JP3963702B2 - 有機重合体及び新規な重合性化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い水濡れ性を有する有機重合体、その有機重合体を含む成形体、高い水濡れ性を有する有機重合体が得られる新規な重合性化合物及び組成物、並びに高い水濡れ性を有する有機重合体及び成形体を用いた防汚染材料、防曇り材料、結露防止材料、吸水(液)材料、及び光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水濡れ性を表す代表的な物性値として水接触角が知られている。一般的に、90°未満が親水性材料、90°を超えると撥水性材料と分類され、この水接触角が90°から0°に近づくほど水濡れ性が高い材料と言える。
【0003】
高い水濡れ性は、例えば、窓ガラス、鏡、農業用ビニールシート、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の結露による曇りの抑制、冷却フィンでの液滴形成及び汚染物質付着による熱交換効率低下の抑制、建築物外壁等に付着した汚れ(外気疎水性物質等)の降雨及び水による除去性(セルフクリーニング)向上による防汚染、建築内装塗剤・材料等の結露防止性の向上、コンタクトレンズの装着感と防汚染性の向上、さらには砂漠緑地化または一般的な植物の成長促進等に用いられる保水材料等に極めて有効である。
【0004】
これらの用途においては、大型であったり、構造が複雑であったり、精度が要求されたり、生産性、操作性、製品の柔軟性及び安全性が必要だったり、吸水性が必要だったり、さらに着色または染色が好まれたりする等、無機材料では困難な場合が多く、有機材料への要求が高まっている。
【0005】
高い水濡れ性を発現する有機材料としては、ポリビニルアルコール(水接触角36°、超親水超撥水化技術,技術情報協会出版,2001年)、ポリイソプロピルアクリルアミド(水接触角約44°、Langmuir,11,2301,1995年)、ポリアクリロニトリル(水接触角53°、Desalination,72,263,1989年)等のポリマーが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらのポリマーは、自身が有する水酸基、ニトリル基、アミド基によって効果を発現しているが、逆にそれらの官能基は反応性に富むことが知られ、場合によっては、アルデヒドとアセタール化したり、酸及び酸無水物とのエステル化したり、加水分解によりアミド、カルボン酸に変化しアルコールシス等によってエステル化したり、ディーズアルダー反応、マイケル付加反応を起こしたりする(プラスチック辞典,朝倉書店出版,1992年)等、望まれない不要な反応が引き起こされることによって、最終製品での品質劣化・品質変化を起こし易い場合があった。またポリマー自身が水に溶解溶出する場合があり、さらに機械的強度等が低かったりする等の問題点も有していた。
【0007】
そこで、例えば、溶解溶出、機械的強度等の問題を解決する目的で、共重合性化合物を加えてネットワークポリマー化する提案も行われているが、濡れ性が悪化する傾向にあり、高い水濡れ性を維持しながら充分な強度を確保した提案であるとは言えなかった。
【0008】
一風変わったものとして、寒天ゲル(水接触角約20°、Langmuir,10,2435,1994年)が知られているが、機械的強度の不足、耐熱性の不足、耐水・耐薬品性の不足等、物理的・化学的な性質が充分であるとは言えず、上記のような目的に使用するには、現実的には極めて困難である。
【0009】
この他に高い水濡れ性を発現する方法として、酸化チタンの光触媒反応層を設ける方法(特開平11−58629号公報、特開平11−1659号公報)、シラノール基を利用した塗剤を塗布する方法(特開平9−40907号公報、特開平9−40908号公報、特開平11−21826号公報)、コロナ放電処理後、シリル基及びイオン性親水基(カルボキシル基)とポリビニルアルコールの層を設ける方法(特開平9−76428号公報)、4級アンモニウム塩基を利用した層を設ける方法(特開平10−296895号公報)、エッチング処理によって表面に微細な窪みを多数形成する方法(特開平7−198290号公報)、グラフト共重合によってアミド基、カルボキシル基、水酸基等の活性水素基、またはスルホン酸ナトリウム等のイオン性官能基等を表面に導入する方法(J.polym.sci.,part A:polym.chem.,32,1569,1994年、Macromlecules,25,6842,1992年)、表面を塩素酸−塩素酸カリウム混合液で処理する方法(Polymer(Korea),24,877,2000年)等の主に表面を改質する方法等が知られている。
【0010】
これらの方法によれば、確かに高い水濡れ性を実現できる場合があるが、光触媒反応による被コート材料界面の分解、暗所での無効果、線膨張率、柔軟性、屈折率等の物理性質差による界面剥離、コート層または被コート材料の亀裂、さらには干渉縞の発生、コート層及び処理表面の強度・耐侯性不足、活性水素基及びイオン性基等の不要反応による性能低下等の様々な問題を起こし易い上に、これらの方法は、通常、特別な工夫と特別な装置を必要とする場合が多く、さらにいったん成型物を製造し、もう一度処理またはコートする操作が必要であった。従って、これら表面を改質する方法等は、生産が煩雑で効率的とは言えず、コスト的に高くなり易く、場合によっては安全性にも疑問が残る提案であった。
【0011】
一方、一般的に、樹脂及びポリマー等の分野では、透明性に優れていることはかなり効果的で、眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、カメラレンズ、ピップアップレンズ、有機ガラスに代表される光学材料、透明フィルム等の透明材料分野に応用できるばかりでなく、塗料及びコート等の分野でも、色彩の高鮮明化と光沢性の向上等、新たな市場の開拓と高機能化が期待できる。
【0012】
ところが、本発明に係わる高い濡れ性を有する有機重合体が、高い透明性をも有しているどうかは不明であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、上述した数多くの問題点を解決して、高い濡れ性と高い透明性を有する有機重合体及び樹脂等を提案することは、極めて困難であった。
【0014】
このような状況に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、部分構造として双極子モーメントが高い(凡そ3debye以上)極性構造を有する重合性化合物を用いる事が課題の解決に効果的で、しかもそれら極性構造の中でも、高価で熱安定性が低く実用性に乏しいとされていたポリ尿素(プラスチック大辞典、(株)工業調査会出版)構造の類縁であるアルキレン(チオ)尿素構造がより効果的であることを見出した。また、より好ましい結果を与える新規なアルキレン(チオ)尿素構造を有する重合性化合物も見出した。
【0015】
さらに、重合体の濡れ性が、前記極性構造を有する重合性化合物を共重合する事によって飛躍的に向上することも見出した。
【0016】
以上の方法によれば、特別な工夫、装置、及び2次加工等の煩雑操作を必要とせず、高い水濡れ性を有しているのにもかかわらず、物理的、化学的に安定で、透明性に優れた有機重合体が効率的に得られる。この本発明の有機重合体は、防汚染材料(セルフクリーニング材料)、防曇り材料、結露防止材料、吸水(液)材料、及び光学材料等の用途に好適に使用される。
【0017】
即ち、本発明は、
〔1〕 水接触角が20°以下である有機重合体
〔2〕 水接触角が7°以下である有機重合体
〔3〕 双極子モーメントが3debye以上の極性構造を有する〔1〕又〔2〕の有機重合体。
〔4〕 〔1〕、〔2〕又は〔3〕の有機重合体を含む成形体
〔5〕 分子内に1個以上の部分構造式(A)
【0018】
【化7】
【0019】
(A1〜A6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、X1はO又はSを表す。lは0〜2の整数を表す。)と、1個以上のチオエポキシ基、アリルチオ−カルボニル基、またはアリルオキシカルボニル基を有する重合性化合物
〔6〕 分子内に1個以上の部分構造式(A)
【0020】
【化8】
【0021】
(A1〜A6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、X1はO又はSを表す。lは0〜2の整数を表す。)と、2個以上のメルカプト基、グリシジルチオ基、または(メタ)アクリロイルチオ基を有する重合性化合物
〔7〕 式(B)
【0022】
【化9】
【0023】
(A1〜A6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。X1はO又はSを表し、lは0〜2の整数を表す。R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、または下記式(C)〜(F)を表し、m及びnはそれぞれ独立して0〜10の整数を表し、M及びNはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。R5及びR6はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、または下記式(C)〜(F)を表す。但し、R1〜R6の何れか1個以上は下記式(C)〜(E)の何れかである。)
で表される重合性化合物。
【0024】
【化10】
(A7は水素原子又はメチル基、X2はO又はSを表す。)
【0025】
【化11】
(A8は水素原子又はメチル基、X3及びX4はそれぞれ独立してO又はSを表す。)
【0026】
【化12】
【0027】
(A1〜A6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。X1又はX5はO又はSを表し、lは0〜2の整数を表す。R7はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、または炭素数2〜12のアルキルチオアルキル基を表し、R8〜R9はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。qは1〜6の整数を表し、rは0〜3の整数の整数を表す。)
【0028】
〔8〕 〔5〕、〔6〕、または〔7〕の重合性化合物を含む重合性組成物
〔9〕 〔5〕、〔6〕、または〔7〕の重合性化合物、または〔8〕の重合性組成物を重合して得られる水接触角が20°以下の有機重合体
〔10〕 5〕、〔6〕、または〔7〕の重合性化合物、または〔8〕の重合性組成物を重合して得られる水接触角が7°以下の有機重合体
〔11〕 〔8〕又は〔9〕の有機重合体を含む成形体
〔12〕 防汚染材料としての〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔9〕、〔10〕の有機重合体、又は〔4〕、〔11〕の成形体の用途
〔13〕 防曇り材料としての〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔9〕、〔10〕の有機重合体、又は〔4〕、〔11〕の成形体の用途
〔14〕 結露防止材料としての〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔9〕、〔10〕の有機重合体、又は〔4〕、〔11〕の成形体の用途
〔15〕 吸水(液)材料としての〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔9〕、〔10〕の有機重合体、又は〔4〕、〔11〕の成形体の用途
〔16〕 光学材料としての〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔9〕、〔10〕の有機重合体、又は〔4〕、〔11〕の成形体の用途
に関する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高い水濡れ性を有する有機重合体は、水接触角が0〜20°の範囲、好ましくは0〜7°の範囲である。水接触角が小さくなる程防汚染性は向上する。凡そ20°以下であればほぼ満足でき、10°以下であれは充分に満足できる。さらに7°以下であれば、水蒸気等による曇り防止も可能となり、最も好ましい形態となる。
【0030】
本発明の成形体は、水接触角が0〜20°の有機重合体、若しくは水接触角が0〜7°の有機重合体を含んでなる成形体である。具体的には、例えば、本発明の有機重合体を僅かに1種しか含まない成形体であっても良いし、すでに存在する有機・無機成形体に、本発明の有機重合体を含むコート剤、塗装剤、ラミネート材、フィルム等を硬化、被覆、または接着させても良い。
【0031】
これらには、本発明の有機重合体以外に、所望する物性、特性、目的及び用途等に応じて、例えば、安定剤、色素、香料、殺菌剤、バインダー、フィラー、本発明以外の有機重合体、充填剤、ガラス、金属、金属酸化物、有機金属、界面活性剤等の他成分を必要に応じて問題のない範囲で任意に含んで良い。
【0032】
本発明の有機重合体は、その分子構造中に双極子モーメントの大きな極性構造を持つことを特徴とする。中でも3debye以上の極性構造を持つ有機重合体が好ましく、さらに3debye以上の非プロトン性極性構造を持つ有機重合体であればより好ましく、特に酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有する構造が効果的である。例えば、アルキレン(チオ)尿素構造、オキサゾリドン構造、ピロリドン構造、ラクトン構造、スルトン構造、スルホラン構造、アミド構造、アルキル(チオ)尿素構造、スルホン構造、スルホキシド構造、ピペラジン−2,3−ジオン構造、アセチレン尿素構造、カプロラクタム構造、アルキレンカーボネート構造、リン酸エステル構造等が挙げられる。
【0033】
それらの中でも、コストおよび性能の面から、アルキレン(チオ)尿素構造、オキサゾリドン構造、ピロリドン構造、スルホラン構造、アミド構造、スルホン構造が比較的に好ましい。例えば、アルキレン(チオ)尿素構造の一種であるN,N’−ジメチル−エチレン尿素構造は、高い双極子モーメント(4.1debye)を持ち、結晶性が低く、且つ機械的強度と耐熱性確保に有効な多官能(2官能以上)化が比較的に容易に行える構造である。
【0034】
また、本発明の有機重合体は、他成分を加えて、本発明の重合体の性質を大幅に変化させたり、新たな機能を付与したりすることも可能である。
【0035】
例えば、硫黄原子を有する重合性化合物を選択したり、硫黄原子を有する重合性化合物を共重合成分として新たに加えることによって、濡れ性、親水性、透明性等を維持しながら高い屈折率を付与したり、(メタ)アクリル酸等の重合性活性水素成分を配合することによって濡れ性、親水性、透明性等を維持しながら高い密着性等を付与したり、銀、リチウム等の金属、または(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の有機金属塩、またはヨウ素及びヨードニウム塩等を加えることによって、透明性は損なわれる場合があるものの、濡れ性、親水性を維持しながら抗菌性を付与したりすること等、新たな機能を付与することも容易に可能である。
【0036】
次に、本発明の有機重合体に於て、より好ましい結果を与え易い特定構造のアルキレン(チオ)尿素構造を持つ新規な重合性化合物について述べる。
【0037】
即ち、本発明の新規な重合性化合物とは、〔5〕、〔6〕、または〔7〕に記載した化合物である。
【0038】
〔5〕、〔6〕、または〔7〕に記載した部分構造式(A)、式(B)、及び式(F)のA1〜A6はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜6の直鎖(分岐)状アルキル基を表す。重合性化合物及び重合性組成物の粘度等の面からは水素または炭素数1〜3直鎖(分岐)状のアルキル基が好ましく、水素またはメチル基であればより好ましい場合がある。A1〜A6は芳香環等の環状構造は含まず、さらに何れか同士が結合して環構造は形成しない。環構造を有した形態では、重合性化合物自身が結晶化し易くなったり、粘度が高くなったり、溶解性が低下したり、不具合を生じる場合がある。
【0039】
また、必要に応じて、問題のない範囲で、炭素数1〜6のアルキル基中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよいし、水素原子の一部または全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。但し、ヘテロ原子が含まれる場合、加水分解を受け易いヘミアセタール型は含まない方が望ましい。
【0040】
