JP3964254B2 - ノズル洗浄機構および基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板の表面に処理液を供給する処理液供給ノズルを洗浄するためのノズル洗浄機構およびこのノズル洗浄機構を備えた基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板あるいは半導体製造装置用マスク基板等の基板に処理液を供給して処理する基板処理装置として、スリット状の吐出口から処理液を吐出しながら基板に対して相対的に移動することにより、基板の表面に処理液を供給する処理液供給ノズルを使用した場合においては、基板の処理に伴って処理液供給ノズルにおけるスリット状の吐出口付近に処理液が残存し、これが汚染物質となって処理液供給ノズルの汚染が発生する。処理液としてレジスト、特に、カラーレジスト等と呼称される顔料を含むレジストを使用した場合には、このような汚染が特に生じやすい。このため、処理液供給ノズルをノズル洗浄機構により定期的に洗浄する必要がある。
【0003】
このようなノズル洗浄機構は、例えば、特開平7−80386号公報に開示されている。この特開平7−80386号公報に開示されたノズル洗浄機構は、処理液供給ノズルにおけるスリット状の吐出口の長手方向全域にわたって接触するクリーニング用の払拭部材を有する。そして、このノズル洗浄機構においては、払拭部材に溶剤を含ませた状態でこの払拭部材をスリット状の吐出口の長手方向と直交する方向に移動させることにより、処理液供給ノズルの先端を洗浄する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、基板のサイズが大きくなっていることから、処理液供給ノズルにおけるスリット状の吐出口の全長も長くなる傾向にある。このため、従来のようなノズル洗浄機構では以下のような問題が生じる。
【0005】
即ち、前記払拭部材を処理液供給ノズルの先端に当接させたとき、払拭部材が処理液供給ノズルの長手方向において適切に接している部分とそうでない部分が生じるおそれがある。この場合、処理液供給ノズルに付着した汚染物質が完全に除去できなくなる可能性がある。
【0006】
また、スリット状の吐出口の長手方向全域にわたって払拭部材を接触させなければならないため、大きな払拭部材を用意する必要がある。このため、払拭部材の消費量が多くなり、ランニングコストがかさむという問題が生ずる。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、払拭部材の消費量を低減しながら、処理液供給ノズルを確実に洗浄することが可能なノズル洗浄機構およびそのノズル洗浄機構を使用した基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、スリット状の吐出口から処理液を吐出しながら基板に対して相対的に移動することにより、前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給ノズルを洗浄するためのノズル洗浄機構であって、前記吐出口と当接する払拭部材の前記吐出口の長手方向においける寸法が、前記吐出口の長手方向の寸法よりも小さい払拭部と、前記払拭部を前記吐出口の長手方向に往復移動させる移動手段とを備え、前記払拭部は、長尺の払拭部材が巻回された送りロールと、送りロールから送り出された払拭部材を巻き取る巻き取りロールと、前記巻き取りロールを回転させる回転機構とを備えるとともに、前記回転機構は、記払拭部の往復移動ストロークの端部に配設されたカムと、前記巻き取りロールの軸に一方向クラッチを介して接続されるとともに、その端部に、前記往復移動ストロークの端部において前記カムに当接するカムフォロワーを有する揺動部材と、を備え、前記払拭部がその往復移動ストロークの端部まで移動したことに同期させて前記巻き取りロールを回転させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記払拭部は、前記払拭部材を前記吐出口の最下端部に向けて押圧する第1押圧部と、前記払拭部材を前記最下端部より上方の位置に向けて押圧する第2押圧部と、をさらに備える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記払拭部材または前記吐出口に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかのノズル洗浄機構を有する基板処理装置であって、基板を保持する保持部と、前記ノズルを基板に対して相対的に移動させるノズル移動部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記処理液はレジストである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記レジストは顔料を含むレジストである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
先ず、この発明に係るノズル洗浄機構18を適用する基板処理装置の構成について説明する。図1はこの発明に係るノズル洗浄機構を適用した基板処理装置の概要図である。
【0016】
