JP3962726B2 - 光学装置 - Google Patents

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本発明は、1本のレーザ光を複数本のレーザ光に分割する光学装置に関し、特にその分割されて得られた複数本のレーザ光を加工対象物に入射させて、その加工対象物を加工する光学装置に関する。
ビームスプリッタを用いて、1本のレーザ光を複数本のレーザ光に分割する技術が知られている(特許文献1参照)。例えば、光源から出射したレーザ光を、第1のビームスプリッタに入射させて2分割し、そのうちの1本のレーザ光を第2のビームスプリッタに入射させてさらに2分割することにより、合計3本のレーザ光が得られる。このようにして、n−1個のビームスプリッタを用いて、1本のレーザ光をn分割することができる。
シリンダアレイを用いて、レーザ光を分割する技術も知られている(特許文献2参照)。シリンダアレイに入射するレーザ光の光軸と平行な方向をZ方向とするXYZ直交座標系を考える。シリンダアレイは、光軸をZ方向と平行にし、かつ円柱面の母線方向をY方向と平行にしたシリンドリカルレンズが、X方向にn個配列されて構成される。シリンダアレイの全面に入射したレーザ光が、そのシリンダアレイを構成するシリンドリカルレンズの個数に等しい本数、即ちn本に分割される。
特開2003−103390号公報 特開2002−244078号公報
ビームスプリッタを用いてレーザ光を強度に関して精度よく均等に分割するのは難しい。即ち、理想的には強度比が50:50となる条件でレーザ光を分割するように製作されたビームスプリッタ(ハーフミラー)であっても、実際にはそれを用いて分割されたレーザ光の強度比は例えば48:52のように50:50からずれる。ここで、1本のレーザ光をn分割した場合、それらn本のレーザ光のうち最も強度が大きいレーザ光の強度から、最も強度が小さいレーザ光の強度を減じた値の、最も強度が大きいレーザ光の強度に対する割合を、ばらつき度と定義する。ハーフミラーを用いる場合、ばらつき度は分割数nの増大に伴い増大する。例えば、1個のハーフミラーを用いてレーザ光を2分割する場合のばらつき度は、(52−48)/52×100=7%程度であるが、7個のハーフミラーを用いてレーザ光を8分割する場合のばらつき度は、27%程度になってしまう。
シリンダアレイは、それを構成する各々のシリンドリカルレンズの集光作用により、1本のレーザ光をそのビーム断面内の位置に関して分割する。従って、分割されたレーザ光のばらつき度は、シリンダアレイに入射するレーザ光のビーム断面内における強度分布に依存してしまう。分割されたレーザ光のばらつき度を小さく抑えようとする場合、シリンダアレイの前段に、レーザ光のビーム断面内における強度分布を均一化するホモジナイザを配置する必要がある(特許文献2参照)。そのため、分割光学系全体としての構成が複雑になってしまう。
本発明の目的は、1本のレーザ光から、強度のばらつきが抑えられた複数本のレーザ光を得る技術を提供することにある。また、本発明の目的は、1本のレーザ光から、強度のばらつきが抑えられた複数本のレーザ光を得る光学系を簡素な構成で実現することにある。また、本発明の目的は、複数本のレーザ光を加工対象物に入射させて、その加工対象物を精度よく加工する技術を提供することにある。
本発明の一観点によれば、
レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光を複数本のレーザ光に分割する分割手段と、
前記分割手段によって分割されたレーザ光がそれぞれ入射端から入射する複数本の光ファイバであって、該複数本の光ファイバの出射端から出射する複数本のレーザ光の強度のばらつきの度合いが、前記分割手段によって分割された複数本のレーザ光の強度のばらつきの度合いよりも小さくなるように、該複数本の光ファイバのうち相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバと相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバとでその曲率及び全長の少なくともいずれか一方を異ならせて構成した複数本の光ファイバと
基板を保持する保持台と、
各々前記光ファイバの出射端を、該出射端から出射したレーザ光が前記基板の表面に入射する位置に保持する複数の第1の加工ヘッドであって、これら第1の加工ヘッド群を通して前記基板の表面に入射するレーザ光のビームスポットが該基板の表面上で第1の方向に離散的に配置される複数の第1の加工ヘッドと、
前記保持台を、前記第1の加工ヘッド群に対して、前記基板の表面と平行な方向であって前記第1の方向と交差する方向に移動させる第1の移動機構と、