部分構造式(A)〜式(D)、及び式(F)記載のX1〜X5は、独立してO又はSを表し、何れかの選択は、目的応じて適時選択される。合成の容易さ及びコストの面からはOのほうが比較的に好ましい傾向にある。
【0041】
部分構造式(A)、式(B)、及び式(F)のlは0〜2の整数を表し、基本的に0(5員環)でも、1(6員環)でも、2(7員環)でも構わないが、溶解性、結晶性、コスト、または合成の容易さ等の面から、0または1の場合が比較的に好ましく、0であればより好ましい場合がある。
【0042】
部分構造式(A)または部分構造式(B)に結合される重合性官能基{チオエポキシ基、アリルチオ−カルボニル基、アリルオキシカルボニル基、メルカプト基、グリシジルチオ基、(メタ)アクリロイルチオ基、部分構造式(C)〜(E)}は、それぞれ独立して、一個以上または2個以上であればよい。コスト及び合成の容易さ等の面から、これら重合性官能基の結合数は、1分子中に1〜6個の範囲が好ましく、1〜4個であればさらに好ましい場合がある。
【0043】
これらの重合性官能基に於いて、光重合反応性の高さから言えば、(メタ)アクリロイルチオ基、アリルチオ−カルボニル基、アリルオキシカルボニル基、部分構造式(C)、または部分構造式(D)が比較的に好ましく、(メタ)アクリロイルチオ基または部分構造式(C)であればより好ましい傾向にある。
【0044】
また、熱重合反応性の高さから言えば、メルカプト基、チオエポキシ基、(メタ)アクリロイルチオ基、アリルチオ-カルボニル基、アリルオキシカルボニル基、部分構造式(C)、または部分構造式(D)が比較的に好ましい。
【0045】
本発明に係わる部分構造式(E)の重合性官能基は、重合反応性が比較的に低い傾向にある。
【0046】
本発明の新規な重合性化合物に於て、部分構造式(A)または部分構造式(B)に結合される重合性官能基以外に、結合鎖等がある場合、その部分構造は、例えば、アルキレン、アルキレンオキシ、ポリ(アルキレンオキシ)、アルキレンチオ、ポリ(アルキレンチオ)、フルオロアルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、アリールアルキレン等の有機共有結合体が好ましい。溶解性、透明性、耐侯性、及び合成の容易さ等の面からは、アルキレン、アルキレンオキシ、ポリ(アルキレンオキシ)、アルキレンチオ、ポリ(アルキレンチオ)等が比較的に好ましい。
【0047】
それらは、それぞれ単独でも、2種以上であってもよく、直鎖状でも分岐状でもよい。但し、本発明が、これらの有機結合体にのみに限定されるものではない
【0048】
部分構造式(B)と部分構造式(F)を持つ重合性化合物の場合、各々は独立しており、例えば、部分構造式(B)が5員環の場合に、部分構造式(F)は5員環である必要はなく、6員環、または7員環等であっても一向に差し支えない。
【0049】
部分構造式(B)記載のR1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、または部分構造式(C)〜部分構造(F)の何れかである。
【0050】
炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、独立して直鎖状でも分岐状でもよいが、重合性化合物及び重合性組成物の粘度等の面からは、炭素数1〜3の範囲が好ましい。
【0051】
また、必要に応じて、問題のない範囲で、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基中に、さらに酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよいし、水素原子の一部または全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。但し、ヘテロ原子が含まれる場合、加水分解を受け易いヘミアセタール型は含まない方が望ましい。
【0052】
部分構造式(B)記載のmおよびnは、それぞれ独立して0〜10の整数を表すが、1〜6であれば比較的に好ましく、1〜3であればさらに好ましい。
【0053】
同様にMおよびNは、それぞれ独立して1〜10の整数を表すが、1〜3であれば比較的に好ましく、1〜2であればさらに好ましい。
【0054】
部分構造式(C)〜式(E)記載のA7及びA8は水素またはメチル基を表すが、必要に応じて、問題のない範囲で、水素原子の一部または全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0055】
式(F)記載のR7は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、または炭素数2〜12のアルキルチオアルキル基を表し、R8、R9はそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアルキルチオ基を表す。
【0056】
式(F)記載のR7が、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基またはアルキルチオアルキル基の場合、それらは独立して直鎖状でも分岐状でもよいが、重合性化合物及び重合性組成物の粘度等の面からは、炭素数は1〜3の範囲が好ましい場合がある。
【0057】
さらに、式(F)記載のR8またはR9の何れかまたは両方が、炭素数1〜6アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基の場合、同様に、直鎖状でも分岐状でもよいが、炭素数は1〜3の範囲が好ましい場合がある。
【0058】
また、式(F)記載のR7〜R9は、必要に応じて、問題のない範囲で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよいし、水素原子の一部または全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。但し、ヘテロ原子が含まれる場合、加水分解を受け易いヘミアセタール型は含まない方が望ましい。
【0059】
式(F)記載のqは1〜6の整数を表し、rは0〜3の整数の整数を表す。合成の容易さからは、qが2〜3で、rが1の場合が比較的に好ましい。
【0060】
このように、本発明の新規な重合性化合物に於ては、必要に応じて、問題のない範囲で、化合物を構成する水素原子の一部または全部が、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0061】
以上の通り、本発明の新規な重合性化合物について詳細に説明してきたが、より判り易くする為に、以下に代表的な重合性化合物を例示する。但し、本発明がこれらの列記化合物のみに限定されるものではない。例えば、下記の表に示される化合物等が挙げられる。なお、表中の化合物はそれぞれ表の前に記載の構造式の両方に対応するものである。
【0062】
【化13】
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【化14】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【化15】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【化16】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
また、問題のない範囲で、水素原子の一部または全部が、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよく、単独でも2種以上の混合して用いてもよい。
【0075】
本発明の重合性化合物は、Methoden der Organischen Chemie (1971,Vierte Auflage Herausgegeben von Eugen Muller)、及び新実験化学講座(1975,日本化学会)等の有機合成の総書に記載されているような一般的な反応を数多く利用して合成される。
【0076】
例えば、以下のような代表的な化合物群を、例に挙げて説明する。
ほぼ同様の反応となるルートは、同じ番号でまとめた。
【0077】
【化17】
【0078】
(1)はアミン類または尿素類のアルキル化反応で、例えば、アルキルハライド、アルキレンカーボネート、アルキレンオキサイド、ヒドロキシアルキルハライド、ヒドロキシアルキルスルホネート等を用いる方法が一般的である。
【0079】
また、アミン類または尿素類のアルキル化の他に、(チオ)ホスゲンに代表されるような電子吸引基を持つ(チオ)カルボニル類、ジクロロエタン、エタンジベンゼンスルフォネートに代表されるような電子吸引基を持つアルカン類等にアルキルアミン等を反応させてアルキル(チオ)尿素類またはアルキルアミン類を合成してもよい。
【0080】
因みに、メルカプトアルキル化を行う場合、ヒドロキシ基をメルカプト基に変換する以外に、例えば、アルキレンジチオカーボネート、アルキレンスルフィド、メルカプトアルキルハライド、メルカプトアルキルスルフォネート、メルカプトアルキルアミンを用いる方法等が挙げられる。
【0081】
選択性を向上させる目的で、ヒドロキシ基又はメルカプト基を、アセチロキシ基、ベンゾキシ基、ベンジロキシ基、アセチルチオ基、ベンゾチオ基、ベンジルチオ基等の保護基に予め変換したものを使用し、後で加水分解、還元等の脱保護基反応よって所望の化合物を合成してもよい。
【0082】
(2)は、(1)で合成されたアルキルアミン類、またはアルキル(チオ)尿素類を閉環して、アルキレン(チオ)尿素環を形成する反応である。
【0083】
アルキルアミン類を閉環する場合、アルキレン基の長さによってアルキレン(チオ)尿素環の員環数が決まり、短すぎても長すぎても収率が低下する傾向にある。好ましくはアルキレン部分を構成する置換または無置換のメチレン構造で2〜4の範囲が比較的に好ましく、2〜3であればさらに好ましい。
【0084】
このアルキルアミン類の閉環は、通常、炭酸ガス、二硫化炭素、(チオ)ホスゲン、アルキレン(アリーレン)カーボネート類、(チオ)尿素等が用いられる。
【0085】
もう一方のアルキル(チオ)尿素類を閉環方法に於いては、通常、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−エタンジベンゼンスルフォネート(5員環)、1,2−ジブロモプロパン(5員環)、1,3−ジブロモプロパン(6員環)、1,4−ジヨードブタン(7員環)等に代表されるような電子吸引基を持つアルカン類等が用いられる。
【0086】
例えば、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−エチレン尿素合成する場合、(1)で得られたN,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミンに尿素を反応させて閉環させるといった方法等が挙げられる。
【0087】
上記の閉環反応温度は、(チオ)ホスゲン等に代表される電子吸引基を持つ(チオ)カルボニル類の場合と、単純な(チオ)尿素等の場合では異なる。例えば、尿素類を反応させる場合は、凡そ0〜300℃で、100〜250℃であれば好ましく、150〜230℃であれば更に好ましい。
【0088】
アルキレンチオ尿素構造体を合成する場合、ここで尿素の代わりにチオ尿素が用いられる。
【0089】
(3)はビス(2−ハロゲノエチル)アミン・ハロゲン化水素塩とアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩等を反応させて、N−(2−ハロゲノエチル)−2−オキサゾリドンを合成するルートである。
【0090】
ここで、ビス(3−ハロゲノプロピル)アミン・ハロゲン化水素塩を用いた場合、6員環のN−(3−ハロゲノプロピル)−オキサジナン−2−オンが得られる。
【0091】
ここでの反応温度は、凡そ20〜100℃の範囲で、30〜60℃であればより好ましい結果を与える場合がある。
【0092】
(4)は、(3)で得られた2−オキサゾリドン類、オキサジナン−2−オン類等の異種環構造化合物類にアミン類を反応せしめて、目的とするアルキレン(チオ)尿素構造を合成する反応である。
【0093】
例えば、N−(2−ハロゲノエチル)−2−オキサゾリドンに2−ヒドロキシエチルアミンを反応させた場合、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレン尿素が得られ、過剰の3−アミノ−1,2−プロパンジオールを反応させた場合、N−ヒドロキシエチル−N’−{2,3−ビス(ヒドロキシ)プロピル}−エチレン尿素が得られる。
【0094】
ここでの反応温度は、凡そ0〜250℃で、30〜200℃であれば好ましく、60〜150℃であれば更に好ましい。
【0095】
これ以外のオキサゾリドンを出発原料とする代表的な別法としては、N−ハロゲノエチル−2−オキサゾリドンにハロゲノアルキルイソシアナート類を反応させて本発明の中間体となるN−ハロゲノエチル−N’−ハロゲノアルキル(又はアリール)−エチレン尿素を合成(特公昭41−14991号公報)するといった方法も知られている。
【0096】
(5)は、ヒドロキシ基のメルカプト基への変換反応である。
一般的には、ヒドロキシ基を、例えば、塩化チオニル、塩化スルフリル、五塩化リン、三臭化リン、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、トシルクロライド等の試剤を用いて、ヒドロキシ基をハロゲンまたはスルホネート等の電子吸引基に変換する。
【0097】
次いで、例えば、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物を反応させたり、チオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩とし加水分解したり、チオ硫酸ナトリウム等を反応させてブンテ(Bunte)塩とし、加水分解したり、N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸アルカリ金属塩を反応させて加水分解したり、ジチオ炭酸O−アルキルアルカリ金属塩を反応させ加水分解したり、グリニヤード(Grignard)試薬を反応させた後、硫黄を反応させ、最後に加水分解または還元したり、一旦チオール類を反応させてスルフィド類を合成し、次いでアルカリ金属等によって開裂させたりするといった方法等が用いられる。
【0098】
これらの中では、イソチウロニウム塩を経由する方法が比較的に好ましく用いられる。
【0099】
例えば、N−メルカプトエチル−N’−{1,3−ジメルカプト−2−プロピル}−エチレン尿素を合成する場合、(4)で得られたN−ヒドロキシエチル−N’−{2,3−ジヒドロキシ−プロピル}−エチレン尿素とクロロベンゼンの混合液に、三臭化リンを50〜132℃で反応させて得られたN−ブロモエチル−N’−{2,3−ジブロモ−プロピル}−エチレン尿素に、チオ尿素、水を加えて、60℃〜還流下(105℃)で反応させイソチウロニウム塩化し、冷却後、25%アンモニア水または抱水ヒドラジンを加えて40〜80℃で加水分解するといった方法等が挙げられる。
【0100】
また、ヒドロキシ基を直接メルカプト基にする場合、例えば、塩酸等の鉱酸存在下でチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩を合成し、加水分解する方法、直接硫化水素を反応させる方法、五硫化リンを反応させる方法等が挙げられる。
【0101】
例えば、三臭化リン等でハロゲン化を行わず、同様にN−メルカプトエチル−N’−{1,3−ジメルカプト−2−プロピル}−エチレン尿素を合成する場合、N−ヒドロキシエチル−N’−{2,3−ジヒドロキシ−プロピル}−エチレン尿素に、チオ尿素、塩酸水、触媒量の濃硫酸を加えて、還流下(100〜110℃)で充分に反応させ、冷却後、25%アンモニア水または抱水ヒドラジン等の塩基水を加えて40〜80℃で加水分解するといった方法等が挙げられる。
【0102】
(6)はエポキシ基を導入する反応である。エポキシ基を導入する場合、ヒドロキシ体またはチオール体にエピハロヒドリンを反応させてハロヒドリン体とし、次いで塩基で閉環してエポキシ化する方法が一般的である。これらの反応は、通常二段階で行われるが、付加反応と閉環反応を同時に一段階で行っても良い。
【0103】
別法として、相当するアリル基に代表されるようなオレフィン類を、過酸化水素、有機化酸化物、空気等によって直接酸化する方法、水溶液中でハロゲン化してハロヒドリンを合成し、次いで塩基で閉環する方法等が知られる。
【0104】
(7)はチオエポキシ基を導入する反応である。
例えば、エポキシ基をチオエポキシ基変換する場合、相当するエポキシ基に、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸アルカリ金属塩を反応させる方法、チオ尿素類を反応させる方法、アリール(またはアルキル)ホスフィン酸スルフィドを反応させる方法等が一般的である。
