JP3964037B2 - 圧力計の較正方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式の圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の圧力を測定する電子式の圧力計は、流体の圧力変化をその内部に設けられた感圧素子にて電気信号に変換し、変換した電気信号の大きさに基づいて圧力を表示させるものであり、従来から多く用いられてきたブルドン管式(又は機械式)の圧力計に比べて精度,寿命,応答性等において優れているため、最近ではその利用が高まっている。
【0003】
このような圧力計は、電源,圧電変換部,増幅・加算回路,A/D変換器,MPU,圧力表示器等から構成されている。
【0004】
圧電変換部は、感圧素子とブリッジ回路とからなり、感圧素子は、シリコン樹脂製又はステンレス鋼製のダイヤフラムと、このダイヤフラムに形成されたブリッジ回路の一部としての歪み抵抗器とから構成され、電源からブリッジ回路の対向端子に通電することにより、ダイヤフラムの変形(たわみ)に伴う歪み抵抗器の抵抗値の変化に応じた大きさの信号をブリッジ回路から出力する。
増幅・加算回路は、OPアンプ等を用いてなる差動増幅回路と、差動増幅回路によって増幅される信号に所定信号を加算する加算回路を組合せてなり、加算結果をA/D変換器に与える。
A/D変換器は、増幅・加算回路の加算結果をA/D変換し、変換結果をMPUに与える。
MPUは、A/D変換器の変換結果に基づいて実際の圧力を演算し、演算結果を圧力表示器に出力する。
圧力表示器は、複数桁の数値を表示可能な7セグメントLED等から構成され、MPUでの演算結果を表示する。
【0005】
このような圧力計の感圧素子においては、その各個において圧力感度(感度)にばらつきが生じるので、感度調整,零点調整等のキャリブレーション(較正)が必要となる。
【0006】
このため、電源,増幅・加算回路,及び感圧素子には電流又は電圧調整用の半固定抵抗器,トリマブル抵抗器等からなるトリマが夫々設けられており、これらをユーザが手作業で調整することにより、用途に応じた較正が可能となっている。
【0007】
このような圧力計における較正の手順は、第1ステップとして、圧電変換部に大気圧を加えた状態(大気開放状態)であって、電源から所定の通電をした状態と全く通電しない状態とにおいて、加算結果の差、又は圧力表示器に表示される圧力の差が可及的に近い値(通常は零点近傍)となるように圧電変換部のトリマを調整し、これによってブリッジ回路の平衡がとれた状態となる(零点粗調整)。
第2ステップでは、電源から所定の通電をした状態であって、圧電変換部の大気開放状態と圧電変換部に所定圧を加えた状態とにおいて、加算結果の差、又は圧力表示器に表示される圧力の差が所定値となるように電源のトリマを調整する(感度調整)。
第3ステップでは、圧電変換部の大気開放状態であって、圧電変換部に第2ステップで調整された量で通電した状態において、第2ステップまでに若干ずれた零点を補正するために増幅・加算回路のトリマを調整し(零点微調整)、較正が完了する。
【0008】
なお、第2ステップまでに零点がずれる要因は、通電された圧電変換部にて生じる発熱むら,第2ステップにおける圧電変換部への通電量の変化等によるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の較正は手作業であるため、較正結果にばらつきが生じることは避けられず、特に第1ステップにおける零点粗調整に誤差が大きく生じた場合には、続く第2及び第3ステップにおいてA/D変換器への入力信号がA/D変換器の作動範囲を越え、越える分の圧力の測定ができなくなるか、又はA/D変換器の作動範囲に対して非常に小さい入力信号となり、A/D変換器の分解能を十分に得られなくなって、再び第1ステップから繰り返す必要がある等、較正作業が煩雑となっていた。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、前述の如き第1ステップの後において、圧電変換部に第1基準圧(大気圧)を加えた状態での増幅・加算回路の加算結果と、圧電変換部に第2基準圧を加えた状態での増幅・加算回路の加算結果との差がA/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように電源からの通電を調整し、圧電変換部に大気圧を加えた状態であって、調整された電源から圧電変換部に通電した場合の増幅・加算回路の加算結果が、所定値となるように増幅・加算回路で加算する信号を調整し、これらの調整を例えばMPUに行なわせることにより、煩雑な調整作業を手作業で行なう必要がなく、A/D変換器の作動能力を最大限に用いることができる圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る圧力計の較正方法は、電源と、該電源によって通電され、流体の圧力に応じた信号を出力する圧電変換手段と、該圧電変換手段から出力された信号に、調整することが可能な信号を加算する加算回路と、該加算回路の加算結果をA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