各々自己に入射したレーザ光を前記基板の表面へ導く複数の第2の加工ヘッドであって、これら第2の加工ヘッド群によって前記基板の表面に導かれたレーザ光のビームスポットが該基板の表面上で前記第1の方向と交差する第2の方向に離散的に配置される複数の第2の加工ヘッドと、
前記保持台を、前記第2の加工ヘッド群に対して、前記第2の方向と交差する方向に移動させる第2の移動機構と、
前記光ファイバの出射端から出射したレーザ光が、対応する前記第1の加工ヘッドを通して前記基板に入射することを許容する状態と、前記光ファイバの出射端から出射したレーザ光をそれぞれ前記第2の加工ヘッドへ入射させるとともに、前記第1の加工ヘッド群を通して前記基板にレーザ光が入射することを阻止する状態とのいずれかの状態を選択的にとる切り替え光学系と
を備えた光学装置が提供される。
分割手段によって分割された複数本のレーザ光のうちの相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバの曲率を、その複数本のレーザ光のうちの相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバの曲率よりも大きくすることにより、その複数本のレーザ光の強度のばらつきを抑制できる。また、その複数本のレーザ光のうちの相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバの全長を、その複数本のレーザ光のうちの相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバの全長よりも長くすることにより、その複数本のレーザ光の強度のばらつきを抑制できる。
これにより、分割手段の前段にホモジナイザ等を配置することなく、強度のばらつきが抑えられた複数本のレーザ光を得ることができる。また、レーザ光を所望の箇所、例えば加工箇所へ伝送する光ファイバ群が、分割手段によって分割された複数本のレーザ光の強度のばらつきを低減させる機能を兼ねるので、分割されたレーザ光のばらつきを低減させるための光学フィルタその他の専用の光学系が不要となる。その結果、強度のばらつきが抑えられた複数本のレーザ光を得る光学系を簡素な構成で実現できる。
図1に、実施例によるレーザ加工装置の一部の構成を示す。エキシマレーザ発振器である光源1が、レーザ光を出射する。シャッタ2が、制御部40から与えられる制御信号sigに従って、光源1から出射されたレーザ光の通過を許容する許容状態、及び通過を阻止する阻止状態のいずれかの状態を選択的にとる。シャッタ2によって通過を許容されたレーザ光は、アッテネータ3によってその強度を減衰され、エキスパンダ4によってそのビーム径を拡大された後、マスク5に入射する。マスク5には、レーザ光の通過を許容する貫通孔5aが形成されていて、マスク5を通過したレーザ光のビーム断面形状は、貫通孔5aの形状に整合したものとなる。
回折光学素子(DOE;DiffractiveOptical Element)6が、マスク5を通過したレーザ光が入射する位置に配置されている。DOE6は、自己に入射したレーザ光を13本のレーザ光に分割する。DOE6によれば、ばらつき度が1%以下となるようにレーザ光を13分割することが可能である。但し、ばらつき度をゼロとすることは困難であり、DOE6によって13分割されたレーザ光の中には、相対的に強度の大きいレーザ光と相対的に強度の小さいレーザ光とが存在する。
フォーカスレンズ7が、DOE6によって13分割されたレーザ光の全てが入射する位置に配置されている。DOE6の配置位置が、このフォーカスレンズ7の前側焦点の位置と一致する。そのため、フォーカスレンズ7が、DOE6によって13分割されたレーザ光の光軸を相互に平行に近づける。フォーカスレンズ7によって光軸を平行に近づけられた13本のレーザ光の各々のビーム断面のサイズは、共通の仮想平面S上で最小となる。
光ファイバ群8が、フォーカスレンズ7によって光軸を平行に近づけられた13本のレーザ光が入射する位置に配置されている。光ファイバ群8は、DOE6によって分割されたレーザ光がそれぞれ入射する第1〜第13の光ファイバF〜F13によって構成されている。第1〜第13の光ファイバF〜F13の各々は、中空管状体の内壁に反射コーティングが施されたファイバである。なお、第1〜第13の光ファイバF〜F13の各々として、耐エキシマレーザ用の石英ファイバ等を用いてもよい。
仮想平面S上に、第1〜第13の光ファイバF〜F13の入射端が配置されている。レーザ光のビーム断面のサイズが最小となる位置に、光ファイバF〜F13の入射端を配置することにより、13分割されたレーザ光をもらすことなく光ファイバF〜F13に入射させることができる。また、光ファイバF〜F13の入射端を共通の仮想平面S上にそろえて配置するので、光ファイバ群8の入射端部の設計が容易となる。