【0105】
これらエポキシ基をチオエポキシ基に変換する反応の中では、相当するエポキシ基に、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸アルカリ金属塩を反応させる方法、またはチオ尿素類を反応させる方法が比較的に好ましい。
【0106】
別法として、エポキシ基の中間体となるハロヒドリン体に、同様にチオシアン酸アルカリ金属塩またはチオ尿素類を反応させた後、塩基で閉環する方法、相当するアリル基に代表されるようなオレフィン類にハロゲン化硫黄、アリール(またはアルキル)チオスルフェニルハライド類、チオシアン酸ハライド類を反応させる方法等も挙げられる。
【0107】
例えば、N−(チオグリシジルチオエチル)−N’−{1,3−ビス(チオグリシジルチオ)−2−プロピル}−エチレン尿素を合成する場合、(5)で得られたN−メルカプトエチル−N’−{1,3−ジメルカプト−2−プロピル}−エチレン尿素に触媒量のトリエチルアミンを加えた混合液に、内温10〜40℃でエピクロルヒドリンを滴下反応させてハロヒドリン体とし、次いで苛性ソーダを内温20〜50℃で同様に滴下反応させて、エポキシ体であるN−(グリシジルチオエチル)−N’−{1,3−ビス(グリシジルチオ)−2−プロピル}−エチレン尿素を得る。
【0108】
次いで、得られたN−(グリシジルチオエチル)−N’−{1,3−ビス(グリシジルチオ)−2−プロピル}−エチレン尿素とメタノールの混合液に、チオ尿素を加え、10〜40℃で反応させるといった方法等が挙げられる。
【0109】
(8)は(チオ)エポキシ基を開環する反応である。
具体的には、(チオ)エポキシ基にアルコール類、チオール類、カルボン酸類、1級または2級アミン類等の活性水素化合物類を反応させて開環し、ヒドロキシ化合物(メルカプト化合物)に変換するものである。
【0110】
この際、3級アミン、4級アミンハロゲライド、4級アミンヒドロキシド、ホスフィン類、有機金属塩、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩等、アルカリ金属トリフラート塩、金属ハロゲン塩、金属酸化物、金属アルコキシラート、三フッ化ホウ素エーテル錯体、その他有機・無機酸等の一般的な(チオ)エポキシ開環触媒を加えた場合、好ましい結果を与える場合がある。
【0111】
(9)は(メタ)アクリル酸ハライド、アリルハロゲノフォーメート等の重合性不飽和基を有する酸ハロゲライドまたはハロゲノクロロフォーメートを反応させる反応である。
【0112】
例えば(チオ)アクリレート体を合成したい場合、ヒドロキシ基(またはメルカプト基)にアクリル酸クロライドを反応させる。
【0113】
別法として、例えば、一旦クロロプロピオン酸ハライドを反応させてクロロプロピオン酸(チオ)エステルとし、次いで三級アミン等の塩基類を加えて脱ハロゲン化水素行い(チオ)アクリレート体にするといった2段法でも良い。
【0114】
例えば、N−アクリロイルオキシエチル−N’−{2,3−ビス(アクリロイルオキシ)プロピル}−エチレン尿素を合成する場合、(4)で得られたN−ヒドロキシエチル−N’−{2,3−ジヒドロキシ−プロピル}−エチレン尿素に、20〜50℃でアクリル酸クロライドを滴下反応させるといった方法等が挙げられる。
【0115】
尚、チオ(メタ)アクリレート体を合成する場合、(5)のメルカプト体を出発原料として用いるが、メルカプト基のマイケル付加反応が起こり易い為、別法として記載した2段法の方が比較的に好ましい。
【0116】
(10)のアリルカーボネート等を合成する場合も同様で、(メタ)アクリル酸ハライドの代わりに、アリルアルコールとホスゲン等から合成されるアリルクロロフォーメート、同様にsec−ブチニルクロロフォーメート、ビニルクロロフォーメート、またはイソプロペニルクロロフォーメート等を反応させる。
【0117】
チオカーボネート体にしたい場合は、これらのクロロフォーメート類をチオール体と反応させるか、またはアリルチオール、sec−ブチニルチオール、ビニルチオール、またはイソプロペニルチオールにホスゲンを反応させてチオクロロフォーメート体とし、これをヒドロキシ体と反応させる。
【0118】
さらに、ジチオカーボネートの場合はチオール体とチオクロロフォーメート類、トリチオカーボネートの場合はチオホスゲンから合成したジチオクロロフォーメートとチオール体を反応させる。
【0119】
これらの反応温度は、凡そ−50〜200℃で、−20〜150℃であれば好ましく、0〜100℃であれば更に好ましい。
【0120】
例えば、N−アリルチオカーボネートエチル−N’−{1,3−ビス(アリルチオカーボネート)−2−プロピル}−エチレン尿素を合成する場合、(5)で得られたN−メルカプトエチル−N’−{1,3−ジメルカプト−2−プロピル}−エチレン尿素、トリエチルアミン、溶媒トルエンの混合液に、10〜30℃でアリルクロロフォーメートを滴下反応させるといった方法等が挙げられる。
【0121】
本発明に係わるアルキレン(チオ)尿素構造に於て、アルキレンチオ尿素構造となる化合物を合成する方法としては、先に一部記載したが、例えば、尿素の代わりにチオ尿素、エチレン尿素の代わりにエチレンチオ尿素、ホスゲンの代わりにチオホスゲンを用いる方法、さらにはアルキレン尿素構造体に硫化水素、硫化ホウ素、五硫化リン、Lawesson試薬等の硫化剤を反応させるといった方法等が挙げられる。
【0122】
本発明に係わるアルキレン(チオ)尿素構造と重合性官能基を繋ぐ有機結合部分について、分岐構造としたい場合、分岐された原料を用いる方法が比較的に容易である。
【0123】
例えば、N,N’−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2,2−ジメチル−1−プロピル)−4−メチルイミダジリジノンを合成する場合、1,2−ジアミノプロパンに3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−1−ブロマイドを反応させた後、尿素で閉環し、メタクリレート化反応を行うといった方法等が挙げられる。
【0124】
また、有機結合部分についてさらに結合手を伸ばしたい場合、様々な方法が可能であるが、例えば、(1)、(2)、(4)、または(5)で得られたヒドロキシ体またはメルカプト体に、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和基を有する活性水素化合物類、アルキレンカーボネート、アルキレンオキサイド、アルキレンスルフィド、ヒドロキシアルキルハライド、ヒドロキシアルキルスルホネート、エピハロヒドリン等を反応させるといった方法、メルカプト体に一旦ハロゲンを反応させてチオハロゲライドとし、次いで不飽和化合物を反応させるといった方法等が挙げられる。
【0125】
例えば、N,N’−ビス(5−アクリロイルチオ−3−チアペンチル)−エチレン尿素を合成する場合、2−メルカプトエタノールに苛性ソーダ加えた造塩マスに、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−エチレン尿素を臭素化して得られたN,N’−ビス(ブロモエチル)−エチレン尿素にを滴下反応させて、N,N’−ビス(5−ヒドロキシ−3−チアペンチル)−エチレン尿素を合成する。
【0126】
次に、チオ尿素を反応させてN,N’−ビス(5−メルカプト−3−チアペンチル)−エチレン尿素とし、次いでクロロプロピオン酸クロライドを反応させてクロロプロピオン酸チオエステル体とした後、最後に3級アミン等の塩基を加えて脱塩酸反応を行うといった方法等が挙げられる。
【0127】
また本発明の新規な重合性化合物に、フッ素原子等のハロゲン原子を導入したい場合、既にハロゲン化された原料を用いる方法、窒素で希釈されたフッ素ガス、フッ化水素、塩化水素、フッ化カリウム、ヨウ化カリウム、ジエチルアミノサルファートリフルオライド、2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン、塩化チオニル、三臭化リン、塩化ヨウ素等のハロゲン化剤を用いる方法等が比較的に容易な方法である。
【0128】
以上の反応において、各々の反応速度を向上させる目的で、硫酸,塩酸、燐酸、酢酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミ、アルミナ、ジブチル錫ジオキサイド、ジブチル錫ジラウレート、テトラブチル錫等の酸触媒、トリエチルアミン、ピリジン、トリエタノールアミン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、蟻酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、t−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム等の塩基性触媒等を、問題の無い範囲で必要な量だけ使用してもよい。
【0129】
同様に反応溶媒は、各々の反応に於て異なってくるが、基本的に反応基質や反応試剤、生成物、又は触媒等と反応しない溶媒であれば、何れの溶媒を使用しても良いが、比較的によく用いられる溶媒をとしては、例えば、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、THF、ジオキサン、グライム、ジグライム、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルエチレン尿素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メタノール、水等が挙げられる。
【0130】
本発明の〔8〕記載の重合性組成物とは、〔5〕、〔6〕、または〔7〕記載の新規な重合性化合物を、少なくとも1種以上含むものである。
【0131】
特に、濡れ性の向上には、〔5〕、〔6〕、または〔7〕記載の新規な重合性化合物の単独重合による有機重合体よりも、共重合成分を加えた組成物による有機(共)重合体の方が好ましい傾向にある。共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル基、アリルカーボネート基、アリル基、イソプロペニル基、ビニル基、(チオ)エポキシ基、イソ(チオ)シアナート基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アミノ基等の重合性官能基を有する化合物等が挙げられるが、中でも(メタ)アクリル基、アリルカーボネート基、アリル基、イソプロペニル基、ビニル基を有する重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合により好ましい結果を与える場合がある。
【0132】
さらに好ましい共重合成分としては、分子内に双極子モーメントの大きな極性構造を持つ重合性化合物であり、双極子モーメント3debye以上の非プロトン性極性構造を持つ有機重合体であれば尚好ましい。元素的には、例えば、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子等ヘテロ原子が効果的で、構造的には、例えば、アルキレン(チオ)尿素構造、オキサゾリドン構造、ピロリドン構造、ラクトン構造、スルトン構造、スルホラン構造、アミド構造、アルキル(チオ)尿素構造、スルホン構造、スルホキシド構造、ピペラジン−2,3−ジオン構造、アセチレン尿素構造、カプロラクタム構造、アルキレンカーボネート構造、リン酸エステル構造等が効果的である。
【0133】
その中でも特に効果的な重合性化合物としては、例えば、アルキレン(チオ)尿素構造、オキサゾリドン構造、ピロリドン構造、スルホラン構造、アミド構造、スルホン構造を有する重合性化合物が挙げられる。
【0134】
共重合成分を、化合物名を挙げてより具体的に説明するならば、例えば、スチレン、イソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼンエチレングリコールジアリルカーボネート、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、グリシジルメタクリレート、イソシアナトメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチル−ベンジルイソシアナート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、アリルアルコール、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}−ベンゼン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−ベンゼン、2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシ−エチルオキシ−エチルオキシ−フェニル}−プロパン、2,2−ビス{(メタ)アクリロイルオキシ−エチルオキシ−フェニル}−プロパン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−シクロヘキサン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−トリシクロ[5.2.1.0.26]デカン、トリメチロールプロパントリス{(メタ)アクリレート}、N,N’,N’’−トリス(アリル)−イソシアヌレート、N,N’,N’’−トリス{(メタ)アクリロイルオキシ−エチル}−イソシアヌレート、
【0135】
N−メチル−N’−ビニル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−ビニル−エチレン尿素、N,N’−ジビニル−エチレン尿素、
N−メチル−N’−アリル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−アリル−エチレン尿素、N,N’−ジアリル−エチレン尿素、
N−メチル−N’−アリルオキシカルボニル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−アリルオキシカルボニル−エチレン尿素、N,N’−ビス(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素、
N−メチル−N’−(メタ)アクリロイル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−(メタ)アクリロイル−エチレン尿素、N,N’−ジ(メタ)アクリロイル−エチレン尿素、
N−メチル−N’−アリルオキシカルボニルオキシエチル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−アリルオキシカルボニルオキシエチル−エチレン尿素、
N,N’−ビス(アリルオキシカルボニルオキシエチル)−エチレン尿素、
N−メチル−N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素、N−メトキシエチル−N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素、N,N’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシエチル}−エチレン尿素、
【0136】
1−メチル−3−ビニル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−ビニル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ジビニル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
1−メチル−3−アリル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−アリル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ジアリル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
1−メチル−3−アリルオキシカルボニル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−アリルオキシカルボニル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ビス(アリルオキシカルボニル)−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