器により変換された信号に基づいて前記圧力を演算する演算手段とを備える圧力計の前記電源、前記圧電変換手段、及び前記加算回路を夫々調整することにより、前記圧力計を較正する方法において、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から通電しない場合の前記加算回路の加算結果と、前記電源から所定の通電をする場合の前記加算回路の加算結果との差が所定値以下となるように前記圧電変換手段の感度を調整する第1ステップと、前記電源から所定の通電をしておき、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果と、前記圧電変換手段に第2基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果との差が前記A/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように前記電源から通電する量を調整する第2ステップと、前記圧電変換手段に第1基準圧を加え、前記第2ステップにて調整された量で通電する場合の前記加算回路の加算結果が所定値となるように前記加算回路で加算する信号を調整する第3ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る圧力計の較正方法は、第1発明の圧力計の較正方法において、前記第1乃至前記第3ステップは、前記圧力計に設けられた記憶手段の記憶内容に基づいて実行することを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る圧力計の較正方法は、第1発明の圧力計の較正方法において、前記第1ステップは、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から所定の通電をする場合の、前記圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように前記圧電変換手段の感度を調整することを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る圧力計の較正装置は、電源と、該電源によって通電され、流体の圧力に応じた信号を出力する圧電変換手段と、該圧電変換手段から出力された信号に信号加算する加算回路と、該加算回路の加算結果をA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器により変換された信号に基づいて前記圧力を演算する演算手段とを備える圧力計の前記電源、前記圧電変換手段、及び前記加算回路を夫々調整することにより、前記圧力計を較正する装置において、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記電源から通電しない場合の前記加算回路の加算結果と、前記電源から所定の通電をする場合の前記加算回路の加算結果との差が所定値以下となるように前記圧電変換手段の感度を調整する第1調整手段と、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果と、前記圧電変換手段に第2基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果との差が前記A/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように前記電源から通電する量を調整する第2調整手段と、前記圧電変換手段に第1基準圧を加え、前記第2調整手段にて調整された量で通電する場合の前記加算回路の加算結果が所定値となるように前記加算回路で加算する信号を調整する第3調整手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る圧力計の較正装置は、第4発明の圧力計の較正装置において、所定情報を記憶する記憶手段を更に備え、該記憶手段の記憶内容に基づいて前記第1乃至前記第3調整手段を作動すべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る圧力計の較正装置は、第4発明の圧力計の較正装置において、前記第1調整手段は、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から所定の通電をする場合の、前記圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように前記圧電変換手段の感度を調整すべくなしてあることを特徴とする。
【0017】