第1〜第13の光ファイバF〜F13の各々の伝送効率、即ちその光ファイバに入射するレーザ光の強度に対するその光ファイバから出射するレーザ光の強度の比率は、その光ファイバの曲率及び全長に依存する。即ち、光ファイバの全長が長い程、その光ファイバの伝送効率が低下する。また、光ファイバの曲率が大きい程、その光ファイバの伝送効率が低下する。なお、ここでいう曲率とは、光ファイバの入射端から出射端までの間の少なくとも一部を湾曲させて引き回す場合の当該湾曲部の曲がりの程度を表す値であって、具体的にはその湾曲部の曲率半径の逆数のことである。
そこで、DOE6によって13分割されたレーザ光のうちの相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバの全長を、その13分割されたレーザ光のうちの相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバの全長よりも長く設計している。また、その13分割されたレーザ光のうちの相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバの曲率を、その13分割されたレーザ光のうちの相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバの曲率よりも大きく設計している。
これにより、光ファイバF〜F13の出射端から出射するレーザ光のばらつき度を、DOE6によって13分割されたレーザ光のばらつき度(約1%)よりも小さくすることができる。1%程度のばらつき度であれば、光ファイバの曲率及び長さの少なくともいずれか一方によって容易に補正できる。そのため、光ファイバF〜F13の出射端からは、ばらつき度がゼロに近づけられたレーザ光を出射させることができる。
図2に、上記レーザ加工装置の光ファイバ群8以降の構成を示す。XYテーブル10が、加工対象物としての基板11を保持している。基板11の厚さ方向をZ方向とするXYZ直交座標系を考える。XYテーブル10が、図1の制御部40から与えられる制御信号sigに従って、基板11をXY平面内で移動させる。
X支持レール12及びY支持レール13が、基板11の表面よりも高い位置においてそれぞれX方向及びY方向に延在している。これらX支持レール12及びY支持レール13は、XYテーブル10とは独立に構成されており、共に不動のものとなっている。
コーナミラー14が、X支持レール12とY支持レール13とが交差する位置に、配置されている。コーナミラー14は、X支持レール12に沿って伝搬するレーザ光を、Y支持レール13に沿って伝搬するように反射させる。
第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13が、X支持レール12上に相互にX方向に間隔をあけて配置されている。なお、図2には、第1〜第5のX加工ヘッドHX〜HXのみを示す。第i(iは1から13までの自然数とする。)のX加工ヘッドHXが、第iの光ファイバFの出射端を、その出射端から出射したレーザ光が基板11の表面に入射する位置に保持している。第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13を通して基板11の表面に入射するレーザ光のビームスポットは、基板11の表面上においてX方向に関して離散的に配置される。
第1〜第13の光ファイバF〜F13を用いることにより、図1のDOE6によって13分割されたレーザ光の、第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13への分配を容易に実現できる。また、その13分割されたレーザ光をX加工ヘッドHX〜HX13へ導く第1〜第13の光ファイバF〜F13が、その13分割されたレーザ光の強度のばらつきを低減させる機能を兼ねるので、分割されたレーザ光の強度のばらつきを低減させるための光学フィルタその他の専用の光学系が不要となる。
第1〜第13のY加工ヘッドHY〜HY13が、Y支持レール13上に相互にY方向に間隔をあけて配置されている。なお、図2には、第1〜第7のY加工ヘッドHY〜HYのみを示す。第iのY加工ヘッドHYは、コーナミラー14で反射してY支持レール13に沿って伝搬し自己に入射するレーザ光を、基板11の表面に導く。第1〜第13のY加工ヘッドHY〜HY13によって基板11の表面に導かれたレーザ光のビームスポットは、基板11の表面上においてY方向に関して離散的に配置される。
図3に、図2に示したX加工ヘッドHX、Y加工ヘッドHY、及びコーナミラー14を含む光学系のより詳細な構成を示す。第iのX加工ヘッドHXは、第iのXミラーMX、マスク20、及び集光レンズ21を含んで構成されている。
ミラー移動機構30が、図1の制御部40から与えられる制御信号sigに従って、第iの光ファイバFの出射端から第iのX加工ヘッドHXを構成するマスク20までの光路内に第iのXミラーMXを移動させ、又はその光路から第iのXミラーMXを退避させる。