1−メチル−3−(メタ)アクリロイル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−(メタ)アクリロイル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ジ(メタ)アクリロイル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
1−メチル−3−アリルオキシカルボニルオキシエチル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−アリルオキシカルボニルオキシエチル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ビス(アリルオキシカルボニルオキシエチル)−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
1−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1−メトキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチル−テトラヒドロ−2−ピロリジン、1,3−ビス{(メタ)アクリロイルオキシエチル}−テトラヒドロ−2−ピロリジン、
【0137】
N−ビニル−オキサゾリドン、N−アリル−オキサゾリドン、N−アリルオキシカルボニル−オキサゾリドン、N−(メタ)アクリロイル−オキサゾリドン、N−アリルオキシカルボニルオキシエチル−オキサゾリドン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−オキサゾリドン、
【0138】
N−ビニル−ピロリドン、N−アリル−ピロリドン、N−アリルオキシカルボニル−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイル−ピロリドン、N−アリルオキシカルボニルオキシエチル−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ピロリドン、
【0139】
N−ビニル−N−メチル−アセトアミド、N−アリル−N−メチル−アセトアミド、N−アリルオキシカルボニル−N−メチル−アセトアミド、N−(メタ)アクリロイル−N−メチル−アセトアミド、N−アリルオキシカルボニルオキシエチル−N−メチル−アセトアミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−メチル−アセトアミド、
【0140】
N,N−ジメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル−(メタ)ビニルアミド、N,N−ジメチル−(メタ)アリルアミド、N,N−ジメチル−(メタ)アリルオキシカルボニルアミド、
【0141】
N,N’−ジメチル−N,N’−ジビニル尿素、N,N’−ジメチル−N,N’−ジアリル尿素、ジビニルスルホン、ジアリルスルホン等が挙げられるが、本発明がこれらの例示化合物のみに限定されるものではない。
【0142】
その他に、所望する物性、特性、目的及び用途等に応じて、上記に記載した以外の重合性化合物、鎖延長剤、架橋密度向上剤、硬化剤、触媒、助触媒、光重合開始剤、光増感剤、遅延剤、重合防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、色素、塗料、顔料、染料、インク、感光剤、発光剤、香料、殺菌剤、バインダー、フィラー、ポリマー、充填剤、ガラス、金属、金属酸化物、有機金属、塩、増量剤、離型剤、界面活性剤、発泡剤、炭酸ガス、空気、不活性ガス、水、溶剤、不純物、添加剤、その他の有機・無機化合物等を必要に応じて問題のない範囲で任意に含んで良い。
【0143】
本発明の有機重合体は、重合性化合物または重合性組成物を重合して得られる。重合方法は、溶液重合とバルク重合が代表的である。本発明に係わる重合性化合物または組成物は溶液重合でも行えるが、溶媒の回収等煩雑な操作が要らないバルク重合が好ましく用いられる。
【0144】
バルク重合では、熱重合、放射線重合が代表的で、本発明に於ても、目的に応じて、これらの方法が適時選択される。
【0145】
放射線重合は、熱重合と比較して、化合物の種類・数等が限定されるが、重合そのものは極めて早く、場合によっては僅か数秒で終了する。また、太陽光等による簡便で広範囲な重合も可能で、工業的にも極めて価値の高い製造方法と言える。
【0146】
ここで、これらの重合方法の使用例について挙げるならば、例えば、大型の成型物の場合は熱重合が選択され易く、成型物が小型で短時間に製造したい場合は放射線重合が選択される傾向にある。また、外壁塗装等に代表されるような超大型塗装の場合は太陽光を用いた放射線重合が選択され易く、比較的小型の塗装等には熱重合と放射線重合が適時選択される傾向にある。
【0147】
本発明に係わる熱重合は、通常、本発明の重合性官能基を有する化合物またはそれを含む重合性組成物を加熱重合させる事によって行われる。加熱温度は、通常、室温から目的とするポリマーのTg以上点または凡そ300℃以下の範囲で行われるが、重合の進行にあわせて室温付近から徐々に昇温していってもよい。
【0148】
通常、熱重合する場合は、必要に応じて、ラジカル触媒、アニオン触媒、カチオン触媒等の熱重合触媒が加えられる。
【0149】
ラジカル触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0150】
アニオン触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチルピロリドン、ピペラジン、トリフェルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、2−ジメチルアミノエチル安息香酸イソアミル、2−ジメチルアミノエチル安息香酸−2−エチルヘキシル、酢酸ナトリウム、燐酸カリウム、ナトリウムメトキシド等が挙げられる。
【0151】
カチオン重合触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、燐酸、酢酸、プロピオン酸、ジブチル錫ジオキサイド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、テトラブチル錫、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、テトラエトキシチタン、チタンオキサイド、酸化アルミ、フッ化アルミ等が挙げられる。
【0152】
これら熱重合触媒の添加量は、重合性化合物及びそれを含む組成物の種類によって大きく異なるため特に限定できないが、本発明の重合性化合物または組成物に対して凡そ0.0001〜10wt%の範囲が好ましく、0.001〜5wt%の範囲であればさらに好ましい。
【0153】
本発明に係わる放射線は、400〜800nmの可視光、400nm以下の紫外線、及び電子線が挙げられ、通常、装置が高価な電子線よりも、比較的に安価な紫外線または可視光線が好ましく用いられる。
【0154】
但し、紫外線または可視光線が透過しない場合等には、電子線が極めて効果的である。
【0155】
例えば、紫外線を用いて重合する場合、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、パルスキセノンランプ、紫外線レーザー、無電極放電ランプ等の光源が好ましく用いられる。
【0156】
本発明に係わる放射線重合は、本発明の重合性化合物または組成物に放射線を照射して行われる。必要に応じて熱重合と併用してもよい。
【0157】
また触媒は、光重合開始剤以外に、上記の熱重合で用いられるラジカル触媒、アニオン触媒、カチオン触媒等を併用してもよい。
【0158】
電子線重合の場合は、触媒を必要としない場合もあるが、問題のない範囲で加えても良い。
【0159】
光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤、光アニオン発生剤、光カチオン発生剤等が挙げられるが、光ラジカル発生剤、光カチオン発生剤が好ましく用いられる。
【0160】
光ラジカル発生剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリルプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アリルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド−3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、1−フェニル1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ジベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、ジベンズスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4’’−ジエチルイソフタロキノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0161】
添加量は、重合性化合物及び重合性組成物の種類によって大きく異なるため特に限定できないが、本発明の重合性化合物または組成物に対して凡そ0.0001〜10wt%の範囲が好ましく、0.001〜5wt%の範囲であればさらに好ましい。
【0162】
光カチオン発生剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、ブレンステッド酸のオニウム塩又は鉄芳香族化合物塩等が挙げられるが、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、ブレンステッド酸の鉄芳香族化合物塩が好ましく用いられる場合が多い。
【0163】
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアレセニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモニウム塩、ジフェニルヨードニウム四フッ化ホウ素塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアレセニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモニウム塩等が挙げられる。また、フリーラジカルも発生する芳香族スルホニウム塩の改良型として市販されている商品名「Cyracure UVI−6974」(UCC)、「Cyracure UVI−6990」(UCC)、「オプトマー SP150」(旭電化工業)、「オプトマー SP170」(旭電化工業)等も挙げられる。
【0164】
ブレンステッド酸の鉄芳香族化合物塩としては、商品名「CG24−061」(Ciba Geigy)が挙げられる。
【0165】
これらの添加量は、重合性化合物及び重合性組成物の種類によって大きく異なるため特に限定できないが、本発明の重合性化合物または組成物に対して凡そ0.0001〜10wt%の範囲が好ましく、0.001〜5wt%の範囲であればさらに好ましい。
【0166】
一方、例えば、光開始剤と熱重合触媒を併用した可視光重合に於いて、所望の重合速度が得られない場合、カンファーキノン等の光増感剤を加えると効果的な場合がある。
【0167】
本発明の有機重合体及びそれを含む成形体は、親水性が高く水に濡れやすい。従って、汚染物質として残ってしまう一般的な水不溶成分、外気疎水性物質、自動車及び工場排気ガス等によるコークス成分、皮脂、蛋白質等の親油性汚染物質等が付着したとしても、降雨、散水、涙等の水によって汚染物質を浮き上がらせ、脱離せしめる(セルフクリーニング)とともに、高湿度条件下での窓ガラス、鏡、農業用ビニールシート、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の水滴及び曇り、さらには室内内壁・内装等の結露も抑制される。当然、冷却フィン等での液滴形成及び汚染物質付着による熱交換効率低下を抑制する材料としても応用できる。
【0168】
水濡れ性が高く親水性である本発明の有機重合体は、水蒸気及び水等を容易に親和・保有し吸収し易く、例えば、砂漠緑地化または一般的な植物の成長促進等に用いられる保水材料、または廃水(液)吸収材料等へも応用できる。
【0169】
さらに、透明性が重要である眼鏡レンズ・コンタクトレンズ・カメラレンズ・ピックアップレンズ等の光学材料の分野に於いても、本発明の有機重合体は、防汚染性の他に、例えば、分散染料等による染色性とコンタクトレンズの装着感が向上する。
【0170】
このように、本発明の有機重合体およびそれを含む成形体は、防汚染(含塗装)材料(セルフクリーニング材料)、結露防止材料、吸水(液)料、光学材料等の分野に好適に用いられる。
【0171】
その他に、例えば、船底塗装材料、ガーゼ、救急絆創膏、オムツ等の体液吸収材、シップ等の外用貼付剤、芳香剤等の薬剤含有粘着材料、保冷剤用ゲル材料、道路凍結防止材料、コンクリート添加材料、(光)接着剤用材料、テープ用材料、光硬化歯科材料、ディスプレイ隔壁用材料、整髪剤添加剤、シャンプー・リンス・コンディショナー・ボディー洗浄剤等の界面活性剤用添加材料、界面活性剤、(光硬化)インク、(光硬化)塗材・コーティング材、印刷凸版用材料、インクジェット用インク添加材料、インクジェット用シート・コピー用紙用添加剤、(カラー)トナー用材料、磁気ディスク・磁気テープ用バインンダー、フォトレジスト用材料、フィルムレジスト用材料、超伝導材料マトリックス用材料、血液保存容器、プラスチック成型品用材料、硬化用重合性化合物等の様々な分野にも用いられる。
【0172】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに実施例のみに限定されるものではない。
【0173】
また、ポリマー合成時の一連の操作等は、特に断りがない限り、室温で行った。
水接触角の測定は、協和界面科学社製CA−X200型を用いた。
【0174】
実施例1
クロロエチルオキサゾリドン(以下CEOZと略す。)とN−メトキシエチル−N’−ヒドロキシエチル−エチレン尿素(MHEUと略す。)の合成
97%水酸化ナトリウム173.2g(4.20モル)、炭酸水素ナトリウム378.0g(4.50モル)と水1500mlを混合して均一溶液とした。
【0175】
次いでこの溶液に、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩750.0g(4.20モル)を、内温30〜35℃で0.5時間かけて分割装入し、40℃で4時間熟成した。得られた反応液にクロロホルム0.5Lを装入攪拌し、下層の有機層を採取した。上層の水層は、クロロホルム0.5Lで3回(計1.5L)有機成分を抽出した。これらのクロロホルム層を合わせて脱溶媒し、純度93.2%のCEOZ569.8g(3.55モル、純換収率=84.5%)を得た。
【0176】
得られたCEOZの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図1参照
13C−NMR → 図2参照
【0177】
次に、2−メトキシエチルアミン1350g(18.0モル)に、上記の純度93.2%のCEOZ568.0g(3.54モル)を還流下(93〜102℃)で1時間かけて滴下し、還流下(102〜105℃)で15時間熟成した。
【0178】
次いで、この反応液に、内温20〜35℃で38.7wt%水酸化ナトリウム水366.0g(3.54モル)を加えて中和し、エバポレーターにて水を除き、析出した塩を濾過にて除き酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液と洗液をまとめて再度エバポレーターで濃縮した。最後に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、純度99%のMHEUを471.5g(2.48モル、純換収率=70%)得た。
【0179】
得られたMHEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図3参照
13C−NMR → 図4参照
【0180】
実施例2
N−メトキシエチル−N’−メルカプトエチル−エチレン尿素(THEUと略す。)の合成
純度99%のN−メトキシエチル−N’−ヒドロキシエチル−エチレン尿素(MHEU)110.0g(0.579モル)に三臭化リン58.0g(0.214モル)を内温10〜40℃で滴下し、50℃で2時間熟成した。得られた反応液にクロロホルム200mlを加えて、内温60℃で水50mlを滴下した。室温まで冷却後、分液して、得られた有機層を減圧濃縮し、130.5gの粗N−メトキシエチル−N’−ブロモエチル−エチレン尿素(0.520モル、粗収率90%)を得た。