この基板処理装置は、矩形状をなす液晶パネル用の基板Wにカラーレジストと呼称される顔料を含むレジストを塗布するためのものであり、基板Wを吸着保持した状態でモータ11の駆動により軸12を中心に回転するスピンチャック13と、スピンチャック13に保持された基板Wにレジストを塗布するためのノズル14と、このノズル14を移動させるノズル移動機構15と、ノズル14に対してレジストを供給するレジスト供給機構16と、スピンチャック13によりレジスト塗布後の基板Wを回転させたときに基板Wの端縁より飛散するレジストを捕獲するためのレジスト捕獲用カップ17と、この発明に係るノズル洗浄機構18とを備える。
【0017】
上記スピンチャック13、軸12、モータ11は不図示のチャック昇降機構によって昇降可能である。すなわち図1において、基板Wが実線で示す回転位置と二点鎖線で示す塗布位置とに昇降可能である。なお、回転位置は基板Wがカップ17に収容される位置であり、塗布位置は基板Wとノズル14の吐出口34(後述)とが所定の間隔に設定される位置である。
【0018】
上記ノズル移動機構15は、水平に延びる移動ガイド21に沿って往復移動する移動フレーム22を備える。ノズル14は、この移動フレーム22にノズル支持アーム23を介して水平方向に移動自在に支持されている。なお、上記ノズル移動機構15は上下方向には移動する機構を備えていないので、ノズル14が移動ガイド21に沿って移動するとき、ノズル14と基板Wとの距離が変動することが防止されている。このため、ノズル14を水平移動させて基板Wに液を塗布する際、均一な厚さの塗布膜を形成することができる。
【0019】
上記レジスト供給機構16は、密閉された構成を有する加圧タンク24と、この加圧タンク24内に収納されたレジストタンク25とを有する。加圧タンク24は、加圧配管27により図示しない窒素ガスあるいはエアーの供給源と接続されている。そして、この加圧配管27内には、窒素ガスの給排切り替え用の三方弁28と、レギュレータ29とが配設されている。また、レジストタンク25内には、このレジストタンク25とノズル14とを接続するレジスト供給配管31の一端が挿入されている。このレジスト供給配管31中には、開閉弁33が配設されている。
【0020】
このような構成を有するレジスト供給機構15において、開閉弁33が開放された状態においては、レジストタンク25内のレジストが加圧タンク24内の窒素ガスの圧力によりレジスト供給配管31を介してノズル14に圧送され、また、開閉弁33が閉鎖されることによりレジストの圧送が停止される。
【0021】
図2は、ノズル14によるレジストの供給動作を模式的に示す説明図である。このノズル14は、その長手方向(図2において紙面に垂直な方向)に延びるスリット状の吐出口34を有する。この吐出口34の長手方向の長さは、基板Wにおける矩形状の素子形成部分の短辺の長さ以上の長さであるが、ここでは、前記矩形状の素子形成部分の短辺の長さとほぼ等しくしてある。レジスト供給配管31により供給されたレジスト35は、図2に示すように、このスリット状の吐出口34を介して基板Wの表面に供給される。
【0022】
次に、上述した基板処理装置により基板Wにレジストを塗布する塗布動作について説明する。図3は、基板処理装置により基板Wにレジストを塗布する塗布動作を示す説明図である。なお、以下の説明において、ノズル14の移動は上述したノズル移動機構15により実行される。
【0023】
レジストの塗布動作を実行する前の状態においては、ノズル14は、この発明に係るノズル洗浄機構18と対向する位置に配置されている。このときのノズル14等の状態については、後程詳細に説明する。
【0024】
この状態において、レジストの塗布動作を開始するときには、ノズル洗浄機構18上方にノズル14を待機させた状態から、矢印1に示すようにノズル14をノズル洗浄機構18に関して遠方側の基板Wの一端上方まで水平移動させる。次に、チャック昇降機構によって基板Wを塗布位置に配置する。このとき基板W表面とノズル14の吐出口34とは所定の間隔になっている。
【0025】
この状態において、ノズル14におけるスリット状の吐出口34からレジストを吐出させるとともに、ノズル14を矢印2に示すように基板Wの表面に沿って水平移動させる。この状態においては、図2に示すように、ノズル14におけるスリット状の吐出口34から吐出されたレジスト35が基板Wの表面に薄膜状に塗布される。
【0026】
ノズル14におけるスリット状の吐出口34が基板Wの他端部と対向する位置まで移動すれば、ノズル14におけるスリット状の吐出口34からのレジストの吐出を停止させ、ノズル洗浄機構18の上方にまで移動させる。
【0027】
次に、この発明に係るノズル洗浄機構18の構成について説明する。図4は、この発明に係るノズル洗浄機構18を待機ポット36とともに示す側面図である。
【0028】
このノズル洗浄機構18は、上述したノズル14と平行に配設されたレール41に沿って移動可能なブラケット42と、このブラケット42と連結された同期ベルト43を往復回転させることによりブラケット42をノズル14と平行に往復移動させるモータ44と、ブラケット42の上方に配設された払拭部45とを備える。この払拭部45は、後述するように、ノズル14におけるスリット状の吐出口34を払拭するためのものである。この払拭部45は、モータ44の駆動により、図4において実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間を往復移動する。