第iのXミラーMXが、第iの光ファイバFの出射端からマスク20までの光路から退避しているときに、第iのX加工ヘッドHXを通して基板11にレーザ光が入射する。即ち、第iの光ファイバFの出射端から出射したレーザ光は、まずマスク20に入射する。マスク20には貫通孔が形成されていて、その貫通孔が形成された部分だけがレーザ光の通過を許容する。マスク20を通過したレーザ光は集光レンズ21を通して基板11に入射する。集光レンズ21は、マスク20の貫通孔を基板11の表面に結像させる。
第iのXミラーMXが、第iの光ファイバFの出射端からマスク20までの光路上に配置されているときには、第iの光ファイバFから出射したレーザ光は、マスク20に到達することなく第iのXミラーMXによって反射される。反射されたレーザ光Liは、X軸に平行な方向に伝搬し、コーナミラー14に入射する。このとき、第iのX加工ヘッドHXを通した基板11へのレーザ光の入射が阻止される。
第1〜第13のXミラーMX〜MX13のY方向の位置は揃っているが、これらのZ方向の位置は相互に異ならせている。これにより、第1〜第13のXミラーMX〜MX13によって反射されてコーナミラー14へ向うレーザ光L〜L13の光軸の空間的位置をZ方向に関して相互に異ならせることができる。そのため、或るXミラーMXによって反射されたレーザ光Lが、そのXミラーMXよりもコーナミラー14寄りに配置された他のXミラーMXによって遮られることなくコーナミラー14へ到達する。
コーナミラー14が、X軸に沿って自己に入射したレーザ光L〜L13を、Y軸に沿う方向に反射する。コーナミラー14によって反射されたレーザ光L〜L13の光軸の空間的位置は、X方向に関しては揃っているが、Z方向に関しては相互に異なっている。
第iのY加工ヘッドHYは、第iのYミラーMY、マスク22、及び集光レンズ23を含んで構成されている。第1〜第13のYミラーMY〜MY13のX方向の位置は相互に揃っているが、これらのZ方向の位置を異ならせている。即ち、第iのYミラーMYiのZ方向の位置を、コーナミラー14によって反射されたレーザ光Lの光軸のZ方向の位置と対応させている。これにより、コーナミラー14によって反射されたレーザ光Lを、第iのYミラーMYに入射させることができる。第iのYミラーMYが、自己に入射したレーザ光をマスク22に入射させる。マスク22には貫通孔が形成されていて、その貫通孔が形成された部分だけがレーザ光の通過を許容する。マスク22を通過したレーザ光は集光レンズ23を通して基板11に入射する。集光レンズ23は、マスク22の貫通孔を基板11の表面に結像させる。
図4(a)に、基板11の概略図を示す。基板11は、透明な下地基板113上に、カラーフィルタ112とインジウム錫オキサイド(ITO)膜111とがこの順に積層されて構成されている。なお、基板11のサイズは、平面視において730mm×920mmである。図4(a)中、破線で示すように、ITO膜111の表面上でレーザ光のビームスポットを格子縞状の軌跡を描くように縦横に走査させて、ITO膜111に溝形成加工(スクライビング加工)を施す。以下、この具体的な手順について説明する。
まず、図2の第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13を通して基板11の表面にレーザ光を入射させる。これにより、レーザ光が入射した位置のITO膜111が除去される。図1の光源1から出射されるレーザ光は、紫外域の波長をもつパルスレーザ光である。ITO膜111の表面に、照射面におけるパルスエネルギ密度が約10mJ/cmとなる条件で紫外域の波長をもつパルスレーザ光を入射させることにより、カラーフィルタ112に損傷を与えることなく、ITO膜111だけを選択的に除去できる。光源1を構成するエキシマレーザ発振器によれば、他のレーザ発振器に比べて強度の大きな紫外パルスレーザ光を出射することが可能であるため、そのパルスレーザ光を13分割しても、分割された各々のパルスレーザ光のITO膜111表面におけるパルスエネルギ密度を約10mJ/cmとすることが充分に可能である。
次に、上記のようにして第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13を通して基板11の表面に13本のパルスレーザ光を入射させながら、XYテーブル10によって基板11を基準位置からY方向に移動させる。これにより、基板11の表面に、Y方向に平行な13本の溝を一括して形成できる。溝の各々は、ITO膜111が除去されて形成されるものであり、その底面にはカラーフィルタ112が露出している。ここで、溝の幅はその溝を形成するパルスレーザ光のパルスエネルギ密度に依存する。図1のDOE6が、ばらつき度が1%以下となるようにパルスレーザ光を13分割するとともに、光ファイバ群8が、その1%のばらつき度をゼロに近づけるので、第1〜第13のX加工ヘッドHX〜HX13を通して基板11に入射するパルスレーザ光の照射面におけるパルスエネルギ密度は相互に略等しいものとなる。このため、溝の幅を相互に略等しくすることができ、溝形成加工の加工精度を向上できる。