【0181】
この粗N−メトキシエチル−N’−ブロモエチル−エチレン尿素に、チオ尿素69.6g(0.914モル)、水300mlを加えて、還流下(100〜102℃)で3時間反応させた。40℃まで冷却後、28%安水148.0g(2.44モル)を40〜46℃で滴下し、55℃で3時間熟成した。
【0182】
室温まで冷却後、得られた反応液をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を、塩酸洗浄、重曹水洗浄、食塩水洗浄と順次洗浄を行い、減圧濃縮した。最後に得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度92%のTHEU68.0g(0.306モル、純換収率=52.9%/MHEU)が得られた。
【0183】
得られたTHEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図5参照
IR → 図6参照
【0184】
実施例3
N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−エチレン尿素(HEEUと略す。)とN,N’−ビス(メルカプトエチル)−エチレン尿素(DMEUと略す。)の合成
2−アミノエタノール1180.0g(19.3モル)に、純度93.2%のCEOZ568.0g(3.54モル)を105〜110℃で1時間かけて滴下し、110℃で3時間熟成した。冷却後、97%水酸化ナトリウム146.0g(3.54モル)と水220mlの水溶液を加えて濾過した後、濾液に無水硫酸マグネシウム加えて再び濾過した。濾液をシリカゲル充填塔に通過させメタノールで洗浄した。通過液と洗液(メタノール溶液)を併せて、減圧蒸留し、溶媒と過剰に使用した2−アミノエタノール等を留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度99%のHEEU469.4g(2.67モル、純換収率=75.4%)を得た。
【0185】
得られたHEEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図7参照
13C−NMR → 図8参照
【0186】
次に、純度99%のHEEU150.6g(0.856モル)とクロロホルム60mlの混合液に、三臭化リン168.0g(0.605モル)を内温45〜60℃で滴下し、50〜80℃で3時間熟成した。得られた反応液を室温まで冷却し、水30mlを滴下して過剰の三臭化リンを加水分解した。次いでクロロホルムと水を加えて水洗し、得られた有機層を減圧下で濃縮し、252.7gの粗N,N’−ビス(ブロモエチル)−エチレン尿素(0.842モル、粗収率98%)を得た。
【0187】
この粗N,N’−ビス(ブロモエチル)−エチレン尿素に、チオ尿素200.0g(2.63モル)、98%硫酸0.5ml、水250mlを加えて、還流下(105℃)で3時間反応させた。40℃まで冷却後、25%安水230.0g(3.38モル)を40〜50℃で滴下し、65℃で3時間反応した。
【0188】
室温まで冷却後、塩化ナトリウムを加え、この液をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を、塩酸洗浄、重曹水洗浄、塩化ナトリウム水洗浄と順次洗浄を行った後、減圧濃縮を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度95%のDMEU134.0g(0.617モル、純換収率=72.1%/MHEU)が得られた。
【0189】
得られたDMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図9参照
13C−NMR → 図10参照
【0190】
実施例4
N−メトキシエチル−N’−メタリロイルオキシエチル−エチレン尿素(以下MEMEUと略す。)の合成
純度99%のMHEU180.0g(0.947モル)、トリエチルアミン95.7g(0.947モル)とEDC(ジクロロエタン)240gの混合液に、内温5〜20℃でメタクリル酸クロライド99.0g(0.947モル)を1時間で滴下し、10〜22℃で1時間熟成した。この反応液に、EDC、水、35%塩酸を加えて洗浄し、上層の水層を廃棄した。得られた有機層をエバポレーターにて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。
【0191】
結果、純度97%のN−メトキシエチル−N’−メタリロイルオキシエチル−エチレン尿素(以下MEMEUと略す。)を197.1g(0.746モル、純換収率=78.8%)得た。
【0192】
得られたMEMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図11参照
13C−NMR → 図12参照
【0193】
実施例5
N−メトキシエチル−N’−アクリロイルチオエチル−エチレン尿素(ATEMUと略す。)の合成
純度99%のMHEU110.0g(0.579モル)に三臭化リン58.0g(0.214モル)を内温10〜40℃で滴下し、50℃で2時間熟成した。得られた反応液にクロロホルム200mlを加えて、内温60℃で水50mlを滴下した。室温まで冷却後、分液して、得られた有機層を減圧濃縮し、130.5gの粗N−メトキシエチル−N’−ブロモエチル−エチレン尿素(粗収率88%)を得た。
【0194】
このN−メトキシエチル−N’−ブロモエチル−エチレン尿素に、チオ尿素69.6g(0.915モル)、水300mlを加えて、還流下(100〜102℃)で3時間反応させた。40℃まで冷却後、28%安水148.0g(2.44モル)を40〜46℃で滴下し、55℃で3時間熟成した。
【0195】
室温まで冷却後、得られた反応液をクロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を、塩酸洗浄、重曹水洗浄、食塩水洗浄と順次洗浄を行った後、減圧濃縮を行い、粗N−メトキシエチル−N’−メルカプトエチル−エチレン尿素68.0g(粗収率=57.5%/MHEU)が得られた。
【0196】
この粗N−メトキシエチル−N’−メルカプトエチル−エチレン尿素68.0gに、クロロプロピオン酸クロライド43.2g(0.340モル)を、内温30〜40℃で滴下し40℃で3時間熟成した。
【0197】
次いでクロロホルム140mlを加えて、内温5〜15℃でトリエチルアミン61.9g(0.602モル)を1時間で滴下し、内温20〜30℃で1時間熟成した。
【0198】
この反応液に、クロロホルム850mlと水350mlを加えて抽出洗浄し、得られた有機層を、塩酸洗浄、水洗と順次行い、無水硫酸マグネシウムを加えて脱水後、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度95%のN−メトキシエチル−N’−アクリロイルチオエチル−エチレン尿素(ATEMU)65.5g(0.241モル、純換収率=41.6%/MHEU)を得た。
【0199】
得られたATEMUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図13参照
IR → 図14参照
【0200】
実施例6
N−メトキシエチル−N’−アリルチオカーボネートエチル−エチレン尿素(ATMEUと略す。)の合成
N−メトキシエチル−N’−メルカプトエチル−エチレン尿素(THEU)80.0g(0.392モル)、トリエチルアミン71.4g(0.705モル)、とトルエン200mlの混合液に、アリルクロロフォーメート85.0g(0.705モル)を内温3〜15℃で2時間かけて滴下し、10〜20℃で2時間熟成した。次いでクロロホルム400mlと水400mlを加えて、抽出分液し、有機層を水400mlで2回水洗した。次いでこの有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水濾過し、濾液をエバポレーターにて濃縮した。最後に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度94%のN−メトキシエチル−N’−アリルチオカーボネートエチル−エチレン尿素(以下ATMEUと略す。)105.6g(0.344モル、純換収率=87.8%/THEU)を得た。
【0201】
得られたATMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図15参照
13C−NMR → 図16参照
【0202】
実施例7
N−メトキシエチル−N’−アリルカーボネートエチル−エチレン尿素(ACMEUと略す。)の合成
N−メトキシエチル−N’−ヒドロキシエチル−エチレン尿素(MHEU)73.8g(0.392モル)、トリエチルアミン71.4g(0.705モル)、とトルエン200mlの混合液に、アリルクロロフォーメート85.0g(0.705モル)を内温3〜15℃で2時間かけて滴下し、10〜20℃で2時間熟成した。反応終了後、トルエンを500ml加えて、濾過し、濾液をエバポレーターにて濃縮した。最後に、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度93%のN−メトキシエチル−N’−アリルカーボネートエチル−エチレン尿素(ACMEU)100.4g(0.343モル、純換収率=87.5%/MHEU)を得た。
【0203】
得られたACMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図17参照
13C−NMR → 図18参照
【0204】
実施例8
N−メトキシエチル−N’−(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素(EPMEUと略す)の合成
純度99%のMHEU100.0g(0.526モル)、エピクロルヒドリン147.1(1.59モル)、ジメチルスルホキシド30gの混合液に、内温25〜40℃で、40%苛性ソーダ53.0g(0.530モル)を1時間かけて滴下し、40〜60℃で8時間熟成した。この反応液を濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮した。残渣にアセトニトリルを加えて濾過し、濾液を再度エバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度95%のN−メトキシエチル−N’−(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素(EPMEU)を69.0g(0.268モル、純換収率=51%/MHEU)得た。
【0205】
得られたEPMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図19参照
IR → 図20参照
【0206】
実施例9
N,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(MEEUと略す。)の合成
純度99%のHEEU200.0g(1.14モル)、トリエチルアミン232.7g(2.30モル)とアセトニトリル1000mlの混合液に、メタクリル酸クロライド240.4g(2.30モル)を5〜10℃で1時間かけて滴下し、10〜25℃で3時間熟成した。反応液を濾過後、濾液を酢酸にて中和し、p−メトキシフェノールを2.0g加えて30℃以下で減圧脱溶媒を行った。濃縮残渣をトルエンで希釈しもう一度濾過して得られた濾液を再度30℃以下で減圧脱溶媒した。最後に得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、濃縮段階でもう一度メトキシフェノールを2.0g加えて、純度97%のN,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(MEEU)を211.6g(0.661モル、純換収率=58.0%)得た。
【0207】
得られたMEEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図21参照
13C−NMR → 図22参照
【0208】
実施例10
N,N’−ビス(アリルカーボネートエチル)−エチレン尿素(ACEUと略す。)の合成
純度99%のHEEU100.0g(0.568モル)、トリエチルアミン116.4g(1.15モル)とアセトニトリル500mlの混合液に、アリルクロロフォーメート150.7g(1.25モル)を5〜10℃で1時間かけて滴下し、10〜25℃で5時間熟成した。反応液を濾過後、30℃以下で減圧脱溶媒を行った。濃縮残渣をトルエンで希釈しもう一度濾過して得られた濾液を再度30℃以下で減圧脱溶媒した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、純度94%のN,N’−ビス(アリルカーボネートエチル)−エチレン尿素(ACEU)を160.2g(0.440モル、純換収率=77.5%)得た。
【0209】
得られたACEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図23参照
13C−NMR → 図24参照
【0210】
実施例11
N,N’−ビス(アクリロイルチオ−エチル)−エチレン尿素(ATEEUと略す。)の合成
純度95%のDMEU100.0g(0.460モル)とアセトニトリル120mlの混合液に、クロロプロピオン酸クロライド128.5g(1.01モル)を40〜55℃で滴下して、液中を窒素で少しバブリングしながら40℃で6時間熟成した。室冷却後、トルエン200mlを加え、トリエチルアミン144.0g(1.42モル)を0〜10℃で滴下し、10℃〜15℃で5時間熟成した。
【0211】
この反応液に、水、食塩、クロロホルムを加えて抽出・洗浄し、得られた有機層を塩酸洗浄、水洗を順次行った後、メトキシフェノールを0.1g加えてエバポレーターにて20℃以下で溶媒を留去した。残った残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、濃縮段階でもう一度メトキシフェノールを0.4g加えて、純度98%のN,N’−ビス(アクリロイルチオ−エチル)−エチレン尿素(ATEEU)を80.0g(0.249モル、純換収率=54.1%)得た。
【0212】
得られたATEEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図25参照
13C−NMR → 図26参照
【0213】
実施例12
N,N’−ビス(アリルチオカーボネートエチル)−エチレン尿素(ATCEUと略す。)の合成
純度95%のDMEU100.0g(0.460モル)、トリエチルアミン100.0g(0.988モル)とアセトニトリル500mlの混合液に、アリルクロロフォーメート119.1g(0.988モル)を5〜10℃で1時間かけて滴下し、10〜25℃で5時間熟成した。反応液を濾過後、30℃以下で減圧濃縮を行った。濃縮残渣をトルエンで希釈し、もう一度濾過して得られた濾液を、再度30℃以下で減圧濃縮した。最後に得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、純度85%のN,N’−ビス(アリルチオカーボネートエチル)−エチレン尿素(ATCEU)を141.4g(0.321モル、純換収率=69.8%)得た。
【0214】
得られたATCEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図27参照
13C−NMR → 図28参照
【0215】
実施例13
N,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素(GTEUと略す。)の合成
純度95%のDMEU100.0g(0.460モル)に、49%水酸化ナトリウム水75.1g(0.920モル)を15〜25℃で1時間かけて滴下し20℃で0.5時間熟成した。引き続きエピクロルヒドリン85.1g(0.920モル)を30〜35℃で2時間かけて滴下し40℃で2時間熟成した。反応液にクロロホルムと水を加えて抽出洗浄し、得られた有機層をもう一度水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて濾過し、濾液をエバポレーターにて濃縮した。
【0216】
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、純度94%のN,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素(GTEU)を11.4g(0.034モル、純換収率=7.4%)得た。
【0217】
得られたGTEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図29参照
13C−NMR → 図30参照
【0218】