【0029】
一方、待機ポット36は、レジストを塗布しない状態において、ノズル14におけるスリット状の吐出口34付近のレジストが乾燥して変質することを防止するためのものである。この待機ポット36の内部には、例えば、レジストを溶解する溶剤等が貯留されている。この待機ポット36は、エアシリンダ37の駆動により、図4において二点鎖線で示すその上端の開口部がノズル14におけるスリット状の吐出口34と対向する上昇位置と、実線で示す下降位置との間を昇降可能な構成となっている。このため、ノズル14がノズル洗浄機構18の上方に待機させた状態で待機ポット36が上昇位置を取るとノズル14の吐出口34は待機ポット36によって閉じられた空間に露出することになる。このとき、該空間は溶剤の蒸気が含まれる雰囲気で満たされているので吐出口34付近のレジストが乾燥することが防止される。
【0030】
次に、上述した払拭部45の構成について説明する。図5は払拭部45を待機ポット36とともに示す正面図であり、図6は払拭部45の側面図、図7は払拭部45の平面図である。また、図8は、揺動部材65の揺動動作を示す説明図である。
【0031】
この払拭部45は、ケーシング51と、長尺の払拭部材52が巻回された送りロール53と、送りロール53から送り出された払拭部材52を巻き取る巻き取りロール54と、払拭部材52に洗浄液を供給する4本の洗浄液供給ノズル55とを備える。なお、払拭部材52にはシート状の多孔性物質が使用される。前記多孔性物質としては紙や布、樹脂がある。具体的には、紙として濾紙、布として不織布、が挙げられる。
【0032】
送りロール53の軸61は、ケーシング51に連結されたテンション発生部材62と連結されており、一定の抵抗力を持った状態で回転する。一方、巻き取りロール54の軸63は、一方向クラッチ64を介して揺動部材65と連結されている。この揺動部材65は、図示しないバネの作用により、その両端に配設されたカムフォロワー66がカム67またはカム68と当接しない状態においては、図8において実線で示す起立姿勢となるように付勢されている。なお、カム67およびカム68は、図4に示すように、払拭部45の往復移動ストロークの両端部付近に配設されている。
【0033】
払拭部45が往復移動ストロークの両端部付近まで走行することにより揺動部材65の両端に配設されたカムフォロワー66がカム67またはカム68と当接した場合には、揺動部材65が図8において実線で示す起立姿勢から図8において二点鎖線で示す傾斜姿勢まで傾斜する。これにより、巻き取りロール54の軸63が回転し、送りロール53の軸61による抵抗力に抗して払拭部材52が巻き取りロール54に巻き取られる。一方、払拭部45が逆方向に走行を開始した場合においては、揺動部材65が図8において二点鎖線で示す傾斜姿勢から図8において実線で示す起立姿勢に復帰するが、このときには、一方向クラッチ64の作用により巻き取りロール54の軸63は回転しない。
【0034】
このため、揺動部材65とカム66、67の作用により、払拭部45の往復移動ストロークの両端部において、巻き取りロール54が所定角度だけ回転し、巻き取りロール54が送りロール53から送り出された払拭部材52を一定量だけ巻き取ることになる。
【0035】
送りロール53から巻き取りロール54に至る払拭部材52の下方の位置には、払拭部材52をノズル14におけるスリット状の吐出口34に向けて押圧する押圧部材56、57が配設されている。これらの押圧部材56、57のうち、押圧部材56は払拭部材52をノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部に向けて押圧するためのものである。また、押圧部材57は、払拭部材52をノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部より上方の位置に向けて押圧するためのものであり、図9に示すように、バネ58により互いに近接する方向に付勢された一対の部材から構成される。
【0036】
すなわち、ノズル14におけるスリット状の吐出口34がこれらの押圧部材56、57と対向する位置に配置されていない状態においては、図9(a)に示すように、一対の押圧部材57は互いに当接する位置に配置されている。一方、ノズル14におけるスリット状の吐出口34が押圧部材56、57と対向する位置に配置された状態においては、図9(b)に示すように、一対の押圧部材57はノズル14の先端部に当接することにより、互いに離隔する位置に移動する。
【0037】
図9(b)に示す状態においては、押圧部材56は、払拭部材52を介してノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部と当接し、押圧部材57は、払拭部材52を介してノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部より上方の位置と当接していることになる。そして、ノズル14におけるスリット状の吐出口34と当接する払拭部材52の吐出口34の長手方向の寸法は、吐出口34の長手方向の寸法よりも十分小さいことになる。