次に、図1の制御部40がシャッタ2の状態を阻止状態に切替える。これにより、基板11にレーザ光が入射しない状態となる。シャッタ2が阻止状態になっている間に、XYテーブル10が基板11の位置を基準位置に復帰させる。基板11を基準位置に復帰させる間に、図3のミラー移動機構30が、退避していた第1〜第13のXミラーMX〜MX13を、それぞれ第1〜第13の光ファイバF〜F13の出射端からマスク20までの光路内に移動させておく。
次に、図1の制御部40がシャッタ2の状態を許容状態に切替える。すると、このとき第1〜第13のXミラーMX〜MX13が上記光路内に配置されているので、今度は第1〜第13のY加工ヘッドHY〜HY13を通して基板11にパルスレーザ光が入射し、パルスレーザ光が入射した位置のITO膜111が除去される。
次に、上記のようにして第1〜第13のY加工ヘッドHY〜HY13を通して基板11の表面に13本のパルスレーザ光を入射させながら、XYテーブル10によって基板11を基準位置からX方向に移動させる。これにより、基板11の表面に、X方向に平行な13本の溝を一括して形成できる。この溝の各々も、ITO膜111が除去されて形成されるものであり、その底面にはカラーフィルタ112が露出している。第1〜第13のY加工ヘッドHY〜HY13を通して基板11に入射するパルスレーザ光の照射面におけるパルスエネルギ密度は相互に略等しいので、溝の幅を相互に略等しくすることができ、溝形成加工の加工精度を向上できる。
図4(b)に、上記のようにして溝形成加工された基板11の概略図を示す。ITO膜111の表面上で、パルスレーザ光のビームスポットを13行13列の格子縞状の軌跡を描くように走査させた結果、基板11の表面に行列状に配置された複数の画素電極111aが形成されている。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図1においてフォーカスレンズ7を省略してもよい。この場合、DOE6から出射した13本のレーザ光のビームサイズが最小となる位置が必ずしも同一平面上に揃わない。しかし、13分割されたレーザ光の各々のビームサイズが最小となる位置にそれぞれ光ファイバの入射端を配置することにより、それら13分割されたレーザ光をもらすことなく光ファイバに入射させることができる。
また、DOE6の前段、例えばマスク5とDOE6との間、又はビームエキスパンダ4とマスク5との間に、1本のレーザ光の拡がり角を抑えるフィールドレンズを配置してもよい。また、図1には、光ファイバF〜F13の入射端が仮想平面S上で一列に配列されている様子を示したが、仮想平面S上における光ファイバF〜F13の入射端の配列は2次元的であってもよい。これら光ファイバの入射端の配列を1次元的とするか2次元的とするかは、DOE6の設計による。
また、X加工ヘッドHX〜HX13及びY加工ヘッドHY〜HY13は、それぞれ光ファイバF〜F13から出射したレーザ光を、マスク投影法を用いて基板11に入射させることとしたが、必ずしもマスク投影法を用いなくてよい。例えば、図3において集光レンズ21及び23を省略し、マスク20及び22を通過したレーザ光をそのまま基板11に入射させてもよい。
また、図2において、隣り合うX加工ヘッド同士の間隔、及び隣り合うY加工ヘッド同士の間隔が可変となるような構成としてもよい。これにより、図4(b)の電極パネル111aのサイズを可変とすることができる。また、基板11のサイズの変更に柔軟に対応できる。
また、実施例では、ITO膜111の溝形成加工を行うこととしたが、他の除去加工に本発明を適用することもできる。例えば、光ファイバF〜F13から出射した複数本のレーザ光を銅箔に入射させ、銅箔に一括して多点の穴あけ加工を行うことができる。この場合、光源1をCOレーザ発振器等の他のレーザ発振器によって構成してもよい。
さらに、下地基板の表面に密着した被転写層にレーザ光を入射させ、レーザ光が入射した位置の被転写層を下地基板に接着させる(転写する)パターン転写加工に本発明を適用することもできる。具体的には、光ファイバF〜F13から出射した複数本のレーザ光のビームスポットを、被転写層上で例えば格子縞状の軌跡を描くように縦横に走査させて被転写層の一部を転写した後、転写していない部分の被転写層を剥離することにより、下地基板上に、被転写層からなる格子縞状のパターンを残すことができる。この他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