第1,第3,第4,及び第6発明に係る圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置によれば、圧電変換手段に第1基準圧たる大気圧を加えた状態(大気開放状態)における、電源から通電しない場合と所定の通電をする場合との加算回路の加算結果の差が所定値以下となるように、又は圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように圧電変換手段の感度を調整し、圧電変換手段に大気圧を加えた状態と第2基準圧を加えた状態とにおける、加算回路の加算結果の差がA/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように電源からの通電量を調整し、圧電変換手段に大気圧を加えた状態で、調整された通電量で圧電変換手段に通電した場合の加算回路の加算結果が所定値となるように加算回路で加算する信号を調整する構成としたので、A/D変換器の作動能力を最大限に用いることができる。また、例えば手作業での調整が比較的容易な感度調整(零点粗調整)以外の調整を例えば演算手段に行なわせることにより、煩雑、微小な調整作業を手作業で行なう必要がない。
【0018】
第2及び第5発明に係る圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置によれば、第1乃至第3ステップを圧力計に設けられた例えばEEPROM等の不揮発性の記憶手段の記憶内容に基づいて、第1及び第4発明の圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置の手順で実行させる構成としたので、ユーザが調整完了か否かを記憶している必要なく、例えば、前述した如く変換感度の調整を手作業で行なう際にも容易に調整を開始することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る圧力計の較正装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施の形態の較正装置は、電源1,圧電変換部2,増幅・加算回路3,A/D変換器4,MPU5,圧力表示器6,記憶部7,圧力生成装置8等から構成されている。
【0021】
電源1は、MPU5から与えられるPWM信号CAに基づいて圧電変換部2に通電するようになっている。
【0022】
圧電変換部2は、電源1からの通電により、圧力生成装置8が生成した第1,第2基準圧P1,P2に応じた信号を出力するようになっている。
【0023】
図2は、圧電変換部2の構成を示す断面図である。図2に示す如く、圧電変換部2は、その各端部を検出圧及び標準圧の間に配された筒状のダイヤフラム・シリンダ20と、検出圧及び標準圧を遮蔽すべくダイヤフラム・シリンダ20内に一体的に形成されたシリコン樹脂製,ステンレス鋼製,(サファイア)ガラス製,フッソ樹脂製等のダイヤフラム21と、ダイヤフラム21の標準圧側の面に絶縁膜22を介して貼り付けられた歪み抵抗器SGとから少なくとも構成されている。歪み抵抗器SGは、他の抵抗器とともにブリッジ回路2aを形成し、ブリッジ回路2aは、ダイヤフラム21の変形(たわみ)を歪み抵抗器の抵抗値の変化に基づいた信号に変換し、変換結果を増幅・加算回路3に出力するようになっている。なお、標準圧は第1基準圧P1と同一としてある。
【0024】
また、ブリッジ回路2aは、その電源1からの入力端子に第1調整手段としての半固定抵抗器等からなるトリマTを備え、トリマTをユーザが手作業で調整することにより、圧電変換部2の感度、即ちブリッジ回路2aの平衡状態を調整できるようになっている。
【0025】
増幅・加算回路3は、複数のOPアンプを用いた差動増幅回路と、加算回路とから構成され、圧電変換部2から与えられた信号を増幅し、増幅された信号に、MPU5から与えられるPWM信号CVに基づいた信号を加算してA/D変換器4に与えるようになっている。
【0026】
A/D変換器4は、増幅・加算回路3から与えられた加算後のアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換結果を演算手段,並びに第2及び第3調整手段としてのMPU5に与えるようになっている。
【0027】
MPU5は、A/D変換器4から与えられた信号に基づいて、実際の圧力を演算し、演算結果を7セグメントLEDで表示可能なように変換し、変換結果を圧力表示器6に与えるようになっており、また記憶部7の記憶内容とA/D変換器4から与えられた信号とに基づいて、PWM信号CA,CVを電源1及び増幅・加算回路3に夫々フィードバックして制御するようになっている。さらに、MPU5は圧力生成装置8へ2つの信号線を介して第1,第2信号SN1,SN2を夫々出力するようになっている。
【0028】
圧力生成装置8は、圧電変換部2のダイヤフラム21に対して圧力を加えるコンプレッサと、コンプレッサによる圧力を保持又は開放する電磁バルブとから構成され、MPU5から第1信号SN1を与えられるのに伴い、電磁バルブを開放して第1基準圧P1(大気圧)を生成し、第2信号SN2を与えられるのに伴い、電磁バルブを閉鎖して第2基準圧P2まで増圧又は減圧するようになっている。なお、本実施の形態において、第1基準圧P1は大気圧としてあるが、絶対圧を測定する圧力計の場合には、真空とするのが好ましい。
【0029】
圧力表示器6は、複数桁の数値を表示可能な7セグメントLEDから構成され、MPU5から与えられた変換結果に基づいて圧力を表示するようになっている。
【0030】
記憶部7は、EEPROM等の不揮発性メモリから構成され、MPU5の処理における一時情報を記憶するほか、本発明の較正装置による較正が完了したか否かを示す情報を記憶するようになっている。具体的には、較正前には記憶部7には何も記憶されておらず、較正の完了に伴ってMPU5により、前記情報が書き込まれるようになっている。