実施例14
N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)−エチレン尿素(HMEUと略す。)とN,N’−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−エチレン尿素(MMEUと略す。)の合成
エチレン尿素161.6g(1.88モル)、パラホルムアルデヒド128.5g(4.28モル/ホルムアルデヒドとして)、28wt%ナトリウムメチラートメタノール溶液2,3gとメタノール550mlを反応機に仕込み、55℃で5時間反応させ、反応液を減圧濃縮した。残渣を、アセトニトリルで再結晶して、純度92%のHMEU168.1g(1.06モル、純換収率=56.4%)を得た。
【0219】
次に、純度92%のHMEU100.0g(0.630モル)、トリエチルアミン138.5g(1.37モル)とアセトニトリル400mlの混合液に、メタクリル酸クロライド143.0g(1.37モル)を10〜30℃で1時間かけて滴下し、20℃で1時間熟成した。反応液を濾過後、濾液を中和し、p−メトキシフェノールを0.2g加えて30℃以下で減圧濃縮した。
【0220】
残渣にジクロロメタンと希塩酸を加えて抽出・酸洗を行い、引き続き得られた有機層を水で3回洗浄し、再び、p−メトキシフェノールを0.1g加えて30℃以下で減圧脱溶媒を行った。最後に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、濃縮段階でもう一度メトキシフェノールを0.1g加えて、純度94%のN,N’−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−エチレン尿素(MMEU)を58.0g(0.193モル、純換収率=30.6%)得た。
【0221】
得られたMMEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図31参照
13C−NMR → 図32参照
【0222】
実施例15
N,N’−ビス(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素(DGEEUと略す。)の合成
純度99%のHEEU500.0g(2.84モル)、エピクロルヒドリン1471(15.9モル)、ジメチルスルホキシド250gの混合液に、内温25〜40℃で、40%苛性ソーダ574g(5.74モル)を1時間かけて滴下し、40℃で8時間熟成した。この反応液を濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧濃縮した。残渣にアセトニトリルを加えて濾過し、濾液を再度エバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度95%のN,N’−ビス(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素(DGEEU)を146.0g(0.484モル、純換収率=17%/HEEU)得た。
【0223】
得られたDGEEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図33参照
IR → 図34参照
【0224】
実施例16
N,N’−ビス(チオグリシジルチオエチル)−エチレン尿素(TGEUと略す。)の合成
純度93%のN,N’−ビス(メルカプトエチル)−エチレン尿素(DMEU)600g(2.69モル)にトリエチルアミンを50g加えた混合液に、内温35〜45℃でエピクロルヒドリン550g(5.94モル)を滴下し、40〜55℃で7時間熟成した。さらに、この反応液に、42.9%苛性ソーダ560g(6.00モル)を内温25〜35℃で滴下し、25〜35℃で3時間熟成した。得られた反応液にクロロホルムと水を加えて水洗し、塩酸洗、水洗と順次行った後、エバポレーターにて減圧濃縮し、粗N,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素1012gを得た。
【0225】
得られた粗N,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素に、チオ尿素900g(11.8モル)とメタノール5000mlを加えて25〜30℃で4時間反応させ、反応液をエバポレーターにて減圧濃縮した後、クロロホルムと水を加えて水洗し、希硫酸洗、水洗と順次行った後、無水硫酸マグネシウムを加えて脱水した有機層をエバポレーターにて再度減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度99%のN,N’−ビス(チオグリシジルチオエチル)−エチレン尿素(TGEU)を380g(1.07モル、純換収率=40%/DMEU)得た。
【0226】
得られたTGEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図35参照
13C−NMR→ 図36参照
【0227】
実施例17
N,N’−ビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ−プロピル)−エチレン尿素(AHPIと略す。)の合成
反応フラスコに、エチレン尿素215.Og(2.50モル)、エピクロルヒドリン2313.0g(25.0モル)、トリメチルベンジルクロライド6.5gを装入し、加熱還流下(120℃)5時間反応させ、60℃まで冷却した。
【0228】
次いで、97%水酸化ナトリウムフレーク250.0g(6.0モル)を、様子を見ながら分割装入し、60〜80℃で1.5時間熟成した。
【0229】
室温まで冷却後、濾過し、得られた濾液をエバポレーターにて濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度93%のN,N’−ビス(グリシジル)−エチレン尿素(DGEU)を290.0g(1.36モル、純換収率=54%/エチレン尿素)得た。
【0230】
次に、得られた純度93%のDGEU105.3g(0.494モル)と、トリメチルベンジルクロライド5.0gの混合液を60℃まで昇温し、内温を保持しながらクロロプロピピオン酸108.5g(1.00モル)を滴下し、65〜90℃で1.5時間熟成した。反応液を5℃まで冷却後、トリエチルアミン101.2g(1.00モル)を5〜10℃で滴下し、20〜30℃で1時間熟成した。
【0231】
得られた反応液を塩酸で中和し、無水硫酸マグネシウムを加えて脱水後、濾過した。最後に濾液をエバポレーターにて濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度92%のN,N’−ビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ−プロピル)−エチレン尿素(AHPI)を31.0g(0.098モル、純換収率=20%/DGEU)得た。
【0232】
得られたAHPIの同定データは以下の通りである。
13C−NMR → 図37参照
IR → 図38参照
【0233】
実施例18
N,N’−ビス{6−(N−メチル−イミダゾリジノニル−N’−)−2−(メタクリロイルオキシ)−4−チアヘキシル}−エチレン尿素(S−3Iと略す。)の合成
クロロエチルオキサゾリドンとメチルアミンから合成したN−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレン尿素50.0g(0.347モル)とクロロベンゼン50mlの混合液に、三臭化リン36.5g(0.121モル)を内温30〜60℃で滴下し、60〜70℃で1時間熟成した。次いで、チオ尿素50.0g(0.657モル)と水50mlをくわえて、加熱還流下(95〜96℃)で3.5時間反応させた。40℃付近まで冷却し、25%安水50.0g(0.734モル)を徐々に加えて、60〜65℃で2.5時間加水分解を行った。
【0234】
室温まで冷却後、35%塩酸45.0g(0.432モル)とクロロホルム300mlを加えて洗浄し有機層を分液し、更にもう一度水層にクロロホルム200mlを加えて有機層を抽出分液した。分液した有機層は併せて減圧濃縮後、残渣を減圧蒸留し、115〜118℃/200Pa(1.5torr)の留分を分取した。結果、純度99%のN−メチル−N’−(2−メルカプトエチル)−エチレン尿素(MEMI)43.0g(0.266モル、純換収率=77%)を得た。
【0235】
次に、純度93%のDGEU21.3g(0.10モル)、トリエチルアミン1.0g、とアセトニトリル50mlの混合液を75℃まで昇温し、純度99%のMEMI32.3g(0.20モル)を75〜80℃滴下し、80℃で4時間熟成した。反応液を5℃まで冷却後、トリエチルアミン48.0g(0.47モル)を加え、内温5〜10℃でメタクリル酸クロライド50.0g(0.48モル)を滴下し、20〜30℃で1時間熟成した。
【0236】
得られた反応液にトルエン100mlを加えて濾過後、濾液をエバポレーターにて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度95%のN,N’−ビス{6−(N−メチル−イミダゾリジノニル−N’−)−2−(メタクリロイルオキシ)−4−チアヘキシル}−エチレン尿素(S−3I)を28.6g(0.042モル、純換収率=42%/DGEU)得た。
【0237】
得られたS−3Iの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図39参照
13C−NMR → 図40参照
【0238】
実施例19
N,N’−ビス(アクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(AEEUと略す。)の合成
純度99%のHEEU200.0g(1.14モル)、トリエチルアミン232.7g(2.30モル)とアセトニトリル1000mlの混合液に、アクリル酸クロライド208.2g(2.30モル)を5〜10℃で1時間かけて滴下し、10〜25℃で3時間熟成した。反応液を濾過後、濾液を酢酸にて中和し、30℃以下で減圧濃縮した。残渣にトルエンを加えもう一度濾過し、濾液を再度30℃以下で減圧濃縮した。最後に得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮段階でメトキシフェノールを0.2g加えて、純度96%のN,N’−ビス(アクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(AEEU)を191.1g(0.650モル、純換収率=57.0%)得た。
【0239】
得られたAEEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図41参照
13C−NMR→ 図42参照
【0240】
実施例20
N,N’−ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトエチルチオ)−エチル}−エチレン尿素(MESPIと略す。)の合成
N,N’−ジグリシジル−エチレン尿素(DGEU)59.4g(0.30モル)、トリエチルアミン3.0gの混合液を50℃まで昇温し、2−メルカプトエタノール47.8g(0.61モル)を50〜80℃滴下し、60℃で1時間熟成した。
【0241】
反応液を室温まで冷却後、三臭化リン109.4g(0.40モル)を20〜30℃で1時間かけて滴下し、60℃で4時間熟成した。得られた反応液にクロロホルム400mlと水200mlを加えて抽出し、有機層を減圧濃縮して、粗N,N’−ビス{2−ブロモ−3−(2−ブロモエチルチオ)−プロピル}−エチレン尿素165.0g(0.272モル、粗収率90.7%/DGEU)を得た。
【0242】
次に、得られたブロモ体155.0g(0.26モル)に、チオ尿素166g(2.19モル)、水200mlを加えて、4時間加熱攪拌還流(内温100〜102℃)させた。
【0243】
40℃まで冷却後、28wt%安水198.0g(3.27モル)を内温40〜45℃で30分かけて滴下し、50℃で2時間熟成した。
【0244】
得られた反応液を、クロロホルム300mlで3回(計900ml)抽出し、集めた有機層を、塩酸洗浄、炭酸ナトリウム水洗浄、水洗と順次行った後、減圧濃縮してMESPIを109.3g(0.26モル)得た。最後に粗MESPIをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、純度98%粗N,N’−ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトエチルチオ)−エチル}−エチレン尿素(MESPI)を73.0g(0.17モル、純換収率=60%/DGEU)得た。
【0245】
得られたMESPIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図43参照
13C−NMR → 図44参照
【0246】
実施例21
N,N’−ジアリル−エチレン尿素(DAEUと略す。)の合成
60wt%水素化ナトリウム101.0g(2.5モル)とTHF800mlの混合液に、エチレン尿素(EU)100.0g(1.16モル)を内温40〜50℃で1時間以上かけて加え、50℃で1時間保持した。次にアリルブロマイド305.5g(2.5モル)を内温40〜50℃で1時間かけて滴下し、53℃で1時間保持した。
【0247】
冷却下、室温でメタノール50mlを徐々に加えて濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。残った残渣にヘキサンを加えてよく混合後、濾過し、濾液を減圧濃縮した。さらにもう一度残渣にヘキサンを加えてよく混合濾過し、濾液を減圧濃縮し、濃縮残渣109.8gを得た。
【0248】
最後に、この濃縮残渣に亜硫酸ナトリウム0.1gを加えて減圧蒸留を行い、95〜105℃/0.12kPaの留分を捕集した。結果、純度98%のN,N’−ジアリル−エチレン尿素(DAEU)78.3g(0.46モル、純換収率40%/EU)が得られた。
【0249】
得られたDAEUの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図45参照
MSスペクトル → 図46参照
【0250】
実施例22
N−モノ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素(MACIと略す。)の合成
ピリジン200.0g(2.5モル)、エチレン尿素(EU)100.0g(1.16モル)、ジクロロエタン1000mlの混合液に、アリルクロロフォーメート303.8g(2.52モル)を内温25〜30℃で0.5時間以上かけて滴下し、その後還流下(86〜88℃)で6時間保持した。
【0251】
冷却後、ジクロロエタン500mlと水400mlを加えてよく混合し、静置して有機層を分離した。さらに得られた有機層を16wt%食塩水で洗浄した。次に水層を分離し、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて濾過後、得られた濾液を減圧下で濃縮した。最後に残った残渣をトルエンで再結晶後、減圧乾燥し、純度88%のN−モノ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素(MACI)69.0g(0.36モル、純換収率31%/EU)が得られた。
【0252】
得られたMACIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図47参照
MSスペクトル → 図48参照
【0253】
実施例23
N,N’−ジ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素(DACIと略す。)の合成
60wt%水素化ナトリウム50.0g(1.25モル)とTHF1000mlの混合液に、エチレン尿素(EU)50.0g(0.58モル)を内温40〜50℃で0.5時間以上かけて加え、50〜52℃で1時間保持した。次に、この混合液に、アリルクロロフォーメート150.7g(1.25モル)を内温25〜30℃で1.5時間以上かけて滴下し、その後還流下(66℃)で2時間保持した。
【0254】
室温まで冷却後、不溶物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。この濃縮残渣にヘキサン400mlとトルエン500mlを加え、65℃迄加熱し、同温度で不溶物を濾別し、濾液を徐々に室温まで冷却することで再結晶を行い、濾過した。最後に得られた濾塊にヘキサンを加えてスラッジングを行い、再び濾過し、得られた濾塊を減圧乾燥し、純度92%のN,N’−ジ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素(DACI)72.2g(0.26モル、純換収率45%/EU)が得られた。