実施例によるレーザ加工装置の一部の構成を示す概略図である。 実施例によるレーザ加工装置の残余の構成を示す概略図である。 X加工ヘッド及びY加工ヘッドを含む光学系の構成を示す概略図である。 (a)は溝形成加工される前の基板を示す斜視概略図であり、(b)は溝形成加工された後の基板を示す斜視概略図である。
符号の説明
1…光源、2…シャッタ、3…アッテネータ、4…エキスパンダ、5…マスク、6…DOE(回折光学素子)、7…フォーカスレンズ(レンズ)、F〜F13…光ファイバ、HX〜HX13…X加工ヘッド(第1の加工ヘッド)、HY〜HY13…Y加工ヘッド(第2の加工ヘッド)、MX〜MX13…Xミラー(第1のミラー)、MY〜MY13…Yミラー(第2のミラー)、10…XYテーブル、11…基板、14…コーナミラー、30…ミラー移動機構、40…制御部。

Claims (5)

  1. レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射されたレーザ光を複数本のレーザ光に分割する分割手段と、
    前記分割手段によって分割されたレーザ光がそれぞれ入射端から入射する複数本の光ファイバであって、該複数本の光ファイバの出射端から出射する複数本のレーザ光の強度のばらつきの度合いが、前記分割手段によって分割された複数本のレーザ光の強度のばらつきの度合いよりも小さくなるように、該複数本の光ファイバのうち相対的に強度の大きなレーザ光が入射する光ファイバと相対的に強度の小さなレーザ光が入射する光ファイバとでその曲率及び全長の少なくともいずれか一方を異ならせて構成した複数本の光ファイバと
    基板を保持する保持台と、
    各々前記光ファイバの出射端を、該出射端から出射したレーザ光が前記基板の表面に入射する位置に保持する複数の第1の加工ヘッドであって、これら第1の加工ヘッド群を通して前記基板の表面に入射するレーザ光のビームスポットが該基板の表面上で第1の方向に離散的に配置される複数の第1の加工ヘッドと、
    前記保持台を、前記第1の加工ヘッド群に対して、前記基板の表面と平行な方向であって前記第1の方向と交差する方向に移動させる第1の移動機構と、
    各々自己に入射したレーザ光を前記基板の表面へ導く複数の第2の加工ヘッドであって、これら第2の加工ヘッド群によって前記基板の表面に導かれたレーザ光のビームスポットが該基板の表面上で前記第1の方向と交差する第2の方向に離散的に配置される複数の第2の加工ヘッドと、
    前記保持台を、前記第2の加工ヘッド群に対して、前記第2の方向と交差する方向に移動させる第2の移動機構と、
    前記光ファイバの出射端から出射したレーザ光が、対応する前記第1の加工ヘッドを通して前記基板に入射することを許容する状態と、前記光ファイバの出射端から出射したレーザ光をそれぞれ前記第2の加工ヘッドへ入射させるとともに、前記第1の加工ヘッド群を通して前記基板にレーザ光が入射することを阻止する状態とのいずれかの状態を選択的にとる切り替え光学系と
    を備えた光学装置。
  2. 前記分割手段が、回折光学素子によって構成されている請求項1に記載の光学装置。
  3. さらに、前記回折光学素子と前記光ファイバの入射端との間に配置され、前記回折光学素子によって分割された複数本のレーザ光の光軸を相互に平行に近づけるレンズを備えた請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記レンズが、前記回折光学素子によって分割された複数本のレーザ光のビーム断面が共通の仮想平面上で最小になるように該複数本のレーザ光を集光させ、
    前記複数本の光ファイバの入射端が、前記仮想平面上に配置されている請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記切り替え光学系が、
    それぞれ前記第1の加工ヘッドに対応して配置された複数の第1のミラーと、
    前記第1のミラーの各々を、対応する前記第1の加工ヘッドによって保持された前記光ファイバの出射端から出射したレーザ光の光路内に移動させ、又は該光路から退避させる切り替え機構と、
    前記複数の第1のミラーが前記光路内に移動されているときに該複数の第1のミラーによって反射された複数本のレーザ光が入射する位置に配置され、自己に入射したこれら複数本のレーザ光を前記第2の方向に沿って反射させるコーナミラーとを有し、
    前記第2の加工ヘッドの各々が、前記コーナミラーによって前記第2の方向に沿って反射されたレーザ光を前記基板に向けて反射する第2のミラーを有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学装置。
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