【0031】
本発明に係る圧力計の較正装置は以上の如き構成としてあり、実際の測定環境に応じて較正を行なった後で正確な測定を行なうことができる。実際の測定においては、本実施の形態の圧力生成装置8及びこれとMPU5とを接続する2つの信号線は不要となり、圧電変換部2が実施に圧力の測定を行なう流体中に設けられる。なお、較正に関する手順は手作業を含むMPU5の処理によって行われるため、以下にそのような手順を説明する。
【0032】
図3,図4は、本発明に係る圧力計の較正に伴うMPU5の処理手順を示すフローチャートである。例えば、圧力計に設けられた図示しない操作パネルの較正開始ボタンをユーザが押すのに伴って本処理がスタートし、まず、MPU5が記憶部7の記憶内容を確認し(ステップ1)、較正が完了したか否かを示す情報が記憶されている場合には本処理を終了し、何も記憶されていない場合には、圧力生成装置8へ第1信号SN1を出力することによって、圧電変換部2に第1基準圧P1(大気圧)を加えた状態、即ち大気開放状態とする(ステップ2)。次に、電源1からの通電が零となるようなPWM信号CAを電源1に与え(ステップ3)、電源1からの通電が所定量となるようなPWM信号CAを電源1に与える(ステップ4)。ステップ2及び3を繰り返し、この際に圧力表示器6に夫々表示される圧力をユーザが読み取り、これら2つの圧力の差が最小となるように、トリマTを手作業で調整する(零点粗調整)。
【0033】
なお、この調整が完了し、ユーザが前記操作パネルに設けられた調整完了ボタンを押すのに伴って、次のステップに移行する。
【0034】
次に、ステップ4の後で、即ち電源1から通電量が第2電流ボタンを押した場合と同一(前記所定量)となるようなPWM信号CAを電源1に与えた状態で、圧力生成装置8へ第1信号SN1を出力することによって、圧電変換部2に第1基準圧P1を加えた状態とし(ステップ5)、この状態におけるA/D変換器6の変換結果を記憶部7に一時記憶する(ステップ6)。続いて、圧力生成装置8へ第2信号SN2を出力することによって、圧電変換部2に第2基準圧P2を加えた加圧状態とし(ステップ7)、この状態におけるA/D変換器6の変換結果を記憶部7に一時記憶する(ステップ8)。次いで、記憶部7に記憶された2つの変換結果の差を演算し(ステップ9)、この差がA/D変換器4の作動範囲に対して所定の割合の幅となるように、電源1に与えるPWM信号CAを調整する(ステップ10:感度調整)。なお、ステップ10で所定の割合の幅とならない場合には、ステップ7〜10を繰り返す。
【0035】
さらに、圧力生成装置8へ第1信号SN1を出力することによって、圧電変換部2に第1基準圧P1を加えた状態とし(ステップ11)、ステップ10にて調整されたPWM信号CAを電源1に出力しつつ、この状態におけるA/D変換器4の変換結果が所定値となるように、加算回路4へPWM信号CVを出力することによって、加算量を調整する(ステップ12:零点微調整)。そして、記憶部7に較正が完了したか否かを示す情報を書き込み(ステップ13)、較正が完了する。
【0036】
なお、ステップ13の後で、温度特性に対する補正を行う構成としてもよい。この補正は、温度を変化させ、この温度変化量と、感度,零点の変動量との関係から補正係数を算出することによって達成できる。
【0037】
また、MPU5からは、PWM信号CA,CVを出力することにより、各信号値を平滑化しているが、これに代えて、D/A変換器を介在させることによっても同様の効果が得られる。
【0038】
なお、MPU5からの第1,第2信号SN1,SN2により、圧力生成装置8を制御する構成としたが、これに代えて、圧力生成装置8が所定の時間間隔で第1,第2基準圧P1,P2を交互に生成し、各基準圧の生成に応じた信号をMPU5へ与え、MPU5がこれらの信号に基づいてPWM信号CA,CVを出力する構成としてもよい。
【0039】
図5は、本発明に係る圧力計の較正装置の具体的な構成例を示す図であり、電源1,圧電変換部2,増幅・加算回路3の回路を示してある。
【0040】
電源1は、MPU5のPWM信号CAの出力端子と直列に接続された抵抗器R11と、抵抗器R11及びアース間に直列接続されたコンデンサC11と、抵抗器R11に直列接続され、コンデンサC11に並列接続された抵抗器R12,R13と、抵抗器R13及びアース間に直列接続された抵抗器R14と、抵抗器R12に直列接続され、抵抗器R13にその反転入力端子が並列接続され、非反転入力端子に基準電圧V1が印加されたOPアンプOP1と、OPアンプOP1の出力端子にそのベースを接続され、そのエミッタを抵抗器R14に直列接続されたNPN型のバイポーラトランジスタTR(以後、単にトランジスタTRという)とから構成されている。
【0041】
圧電変換部2は、歪み抵抗器SG及び3つの抵抗器R21,R22,R23からなるブリッジ回路2aと、ブリッジ回路2aの入力対向端子の一方に設けられ、その入力対向端子に定電圧Vddが印加された半固定抵抗器からなるトリマTとから構成され、ブリッジ回路2aのいま一つの入力対向端子は、電源1に設けられたトランジスタTRのコレクタに接続されている。