【0255】
得られたDACIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図49参照
MSスペクトル → 図50参照
【0256】
実施例24
N−モノ(メタアリロイル)−エチレン尿素(EUMと略す。)の合成
ピリジン158.2g(2.0モル)、エチレン尿素(EU)172.2g(2.0モル)、アセトニトリル1000mlの混合液に、メタクリル酸クロライド209.1g(2.0モル)を内温15〜20℃で0.5時間以上かけて滴下し、その後20〜25℃で3時間保持した。
【0257】
次に、その反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残った残渣をシリカゲルカラクムクロマトで精製し、さらに濃縮して得られた残渣をトルエンとヘキサンの混合溶媒で再結晶することによって、純度99%のN−モノ(メタクリロイル)−エチレン尿素(EUM)35.0g(0.23モル、純換収率11%/EU)が得られた。
【0258】
得られたEUMの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図51参照
MSスペクトル → 図52参照
【0259】
実施例25
N,N’−ジ(メタクリロイル)−エチレン尿素(DMAIと略す。)の合成60wt%水素化ナトリウム100.0g(2.50モル)とTHF1600mlの混合液に、エチレン尿素(EU)100.0g(1.16モル)を内温40〜50℃で2時間以上かけて加え、40〜50℃で4時間保持した。室温まで冷却後、メタクリル酸クロライド250.0g(2.39モル)を内温40℃で2時間かけて滴下し、同温度(40℃)で2時間保持した。
【0260】
次に、この反応液にメタノール50mlを内温20〜25℃で注意深く加え、続いて同様に35wt%塩酸200gを内温20〜25℃で徐々に加え、減圧濃縮した。
【0261】
次に、濃縮残渣にヘキサン1000mlを加えてよく混合し、静置後、分離したヘキサン層を廃棄した。分離した水層に酢酸エチル1000mlを加えてよく混合し、静置後、分離した酢酸エチル層を分取し、再び減圧濃縮した。
【0262】
最後に、トルエン800mlとヘキサン800mlを加えて加熱攪拌後、熱濾過した濾液を徐々に5℃まで冷却して再結晶を行い、濾過して得られた結晶を減圧乾燥して、純度95%のN,N’−ジ(メタクリロイル)−エチレン尿素(DMAI)10.0g(0.043 モル、純換収率3.7%/EU)が得られた。
【0263】
得られたDMAIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図53参照
MSスペクトル → 図54参照
【0264】
実施例26
N−メチル−N’−グリシジル-エチレン尿素(MGIと略す。)の合成
反応フラスコに、N−メチル−エチレン尿素450g(4.05モル)、エピクロルヒドリン2082.0g(25.5モル)、トリメチルベンジルクロライド15gを装入し、加熱還流下(115〜120℃)5時間反応させ、60℃まで冷却した。
【0265】
次いで、39%水酸化ナトリウム水溶液625.0g(6.09モル)を滴下し、80℃で1時間熟成した。
【0266】
室温まで冷却後、濾過し、得られた濾液にクロロホルムと水を加えてよく混合し、静置後、クロロホルム層を分取した。得られたクロロホルム層をエバポレーターにて濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。結果、純度92%のN−メチル−N’−グリシジル-エチレン尿素(MGIと略す。)を56.2g(0.33モル、純換収率=8.2%/N−メチル−エチレン尿素)得た。
【0267】
得られたMGIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図55参照
MSスペクトル → 図56参照
【0268】
実施例27
N−メチル−N’−アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素(MAEIと略す。)の合成
クロロエチルオキサゾリドンとメチルアミンから合成したN−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレン尿素(HEMI)421g(2.90モル)、トリエチルアミン302g(2.98モル)とクロロホルム1000gの混合液に、内温3〜13℃でアクリル酸クロライド270g(2.98モル)を2時間以上で滴下し、5〜12℃で2時間熟成した。この反応液に、クロロホルムと水を加えて洗浄し、さらに分液分取した有機層を飽和食塩水で洗浄し、再び得られた有機層をエバポレーターにて減圧濃縮した。最後に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、純度98%のN−メチル−N’−アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素(MAEIと略す。)を261g(1.29モル、純換収率=44.5%)得た。
【0269】
得られたMAEIの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図57参照
【0270】
実施例28
N−アクリロイル-オキサゾリドン(ACOZと略す。)の合成
2−オキサゾリドン43.5g(0.50モル)とアセトニトリル200mlの混合液に、β−クロロプロピオン酸クロライド65.4g(0.52モル)を内温13〜18℃で0.5時間以上かけて滴下し、45℃で4時間保持した。次に10℃まで冷却後、トリエチルアミン104.2g(1.03モル)を内温10〜20℃で1時間以上かけて滴下し、20℃で1時間保持した。
【0271】
得られた反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、濃縮残渣にクロロホルム300 mlと水100mlを加えてよく混合し、静置後、有機層を分取した。
【0272】
次に、この有機層を減圧下で濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製した。結果、純度98%のN−アクリロイル-オキサゾリドン(ACOZ)20.5g(0.14モル、純換収率29%/オキサゾリドン)が得られた。
【0273】
得られたACOZの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図58参照
MSスペクトル → 図59参照
【0274】
実施例29
N−アリル-オキサゾリドン(ALOZと略す。)の合成
60wt%水素化ナトリウム20.0g(0.50モル)とTHF700mlの混合液に、2−オキサゾリドン43.5g(0.50モル)を内温25〜35℃で0.5時間以上かけて加え、60℃で2時間保持した。室温まで冷却後、この混合液に、アリルブロミド60.5g(0.50モル)を内温25〜30℃で0.5時間以上かけて滴下し、50℃で2時間保持した。
【0275】
得られた反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残った濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製した。結果、純度96%のN−アリル-オキサゾリドン(ALOZ)37.2g(0.28モル、純換収率56%/オキサゾリドン)が得られた。
【0276】
得られたALOZの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図60参照
MSスペクトル → 図61参照
【0277】
実施例30
N−ビニル−オキサゾリドン(VOZと略す。)の合成
エチレンカーボネート176.1g(2.00モル)とジエタノールアミン210.3g(2.00モル)を反応フラスコに装入し、160〜165℃で5時間反応させた。冷却後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラムにて精製し、粗N−ヒドロキシエチル−オキサゾリドンを310g得た。
【0278】
次に、この粗体に炭酸カリウム6.9g(0.05モル)とジエチルカーボネート945g(8.00モル)を加え、100〜106℃で生成するメタノールを抜き出しながら5時間反応した。冷却後、反応液を濾過して得られた濾液を減圧濃縮し、粗N-(エチルカーボネートエチル)-オキサゾリドンを163g得た。
【0279】
次に、炭酸カリウム6.9g(0.05モル)が加えられた190℃のフラスコに減圧下2.0〜2.7kPa(15〜20torr)で滴下し、留出してくる留分を捕集した。最後に、得れらた留分をもう一度1.3kPa(10torr)の減圧下で蒸留し、120〜123℃留分を捕集し、純度95%のN−ビニル−オキサゾリドンを63.0g(0.53モル、純換収率=26%/エチレンカーボネート)得た。
【0280】
得られたVOZの同定データは以下の通りである。
MSスペクトル → 図62参照
【0281】
実施例31
N−アクリロイル-ピロリドン(NAPDと略す。)の合成
2−ピロリドン42.6g(0.50モル)とクロロホルム75mlの混合液に、β−クロロプロピオン酸クロライド65.4g(0.52モル)を内温25〜30℃で0.5時間以上かけて滴下し、40℃で4時間保持した。次に10℃まで冷却後、トリエチルアミン104.2g(1.03モル)を内温10〜20℃で1時間以上かけて滴下し、20℃で1時間保持した。
【0282】
得られた反応液にクロロホルム300mlと水200mlを加えてよく混合し、静置後、有機層を分取した。
【0283】
次に、この有機層を減圧下で濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製した。結果、純度85%のN−アクリロイル-ピロリドン(NAPD)50.5g(0.31モル、純換収率62%/ピロリドン)が得られた。
【0284】
得られたNAPDの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図63参照
MSスペクトル → 図64参照
【0285】
実施例32
N−アリル-ピロリドン(ALPDと略す。)の合成
60wt%水素化ナトリウム40.0g(1.00モル)とTHF600mlの混合液に、2−ピロリドン85.1g(1.00モル)を内温24〜33℃で1時間以上かけて加え、60℃で2時間保持した。冷却後、この混合液に、アリルブロミド121.0g(1.00モル)を内温30〜35℃で1時間以上かけて滴下し、45℃で2時間保持した。
【0286】
得られた反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残った濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製した。結果、純度97%のN−アリル-ピロリドン(ALPD)75.3g(0.58モル、純換収率58%/ピロリドン)が得られた。
【0287】
得られたALPDの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図65参照
MSスペクトル → 図66参照
【0288】
実施例33
N−アリル−N−メチル−アセトアミド(ALACMと略す。)の合成
60wt%水素化ナトリウム40.0g(1.00モル)とTHF500mlの混合液に、N−メチル−アセトアミド73.1g(1.00モル)を内温21〜27℃で40分以上かけて加え、60℃で2時間保持した。冷却後、この混合液に、アリルブロミド121.0g(1.00モル)を内温29〜31℃で40分以上かけて滴下し、50℃で2時間保持した。
【0289】
得られた反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残った濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製した。結果、純度97%のN−アリル−N−メチル−アセトアミド(ALACM)65.0g(0.56モル、純換収率56%/N−メチル−アセトアミド)が得られた。
【0290】
得られたALACMの同定データは以下の通りである。
1H−NMR → 図67参照
MSスペクトル → 図68参照
【0291】
実施例34
ポリマーの製造−1
窒素バブリングされたシクロヘキサン50mlのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)265mgを加えて窒素バブリングを行った。そこに純度97%のMEMEU20.0gを内温20℃で装入し、70℃で4時間加熱重合を行った。
【0292】
重合終了後、溶媒のシクロヘキサンをデカントし、残った白色固形物にメタノール100mlを加えて溶解し、あらかじめ敷いておいたジエチルエーテル500mlに攪拌しながら滴下し、析出した白色固形物を取り出し、減圧乾燥した。
【0293】
結果、GPC分析による平均分子量12万(ポリスチレン換算)MEMEUポリマー17.3gを得た。
【0294】
このポリマーのDSCの測定結果は、−180〜250℃の範囲で、TgもTmも観察されなかった(1st−Heat、1st−Cool、2nd−Heat)。
【0295】
更にこのポリマーの溶媒に対する溶解度は、エタノール、クロロホルムに対して室温で任意(試験範囲;1〜100wt%/溶媒重量)に溶解した。
【0296】
実施例35
ポリマーの製造−2
純度97%のN,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(MEEU)10.0gとN−メチル−N’−ビニル−エチレン尿素(MVI)10.0gの混合液に、光開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン100mg(0.5wt%)、ラジカル触媒としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート60mg(0.5wt%)、内部離型剤としてジ(5−n−ブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキシペンチル)燐酸60mg(0.5wt%)を加えて混合減圧脱泡をい、強度100〜130mW/cm2の紫外線を照射して硬化させ、さらに80〜120℃でアニールを行った。
得られた樹脂は透明で、水接触角は10°であった。
【0297】
実施例36
ポリマーの製造−3
純度96%のN,N’−ビス(アクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素(AEEU)10.0gとN−メチル−N’−アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素(MAEI)10.0gの混合液に、光開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10mg(500ppm)、ラジカル触媒としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40mg(2000ppm)、内部離型剤としてジ(5−n−ブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキシペンチル)燐酸40mg(2000ppm)を加えて混合減圧脱泡をい、強度80〜110mW/cm2の紫外線を照射して硬化させ、さらに80〜120℃でアニールを行った。得られた樹脂は透明で、水接触角は7°であった。
【0298】
実施例37〜49
ポリマーの製造−4〜16
実施例35または実施例36と同様にして重合を行った。得られた樹脂の物性を表−1に掲載する。
【0299】
比較例1〜4
市販のスライドガラスと汎用樹脂の接触角を測定した。結果を表−1に掲載する。
【0300】
比較例5〜7
実施例35または実施例36と同様にして重合を行った。得られた樹脂の物性を表−1に掲載する。
【0301】
比較例8
アクリル酸を、実施例36の条件で樹脂化を試みたところ、重合はしたが、得られた樹脂は無数のヒビ・割れがあり、発泡していた。接触角は測定できなかった。
【0302】
【表9】
なお、表中の略号は以下の通りである。
【0303】
【化18】
【0304】
実施例50
ポリマーの製造−17
純度98%のN,N’−ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトチオ)−エチル}−エチレン尿素(MESPI)10.1gとビス(イソシアナートメチル)ノルボルナン(NBDI)9.9g混合液に、触媒としてジブチル錫ジクロライド6mg(300ppm)、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(t−オクチル)フェノール10mg(500ppm)、内部離型剤としてジ(5−n−ブトキシ−1,4−ジメチル−3−オキシペンチル)燐酸60mg(3000ppm)を加えて混合減圧脱泡をい、室温〜120℃で18時間加熱重合を行った。得られた厚さ10mmの樹脂板は透明で、屈折率1.62(e線;546nm)、アッベ数(νe)39、Tg(TMA)137℃、密度d=1.30(g/cc)であった。