【0038】
次に、この発明に係るノズル洗浄機構18によるノズル14の洗浄動作について説明する。
【0039】
このノズル洗浄機構を使用してノズル14の洗浄動作を実行する際には、ノズル14は洗浄機構18の上方に位置した状態にて、待機ポット36が図4において二点鎖線で示す上昇位置から実線で示す下降位置まで下降する。しかる後、モータ44の駆動により、払拭部45がブラケット42とともにノズル14におけるスリット状の吐出口34と平行な方向に移動する。また、払拭部45の移動とともに、あるいは、払拭部45の移動に先立って、4本の洗浄液供給ノズル55から払拭部材52に洗浄液を供給する。
【0040】
払拭部45がノズル14におけるスリット状の吐出口34の下方位置まで移動した状態においては、図9(b)に示すように、圧部材56が洗浄液を供給された払拭部材52を介してノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部と当接し、押圧部材57が洗浄液を供給された払拭部材52を介してノズル14におけるスリット状の吐出口34の最下端部より上方の位置と当接する。この状態において払拭部45が走行を継続することにより、ノズル14におけるスリット状の吐出口34が洗浄液を供給された払拭部材52により洗浄される。
【0041】
払拭部45がその走行ストロークの端部まで走行すれば、揺動部材65の両端部に配設されたカムフォロワー66がカム67またはカム68と当接し、払拭部材52が巻き取りロール54に一定量だけ巻き取られる。このため、払拭部材45の次の走行時には、ノズル14におけるスリット状の吐出口34は、新しい払拭部材52により洗浄される。
【0042】
以上のような構成を有するノズル洗浄機構18によれば、ノズル14におけるスリット状の吐出口34と当接する払拭部材52の吐出口34の長手方向における寸法が、吐出口34の長手方向の寸法よりも十分小さいことから、払拭部材52をノズル14に当接させたとき、従来のように、払拭部材52がノズル14の長手方向において適切に接している部分とそうでない部分が生じるおそれはない。このため、ノズル14に付着した汚染物質を確実に洗浄除去することが可能となる。また、従来のように、ノズル14におけるスリット状の吐出口34の長手方向全域にわたって払拭部材52を接触させる必要はないことから、大きな払拭部材を使用する必要はなく、払拭部材52の消費量が多くなってランニングコストがかさむという問題が生ずることもない。
【0043】
なお、上述した実施形態においては、4本の洗浄液供給ノズル55から払拭部材52に洗浄液を供給しているが、4本の洗浄液供給ノズル55からノズル14におけるスリット状の吐出口34に向けて、直接洗浄液を供給するようにしてもよい。
【0044】
また、上述した実施形態においては、送りロール53と巻き取りロール54とを使用して払拭部材52をノズル14におけるスリット状の吐出口34の長手方向に移動させているが、払拭部材52をノズル14におけるスリット状の吐出口34と交差する方向に移動させるようにしてもよい。
【0045】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図10は、この発明の他の実施形態に係るノズル洗浄機構の払拭部70を示す概要図である。
【0046】
このノズル洗浄機構の払拭部70は、ケーシング71と、その表面に払拭部材が配設されたローラ72と、このローラ72をノズル14におけるスリット状の吐出口34と平行な方向を向く軸を中心に回転させる図示しない回転機構と、ローラ72の表面に洗浄液を供給する一対の洗浄液供給ノズル73とを備える。ローラ72の、吐出口34の長手方向における寸法は、長手方向における吐出口34の寸法よりも小さい。また、ローラ72の周面に配設された払拭部材は上述のシート状の多孔性物質であり、着脱可能に巻回されている。このため、例えばローラ72が一周した後などに、該払拭部材は交換可能となっている。
【0047】
この実施形態に係るノズル洗浄機構の洗浄部70は、上述した実施形態に係るノズル洗浄機構の洗浄部45と同様、ノズル14におけるスリット状の吐出口34の長手方向に往復移動可能となっている。また、この実施形態に係るノズル洗浄機構の洗浄部70においても、上述した実施形態に係るノズル洗浄機構の洗浄部45と同様、払拭部70がその走行ストロークの端部まで走行すれば、ローラ72が回転して新しい払拭部材が使用される構成となっている。
【0048】
このような構成を有するノズル洗浄機構を使用した場合においても、上述した実施形態の場合と同様、払拭部材の消費量を低減しながら、ノズル14におけるスリット状の吐出口34を確実に洗浄することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
請求項および請求項2に記載の発明によれば、吐出口と当接する払拭部材の吐出口の長手方向における寸法が、吐出口の長手方向の寸法よりも小さい払拭部と、払拭部を吐出口の長手方向に往復移動させる移動手段とを備えたことから、払拭部材の消費量を低減しながら、処理液供給ノズルを確実に洗浄することが可能となる。
