さを調節できるものであるから、任意の位置の装置を冷却することが可能である。
【0015】
〔実施例2〕
図6は、本発明の実施例2に係る冷却ユニットの直交ダクトの分解斜視図である。図6において、図5に示した実施例1の部分と同等の部分には同一の参照符号を付し重複する説明を適宜省略する。本実施例が図5に示した実施例1と異なる点は、開口の大きさの異なる2種類の調節ダクトが存在し、一方の調節ダクト27の開口の大きさが他方の調節ダクト27の開口の大きさの2倍であるという点と、空気排出部20c3の開口の大きさが、調節ダクト27の開口の大きさに等しいという点である。調節ダクト27の開口の大きさは、方向変換部20c1の開口の大きさに等しい。
【0016】
方向変換部20c1の上向きの開口部に、1段以上の調節ダクト27が積み上げられ、ねじで連結される。次に、最上段の調節ダクト27の片側半分の開口部に1段の調節ダクト27が積み上げられ、ねじで連結される。最上段の調節ダクト27の残り半分の開口部には、空気排出部20c3が連結される。続いて、調節ダクト27の上に、必要に応じて、さらに1段以上の調節ダクト27が連結される。最上段の調節ダクト27の上に、空気排出部20c3が連結される。
上述の構成以外の構成は、実施例1の構成と同様である。
【0017】
本実施例の冷却ユニットは、実施例1の冷却ユニットと同様の効果を有する。さらに、本実施例の冷却ユニットは、被冷却装置に空気を供給する空気排出部20c3を2個搭載しているので、2個の被冷却装置を冷却することが可能である。
なお、被冷却装置が冷却ユニットと近い高さに位置する場合には、調節ダクト27が使われない場合がある。また、調節ダクト27と調節ダクト27との開口の大きさの比を調節することによって、空気排出部20c3を3個以上搭載できるようにすることも可能である。
【0018】
〔実施例3〕
本実施例に係る冷却ユニットは、直交ダクトとして図7に示す単一の直交ダクト20fが使用されるということを除けば、実施例1の冷却ユニットと同様の構成を有する。
直交ダクト20fは蛇腹状の形状をしており、その上下の開口26f、26fが、蛇腹の長さ方向に直交する方向で、かつ、同一の方向を向いている。下側の開口26fを図4に示す実施例1の連結ダクト20bに相当するダクトに連結し、上側の開口26fから被冷却装置に空気を送り込む構成にすると、実施例1の冷却ユニットと同様の構成となる。一方、上側の開口26fを図4に示す実施例1の連結ダクト20bに相当するダクトに連結し、下側の開口26fから被冷却装置に空気を送り込む構成にすると、冷却ユニットよりも下側にある装置を冷却することができる。さらに、直交ダクト20fが蛇腹状の形状をしており、その長さ(高さ)を自由に変えることができるので、いつでも被冷却装置に空気を送り込む側の開口部をその被冷却装置に固定することができる。
【0019】
したがって、本実施例によれば、被冷却装置を冷却ユニットより下に配置し、かつ、被冷却装置に空気を送り込む側の開口部をその被冷却装置に固定することによって、強度的に安定な構造を安価に実現することが可能である。
なお、本実施例の蛇腹構造の一部分を、実施例1または2の調節ダクトの1個または複数個、または、それらと方向変換部20c1または空気排出部20c3との組み合わせに代えて使用してもよい。これにより、実施例1や実施例2においても、ダクトの高さを連続的に変化させたり、被冷却装置に固定できるようになる。さらに、連結ダクトも蛇腹構造としてもよい。
【0020】
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法は、上述した実施の形態のみに制限されるものではなく、本願発明の要旨を変更しない範囲で種々の変化を施した冷却ユニット、それを用いた電子機器および冷却方法も、本発明の範囲に含まれる。例えば、ダクトは、ファンから送り込まれた空気の進行方向を3回変更するように構成されているが、被冷却装置の位置によっては3回以上変更するように構成されることも可能であり、ラックの側面において被冷却装置の吸気口に空気を供給することができるように構成されればよい。また、冷却ユニットが取り付けられるラックは、EIA規格の19インチラックに限定されず、JIS規格等のラックであってもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷却ユニットは、ファンから送り込まれた空気の流れる方向を変えてラック側面から排出するものであるから、ラック前面の空きスペースから空気を取り込み、被冷却装置をその側面から冷却することが可能である。