【0042】
増幅・加算回路3は、圧電変換部2に設けられたブリッジ回路2aの出力対向端子に接続されたOPアンプOP2と、OPアンプOP2の出力端子に接続された抵抗器R31と、抵抗器R31がその反転入力端子に接続され、非反転入力端子に基準電圧V2が印加され、出力端子にA/D変換器4が接続されたOPアンプOP3と、OPアンプOP3の負帰還に設けられた抵抗器R32と、MPU5のPWM信号CVの出力端子に直列接続された抵抗器R33と、抵抗器R33及びアース間に直列接続されたコンデンサC31と、抵抗器R33に直列接続され、コンデンサC31に並列接続された抵抗器34とから構成され、抵抗器R34に対して直列にOPアンプOP3の反転入力端子が接続されている。
【0043】
電源1,圧電変換部2,増幅・加算回路3は、以上の如き回路構成となっており、MPU5から電源1に与えられたPWM信号CAのデューティに基づく電圧が、抵抗器R11とコンデンサC11とから構成される平滑化回路により平滑化される。平滑化された電圧は、抵抗器R12,R13により分圧されて、OPアンプOP1の反転入力端子に印加されるとともに、抵抗器R14を介してアースに流れる。
【0044】
OPアンプOP1に印加された電圧が基準電圧V1より小さい場合に、印加電圧と基準電圧V1とに応じた正電圧がOPアンプOP1からトランジスタTRのベースに対して印加される。これによって、トランジスタTRがオンとなり、ベースへの印加電圧に応じた電流が、定電圧VddからトリマT,ブリッジ回路2aを介して、コレクタからエミッタへ流れ、抵抗器R14を介してアースに流れる。一方、OPアンプOP1に印加された電圧が基準電圧V1より大きい場合には、トランジスタTRがオンとはならないために、コレクタからエミッタへの通電は生じない。即ち、これによって、基準電圧V1を上限とする出力電圧がトランジスタTRへ印加されるようになっている。
【0045】
なお、OPアンプOP1においてバーチャル・ショートが生じることから、反転入力端子と非反転入力端子との電圧が同一となるように動作する。これによって、OPアンプOP1からの出力電圧が徐々に増幅されるが、基準電圧V1に達した時点でトランジスタTRがオフとなるため、OPアンプOP1からは一定の出力電圧が生じる。さらに、これによって、この一定となる出力電圧に応じた定電流がコレクタからエミッタへ流れる。
【0046】
また、調整されるブリッジ回路2aへの入力電流は、トリマTの調整状態と、歪み抵抗器SGの歪み量に応じた電圧としてOPアンプOP2に出力され、出力された電圧は、OPアンプOP2,OP3と、抵抗器R31,R32とから構成される一般的な差動増幅回路によって増幅される。
【0047】
この際に、MPU5から増幅・加算回路3に与えられたPWM信号CVのデューティに基づく電圧が、抵抗器R33とコンデンサC31とから構成される平滑化回路により平滑化される。平滑化された定電圧が抵抗器R34を介して、OPアンプOP3の反転入力端子に印加される。このため、OPアンプOP3の出力電圧に、PWM信号CVのデューティに基づく電圧が加算された後で、A/D変換器4に与えられる。
【0048】
以上のように、トリマTの調整により、ブリッジ回路2aの平衡状態が調整され、これに応じてブリッジ回路2aからに出力電圧を調整して零点を粗調整することができ、また、PWM信号CAのデューティを調整することにより、ブリッジ回路2aへの入力電流を調整して、これに応じて感度を調整することができ、さらに、PWM信号CVを調整することにより、増幅・加算回路3で増幅される電圧に加算する電圧を調整して零点を微調整することができるようになっている。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る圧力計の較正方法及びその実施に使用する較正装置においては、圧電変換手段に第1基準圧たる大気圧を加えた状態(大気開放状態)における、電源から電流供給しない場合と所定の電流を供給する場合との加算回路の加算結果の差が予め設定された電圧以下となるように、又は圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように圧電変換手段の変換感度を調整し、圧電変換手段に大気圧を加えた状態と第2基準圧を加えた状態とにおける、加算回路の加算結果の差がA/D変換器の作動範囲内の電圧幅となるように電源から供給される電流を調整し、圧電変換手段に大気圧を加えた状態で、調整された電流を圧電変換手段に供給した場合の加算回路の加算結果が予め設定された値となるように加算回路で加算する電圧を調整することにより、A/D変換器の作動能力を最大限に用いることができる。また、例えば手作業での調整が比較的容易な変換感度以外の調整を例えば演算手段に行なわせることにより、煩雑、微小な調整作業を手作業で行なう必要がない。
【0050】
また、圧力計に設けられた例えばEEPROM等の不揮発性の記憶手段の記憶内容に基づいて上述の調整を自動実行させることにより、ユーザが調整完了か否かを記憶している必要なく、例えば、前述した如く変換感度の調整を手作業で行なう際にも容易に調整を開始することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力計の較正装置の構成を示すブロック図である。