【0050】
また、払拭部が長尺の払拭部材が巻回された送りロールと、送りロールから送り出された払拭部材を巻き取る巻き取りロールと、巻き取りロールを回転させる回転機構とを備えることから、必要に応じて新しい払拭部材により処理液供給ノズルを洗浄することが可能となる。
【0051】
さらに、回転機構が払拭部の往復移動ストロークの端部で巻き取りロールを回転させることから、払拭部が往復移動ストロークの端部に移動する度に、新しい払拭部材を供給することが可能となる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、払拭部材を吐出口に向けて押圧する押圧部材を備えることから、吐出口を確実に洗浄することが可能となる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、払拭部材または吐出口に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えることから、洗浄液の作用により吐出口を確実に洗浄することが可能となる。
【0054】
請求項4乃至請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかのノズル洗浄機構を有する基板処理装置であって、基板を保持する保持部と、ノズルを基板に対して相対的に移動させるノズル移動部とを備えたことから、払拭部材の消費量を低減しながら、処理液供給ノズルを確実に洗浄することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るノズル洗浄機構を適用した基板処理装置の概要図である。
【図2】 ノズル14によるレジストの供給動作を模式的に示す説明図である。
【図3】 基板処理装置により基板Wにレジストを塗布する塗布動作を示す説明図である。
【図4】 この発明に係るノズル洗浄機構18を待機ポット36とともに示す側面図である。
【図5】 払拭部45を待機ポット36とともに示す正面図である。
【図6】 払拭部45の側面図である。
【図7】 払拭部45の平面図である。
【図8】 揺動部材65の揺動動作を示す説明図である。
【図9】 吐出口34と押圧部材56、57との関係を示す説明図である。
【図10】 この発明の他の実施形態に係るノズル洗浄機構の払拭部70を示す概要図である。
【符号の説明】
13 スピンチャック
14 ノズル
18 ノズル洗浄機構
34 吐出口
36 待機ポット
41 レール
42 ブラケット
43 同期ベルト
44 モータ
45 払拭部
52 払拭部材
53 送りロール
54 巻き取りロール
55 洗浄液供給ノズル
61 軸
62 テンション発生部材
63 軸
64 一方向クラッチ
65 揺動部材
66 カムフォロワー
67 カム
68 カム
70 洗浄部
72 ローラ
73 洗浄液供給ノズル
W 基板
Claims (6)
- スリット状の吐出口から処理液を吐出しながら基板に対して相対的に移動することにより、前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給ノズルを洗浄するためのノズル洗浄機構であって、
前記吐出口と当接する払拭部材の前記吐出口の長手方向における寸法が、前記吐出口の長手方向の寸法よりも小さい払拭部と、
前記払拭部を前記吐出口の長手方向に往復移動させる移動手段とを備え、
前記払拭部は、長尺の払拭部材が巻回された送りロールと、送りロールから送り出された払拭部材を巻き取る巻き取りロールと、前記巻き取りロールを回転させる回転機構とを備えるとともに、
前記回転機構は、
前記払拭部の往復移動ストロークの端部に配設されたカムと、
前記巻き取りロールの軸に一方向クラッチを介して接続されるとともに、その端部に、前記往復移動ストロークの端部において前記カムに当接するカムフォロワーを有する揺動部材と、を備え、
前記払拭部がその往復移動ストロークの端部まで移動したことに同期させて前記巻き取りロールを回転させることを特徴とするノズル洗浄機構。 - 請求項1に記載のノズル洗浄機構において、
前記払拭部は、
前記払拭部材を前記吐出口の最下端部に向けて押圧する第1押圧部と、
前記払拭部材を前記最下端部より上方の位置に向けて押圧する第2押圧部と、
をさらに備えるノズル洗浄機構。 - 請求項1または請求項2に記載のノズル洗浄機構において、
前記払拭部材または前記吐出口に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えるノズル洗浄機構。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかのノズル洗浄機構を有する基板処理装置であって、
基板を保持する保持部と、
前記ノズルを基板に対して相対的に移動させるノズル移動部とを備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項4に記載の基板処理装置において、前記処理液はレジストであることを特徴とする基板処理装置。
- 請求項5に記載の基板処理装置において、前記レジストは顔料を含むレジストである基板処理装置。
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