また、本発明の冷却ユニットは、奥行き方向および高さ方向にその長さを調節できるものであるから、任意の位置の装置を冷却することが可能である。
また、本発明の冷却ユニットは、ダクトにより空気の流れを制御するものであるから、被冷却装置を確実かつ効果的に冷却することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る冷却ユニットの斜視図。
【図2】 本発明の実施例1に係る冷却ユニットの斜視図。
【図3】 図2の直行ダクトの斜視図。
【図4】 図2の連結ダクトの斜視図。
【図5】 図2の直交ダクトの分解斜視図。
【図6】 本発明の実施例2に係る冷却ユニットの直交ダクトの分解斜視図。
【図7】 本発明の実施例3に係る冷却ユニットの直交ダクトの斜視図。
【符号の説明】
10 ファン部
11 ファン
12 ファンベース
20 ダクト部
20a 直行ダクト
20b 連結ダクト
20c、20f 直交ダクト
20c1 方向変換部
20c2 長さ調節部
20c3 空気排出部
21a 外筒
21b 内筒
22、22’ 側壁
24 長孔
25 固定ねじ
26a、26a、26b、26b、26c、26c、26c、26c、26c、26f、26f 開口
27、27、27 調節ダクト
30 ラックフレーム
40 被冷却装置

Claims (13)

  1. 冷却ファンと、該冷却ファンから送り込まれる空気を導くダクトとを有し、前記冷却ファンから送り込まれる空気の流れる方向が前記ダクトによって少なくとも3回変更される冷却ユニットであって、前記ダクトが、前記冷却ファンによって送られる空気を前記冷却ファンの送風方向に流す直行ダクト部と、直行ダクト部から送られてくる空気を前記冷却ファンの送風方向と直交する方向に流す直交ダクト部と、前記直行ダクト部と前記直交ダクト部とを繋ぐ連結ダクト部とを有し、前記直交ダクト部が、前記直行ダクト部から送られてくる空気を前記冷却ファンの送風方向および前記直交ダクト部内を空気が流れる方向と直交する方向に排出し、かつ、前記直行ダクト部の空気の流れる方向の長さが可変であるすることを特徴とする冷却ユニット。
  2. 前記ダクトが、前記冷却ファンを固定しているファン固定部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
  3. 前記ファン固定部が、EIA規格またはJIS規格のラックの前面に取り付け可能になっていることを特徴とする請求項に記載の冷却ユニット。
  4. 前記直行ダクト部が内外二重のダクト構造を有しており、内側の直行ダクト部が外側の直行ダクト部の内壁に沿ってスライド可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の冷却ユニット。
  5. 前記直交ダクト部の空気の流れる方向の長さが可変であることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の冷却ユニット。
  6. 前記直交ダクト部の空気の流れる方向の長さが、複数のダクトを連結することによって可変とされていることを特徴とする請求項に記載の冷却ユニット。
  7. 前記直交ダクト部が蛇腹構造を有していることを特徴とする請求項に記載の冷却ユニット。
  8. 前記直交ダクト部の空気排出口が2個以上存在することを特徴とする請求項からのいずれかに記載の冷却ユニット。
  9. ラックにその被冷却要素が搭載されている電子機器であって、請求項1からのいずれかの冷却ユニットで前記被冷却要素が冷却されることを特徴とする電子機器。
  10. ラックに搭載された被冷却要素を冷却する冷却方法であって、ダクトを用いて、ラック前面に取り付けた冷却ファンからの空気をラックの前後方向に流す過程と、空気の流れる方向を変更する過程と、空気をラックの上下方向に流す過程と、ラック側面において前記被冷却要素に空気を供給する過程と、を有し、空気をラックの前後方向に流す距離が可変であることを特徴とする冷却方法。
  11. 空気をラックの上下方向に流す距離が可変であることを特徴とする請求項1に記載の冷却方法。
  12. 前記被冷却要素が、前記冷却ファンよりも下方にあることを特徴とする請求項10または11に記載の冷却方法。
  13. 前記ラック側面において前記被冷却要素に空気を供給する過程において、前記ダクトの空気排出口が前記被冷却要素に固定されることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の冷却方法。
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