【図2】圧電変換部の構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る圧力計の較正に伴うMPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る圧力計の較正に伴うMPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る圧力計の較正装置の具体的な構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 電源
2 圧電変換部
2a ブリッジ回路
3 増幅・加算回路
4 A/D変換器
5 MPU(第2,第3調整手段)
7 記憶部
8 圧力生成装置
T トリマ(第1調整手段)

Claims (6)

  1. 電源と、該電源によって通電され、流体の圧力に応じた信号を出力する圧電変換手段と、該圧電変換手段から出力された信号に、調整することが可能な信号を加算する加算回路と、該加算回路の加算結果をA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器により変換された信号に基づいて前記圧力を演算する演算手段とを備える圧力計の前記電源、前記圧電変換手段、及び前記加算回路を夫々調整することにより、前記圧力計を較正する方法において、
    前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から通電しない場合の前記加算回路の加算結果と、前記電源から所定の通電をする場合の前記加算回路の加算結果との差が所定値以下となるように前記圧電変換手段の感度を調整する第1ステップと、
    前記電源から所定の通電をしておき、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果と、前記圧電変換手段に第2基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果との差が前記A/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように前記電源から通電する量を調整する第2ステップと、
    前記圧電変換手段に第1基準圧を加え、前記第2ステップにて調整された量で通電する場合の前記加算回路の加算結果が所定値となるように前記加算回路で加算する信号を調整する第3ステップとを有することを特徴とする圧力計の較正方法。
  2. 前記第1乃至前記第3ステップは、前記圧力計に設けられた記憶手段の記憶内容に基づいて実行する請求項1記載の圧力計の較正方法。
  3. 前記第1ステップは、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から所定の通電をする場合の、前記圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように前記圧電変換手段の感度を調整する請求項1記載の圧力計の較正方法。
  4. 電源と、該電源によって通電され、流体の圧力に応じた信号を出力する圧電変換手段と、該圧電変換手段から出力された信号に信号加算する加算回路と、該加算回路の加算結果をA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器により変換された信号に基づいて前記圧力を演算する演算手段とを備える圧力計の前記電源、前記圧電変換手段、及び前記加算回路を夫々調整することにより、前記圧力計を較正する装置において、
    前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記電源から通電しない場合の前記加算回路の加算結果と、前記電源から所定の通電をする場合の前記加算回路の加算結果との差が所定値以下となるように前記圧電変換手段の感度を調整する第1調整手段と、
    前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果と、前記圧電変換手段に第2基準圧を加えた状態における前記加算回路の加算結果との差が前記A/D変換器の作動範囲に基づいた幅をもつように前記電源から通電する量を調整する第2調整手段と、
    前記圧電変換手段に第1基準圧を加え、前記第2調整手段にて調整された量で通電する場合の前記加算回路の加算結果が所定値となるように前記加算回路で加算する信号を調整する第3調整手段とを備えることを特徴とする圧力計の較正装置。
  5. 所定情報を記憶する記憶手段を更に備え、該記憶手段の記憶内容に基づいて前記第1乃至前記第3調整手段を作動すべくなしてある請求項4記載の圧力計の較正装置。
  6. 前記第1調整手段は、前記圧電変換手段に第1基準圧を加えた状態で、前記電源から所定の通電をする場合の、前記圧電変換手段内に設けられたブリッジ回路の平衡を得るように前記圧電変換手段の感度を調整すべくなしてある請求項4記載の圧力計の較正装置。
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