【0305】
また、得られた樹脂を、分散染料MLP Blue−2(三井BASF染料)2.0g、MLP Red−2(三井BASF染料)2.0g、MLP Yellow−2(三井BASF染料)4.0gと水1000mlの混合液に、91〜93℃で60分間浸漬した後、取り出し洗浄乾燥した。
結果、500nmでの透過率で、79%(染色試験前85%)まで染色されていた。結果を表−2に掲載する。
【0306】
比較例9
ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトチオ)−エチル}スルフィド(FSH)9.4gとビス(イソシアナートメチル)ノルボルナン(NBDI)10.6gを混合し実施例42と同様に加熱重合した。得られた厚さ10mmの樹脂板は透明で、屈折率1.63(e線;546nm)、アッベ数(νe)38、Tg(TMA)130℃、密度d=1.31(g/cc)であった。
【0307】
また、実施例50と同様に、染色試験を行った。結果、500nmでの透過率は84%(染色試験前85%)で、実施例42の樹脂よりも耐熱性が低いにもかかわらず、この条件では染まらなかった。
結果を表−2に掲載する。
【0308】
実施例51
ポリマーの製造−18
純度99%のN,N’−ビス(チオグリシジルチオエチル)−エチレン尿素(TGEU)20.0gと純度95%のN,N’−ビス(メルカプトエチル)−エチレン尿素(DMEU)1.0gの混合液に、触媒としてトリエチルアミン21mg(1000ppm)を加えて、減圧下で混合脱泡を行った。この脱泡液を、モールドに装入し、25℃から120℃まで20時間で徐々に昇温加熱して重合性化合物を硬化させ、120℃で2時間アニールを行った。得られた樹脂は透明で、屈折率1.66(e線;546nm)、アッベ数(νe)36、Tg(TMA)74℃、密度d=1.32(g/cc)であった。
【0309】
また、得られた樹脂を、分散染料MLP Blue−2(三井BASF染料)5.0gと水1000mlの混合液に、92℃で3分間浸漬した後、樹脂を取り出し洗浄乾燥した。結果、均一に濃紺色に染まった樹脂が得られた。
結果を表−2に掲載する。
【0310】
比較例10
ビス(チオグリシジル)ジスルフィド(ETDSと略す。)18.0g、ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトチオ)−エチル}スルフィド(FSH)2.0g、N,N-ジメチル-シクロヘキシルアミン4mg(200ppm)、N,N-ジシクロヘキシル-メチルアミン20mg(1000ppm)、そして2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(t−オクチル)フェノール220mg(1.1wt%)を混合し実施例28と同様に加熱重合した。得られた厚さ10mmの樹脂板は透明で、屈折率1.74(e線;546nm)、アッベ数(νe)33、Tg(TMA)80℃、密度d=1.46(g/cc)であった。
得られた樹脂を実施例51の条件で染色を試みたが、ほとんど染色されなかった。
結果を表−2に掲載する。
【0311】
【表10】
【0312】
実施例52、比較例11
(吸水試験)
実施例37の樹脂と比較例6の樹脂の水没吸水重量増加試験を行った
(純水、23℃)。結果を表−3に掲載する。
【0313】
【表11】
【0314】
【発明の効果】
本発明の有機重合体は、物理的、化学的に安定で、高い濡れ性、吸水(液)性、透明性、並びに染色性を有するによって、防汚染材料、防曇り材料、結露防止材料、吸水(液)材料、及び光学材料等の機能性材料分野に好適に使用できる。また、高い濡れ性と高い透明性を確保する為に、従来のような特別な工夫、装置、並びに煩雑な2次加工等を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたクロロエチルオキサゾリドンの1H−NMRチャートである。
【図2】実施例1で得られたクロロエチルオキサゾリドンの13C−NMRチャートである。
【図3】実施例1で得られたN-メトキシエチル-N’−ヒドロキシエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図4】実施例1で得られたN-メトキシエチル-N’−ヒドロキシエチル−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図5】実施例2で得られたN-メトキシエチル-N’−メルカプトエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図6】実施例2で得られたN-メトキシエチル-N’−メルカプトエチル−エチレン尿素のIRチャートである。
【図7】実施例3で得られたN,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図8】実施例3で得られたN,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図9】実施例3で得られたN,N’−ビス(メルカプトエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図10】実施例3で得られたN,N’−ビス(メルカプトエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図11】実施例4で得られたN-メトキシエチル-N’−メタクリロイルオキシエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図12】実施例4で得られたN-メトキシエチル-N’−メタクリロイルオキシエチル−エチレン尿素の13C−NMRチャートチャートである。
【図13】実施例5で得られたN-メトキシエチル-N’−アクリロイルチオエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図14】実施例5で得られたN-メトキシエチル-N’−アクリロイルチオエチル−エチレン尿素のIRチャートである。
【図15】実施例6で得られたN-メトキシエチル-N’−アリルチオカーボネートエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図16】実施例6で得られたN-メトキシエチル-N’−アリルチオカーボネートエチル−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図17】実施例7で得られたN-メトキシエチル-N’−アリルカーボネートエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図18】実施例7で得られたN-メトキシエチル-N’−アリルカーボネートエチル−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図19】実施例8で得られたN-メトキシエチル-N’−グリシジルオキシエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図20】実施例8で得られたN-メトキシエチル-N’−グリシジルオキシエチル−エチレン尿素のIRチャートである。
【図21】実施例9で得られたN,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図22】実施例9で得られたN,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図23】実施例10で得られたN,N’−ビス(アリルカーボネートエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図24】実施例10で得られたN,N’−ビス(アリルカーボネートエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図25】実施例11で得られたN,N’−ビス(アクリロイルチオエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図26】実施例11で得られたN,N’−ビス(アクリロイルチオエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図27】実施例12で得られたN,N’−ビス(アリルチオカーボネートエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図28】実施例12で得られたN,N’−ビス(アリルチオカーボネートエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図29】実施例13で得られたN,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図30】実施例13で得られたN,N’−ビス(グリシジルチオエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図31】実施例14で得られたN,N’−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図32】実施例14で得られたN,N’−ビス(メタクリロイルオキシメチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図33】実施例15で得られたN,N’−ビス(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図34】実施例15で得られたN,N’−ビス(グリシジルオキシエチル)−エチレン尿素のIRチャートである。
【図35】実施例16で得られたN,N’−ビス(チオグリシジルチオエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図36】実施例16で得られたN,N’−ビス(チオグリシジルチオエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図37】実施例17で得られたN,N’−ビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ−プロピル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図38】実施例17で得られたN,N’−ビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ−プロピル)−エチレン尿素のIRチャートである。
【図39】実施例18で得られたN,N’−ビス{6−(N−メチル−イミダゾリジノニル−N’−)−2−(メタクリロイルオキシ)−4−チアヘキシル}−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図40】実施例18で得られたN,N’−ビス{6−(N−メチル−イミダゾリジノニル−N’−)−2−(メタクリロイルオキシ)−4−チアヘキシル}−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図41】実施例19で得られたN,N’−ビス(アクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図42】実施例19で得られたN,N’−ビス(アクリロイルオキシエチル)−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図43】実施例20で得られたN,N’−ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトエチルチオ)−エチル}−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図44】実施例20で得られたN,N’−ビス{2−メルカプトメチル−2−(2−メルカプトエチルチオ)−エチル}−エチレン尿素の13C−NMRチャートである。
【図45】実施例21で得られたN,N’−ジアリル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図46】実施例21で得られたN,N’−ジアリル−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図47】実施例22で得られたN−モノ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図48】実施例22で得られたN−モノ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図49】実施例23で得られたN,N’−ジ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図50】実施例23で得られたN,N’−ジ(アリルオキシカルボニル)−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図51】実施例24で得られたN−モノ(メタクリロイル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図52】実施例24で得られたN−モノ(メタクリロイル)−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図53】実施例25で得られたN,N’−ジ(メタクリロイル)−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図54】実施例25で得られたN,N’−ジ(メタクリロイル)−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図55】実施例26で得られたN−メチル−N’−グリシジル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図56】実施例26で得られたN−メチル−N’−グリシジル−エチレン尿素のMSスペクトルチャートである。
【図57】実施例27で得られたN−メチル−N’−アクリロイルオキシエチル−エチレン尿素の1H−NMRチャートである。
【図58】実施例28で得られたN−アクリロイル−オキサゾリドンの1H−NMRチャートである。
【図59】実施例28で得られたN−アクリロイル−オキサゾリドンのMSスペクトルチャートである。
【図60】実施例29で得られたN−アリル−オキサゾリドンの1H−NMRチャートである。
【図61】実施例29で得られたN−アリル−オキサゾリドンのMSスペクトルチャートである。
【図62】実施例30で得られたN−ビニル−オキサゾリドンのMSスペクトルチャートである。
【図63】実施例31で得られたN−アクリロイル−ピロリドンの1H−NMRチャートである。
【図64】実施例31で得られたN−アクリロイル−ピロリドンのMSスペクトルチャートである。
【図65】実施例32で得られたN−アリル−ピロリドンの1H−NMRチャートである。
【図66】実施例32で得られたN−アリル−ピロリドンのMSスペクトルチャートである。
【図67】実施例33で得られたN−アリル−N−メチル−アセトアミドの1H−NMRチャートである。
【図68】実施例33で得られたN−アリル−N−メチル−アセトアミドのMSスペクトルチャートである。
Claims (12)
- 式(B)
- 請求項1、請求項2、または請求項3記載の重合性化合物を含む重合性組成物。
- 請求項1、請求項2、または請求項3記載の重合性化合物、または請求項4記載の重合性組成物を重合して得られる水接触角が20°以下の有機重合体。
- 請求項1、請求項2、または請求項3記載の重合性化合物、または請求項4記載の重合性組成物を重合して得られる水接触角が7°以下の有機重合体。
- 請求項5又は請求項6記載の有機重合体を含む成形体。
- 請求項5、請求項6記載の有機重合体、又は請求項7記載の成形体からなる防汚染材料。
- 請求項5、請求項6記載の有機重合体、又は請求項7記載の成形体からなる防曇材料。
- 請求項5、請求項6記載の有機重合体、又は請求項7記載の成形体からなる結露防止材料。
- 請求項5、請求項6記載の有機重合体、又は請求項7記載の成形体からなる吸水材料。
- 請求項5、請求項6記載の有機重合体、又は請求項7記載の成形体から なる光学材料。
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